JP4936837B2 - 容器用積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、食品が高温で充填されたり、電子レンジによって加熱処理される容器(惣菜用容器などの食品用容器など)に適した熱可塑性樹脂積層シートに関する。
スチレン系樹脂シートは、成形性に優れ、高い剛性を有するため、食品分野における容器やトレー用途などに広く利用されている。惣菜容器においては、食品が高温で容器に充填されたり、容器ごと食品が電子レンジによって加熱処理されるため、耐油性及び耐熱性が求められる。しかし、スチレン系樹脂シートは、耐油性及び耐熱性が充分ではないために、オレフィン系樹脂とのアロイとすることが提案されている。しかし、本発明者の検討の結果、このようなアロイシートでは、耐熱性は向上するものの、実用的な耐油性が低下することが明らかとなった。
一般的に、惣菜容器などで耐油性が問題になるのは、食品が高温で容器に充填されたとき、
・食品に含まれる油により容器の材質が侵されること
・容器が蓋で嵌合され、冷却されると、気圧差により容器に歪みが生じること
・これらの現象が合わさって、容器底に亀裂が入り、食品に含まれる液体(汁など)が外部に漏れ出すこと
である。
これらの観点から耐油性を精査してみると、材料シートの幅方向(TD方向)に入る亀裂に対しては、オレフィン系樹脂を添加するに従って、耐性が向上する。しかし、材料シートの流れ方向(MD方向)に入る亀裂に対しては、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との組み合わせにおいて、オレフィン系樹脂を少なくとも40重量%以上添加しないと、むしろスチレン系樹脂単独のシートよりも耐性が低下することが判明した。元来、スチレン系樹脂シートは、MD方向に入る亀裂の方がTD方向に入る亀裂よりも耐性は低い。実際、前記耐油性の問題は、一般的にMD方向に亀裂が入ることで起こる。すなわち、スチレン系樹脂に対して40重量%未満のオレフィン系樹脂を添加することは、MD方向に入る亀裂に対する耐性をさらに低下させることになり、実用的な観点から、耐油性をさらに低下させていることになる。一方、スチレン系樹脂に対して、40重量%以上のオレフィン系樹脂を添加すると、オレフィン系樹脂の割合が多くなるにつれて、オレフィン系樹脂の性質が支配的となり、耐熱性、耐油性は向上できるものの、スチレン系樹脂の優れた特性である剛性や成形性が低下する。また、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂とのアロイは、容器成形後の打ち抜き断面がきれいにならず、いわゆる「ヒゲ」が多量に発生する。
また、スチレン系樹脂シートの耐熱性や耐油性を改良するために、シートを積層する方法も試みられている。例えば、スチレン系樹脂層に、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂とのアロイで構成された層を積層する方法も提案されている。しかし、このような方法では、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂とのアロイ層において、スチレン系樹脂の割合が高い場合には、層間強度はある程度保たれるが、前述した理由により、耐油性が実用に耐えない。一方、オレフィン系樹脂の比率が高ければ、層間強度が低下する。また、アロイ層からは「ヒゲ」が多量に発生する。
そこで、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との組み合わせに対して、スチレン系熱可塑性エラストマーを配合する方法が提案されている。例えば、特開平7−223299号公報(特許文献1)には、ポリオレフィン系樹脂100〜70重量%とスチレン系ブロックポリマー及び/又は変性ポリオレフィン0〜30重量%とを含有する表面層と、スチレン系樹脂100〜70重量%とスチレン系ブロックポリマー及び/又は変性ポリオレフィン0〜30重量%とを含有する基材層の少なくとも2層からなる共押出複合シートで、表面層及び基材層の少なくとも1層に含有されるスチレン系ブロックポリマー及び/又は変性ポリオレフィンが2〜30重量%であり、表面層の厚みが50〜300μmで、基材層の厚みが250〜1500μmである蓋材易剥離複合シートが開示されている。
しかし、この文献に記載されている蓋材用易剥離複合シートは、層間が容易に剥離できるように、ポリプロピレンで構成された表面層に、変性ポリオレフィンを適量配合しているため、表面層と基材層との層間強度が低い。
また、特開2000−108257号公報(特許文献2)には、スチレン系樹脂40〜97重量%及び熱可塑性樹脂60〜3重量%を含む樹脂組成物からなる樹脂層(A)と、熱可塑性樹脂及びオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂層(B)とが積層されている合成樹脂積層シートが開示されている。この文献には、熱可塑性樹脂としてオレフィン系樹脂が例示され、樹脂層(A)及び/又は樹脂層(B)が、スチレン系熱可塑性エラストマーで構成された相溶化剤を含んでもよいことが記載されている。
さらに、特開2000−141558号公報(特許文献3)にも、スチレン系樹脂40〜97重量%及びオレフィン系樹脂60〜3重量%を含む樹脂組成物からなる樹脂層(A)と、オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂層(B)とが積層されており、樹脂層(A)と樹脂層(B)の界面の接着強度が100g/15mm以上である合成樹脂積層シートが開示されている。この文献には、樹脂層(A)及び/又は樹脂層(B)が、相溶化剤を含んでいてもよく、樹脂層(B)が、さらにスチレン系樹脂を含んでもよいことが記載されている。
しかし、これらの積層シートでは、いずれも樹脂層(A)中におけるオレフィン系樹脂の割合が多く、耐油性が低下する。
特開平7−223299号公報(請求項1、段落番号[0009]、実施例) 特開2000−108257号公報(請求項1及び3、段落番号[0011]、実施例) 特開2000−141558号公報(請求項1及び2、段落番号[0015]、実施例)
従って、本発明の目的は、耐油性や耐熱性などの耐久性と、剛性や耐衝撃性などの機械的特性のバランスに優れるとともに、接着層を介在させなくても層間強度が強い樹脂積層シート及びこのシートで構成された食品用容器(例えば、油成分を含む惣菜用容器)を提供することにある。
本発明の他の目的は、真空成形機などを用いた二次成形性にも優れ、シートの打ち抜き断面における外観が良好な樹脂積層シート及びこのシートで構成された食品用容器を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の割合でスチレン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー及びオレフィン系樹脂を組み合わせたコア層とスキン層とを積層することにより、耐油性や耐熱性などの耐久性と、剛性や耐衝撃性などの機械的特性のバランスに優れるとともに、接着層を介在させなくても層間強度を向上できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の積層シートは、スチレン系樹脂(A1)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)で構成されたコア層(A)の少なくとも一方の面に、オレフィン系樹脂(B1)、スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)及びスチレン系樹脂(B3)で構成されたスキン層(B)が形成された積層シートであって、スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合が、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して1〜15重量部程度であり、かつスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)の割合が、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して5〜30重量部程度である。前記コア層(A)は、さらに、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、0.001〜10重量部程度のオレフィン系樹脂(A3)を含んでいてもよい。前記スキン層(B)は、さらに、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して、0.1〜30重量部程度のスチレン系樹脂(B3)を含んでいてもよい。前記コア層(A)は、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、0.01〜5重量部程度のオレフィン系樹脂(A3)を含むとともに、オレフィン系樹脂(A3)及びオレフィン系樹脂(B1)が、それぞれ、3〜20g/10分程度のメルトフローレート(JIS K 7210)を有するポリプロピレン系樹脂であってもよい。この積層シートにおいては、コア層(A)はスチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、0.1〜3重量部程度のオレフィン系樹脂(A3)を含むとともに、オレフィン系樹脂(A3)及びオレフィン系樹脂(B1)は、それぞれ、融点145℃以上のポリプロピレン系樹脂であってもよい。前記コア層(A)中のスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合(重量%)を[St−TPE]、スキン層(B)中のスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)の割合(重量%)を[St−TPE]としたとき、式:
0<[St−TPE]−[St−TPE]<15
で表される関係を充足していてもよい。前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)は、それぞれ、テトラヒドロフランによる不溶分の割合が3重量%以下であってもよい。前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)は、それぞれ、スチレン−ジエン系ブロック共重合体であってもよい。前記スチレン系樹脂(A1)は、ポリスチレン系樹脂とゴム含有スチレン系樹脂とで構成され、かつ両者の割合(重量比)が、ポリスチレン系樹脂/ゴム含有スチレン系樹脂=20/80〜80/20程度であってもよい。本発明の積層シートは、総厚みが0.25〜0.7mm程度であり、かつコア層(A)の厚みとスキン層(B)の厚みとの比率が、スキン層(B)/コア層(A)=1/10〜1/2.5程度であってもよい。本発明の積層シートは、密着力も強く、コア層(A)とスキン層(B)との層間強度は1.8N/15mm以上であってもよい。また、本発明の積層シートは、コア層(A)の両面にスキン層(B)が形成されていてもよい。さらに、スキン層(A)の上に、溶融ラミネートなどによって、さらにオレフィン系樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)で構成されたカバー層が積層されていてもよい。このカバー層厚みは、15〜50μm程度であってもよい。
本発明には、前記積層シートで構成された食品用容器(例えば、油成分を含む食品用容器)も含まれる。
本発明では、特定の割合でスチレン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー及びオレフィン系樹脂を組み合わせたコア層とスキン層とを積層しているため、耐油性や耐熱性などの耐久性と、剛性や耐衝撃性などの機械的特性のバランスに優れ、かつ接着層を介在させなくても層間強度が高い積層シートが得られる。特に、真空成形機などを用いた二次成形性にも優れ、シートの打ち抜き断面においても外観が良好である。従って、本発明のシートは、食品が高温で充填されたり、電子レンジなどで加熱処理される容器(例えば、惣菜用容器などの食品用容器など)に用いられるシートに適している。
本発明の積層シートは、スチレン系樹脂(A1)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)で構成されたコア層(A)の少なくとも一方の面に、オレフィン系樹脂(B1)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)で構成されたスキン層(B)が形成されている。コア層(A)は、さらにオレフィン系樹脂(A3)を含んでいてもよく、スキン層(B)は、さらにスチレン系樹脂(B3)を含んでいてもよい。
[コア層(A)]
(A1)スチレン系樹脂
スチレン系樹脂(A1)としては、例えば、芳香族ビニル単量体を主構成単位として形成される単独又は共重合体が挙げられる。スチレン系樹脂を形成するための芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、ビニルトルエン、ビニルキシレン、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなど)、ハロゲン置換スチレン(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレンなど)、α位にアルキル基が置換したα−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレンなど)などが例示できる。これらの芳香族ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの単量体のうち、通常、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど、特にスチレンが使用される。
前記芳香族ビニル単量体は、共重合可能な単量体と組み合わせて使用してもよい。共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物(例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸又はその酸無水物など)、イミド系単量体[例えば、マレイミド、N−アルキルマレイミド(例えば、N−C1−4アルキルマレイミド等)、N−シクロアルキルマレイミド(例えば、N−シクロヘキシルマレイミドなど)、N−アリールマレイミド(例えば、N−フェニルマレイミドなど)などのN−置換マレイミド]、アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2−4アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマーなど]などが例示できる。これらの共重合可能な単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。全単量体中の共重合可能な単量体の使用量は、通常、1〜50モル%、好ましくは3〜40モル%、さらに好ましくは5〜30モル%程度の範囲から選択できる。
スチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準じた方法で、例えば、0.5〜20g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分、さらに好ましくは0.5〜5g/10分程度である。MFRがこの範囲にあると、容器成形性が高い。
スチレン系樹脂は、ゴム含有(変性)スチレン系樹脂であってもよい。ゴム含有スチレン系樹脂は、耐衝撃性及び緩衝性を改善するために使用され、共重合(グラフト重合、ブロック重合等)等により、前記スチレン系樹脂で構成されたマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散した重合体であってもよく、通常、ゴム状重合体の存在下、少なくとも芳香族ビニル単量体を、慣用の方法(塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、乳化重合など)で重合することにより得られるグラフト共重合体(ゴムグラフトポリスチレン系重合体)である。
ゴム状重合体としては、例えば、ジエン系ゴム[ポリブタジエン(低シス型又は高シス型ポリブタジエン)、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソブチレン−ブタジエン系共重合ゴムなど]、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム(ポリアクリル酸C2−8アルキルエステルを主成分とする共重合エラストマーなど)、エチレン−α−オレフィン系共重合体[エチレン−プロピレンゴム(EPR)など]、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体[エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など]、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、水添ジエン系ゴム(水素化スチレン−ブタジエン共重合体、水素化ブタジエン系重合体など)などが挙げられる。なお、前記共重合体はランダム又はブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック型の構造を有する共重合体等が含まれる。これらのゴム状重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましいゴム状重合体は、共役1,3−ジエン又はその誘導体の重合体、特にジエン系ゴム[ポリブタジエン(ブタジエンゴム)、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体など]である。
ゴム含有スチレン系樹脂において、ゴム状重合体の含有量は2〜50重量%程度の範囲から選択でき、例えば、3〜15重量%、好ましくは4〜15重量%、さらに好ましくは5〜15重量%程度である。ゴム状重合体の含有量が少なすぎると、耐衝撃性の改良効果が充分でなく、ゴム状重合体の含有量が多すぎると、剛性が低下する。
ゴム含有スチレン系樹脂中のゴム含有量は、例えば、以下の手順(1)〜(4)で測定できる。
(1)試薬の調製
以下に示す溶液A〜Cを調製する。
A溶液:5%一塩化ヨウ素酢酸溶液(一塩化ヨウ素25gを褐色瓶に移し、酢酸500gに溶解させる)
B溶液:10%ヨウ化カリウム水溶液(ヨウ化カリウム100gを蒸留水900gに溶解させる)
C溶液:チオ硫酸ナトリウム水溶液(チオ硫酸ナトリウム45gを精秤し、これを蒸留水に溶解させ1000mlの溶液とする。前記溶液に0.3gの炭酸水素ナトリウムを添加し一晩放置する)
(2)チオ硫酸ナトリウム水溶液の標定
300mlの三角フラスコに、精秤した臭素酸カリウム0.1gと、100mlの蒸留水と、100mlのB溶液とを加え、混合溶液とする。この溶液に、10mlの濃塩酸を添加し、3分間放置する。この溶液をチオ硫酸ナトリウム水溶液(C溶液)で滴定し、水溶液が無色になったところで滴定を終了する。下記式により、C溶液の規定度(N)を算出する。
チオ硫酸ナトリウム水溶液(C溶液)の規定度(N)=[秤量した臭素酸カリウムの重量(g)]/[(チオ硫酸ナトリウム水溶液の滴定量(ml))×0.0278]
(3)ゴム含有スチレン系樹脂の溶解
300mlの三角フラスコに、精秤したゴム含有スチレン系樹脂1gと、75mlのテトラヒドロフラン(THF)とを加え、一晩放置し、ゴム含有スチレン系樹脂を溶解させる。
(4)ゴム含有量の測定
ゴム含有スチレン系樹脂のTHF溶液(前記(3))に、10mlのA溶液を添加し、15分間暗所に放置し、さらに100mlのB溶液を添加し、混合溶液(ゴム含有スチレン系樹脂溶液)とする。この溶液を、チオ硫酸ナトリウム水溶液(C溶液)で滴定し、水溶液が無色になったところで滴定を終了する。ブランクとして、ゴム含有スチレン系樹脂を含まない溶液(ブランク溶液)でも同様の操作を行う。下記式よりゴム含有量(RC)を算出する。
RC(%)=[0.02705×(チオ硫酸ナトリウムの規定度(N))×{(ブランク溶液におけるC溶液の滴定量(ml))−(ゴム含有スチレン系樹脂溶液におけるC溶液の滴定量(ml))}/ゴム含有スチレン系樹脂仕込み重量(g)]×100。
スチレン系樹脂で構成されたマトリックス中に分散するゴム状重合体の形態は、特に限定されず、サラミ構造、コア/シェル構造、オニオン構造などであってもよい。
分散相を構成するゴム状重合体の粒子径は、例えば、体積平均粒子径0.5μm以上であればよく、例えば、0.5〜6μm、好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは2〜4.5μm程度である。ゴム状重合体の平均粒子径がこの範囲にあると、耐衝撃性に優れる。
本発明において、ゴム重合体の体積平均粒子径は、超薄切片法により、原料のゴム含有スチレン系樹脂ペレットの切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影した写真から、ゴム状重合体粒子5000個の粒子径を測定して、次式により算出した値である。
平均粒子径=(ΣniDi)/(ΣniDi
(式中、niは粒子径Diを有するゴム状重合体粒子の個数を示す)
また、ゴム状重合体のグラフト率は、5〜150%、好ましくは10〜150%程度である。
ゴム含有スチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準じた方法で、例えば、0.5〜20g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分、さらに好ましくは0.5〜5g/10分程度である。MFRがこの範囲にあると、容器成形性が高い。
スチレン系樹脂(ゴム含有スチレン系樹脂の場合はマトリックス樹脂)の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000程度の範囲から選択できるが、容器成形性の点から、比較的高いのが好ましく、例えば、200,000〜500,000、好ましくは280,000〜450,000、さらに好ましくは350,000〜450,000程度である。スチレン系樹脂の分子量がこの範囲にあると、肉厚の均一のシート及び容器を成形できる。
スチレン系樹脂としては、具体的には、ポリスチレン(GPPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)などの非ゴム含有スチレン系樹脂(ゴム成分を含有しないスチレン系樹脂や非ゴム強化スチレン系樹脂など)や、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、α−メチルスチレン変性ABS樹脂、イミド変性ABS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(MBS樹脂)、ゴム成分X(アクリルゴム、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)にアクリロニトリルAとスチレンSとがグラフト重合したAXS樹脂などのゴム変性スチレン系樹脂が挙げられる。これらのスチレン系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのスチレン系樹脂の中でも、ポリスチレン(GPPS)などの非ゴム含有スチレン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)などのゴム含有スチレン系樹脂が好ましい。
本発明では、スチレン系樹脂(A1)は、ポリスチレン系樹脂とゴム含有スチレン系樹脂とで構成されていてもよい。両者の割合(重量比)が、ポリスチレン系樹脂/ゴム含有スチレン系樹脂=20/80〜80/20、好ましくは30/70〜75/25、さらに好ましくは35/65〜70/30(特に30/70〜70/30)程度である。ポリスチレン系樹脂の割合が少なすぎると、剛性が低下し、一方、多すぎると、耐衝撃性が低下する。
(A2)スチレン系熱可塑性エラストマー
スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)は、芳香族ビニル単位(例えば、スチレン系樹脂の項で例示された芳香族ビニルなど)と、ジエン系単位(例えば、ブタジエン、イソプレンなど)とで構成されており、通常、スチレン−ジエン系ブロック共重合体である。スチレン−ジエン系ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)などのスチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SEPS)などが例示できる。これらのスチレン−ジエン系ブロック共重合体のうち、耐衝撃性の点から、水添されていないスチレン−ジエン系共重合体、特に、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。ブロック共重合体において、末端ブロックは、スチレン系ブロック又はジエン系ブロックのいずれで構成してもよい。
スチレン−ジエン系ブロック共重合体の構造としては、リニア(直鎖状)型(AB型、ABA型など)、星型(ラジアルテレブロック型など)、テーパー型などが挙げられる。これらのうち、リニア型や星型でAB型のブロック共重合体が好ましく使用できる。スチレン−ジエン系ブロック共重合体としては、スチレンとジエン成分とのジブロック、トリブロック、テトラブロック共重合体などが例示できる。これらのうち、トリブロック共重合体、特にスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体が好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーを構成するスチレンとゴム成分(ジエン成分)との割合(重量比)は、スチレン/ゴム成分=20/80〜80/20、好ましくは25/75〜60/40、さらに好ましくは50/50〜30/70程度である。ゴム成分の割合が低いと、耐衝撃性の改良効果が低下し、一方、高すぎると、剛性が低下する。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、テトラヒドロフラン(THF)による不溶分の割合(以下、本願明細書では、「THF不溶分発生率」と称する)が3重量%以下(例えば、0.001〜3重量%程度)、好ましくは1重量%以下(例えば、0.005〜1重量%程度)、さらに好ましくは0.5重量%以下(例えば、0.01〜0.5重量%程度)である。THF不溶分発生率がこの範囲を超えると、シート中に不溶分が異物(ゲル)として存在し、外観を低下する。
なお、THF不溶分発生率は、以下の(1)〜(8)の手順で測定できる。
(1)50mLサンプル瓶に試料ペレット約1gを入れ、重量(WT1)を記録しておく。
(2)瓶に蓋をせず、恒温槽200℃下にて40分間放置する。
(3)THFを40mL入れ、シェーカーにて160rpmで約40分間攪拌する。
(4)スパチュラで掻き混ぜ、未溶分を溶解させる。
(5)予め重量(WT2)を測定した400メッシュ金網を用いて、不溶分を濾別する。
(6)濾別した金網を恒温槽60℃下にて1時間放置し、THFを蒸発させる。
(7)THF蒸発後の濾別した金網の重量(WT3)を測定し、WT3−WT2を算出することで、不溶分の重量(WT4)を測定する。
(8)(WT4/WT1)×100を算出し、THF不溶分発生率と規定する。
ジエン単位における付加形式の割合は、シス−1,4付加:10〜50重量%(特に20〜40重量%)、トランス−1,4付加:40〜70重量%(特に50〜60重量%)、1,2付加:5〜20重量%(特に10〜15重量%)程度である。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合は、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、例えば、1〜15重量部、好ましくは2〜14重量部、さらに好ましくは3〜12重量部(特に5〜10重量部)程度である。スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合が少なすぎると、耐衝撃性及び層間強度が低下する。一方、多すぎると、剛性が低下し、容器成形後などにおけるシートの打ち抜き断面における外観が悪化する。
(A3)オレフィン系樹脂
オレフィン系樹脂(A3)は、例えば、ポリエチレン系樹脂[例えば、低、中又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体など]やポリ(メチルペンテン−1)系樹脂などであってもよいが、耐熱性、成形性、耐油性などの点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー(プロピレン単独重合体)の他、ポリプロピレンコポリマー(プロピレン系共重合体)であってもよい。
コポリマーにおける共重合性単量体としては、例えば、プロピレンを除くオレフィン類(例えば、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−メチルペンテンなどのα−C2−6オレフィンなど)、メタアクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸C1−6アルキルエステルなど]、不飽和カルボン酸類(例えば、無水マレイン酸など)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、ジエン類(ブタジエン、イソプレンなど)などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの共重合性単量体のうち、オレフィン類、特にエチレンが好ましい。コポリマーには、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が含まれる。これらのうち、ブロック共重合体が好ましい。
コポリマーの場合、共重合性単量体の割合は、20重量%以下、例えば、0.1〜10重量%程度であってもよい。コポリマーとしては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。
本発明では、これらのポリプロピレン系樹脂の中でも、耐熱性などの点から、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンブロック共重合体が好ましく、特に、耐寒性などの点から、ポリプロピレンブロック共重合体が好ましい。ここで、ポリプロピレンブロック共重合体としては、ポリエチレン単位がブロック共重合した共重合体が好ましい。このようなブロック共重合体には、ポリプロピレン単位とポリエチレン単位とのブロック共重合体の他、ポリプロピレンホモポリマーに、ポリエチレンホモポリマーを混合したブレンド物も含まれる。ポリエチレン単位(ポリエチレンホモポリマー)の割合は、ポリプロピレン単位(又はポリプロピレンホモポリマー)100重量部に対して、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。ブレンド物の場合、エチレン−プロピレンゴムなどの相溶化剤を用いてもよい。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、JIS K 6921−2に準じた方法で、例えば、145℃以上(例えば、145〜180℃程度)、好ましくは150℃以上(例えば、155〜170℃程度)、さらに好ましくは155℃以上(例えば、160〜165℃程度)であってもよい。ポリプロピレン系樹脂の融点がこの範囲にあると、耐熱性が向上する。
ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210に準じた方法で、例えば、3〜20g/10分、好ましくは4〜18g/10分、さらに好ましくは5〜15g/10分程度であってもよい。ポリプロピレン系樹脂のMFRがこの範囲にあると、シートや容器などの成形品の外観が向上する。
オレフィン系樹脂(A3)の割合は、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、例えば、10重量部以下(例えば、0.001〜10重量部)、好ましくは7重量部以下(例えば、0.001〜7重量部)、さらに好ましくは5重量部以下(例えば、0.01〜5重量部)である。オレフィン系樹脂(A3)をコア層に含有させることにより、層間強度を向上させることができるが、10重量部を超えると耐油性が低下する。さらに、剛性、容器成形性、シートの打ち抜き断面における外観などの点からは、オレフィン系樹脂の割合が少ない方が好ましい。これらの特性のバランスの点から、オレフィン系樹脂(A3)の割合は、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、例えば、0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部、さらに好ましくは0.3〜1重量部程度であってもよい。
コア層(A)は、必要に応じて種々の添加剤、例えば、安定剤(例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤など)、難燃剤、防曇剤、分散剤、離型剤、可塑剤(フタル酸エステル、脂肪酸系可塑剤、リン酸系可塑剤など)、帯電防止剤、抗菌剤、着色剤、充填剤、補強材(ガラス繊維、炭素繊維などの繊維充填剤など)、流動性改良剤、増粘剤、レベリン剤、消泡剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
コア層(A)の厚みは、用途に応じて適当に選択でき、例えば、0.2〜0.65mm、好ましくは0.25〜0.55mm、さらに好ましくは0.3〜0.5mm程度である。
[スキン層(B)]
オレフィン系樹脂(B1)としては、前記コア層(A)の項で例示されたオレフィン系樹脂が例示できる。オレフィン系樹脂(B1)としても、前記コア層(A)のオレフィン系樹脂(A3)と同様の理由で、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンブロック共重合体などのポリプロピレン系樹脂(特にリプロピレンブロック共重合体)が好ましい。ポリプロピレン系樹脂の融点及びMFRについてもコア層(A)のポリプロピレン系樹脂と同様である。
スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)としては、前記コア層(A)の項で例示されたスチレン系熱可塑性エラストマーが例示できる。スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)としても、前記コア層(A)のスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)と同様の理由で、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの非水添スチレン−ジエン系共重合体(特にスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体)が好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーのゴム成分の割合及びTHF不溶分発生率についてもコア層(A)のスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)と同様である。
スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)の割合は、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して、例えば、5〜30重量部、好ましくは7〜25重量部、さらに好ましくは10〜20重量部程度である。スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)の割合が少なすぎると、耐衝撃性及び層間強度が低下する。一方、多すぎると、剛性が低下し、シートの打ち抜き断面における外観が悪化する。
さらに、本発明では、コア層(A)おけるスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合(重量%)を[St−TPE]、スキン層(B)におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)の割合(重量%)を[St−TPE]としたとき、式:
0<[St−TPE]−[St−TPE]<15
で表される関係を充足するのが好ましい。特に、両者の差([St−TPE]−[St−TPE])は3〜14(例えば、5〜14,好ましくは7〜13)程度の範囲にあってもよい。両層に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーの割合の関係がこの範囲にあると、シートや容器などの成形品の外観が向上する。
スチレン系樹脂(B3)としては、前記コア層(A)の項で例示されたスチレン系樹脂が例示できる。スチレン系樹脂(B3)としても、前記コア層(A)のスチレン系樹脂と同様に、ポリスチレン(GPPS)などの非ゴム含有スチレン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)などのゴム含有スチレン系樹脂が好ましい。スキン層(B)では、通常、ポリスチレンなどの非ゴム含有スチレン系樹脂が使用される。
スチレン系樹脂(B3)の割合は、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して、30重量部以下(例えば、0.1〜30重量部)、好ましくは20重量部以下(例えば、1〜20重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば、1〜10重量部)である。スチレン系樹脂(B1)を配合することによりコア層(A)との層間強度を向上できるが、スチレン系樹脂(B1)の割合が多すぎると、耐熱性及び耐油性が低下し、シートの打ち抜き断面の外観も低下する。
スキン層(B)も、コア層(A)と同様の添加剤を含んでいてもよい。特に、スキン層(B)には、容器成形における離型性を向上し、成形性を向上させるために、シリコーン樹脂やシリコーンオイルなどの離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、マスターバッチとして配合してもよく、マスターバッチとして配合する場合、マスターバッチのベース樹脂は分散性の観点から、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン系樹脂)が好ましい。離型剤の割合は、マスターバッチを構成する樹脂成分100重量部に対して、例えば、30〜70重量部、好ましくは35〜65重量部、さらに好ましくは40〜60重量部程度である。スキン層(B)におけるマスターバッチの割合は、スキン層を構成する組成物100重量部に対して、例えば、0.2〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部、さらに好ましくは0.4〜1重量部程度である。離型剤の割合が少なすぎると、離型性の改良効果が発現せず、高すぎると、容器成形における金型汚れの原因となる。離型剤としては、(株)ヘキサケミカル製、商品名「ヘキサシリコンク ML−350」などの市販品を利用できる。
スキン層(B)の厚み(両面にスキン層(B)がある場合は、その和)は、用途に応じて適当に選択でき、例えば、10〜50μm、好ましくは20〜45μm、さらに好ましくは25〜40μm程度である。
[積層シート]
本発明の積層シートは、前記コア層(A)の少なくとも一方の面に前記スキン層(B)が形成されているが、耐熱性及び耐油性の点から、前記コア層(A)の両面に前記スキン層(B)が形成されているのが好ましい。
積層シートの総厚みは、例えば、0.25〜0.7mm、好ましくは0.3〜0.6mm、さらに好ましくは0.35〜0.55mm程度である。積層シートの厚みが薄すぎると、容器を成形した場合、シートの腰が低下する。一方、厚すぎると、容器1個当たりの重量が重くなり、運搬や流通における簡便性や経済性が低下する。
積層シートにおいて、コア層(A)の厚みとスキン層(B)の厚み(コア層の両面に形成されている場合は合計の厚み)との比率は、スキン層(B)/コア層(A)=1/20〜1/2.5程度の範囲から選択でき、例えば、1/10〜1/2.5、好ましくは1/9〜1/3.5、さらに好ましくは1/7.5〜1/4.5程度である。スキン層(B)の比率が小さすぎると、耐油性、耐熱性が低下し、一方、スキン層(B)の比率が大きすぎると、剛性が低下し、容器成形性が悪化する。
本発明の積層シートは、層間強度が高く、例えば、コア層(A)とスキン層(B)との層間強度が1.8N/15mm(≒180gf/15mm)以上(例えば、1.8〜10N/15mm)、好ましくは2.5N/15mm以上(例えば、2.5〜8N/15mm)、さらに好ましくは3N/15mm以上(例えば、3〜5N/15mm)であってもよい。
本発明の積層シートは、耐油性も高く、以下の(1)〜(5)の手順で測定した耐油性試験における破断するまでの時間が550秒以上(例えば、550〜3000秒)、好ましくは700秒以上(例えば、700〜2000秒)、さらに好ましくは1100秒以上(1100〜1500秒)程度である。
(1)シート幅方向(TD方向)中央部において、長手がTD方向となるように、150mmX5mmのサンプルを作成する。
(2)サンプルの長手方向が垂直となるように、サンプルの長手方向の端部を固定し、サンプル長手中央部の両断面を50mmにわたって、油(日清オイリオグループ(株)製、日清サラダ油)を塗布する。
(3)油を塗布した直後に、15.3MPaの荷重となるように、サンプルの長手方向の他端に錘をつける。
(4)錘をつけてからサンプルが破断するまでの時間(単位:秒)を測定する。
(5)このような試験を温度20℃で行い、N=5の平均値を算出する。
本発明の積層シートは、剛性にも優れ、JIS K 7113に準じた引張弾性率が2100MPa以上(例えば、2100〜3000MPa)、好ましくは2400Mpa以上(例えば、2400〜2900MPa)、さらに好ましくは2600MPa以上(例えば、2600〜2850MPa)程度である。
本発明の積層シートは、耐衝撃性も高く、JIS K 7211に準じた衝撃強度が0.63J以上(例えば、0.63〜2J)、好ましくは0.9J以上(例えば、0.9〜1.5J)、さらに好ましくは1.1J以上(例えば、1.1〜1.4J)程度である。
本発明の積層シートの製造方法としては、特に制限されないが、コア層(A)とスキン層(B)との接着性が高いため、接着剤を介することなくラミネートする慣用の方法、例えば、ダイ内で各層を積層する共押出ラミネート法、溶融押出ラミネート法を好ましく利用できる。溶融押出ラミネート法においては、例えば、予め作製したコア層(A)の少なくとも一方の面にスキン層(B)を溶融押出ラミネートしてもよい。予め作製した各層に対応するシートは、慣用の方法、例えば、エキストルージョン法[ダイ(フラット状、T状(Tダイ)、円筒状(サーキュラダイ)等)法、インフレーション法等]などの押出成形法、テンター方式、チューブ方式、インフレーション方式等による延伸法などにより成形することができる。前記シートは、延伸(一軸延伸、二軸延伸等)してもよいし、未延伸であってもよい。
本発明では、薄いスキン層を得ることができ、かつ量産性に優れる点から、共押出法が好ましい。共押出法においては、各層用の樹脂組成物を、汎用のフィードブロック付きダイやマルチマニホールドダイなどを使用して共押出する方法により積層シートを調製できる。共押出法によって得られた積層シートも、延伸(一軸延伸、二軸延伸など)してもよい。
本発明の積層シートのスキン層(B)には、さらにオレフィン系樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)で構成されたカバー層が積層されていてもよい。このカバー層は、シート表面に文字や画像を形成する目的などに利用してもよい。オレフィン系樹脂としては、接着性の点から、スキン層(B)のオレフィン系樹脂と同種又は同一のオレフィン樹脂が好ましい。特に、オレフィン系樹脂は、接着性及び印刷性などの点から、ポリプロピレン系樹脂であってもよい。ポリプロピレン系樹脂は、印刷性の点から、ポリプロピレンホモポリマーであってもよい。カバー層は、例えば、無延伸ポリプロピレンフィルム(いわゆるCPPフィルム)であってもよい。カバー層は、例えば、熱ラミネートなどの慣用のラミネート方法で積層できる。さらに、カバー層に印刷を施した場合、例えば、カバー層の印刷面がスキン層と接触するように積層してもよい。
カバー層の厚みは、例えば、15〜50μm、好ましくは20〜45μm、さらに好ましくは25〜40μm程度である。カバー層の厚みが薄すぎると、ラミネート時に皺が発生し易く、一方、厚すぎると、シート全体の剛性が低下する。
[二次成形方法及び二次成形品]
本発明の積層シートは、成形性に優れるため、圧空成形(押出圧空成形、熱板圧空成形、真空圧空成形など)、自由吹込成形、真空成形、折り曲げ加工、マッチドモールド成形、熱板成形などの慣用の熱成形などで、簡便に二次成形することができる。
熱成形工程においては、加熱したシートを加圧や減圧により成形し、例えば、圧空成形の場合は、加熱したシートを圧空により金型に押し当てて成形する。真空成形の場合は、金型と加熱したシートとの間を真空にすることにより、加熱シートを金型側に引き込んで成形する。前記金型には、空気を引き込むための小孔やスリットが設けられている。
本発明の積層シートは、耐油性や耐熱性に加えて、種々の機械的特性に優れるため、各種用途に使用することができ、例えば、容器などの二次成形品として使用することができる。容器としては、飲料などの液体充填用容器、食品用容器(惣菜用容器、弁当用容器など)、薬品用容器、オーブンや電子レンジ用容器、熱湯を注ぐタイプの容器(例えば、インスタント食品用容器など)、植物油、動物油などの油脂分を含む食品(例えば、餃子などの油脂含有食品の他、油脂分が滲出する魚貝類などの食品など)用容器、加熱殺菌に供される容器、非加熱容器などに使用することができる。容器は、被収容体を収容するための凹部を有する容器本体だけでなく、蓋体を含んでいてもよい意味に用いられ、惣菜用や弁当用容器であれば、トレーと蓋を含む意味である。蓋体は、容器本体に対して、開閉可能である限り、取り外し可能であってもよく、ヒンジ方式に結合していてもよい。本発明の積層シートは、耐熱性及び耐油性に優れるため、食品が高温で充填されたり、オーブンや電子レンジで加熱処理される容器(惣菜用容器などの食品用容器)として特に適している。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた各成分の略号の内容、及び各評価項目の評価方法は以下の通りである。
[各成分の略号の内容]
(スチレン系樹脂)
GP:一般用ポリスチレン(東洋スチレン(株)製、商品名「トーヨースチロールGP HRM63C」)
HI:耐衝撃性ポリスチレン(東洋スチレン(株)製、商品名「トーヨースチロールHI E640」)
(ポリプロピレン系樹脂:PP)
PP1:ポリプロピレンブロック共重合体((株)プライムポリマー製、商品名「プライムポリプロ F707V、MFR:6.5、融点:161℃)
PP2:ポリプロピレンブロック共重合体(サンアロマー(株)製、商品名「PB370A」、MFR:1.3、融点:161℃)
PP3:ポリプロピレンブロック共重合体(サンアロマー(株)製、商品名「PM870A」、MFR:17、融点:161℃)
PP4:ポリプロピレンホモポリマー(サンアロマー(株)製、商品名「PM600A」、MFR:7.5 融点:163℃)
PP5:ポリプロピレンランダム共重合体(サンアロマー(株)製、商品名「PF621S」、MFR:6.5、融点:146℃)
PP6:ポリプロピレンランダム共重合体(サンアロマー(株)製、商品名「PC540R」、MFR:5、融点:132℃)
(スチレン系熱可塑性エラストマー:St−TPE)
SBS1:SBSブロック共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「タフプレン126」、ゴム含有量:60重量%、THF不溶分発生率:0.07重量%)
SBS2:SBSブロック共重合体(JSR(株)製、商品名「TR2003」、ゴム含有量:57重量%、THF不溶分発生率:6.3重量%)
SEBS:スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「タフテックH1041」、エチレン−ブチレン単位含有量:70重量%)
(カバー層)
PPフィルム:東洋紡績(株)製、商品名:「パイレン」フィルム−CT P1111、原料PP:プロピレンホモポリマー)。
[耐油性]
実施例及び比較例で得られたシートについて、前述の方法で評価した。
[耐熱性]
実施例及び比較例で得られたシートを用いて、単発真空成形機((株)浅野研究所製)によって、縦140mm×横105mm×深さ20mmの直方体形状であり、フランジ部分(5mm幅)及び蓋部分を有するトレーを成形した。次に、空気攪拌付き恒温槽のストレート板上にトレーを置いて、125℃下3分間放置した。トレーを取り出した後、変形度合いを観察し、以下基準で評価した。
5:変形しない
4:フランジのみがわずかに変形する
3:フランジが変形し、トレー全体もわずかに変形する
2:トレー全体が変形する
1:トレー形状が大きく崩れる。
[剛性]
実施例及び比較例で得られた各シートを用いて、JIS K 7113に準じた2号ダンベルを打抜き、サンプルシートを得た。このサンプルシートを用いて、テンシロン((株)東洋精機製作所製、商品名「RTA520」)により、試験スピード50mm/分で引張弾性率を測定した。測定した値は、シート流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の平均値で示した。
[耐衝撃性]
実施例及び比較例で得られた各シートをJIS K 7211に準拠してデュポン衝撃強度を測定した。
[層間強度]
実施例及び比較例で得られた各シートを用いて、シート中央部で長手がMD方向となるように、100mm×15mmのサンプルを作成した。テンシロン((株)東洋精機製作所製、商品名「RTA520」)により、試験スピード50mm/分でMD方向にスキン層(B)(スキン層(B)/コア層(A)/スキン層(B)の3層タイプの場合は、キャストロール側のスキン層(B))を角度180°で剥離させ、その強度を測定した。
[外観]
実施例及び比較例で得られた各シートを目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
5:全く層間乱れがない
4:凝視すれば、層間乱れがわずかに見られる
3:やや層間乱れがある
2:一目で層間乱れが確認できる
1:層間乱れが激しい。
[容器成形性]
実施例及び比較例で得られた各シートを用いて、単発真空成形機((株)浅野研究所製)によって、開口部径90mm、底部径80mm、高さ50mmのカップ状容器を成形し、容器と底面のコーナー(底面と側面との接する部分)との外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
5:均一に伸びて、均一な厚みに成形されている
4:ほぼ均一に伸びて、均一な厚みに成形されている
3:底面またはコーナーの一部にややムラがある
2:底面またはコーナーの一部にムラがある
1:底面またはコーナーの一部に薄皮となっている部分がある。
[打ち抜き断面]
実施例及び比較例で得られた各シートを用いて、耐熱性試験と同じ形状のトレーに成形した後、自動パンチャー((株)浅野研究所製)を用いて、自動パンチャー用打ち抜き刃で打ち抜いた。打ち抜き断面を目視で観察しヒゲ発生の有無を評価した。各トレーについて100枚打ち抜き、以下の基準で評価した。
5:ヒゲの発生したトレーの枚数が0〜2枚
4:ヒゲの発生したトレーの枚数が3〜7枚
3:ヒゲの発生したトレーの枚数が8〜16枚
2:ヒゲの発生したトレーの枚数が17〜33枚
1:ヒゲの発生したトレーの枚数が34枚以上。
[異物(ゲル)発生率]
実施例1、31及び32で得られた各シートを目視で観察し、シート10000m当たりの異物(ゲル)の発生率(個/10000m)を目視で測定した。
実施例6〜9及び33〜34、参考例1〜5、10〜32、比較例1〜12及び19〜21
コア層(A)用材料として、表1〜4に示す組成の成分をブレンドし、フィードブロック方式の多層押出機(直径Φ90mm、直径Φ65mm)のΦ90mm押出機に供給した。さらに、スキン層(B)用材料として、表1〜4に示す組成の成分をブレンドし、Φ65mm押出機に供給した。それぞれの押出機内において、押出温度200℃で溶融混練した。この溶融混練物をT−ダイよりシート状に押出し、シート表面を80℃まで急冷し、引き取り速度を調整することにより積層シートを得た。なお、実施例18については、コア層(A)の一方の面にスキン層(B)が積層されるように調整した。さらに、実施例27の積層シートについては、0.03mmのPPフィルムをT−ダイより押出された溶融シートと冷却ロールとの間に挟み込む方法、いわゆる熱ラミネート法により、スキン層(B)の上に、さらにカバー層を積層した。得られたシートの評価結果を表1〜4に示す。
また、実施例1、31及び32について、異物(ゲル)発生率を測定した結果、実施例1の積層シートは7個/10000m、実施例31の積層シートは38個/10000m、実施例32の積層シートは5個/10000mであった。なお、実施例31では、スチレン系熱可塑性エラストマー(St−TPE)として、SBS2を用いており、実施例32では、SEBSを用いている。
比較例13〜18及び22
表4に示す組成の成分をブレンドし、押出機(直径Φ90mm)に供給し、押出温度200℃で溶融混練した。この溶融混練物をT−ダイよりシート状に押出し、シート表面を80℃まで急冷し、引き取り速度を調整することにより単層シートを得た。また、比較例22のシートについては、0.03mmのPPフィルムをT−ダイより押出された溶融シートと冷却ロールとの間に挟み込む方法、いわゆる熱ラミネート法により、さらにカバー層を積層した。得られたシートの評価結果を表4に示す。
Figure 0004936837
Figure 0004936837
Figure 0004936837
Figure 0004936837
表1〜4の結果から明らかなように、実施例の積層シートは、耐油性及び耐熱性に加えて、各種機械的特性やシートの外観に優れている。

Claims (13)

  1. スチレン系樹脂(A1)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)で構成されたコア層(A)の少なくとも一方の面に、オレフィン系樹脂(B1)、スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)及びスチレン系樹脂(B3)で構成されたスキン層(B)が形成された積層シートであって、
    スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合が、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して1〜15重量部であり
    チレン系熱可塑性エラストマー(B2)の割合が、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して5〜30重量部であり、
    スチレン系樹脂(B3)の割合が、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して、0.1〜30重量部であり、かつ
    コア層(A)中のスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合(重量%)を[St−TPE] 、スキン層(B)中のスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)の割合(重量%)を[St−TPE] としたとき、式:
    0<[St−TPE] −[St−TPE] <15
    で表される関係を充足する積層シート。
  2. コア層(A)が、さらに、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、0.001〜10重量部のオレフィン系樹脂(A3)を含む請求項1記載の積層シート。
  3. コア層(A)が、さらに、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、0.01〜5重量部のオレフィン系樹脂(A3)を含むとともに、オレフィン系樹脂(A3)及びオレフィン系樹脂(B1)が、それぞれ、3〜20g/10分のメルトフローレート(JIS K 7210)を有するポリプロピレン系樹脂である請求項1記載の積層シート。
  4. コア層(A)が、さらに、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、0.1〜3重量部のオレフィン系樹脂(A3)を含むとともに、オレフィン系樹脂(A3)及びオレフィン系樹脂(B1)が、それぞれ、融点145℃以上のポリプロピレン系樹脂である請求項1記載の積層シート。
  5. スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)が、それぞれ、テトラヒドロフランによる不溶分の割合が3重量%以下である請求項1記載の積層シート。
  6. スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)が、それぞれ、スチレン−ジエン系ブロック共重合体である請求項1記載の積層シート。
  7. スチレン系樹脂(A1)が、ポリスチレン系樹脂とゴム含有スチレン系樹脂とで構成され、かつ両者の割合(重量比)が、ポリスチレン系樹脂/ゴム含有スチレン系樹脂=20/80〜80/20である請求項1記載の積層シート。
  8. 総厚みが0.25〜0.7mmであり、かつコア層(A)の厚みとスキン層(B)の厚みとの比率が、スキン層(B)/コア層(A)=1/20〜1/2.5である請求項1記載の積層シート。
  9. コア層(A)とスキン層(B)との層間強度が1.8N/15mm以上である請求項1記載の積層シート。
  10. コア層(A)の両面にスキン層(B)が形成されている請求項1記載の積層シート。
  11. スキン層()の上に、さらにオレフィン系樹脂で構成されたカバー層が積層された請求項1記載の積層シート。
  12. カバー層がポリプロピレン系樹脂で構成され、かつその厚みが、15〜50μmである請求項11記載の積層シート。
  13. 請求項1記載の積層シートで構成された食品用容器。
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