JP4830089B2 - サンドイッチ成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サンドイッチ成形体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、耐溶剤性及び耐久性に優れる成形体であって、さらにそれを溶融して再利用できるサンドイッチ成形体およびその製造方法に関する。
近年環境問題の高まりから、使用済みのプラスチック製品は、自然環境中で経時的に分解・消失し、最終的に自然環境に悪影響を及ぼさないことが求められている。従来のプラスチックは、自然環境中で長期にわたって安定であり、しかも嵩比重が小さいため、廃棄物埋め立て地の短命化を促進したり、自然の景観や野生動植物の生活環境を損なうといった問題点が指摘されていた。そこで、生分解性樹脂材料が注目を集めるようになった。生分解性樹脂は、土壌中や水中で、加水分解や生分解によって徐々に崩壊・分解が進行し、微生物の作用により最終的には無害な分解物となることが知られている。また、コンポスト(堆肥化)処理によって、容易に廃棄物処理を行うことができる。
実用化され始めている生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステル、変性PVA、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、およびこれらのブレンド体等がある。これらの生分解性樹脂材料は、それぞれ固有の特徴を有し、この特徴に応じた用途展開が考えられる。中でも脂肪族ポリエステルは、幅広い特性と汎用樹脂に近い加工性を有するため、広く使われ始めている。また、脂肪族ポリエステルの中でも乳酸系樹脂は、透明性・剛性・耐熱性等が優れていることから、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートの代替材料として、フィルム包装材や射出成形分野において注目されている。
更に近年では、プラスチックの原料の観点から、従来の石油化学製品由来のものではなく、植物原料由来のプラスチックを利用することが、環境保護の観点から求められてきている。乳酸系樹脂を初めとした生分解性プラスチックの多くは、植物原料由来が可能であり、その意味からもこれら樹脂が注目されている。
しかし、家電製品、自動車部品、その他の射出成形品などに用いられるポリプロピレン系樹脂と比較した場合、乳酸系樹脂の耐衝撃性は低く、ポリプロピレン系樹脂の代替材料として使用することは難しい。
そのため、耐衝撃性付与の手段として、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルとしてポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体などを配合する手法が取られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、耐衝撃性改良効果を発揮させるためには、脂肪族ポリエステルの配合量を多くしなければならず、成形体の軟質化や耐熱性の低下が生じることとなり実用上十分でない。さらに、脂肪族ポリエステル系樹脂を多く配合した成形体は、長期保管や長期使用によって、空気中の水蒸気や、内容物または外部からの水分によって、加水分解を生じ、機械物性の低下を招くなど、実用上大きな問題があった。また、耐加水分解性を向上する手段として、乳酸系樹脂に芳香族脂肪族ポリエステルを配合する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、生分解性プラスチックは、芳香族脂肪族ポリエステルと比較すると耐溶剤性が劣る。また耐加水分解性が向上したといっても、自動車などの耐久消費財の製品寿命と比較して、耐久性が満足いくものではなかった。
特開平10−87976号公報 特開2003−335933号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、耐溶剤性及び耐久性に優れる成形体であって、さらにそれを溶融して再利用できるサンドイッチ成形体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究の結果、ポリプロピレンポリマーをスキン層とし、生分解性樹脂とポリプロピレン樹脂をコア層に含有するサンドイッチ成形体が、耐溶剤性及び耐久性に優れる成形体であって、さらにそれを溶融して再利用できる成形体になり得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリプロピレンポリマー(a)を主成分とするスキン層と、生分解性樹脂(b)10〜80重量%及びMFRが15〜2000g/10分であるポリプロピレン系樹脂(c)15〜60重量%を含有する樹脂組成物からなるコア層とを有し、ポリプロピレンポリマー(a)のMFRとポリプロピレン系樹脂(c)のMFRとの比率(a:c)が1:1.1〜1:50であることを特徴とするサンドイッチ成形体が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、スキン層とコア層との厚み比率(スキン層:コア層)は、1:0.3〜1:20であることを特徴とするサンドイッチ成形体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1又は2の発明において、生分解性樹脂(b)は、ポリ乳酸又はポリブチレンサクシネートであることを特徴とするサンドイッチ成形体が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、生分解性樹脂(b)は、植物由来原料からなることを特徴とするサンドイッチ成形体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、コア層の樹脂組成物は、さらに相溶化剤(d)5〜35重量%を含有することを特徴とするサンドイッチ成形体が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第の発明において、相溶化剤(d)は、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体又はこれらの水素添加物、無水マレイン酸またはヒドロキシ変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレード共重合体、脂肪族ポリエステル−ポリ乳酸樹脂共重合体及びカルボジイミド基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とするサンドイッチ成形体が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明のサンドイッチ成形体を用いた自動車部品又は家電製品又は住宅関連部品が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、金型内に形成されたキャビティにポリプロピレンポリマー(a)を射出する第一射出工程、第一射出工程開始後に生分解性樹脂(b)及びポリプロピレン系樹脂(c)を含有する樹脂組成物を射出する第二射出工程を含むことを特徴とする第1〜のいずれかの発明のサンドイッチ成形体の製造方法が提供される。
本発明のサンドイッチ成形体は、ポリプロピレンポリマー(a)をスキン層とし、生分解性樹脂(b)とポリプロピレン樹脂(c)をコア層に有するサンドイッチ成形体であるので、耐溶剤性及び耐久性に優れ、さらにそれを溶融すると、サンドイッチ成形体のコア層に再利用できるリサイクル特性を有する成形体となる。
本発明のサンドイッチ成形体は、スキン層とコア層を有する成形体であって、スキン層は、ポリプロピレンポリマー(a)を主成分とし任意成分を含む材料から構成され、コア層は、生分解性樹脂(b)及びポリプロピレン系樹脂(c)、必要に応じて相溶化剤(d)、その他の任意成分を含有する樹脂組成物から構成されることを特徴とする。
以下、本発明のサンドイッチ成形体の構成材料、サンドイッチ成形体およびその成形法、用途について、詳細に説明する。
[I]サンドイッチ成形体の構成材料
1.スキン層を構成する材料
(1)ポリプロピレンポリマー(a)
本発明のサンドイッチ成形体におけるスキン層に用いられるポリプロピレンポリマー(a)は、プロピレン単独重合体、プロピレンと炭素数2〜10のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、例えば、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体などから選ばれる樹脂である。共重合体に用いるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどから選ばれ、なかでも、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましく、特にエチレンが好ましい。
ポリプロピレンポリマー(a)のメルトフローレート(MFR)は、10〜200g/10分が好ましく、20〜150g/10分がより好ましく、30〜120g/10分がさらに好ましい。MFRが10g/10分未満では、成形性が劣るおそれがあり、一方、200g/10分を超えると、衝撃強度、引張り伸びが低下するおそれがある。
ここで、MFRは、JIS K7210−1995「熱可塑性プラスチックの流れ試験方法」に準拠し、条件14(230℃、2.16kgf荷重)で測定する値である。
本発明で用いるポリプロピレンポリマー(a)のプロピレン単独重合体又はプロピレン・エチレンブロック共重合体の製造方法としては、特に限定されないが、メタロセン系触媒、チーグラー系触媒などにより製造されたものを使用することができる。また、重合方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
(2)任意成分
(i)充填剤
本発明で用いるポリプロピレンポリマー(a)においては、必要に応じて、充填剤を配合することができる。本発明において、充填剤は、組成、形状等は、特に限定されず、ポリマー用充填剤として市販されているものはいずれも使用できる。
具体的には、タルク、マイカ、モンモリロナイト等の板状無機充填剤、短繊維ガラス繊維、長繊維ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ゾノライト等の繊維状無機充填剤、チタン酸カリウム、マグネシウムオキシサルフェート、窒化珪素ホウ酸アルミニウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、ワラストナイト、炭酸カルシウム等の針状(ウィスカー)無機充填剤、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の粒状無機充填剤、ガラスバルーンのようなバルン状無機充填剤、ポリエステル繊維・ケナフ・ジュート・木粉等の有機フィラーが例示される。
充填剤は、重合体との接着性或いは分散性を向上させる等の目的で、有機チタネート系カップリング剤、有機シランカップリング剤、不飽和カルボン酸、又はその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等によって表面処理したものを用いてもよい。
充填剤の配合割合は、スキン層中に0〜30重量%程度が好ましい。
(ii)熱可塑性エラストマー
本発明に係るポリプロピレンポリマー(a)においては、必要に応じて、熱可塑性エラストマーを配合することができる。本発明において、熱可塑性エラストマーは、特に限定されない。具体的には、エチレン系エラストマー、スチレン系エラストマー等を挙げることができる。
エチレン系エラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合エラストマー(EPR)、エチレン・ブテン共重合エラストマー(EBR)、エチレン・ヘキセン共重合エラストマー(EHR)、エチレン・オクテン共重合エラストマー(EOR)等のエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体エラストマー等のエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマー(EPDM)などを挙げることができる。
エチレン系エラストマーの市販品を例示すれば、ジェイエスアール(JSR)社製EDシリーズ、三井化学社製タフマーPシリーズ及びタフマーAシリーズ、デュポンダウ社製エンゲージEGシリーズ、旭化成社製タフテックHシリーズなどを挙げることができ、これらは、いずれも本発明において使用することができる。
また、スチレン系エラストマーとしては、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック体の水素添加物(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック体の水素添加物(SEPS)等のスチレン系エラストマー等が使用できる。なお、上記したスチレン・ブタジエン・スチレントリブロック体の水素添加物は、ポリマー主鎖をモノマー単位で見ると、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンとなるので、通常、SEBSと略称されるものである。
スチレン系エラストマーの市販品を例示すれば、シェル社製クレイトンシリーズ、クラレ社製セプトンシリーズ、旭化成社製タフテックシリーズ、JSR社製ダイナロンシリーズなどを挙げることができ、これらは、いずれも本発明において使用することができる。
また、これらのエチレン系エラストマー又はスチレン系エラストマーは、2種類以上を混合して使用することができる。
熱可塑性エラストマーの配合割合は、スキン層中に0〜30重量%程度が好ましい。
(iii)その他
本発明に係るポリプロピレンポリマー(a)においては、上記成分の他に、さらに、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、分散剤、顔料、帯電防止剤、滑剤、金属不活性剤等を含んでいてもよい。また、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン等の樹脂成分を含んでいてもよい。
2.コア層を構成する材料
(1)生分解性樹脂(b)
本発明のサンドイッチ成形体におけるコア層に用いられる生分解性樹脂(b)は、微生物によって分解する性質を有するポリマーである。主な生分解性ポリマー類を以下に挙げる。
第1の群として、2塩基酸を含む多価カルボン酸とジオールを含む多価アルコールの重縮合体、ヒドロキシ酸の重縮合体、ラクトンの開環重合体等からなる脂肪族ポリエステル及びその誘導体が挙げられる。具体的には、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリプロピオラクトン、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシエチレート、ポリヒドロキシブチレートなどが挙げられ、更に、L−乳酸重合体、D−乳酸重合体あるいはラセミ体乳酸の重合体、及びこれらの誘導体も挙げられる。なお、これらの各種脂肪族ポリエステル類は、通常知られた方法により製造できる。
第2の群は、脂肪族ポリエステルのオリゴマーとカーボネート化合物を反応させて得られる脂肪族ポリエステルカーボネート類である。具体的には、上記に例示した各種脂肪族ポリエステルのオリゴマーとジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート化合物とを反応させて得られる重合体が挙げられる。
これらの生分解性ポリマー類は、単独で使用できるのはもちろん、2種以上を混合して用いることもできる。なかでも、乳酸重合体(ポリ乳酸)、ポリブチレンサクシネートが好ましい。
入手し易い脂肪族ポリエステル系のポリマー製品として、例えば、昭和高分子株式会社製「ビオノーレ」(ポリブチレンサクシネート)、三菱化学株式会社製「GSプラ」(ポリブチレンサクシネート系)やダイセル化学工業株式会社製「セルグリーン」(ポリカプロラクトン)等が挙げられる。
生分解性樹脂(b)は、植物由来であることが好ましい。植物由来とは、樹脂自体が植物から分離されたものであるか、樹脂の構成単位の全てが植物から単離されたものであることを意味する。植物由来の生分解性樹脂(b)の製造方法は、例えば、乳酸やそのオリゴマーからの直接脱水重縮合、または、固相重合法、ラクチドからの二段重合法などである。
(2)ポリプロピレン系樹脂(c)
本発明のサンドイッチ成形体におけるコア層に用いられるポリプロピレン系樹脂(c)は、プロピレン単独重合体、プロピレンと炭素数2〜10のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、例えば、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体などから選ばれる樹脂である。共重合体に用いるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどから選ばれ、なかでも、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましく、特にエチレンが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(c)のメルトフローレート(MFR)は、15〜2000g/10分が好ましく、30〜300g/10分がより好ましく、50〜150g/10分がさらに好ましい。MFRが15g/10分未満では、コア層とスキン層との界面で剥離が生じるおそれがあり、一方、2000g/10分を超えると、衝撃強度、引張り伸びが低下することがある。
ここで、MFRは、JIS K7210−1995「熱可塑性プラスチックの流れ試験方法」に準拠し、条件14(230℃、2.16kgf荷重)で測定する値である。
また、前記スキン層のポリプロピレンポリマー(a)のMFRと、上記コア層のポリプロピレン系樹脂(c)のMFRとの比率(a:c)は、1:1.1〜1:50が好ましく、より好ましくは1:1.5〜1:10である。かかる範囲とすることで、コア層とスキン層との界面の剥離を防止でき、曲げ弾性率、衝撃強度などを高く維持できるので好ましい。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂(c)のプロピレン単独重合体又はプロピレン・エチレンブロック共重合体などの製造方法としては、特に限定されないが、メタロセン系触媒、チーグラー系触媒などにより製造されたものを使用することができる。また、重合方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
(3)相溶化剤(d)
本発明のサンドイッチ成形体におけるコア層に用いられる樹脂組成物においては、必要に応じて、相溶化剤(d)の添加が好ましい。相溶化剤が存在すると、成型体の界面剥離の抑制、力学物性の向上等の利点がある。
相溶化剤(d)としては、例えば、カルボジイミド基含有化合物、又はスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等及びこれらの水素添加物、無水マレイン酸またはヒドロキシ変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレード共重合体、脂肪族ポリエステル−ポリ乳酸樹脂共重合体、若しくはこれらとカルボジイミド基含有化合物との組み合わせなどが挙げられる。
上記スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等及びこれらの水素添加物としては、ポリスチレンブロックとポリブタジエン(ポリイソプレン)ブロックを有するジブロック、ポリブロック等のブロック共重合体共重合体またはその水素添加物が挙げられる。
また、必要により、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、及びこれらの水素添加物に、α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体をラジカル発生剤の存在下、非存在下を溶融状態、溶解状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応させることによって得られる変性共重合体であってもよく、さらには、上記未変性共重合体及び変性共重合体との混合物であってもよい。
ここで供することができるスチレン系の相溶化剤に用いるポリマーの分子量は、特に制限はないが、スチレン部の分子量は、少なくとも5000(重量平均分子量)であることが好ましく、ブタジエンを共重合する場合のブタジエンの1,2−ビニル結合は、2〜80%であることが好ましい。
本発明に用いることができる相溶化剤(d)としての、脂肪族ポリエステル−ポリ乳酸樹脂共重合体とは、脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系樹脂とのブロック共重合体、または、脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系樹脂とのグラフト共重合体である。
本発明で使用する脂肪族ポリエステル−ポリ乳酸系樹脂共重合体に含まれるポリ乳酸系樹脂ブロックは、前述した乳酸重合体と同様なものが用いられる。また、ポリエステル系樹脂ブロックは、脂肪族ジカルボン酸成分とジオール成分からなる共重合体を意味し、高分子量であることが好ましく、具体的には、重量平均分子量で5,000〜250,000である。高分子量の脂肪族ポリエステルを得る為には、脂肪族ジカルボン酸成分とジオール成分のモル分率は、ほぼ1であることが好ましい。
脂肪族ポリエステル−ポリ乳酸樹脂共重合体におけるポリ乳酸系樹脂ブロックの使用割合については、特に制約はないが、ポリ乳酸系樹脂ブロックと脂肪族ポリエステル系樹脂ブロックの合計100重量部に対して、ポリ乳酸系樹脂ブロック25〜98重量部使用していることが好ましく、特にポリ乳酸系樹脂ブロックが30〜80重量部であることが好ましい。
また、本発明で使用する脂肪族ポリエステル系樹脂ブロック中の脂肪族ジカルボン酸成分としては、特に限定されないが、なかでも炭素原子数4〜14の脂肪族ジカルボン酸成分であることが好ましい。具体的にはコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。この他にダイマー酸等も使用することができる。
また、ジオール成分に関しては、特に種類を問わないが、なかでも炭素数が2〜15のジオールが好ましく、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブタンジオール、3−ヒドロキシピバリルピバレート等、および水添ビスフェノールが挙げられる。
さらに、ポリエステル重合反応には、開環重合触媒を使用することが望ましく、開環重合触媒としては、一般に環状エステル類の開環重合触媒、エステル交換触媒としても知られる錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属およびその誘導体が挙げられ、これらの誘導体については特に金属有機化合物、炭酸塩、酸化物、ハロゲン化物が好ましい。具体的には、オクタン酸錫、塩化錫、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、アルコキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムが適している。
また、本発明で相溶化剤(d)として使用されるポリ乳酸系樹脂―ポリエステル系樹脂共重合体の酸価は、4.0(mgKOH/g)以下であることが好ましい。特に3.0(mgKOH/g)以下が好ましく用いられる。
本発明において用いることができる相溶化剤(d)としての、カルボジイミド基含有化合物は、すなわちカルボジイミド化合物は、分子中に一個以上のカルボジイミド基(−N=C=N−結合)を有する化合物であり、ポリカルボジイミド化合物をも、含む。
このカルボジイミド化合物に含まれるモノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ナフチルカルボジイミドなどを例示することができ、これらの中でも、特に工業的に入手が容易であるジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロピルカルボジイミドが好ましい。
本発明で用いられるカルボジイミド基含有化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は、通常400〜500,000、好ましくは1,000〜10,000、更に好ましくは2,000〜4,000であることが好ましい。
本発明に用いられるカルボジイミド基含有化合物は、ポリカルボジイミド中にモノカルボジイミドを含んでもよく、単独又は複数の化合物を混合して使用することも可能である。なお、市販のカルボジイミド基含有化合物をそのまま使用することも可能である。市販のカルボジイミド基含有化合物としては、日清紡績株式会社製カルボジライトHMV−8CAやLA1などが挙げられる。
本発明において、相溶化剤(d)は、上記したカルボジイミド基含有化合物や共重合体などを少なくとも1種を含み、さらにその配合量は、生分解性樹脂(b)とポリプロピレン樹脂(c)の合計量100重量部に対して、およそ0.1〜30重量部の範囲であることが好ましい。
コア層における、生分解性樹脂(b)とポリプロピレン系樹脂(c)と相溶化剤(d)との配合割合は、生分解性樹脂(b)が好ましくは5〜90重量%、より好ましくは10〜80重量%、ポリプロピレン系樹脂(c)が好ましくは10〜75重量%、より好ましくは15〜60重量%、相溶化剤(d)が好ましくは0〜45重量%、より好ましくは5〜35重量%である。生分解性樹脂(b)の割合が5重量%未満であると、生分解性樹脂の特性が反映されなく、一方、90重量%を超えると、界面剥離、剛性の低下の問題が生じるおそれがある。また、ポリプロピレン系樹脂(c)の割合が10重量%未満であると、界面剥離の問題が生じるおそれがあり、一方、75重量%を超えると、生分解性樹脂の特性が反映されなくなることの問題が生じるおそれがある。さらに、相溶化剤(d)の割合が45重量%を超えると、剛性等の力学的性質が低下するという問題が生じるおそれがある。
(4)任意成分
(i)充填剤
本発明のコア層の樹脂組成物においては、必要に応じて、充填剤を配合することができる。本発明において、充填剤は、組成、形状等は特に限定されない。ポリマー用充填剤として市販されているものはいずれも使用できる。
具体的には、タルク、マイカ、モンモリロナイト等の板状無機充填剤、短繊維ガラス繊維、長繊維ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ゾノライト等の繊維状無機充填剤、チタン酸カリウム、マグネシウムオキシサルフェート、窒化珪素ホウ酸アルミニウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、ワラストナイト、炭酸カルシウム等の針状(ウィスカー)無機充填剤、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の粒状無機充填剤、ガラスバルーンのようなバルン状無機充填剤、ポリエステル繊維・ケナフ・ジュート・木粉等の有機フィラーが例示される。
充填剤は、重合体との接着性或いは分散性を向上させる目的で、有機チタネート系カップリング剤、有機シランカップリング剤、不飽和カルボン酸、又はその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等によって表面処理したものを用いてもよい。
充填剤の割合は、生分解性樹脂(b)、ポリプロピレン樹脂(c)及び相溶化剤(d)の合計量100重量部に対して、0〜30重量部程度が好ましい。
(ii)熱可塑性エラストマー
本発明のコア層の樹脂組成物においては、必要に応じて、熱可塑性エラストマーを配合することができる。本発明において、熱可塑性エラストマーは、特に限定されない。具体的にはエチレン系エラストマー等を挙げることができる。
エチレン系エラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合エラストマー(EPR)、エチレン・ブテン共重合エラストマー(EBR)、エチレン・ヘキセン共重合エラストマー(EHR)、エチレン・オクテン共重合エラストマー(EOR)等のエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体エラストマー等のエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマー(EPDM)などを挙げることができる。
エチレン系エラストマーの市販品を例示すれば、ジェイエスアール社製EDシリーズ、三井化学社製タフマーPシリーズ及びタフマーAシリーズ、デュポンダウ社製エンゲージEGシリーズ、旭化成社製タフテックHシリーズなどを挙げることができ、これらはいずれも本発明において使用することができる。
また、これらのエチレン系エラストマーは、2種類以上を混合して使用することができる。
熱可塑性エラストマーの割合は、生分解性樹脂(b)、ポリプロピレン系樹脂(c)及び相溶化剤(d)の合計量100重量部に対して、0〜30重量部程度が好ましい。
(iii)その他
本発明のコア層の樹脂組成物には、上記成分の他に、さらに、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、分散剤、顔料、帯電防止剤、滑剤、金属不活性剤等を含んでいてもよい。
また、本発明のコア層の樹脂組成物において、上記成分の他に、さらに、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン等の樹脂成分を含んでいてもよい。
[II]サンドイッチ成形体
本発明のサンドイッチ成形体は、上記スキン層とコア層から形成される。サンドイッチ成形体の大きさ及び形状は、用途により適宜決められるが、スキン層とコア層の厚みの比率(スキン層:コア層)は、好ましくは1:0.3〜1:20であり、より好ましくは1:2〜1:10である。スキン層の厚みに対してコア層の厚みが0.3未満であると、サンドイッチ成形過程でのコア層形成が困難な場合があり、一方、20を超えると、界面剥離、コア層基材破壊等により強度等の物性低下、耐アルカリ特性の悪化を招くおそれがある。
また、スキン層の厚みは、要求される耐久性および耐溶剤性に応じて、通常50μm〜800μmであり、好ましくは100μm〜500μmである。
さらに、サンドイッチ成形体全体の厚さは、特に限定されるものではないが、通常通2mm〜4mmである。
さらにまた、サンドイッチ成形体は、第一組成物からなるスキン層と、第二組成物からなるコア層からなる構成に限定されるものではなく、たとえば、スキン層とコア層との間に第三組成物からなる中間層を有する多層構造体とすることも可能である。
なお、中間層を構成する材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン・αオレフィン共重合体、スチレン系エラストマー、及び、それらの酸、無水酸、エポキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基などの官能基導入体等が挙げられる。
[III]サンドイッチ成形体の成形方法
本発明のサンドイッチ成形体は、サンドイッチ射出成形方法により好適に製造できる。
ここで、サンドイッチ射出成形方法とは、金型内にスキン層を成形する第一樹脂とコア層を成形する第二樹脂を射出して、スキン層及びコア層からなる層構造を成形する方法をいう。
また、サンドイッチ射出成形方法における第一樹脂と第二樹脂の射出方法としては、第一樹脂と第二樹脂の逐次射出、同時射出及び逐次射出と同時射出の組み合わせ射出の三つの射出パターンがあるが、以下、逐次射出を例にとって説明する。
第一樹脂は、第一シリンダから合流ノズルを介して、スキン層の厚さを形成するのに必要な量だけ金型内に射出される。この量は、成形体の大きさ,形状及びスキン層の厚さ等に応じて設定される。このように、第一樹脂を、第一シリンダからスキン層の厚さを形成するのに必要な量だけ射出することにより、スキン層の厚さを精度よく制御することができる。
また、第一樹脂は、金型内のゲート部付近に射出してもよいし、金型に第一樹脂を一時的に溜めておく貯留室を設けて、この貯留室に第一樹脂を射出してもよい。
次に、コア層に該当する第二樹脂を、第二シリンダから射出して、コア層を形成する。
ここで、好ましくは、第一樹脂を射出した後、約0.2sec〜約1.0sec後に、第二シリンダから第二樹脂を射出するとよい。このような射出タイミングを設定することにより、金型内に射出された第一樹脂は、金型と接触した微小部分が冷え始めるものの、その他の大部分は、冷却されずにほぼ均一に射出された状態を維持できるので、より薄くかつ厚さが均一なスキン層を成形することができる。
また、第二樹脂を射出する射出速度は、一般的な成形機では100mm/sec程度、超高速成形では500mm/sec以上、好ましくは、800mm/sec以上とするとよい。この射出速度は、先に射出された第一樹脂の冷却速度に影響を受ける。即ち、金型に触れて冷却される第一樹脂の冷却速度と、冷却されつつある第一樹脂を押し延ばすように金型内に押し込まれる第二樹脂の射出速度の関係により、第一樹脂をどれだけ薄く延ばせるかが決定される。したがって、スキン層の厚さを制御するには、スキン層が厚くならないように、かつ、途中で切れてコア層が露出しないように、両速度を管理する必要があるが、第二樹脂を射出する射出速度を制御する方が、冷却速度を制御するより精度よくかつ容易に制御することができる。
第二樹脂を射出する射出速度を高速にする理由は、高速射出することにより、スキン層を、従来技術では実現できなかったレベルまで薄く成形することができるからである。なお、射出機のスクリュウ径は、限定されないが、通常20mm以上、好ましくは20mm以上160mm以下である。
なお、上記の説明では、第一シリンダにて第一樹脂を射出し、第二シリンダにて第二樹脂を射出しているが、このように複数のシリンダを使用する方法に限定されるものではなく、たとえば、可動マンドレルやホットランナー内の切り替えバルブ等を用いることにより、一本のシリンダで第一樹脂及び第二樹脂を射出することも可能である。
また、複数のシリンダを使用する場合、合流ノズルを用いて合流させる代わりに、金型内のゲート部等で合流させることも可能である。
このように、本発明にかかるサンドイッチ射出成形方法によれば、スキン層の厚さを精度よく制御することができるとともに、約800μm以下の薄いスキン層を形成することができる。
[IV]用途
本発明のサンドイッチ成形体は、インストルメンツパネル・トリム・コンソール等の自動車内装部品、バンパーなどの自動車外装部品等の自動車部品、家電・住宅関連部品、食品容器等の射出成形部品に好適に使用できる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により何ら限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例において用いた物性測定法、使用材料、試験片の成形法は以下の通りである。
1.物性評価及び成形品の評価
(1)MFR:JIS K7210に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定した。
(2)スキン層/コア層厚み比:試験片の長手方向の中央部分を、樹脂流れ方向と垂直の面を切り出し、厚さを計測した。
(3)界面状態:成形直後の試験片でのスキン層・コア層界面状態を目視にて評価した。
(4)曲げ弾性率:JIS K7203の方法で曲げ弾性率を評価した。
(5)引張強度、伸び:JIS K6781の方法で引張り強度、伸びを評価した。
(6)耐アルカリ性:アルカリ溶液に対しての耐溶剤性を、射出試験片を30%水酸化カリウム水溶液に浸漬し、1週間後の外観変化を目視にて確認した。
2.使用樹脂
(1)スキン層用材料
(イ)ポリプロピレンポリマー(a):
(i)PP−1:プロピレン単独重合体(日本ポリプロ株式会社製ノバテックMA03、MFR=30g/10分)
(ii)PP−3:プロピレン系ブロック共重合体(日本ポリプロ株式会社製ノバテックBC03C、MFR=30g/10分)
(2)コア層用材料
(イ)生分解性樹脂(b):
(i)GSプラ:ポリブチレンサクシネート系生分解性樹脂(三菱化学製GSプラ AZ81T)
(ii)PLA:乳酸重合体(三井化学製レイシアH400)
(ロ)ポリプロピレン系樹脂(c):
(iii)PP−2:プロピレン系ブロック共重合体(日本ポリプロ製ノバテック BC10AHA、MFR=100g/10分)
(ハ)相溶化剤(d):
(iv)SEBS:スチレンブタジエンブロック共重合体水添物(旭化成製H1043(SEBS))
(v)EGMA:エチレン−グリシジルメタクリレード共重合体(住友化学製ボンドファースト−E)
(vi)ポリエステル−ポリ乳酸共重合体:脂肪族ポリエステル−ポリ乳酸樹脂共重合体(大日本インキ化学工業製プラメートPD−150)
(vii)カルボジイミド:ポリカルボジイミド(日清紡績製カルボジライトLA1)
3.試験片(サンドイッチ成形体)の成形
複合射出成形機(日精樹脂工業(株)製混色成形機、商品名:FN−1000)を用い、第一シリンダーには、スキン層を形成する樹脂(A)を、また第二シリンダーには、コア層を形成する樹脂(B)を供給した。金型は、50×50×3mmの板状金型→JISダンベル型を用い、金型温度は50℃とした。シリンダー温度は、何れも260℃とした。
始めに、第一シリンダーより、樹脂(A)を、50mm/secで射出してキャビティーの一部に充填した。その後、さらに、0.5秒後に第二シリンダーより、樹脂(B)を、射出速度100mm/secで射出し、キャビティー内を樹脂で充満させた。冷却固化後、これを取り出し、試験片とした。
(実施例1)
スキン層としてPP−1を用い、コア層としてGSプラ:40重量%、PP−2:40重量%、SEBS:20重量%からなる樹脂組成物を用い、スキン層とコア層の厚み比が1:6になるようにして、サンドイッチ成形体を製造した。得られた成形体の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
樹脂(B)の射出速度を80mm/secとし、スキン層とコア層の厚み比を1:4にした以外は、実施例1と同様にしてサンドイッチ成形体を製造した。得られた成形体の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
コア層の樹脂組成物の構成をGSプラ:60重量%、PP−2:25重量%、SEBS:15重量%とした以外は、実施例1と同様にしてサンドイッチ成形体を製造した。得られた成形体の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
スキン層としてPP−3を用いた以外は、実施例2と同様にしてサンドイッチ成形体を製造した。得られた成形体の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
コア層の樹脂組成物の構成をGSプラ:80重量%、SEBS:20重量%とした以外は、実施例1と同様にしてサンドイッチ成形体を製造した。得られた成形体の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
スキン層を用いない以外は、実施例1と同様にして成形体を製造した。得られた成形体の評価結果を表1に示す。
(比較例3)
コア層を用いず、スキン層としてPP−1:80重量%とSEBS:20重量%からなる組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして成形体を製造した。得られた成形体の評価結果を表1に示す。
Figure 0004830089
表1から明らかなように、本発明のサンドイッチ成形体は、耐溶剤性、耐久性に優れていた(実施例1〜4)。一方、コア層にポリプロピレン系樹脂(c)を含まないと界面の剥離が認められ、機械物性に劣り(比較例1、3)、スキン層を設けないと耐アルカリ性が劣っていた(比較例2)。
(実施例5〜7)
コア層として表2に記載の配合の樹脂組成物を用いた以外は、実施例2と同様にして、サンドイッチ成形体を製造した。得られた成形体の評価結果を表2に示す。
Figure 0004830089
表2から明らかなように、本発明のサンドイッチ成形体は、コア層の樹脂組成物に相溶化剤(d)を配合しているため、耐溶剤性、耐久性に優れ、特に、曲げ弾性率や引張り強度等の機械物性が向上した。
(実施例8)
コア層として、GSプラ:30重量%、PP−2:30重量%、SEBS:15重量%、実施例1で得られたサンドイッチ成形体を粉砕したもの:25重量%からなる樹脂組成物を用いた以外は、実施例2と同様にして、サンドイッチ成形体を製造した。得られた成形体の評価結果を表3に示す。
Figure 0004830089
表3から明らかなように、実施例1〜7で得られた成形体は、それを溶融させると、本発明のサンドイッチ成形体のコア層に再利用できる。
本発明のサンドイッチ成形体は、耐溶剤性及び耐久性に優れる、さらにそれを溶融すると、サンドイッチ成形体のコア層に再利用できるリサイクル特性を有する成形体であり、自動車内装部品及び自動車外装部品等の自動車部品、家電・住宅関連部品、食品容器等の射出成形部品に好適に使用できる。

Claims (8)

  1. ポリプロピレンポリマー(a)を主成分とするスキン層と、生分解性樹脂(b)10〜80重量%及びMFRが15〜2000g/10分であるポリプロピレン系樹脂(c)15〜60重量%を含有する樹脂組成物からなるコア層とを有し、
    ポリプロピレンポリマー(a)のMFRとポリプロピレン系樹脂(c)のMFRとの比率(a:c)が1:1.1〜1:50であることを特徴とするサンドイッチ成形体。
  2. スキン層とコア層との厚み比率(スキン層:コア層)は、1:0.3〜1:20であることを特徴とする請求項1に記載のサンドイッチ成形体。
  3. 生分解性樹脂(b)は、ポリ乳酸又はポリブチレンサクシネートであることを特徴とする請求項1又は2に記載のサンドイッチ成形体。
  4. 生分解性樹脂(b)は、植物由来原料からなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のサンドイッチ成形体。
  5. コア層の樹脂組成物は、さらに相溶化剤(d)5〜35重量%を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のサンドイッチ成形体。
  6. 相溶化剤(d)は、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体又はこれらの水素添加物、無水マレイン酸またはヒドロキシ変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレード共重合体、脂肪族ポリエステル−ポリ乳酸樹脂共重合体及びカルボジイミド基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項に記載のサンドイッチ成形体。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のサンドイッチ成形体を用いた自動車部品又は家電製品又は住宅関連部品。
  8. 金型内に形成されたキャビティにポリプロピレンポリマー(a)を射出する第一射出工程、第一射出工程開始後に生分解性樹脂(b)及びポリプロピレン系樹脂(c)を含有する樹脂組成物を射出する第二射出工程を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のサンドイッチ成形体の製造方法。
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