JP5069943B2 - 容器用積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、生分解性が高く、食品などの容器の成形に適した樹脂積層シート及び食品用容器に関する。
従来から、食品分野における容器やトレー用途などに利用されるプラスチックシートとしては、成形性に優れ、高い剛性を有するため、スチレン系樹脂シートが広く利用されている。しかし、近年、環境問題がクローズアップされており、このようなシートとしても、ポリ乳酸などの生分解性プラスチックを使用したシートが検討されている。しかし、ポリ乳酸で構成されたシートは、柔軟性や耐衝撃性が低いだけでなく、独特の臭気を有している。さらに、ガスバリア性などの機能を付与する必要などから、ポリ乳酸で構成されたシートに他の熱可塑性樹脂層を積層することが提案されている。
例えば、特開平10−80990号公報(特許文献1)には、特定のポリグリコール酸で形成されたフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性樹脂フィルムが積層されたガスバリヤー性複合フィルムが開示されている。この文献には、熱可塑性樹脂フィルムとして、ポリ乳酸などの熱可塑性樹脂フィルムが例示されており、ポリグリコール酸フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとは、接着剤層を介して接着されている。
しかし、この積層フィルムでは、ポリグリコール酸フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとの接着性が低く、両フィルムの間に接着剤層が必要となる。
また、実用新案登録第3076516号公報(特許文献2)には、ポリスチレン系樹脂を少なくとも含む基材樹脂で形成された容器主体と、この容器主体の内表面に直接接着されている厚さ20〜100μmの被膜層とからなる食品容器であって、前記被膜層が生分解性樹脂を少なくとも含み、前記被膜層の容器主体内表面に対する接着強度が30〜150gf/15mmである食品容器が開示されている。この文献には、基材樹脂として、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合物が記載され、被膜層として、二価脂肪族アルコール成分及び二価脂肪族酸成分から得られる生分解性樹脂と、ポリ乳酸及び/又は無機充填剤との混合物が記載されている。
しかし、この容器においても、容器本体と被膜層との接着性が低く、柔軟性や耐衝撃性も充分でない。
さらに、特開2002−19053号公報(特許文献3)には、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層及びポリ乳酸を主成分とする層を有する収縮シート状物が開示されている。この文献には、両層の間にアクリル変性ポリエチレン系樹脂などの接着層が形成されている。
しかし、この収縮シート状物も、接着層が必要であり、柔軟性や耐衝撃性も充分でない。
特開平10−80990号公報(請求項1、2、4及び5) 実用新案登録第3076516号公報(請求項1、2及び7) 特開2002−19053号公報(請求項1、4及び5)
従って、本発明の目的は、伸度と耐衝撃性とのバランスに優れるとともに、接着層を介在させなくても、基材層と被覆層との層間接合強度が高い生分解性樹脂積層シート及びこのシートで構成された食品用容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、引張弾性率や引張降伏強度などの機械的特性及び成形性に優れた生分解性樹脂積層シート及びこのシートで構成された食品用容器を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐熱性及び耐油性が高く、臭気の発生が抑制できる生分解性樹脂積層シート及びこのシートで構成された食品用容器を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、脂肪族ポリエステル系樹脂にスチレン系熱可塑性エラストマーを配合した基材層と熱可塑性樹脂で構成された被覆層とを積層すると、生分解性を有するシートでありながら、伸度と耐衝撃性とのバランスに優れ、かつ接着層を介在させなくても、基材層と被覆層との層間接合強度が高いことを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の積層シートは、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)で構成された基材層(A)の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂で構成された被覆層(B)が形成されている。前記脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)はポリ乳酸系樹脂であってもよい。前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)はスチレン−ジエン系ブロック共重合体であってもよい。このスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合は、前記脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)100重量部に対して、1〜50重量部程度である。前記基材層(A)は、さらにゴム含有スチレン系樹脂(A3)及び/又はオレフィン系樹脂(A4)を含んでいてもよい。前記被覆層(B)は、オレフィン系樹脂(B1)で構成されていてもよい。前記オレフィン系樹脂(B1)は、ポリプロピレン系樹脂であってもよい。前記被覆層(B)は、さらにスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)及びゴム含有スチレン系樹脂(B3)からなる群から選択された少なくとも一種を含んでいてもよい。本発明の積層シートは、基材層(A)の両面に被覆層(B)が形成されていてもよい。本発明には、前記積層シートで構成された食品用容器も含まれる。
本発明では、脂肪族ポリエステル系樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとを組み合わせた基材層を用いて積層シートを形成するため、ポリ乳酸などの生分解性プラスチックを用いているにも拘わらず、伸度と耐衝撃性とのバランスに優れるとともに、基材層と被覆層との層間の接着性を向上できる。また、引張弾性率や引張降伏強度などの機械的特性及び成形性に優れるとともに、耐熱性及び耐油性も高い。特に、基材層の両面に被覆層を形成すると、ポリ乳酸を用いても、ポリ乳酸独特の臭気の発生を抑制できる。従って、このような特性を有するシートは、各種容器(特に、廃棄され易く、臭気の発生が嫌われる食品用容器)に適している。
本発明の積層シートは、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)で構成された基材層(A)の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂で構成された被覆層(B)が形成されている。
[基材層(A)]
(A1)脂肪族ポリエステル系樹脂
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ジカルボン酸成分(例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸などの炭素数2〜6程度の脂肪族ジカルボン酸、好ましくはシュウ酸、コハク酸などの炭素数2〜4程度の脂肪族ジカルボン酸)と、脂肪族ジオール成分(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族C2-6ジオール、好ましくはエチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族C2-4ジオール)との重縮合により得られるホモポリエステル又はコポリエステル、脂肪族オキシカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、オキシプロピオン酸、オキシ酪酸などの脂肪族C2-6オキシカルボン酸、好ましくはグリコール酸や乳酸などの脂肪族C2-4オキシカルボン酸)のホモポリエステル又はコポリエステル、開始剤(2官能や3官能の開始剤、例えば、アルコールなどの活性水素化合物)を用いてラクトン(好ましくは、カプロラクトンなどのC4-10ラクトン)を開環重合して得られるホモポリラクトン又はコポリラクトンなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエステル系樹脂のうち、共重合体は、脂肪族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分と脂肪族オキシカルボン酸との共重合体、脂肪族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とラクトンとの共重合体などであってもよい。さらに、共重合体は、共重合成分との共重合体であってもよい。共重合成分には、繰り返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシC2-4アルキレングリコール[ジエチレングリコールなどのポリ(オキシ−C2-4アルキレン)単位を含むグリコールなど]や、炭素数7〜12程度の脂肪族ジカルボン酸(ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)などが含まれていてもよい。必要であれば、生分解性等を損なわない範囲で、脂環族又は芳香族ジカルボン酸、脂環族又は芳香族ジカルボン酸、脂環族又は芳香族オキシカルボン酸などを共重合してもよい。
具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合から得られるポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンオギザレート、ポリブチレンオギザレート、ポリネオペンチレンオギザレートなどのポリC2-6アルキレンオギザレート;ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリネオペンチレンサクシネートなどのポリC2-6アルキレンサクシネート;ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチレンアジペートなどのポリC2-6アルキレンアジペートなど)、ポリオキシカルボン酸系樹脂(例えば、ポリグリコール酸やポリ乳酸など)、ポリラクトン系樹脂[例えば、ポリカプロラクトンなどのポリC3-12ラクトン系樹脂など]などが挙げられる。コポリエステルの具体例としては、例えば、2種類のジカルボン酸成分を用いたコポリエステル(例えば、ポリエチレンサクシネート−アジペート共重合樹脂、ポリブチレンサクシネート−アジペート共重合樹脂などのポリC2-4アルキレンサクシネート−アジペート共重合樹脂など)、ジカルボン酸成分とジオール成分とラクトンとから得られるコポリエステル(例えば、ポリカプロラクトン−ポリブチレンサクシネート共重合樹脂など)などが例示できる。これらの脂肪族ポリエステル系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの脂肪族ポリエステル系樹脂のうち、生分解性が高く、かつ透明で成形性も高い点から、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。ポリ乳酸系樹脂は、乳酸を主要な構成単位として含んでいればよい。乳酸には、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸(ラセミ体)が含まれる。これらの乳酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。乳酸は、機械的特性などの点から、光学純度が高いのが好ましく、例えば、L−乳酸を90重量%以上(例えば、94〜100重量%)の割合で含んでいてもよい。
ポリ乳酸系樹脂における乳酸単位の割合は、例えば、全構成単位中50モル%以上であればよく、好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%(特に95〜99.9モル%)程度であり、他の構成単位を含んでいてもよい。
他の構成単位は、乳酸と共重合可能な単量体で構成されている。このような単量体としては、例えば、乳酸以外のオキシカルボン酸(例えば、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、リンゴ酸などの脂肪族C2-6オキシカルボン酸、など)、ジオール類(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2-10アルカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリC2-4アルキレングリコールなど)、ポリオール類(例えば、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのC3-10ポリオールなど)、ジカルボン酸類(例えば、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、グルタル酸、セバシン酸などのC2-12脂肪族ジカルボン酸など)、ラクトン類(例えば、カプロラクトン、バレロラクトン、ブチロラクトンなどのC4-12ラクトンなど)などが挙げられる。さらに、必要であれば、生分解性を損なわない範囲で、脂環族又は芳香族オキシカルボン酸(例えば、ヒドロキシ安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸など)、脂環族又は芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物のエチレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのC4-10シクロアルカンジオールなど)、脂環族又は芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸などのC8-12芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸など)などが共重合されていてもよい。
これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて、0〜50モル%(好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは5〜20モル%)程度の割合で使用できる。
ポリ乳酸系樹脂の分子量は、特に制限されないが、共押出などの成形性の点から、高い方が好ましい。具体的に、ポリ乳酸組成物の重量平均分子量は、例えば、50,000〜1,000,000、好ましくは60,000〜700,000、さらに好ましくは80,000〜500,000(特に100,000〜300,000)程度である。
ポリ乳酸系樹脂の融点は、例えば、100〜220℃、好ましくは120〜200℃、さらに好ましくは150〜175℃程度である。ポリ乳酸系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準じた方法(190℃、荷重2.16kgf)で、例えば、0.5〜15g/10分、好ましくは1〜10g/10分、さらに好ましくは2〜5g/10分程度であってもよい。ポリ乳酸系樹脂の溶融粘度(温度220℃、剪断速度10sec-1における溶融粘度)は、例えば、150〜4000Pa・s、好ましくは300〜3000Pa・s、さらに好ましくは400〜1000Pa・s程度である。ポリ乳酸系樹脂の流動性又は粘性がこのような範囲にあると、シート成形性や、成形品の外観特性を向上できる。
(A2)スチレン系熱可塑性エラストマー
スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)は、芳香族ビニル単位とジエン系単位とで構成され、側鎖又は分岐鎖としてではなく、ポリマー骨格(主鎖)中にジエン系単位で構成されたソフトセグメントを有する。
芳香族ビニル単位を構成する芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、ビニルトルエン、ビニルキシレン、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなど)、ハロゲン置換スチレン(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレンなど)、α位にアルキル基が置換したα−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレンなど)などが例示できる。これらの芳香族ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの単量体のうち、通常、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど、特にスチレンが使用される。
共役ジエン系単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエン系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ブタジエン及び/又はイソプレンが好ましい。
芳香族ビニル単位とジエン系単位との重合形態は、特に限定されず、ランダム共重合であってもよいが、機械的特性や熱可塑性樹脂層(特にポリプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂)との接着性などの点から、ブロック共重合が好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)は、水添物であってもよいが、耐衝撃性や引張特性などの点から、部分水添物(例えば、水添率80%以下、好ましくは0.1〜50%、さらに好ましくは1〜30%程度)、特に、非水添物が好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)を構成する芳香族ビニル単位とジエン系単位との割合(重量比)は、芳香族ビニル単位/ジエン系単位=20/80〜80/20、好ましくは60/40〜25/75、さらに好ましくは50/50〜30/70程度である。ジエン系単位がこの範囲にあると、耐衝撃性や引張特性などの機械的特性が高く、熱可塑性樹脂層との接着性も高い。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の具体例としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)などのスチレン−ブタジエン系共重合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SEPS)などが例示できる。これらのスチレン−ジエン系共重合体のうち、機械的特性や層間接着性などの点から、水添されていないスチレン−ジエン系ブロック共重合体、特に、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体が好ましい。ブロック共重合体において、末端ブロックは、スチレン系ブロック又はジエン系ブロックのいずれで構成してもよい。
スチレン−ジエン系ブロック共重合体の構造としては、リニア(直鎖状)型(AB型、ABA型など)、星型(ラジアルテレブロック型など)、テーパー型などが挙げられる。これらのうち、リニア型や星型でAB型のブロック共重合体が好ましく使用できる。スチレン−ジエン系ブロック共重合体としては、スチレンとジエン成分とのジブロック、トリブロック、テトラブロック共重合体などが例示できる。これらのうち、トリブロック共重合体、特にスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体が好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の数平均分子量は、接着強度及び加工性の点から、例えば、10,000〜400,000、好ましくは20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜200,000程度である。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準じた方法(190℃、荷重2.16kgf)で、例えば、1〜20g/10分、好ましくは2〜15g/10分、さらに好ましくは3〜10g/10分程度であってもよい。スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の流動性がこのような範囲にあると、被覆層(B)との接着性を向上できる。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)100重量部に対して、例えば、0.1〜100重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは3〜40重量部(特に5〜30重量部)程度である。スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合が少なすぎると、引張伸度や耐衝撃性などの機械的特性及び層間強度が低下する。一方、多すぎると、剛性や生分解性などが低下する。特に本発明では、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)に対して、スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)を組み合わせることにより、オレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂で構成された層との接着性が低い脂肪族ポリエステル系樹脂の接着性を向上できる。
(A3)ゴム含有スチレン系樹脂
基材層(A)は、さらにゴム含有スチレン系樹脂(A3)を含有していてもよい。ゴム含有スチレン系樹脂は、機械的特性及び緩衝性を改善するために使用され、共重合(グラフト重合など)などにより、スチレン系樹脂で構成されたマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散した重合体であってもよく、通常、ゴム状重合体の存在下、少なくとも芳香族ビニル単量体を、慣用の方法(塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、乳化重合など)で重合することにより得られるグラフト共重合体(ゴムグラフトポリスチレン系重合体)である。
スチレン系樹脂としては、例えば、芳香族ビニル単量体を主構成単位として形成される単独又は共重合体が挙げられる。スチレン系樹脂を形成するための芳香族ビニル単量体としては、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A1)の項で例示された芳香族ビニル系単量体が挙げられる。前記芳香族ビニル系単量体のうち、通常、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど、特にスチレンが使用される。
前記芳香族ビニル単量体は、共重合可能な単量体と組み合わせて使用してもよい。共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物(例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸又はその酸無水物など)、イミド系単量体[例えば、マレイミド、N−アルキルマレイミド(例えば、N−C1−4アルキルマレイミド等)、N−シクロアルキルマレイミド(例えば、N−シクロヘキシルマレイミドなど)、N−アリールマレイミド(例えば、N−フェニルマレイミドなど)などのN−置換マレイミド]、アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2−4アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマーなど]などが例示できる。これらの共重合可能な単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。全単量体中の共重合可能な単量体の使用量は、通常、1〜50モル%、好ましくは3〜40モル%、さらに好ましくは5〜30モル%程度の範囲から選択できる。
ゴム状重合体としては、例えば、ジエン系ゴム[ポリブタジエン(低シス型又は高シス型ポリブタジエン)、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソブチレン−ブタジエン系共重合ゴムなど]、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム(ポリアクリル酸C2−8アルキルエステルを主成分とする共重合エラストマーなど)、エチレン−α−オレフィン系共重合体[エチレン−プロピレンゴム(EPR)など]、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体[エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など]、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、水添ジエン系ゴム(水素化スチレン−ブタジエン共重合体、水素化ブタジエン系重合体など)などが挙げられる。なお、前記共重合体はランダム又はブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック型の構造を有する共重合体等が含まれる。これらのゴム状重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましいゴム状重合体は、共役1,3−ジエン又はその誘導体の重合体、特にジエン系ゴム[ポリブタジエン(ブタジエンゴム)、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体など]である。
ゴム含有スチレン系樹脂において、ゴム状重合体の含有量は2〜50重量%程度の範囲から選択でき、例えば、3〜15重量%、好ましくは4〜15重量%、さらに好ましくは5〜15重量%程度である。ゴム状重合体の含有量が少なすぎると、耐衝撃性の改良効果が充分でなく、ゴム状重合体の含有量が多すぎると、剛性が低下する。
スチレン系樹脂で構成されたマトリックス中に分散するゴム状重合体の形態は、特に限定されず、サラミ構造、コア/シェル構造、オニオン構造などであってもよい。
分散相を構成するゴム状重合体の粒子径は、例えば、体積平均粒子径0.5μm以上であればよく、例えば、0.5〜6μm、好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは2〜4.5μm程度である。ゴム状重合体の平均粒子径がこの範囲にあると、耐衝撃性に優れる。
また、ゴム状重合体のグラフト率は、5〜150%、好ましくは10〜150%程度である。
ゴム含有スチレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210に準じた方法(200℃、荷重5kgf)で、例えば、1〜10g/10分、好ましくは1.5〜8g/10分、さらに好ましくは2〜5g/10分程度であってもよい。ゴム含有スチレン系樹脂の溶融粘度(温度220℃、剪断速度10sec-1における溶融粘度)は、例えば、2000〜30000Pa・s、好ましくは3000〜25000Pa・s、さらに好ましくは4000〜20000Pa・s程度である。ゴム含有スチレン系樹脂の流動性又は粘性がこのような範囲にあると、組成物中での分散性が向上するとともに、基材層(A)の粘度を高めることができ、被覆層(B)との粘度差が低下し、シート及び容器の外観を向上できる。
スチレン系樹脂(マトリックス樹脂)の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000程度の範囲から選択できるが、容器成形性の点から、比較的高い方が好ましく、例えば、200,000〜500,000、好ましくは230,000〜350,000、さらに好ましくは250,000〜350,000程度である。スチレン系樹脂の分子量がこの範囲にあると、肉厚の均一のシート及び容器を成形できる。
ゴム含有スチレン系樹脂としては、ゴム成分に少なくとも芳香族ビニル単量体がグラフトした共重合体であれば特に限定されないが、具体的には、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、α−メチルスチレン変性ABS樹脂、イミド変性ABS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(MBS樹脂)、ゴム成分X(アクリルゴム、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)にアクリロニトリルAとスチレンSとがグラフト重合したAXS樹脂などが挙げられる。これらのゴム含有スチレン系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのゴム含有スチレン系樹脂の中でも、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)などが好ましい。
ゴム含有スチレン系樹脂(A3)の割合は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)100重量部に対して、0〜100重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは5〜70重量部(特に10〜60重量部)程度である。ゴム含有スチレン系樹脂がこのような割合で配合されると、耐衝撃性や引張特性などを向上できる。
(A4)オレフィン系樹脂
基材層(A)は、前記ゴム含有スチレン系樹脂(A3)に代えて、又は前記ゴム含有スチレン系樹脂(A3)とともに、さらにオレフィン系樹脂(A4)を含んでいてもよい。オレフィン系樹脂(A4)には、オレフィンの単独又は共重合体が含まれる。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどのα−C2-10オレフィン(好ましくはα−C2-8オレフィン、さらに好ましくはα−C2-4オレフィン)などが挙げられる。これらのオレフィンは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのオレフィンのうち、エチレン及び/又はプロピレンを含むのが好ましい。
オレフィン系樹脂(A4)は、オレフィンと共重合性単量体との共重合体であってもよい。共重合性単量体としては、例えば、重合性ニトリル化合物(例えば、(メタ)アクリロニトリルなど)、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸など)、不飽和ジカルボン酸又はその誘導体(無水マレイン酸など)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、共役ジエン類(ブタジエン、イソプレンなど)などが例示できる。共重合性単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。共重合性単量体の割合は、全単量体中0〜50モル%、好ましくは0.1〜25モル%、さらに好ましくは1〜10モル%程度である。
オレフィン系樹脂(A4)としては、例えば、ポリエチレン系樹脂[例えば、低、中又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体など]、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン含有80重量%以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂などが挙げられる。共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体などが例示できる。
前記共重合体(オレフィン同士の共重合体及びオレフィンと共重合性単量体との共重合体)には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体が含まれる。
さらに、オレフィン系樹脂(A4)は、官能基を有する化合物で変性された変性オレフィン系樹脂、特に、不飽和カルボン酸又はその無水物で変性された酸変性オレフィン系樹脂(例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンなど)であってもよい。
これらのオレフィン系樹脂(A4)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのオレフィン系樹脂(A4)のうち、高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂などが好ましい。
好ましいオレフィン系樹脂のうち、ポリエチレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210に準じた方法(190℃、荷重2.16kgf)で、例えば、0.05〜2g/10分、好ましくは0.07〜1.5g/10分、さらに好ましくは0.1〜1g/10分程度である。ポリエチレン系樹脂の溶融粘度(温度220℃、剪断速度10sec-1における溶融粘度)は、例えば、1000〜10000Pa・s、好ましくは3000〜10000Pa・s、さらに好ましくは4000〜9000Pa・s程度である。
ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210に準じた方法(230℃、荷重2.16kgf)で、0.3〜5g/10分、好ましくは0.4〜4g/10分、さらに好ましくは0.5〜3g/10分程度である。ポリプロピレン系樹脂の溶融粘度(温度220℃、剪断速度10sec-1における溶融粘度)は、例えば、3000〜10000Pa・s、好ましくは3500〜8000Pa・s、さらに好ましくは4000〜6000Pa・s程度である。
オレフィン系樹脂(A4)の流動性又は粘性がこのような範囲にあると、組成物中での分散性が向上するとともに、基材層(A)の粘性を高めるため、被覆層(B)との粘度差が低下し、積層シートの成形性を向上でき、シートや成形品の外観特性を向上できる。
オレフィン系樹脂(A4)の脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)100重量部に対して、0〜50重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは3〜40重量部、さらに好ましくは5〜30重量部程度である。オレフィン系樹脂(A4)の割合がこの範囲にあると、シートの外観(表面特性)や層間接着性が向上する。
基材層(A)は、他の熱可塑性樹脂、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂などを含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂の割合は、前記樹脂の特性を損なわない範囲であればよく、特に限定されないが、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)100重量部に対して、50重量部以下、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
基材層(A)には、慣用の添加剤、例えば、安定剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止剤、紫外線吸収剤などの光安定化剤、熱安定化剤など)、相溶化剤、流動性改良剤、可塑剤又は軟化剤(フタル酸エステル、脂肪酸系可塑剤、リン酸系可塑剤など)、離型剤、難燃剤、帯電防止剤、導電剤、防曇剤、着色剤、充填剤(シリカ、タルク、金属フィラーなどの粒状充填剤や、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などの繊維状充填剤など)、結晶核成長剤、分散剤、発泡剤、消泡剤、抗菌剤などが含まれていてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの添加剤の割合は、種類に応じて選択すればよく、特に限定されないが、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)100重量部に対して、0.01〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部程度である。
基材層(A)の厚みは、用途に応じて適当に選択でき、例えば、200〜650μm、好ましくは250〜550μm、さらに好ましくは300〜500μm程度である。
[被覆層(B)]
被覆層(B)は熱可塑性樹脂で構成されている。熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、成形性や透明性、基材層(A)との層間接着性などの点から、オレフィン系樹脂が好ましい。
(B1)オレフィン系樹脂
オレフィン系樹脂(B1)としては、前記オレフィン系樹脂(A4)の項で例示されたオレフィン系樹脂が例示できる。これらのオレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのオレフィン系樹脂のうち、成形性や汎用性などの点から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。なかでも、耐熱性及び耐油性の点から、ポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー(プロピレン単独重合体)の他、ポリプロピレンコポリマー(プロピレン系共重合体)であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂において、コポリマーにおける共重合性単量体としては、例えば、プロピレンを除くオレフィン類(例えば、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−メチルペンテンなどのα−C2−6オレフィンなど)、メタアクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸C1−6アルキルエステルなど]、不飽和カルボン酸類(例えば、無水マレイン酸など)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、ジエン類(ブタジエン、イソプレンなど)などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの共重合性単量体のうち、オレフィン類、特にエチレンが好ましい。コポリマーには、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が含まれる。これらのうち、ブロック共重合体が好ましい。
コポリマーの場合、共重合性単量体の割合は、20重量%以下、例えば、0.1〜10重量%程度であってもよい。コポリマーとしては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。
本発明では、これらのポリプロピレン系樹脂の中でも、耐熱性及び耐油性などの点から、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンブロック共重合体が好ましい。ポリプロピレンブロック共重合体としては、ポリエチレン単位がブロック共重合した共重合体が好ましい。このようなブロック共重合体には、ポリプロピレン単位とポリエチレン単位とのブロック共重合体の他、ポリプロピレンホモポリマーに、ポリエチレンホモポリマーを混合したブレンド物も含まれる。ポリエチレン単位(ポリエチレンホモポリマー単位)の割合は、ポリプロピレン単位(又はポリプロピレンホモポリマー単位)100重量部に対して、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。ブレンド物の場合、エチレン−プロピレンゴムなどの相溶化剤を用いてもよい。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、JIS K 7121に準じた方法におけるピーク温度で、例えば、145℃以上(例えば、145〜180℃程度)、好ましくは150℃以上(例えば、155〜170℃程度)、さらに好ましくは155℃以上(例えば、160〜165℃程度)であってもよい。ポリプロピレン系樹脂の融点がこの範囲にあると、耐熱性が向上する。
ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210に準じた方法(230℃、荷重2.16kgf)で、3〜30g/10分、好ましくは4〜20g/10分、さらに好ましくは5〜15g/10分程度である。ポリプロピレン系樹脂の溶融粘度(温度220℃、剪断速度10sec-1における溶融粘度)は、例えば、1000〜4000Pa・s、好ましくは1500〜3500Pa・s、さらに好ましくは2000〜3000Pa・s程度である。ポリプロピレン系樹脂のMFRがこの範囲にあると、シートや容器などの成形品の外観が向上するとともに、シートのドローダウンを抑制できる。
一般的に基材層(A)の主要な樹脂である脂肪族ポリエステル系樹脂(特にポリ乳酸系樹脂)は低溶融粘度であるが、本発明では、共押出などによる積層体の成形性の点から、被覆層(B)の溶融粘度は、基材層(A)の溶融粘度に近似しているのが好ましい。基材層(A)の溶融粘度MVA1と被覆層(B)の溶融粘度MVB1との関係は、例えば、MVA1/MVB1=2/1〜1/20、好ましくは1.5/1〜1/10、さらに好ましくは1/1〜1/5程度である。
(B2)スチレン系熱可塑性エラストマー
被覆層(B)は、前記オレフィン系樹脂(B1)に加えて、さらにスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)を含んでいてもよい。スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)としては、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の項で例示されたスチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらのスチレン系熱可塑性エラストマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱可塑性エラストマーのうち、スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)と同様に、機械的特性や層間接着性などの点から、スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)と同一又は同種のエラストマー、特に、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準じた方法(190℃、荷重2.16kgf)で、例えば、1〜20g/10分、好ましくは2〜15g/10分、さらに好ましくは3〜10g/10分程度であってもよい。スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)の流動性がこのような範囲にあると、基材層(A)との接着性が向上する。
スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)の割合は、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して、例えば、0〜100重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは1〜60重量部、さらに好ましくは3〜50重量部(特に10〜40重量部)程度である。スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)の割合が少なすぎると、機械的特性及び層間強度が低下する。一方、多すぎると、シートの腰が低下し、生分解性も低下する。
(B3)ゴム含有スチレン系樹脂
被覆層(B)は、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)に代えて、又は前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)とともに、さらにゴム含有スチレン系樹脂(B3)を含んでいてもよい。ゴム含有スチレン系樹脂(B3)としては、前記ゴム含有スチレン系樹脂(A3)の項で例示されたゴム含有スチレン系樹脂が挙げられる。これらのゴム含有スチレン系は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのゴム含有スチレン系樹脂のうち、耐衝撃性や層間接着性などの点から、ゴム含有スチレン系樹脂(A3)と同一又は同種のエラストマー、特に、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)などのゴム含有スチレン系樹脂が好ましい。
ゴム含有スチレン系樹脂(B3)のMFRは、JIS K 7210に準じた方法(200℃、荷重5kgf)で、例えば、1〜10g/10分、好ましくは1.5〜8g/10分、さらに好ましくは2〜5g/10分程度であってもよい。ゴム含有スチレン系樹脂の溶融粘度(温度220℃、剪断速度10sec-1における溶融粘度)は、例えば、2000〜30000Pa・s、好ましくは3000〜25000Pa・s、さらに好ましくは4000〜20000Pa・s程度である。ゴム含有スチレン系樹脂の流動性又は粘性がこのような範囲にあると、成形品の外観特性が向上でき、シートのドローダウンを抑制できる。
ゴム含有スチレン系樹脂(B3)の割合は、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して、例えば、0〜100重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは1〜60重量部、さらに好ましくは3〜50重量部(特に10〜40重量部)程度である。ゴム含有スチレン系樹脂(B3)の割合が少なすぎると、耐衝撃性及び層間強度が低下する。一方、多すぎると、剛性や生分解性などが低下する。
被覆層(B)は、他の熱可塑性樹脂、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、脂肪族及び芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂などを含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂の割合は、前記樹脂の特性を損なわない範囲であればよく、特に限定されないが、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して、50重量部以下、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
被覆層(B)も、基材層(A)と同様の他の熱可塑性樹脂や添加剤を含んでいてもよい。添加剤の割合は、種類に応じて選択すればよく、特に限定されないが、オレフィン系樹脂(B1)100重量部に対して、0.01〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部程度である。
被覆層(B)の厚み(両面に被覆層(B)がある場合は、その和)は、用途に応じて適当に選択でき、例えば、10〜200μm、好ましくは20〜150μm、さらに好ましくは30〜130μm程度である。
[積層シート]
本発明の積層シートは、前記基材層(A)の少なくとも一方の面に前記被覆層(B)が形成されているが、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)の臭気を抑制できる点、機械的特性、耐熱性及び耐油性を向上できる点などから、前記基材層(A)の両面に前記被覆層(B)が形成されているのが好ましい。
積層シートの総厚みは、例えば、0.25〜0.7mm、好ましくは0.3〜0.6mm、さらに好ましくは0.35〜0.55mm程度である。積層シートの厚みが薄すぎると、容器を成形した場合、シートの腰が低下する。一方、厚すぎると、容器1個当たりの重量が重くなり、運搬や流通における簡便性や経済性が低下する。
積層シートにおいて、基材層(A)の厚みと被覆層(B)の厚み(基材層の両面に形成されている場合は合計の厚み)との比率は、基材層(B)/被覆層(A)=1/20〜1/1程度の範囲から選択でき、例えば、1/10〜1/1.5、好ましくは1/9〜1/2、さらに好ましくは1/8〜1/2.5程度である。被覆層(B)の比率が小さすぎると、臭気抑制や機械的特性が低下し、一方、被覆層(B)の比率が大きすぎると、生分解性が低下する。
本発明の積層シートは、層間強度が高く、例えば、基材層(A)と被覆層(B)との層間強度が0.5N/15mm以上(例えば、1〜10N/15mm)、好ましくは1.5〜8N/15mm)、さらに好ましくは2〜5N/15mm)程度であってもよい。
本発明の積層シートは、耐衝撃性も高く、JIS K 5400に準じたデュポン衝撃強度が0.6J以上(例えば、0.6〜2J)、好ましくは0.7〜2J、さらに好ましくは0.8〜2J(特に0.85〜2J)程度である。
本発明の積層シートは、剛性や引張特性にも優れ、JIS K 7113に準じた引張弾性率が1500MPa以上(例えば、1500〜3500MPa)、好ましくは1600〜3500Mpa、さらに好ましくは1700〜3500MPa程度である。引張降伏強度は、例えば、10MPa以上(例えば、10〜100MPa)、好ましくは15〜100MPa、さらに好ましくは20〜100MPa程度である。破断点伸度は、例えば、1%以上(例えば、1〜200%)、好ましくは2〜200%、さらに好ましくは3〜200%程度である。引張特性は、一般的にシートの流れ方向(MD方向)の方が高く、例えば、破断点伸度は、例えば、10〜150%(特に50〜150%)程度であってもよい。
本発明の積層シートには、さらに被覆層(B)又は基材層(A)の上に、さらにガスバリア層、印刷層、帯電防止層などの機能層を積層してもよい。
本発明の積層シートの製造方法としては、特に制限されないが、基材層(A)と被覆層(B)との接着性が高いため、接着剤を介することなくラミネートする慣用の方法、例えば、ダイ内で各層を積層する共押出ラミネート法、溶融押出ラミネート法を好ましく利用できる。溶融押出ラミネート法においては、例えば、予め作製した基材層(A)の少なくとも一方の面に被覆層(B)を溶融押出ラミネートしてもよい。予め作製した各層に対応するシートは、慣用の方法、例えば、エキストルージョン法[ダイ(フラット状、T状(Tダイ)、円筒状(サーキュラダイ)等)法、インフレーション法等]などの押出成形法、テンター方式、チューブ方式、インフレーション方式等による延伸法などにより成形することができる。前記シートは、延伸(一軸延伸、二軸延伸等)してもよいし、未延伸であってもよい。
本発明では、薄い被覆層を得ることができ、かつ量産性に優れる点から、共押出法が好ましい。共押出法においては、各層用の樹脂組成物を、汎用のフィードブロック付きダイやマルチマニホールドダイなどを使用して共押出する方法により積層シートを調製できる。共押出法によって得られた積層シートも、延伸(一軸延伸、二軸延伸など)してもよい。
[二次成形方法及び二次成形品]
本発明の積層シートは、成形性に優れるため、圧空成形(押出圧空成形、熱板圧空成形、真空圧空成形など)、自由吹込成形、真空成形、折り曲げ加工、マッチドモールド成形、熱板成形などの慣用の熱成形などで、簡便に二次成形することができる。
熱成形工程においては、加熱したシートを加圧や減圧により成形し、例えば、圧空成形の場合は、加熱したシートを圧空により金型に押し当てて成形する。真空成形の場合は、金型と加熱したシートとの間を真空にすることにより、加熱シートを金型側に引き込んで成形する。前記金型には、空気を引き込むための小孔やスリットが設けられている。
本発明の積層シートは、生分解性に加えて、種々の機械的特性に優れるため、各種用途に使用することができ、例えば、容器(食品、日用品、電気・電子機具及び部品、機械機具及び部品などの各種容器など)などの二次成形品として使用することができる。容器としては、飲料などの液体充填用容器、食品用容器(惣菜用容器、弁当用容器など)、薬品用容器、オーブンや電子レンジ用容器、熱湯を注ぐタイプの容器(例えば、インスタント食品用容器など)、加熱殺菌に供される容器、非加熱容器などに使用することができる。容器は、被収容体を収容するための凹部を有する容器本体だけでなく、蓋体を含んでいてもよい意味に用いられ、惣菜用や弁当用容器であれば、トレーと蓋を含む意味である。蓋体は、容器本体に対して、開閉可能である限り、取り外し可能であってもよく、ヒンジ方式に結合していてもよい。このような食品用容器には、耐熱性が要求されるとともに、生産量多くて廃棄され易い点から、本発明の生分解性が高い容器が有用である。さらに、本発明の積層シートは、耐熱性及び耐油性に優れるため、食品が高温で充填されたり、オーブンや電子レンジで加熱処理される容器(惣菜用容器などの食品用容器)として特に適している。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた各成分の略号の内容、及び各評価項目の評価方法は以下の通りである。
[各成分の略号の内容]
PP1:ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテックPP BC3F」、MFR:8.5g/10分、溶融粘度:2600Pa・s)
PP2:ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテックPP BC6DR」、MFR:2.5g/10分、溶融粘度:4100Pa・s)
HDPE:高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「サンテックHD B971」、MFR:0.2g/10分、溶融粘度:5000Pa・s)
HIPS:耐衝撃性ポリスチレン(東洋スチレン(株)製、商品名「トーヨースチレン E640」、MFR:2.7g/10分、溶融粘度:7900Pa・s)
SBS:スチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「タフプレン126」、ゴム含有量:60重量%、比重:0.95、MFR:4.5g/10分)
PLA:ポリ乳酸(三井化学(株)製、商品名「レイシアH−400」、MFR:3g/10分、溶融粘度:700Pa・s)。
[耐衝撃性]
実施例及び比較例で得られた各シートをJIS K 5400に準拠してデュポン衝撃強度を測定した。
[引張特性]
実施例及び比較例で得られた各シートを用いて、JIS K 7113に準じた2号ダンベルを打抜き、サンプルシートを得た。このサンプルシートを用いて、テンシロン((株)東洋精機製作所製、商品名「RTA500」)により、試験スピード50mm/分で引張弾性率、引張降伏強度、破断点伸度を測定した。
[電子レンジ適性]
実施例及び比較例で得られた各シートを36cm角に切り取り、金型にシートのタッチロール側が当たるようにセットし、真空単発成形機[(株)浅野研究所製、FK−0431−10]を用いて、成形温度145℃、金型温度40℃で、縦183mm、横122mm、深さ19mmの惣菜容器本体(ダイセルパックシステムズ(株)製、商品名「SR−200B」と同様の容器))を成形した。成形品に惣菜(伊藤ハム(株)製、商品名「巨匠の彩 チンジャオロースー」)を120g入れ、電子レンジに入れ500Wで180秒加熱し、容器の変形度合いを観察し、以下の基準で電子レンジ適性を評価した。
5:変形しない
4:底面が僅かに変形する
3:底面が大きく変形する
2:トレー全体が変形する
1:トレーに孔があく。
[耐熱性]
実施例及び比較例で得られた各シートについて、電子レンジ適性の項で成形した成形品に95℃のお湯を200g入れ、フランジを持って1分間持ち上げた後、お湯を捨て、自然冷却した後の容器底面の窪み量(mm)の最大値を測定した。
参考例1、10、実施例及び比較例1〜2
多層押出機(二種三層押出機)の第1の単軸押出機(スクリュー径50mm、L/D=25)に、表1に示す被覆層(B)を構成する材料をシリンダー温度210℃で供給し、第2の単軸押出機(スクリュー径65mm、L/D=32)に、表1に示す基材層(A)を構成する材料をシリンダー温度190℃で供給し、フィードブロック内で、基材層(A)の両面に被覆層を合流させて積層し、Tダイキャスト法によりシート状に押し出した後、40℃に温調した冷却ロールによってシート表面を急冷し、厚み450μmの積層シートを得た。得られたシートについて評価した結果を表1に示す。
Figure 0005069943
表1の結果から明らかなように、実施例では、耐熱性、電子レンジ適性、機械的特性に優れた積層シートが得られている。これに対して、比較例1及び2では、基材層と被覆層とが接着しないため、積層シートが得られなかった。

Claims (9)

  1. 脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)で構成された基材層(A)の少なくとも一方の面に、オレフィン系樹脂(B1)及びゴム含有スチレン系樹脂(B3)で構成された被覆層(B)が形成された積層シート。
  2. 脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)がポリ乳酸系樹脂である請求項1記載の積層シート。
  3. スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)がスチレン−ジエン系ブロック共重合体である請求項1記載の積層シート。
  4. スチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の割合が、脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)100重量部に対して、1〜50重量部である請求項1記載の積層シート。
  5. 基材層(A)が、さらにゴム含有スチレン系樹脂(A3)及びオレフィン系樹脂(A4)からなる群から選択された少なくとも一種を含む請求項1記載の積層シート。
  6. オレフィン系樹脂(B1)が、ポリプロピレン系樹脂である請求項記載の積層シート。
  7. 被覆層(B)が、さらにスチレン系熱可塑性エラストマー(B2)を含む請求項記載の積層シート。
  8. 基材層(A)の両面に被覆層(B)が形成されている請求項1記載の積層シート。
  9. 請求項1記載の積層シートで構成された食品用容器。
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