JP3207175B2 - 耐熱性容器 - Google Patents

耐熱性容器

Info

Publication number
JP3207175B2
JP3207175B2 JP2752899A JP2752899A JP3207175B2 JP 3207175 B2 JP3207175 B2 JP 3207175B2 JP 2752899 A JP2752899 A JP 2752899A JP 2752899 A JP2752899 A JP 2752899A JP 3207175 B2 JP3207175 B2 JP 3207175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
heat
resistant container
sheet
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2752899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000159282A (ja
Inventor
宗紀 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26365459&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3207175(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP2752899A priority Critical patent/JP3207175B2/ja
Publication of JP2000159282A publication Critical patent/JP2000159282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3207175B2 publication Critical patent/JP3207175B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Ceased legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Packaging Frangible Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性容器及びそ
れを用いた豆腐容器、液状又はゲル状食品容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】豆腐や
ゼリー等の食品は、軟らかく壊れ易いためプラスチック
容器に充填され販売されているが、このプラスチック容
器には、製造工程上及び製品の運搬や販売上の要請か
ら、種々の機能を有することが求められている。例え
ば、充填絹ごし豆腐は、容器に充填した後に加熱凝固さ
せるため、容器には当該加熱に対する耐熱性が要求され
る。また、豆腐やゼリー等の食品は、多量の水分を含ん
でいるので(豆腐の場合は、通常85〜90%の水分を
含む)、製造時から消費者が購入し食するまでの間、食
品の乾燥を防ぐために容器の水蒸気透過率が小さいこと
が要求される。さらにその他にも、壊れにくいこと、本
体と蓋とのシール性が良いこと等の性質を有しているこ
とが要求されるが、従来の豆腐やゼリー等の容器には、
上記した要求のすべてを十分に満たすものは開発されて
いない。
【0003】本発明は、耐熱性が良く、水蒸気透過性が
低い耐熱性容器を提供することを目的とする。また本発
明は、前記耐熱性容器を用いた豆腐容器、液状又はゲル
状食品容器を提供することを他の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、開口部を有す
る容器であり、容器深さの最大値d1と、前記容器を7
0℃の熱水に30分間浸漬した後の容器深さの最大値d
2の比(d2/d1)が0.9〜1.1の範囲にある合成
樹脂からなる耐熱性容器を提供する。また本発明は、前
記の容器を本体部とし、その開口部を被覆する蓋材を備
えたものであり、容器本体部と蓋材をヒートシールした
場合におけるシール強度が0.5kgf/15mm以上である耐
熱性容器を提供する。さらに本発明は、前記耐熱性容器
からなる豆腐容器、液状又はゲル状食品容器を提供す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の耐熱性容器は、食品を充
填するための開口部を有しているものであれば、その形
状、大きさ等は特に限定されず、対象となる食品に応じ
て適宜変更することができる。例えば絞り比が0.1〜
1.5、好ましくは0.1〜1.0の容器にすることが
できる。
【0006】本発明の耐熱性容器は、容器深さの最大値
1と、前記容器を70℃の熱水に30分間浸漬した後
の容器深さの最大値d2の比(d2/d1)が0.9〜
1.1、好ましくは0.95〜1.05の範囲内のもの
である。ここでいう「容器深さの最大値」とは、例え
ば、容器の底部が凹状の場合においては最も窪んだ部分
が最大値となることを意味する。また、「浸漬」は、容
器全体を完全に熱水中に水没させることを意味する。
【0007】このような耐熱性容器は、(A)芳香族ビ
ニル系重合体40〜97重量%及び(B)ポリオレフィ
ン系樹脂3〜60重量%を含有する樹脂組成物を成形し
て得ることができる。
【0008】(A)成分の芳香族ビニル系重合体として
は、スチレン系モノマーの重合体、スチレン系モノマー
とそれらと共重合可能な他のモノマーとの共重合体を挙
げることができる。
【0009】スチレン系モノマーとしては、スチレン、
2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチル
スチレン、4−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン等のアルキル置換スチレ
ン、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチ
レン等のα−アルキル置換スチレン、2−クロロスチレ
ン、4−クロロスチレン等のハロゲン化スチレン等から
選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0010】スチレン系モノマーと共重合可能な他のモ
ノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸、アクリ
ル酸メチル又はメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル
又はメタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル又はメタク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル又はメタ
クリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸(C1
8)エステル又はメタクリル酸(C1〜C8)エステ
ル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミドのような
N−置換マレイミド等のマレイン酸又はその誘導体等か
ら選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0011】(A)成分の芳香族ビニル系重合体は、ゴ
ム変性重合体にすることもできる。ゴム変性重合体の製
造において用いるゴムとしては、ブタジエンゴム、ブタ
ジエン−イソプレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリ
ルゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、
アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム等の非スチレ
ン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソ
プレンゴム等のスチレン系ゴムから選ばれる1種以上を
挙げることができる。なお、ブタジエンゴムは、シス−
1,4構造の含有率の高いハイシス型のものであって
も、シス−1,4構造の含有率の低いローシス型のもの
であってもよく、平均粒子径が1〜5μmのものが好ま
しい。ゴム変性重合体とする場合には、重合体中におけ
るゴム成分の含有量は1〜20重量%であることが好ま
しい。
【0012】(A)成分を共重合体にする場合の重合形
態は特に限定されるものではなく、ブロック共重合体、
ランダム共重合体、テーパーブロック構造を有する共重
合体であってもよい。
【0013】(A)成分の芳香族ビニル系重合体は、容
器の耐衝撃性を高め、(B)成分との相溶性を高めるた
め、重量平均分子量が2.0×105〜3.5×105
好ましく、2.5×105〜3.0×105が特に好まし
い。
【0014】(A)成分の含有量は、剛性を高めると共
に、耐熱性を高め、水蒸気透過性を低下させるため、好
ましくは40〜97重量%、特に好ましくは50〜97
重量%である。なお、(A)成分中における2−メチル
スチレンの含有量を2〜25重量%にすると耐熱性を高
めることができるため好ましい。
【0015】(B)成分のポリオレフィン系樹脂として
は、炭素数2〜8のモノオレフィンを主たる単量体成分
とする重合体であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ
ブテン−1等から選ばれる1種以上を挙げることがで
き、これらの中でもポリプロピレン、エチレン−プロピ
レンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック
共重合体が好ましい。
【0016】(B)成分の含有量は、耐熱性とシール強
度を高めると共に、剛性を高めるため、好ましくは3〜
60重量%、特に好ましくは3〜50重量%である。
【0017】樹脂組成物には、さらに(C)成分として
相溶化剤を含有させることができる。(C)成分の相溶
化剤としては芳香族ビニル−ジエンブロック共重合体及
びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の組み
合わせが好ましい。なお、ブロック共重合体の重合形式
は特に限定されない。芳香族ビニル−ジエンブロック共
重合体は、上記した(A)成分の単量体(好ましくはス
チレン)と、ブタジエン、イソプレン等の炭素数4〜6
の共役ジエン、クロロプレン等の炭素数4〜6のハロゲ
ン置換共役ジエン(好ましくはブタジエン、イソプレ
ン)とのブロック共重合体が特に好ましい。また、水素
添加物は、前記の芳香族ビニル−ジエンブロック共重合
体に水素添加し、不飽和結合を減少させたものが特に好
ましい。
【0018】(C)成分の含有量は、(A)成分と
(B)成分の相溶性を高めるため、好ましくは1〜30
重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。
【0019】樹脂組成物には、さらに必要に応じて、熱
安定剤、紫外線吸収剤、リン系、硫黄系又はヒンダード
フェノール系酸化防止剤、リン酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、タルク、ゼオライト、着色剤、脂肪酸エステル等
の滑剤、帯電防止剤等を配合することができる。
【0020】耐熱性容器の成形方法は、上記の樹脂組成
物を二軸押出機等により溶融混練してペレットにし、射
出成形する方法、前記ペレットを用いてシート状に成形
した後、真空成形する方法等を適用することができる。
なお、ペレット及びシートには、成形性を向上させるた
め、0.05〜2重量%に相当する量のミネラルオイル
等の可塑剤を添加することができる。
【0021】本発明の耐熱性容器は、その内表面又は内
表面と外表面を、ポリスチレン、スチレンと芳香族ビニ
ルとの共重合体、耐衝撃性ポリスチレン等のスチレン系
樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレンランダム又はブロック共重合体、ポリメチルペン
テン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル系樹脂から選ばれる1種以上の被覆
成分により被覆することができる。このような耐熱性容
器は、樹脂組成物と被覆成分からなる積層シートを成形
して得ることができる。
【0022】本発明の食品容器が上記の(A)及び
(B)成分を含有する樹脂組成物からなるシートを成形
して得られるものの場合、このシートは無発泡又は発泡
構造であるとにかかわらず、以下に記載する及び
(i)、(ii)、(iii)から選ばれる構造、性質等を1以上で
より多く有していることが好ましく、すべてを有してい
るものが特に好ましい。
【0023】シートにおいて、原料となる樹脂組成物
に含まれる(A)成分と(B)成分が下記の式(I)で
表される関係を満たすものであること(図1参照)。 B1/B2=1.2〜50 (I) [式中、B1は、シートの一面からシートの全厚みの1/
10の厚み範囲までにおける(B)成分の含有量(重量
%)を示し、B2は、シート厚み方向の1/2を基準と
するシート全厚みの1/10の厚み範囲における(B)
成分の含有量(重量%)を示す。] B1/B2値は、好ましくは1.2〜30、特に好ましく
は1.2〜20、さらに好ましくは1.5〜10であ
る。B1/B2値を上記数値範囲内に設定保持するために
は、上記した押出し成形において、押出機及びダイ出口
における樹脂温度を、原料となる樹脂ペレットのビカッ
ト軟化点に応じて適宜調整する方法を適用できる。前記
樹脂温度をビカット軟化点より十分に高くするとB1
2値は大きくなり、即ちシート表面近くにおける
(B)成分の含有量が高くなる。一方、前記樹脂温度を
ビカット軟化点より少し高くするとB1/B2値は小さく
なり、即ちシート表面近くにおける(B)成分の含有量
が低くなる。従って、B1/B2値を所定範囲に設定保持
するためには、押出機及びダイ出口における樹脂温度
を、原料となる樹脂ペレットのビカット軟化点よりも8
0〜130℃高い範囲内に設定保持することが好まし
い。なお、シートの一面のみが式(I)で表される関係
を満たすようにすることもできるし、両面が式(I)で
表される関係を満たすようにすることもできる。
【0024】シートにおいて、原料となる樹脂組成物
に含有される(A)成分と(B)成分が両連続相を形成
していること。ここで「シートにおいて(A)成分と
(B)成分が両連続相を形成している」とは、シートの
MD方向及びTD方向のいずれの方向においても、
(A)成分の樹脂相と(B)成分の樹脂相が、粒子や繊
維状のような互いに独立した状態で存在しているのでは
なく、両相が網目状に互いに連なった状態で混在した相
構造を形成していることを意味するものである。
【0025】(i)このようなシートは、特に下記式(I
I)で表される体積変化率と、下記式(III)で表される
重量減少率の関係を満たすものであること。 V’/V=0.5〜2.5 (II) [式中、V’は25℃のテトラヒドロフランに24時間
浸漬後のシートの体積(cm3)を示し、Vは浸漬前のシ
ートの体積(cm3)を示す。] (W−W’)/(W×nPS)≧0.7 (III) [式中、W’は25℃のテトラヒドロフランに24時間
浸漬後のシートの重量(g)を示し、Wは浸漬前のシー
トの重量(g)を示し、nPSは浸漬前のシートのスチレ
ン樹脂等の芳香族ビニル系重合体の含有比(重量%)を
示す。] 式(II)においてV’/Vは、好ましくは0.6〜2.
0であり、特に好ましくは0.7〜1.8である。式
(III)において(W−W’)/(W×nPS)は、好ま
しくは0.75〜1.0であり、特に好ましくは0.8
〜1.0である。
【0026】このシートは、(A)成分と(B)成分が
両連続相を形成していることにより、上記の式(II)及
び式(III)で表される体積変化率と重量減少率を同時
に具備することができるものである。よって、両連続相
が形成されず、いわゆる「海島構造」が形成されている
シートの場合、即ち、(B)成分が海(マトリックス
相)で(A)成分が島(分散相)のシートの場合は、式
(I)で表される体積変化率が上記の数値範囲外となっ
てしまい、耐油性が不十分となり、逆の相構造の場合
は、体積変化率及び重量減少率ともに上記の数値範囲外
となっていまい、耐油性が不十分となる。
【0027】(ii)また、このシートを25℃のテトラヒ
ドロフラン中に24時間浸漬した場合の寸法変化が、下
記の式で表される関係を満たしていること。 LMD'/LMD=0.8〜1.5 LTD'/LTD=0.8〜1.5 D'/D=0.8〜1.5 (式中、LMDは浸漬前におけるMD方向の一辺の寸法を
示し、LTDは浸漬前におけるTD方向の一辺の寸法を示
し、Dは浸漬前の厚みを示し、LMD'、LTD'及びD'は
それぞれ浸漬後における寸法を示す。) LMD'/LMDは、好ましくは0.8〜1.3であり、特
に好ましくは0.9〜1.2である。LTD'/LTDは、
好ましくは0.8〜1.3であり、特に好ましくは0.
9〜1.2である。D'/Dは、好ましくは0.8〜
1.3であり、特に好ましくは0.9〜1.2である。
【0028】(iii)さらに、このシートを130℃の温
度雰囲気で20分間放置したときの寸法変形が下記式で
表される関係を満たすものであること。 LMD'/LMD=0.9〜1.1 LTD'/LTD=0.9〜1.1 (式中、LMDは加熱前におけるMD方向の一辺の寸法を
示し、LTDは加熱前におけるTD方向の一辺の寸法を示
し、LMD'、LTD'はそれぞれ加熱後における寸法を示
す。) LMD'/LMDは、好ましくは1.0〜1.1であり、L
TD'/LTDは、好ましくは1.0〜1.1である。この
MD'/LMD及びLTD'/LTDの値は、押出機及びダイ出
口における樹脂温度、シート成形時におけるダイ出口と
引取りロール間の距離、引取りロールの速度を調整する
ことにより、所定の数値範囲内に設定することができ
る。従って、本発明においては、押出機及びダイ出口に
おける樹脂温度を200〜230℃に調整し、ダイ出口
と引取りロール間の距離を1〜15cmに調整すると共
に、引取りロールの速度を2〜20m/minに調整するこ
とが好ましい。
【0029】なお、(A)成分と(B)成分が両連続相
を形成するシートは、(A)成分と(B)成分の粘度
比、押出機内のスクリュー回転数及び樹脂組成物の溶融
粘度の3つの要件を同時に具備するように調整して得る
ことができる。従って本発明においては、粘度比を
(A)/(B)=1以上、好ましくは(A)/(B)=
1.2以上に調整し、スクリュー回転数を100rpm以
下、好ましくは40〜80rpmに調整し、溶融粘度を2
00〜230℃、好ましくは210〜220℃に調整す
ることが望ましい。
【0030】また、本発明の耐熱性容器がシートを成形
して得られるものの場合には、容器のJIS K712
9に準拠して測定される水蒸気透過率が、6g/m2・24hr
以下であることが好ましく、3g/m2・24hr以下であるこ
とが特に好ましい。なお、容器の水蒸気透過率はその測
定部分(例えば、平面と角)により数値が異なるもので
あるが、成形方法にかかわらず同一厚み部分であれば、
少なくとも容器の平面又はそれに近い曲面部分の水蒸気
透過率が上記範囲内であることが望ましい。具体的に
は、容器底部、容器底部が平面又はそれに近い曲面でな
い場合は、容器側面で水蒸気透過率の測定を行うことが
好ましい。
【0031】本発明の耐熱性容器は、上記の耐熱性容器
を本体部とし、その開口部を被覆する蓋材を備えた形態
にすることができる。このような耐熱性容器において
は、容器本体部と蓋材をヒートシールした場合における
シール強度が、好ましくは0.5kgf/15mm以上、特に好
ましくは1.0kgf/15mm以上である。ただし、このシー
ル強度の測定は、下記の実施例で示す条件で測定した値
である。
【0032】蓋材の厚さは用途に応じて適宜選択するこ
とができる。この蓋材は、容器本体部とヒートシールで
きるものであれば特に限定されず、紙、アルミニウム、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、アルミ蒸着ポリエステル、シリカ蒸着ポリエス
テル、ポリエステル/ポリプロピレン積層フィルム、ポ
リエステル/ポリスチレン積層フィルム、ポリプロピレ
ン/エチレン−ポリビニルアルコール/ポリスチレン積
層フィルムから選ばれる1種以上を挙げることができ
る。なお、蓋材も70℃の熱水に30分間浸漬した場合
でも変形せず、かつ水蒸気透過率が6g/m2・24hr以下で
あることが好ましい。
【0033】ヒートシール方法は特に限定されないが、
必要に応じて、容器本体部と蓋材の間に熱溶融型接着剤
を介在させてヒートシールすることができる。熱溶融型
接着剤としては、エチレン−不飽和エステル共重合体、
低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体等を挙げることができる。ヒートシールの条件
は、例えば、温度100〜300℃で、圧力0.1〜5
kg/cm2、時間0.1〜10秒の範囲で適宜選択する。
【0034】本発明の耐熱性容器がシートを成形して得
られるものの場合、原反シートの厚みは用途に応じて適
宜選択することができるが、例えば、0.1〜3.0m
m、好ましくは0.2〜2.0mmにすることができる。
【0035】本発明の耐熱性容器は、内容面及び/又は
外表面に、帯電防止剤、シリコーンオイル等の離型剤を
塗布することができる。
【0036】本発明の耐熱性容器は、豆腐のほか、ミル
ク、シロップ、液体調味料等の液状食品、バター、チー
ズ等の乳製品、卵豆腐、マーガリン、ジャム、ゼリー、
プディング等のゲル状食品の容器として適用することが
できる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0038】なお、以下において用いた容器用の樹脂組
成物の詳細は下記のとおりである。 (A)成分 PS−1:重量平均分子量が2.95×105のポリス
チレン PS−2:マトリックス成分の重量平均分子量が2.9
5×105で、平均粒子径が2μmのブタジエンゴムを含
むハイインパクトポリスチレン (B)成分 PP:メルトフローレートが9g/10minのポリプロピレ
ン (ただし、被覆成分としても用いた。) LDPE:密度が0.922g/cm3、メルトフローレー
トが0.4g/10minの低密度ポリエチレン (C)成分 SBS:スチレン含量が43重量%のスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体 SEPS:スチレン含量が65重量%の水素添加したス
チレン−イソプレンブロック共重合体。
【0039】以下において用いた蓋材となるフィルムは
下記のとおりである。 フィルムA:ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピ
レン積層フィルム(厚さ40μm) フィルムB:ポリエチレンテレフタレート/ポリスチレ
ン積層フィルム(厚さ40μm)。
【0040】また、以下における各測定は、下記の方法
により行った。 (1)ヒートシール強度 容器本体の開口部を蓋材となるフィルムで覆い、日本理
学工業(株)製のPM−R型を用いてヒートシールした
後、ヒートシール部分を15mm幅に切り取り、引張試験
機により100mm/minの引張速度で180°剥離試験を
行い、剥離強度(kgf/15mm)を測定した。
【0041】(2)水蒸気透過率 JIS K7129に準拠して、40℃、90%RHに
おける水蒸気透過率(g/m2・24hr)を測定した。
【0042】(3)落下試験 容器に水300gを入れ、ヒートシール試験と同様にし
てシールした後、1mの高さより鉄板の上に落下させ、
容器の損傷の程度を目視により観察した。ただし、シー
ルにはフィルムAを用い、フィルムAでシールできない
比較例1はフィルムBを用い、比較例3はポリエチレン
フィルム(厚さ100μm)を用いた。
【0043】(4)相構造の確認 耐熱性容器を成形するためのシートにおいて、下記の体
積変化率と重量減少率の関係の両方を満たすものを「両
連続相構造」とし、一方又は両方を満たさないものを
「海島構造」とした。 V’/V=0.5〜2.5 [式中の記号の意味は上記のとおり。] (W−W’)/(W×nPS)≧0.7 [式中の記号の意味は上記のとおり。] (5)B1/B2値の算出 耐熱性容器を成形するためのシートにおいて、図1中の
1、B2に相当する所定位置でウルトラミクロトームに
て表面が平滑になるように切削した。その後、切削面を
RuO4、OsO4等の重金属酸化物蒸気に触れさせて、
(A)成分の芳香族ビニル系重合体のみを選択的に染色
した。さらに、染色面にカーボンを蒸着した後、走査型
電子顕微鏡により観察して、写真撮影を行った。その
後、この写真から画像処理装置を用いてB1、B2を求
め、B1/B2値を算出した。
【0044】実施例1、2、4〜6 表1に示す樹脂組成物(重量%表示)を押出機(φ65
mm、L/D=28)に供給し、シリンダー温度200℃
でTダイ(ダイ温度200℃)からシート状に押し出
し、冷却ロールにて冷却して、厚さ約0.35mmのシー
トを得た。次に、このシートを単発真空成形機(浅野研
究所製)を用いて成形し、図2に示す形状及び寸法(単
位mm)の耐熱性容器を得た。また、図2に示す容器をフ
ィルムA及びBで被覆し、ヒートシールして、蓋材で密
封された耐熱性容器を得た。各測定結果を表1に示す。
【0045】実施例3 表1に示す樹脂組成物と被覆成分(組成物に対する重量
部表示)を用い、多層押出機により共押出し(シリンダ
ー温度及びダイ温度200℃)した後、冷却ロールにて
冷却して、厚さ約0.35mmの両表面がPPで被覆され
た2種3層の積層シート(積層の厚さ比1/6/1)を
得た。この積層シートを用いて実施例1と同様にして、
図2に示す耐熱性容器及び蓋材で密封された耐熱性容器
を得た。各測定結果を表1に示す。
【0046】実施例7、8、9 表1に示す樹脂組成物(重量%表示)に発泡剤として重
炭酸ナトリウム/クエン酸モノナトリウムとの混合物
(三協化学(株)製のセルマイク623)を1重量部添
加し、実施例1と同じ押出機に供給し、シリンダー温度
200℃でTダイ(ダイ温度200℃)からシート状に
押出し、冷却ロールにて冷却して厚さ約0.6mmのシー
トを得た。これらのシートを用いて実施例1と同様にし
て、図2に示す耐熱性容器及び蓋材で密封された耐熱性
容器を得た。各測定結果を表1に示す 比較例1〜3 表1に示す成分を用い、実施例1と同様にして厚さ0.
35mmのシートを得た。ただし、比較例1はシリンダー
温度210℃、ダイ温度210℃、比較例2はシリンダ
ー温度200℃、ダイ温度200℃、比較例3はシリン
ダー温度180℃、ダイ温度180℃とした。これらの
シートを用いて実施例1と同様にして図2に示す容器を
得た。各測定結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の耐熱性容器は、熱水に浸漬した
場合の変形が殆どなく、水蒸気透過率が小さく、耐衝撃
性も高い。さらに、蓋材を備えた形態にした場合には、
ヒートシール性も優れている。よって、本発明の耐熱性
容器は、製造、運搬及び販売上の取り扱い性を大幅に向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 耐熱性容器の製造に使用する樹脂シートの構
造を説明するための概念図である。
【図2】 実施例で成形した耐熱性容器の斜視図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 85/30 101 B65D 1/09 B65D 85/72 B65D 77/20 B65D 77/30

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ビニル系重合体40〜97
    重量%及び(B)ポリオレフィン系樹脂3〜60重量%
    を含有する樹脂組成物を成形してなる開口部を有する容
    器であり、容器深さの最大値d1と、前記容器を70℃
    の熱水に30分間浸漬した後の容器深さの最大値d2の
    比(d2/d1)が0.9〜1.1の範囲にある合成樹
    脂からなる耐熱性容器。
  2. 【請求項2】 さらに樹脂組成物が相溶化剤を含有する
    請求項記載の耐熱性容器。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の耐熱性容器の内表
    面又は内表面と外表面が、スチレン系樹脂、オレフィン
    系樹脂及びポリエステル系樹脂から選ばれる1種以上の
    被覆成分により被覆されている耐熱性容器。
  4. 【請求項4】 JIS K7129に準拠して測定され
    る水蒸気透過率が6g/m2・24hr以下である請求項1〜
    のいずれか1記載の耐熱性容器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜のいずれか1記載の容器を
    本体部とし、その開口部を被覆する蓋材を備えたもので
    あり、容器本体部と蓋材をヒートシールした場合におけ
    るシール強度が0.5kgf/15mm以上である耐熱性容器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜のいずれか1記載の耐熱性
    容器からなる豆腐容器。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれか1記載の耐熱性
    容器からなる液状又はゲル状食品容器。
JP2752899A 1998-09-22 1999-02-04 耐熱性容器 Ceased JP3207175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2752899A JP3207175B2 (ja) 1998-09-22 1999-02-04 耐熱性容器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26800898 1998-09-22
JP10-268008 1998-09-22
JP2752899A JP3207175B2 (ja) 1998-09-22 1999-02-04 耐熱性容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000159282A JP2000159282A (ja) 2000-06-13
JP3207175B2 true JP3207175B2 (ja) 2001-09-10

Family

ID=26365459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2752899A Ceased JP3207175B2 (ja) 1998-09-22 1999-02-04 耐熱性容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3207175B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002114265A (ja) * 2000-10-06 2002-04-16 Daicel Chem Ind Ltd 分割可能な容器
WO2015012012A1 (ja) * 2013-07-25 2015-01-29 電気化学工業株式会社 熱可塑性樹脂シートおよびその容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000159282A (ja) 2000-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4991345B2 (ja) 熱成形用積層シート及び包装用容器
JP4140890B2 (ja) 帯電防止性樹脂積層シート
JP2005111888A (ja) 樹脂発泡積層シート
JP5673625B2 (ja) 熱成形用積層シート及び積層樹脂製容器
JP6850574B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂積層発泡成形体
JP3207175B2 (ja) 耐熱性容器
JP2003112392A (ja) 容器用積層シート
JP2002020636A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4484184B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器
JP6034129B2 (ja) 熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器
JP2008073939A (ja) 積層発泡シート、多層発泡シート及びその製造方法並びに食品用容器
JP7304730B2 (ja) 多層シート及びそれを用いた容器
JP2013180778A (ja) 耐熱・耐油性容器
JP2000141558A (ja) 合成樹脂積層シート
JP4936837B2 (ja) 容器用積層シート
JP4708256B2 (ja) 易引き裂き性多層延伸フィルム
JP2000136251A (ja) 樹脂容器
JP3111873B2 (ja) シール用フィルム、蓋材及び容器
JP3029612B1 (ja) 合成樹脂製食品容器
JP4565481B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体、容器本体、包装容器及び食品包装体
CN112895644A (zh) 多层树脂片材及成型容器
JP4133452B2 (ja) 多層構造体及び包装体
JP2000015728A (ja) 樹脂発泡積層シート
JP3024114B2 (ja) 熱可塑性樹脂シ―ト
JP2000052505A (ja) 易開封性容器及びそれに用いる部材

Legal Events

Date Code Title Description
RVOP Cancellation by post-grant opposition