JP3207175B2 - 耐熱性容器 - Google Patents
耐熱性容器Info
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- JP3207175B2 JP3207175B2 JP2752899A JP2752899A JP3207175B2 JP 3207175 B2 JP3207175 B2 JP 3207175B2 JP 2752899 A JP2752899 A JP 2752899A JP 2752899 A JP2752899 A JP 2752899A JP 3207175 B2 JP3207175 B2 JP 3207175B2
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- container
- heat
- resistant container
- sheet
- resin
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- Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性容器及びそ
れを用いた豆腐容器、液状又はゲル状食品容器に関す
る。
れを用いた豆腐容器、液状又はゲル状食品容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】豆腐や
ゼリー等の食品は、軟らかく壊れ易いためプラスチック
容器に充填され販売されているが、このプラスチック容
器には、製造工程上及び製品の運搬や販売上の要請か
ら、種々の機能を有することが求められている。例え
ば、充填絹ごし豆腐は、容器に充填した後に加熱凝固さ
せるため、容器には当該加熱に対する耐熱性が要求され
る。また、豆腐やゼリー等の食品は、多量の水分を含ん
でいるので(豆腐の場合は、通常85〜90%の水分を
含む)、製造時から消費者が購入し食するまでの間、食
品の乾燥を防ぐために容器の水蒸気透過率が小さいこと
が要求される。さらにその他にも、壊れにくいこと、本
体と蓋とのシール性が良いこと等の性質を有しているこ
とが要求されるが、従来の豆腐やゼリー等の容器には、
上記した要求のすべてを十分に満たすものは開発されて
いない。
ゼリー等の食品は、軟らかく壊れ易いためプラスチック
容器に充填され販売されているが、このプラスチック容
器には、製造工程上及び製品の運搬や販売上の要請か
ら、種々の機能を有することが求められている。例え
ば、充填絹ごし豆腐は、容器に充填した後に加熱凝固さ
せるため、容器には当該加熱に対する耐熱性が要求され
る。また、豆腐やゼリー等の食品は、多量の水分を含ん
でいるので(豆腐の場合は、通常85〜90%の水分を
含む)、製造時から消費者が購入し食するまでの間、食
品の乾燥を防ぐために容器の水蒸気透過率が小さいこと
が要求される。さらにその他にも、壊れにくいこと、本
体と蓋とのシール性が良いこと等の性質を有しているこ
とが要求されるが、従来の豆腐やゼリー等の容器には、
上記した要求のすべてを十分に満たすものは開発されて
いない。
【0003】本発明は、耐熱性が良く、水蒸気透過性が
低い耐熱性容器を提供することを目的とする。また本発
明は、前記耐熱性容器を用いた豆腐容器、液状又はゲル
状食品容器を提供することを他の目的とする。
低い耐熱性容器を提供することを目的とする。また本発
明は、前記耐熱性容器を用いた豆腐容器、液状又はゲル
状食品容器を提供することを他の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、開口部を有す
る容器であり、容器深さの最大値d1と、前記容器を7
0℃の熱水に30分間浸漬した後の容器深さの最大値d
2の比(d2/d1)が0.9〜1.1の範囲にある合成
樹脂からなる耐熱性容器を提供する。また本発明は、前
記の容器を本体部とし、その開口部を被覆する蓋材を備
えたものであり、容器本体部と蓋材をヒートシールした
場合におけるシール強度が0.5kgf/15mm以上である耐
熱性容器を提供する。さらに本発明は、前記耐熱性容器
からなる豆腐容器、液状又はゲル状食品容器を提供す
る。
る容器であり、容器深さの最大値d1と、前記容器を7
0℃の熱水に30分間浸漬した後の容器深さの最大値d
2の比(d2/d1)が0.9〜1.1の範囲にある合成
樹脂からなる耐熱性容器を提供する。また本発明は、前
記の容器を本体部とし、その開口部を被覆する蓋材を備
えたものであり、容器本体部と蓋材をヒートシールした
場合におけるシール強度が0.5kgf/15mm以上である耐
熱性容器を提供する。さらに本発明は、前記耐熱性容器
からなる豆腐容器、液状又はゲル状食品容器を提供す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の耐熱性容器は、食品を充
填するための開口部を有しているものであれば、その形
状、大きさ等は特に限定されず、対象となる食品に応じ
て適宜変更することができる。例えば絞り比が0.1〜
1.5、好ましくは0.1〜1.0の容器にすることが
できる。
填するための開口部を有しているものであれば、その形
状、大きさ等は特に限定されず、対象となる食品に応じ
て適宜変更することができる。例えば絞り比が0.1〜
1.5、好ましくは0.1〜1.0の容器にすることが
できる。
【0006】本発明の耐熱性容器は、容器深さの最大値
d1と、前記容器を70℃の熱水に30分間浸漬した後
の容器深さの最大値d2の比(d2/d1)が0.9〜
1.1、好ましくは0.95〜1.05の範囲内のもの
である。ここでいう「容器深さの最大値」とは、例え
ば、容器の底部が凹状の場合においては最も窪んだ部分
が最大値となることを意味する。また、「浸漬」は、容
器全体を完全に熱水中に水没させることを意味する。
d1と、前記容器を70℃の熱水に30分間浸漬した後
の容器深さの最大値d2の比(d2/d1)が0.9〜
1.1、好ましくは0.95〜1.05の範囲内のもの
である。ここでいう「容器深さの最大値」とは、例え
ば、容器の底部が凹状の場合においては最も窪んだ部分
が最大値となることを意味する。また、「浸漬」は、容
器全体を完全に熱水中に水没させることを意味する。
【0007】このような耐熱性容器は、(A)芳香族ビ
ニル系重合体40〜97重量%及び(B)ポリオレフィ
ン系樹脂3〜60重量%を含有する樹脂組成物を成形し
て得ることができる。
ニル系重合体40〜97重量%及び(B)ポリオレフィ
ン系樹脂3〜60重量%を含有する樹脂組成物を成形し
て得ることができる。
【0008】(A)成分の芳香族ビニル系重合体として
は、スチレン系モノマーの重合体、スチレン系モノマー
とそれらと共重合可能な他のモノマーとの共重合体を挙
げることができる。
は、スチレン系モノマーの重合体、スチレン系モノマー
とそれらと共重合可能な他のモノマーとの共重合体を挙
げることができる。
【0009】スチレン系モノマーとしては、スチレン、
2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチル
スチレン、4−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン等のアルキル置換スチレ
ン、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチ
レン等のα−アルキル置換スチレン、2−クロロスチレ
ン、4−クロロスチレン等のハロゲン化スチレン等から
選ばれる1種以上を挙げることができる。
2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチル
スチレン、4−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン等のアルキル置換スチレ
ン、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチ
レン等のα−アルキル置換スチレン、2−クロロスチレ
ン、4−クロロスチレン等のハロゲン化スチレン等から
選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0010】スチレン系モノマーと共重合可能な他のモ
ノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸、アクリ
ル酸メチル又はメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル
又はメタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル又はメタク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル又はメタ
クリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸(C1〜
C8)エステル又はメタクリル酸(C1〜C8)エステ
ル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミドのような
N−置換マレイミド等のマレイン酸又はその誘導体等か
ら選ばれる1種以上を挙げることができる。
ノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸、アクリ
ル酸メチル又はメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル
又はメタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル又はメタク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル又はメタ
クリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸(C1〜
C8)エステル又はメタクリル酸(C1〜C8)エステ
ル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミドのような
N−置換マレイミド等のマレイン酸又はその誘導体等か
ら選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0011】(A)成分の芳香族ビニル系重合体は、ゴ
ム変性重合体にすることもできる。ゴム変性重合体の製
造において用いるゴムとしては、ブタジエンゴム、ブタ
ジエン−イソプレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリ
ルゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、
アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム等の非スチレ
ン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソ
プレンゴム等のスチレン系ゴムから選ばれる1種以上を
挙げることができる。なお、ブタジエンゴムは、シス−
1,4構造の含有率の高いハイシス型のものであって
も、シス−1,4構造の含有率の低いローシス型のもの
であってもよく、平均粒子径が1〜5μmのものが好ま
しい。ゴム変性重合体とする場合には、重合体中におけ
るゴム成分の含有量は1〜20重量%であることが好ま
しい。
ム変性重合体にすることもできる。ゴム変性重合体の製
造において用いるゴムとしては、ブタジエンゴム、ブタ
ジエン−イソプレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリ
ルゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、
アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム等の非スチレ
ン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソ
プレンゴム等のスチレン系ゴムから選ばれる1種以上を
挙げることができる。なお、ブタジエンゴムは、シス−
1,4構造の含有率の高いハイシス型のものであって
も、シス−1,4構造の含有率の低いローシス型のもの
であってもよく、平均粒子径が1〜5μmのものが好ま
しい。ゴム変性重合体とする場合には、重合体中におけ
るゴム成分の含有量は1〜20重量%であることが好ま
しい。
【0012】(A)成分を共重合体にする場合の重合形
態は特に限定されるものではなく、ブロック共重合体、
ランダム共重合体、テーパーブロック構造を有する共重
合体であってもよい。
態は特に限定されるものではなく、ブロック共重合体、
ランダム共重合体、テーパーブロック構造を有する共重
合体であってもよい。
【0013】(A)成分の芳香族ビニル系重合体は、容
器の耐衝撃性を高め、(B)成分との相溶性を高めるた
め、重量平均分子量が2.0×105〜3.5×105が
好ましく、2.5×105〜3.0×105が特に好まし
い。
器の耐衝撃性を高め、(B)成分との相溶性を高めるた
め、重量平均分子量が2.0×105〜3.5×105が
好ましく、2.5×105〜3.0×105が特に好まし
い。
【0014】(A)成分の含有量は、剛性を高めると共
に、耐熱性を高め、水蒸気透過性を低下させるため、好
ましくは40〜97重量%、特に好ましくは50〜97
重量%である。なお、(A)成分中における2−メチル
スチレンの含有量を2〜25重量%にすると耐熱性を高
めることができるため好ましい。
に、耐熱性を高め、水蒸気透過性を低下させるため、好
ましくは40〜97重量%、特に好ましくは50〜97
重量%である。なお、(A)成分中における2−メチル
スチレンの含有量を2〜25重量%にすると耐熱性を高
めることができるため好ましい。
【0015】(B)成分のポリオレフィン系樹脂として
は、炭素数2〜8のモノオレフィンを主たる単量体成分
とする重合体であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ
ブテン−1等から選ばれる1種以上を挙げることがで
き、これらの中でもポリプロピレン、エチレン−プロピ
レンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック
共重合体が好ましい。
は、炭素数2〜8のモノオレフィンを主たる単量体成分
とする重合体であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ
ブテン−1等から選ばれる1種以上を挙げることがで
き、これらの中でもポリプロピレン、エチレン−プロピ
レンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック
共重合体が好ましい。
【0016】(B)成分の含有量は、耐熱性とシール強
度を高めると共に、剛性を高めるため、好ましくは3〜
60重量%、特に好ましくは3〜50重量%である。
度を高めると共に、剛性を高めるため、好ましくは3〜
60重量%、特に好ましくは3〜50重量%である。
【0017】樹脂組成物には、さらに(C)成分として
相溶化剤を含有させることができる。(C)成分の相溶
化剤としては芳香族ビニル−ジエンブロック共重合体及
びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の組み
合わせが好ましい。なお、ブロック共重合体の重合形式
は特に限定されない。芳香族ビニル−ジエンブロック共
重合体は、上記した(A)成分の単量体(好ましくはス
チレン)と、ブタジエン、イソプレン等の炭素数4〜6
の共役ジエン、クロロプレン等の炭素数4〜6のハロゲ
ン置換共役ジエン(好ましくはブタジエン、イソプレ
ン)とのブロック共重合体が特に好ましい。また、水素
添加物は、前記の芳香族ビニル−ジエンブロック共重合
体に水素添加し、不飽和結合を減少させたものが特に好
ましい。
相溶化剤を含有させることができる。(C)成分の相溶
化剤としては芳香族ビニル−ジエンブロック共重合体及
びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の組み
合わせが好ましい。なお、ブロック共重合体の重合形式
は特に限定されない。芳香族ビニル−ジエンブロック共
重合体は、上記した(A)成分の単量体(好ましくはス
チレン)と、ブタジエン、イソプレン等の炭素数4〜6
の共役ジエン、クロロプレン等の炭素数4〜6のハロゲ
ン置換共役ジエン(好ましくはブタジエン、イソプレ
ン)とのブロック共重合体が特に好ましい。また、水素
添加物は、前記の芳香族ビニル−ジエンブロック共重合
体に水素添加し、不飽和結合を減少させたものが特に好
ましい。
【0018】(C)成分の含有量は、(A)成分と
(B)成分の相溶性を高めるため、好ましくは1〜30
重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。
(B)成分の相溶性を高めるため、好ましくは1〜30
重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。
【0019】樹脂組成物には、さらに必要に応じて、熱
安定剤、紫外線吸収剤、リン系、硫黄系又はヒンダード
フェノール系酸化防止剤、リン酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、タルク、ゼオライト、着色剤、脂肪酸エステル等
の滑剤、帯電防止剤等を配合することができる。
安定剤、紫外線吸収剤、リン系、硫黄系又はヒンダード
フェノール系酸化防止剤、リン酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、タルク、ゼオライト、着色剤、脂肪酸エステル等
の滑剤、帯電防止剤等を配合することができる。
【0020】耐熱性容器の成形方法は、上記の樹脂組成
物を二軸押出機等により溶融混練してペレットにし、射
出成形する方法、前記ペレットを用いてシート状に成形
した後、真空成形する方法等を適用することができる。
なお、ペレット及びシートには、成形性を向上させるた
め、0.05〜2重量%に相当する量のミネラルオイル
等の可塑剤を添加することができる。
物を二軸押出機等により溶融混練してペレットにし、射
出成形する方法、前記ペレットを用いてシート状に成形
した後、真空成形する方法等を適用することができる。
なお、ペレット及びシートには、成形性を向上させるた
め、0.05〜2重量%に相当する量のミネラルオイル
等の可塑剤を添加することができる。
【0021】本発明の耐熱性容器は、その内表面又は内
表面と外表面を、ポリスチレン、スチレンと芳香族ビニ
ルとの共重合体、耐衝撃性ポリスチレン等のスチレン系
樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレンランダム又はブロック共重合体、ポリメチルペン
テン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル系樹脂から選ばれる1種以上の被覆
成分により被覆することができる。このような耐熱性容
器は、樹脂組成物と被覆成分からなる積層シートを成形
して得ることができる。
表面と外表面を、ポリスチレン、スチレンと芳香族ビニ
ルとの共重合体、耐衝撃性ポリスチレン等のスチレン系
樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレンランダム又はブロック共重合体、ポリメチルペン
テン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル系樹脂から選ばれる1種以上の被覆
成分により被覆することができる。このような耐熱性容
器は、樹脂組成物と被覆成分からなる積層シートを成形
して得ることができる。
【0022】本発明の食品容器が上記の(A)及び
(B)成分を含有する樹脂組成物からなるシートを成形
して得られるものの場合、このシートは無発泡又は発泡
構造であるとにかかわらず、以下に記載する及び
(i)、(ii)、(iii)から選ばれる構造、性質等を1以上で
より多く有していることが好ましく、すべてを有してい
るものが特に好ましい。
(B)成分を含有する樹脂組成物からなるシートを成形
して得られるものの場合、このシートは無発泡又は発泡
構造であるとにかかわらず、以下に記載する及び
(i)、(ii)、(iii)から選ばれる構造、性質等を1以上で
より多く有していることが好ましく、すべてを有してい
るものが特に好ましい。
【0023】シートにおいて、原料となる樹脂組成物
に含まれる(A)成分と(B)成分が下記の式(I)で
表される関係を満たすものであること(図1参照)。 B1/B2=1.2〜50 (I) [式中、B1は、シートの一面からシートの全厚みの1/
10の厚み範囲までにおける(B)成分の含有量(重量
%)を示し、B2は、シート厚み方向の1/2を基準と
するシート全厚みの1/10の厚み範囲における(B)
成分の含有量(重量%)を示す。] B1/B2値は、好ましくは1.2〜30、特に好ましく
は1.2〜20、さらに好ましくは1.5〜10であ
る。B1/B2値を上記数値範囲内に設定保持するために
は、上記した押出し成形において、押出機及びダイ出口
における樹脂温度を、原料となる樹脂ペレットのビカッ
ト軟化点に応じて適宜調整する方法を適用できる。前記
樹脂温度をビカット軟化点より十分に高くするとB1/
B2値は大きくなり、即ちシート表面近くにおける
(B)成分の含有量が高くなる。一方、前記樹脂温度を
ビカット軟化点より少し高くするとB1/B2値は小さく
なり、即ちシート表面近くにおける(B)成分の含有量
が低くなる。従って、B1/B2値を所定範囲に設定保持
するためには、押出機及びダイ出口における樹脂温度
を、原料となる樹脂ペレットのビカット軟化点よりも8
0〜130℃高い範囲内に設定保持することが好まし
い。なお、シートの一面のみが式(I)で表される関係
を満たすようにすることもできるし、両面が式(I)で
表される関係を満たすようにすることもできる。
に含まれる(A)成分と(B)成分が下記の式(I)で
表される関係を満たすものであること(図1参照)。 B1/B2=1.2〜50 (I) [式中、B1は、シートの一面からシートの全厚みの1/
10の厚み範囲までにおける(B)成分の含有量(重量
%)を示し、B2は、シート厚み方向の1/2を基準と
するシート全厚みの1/10の厚み範囲における(B)
成分の含有量(重量%)を示す。] B1/B2値は、好ましくは1.2〜30、特に好ましく
は1.2〜20、さらに好ましくは1.5〜10であ
る。B1/B2値を上記数値範囲内に設定保持するために
は、上記した押出し成形において、押出機及びダイ出口
における樹脂温度を、原料となる樹脂ペレットのビカッ
ト軟化点に応じて適宜調整する方法を適用できる。前記
樹脂温度をビカット軟化点より十分に高くするとB1/
B2値は大きくなり、即ちシート表面近くにおける
(B)成分の含有量が高くなる。一方、前記樹脂温度を
ビカット軟化点より少し高くするとB1/B2値は小さく
なり、即ちシート表面近くにおける(B)成分の含有量
が低くなる。従って、B1/B2値を所定範囲に設定保持
するためには、押出機及びダイ出口における樹脂温度
を、原料となる樹脂ペレットのビカット軟化点よりも8
0〜130℃高い範囲内に設定保持することが好まし
い。なお、シートの一面のみが式(I)で表される関係
を満たすようにすることもできるし、両面が式(I)で
表される関係を満たすようにすることもできる。
【0024】シートにおいて、原料となる樹脂組成物
に含有される(A)成分と(B)成分が両連続相を形成
していること。ここで「シートにおいて(A)成分と
(B)成分が両連続相を形成している」とは、シートの
MD方向及びTD方向のいずれの方向においても、
(A)成分の樹脂相と(B)成分の樹脂相が、粒子や繊
維状のような互いに独立した状態で存在しているのでは
なく、両相が網目状に互いに連なった状態で混在した相
構造を形成していることを意味するものである。
に含有される(A)成分と(B)成分が両連続相を形成
していること。ここで「シートにおいて(A)成分と
(B)成分が両連続相を形成している」とは、シートの
MD方向及びTD方向のいずれの方向においても、
(A)成分の樹脂相と(B)成分の樹脂相が、粒子や繊
維状のような互いに独立した状態で存在しているのでは
なく、両相が網目状に互いに連なった状態で混在した相
構造を形成していることを意味するものである。
【0025】(i)このようなシートは、特に下記式(I
I)で表される体積変化率と、下記式(III)で表される
重量減少率の関係を満たすものであること。 V’/V=0.5〜2.5 (II) [式中、V’は25℃のテトラヒドロフランに24時間
浸漬後のシートの体積(cm3)を示し、Vは浸漬前のシ
ートの体積(cm3)を示す。] (W−W’)/(W×nPS)≧0.7 (III) [式中、W’は25℃のテトラヒドロフランに24時間
浸漬後のシートの重量(g)を示し、Wは浸漬前のシー
トの重量(g)を示し、nPSは浸漬前のシートのスチレ
ン樹脂等の芳香族ビニル系重合体の含有比(重量%)を
示す。] 式(II)においてV’/Vは、好ましくは0.6〜2.
0であり、特に好ましくは0.7〜1.8である。式
(III)において(W−W’)/(W×nPS)は、好ま
しくは0.75〜1.0であり、特に好ましくは0.8
〜1.0である。
I)で表される体積変化率と、下記式(III)で表される
重量減少率の関係を満たすものであること。 V’/V=0.5〜2.5 (II) [式中、V’は25℃のテトラヒドロフランに24時間
浸漬後のシートの体積(cm3)を示し、Vは浸漬前のシ
ートの体積(cm3)を示す。] (W−W’)/(W×nPS)≧0.7 (III) [式中、W’は25℃のテトラヒドロフランに24時間
浸漬後のシートの重量(g)を示し、Wは浸漬前のシー
トの重量(g)を示し、nPSは浸漬前のシートのスチレ
ン樹脂等の芳香族ビニル系重合体の含有比(重量%)を
示す。] 式(II)においてV’/Vは、好ましくは0.6〜2.
0であり、特に好ましくは0.7〜1.8である。式
(III)において(W−W’)/(W×nPS)は、好ま
しくは0.75〜1.0であり、特に好ましくは0.8
〜1.0である。
【0026】このシートは、(A)成分と(B)成分が
両連続相を形成していることにより、上記の式(II)及
び式(III)で表される体積変化率と重量減少率を同時
に具備することができるものである。よって、両連続相
が形成されず、いわゆる「海島構造」が形成されている
シートの場合、即ち、(B)成分が海(マトリックス
相)で(A)成分が島(分散相)のシートの場合は、式
(I)で表される体積変化率が上記の数値範囲外となっ
てしまい、耐油性が不十分となり、逆の相構造の場合
は、体積変化率及び重量減少率ともに上記の数値範囲外
となっていまい、耐油性が不十分となる。
両連続相を形成していることにより、上記の式(II)及
び式(III)で表される体積変化率と重量減少率を同時
に具備することができるものである。よって、両連続相
が形成されず、いわゆる「海島構造」が形成されている
シートの場合、即ち、(B)成分が海(マトリックス
相)で(A)成分が島(分散相)のシートの場合は、式
(I)で表される体積変化率が上記の数値範囲外となっ
てしまい、耐油性が不十分となり、逆の相構造の場合
は、体積変化率及び重量減少率ともに上記の数値範囲外
となっていまい、耐油性が不十分となる。
【0027】(ii)また、このシートを25℃のテトラヒ
ドロフラン中に24時間浸漬した場合の寸法変化が、下
記の式で表される関係を満たしていること。 LMD'/LMD=0.8〜1.5 LTD'/LTD=0.8〜1.5 D'/D=0.8〜1.5 (式中、LMDは浸漬前におけるMD方向の一辺の寸法を
示し、LTDは浸漬前におけるTD方向の一辺の寸法を示
し、Dは浸漬前の厚みを示し、LMD'、LTD'及びD'は
それぞれ浸漬後における寸法を示す。) LMD'/LMDは、好ましくは0.8〜1.3であり、特
に好ましくは0.9〜1.2である。LTD'/LTDは、
好ましくは0.8〜1.3であり、特に好ましくは0.
9〜1.2である。D'/Dは、好ましくは0.8〜
1.3であり、特に好ましくは0.9〜1.2である。
ドロフラン中に24時間浸漬した場合の寸法変化が、下
記の式で表される関係を満たしていること。 LMD'/LMD=0.8〜1.5 LTD'/LTD=0.8〜1.5 D'/D=0.8〜1.5 (式中、LMDは浸漬前におけるMD方向の一辺の寸法を
示し、LTDは浸漬前におけるTD方向の一辺の寸法を示
し、Dは浸漬前の厚みを示し、LMD'、LTD'及びD'は
それぞれ浸漬後における寸法を示す。) LMD'/LMDは、好ましくは0.8〜1.3であり、特
に好ましくは0.9〜1.2である。LTD'/LTDは、
好ましくは0.8〜1.3であり、特に好ましくは0.
9〜1.2である。D'/Dは、好ましくは0.8〜
1.3であり、特に好ましくは0.9〜1.2である。
【0028】(iii)さらに、このシートを130℃の温
度雰囲気で20分間放置したときの寸法変形が下記式で
表される関係を満たすものであること。 LMD'/LMD=0.9〜1.1 LTD'/LTD=0.9〜1.1 (式中、LMDは加熱前におけるMD方向の一辺の寸法を
示し、LTDは加熱前におけるTD方向の一辺の寸法を示
し、LMD'、LTD'はそれぞれ加熱後における寸法を示
す。) LMD'/LMDは、好ましくは1.0〜1.1であり、L
TD'/LTDは、好ましくは1.0〜1.1である。この
LMD'/LMD及びLTD'/LTDの値は、押出機及びダイ出
口における樹脂温度、シート成形時におけるダイ出口と
引取りロール間の距離、引取りロールの速度を調整する
ことにより、所定の数値範囲内に設定することができ
る。従って、本発明においては、押出機及びダイ出口に
おける樹脂温度を200〜230℃に調整し、ダイ出口
と引取りロール間の距離を1〜15cmに調整すると共
に、引取りロールの速度を2〜20m/minに調整するこ
とが好ましい。
度雰囲気で20分間放置したときの寸法変形が下記式で
表される関係を満たすものであること。 LMD'/LMD=0.9〜1.1 LTD'/LTD=0.9〜1.1 (式中、LMDは加熱前におけるMD方向の一辺の寸法を
示し、LTDは加熱前におけるTD方向の一辺の寸法を示
し、LMD'、LTD'はそれぞれ加熱後における寸法を示
す。) LMD'/LMDは、好ましくは1.0〜1.1であり、L
TD'/LTDは、好ましくは1.0〜1.1である。この
LMD'/LMD及びLTD'/LTDの値は、押出機及びダイ出
口における樹脂温度、シート成形時におけるダイ出口と
引取りロール間の距離、引取りロールの速度を調整する
ことにより、所定の数値範囲内に設定することができ
る。従って、本発明においては、押出機及びダイ出口に
おける樹脂温度を200〜230℃に調整し、ダイ出口
と引取りロール間の距離を1〜15cmに調整すると共
に、引取りロールの速度を2〜20m/minに調整するこ
とが好ましい。
【0029】なお、(A)成分と(B)成分が両連続相
を形成するシートは、(A)成分と(B)成分の粘度
比、押出機内のスクリュー回転数及び樹脂組成物の溶融
粘度の3つの要件を同時に具備するように調整して得る
ことができる。従って本発明においては、粘度比を
(A)/(B)=1以上、好ましくは(A)/(B)=
1.2以上に調整し、スクリュー回転数を100rpm以
下、好ましくは40〜80rpmに調整し、溶融粘度を2
00〜230℃、好ましくは210〜220℃に調整す
ることが望ましい。
を形成するシートは、(A)成分と(B)成分の粘度
比、押出機内のスクリュー回転数及び樹脂組成物の溶融
粘度の3つの要件を同時に具備するように調整して得る
ことができる。従って本発明においては、粘度比を
(A)/(B)=1以上、好ましくは(A)/(B)=
1.2以上に調整し、スクリュー回転数を100rpm以
下、好ましくは40〜80rpmに調整し、溶融粘度を2
00〜230℃、好ましくは210〜220℃に調整す
ることが望ましい。
【0030】また、本発明の耐熱性容器がシートを成形
して得られるものの場合には、容器のJIS K712
9に準拠して測定される水蒸気透過率が、6g/m2・24hr
以下であることが好ましく、3g/m2・24hr以下であるこ
とが特に好ましい。なお、容器の水蒸気透過率はその測
定部分(例えば、平面と角)により数値が異なるもので
あるが、成形方法にかかわらず同一厚み部分であれば、
少なくとも容器の平面又はそれに近い曲面部分の水蒸気
透過率が上記範囲内であることが望ましい。具体的に
は、容器底部、容器底部が平面又はそれに近い曲面でな
い場合は、容器側面で水蒸気透過率の測定を行うことが
好ましい。
して得られるものの場合には、容器のJIS K712
9に準拠して測定される水蒸気透過率が、6g/m2・24hr
以下であることが好ましく、3g/m2・24hr以下であるこ
とが特に好ましい。なお、容器の水蒸気透過率はその測
定部分(例えば、平面と角)により数値が異なるもので
あるが、成形方法にかかわらず同一厚み部分であれば、
少なくとも容器の平面又はそれに近い曲面部分の水蒸気
透過率が上記範囲内であることが望ましい。具体的に
は、容器底部、容器底部が平面又はそれに近い曲面でな
い場合は、容器側面で水蒸気透過率の測定を行うことが
好ましい。
【0031】本発明の耐熱性容器は、上記の耐熱性容器
を本体部とし、その開口部を被覆する蓋材を備えた形態
にすることができる。このような耐熱性容器において
は、容器本体部と蓋材をヒートシールした場合における
シール強度が、好ましくは0.5kgf/15mm以上、特に好
ましくは1.0kgf/15mm以上である。ただし、このシー
ル強度の測定は、下記の実施例で示す条件で測定した値
である。
を本体部とし、その開口部を被覆する蓋材を備えた形態
にすることができる。このような耐熱性容器において
は、容器本体部と蓋材をヒートシールした場合における
シール強度が、好ましくは0.5kgf/15mm以上、特に好
ましくは1.0kgf/15mm以上である。ただし、このシー
ル強度の測定は、下記の実施例で示す条件で測定した値
である。
【0032】蓋材の厚さは用途に応じて適宜選択するこ
とができる。この蓋材は、容器本体部とヒートシールで
きるものであれば特に限定されず、紙、アルミニウム、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、アルミ蒸着ポリエステル、シリカ蒸着ポリエス
テル、ポリエステル/ポリプロピレン積層フィルム、ポ
リエステル/ポリスチレン積層フィルム、ポリプロピレ
ン/エチレン−ポリビニルアルコール/ポリスチレン積
層フィルムから選ばれる1種以上を挙げることができ
る。なお、蓋材も70℃の熱水に30分間浸漬した場合
でも変形せず、かつ水蒸気透過率が6g/m2・24hr以下で
あることが好ましい。
とができる。この蓋材は、容器本体部とヒートシールで
きるものであれば特に限定されず、紙、アルミニウム、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、アルミ蒸着ポリエステル、シリカ蒸着ポリエス
テル、ポリエステル/ポリプロピレン積層フィルム、ポ
リエステル/ポリスチレン積層フィルム、ポリプロピレ
ン/エチレン−ポリビニルアルコール/ポリスチレン積
層フィルムから選ばれる1種以上を挙げることができ
る。なお、蓋材も70℃の熱水に30分間浸漬した場合
でも変形せず、かつ水蒸気透過率が6g/m2・24hr以下で
あることが好ましい。
【0033】ヒートシール方法は特に限定されないが、
必要に応じて、容器本体部と蓋材の間に熱溶融型接着剤
を介在させてヒートシールすることができる。熱溶融型
接着剤としては、エチレン−不飽和エステル共重合体、
低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体等を挙げることができる。ヒートシールの条件
は、例えば、温度100〜300℃で、圧力0.1〜5
kg/cm2、時間0.1〜10秒の範囲で適宜選択する。
必要に応じて、容器本体部と蓋材の間に熱溶融型接着剤
を介在させてヒートシールすることができる。熱溶融型
接着剤としては、エチレン−不飽和エステル共重合体、
低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体等を挙げることができる。ヒートシールの条件
は、例えば、温度100〜300℃で、圧力0.1〜5
kg/cm2、時間0.1〜10秒の範囲で適宜選択する。
【0034】本発明の耐熱性容器がシートを成形して得
られるものの場合、原反シートの厚みは用途に応じて適
宜選択することができるが、例えば、0.1〜3.0m
m、好ましくは0.2〜2.0mmにすることができる。
られるものの場合、原反シートの厚みは用途に応じて適
宜選択することができるが、例えば、0.1〜3.0m
m、好ましくは0.2〜2.0mmにすることができる。
【0035】本発明の耐熱性容器は、内容面及び/又は
外表面に、帯電防止剤、シリコーンオイル等の離型剤を
塗布することができる。
外表面に、帯電防止剤、シリコーンオイル等の離型剤を
塗布することができる。
【0036】本発明の耐熱性容器は、豆腐のほか、ミル
ク、シロップ、液体調味料等の液状食品、バター、チー
ズ等の乳製品、卵豆腐、マーガリン、ジャム、ゼリー、
プディング等のゲル状食品の容器として適用することが
できる。
ク、シロップ、液体調味料等の液状食品、バター、チー
ズ等の乳製品、卵豆腐、マーガリン、ジャム、ゼリー、
プディング等のゲル状食品の容器として適用することが
できる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0038】なお、以下において用いた容器用の樹脂組
成物の詳細は下記のとおりである。 (A)成分 PS−1:重量平均分子量が2.95×105のポリス
チレン PS−2:マトリックス成分の重量平均分子量が2.9
5×105で、平均粒子径が2μmのブタジエンゴムを含
むハイインパクトポリスチレン (B)成分 PP:メルトフローレートが9g/10minのポリプロピレ
ン (ただし、被覆成分としても用いた。) LDPE:密度が0.922g/cm3、メルトフローレー
トが0.4g/10minの低密度ポリエチレン (C)成分 SBS:スチレン含量が43重量%のスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体 SEPS:スチレン含量が65重量%の水素添加したス
チレン−イソプレンブロック共重合体。
成物の詳細は下記のとおりである。 (A)成分 PS−1:重量平均分子量が2.95×105のポリス
チレン PS−2:マトリックス成分の重量平均分子量が2.9
5×105で、平均粒子径が2μmのブタジエンゴムを含
むハイインパクトポリスチレン (B)成分 PP:メルトフローレートが9g/10minのポリプロピレ
ン (ただし、被覆成分としても用いた。) LDPE:密度が0.922g/cm3、メルトフローレー
トが0.4g/10minの低密度ポリエチレン (C)成分 SBS:スチレン含量が43重量%のスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体 SEPS:スチレン含量が65重量%の水素添加したス
チレン−イソプレンブロック共重合体。
【0039】以下において用いた蓋材となるフィルムは
下記のとおりである。 フィルムA:ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピ
レン積層フィルム(厚さ40μm) フィルムB:ポリエチレンテレフタレート/ポリスチレ
ン積層フィルム(厚さ40μm)。
下記のとおりである。 フィルムA:ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピ
レン積層フィルム(厚さ40μm) フィルムB:ポリエチレンテレフタレート/ポリスチレ
ン積層フィルム(厚さ40μm)。
【0040】また、以下における各測定は、下記の方法
により行った。 (1)ヒートシール強度 容器本体の開口部を蓋材となるフィルムで覆い、日本理
学工業(株)製のPM−R型を用いてヒートシールした
後、ヒートシール部分を15mm幅に切り取り、引張試験
機により100mm/minの引張速度で180°剥離試験を
行い、剥離強度(kgf/15mm)を測定した。
により行った。 (1)ヒートシール強度 容器本体の開口部を蓋材となるフィルムで覆い、日本理
学工業(株)製のPM−R型を用いてヒートシールした
後、ヒートシール部分を15mm幅に切り取り、引張試験
機により100mm/minの引張速度で180°剥離試験を
行い、剥離強度(kgf/15mm)を測定した。
【0041】(2)水蒸気透過率 JIS K7129に準拠して、40℃、90%RHに
おける水蒸気透過率(g/m2・24hr)を測定した。
おける水蒸気透過率(g/m2・24hr)を測定した。
【0042】(3)落下試験 容器に水300gを入れ、ヒートシール試験と同様にし
てシールした後、1mの高さより鉄板の上に落下させ、
容器の損傷の程度を目視により観察した。ただし、シー
ルにはフィルムAを用い、フィルムAでシールできない
比較例1はフィルムBを用い、比較例3はポリエチレン
フィルム(厚さ100μm)を用いた。
てシールした後、1mの高さより鉄板の上に落下させ、
容器の損傷の程度を目視により観察した。ただし、シー
ルにはフィルムAを用い、フィルムAでシールできない
比較例1はフィルムBを用い、比較例3はポリエチレン
フィルム(厚さ100μm)を用いた。
【0043】(4)相構造の確認 耐熱性容器を成形するためのシートにおいて、下記の体
積変化率と重量減少率の関係の両方を満たすものを「両
連続相構造」とし、一方又は両方を満たさないものを
「海島構造」とした。 V’/V=0.5〜2.5 [式中の記号の意味は上記のとおり。] (W−W’)/(W×nPS)≧0.7 [式中の記号の意味は上記のとおり。] (5)B1/B2値の算出 耐熱性容器を成形するためのシートにおいて、図1中の
B1、B2に相当する所定位置でウルトラミクロトームに
て表面が平滑になるように切削した。その後、切削面を
RuO4、OsO4等の重金属酸化物蒸気に触れさせて、
(A)成分の芳香族ビニル系重合体のみを選択的に染色
した。さらに、染色面にカーボンを蒸着した後、走査型
電子顕微鏡により観察して、写真撮影を行った。その
後、この写真から画像処理装置を用いてB1、B2を求
め、B1/B2値を算出した。
積変化率と重量減少率の関係の両方を満たすものを「両
連続相構造」とし、一方又は両方を満たさないものを
「海島構造」とした。 V’/V=0.5〜2.5 [式中の記号の意味は上記のとおり。] (W−W’)/(W×nPS)≧0.7 [式中の記号の意味は上記のとおり。] (5)B1/B2値の算出 耐熱性容器を成形するためのシートにおいて、図1中の
B1、B2に相当する所定位置でウルトラミクロトームに
て表面が平滑になるように切削した。その後、切削面を
RuO4、OsO4等の重金属酸化物蒸気に触れさせて、
(A)成分の芳香族ビニル系重合体のみを選択的に染色
した。さらに、染色面にカーボンを蒸着した後、走査型
電子顕微鏡により観察して、写真撮影を行った。その
後、この写真から画像処理装置を用いてB1、B2を求
め、B1/B2値を算出した。
【0044】実施例1、2、4〜6 表1に示す樹脂組成物(重量%表示)を押出機(φ65
mm、L/D=28)に供給し、シリンダー温度200℃
でTダイ(ダイ温度200℃)からシート状に押し出
し、冷却ロールにて冷却して、厚さ約0.35mmのシー
トを得た。次に、このシートを単発真空成形機(浅野研
究所製)を用いて成形し、図2に示す形状及び寸法(単
位mm)の耐熱性容器を得た。また、図2に示す容器をフ
ィルムA及びBで被覆し、ヒートシールして、蓋材で密
封された耐熱性容器を得た。各測定結果を表1に示す。
mm、L/D=28)に供給し、シリンダー温度200℃
でTダイ(ダイ温度200℃)からシート状に押し出
し、冷却ロールにて冷却して、厚さ約0.35mmのシー
トを得た。次に、このシートを単発真空成形機(浅野研
究所製)を用いて成形し、図2に示す形状及び寸法(単
位mm)の耐熱性容器を得た。また、図2に示す容器をフ
ィルムA及びBで被覆し、ヒートシールして、蓋材で密
封された耐熱性容器を得た。各測定結果を表1に示す。
【0045】実施例3 表1に示す樹脂組成物と被覆成分(組成物に対する重量
部表示)を用い、多層押出機により共押出し(シリンダ
ー温度及びダイ温度200℃)した後、冷却ロールにて
冷却して、厚さ約0.35mmの両表面がPPで被覆され
た2種3層の積層シート(積層の厚さ比1/6/1)を
得た。この積層シートを用いて実施例1と同様にして、
図2に示す耐熱性容器及び蓋材で密封された耐熱性容器
を得た。各測定結果を表1に示す。
部表示)を用い、多層押出機により共押出し(シリンダ
ー温度及びダイ温度200℃)した後、冷却ロールにて
冷却して、厚さ約0.35mmの両表面がPPで被覆され
た2種3層の積層シート(積層の厚さ比1/6/1)を
得た。この積層シートを用いて実施例1と同様にして、
図2に示す耐熱性容器及び蓋材で密封された耐熱性容器
を得た。各測定結果を表1に示す。
【0046】実施例7、8、9 表1に示す樹脂組成物(重量%表示)に発泡剤として重
炭酸ナトリウム/クエン酸モノナトリウムとの混合物
(三協化学(株)製のセルマイク623)を1重量部添
加し、実施例1と同じ押出機に供給し、シリンダー温度
200℃でTダイ(ダイ温度200℃)からシート状に
押出し、冷却ロールにて冷却して厚さ約0.6mmのシー
トを得た。これらのシートを用いて実施例1と同様にし
て、図2に示す耐熱性容器及び蓋材で密封された耐熱性
容器を得た。各測定結果を表1に示す 比較例1〜3 表1に示す成分を用い、実施例1と同様にして厚さ0.
35mmのシートを得た。ただし、比較例1はシリンダー
温度210℃、ダイ温度210℃、比較例2はシリンダ
ー温度200℃、ダイ温度200℃、比較例3はシリン
ダー温度180℃、ダイ温度180℃とした。これらの
シートを用いて実施例1と同様にして図2に示す容器を
得た。各測定結果を表1に示す。
炭酸ナトリウム/クエン酸モノナトリウムとの混合物
(三協化学(株)製のセルマイク623)を1重量部添
加し、実施例1と同じ押出機に供給し、シリンダー温度
200℃でTダイ(ダイ温度200℃)からシート状に
押出し、冷却ロールにて冷却して厚さ約0.6mmのシー
トを得た。これらのシートを用いて実施例1と同様にし
て、図2に示す耐熱性容器及び蓋材で密封された耐熱性
容器を得た。各測定結果を表1に示す 比較例1〜3 表1に示す成分を用い、実施例1と同様にして厚さ0.
35mmのシートを得た。ただし、比較例1はシリンダー
温度210℃、ダイ温度210℃、比較例2はシリンダ
ー温度200℃、ダイ温度200℃、比較例3はシリン
ダー温度180℃、ダイ温度180℃とした。これらの
シートを用いて実施例1と同様にして図2に示す容器を
得た。各測定結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の耐熱性容器は、熱水に浸漬した
場合の変形が殆どなく、水蒸気透過率が小さく、耐衝撃
性も高い。さらに、蓋材を備えた形態にした場合には、
ヒートシール性も優れている。よって、本発明の耐熱性
容器は、製造、運搬及び販売上の取り扱い性を大幅に向
上させることができる。
場合の変形が殆どなく、水蒸気透過率が小さく、耐衝撃
性も高い。さらに、蓋材を備えた形態にした場合には、
ヒートシール性も優れている。よって、本発明の耐熱性
容器は、製造、運搬及び販売上の取り扱い性を大幅に向
上させることができる。
【図1】 耐熱性容器の製造に使用する樹脂シートの構
造を説明するための概念図である。
造を説明するための概念図である。
【図2】 実施例で成形した耐熱性容器の斜視図であ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 85/30 101 B65D 1/09 B65D 85/72 B65D 77/20 B65D 77/30
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)芳香族ビニル系重合体40〜97
重量%及び(B)ポリオレフィン系樹脂3〜60重量%
を含有する樹脂組成物を成形してなる開口部を有する容
器であり、容器深さの最大値d1と、前記容器を70℃
の熱水に30分間浸漬した後の容器深さの最大値d2の
比(d2/d1)が0.9〜1.1の範囲にある合成樹
脂からなる耐熱性容器。 - 【請求項2】 さらに樹脂組成物が相溶化剤を含有する
請求項1記載の耐熱性容器。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の耐熱性容器の内表
面又は内表面と外表面が、スチレン系樹脂、オレフィン
系樹脂及びポリエステル系樹脂から選ばれる1種以上の
被覆成分により被覆されている耐熱性容器。 - 【請求項4】 JIS K7129に準拠して測定され
る水蒸気透過率が6g/m2・24hr以下である請求項1〜
3のいずれか1記載の耐熱性容器。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1記載の容器を
本体部とし、その開口部を被覆する蓋材を備えたもので
あり、容器本体部と蓋材をヒートシールした場合におけ
るシール強度が0.5kgf/15mm以上である耐熱性容器。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1記載の耐熱性
容器からなる豆腐容器。 - 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1記載の耐熱性
容器からなる液状又はゲル状食品容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2752899A JP3207175B2 (ja) | 1998-09-22 | 1999-02-04 | 耐熱性容器 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26800898 | 1998-09-22 | ||
JP10-268008 | 1998-09-22 | ||
JP2752899A JP3207175B2 (ja) | 1998-09-22 | 1999-02-04 | 耐熱性容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000159282A JP2000159282A (ja) | 2000-06-13 |
JP3207175B2 true JP3207175B2 (ja) | 2001-09-10 |
Family
ID=26365459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2752899A Ceased JP3207175B2 (ja) | 1998-09-22 | 1999-02-04 | 耐熱性容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3207175B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP2002114265A (ja) * | 2000-10-06 | 2002-04-16 | Daicel Chem Ind Ltd | 分割可能な容器 |
WO2015012012A1 (ja) * | 2013-07-25 | 2015-01-29 | 電気化学工業株式会社 | 熱可塑性樹脂シートおよびその容器 |
-
1999
- 1999-02-04 JP JP2752899A patent/JP3207175B2/ja not_active Ceased
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000159282A (ja) | 2000-06-13 |
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