JP6091425B2 - 多層樹脂シート及び成形容器 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に多層樹脂シートに係り、より詳細には、紫外線による内容物の劣化等が問題となる用途の包装材料に用いて好適な熱可塑性樹脂シートに関する。また本発明は、このような樹脂シートを成形してなる成形容器にも関する。
従来から、食品、化粧品、医薬、医療品などの包装材料においては、包装材料を透過する紫外線によって、内容物が変質、変色、劣化する場合があり、このような不具合を抑制するため、包装材料中に紫外線吸収剤を添加する手段が採られてきた。例えば特許文献1には、内容物に不飽和脂肪酸を含有する食品の包装材として、酸化チタンを主成分とする無機系紫外線吸収剤を添加したものが提案されている。
しかしながら、無機系紫外線吸収剤を用いた場合、380〜400nmの波長の紫外線はカットできない問題や、無機粒子を樹脂中に分散、混合させるので分散不良や透明性が低下するなどの問題があった。
そこで、紫外線吸収剤として380〜400nmの波長の紫外線をカットすることができる有機系紫外線吸収剤を用いることが提案されている。しかしながら、特許文献2に記載されているように、有機系紫外線吸収剤を用いた場合でも、紫外線吸収剤が移行などによって内容物へ析出、溶出することで安全衛生上の問題があった。更に、有機系紫外線吸収剤を用いる場合は、加熱成形時に当該成分の析出物によって金型等が汚染され、生産性が損なわれるという問題も惹起した。
特許3646143号公報 特開2007−168357号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、紫外線による内容物の劣化等が問題となる用途の包装材料に用いて好適な多層樹脂シートを提供することを主たる目的とする。
また、本発明は、有機系紫外線吸収剤を用いるため、内容物の変質、変色、劣化等を確実に抑制することができる上、透明性を大きく低下させることがなく、しかも有機系紫外線吸収剤の析出等による従来の不具合を解消した多層樹脂シートを提供することを目的とする。
更に本発明は、上記多層樹脂シートを成形して得ることのできる成形容器を提供することも目的とする。
すなわち、本発明者等は、有機系紫外線吸収剤を添加したスチレン系樹脂シートを製造しようとした場合に、長時間の製膜によりロール汚れが生じてしまうことが分かり、その問題を解消するには、有機系紫外線吸収剤を一定範囲の樹脂表面には配合しないようにすればよいことを知見し、本発明を完成させるに至った。
よって、本発明の一態様によれば、有機系紫外線吸収剤を含有するスチレン系樹脂製の内部層の両面に、有機系紫外線吸収剤を含有しないスチレン系樹脂製の外部層を積層してなる多層樹脂シートが提供される。
上記態様において、本発明の目的に使用できる有機系紫外線吸収剤は特定のものに限定されるものではないが、一実施態様では、食品等の包装材に使用でき、380〜400nmの波長の紫外線をカットすることもできることから、ベンゾフェノン系又はベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が好適に選択される。また一実施態様では、有機系紫外線吸収剤の添加量は、内部層及び外部層を含む全樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜1.0質量部(すなわち、0.1〜1.0PHR)の範囲、更に好ましくは0.1〜0.8質量部(すなわち、0.1〜0.8PHR)の範囲とされる。
他の実施態様では、有機系紫外線吸収剤を含有しない外部層の厚みは、それぞれ、少なくとも25μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは35μm以上である。
また更なる実施態様では、多層樹脂シートは優れた透明性を有しており、その全光線透過率は60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。
他の態様によれば、上記多層樹脂シートを成形してなる成形容器が提供される。好ましくは、成形容器は、また紫外線によって変質、変色、劣化等する虞のある内容物を包装するための成形容器であり、好ましくは内容物が視認可能な程度の透明性が要求されるものである。
本発明の多層樹脂シートは、有機系紫外線吸収剤を含有しているため、380nm〜400nmの波長の紫外線もカットすることが可能である上、分散不良や透明性の低下の虞はない。また外部層には有機系紫外線吸収剤を含有させていないので、金型等を用いて加熱成形工程を施しても有機系紫外線吸収剤の析出がなく、金型等を汚染することもない上、その析出による内容物の汚染もない。
本発明の好適な実施形態では、多層樹脂シートは、内部層と該内部層の両表面に形成される外部層を具備する。外部層は、ノッチが形成されることとなるノッチ形成側外部層と、その反対側のノッチ非形成外部層とに分かれるが、何れも同じ樹脂によって形成してもよいし、異なる樹脂によって形成してもよい。また、内部層は、特定の樹脂の単層であっても構わないが、複数種の異なる樹脂を用いて複層に形成するのが好ましい。複層にする場合、層数や各層の厚み等に制限はなく、ノッチ形成側とノッチ非形成側との間で樹脂構成を変えたり、その間に機能性の異なる一又は複数種の中央層を設けることができる。
本発明においては、上記内部層の樹脂には有機系紫外線吸収剤が含有させられる一方、外部層の樹脂には有機系紫外線吸収剤は含有させられない。内部層が複層で構成される場合はその少なくとも一層の樹脂に有機系紫外線吸収剤が含有させられ、好ましくは内部層の全層に有機系紫外線吸収剤が含有させられる。これに対して、外部層の樹脂には、何れの外部層にも有機系紫外線吸収剤は含有させられない。
上記内部層及び上記外部層を構成する樹脂は、その優れた熱成形性及び剛性から、スチレン系樹脂が使用される。ここで、スチレン系樹脂とは、当業者が理解する通常の意味を有し、スチレン系単量体の単独重合体以外に、スチレン系単量体と共重合可能な単量体を重合させた共重合体、ゴム変性スチレン系樹脂等の変性樹脂も包含する。
スチレン系単量体には、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、またスチレン系単量体と共重合可能な単量体としては、例えばアクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、エチレン、プロプレン等が挙げられる。
よって、スチレン系樹脂として先ず挙げることのできるものは、ポリスチレン、例えば一般用ポリスチレン樹脂(GPPS)であり、これは透明性とコストを加味した最も汎用性の高いスチレン系樹脂である。またスチレン系樹脂として挙げることができるものは、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−メチルアクリレート共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体等である。ここで、共重合体中のスチレン系単量体の量は、好ましくは4〜95質量部、より好ましくは10〜94質量部、特に好ましくは20〜90質量部である。含有量が高くなると成形品にしたときの折り曲げ割れ性が劣る傾向やミシン目等による成形品の分割性が低下する傾向が見られ、低くなると透明性が低下する傾向になる。
更にスチレン系樹脂として、ゴム変性スチレン系樹脂を使用することができ、これは、通常の未変性のスチレン系樹脂で構成されたマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散させられた重合体であり、例えばゴム状重合体の存在下、芳香族ビニル単量体を常法によって重合させることによって得られるグラフト共重合体である。ゴム状重合体としては、例えばジエン系ゴム、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリルゴム、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、水添ジエン系ゴムが挙げられる。このようなゴム変性スチレン系樹脂は耐衝撃性及び緩衝性を改善するために使用される。
上記から、スチレン系樹脂としては、ポリスチレン(GPPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、α−メチルスチレン変性ABS樹脂、イミド変性ABS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(MBS樹脂)、ゴム成分にアクリロニトリルとスチレンがグラフト重合した樹脂などが好適に使用される。
これらのスチレン系樹脂のなかでも、一般用ポリスチレン樹脂(GPPS)と耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、及びそれらの混合物が最も好適に使用される。一般用ポリスチレン樹脂(GPPS)は、前述のように単量体としてスチレンが主体であるが、微量成分としてo−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン等の芳香族ビニル化合物の1種以上を含有するものであってもよく、市販の樹脂を用いることもできる。また耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)は、詳細には、スチレン系単量体がグラフトした微粒子状のグラフトゴムを含有するポリスチレン樹脂を指すが、グラフトゴム中のゴム成分としては、例えば1,3−ブタジエン(ブタジエン)、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチルペンタジエン等を単量体とするジエン系ゴムが用いられるものが好適に使用される。また、ゴム成分として、ジエン成分が50質量%以上のスチレン−共役ジエンブロック共重合体の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。中でも、ポリブタジエンやスチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を用いる場合、その量は96〜5質量部、好ましくは90〜6質量部、特に好ましくは80〜10質量部である。含有量が低くなると成形品にしたときの耐衝撃強度が不足する傾向が見られ、高くなると透明性が低下する傾向になる。また、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)のゴム粒子の平均粒子径は1.0μm以下、好ましくは0.8μm以下、更に好ましくは0.5μm以下であり、下限は0.01μmである。1.0μmを越える粒子径の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を用いた場合、得られたシート及び成形品の透明性の低下(曇りの増大)が大きくなる傾向があり、好ましくない。
本発明において用いられる有機系紫外線吸収剤としては、食品等の包装材に使用でき、380〜400nmの波長の紫外線をカットすることもできるものであれば、特定のものに限定されるものではないが、ベンゾフェノン系又はベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が好適に選択される。これら紫外線吸収剤は特定のものを単独で用いることもできるし、複数種を併用することもできる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(β−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン等が挙げられる。なかでもビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンが、耐熱性が良好なため、特に好ましい。
またベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔3,5−ビス(2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−ターシャリーブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジターシャリーブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕等が挙げられる。なかでも、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕が、耐熱性が良好なため、特に好ましい。
また上記スチレン系樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲において、鉱物油、ロジンエステル類、テルペン樹脂、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸アミド、酸化防止剤、帯電防止剤、抗菌剤等の添加剤を含有させることもできる。
本発明の樹脂シートの総厚みは、特に限定されないが、真空成形や真空圧空成形などの通常の熱成形に用いることが可能な厚みであればよく、例えば0.2〜2.5mmの厚みとできる。一方、各外部層の厚みは、内部層中の紫外線吸収剤が熱加工時にシート外へ析出することがないように十分な厚みを有していなければならず、ノッチ形成側とノッチ非形成側の何れにおいても、少なくとも25μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは35μm以上である。各外部層の厚みの上限は、樹脂シートの総厚み、含有される有機系紫外線吸収剤の量が適切ならば、特に制限はなく、例えば50μm以下である。
本発明の樹脂シートは、前述のようにスチレン系樹脂によって形成されるので、優れた透明性を持つように樹脂成分を調整することができ、好ましくは、シートの全光線透過率を60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上とすることができる。ここで、全光線透過率は、例えばJIS K−7361−1、K−7105等に記載された方法により測定することができる。
本発明の多層樹脂シートの製造方法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。例えば複数台の単軸もしくは二軸の押出機で、それぞれの原料樹脂を層状に溶融押出し、フィードブロックとTダイにより多層樹脂シートを得る方法や、マルチマニホールドダイを使用し多層樹脂シートを得る方法が挙げられる。
本発明の多層樹脂シートは、熱成形性、剛性、透明性に優れるので、透明性が要求されるか又は好まれ、更に紫外線によって変質、変色、劣化等する虞のある内容物を包装するための成形容器の成形に好適に使用される。
本発明の樹脂シートを熱成形する方法は、一般的な真空成形、圧空成形や、これらの応用として、シートの片面にプラグを接触させて成形を行うプラグアシスト法、また、シートの両面に一対をなす雄雌型を接触させて成形を行う、いわゆるマッチモールド成形と称される方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また成形前にシートを加熱軟化させる方法として非接触加熱である赤外線ヒーター等による輻射加熱等、公知のシート加熱方法を適用することができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明の範囲がこれら実施例によって限定されるものではない。
<使用原料>
(1)スチレン系樹脂
次のHIPS樹脂とGPPS樹脂を一定の比で混合して用いた。
HIPS樹脂:「トーヨースチロールH850」(東洋スチレン社製、ブタジエン含量9.0質量%)
GPPS樹脂:「トーヨースチロールG200C」(東洋スチレン社製)
(2)有機系紫外線吸収剤
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「チヌビンP」)を用いた。
<実施例1>
3台の40mm単軸押出機を使用し、フィードブロック法により、外部層(有機系紫外線吸収剤非含有スチレン系樹脂層)35μm/内部層(有機系紫外線吸収剤含有スチレン系樹脂層)680μm/外部層(有機系紫外線吸収剤非含有スチレン系樹脂層)35μmの層構成を有する厚み750μmの3層樹脂シートを製造した。ここで、外部層には共に、HIPS樹脂とGPPS樹脂を質量比65/35(HIPS/GPPS)で混合したものを用い、内部層にはHIPS樹脂とGPPS樹脂を質量比65/35(HIPS/GPPS)で混合した樹脂に有機系紫外線吸収剤を、内部層及び外部層を含む全樹脂成分100質量部に対して0.3PHRの割合となるように添加した。
この3層樹脂シートについて、分光光度計を用いて波長380〜400mmの紫外線透過率を測定し、紫外線遮蔽率を求めたところ、95%であった。一方、JIS K−7105に記載された方法により測定した全光線透過率は68%であった。これらは何れも満足できる結果である。
また上記3層樹脂シートの製膜性について、溶融押出機を10時間運転した後の引取ロールの汚れ、ヒューム発生量、目ヤニ発生頻度を調べたところ、何れも満足できる結果が得られた。
<実施例2〜4>
有機系紫外線吸収剤の添加量を0.2PHR(実施例2)、0.9PHR(実施例3)及び0.1PHR(実施例4)とした以外は、実施例1と全く同様の条件で、3層樹脂シートを製造し、実施例1と同様の特性について性能を評価したところ、実施例3については、全光線透過率と製膜性が若干劣るものの、何れも実用上問題のないレベルであった。また実施例4は、紫外線遮蔽率が劣るが、実用上問題のないレベルであった。
<実施例5、6>
外部層及び内部層に用いた2種類のスチレン系樹脂(HIPS樹脂とGPPS樹脂)の比率を表1に記載した通りに変更した以外は、実施例1と全く同様の条件で、3層樹脂シートを製造し、実施例1と同様の特性について性能を評価したところ、いずれも満足できる結果が得られた。
<実施例7、8>
各総厚を表1に記載したとおりに変更した以外は、実施例1と全く同様の条件で、3層樹脂シートを製造し、実施例1と同様の特性について性能を評価したところ、いずれも満足できる結果が得られた。
<比較例>
1台の40mm単軸押出機を使用し、HIPS樹脂とGPPS樹脂を質量比65/35(HIPS/GPPS)で混合した樹脂に有機系紫外線吸収剤を0.3PHRの割合で添加したスチレン系樹脂層(厚み750μm)の単層樹脂シートを製造した。この樹脂シートについて、実施例1と同様の特性について性能を評価したところ、全光線透過率が実施例1とほぼ同等であり、紫外線遮蔽率が劣るも、実用上問題のないレベルであったが、溶融押出機を10時間運転した後の引取ロールに汚れが見られ、ヒューム発生量も多く観察され、また目ヤニも発生した。
実施例1〜8及び比較例の結果をまとめて表1に示す。なお、表中の製膜性に係わる評価の記号は以下のとおりである。
<ロール汚れ>
◎:ロールがほとんど汚れない。
○:ロールが若干汚れるが実用上問題ない。
×:ロールが実用上問題がある程度に汚れる。
<ヒューム発生量>
◎:ヒュームの発生がほとんど観察されない。
○:ヒュームの発生が若干観察されるが実用上問題ない。
×:ヒュームの発生が実用上問題がある程度に観察される。
<目ヤニ発生頻度>
◎:目ヤニがほとんど発生しない。
○:目ヤニが若干発生するが実用上問題ない。
×:目ヤニが実用上問題がある程度に発生する。
Figure 0006091425

Claims (4)

  1. 有機系紫外線吸収剤を含有するスチレン系樹脂製の内部層の両面に、有機系紫外線吸収剤を含有しないスチレン系樹脂製の外部層を積層してなる多層樹脂シートであって、有機系紫外線吸収剤の添加量が、内部層及び外部層を含む全樹脂成分100質量部に対して0.1〜0.8質量部であり、外部層の厚みが25μm以上であり、一方の外部層はノッチが形成されるノッチ形成外部層であり、その反対側の外部層はノッチが形成されないノッチ非形成外部層である多層樹脂シート。
  2. 有機系紫外線吸収剤がベンゾフェノン若しくはベンゾトリアゾール系である請求項1に記載の多層樹脂シート。
  3. 全光線透過率の数値が60%以上である請求項1又は2に記載の多層樹脂シート。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の多層樹脂シートを成形してなる成形容器。
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