JP4966443B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品包装用容器などを成形するのに有用な熱可塑性樹脂組成物、この組成物で形成されたシート及びそのシートで形成された容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に食品包装用容器に用いられるスチレン系樹脂シートは、スチレン系樹脂と、サラミ形状のゴムを有するゴム変性スチレン系樹脂とを含む樹脂組成物を押出機でシート状に成形することにより製造されている。スチレン系樹脂シートは、シートの剛性(弾性率)と耐衝撃性とのバランスがよく、容器成形も容易である。
【0003】
しかし、一般のスチレン系樹脂のガラス転移温度は100℃程度であるため、容器成形する際には、130℃程度の高温で成形する必要がある。さらに、ガラス転移温度が100℃程度であるために、容器の耐熱性が不充分で、例えば、電子レンジで食品を収容して加熱すると、容器が変形する。また、スチレン系樹脂は、水蒸気の透過性が高いため、液状物質を充填した場合、長期間に亘り、保存できない。
【0004】
一方、環状ポリオレフィン系樹脂は、60〜160℃程度のガラス転移温度を有しており、非晶性樹脂であるため、容器成形性にも優れる。また、水蒸気バリア性が非常に高い。
【0005】
しかし、環状ポリオレフィン系樹脂は、耐衝撃性に劣り、他の樹脂との相溶性も劣る。特開平6−255053号公報には、環状ポリオレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂との成形用熱可塑性樹脂積層シートが開示され、特開平10−111402号公報には、環状ポリオレフィン系樹脂と、ポリ(4−メチルペンテン−1)やポリカーボネート等の透明熱可塑性樹脂とで海島構造を形成した光拡散性アロイシートが開示されている。しかし、これらのシートは、両樹脂が相溶していないので、成形性や剛性、耐衝撃性に劣る。
【0006】
特開平7−258504号公報には、環状ポリオレフィン系樹脂99〜80重量%とスチレン系エラストマー1〜20重量%とを配合してなる透明高防湿薬品包装用ポリマーアロイシートが開示され、特開平9−1750号公報には、環状オレフィン成分を有するポリオレフィン60〜97.5重量%とスチレン系熱可塑性エラストマー2.5〜40重量%とで構成され、さらにこの樹脂組成物に0.1〜2重量%の界面活性剤を含有する樹脂層を外層とする多層プラスチック容器が開示されている。
【0007】
しかし、これらの樹脂組成物の成形品においても、耐衝撃性は充分でない。また、スチレン系樹脂に比べて高価な環状ポリオレフィン系樹脂を多量に用いるため、例えば、食品包装用容器などの汎用される用途には適さない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、耐熱性及び成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物、この組成物で形成されたシート及びそのシートで形成された容器を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、低温成形性が高く、成形サイクルが短いとともに、剛性や耐衝撃性に優れる熱可塑性樹脂組成物、この組成物で形成されたシート及びそのシートで形成された容器を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、水蒸気バリア性に優れる熱可塑性樹脂組成物、この組成物で形成されたシート及びそのシートで形成された容器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討の結果、熱可塑性樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及び熱可塑性エラストマーを含む樹脂組成物が、耐熱性及び成形性、耐衝撃性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂、(B)環状ポリオレフィン系樹脂及び(C)熱可塑性エラストマーを含む。(C)成分は、少なくとも(A)成分と共通する構成単位を含んでよい。前記樹脂組成物において、(A)成分がスチレン系樹脂であり、(C)成分がスチレン系熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン−ジエン系ブロック共重合体)であってもよい。(C)成分において、軟質ブロックと硬質ブロックとの割合(重量比)は、軟質ブロック/硬質ブロック=80/20〜10/90、好ましくは70/30〜25/75程度である。(A)成分と(B)成分との割合(重量比)は、(A)/(B)=99/1〜40/60、好ましくは90/10〜50/50程度である。(C)成分の割合は、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、0.5〜15重量部、好ましくは2〜15重量部程度である。(B)成分と(C)成分との割合(重量比)は、(B)/(C)=30/70〜95/5程度である。前記樹脂組成物は、(A)スチレン系樹脂、(B)環状ポリオレフィン系樹脂及び(C)スチレン−ジエン系ブロック共重合体を含む組成物であって、(A)成分と(B)成分との割合(重量比)が、(A)/(B)=99/1〜50/50程度であり、(C)成分の割合が、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、2〜15重量部程度であり、かつ(C)成分において、ジエンブロックとスチレンブロックとの割合(重量比)が、ジエンブロック/スチレンブロック=70/30〜25/75程度であってもよい。前記樹脂組成物は、少なくとも(B)成分が連続相構造を形成してもよく、例えば、(A)成分と(B)成分との共連続相構造や、(B)成分がマトリックス相の(A)成分と(B)成分との海島構造であってもよい。前記樹脂組成物は、さらに、(D)酸化チタンを(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して0.1〜30重量部程度を含んでもよい。
【0013】
本発明は、前記樹脂組成物で形成されたシートも含む。また、本発明は、前記シートで形成された容器(特に、液状又はゲル状物質を密封して充填するために用いられる容器)も含む。
【0014】
【発明の実施の形態】
[(A)熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、種々の熱可塑性樹脂が使用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリアクリロニトリル等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ビニル系樹脂(塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン6/11等)、ポリエステル系樹脂(ポリC2-4アルキレンテレフタレート、ポリC2-4アルキレンナフタレート、これらのコポリエステル、液晶性ポリエステル等)、ポリフェニレンオキシド系樹脂等が例示できる。これらの熱可塑性樹脂は、同種で又は異種で、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、スチレン系樹脂が好ましい。スチレン系樹脂には、ポリスチレン系樹脂及びゴム変性スチレン系樹脂が含まれる。
【0015】
ポリスチレン系樹脂を形成するための芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、ビニルトルエン、ビニルキシレン、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等)、ハロゲン置換スチレン(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレン等)、α位にアルキル基が置換したα−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレンなど)等が例示できる。これらの芳香族ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの単量体のうち、通常、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等、特にスチレンが使用される。
【0016】
前記芳香族ビニル単量体は、共重合可能な単量体と組み合わせて使用してもよい。共重合可能な単量体としては、例えば、シアン化ビニル系単量体(例えば、アクリロニトリルなど)、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物(例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸又はその酸無水物等)、イミド系単量体[例えば、マレイミド、N−アルキルマレイミド(例えば、N−C1-4アルキルマレイミド等)、N−シクロアルキルマレイミド(例えば、N−シクロヘキシルマレイミドなど)、N−アリールマレイミド(例えば、N−フェニルマレイミドなど)]、アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル等の(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、 (メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2-4アルキルエステル等]等が例示できる。これらの共重合可能な単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。全単量体中の共重合可能な単量体の使用量は、通常、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは8〜30重量%程度の範囲から選択できる。
【0017】
ゴム変性スチレン系樹脂は、共重合(グラフト重合、ブロック重合等)等により、前記ポリスチレン系樹脂で構成されたマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散した重合体であり、通常、ゴム状重合体の存在下、少なくとも芳香族ビニル単量体を、慣用の方法(塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、乳化重合等)で重合することにより得られるグラフト共重合体である。
【0018】
ゴム変性スチレン系樹脂のゴム状重合体としては、例えば、ジエン系ゴム[ポリブタジエン(低シス型又は高シス型ポリブタジエン)、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソブチレン−ブタジエン系共重合ゴム等]、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム(ポリアクリル酸C2-8アルキルエステルを主成分とする共重合エラストマーなど)、エチレン−α−オレフィン系共重合体[エチレン−プロピレンゴム(EPR)など]、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体[エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など]、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、水添ジエン系ゴム(水素化スチレン−ブタジエン共重合体、水素化ブタジエン系重合体等)等が挙げられる。なお、上記共重合体はランダム又はブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック型の構造を有する共重合体等が含まれる。これらのゴム状重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいゴム状重合体は、共役1,3−ジエン又はその誘導体の重合体、特にジエン系ゴム[ポリブタジエン(ブタジエンゴム)、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体等]である。
【0019】
ゴム変性スチレン系樹脂において、ゴム状重合体の含有量は、例えば、2〜80重量%、好ましくは3〜50重量%、特に好ましくは3〜20重量%(例えば5〜10重量%)程度である。
【0020】
ポリスチレン系樹脂で構成されたマトリックス中に分散するゴム状重合体の形態は、特に制限されず、コア/シェル構造、オニオン構造、サラミ構造等であってもよい。分散相を構成するゴム状重合体の粒子径は、例えば、体積平均粒子径0.05〜30μm、好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.2〜7μm(特に0.5〜5μm)程度の範囲から選択できる。また、ゴム変性スチレン系樹脂において、グラフト率は、5〜150%、好ましくは10〜150%程度である。
【0021】
これらのスチレン系樹脂のうち、ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン(GPPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)等が好ましく、ゴム変性スチレン系樹脂としては、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、α−メチルスチレン変性ABS樹脂、イミド変性ABS樹脂、MBS樹脂等が好ましい。
【0022】
また、スチレン系樹脂は、少なくとも、ゴム変性スチレン系樹脂で構成するのが好ましく、ゴム変性スチレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを組み合わせて使用してもよい。ゴム変性スチレン系樹脂とポリスチレン系樹脂との割合(重量比)は、ゴム変性スチレン系樹脂/ポリスチレン系樹脂=100/0〜50/50(特に、100/0〜60/40)程度である。
【0023】
スチレン系樹脂(グラフト共重合体においてはマトリックスを構成するスチレン系樹脂)の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜500,000、さらに好ましくは100,000〜500,000程度である。
【0024】
スチレン系樹脂の溶融時のメルトフローレートは、200℃、荷重5.0kgで1〜10g/10分、好ましくは1〜5g/10分の範囲から選択できる。
【0025】
[(B)環状ポリオレフィン系樹脂]
環状ポリオレフィン系樹脂は主鎖に環状オレフィン単位を有する。環状オレフィンとしては、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、シクロアルキニレン、多環状オレフィン等が挙げられる。
【0026】
シクロアルキレンとしては、例えば、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン等のC3-10シクロアルキレン又はこれらの誘導体等が挙げられる。
【0027】
シクロアルケニレンとしては、例えば、シクロプロペニレン、シクロブテニレン、シクロペンテニレン、シクロヘキセニレン、シクロオクテニレン等のC3-10シクロアルケニレン又はこれらの誘導体等が挙げられる。
【0028】
シクロアルキニレンとしては、例えば、シクロプロピニレン、シクロブチニレン、シクロペンチニレン、シクロヘキシニレン、シクロオクチニレン等のC3-10シクロアルキニレン又はこれらの誘導体等が挙げられる。
【0029】
多環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジシクロヘプタジエン、テトラシクロドデセン、ヘキサシクロヘプタデセン又はこれらの誘導体等が挙げられる。
【0030】
前記誘導体としては、C1-5アルキル置換体、C2-5アルキリデン置換体、C1-5アルコキシ置換体、C2-5アシル置換体、ハロゲン置換体、カルボキシル置換体等が挙げられる。
【0031】
これらの環状オレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0032】
環状ポリオレフィン系樹脂は、前記環状オレフィンの単独重合体でもよいが、環状オレフィンと共重合可能な単量体との共重合体でもよい。共重合可能な単量体としては、オレフィン系単量体、ビニル系単量体等が挙げられる。
【0033】
オレフィン系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、アレン、1−ブテン、ブタジエン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の直鎖状C2-10オレフィン、イソブテン、イソプレン等の分岐鎖状C3-6オレフィン等が挙げられる。これらのうち、直鎖状C2-6オレフィン(α−オレフィン)が好ましい。
【0034】
ビニル系単量体としては、例えば、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ハロゲン含有ビニル単量体、(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
【0035】
ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のC1-4アルキルビニルエーテル等が挙げられる。ハロゲン含有ビニル系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸C1-10アルキル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル等)、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
【0036】
これらの共重合可能な単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0037】
環状オレフィンと共重合可能な単量体との割合(モル比)は、環状オレフィン/共重合可能な単量体=100/0〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは60/40〜20/80程度である。
【0038】
環状オレフィンの単独又は共重合体としては、例えば、下記式(1)〜(5)で表される重合体、特に、下記式(1)又は(2)で表される重合体が例示できる。
【0039】
【化1】
【0040】
(式中、R1〜R5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシル基、アルコキシル基、カルボキシル基又はアルキリデン基を表し、Xは0以上の整数、Yは自然数を表す)
【0041】
環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度は、60〜160℃程度であり、用途や成形温度に応じて、この範囲から適宜選択できる。例えば、(A)成分のガラス転移温度以上の環状ポリオレフィン系樹脂を用いた場合、耐熱性及び成形性に優れるとともに、剛性及び耐衝撃性に優れる熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。一方、(A)成分のガラス転移温度未満の環状ポリオレフィン系樹脂を用いた場合、低温成形性が高く、成形サイクルも短いため、容器などを成形するためのシートを得る上で有用な熱可塑性樹脂を得ることができる。
【0042】
環状ポリオレフィン系樹脂の溶融時のメルトフローレートは、260℃、荷重2.16kgで1〜50g/10分、好ましくは10〜40g/10分の範囲から選択できる。
【0043】
(A)成分と(B)成分との割合(重量比)は、(A)/(B)=99/1〜40/60、好ましくは(A)/(B)=95/5〜45/55、さらに好ましくは(A)/(B)=90/10〜50/50(例えば、85/15〜60/40)程度である。
【0044】
[(C)熱可塑性エラストマー]
熱可塑性エラストマーとしては、軟質相(軟質ブロック又はセグメント)と硬質相(硬質ブロック又はセグメント)とで構成された種々のエラストマーが使用でき、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー(例えば、軟質相がエチレン−プロピレンゴムやエチレン−プロピレン−ジエンゴムで構成され、硬質相がポリエチレンやポリプロピレンで構成されたエラストマーなど)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(例えば、軟質相が脂肪族ポリエーテルやポリエステルで構成され、硬質相がアルキレンテレフタレートやアルキレンナフタレートで構成されたエラストマーなど)、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(例えば、軟質相が脂肪族ポリエーテルやポリエステルで構成され、硬質相が短鎖グリコールのポリウレタン単位で構成されたエラストマーなど)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(例えば、軟質相が脂肪族ポリエーテルやポリエステルで構成され、硬質相がポリアミド単位で構成されたエラストマーなど)等が挙げられる。熱可塑性エラストマーの分子構造は、特に制限されず、トリブロック共重合体、星型ブロック共重合体、マルチブロック共重合体、グラフト共重合体、イオン架橋重合体等であってもよい。
【0045】
これらの熱可塑性エラストマーは、少なくとも(A)成分に対する相溶性を改善するため、(A)成分と共通する構成単位(又は構成ブロック、セグメント)を有するのが、特に、(A)成分及び(B)成分に対する相溶性を向上させるため、(A)成分と共通する構成単位及び(B)成分と共通する構成単位を有するのが好ましい。例えば、(A)成分がスチレン系樹脂の場合には、スチレン系熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン−ジエン系ブロック共重合体など)が好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーは、軟質相が、ポリブタジエン、ポリイソプレン又はそれらの水添物で構成され、硬質相がポリスチレンで構成される。
【0046】
スチレン−ジエン系ブロック共重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)などのスチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SEPS)等が例示できる。これらのスチレン−ジエン系ブロック共重合体のうち、特に、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましく用いられる。ブロック共重合体において、末端ブロックは、スチレン又はジエンのいずれで構成してもよい。
【0047】
(C)成分において、軟質相と硬質相との割合(重量比)は、軟質相/硬質相=80/20〜10/90、好ましくは70/30〜25/75、さらに好ましくは65/35〜50/50程度である。
【0048】
本発明においては、(C)成分中の軟質相の割合が重要である。例えば、耐衝撃性の改良には、(C)成分の使用量によって軟質相を増加させるよりも、(C)成分中の軟質相の割合によって軟質相を増加させる方が、耐衝撃性を有効に向上することができる。特に、(C)成分中の軟質相の割合が、軟質相/硬質相=65/35〜50/50、好ましくは65/35〜55/45の範囲にあると、耐衝撃性は良好となる。
【0049】
(C)成分の割合は、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、0.5〜15重量部、好ましくは2〜15重量部、さらに好ましくは5〜15重量部程度である。(B)成分と(C)成分との割合(重量比)は、(B)/(C)=30/70〜95/5、好ましくは40/60〜95/5、さらに好ましくは50/50〜90/10程度であり、通常、60/40〜95/5程度である。
【0050】
本発明においては、特定の(C)成分を特定の割合で用いることにより、非相溶である(A)成分と(B)成分との親和性を高め、(A)成分及び(B)の各長所を損なうことなく、逆に、相乗的に高めた樹脂組成物を製造できる。
【0051】
[熱可塑性樹脂組成物]
熱可塑性樹脂組成物は、(A)〜(C)成分の粉粒体の混合物であってもよく、(A)〜(C)成分を混練して調製してもよい。混練には、慣用の方法を用いることができ、例えば、各成分をヘンシェルミキサーやリボンミキサーで乾式混合し、単軸や2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の慣用の溶融混合機に供給して溶融混練することができる。スチレン系樹脂組成物は、ペレットの形態であってもよい。
【0052】
熱可塑性樹脂組成物のガスバリア性(特に、水蒸気バリア性)を向上させるためには、少なくとも(B)成分が連続相構造するのが有利である。具体的には、(A)成分と(B)成分とが共(両)連続相構造を形成してもよいし、(A)成分と(B)成分とが海島構造を形成し、かつ(B)成分がマトリックス相であってもよい。本発明では、熱可塑性樹脂組成物が前記構造を形成するため、(B)成分の割合が少なくても、水蒸気バリア性が優れるとともに、耐衝撃性や実用的な容器強度を有し、かつ容器成形性にも優れる。
【0053】
共(両)連続層構造とは、(A)成分と(B)成分とが、シートのMD方向(シートの流れ方向)及びTD方向(MD方向に直交する方向)のいずれの方向においても、(A)成分(特にスチレン系樹脂層)の相と(B)成分の相とが、粒子や繊維状のような互いに独立した状態で存在しているのではなく、両相が網目状に互いに連なった状態で混在した相構造、すなわち組成物中で(A)成分と(B)成分とが、三次元的網目構造(連続構造)を有している構造である。なお、少なくとも網目構造を有していればよく、一部は海島構造であってもよい。
【0054】
海島構造とは、シートのMD方向及びTD方向のいずれの方向においても、一方の成分が海(マトリックス相)で他方の成分が島(分散相)を形成している構造である。
【0055】
少なくとも(B)成分が連続相構造を形成するためには、両成分の割合(重量比)は、(A)/(B)=90/10〜50/50(特に、80/20〜50/50)程度であるのが好ましい。
【0056】
熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、着色剤、分散剤、離型剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤等)、難燃剤、滑剤、充填剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
【0057】
熱可塑性樹脂組成物には、衛生感を高めるため、白色着色剤(例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン(チタン白)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポン、硫酸バリウム等)、特に、酸化チタンを添加してもよい。酸化チタンを添加すると、光や紫外線に対する遮蔽性、衛生感を高めることができる。これらの白色着色剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。白色着色剤は、(A)〜(C)成分の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜20重量部(例えば、3〜15重量部)程度配合してもよい。また、白色着色剤とともに、青色着色剤、緑色着色剤、黒色着色剤等を併用してもよい。特に、酸化チタンとカーボンとを併用すると、さらに光線に対する遮蔽性を向上できる。
【0058】
[成形方法]
熱可塑性樹脂組成物は、成形性にも優れている。熱可塑性樹脂シートの製造方法は、特に制限されず、樹脂組成物を、通常の押出機に供給し、溶融混練してダイ(フラット状、T状(Tダイ)、円筒状(サーキュラダイ)等)から押出して成形できる。シートは、延伸(一軸延伸や二軸延伸等)してもよいが、通常、押し出し方向にドロー(引取り)を作用させた未延伸シートである。また、必要により、発泡剤(化学発泡剤やガス)によって、発泡押出してもよい。
【0059】
なお、シートは、単層シートであってもよく、複数の層で構成された積層シートであってもよい。積層シートは、少なくとも一方の表層又は内層に、本発明の熱可塑性樹脂組成物で構成された層を形成した積層シートであってもよい。このような積層シートとしては、例えば、二層構造の積層シート、二種三層の積層シートや三種五層の積層シート等が挙げられる。積層シートの材質は、成形性、耐衝撃性を損なわない限り、特に限定されないが、例えば、(A)成分と同種の熱可塑性樹脂で形成された樹脂層や(B)成分と同種の環状ポリオレフィン系樹脂で形成された樹脂層と、本発明の熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂層との積層シートであってもよい。
【0060】
積層シートは、共押出法、ヒートラミネーションやドライラミネーション等の方法により調製でき、必ずしも接着剤を必要としない。
【0061】
熱可塑性樹脂シート全体の厚みは、0.1〜3mm、好ましくは0.1〜2.5mm(例えば、0.1〜2mm)、さらに好ましくは0.2〜1.5mm(例えば、0.2〜1mm)程度であってもよい。
【0062】
このようにして得られたシートは、例えば、自由吹込成形、真空成形、折り曲げ加工、圧空成形、マッチモールド成形、熱板成形等の慣用の熱成形などで二次成形することができる。シートは、必要により発泡していてもよい。
【0063】
本発明の熱可塑性樹脂組成物及びシートは、耐熱性、剛性、耐衝撃性、外観、ガスバリア性(特に、水蒸気バリア性)及び成形性に優れる。そのため、各種用途に使用することができ、例えば、容器などの二次成形品として使用することができる。容器としては、飲料などの液体充填用容器、食品用容器、薬品用容器、オーブンや電子レンジ用容器、熱湯を注ぐタイプの容器(例えば、インスタント食品用容器など)、油脂分を含む食品(例えば、餃子などの油脂含有食品の他、油脂分が滲出する魚貝類などの食品等)用容器、加熱殺菌に供される容器、非加熱容器等に使用することができる。容器は、被収容体を収容するための凹部を有する容器本体だけでなく、蓋体を含んでいてもよい意味に用いる。蓋体は、容器本体に対して、開閉可能である限り、取り外し可能であってもよく、ヒンジ方式に結合していてもよい。また、蓋体は、ガスバリア性の高い金属箔(アルミニウム箔など)及び/又はフィルムで構成されたシーラントで形成してもよい。
【0064】
さらに、本発明の容器は、特に、優れた水蒸気バリア性を有するため、液状(ミルクシロップなど)又はゲル状物質(ゼリー、豆腐等)を密封して充填するための容器(例えば、ミルクポーション容器など)に好ましく用いることができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明では、耐熱性及び成形性に優れるとともに、剛性及び耐衝撃性に優れる熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。また、低温成形性が高く、成形サイクルも短いため、容器などを成形するためのシートを得る上で有用な熱可塑性樹脂を得ることができる。さらに、水蒸気バリア性に優れる熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0066】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。なお、実施例における各評価項目の評価方法、及び用いた各成分の内容は以下の通りである。
【0067】
[引張弾性率]
引張試験機を用いて、JIS K 7127に準じて、シートのMD方向及びTD方向の引張弾性率を測定した。
【0068】
[Dupont衝撃強度]
JIS K 7211に準じて、シート厚み0.55mmのシートの衝撃強度を測定した。
【0069】
[低温成形性]
シートを真空圧空成形機(浅野研究所(株)製)にかけ、円柱状容器(開口部直径35mm×底部直径35mm×深さ45mm)に成形できる温度を測定し、以下の基準で評価した。
【0070】
○(良):110℃未満
△(やや良):110℃以上120℃未満
×(不良):120℃以上
【0071】
[容器耐熱性]
シートを真空圧空成形機(浅野研究所(株)製)にかけ、円柱状容器(開口部直径35mm×底部直径35mm×深さ45mm)に成形し、15mmの水を入れて、電子レンジ(500W)で2分間加熱し、変形の程度を以下の基準で評価した。
【0072】
○(良):変形しなかった
△(やや良):底部がやや変形した
×(不良):容器全体が収縮し、変形した。
【0073】
[水蒸気バリア性]
JIS K 7129に準じて、40℃、90%RH条件下でのシート(厚み0.3mm)の水蒸気バリア性を測定した。
【0074】
[容器成形性]
シートを単発真空成形機(浅野研究所(株)製)により、開口部径90mm、底部径80mm、高さ50mmのカップ状の容器を成形した。容器底部のコーナー部の破れや側面の偏肉、外観を観察し、以下の基準で評価した。
【0075】
○:容器底部のコーナー部の破れや側面の偏肉がなく、外観も良好
△:容器底部のコーナー部の破れや側面の偏肉がないが、外観は不良(表面が不均一に凹凸あり)
×:容器底部のコーナー部の破れや側面の偏肉が目立ち、外観も不良(表面が不均一に凹凸あり)。
【0076】
[各成分の略号及び詳細]
HIPS:ダイセル化学工業(株)製、ダイセルスチロールS85
GPPS:ダイセル化学工業(株)製、ダイセルスチロール31N
環状PO−1:ノルボルネンの付加重合体(三井化学(株)製、アペルAPL6509、ガラス転移温度80℃)
環状PO−2:ノルボルネンの開環重合体(日本ゼオン(株)製、ゼオノア1420、ガラス転移温度140℃)
SB−1:スチレン/ブタジエン=43/57(重量比)のスチレン−ブタジエンブロック共重合体(JSR(株)製、TR2003)
SB−2:スチレン/ブタジエン=30/70(重量比)のスチレン−ブタジエンブロック共重合体(フィリップス(株)製、KK38)。
【0077】
実施例1〜7及び比較例1〜4
表1及び表2に示す割合で各成分をタンブラーを用いてドライブレンドした後、直径65mmの一軸押出機(L/D=32)によって、シリンダー温度210℃で溶融混練した後、T−ダイより、ダイ温度210℃でシート状に押し出した。このシート状物を、冷却ロールによって冷却して、厚さ約0.55mmのシートを製造した。得られたシートの評価結果を表1及び表2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
表1の結果より、実施例1〜4では、剛性、耐衝撃性及び低温成形性が優れるが、比較例1及び2は、低温成形性が劣る。表2の結果より、実施例5〜7では、剛性、耐衝撃性及び容器耐熱性が優れるが、比較例3では、耐衝撃性及び容器耐熱性が劣り、比較例4は、容器耐熱性が劣る。
【0081】
実施例8
以下に示す配合で、実施例1と同様に、シートを成形し、Dupont衝撃強度を測定した。その結果を図1に示す。グラフの横軸は、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対する、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(以下、「SB」と略する)中のゴム成分の割合であり、縦軸は衝撃強度である。なお、HIPSのみで構成されたシート(厚さ0.55mm)の衝撃強度は、0.75N・mであった。
【0082】
(配合−1)
HIPS及び環状PO−1の合計100重量部[HIPS/環状PO−1=90/10(重量比)]に対して、SB−1(ゴム含量57重量%)を2重量部、5重量部、10重量部配合した。
【0083】
(配合−2)
HIPS及び環状PO−1の合計100重量部[HIPS/環状PO−1=70/30(重量比)]に対して、SB−1(ゴム含量57重量%)を5重量部配合した。
【0084】
(配合−3)
HIPS及び環状PO−1の合計100重量部[HIPS/環状PO−1=90/10(重量比)]に対して、SB−2(ゴム含量30重量%)を3.8重量部、9.5重量部、19重量部配合した。
【0085】
(配合−4)
HIPS及び環状PO−1の合計100重量部[HIPS/環状PO−1=70/30(重量比)]に対して、SB−2(ゴム含量30重量%)を9.5重量部配合した。
【0086】
図1の結果より、(A)成分及び(B)成分を含む組成物に対するゴム成分の割合は同じでも、SB中のゴム成分が多い配合−1及び配合−2の方が、耐衝撃性に優れる。なお、この傾向は、ゴム成分の割合が増加するほど、顕著である。
【0087】
実施例9〜14及び比較例5〜7
表3及び表4に示す割合で各成分をタンブラーを用いてドライブレンドした後、直径65mmの一軸押出機(L/D=32)によって、シリンダー温度210℃で溶融混練した後、T−ダイより、ダイ温度210℃でシート状に押し出した。このシート状物を、冷却ロールによって冷却して、厚さ約0.55mmのシートを製造した。得られたシートの評価結果を表3及び表4に示す。なお、実施例9及び実施例14のシートのTD方向断面の電子顕微鏡写真(5000倍)の模写図を図2及び図3に示す。
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
表3の結果より、実施例9〜14では、剛性、耐衝撃性、水蒸気バリア性及び容器成形性が優れる。これに対して、表4の結果より、比較例5及び6では、特に、耐衝撃性及び水蒸気バリア性が劣り、比較例7では、特に、剛性及び容器成形性が劣る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例8において、スチレン−ブタジエンブロック共重合体中のゴム成分の含量と衝撃強度との関係を表したグラフである。
【図2】図2は、実施例9のシートのTD方向断面の電子顕微鏡写真(5000倍)に基づく模写図である。
【図3】図3は、実施例14のシートのTD方向断面の電子顕微鏡写真(5000倍)に基づく模写図である。
Claims (18)
- (A)スチレン系樹脂、(B)環状ポリオレフィン系樹脂及び(C)スチレン系熱可塑性エラストマーを含む樹脂組成物。
- (C)成分が、少なくとも(A)成分と共通する構成単位を含む請求項1記載の樹脂組成物。
- (C)成分が、軟質ブロックと硬質ブロックとで構成され、軟質ブロックと硬質ブロックとの割合(重量比)が、軟質ブロック/硬質ブロック=80/20〜10/90である請求項1記載の樹脂組成物。
- (C)成分において、軟質ブロックと硬質ブロックとの割合(重量比)が、軟質ブロック/硬質ブロック=70/30〜25/75である請求項3記載の樹脂組成物。
- (C)成分が、スチレン−ジエン系ブロック共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
- (A)成分と(B)成分との割合(重量比)が、(A)/(B)=99/1〜40/60である請求項1記載の樹脂組成物。
- (C)成分の割合が、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、0.5〜15重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
- (C)成分の割合が、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、2〜15重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
- (B)成分と(C)成分との割合(重量比)が、(B)/(C)=30/70〜95/5である請求項1記載の樹脂組成物。
- (A)スチレン系樹脂、(B)環状ポリオレフィン系樹脂及び(C)スチレン−ジエン系ブロック共重合体を含む組成物であって、(A)成分と(B)成分との割合(重量比)が、(A)/(B)=99/1〜50/50であり、(C)成分の割合が、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、2〜15重量部であり、かつ(C)成分において、ジエンブロックとスチレンブロックとの割合(重量比)が、ジエンブロック/スチレンブロック=70/30〜25/75である樹脂組成物。
- 少なくとも(B)成分が連続相構造を形成する請求項1記載の樹脂組成物。
- (A)成分と(B)成分とが共連続相構造を形成する請求項1記載の樹脂組成物。
- (A)成分と(B)成分とが海島構造を形成し、かつ(B)成分がマトリックス相である請求項1記載の樹脂組成物。
- (A)成分と(B)成分との割合(重量比)が、(A)/(B)=90/10〜50/50である請求項11記載の樹脂組成物。
- さらに、(D)酸化チタンを(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して0.1〜30重量部を含む請求項1記載の樹脂組成物。
- 請求項1記載の樹脂組成物で形成されたシート。
- 請求項16記載のシートで形成された容器。
- 液状又はゲル状物質を密封して充填するために用いられる請求項17記載の容器。
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