JP3405863B2 - 易引裂き性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

易引裂き性フィルムおよびその製造方法

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JP3405863B2
JP3405863B2 JP22716795A JP22716795A JP3405863B2 JP 3405863 B2 JP3405863 B2 JP 3405863B2 JP 22716795 A JP22716795 A JP 22716795A JP 22716795 A JP22716795 A JP 22716795A JP 3405863 B2 JP3405863 B2 JP 3405863B2
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慎一郎 今西
克彦 隅田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開封性および透明
性の高い包装材料などとして利用できる易引裂き性フィ
ルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】包装材料としてのフィルムには、用途に
よって、バリア性、機械的強度、耐熱性、引裂き性など
の種々の特性が要求される。さらに、このような包装用
フィルムには、内容物の視認性を高めるため、高い透明
性が要求される場合が多い。前記フィルムとして、種々
のポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ナイロンなどが使用され、各ポリマーに
応じた特性がフィルムに付与されている。しかし、ポリ
マー単独では付与できる特性に限界があり、延伸処理、
コロナ放電処理、複数のポリマー層の積層や被覆による
複合化が検討されている。例えば、ポリプロピレンやポ
リエチレンを延伸処理することにより、フィルムに引裂
き性を付与している。しかし、延伸により、フィルムに
引裂き性を付与する方法では、延伸操作が必要になりコ
スト高となるだけでなく、延伸装置の構成(例えば、延
伸ロール幅)やその操作性の点から、フィルムの幅が制
約される。また、延伸フィルムはヒートシールにより熱
収縮して皺を発生し、包装体の外観を損ねる。そのた
め、未延伸であっても高い引裂き性を有するフィルムの
開発が要望されている。
【0003】一方、互いに非相溶又は親和性の低い複数
の樹脂を組み合わせたポリマーアロイフィルムは、それ
ぞれ単独のポリマーフィルムに比較して、水蒸気バリア
性、強度、耐熱性、引裂き性などの特性を改善できる場
合がある。そのため、ポリマーアロイを利用した複合化
フィルムについて種々の検討がなされている。例えば、
特開平1−153733号公報には、直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)と、このLLDPEに対して非
相溶であり、溶解度係数9.0以上の熱可塑性樹脂と
を、前者/後者=99/1〜80/20の割合で含む樹
脂組成物を、溶融押し出しすることにより引裂き容易な
フィルムを製造する方法が開示されている。この方法で
得られたフィルムは、直鎖状低密度ポリエチレンの割合
が大きいため、ヒートシール性が高いものの、耐熱性、
透明性および引裂き性が低い。
【0004】特開平4−19137号公報には、互いに
非相溶で融点差の大きな2種類以上の異種の樹脂組成
物、例えば、低融点のポリオレフィンと、ナイロン、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの高
融点樹脂とを含む樹脂組成物を押し出し成形し、基材と
積層することにより易引裂き性積層フィルムを得ること
が開示されている。この方法で引裂き性を高めるために
は、融点差の大きな樹脂を使用する必要があり、樹脂の
種類が限定される。また、好ましい組み合わせの樹脂組
成物(例えば、ナイロンとポリオレフィンとの組み合わ
せ)で得られるポリマーアロイフィルムは、引裂き性が
高いものの、曇度(ヘイズ)が高く、全光線透過率が低
下し、不透明である。そのため、包装材料として用いる
と、内容物を視認できず、用途が大きく制限される。
【0005】さらに、特開平6−220220号公報に
は、互いに非相溶の二種以上の熱可塑性樹脂を含む組成
物で形成された易引裂き性フィルムが開示されている。
この文献には、熱可塑性樹脂として、オレフィン系樹
脂、スチレン系重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リカーボネートなどが記載され、スチレン系高分子とポ
リエステルとの組み合わせ、スチレン系重合体とオレフ
ィン系重合体との組み合わせ、オレフィン系重合体とポ
リアミドとの組み合わせが好ましいと記載されている。
さらに、前記文献には、透明性の高いスチレン系重合体
とポリエステルとを組み合わせると、透明性の高いフィ
ルムが得られることも開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、引裂き性が高いだけでなく、透明性に優れる易引裂
き性フィルムおよびその製造方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、延伸処理することなく、一方
向に直線的に容易に引裂き可能な易引裂き性フィルムお
よびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討の結果、ポリカーボネート、
ポリエステルおよびスチレン系重合体を組み合わせる
と、高い易引裂き性だけでなく優れた透明性を有するフ
ィルムが得られること、ポリカーボネートの割合を大き
くすると、さらに透明性などが改善されることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の易引裂き性フィルム
は、ポリカーボネート(A)、ポリエステル(B)及び
スチレン系重合体(C)を含む樹脂組成物で形成されて
いる。このフィルムにおいて、前記各ポリマー成分
(A)(B)及び(C)の割合は、例えば、下記の通り
である。 (A)/(B)=5/95〜95/5(重量比) [(A)+(B)]/(C)=50/50〜97/3
(重量比) 樹脂組成物はさらに相溶化剤を含んでいてもよい。この
相溶化剤は変性スチレン系樹脂などであってもよく、相
溶化剤の含有量は、ポリカーボネート(A)、ポリエス
テル(B)及びスチレン系重合体(C)の総量100重
量部に対して0.1〜30重量部であってもよい。この
ようなフィルムは、各ポリマー成分が互いに非相溶であ
るにも拘らず、透明性が高く、例えば、JIS K 7
105に準じて測定した全光線透過率は、75%以上で
ある。易引裂き性フィルムは、ポリカーボネート
(A)、ポリエステル(B)及びスチレン系重合体
(C)を含む樹脂組成物で形成されたフィルムが、基材
に積層されている易引裂き性積層フィルムであってもよ
い。本発明の方法では、ポリカーボネート(A)、ポリ
エステル(B)及びスチレン系重合体(C)を含む樹脂
組成物を、延伸することなく押出し成形することによ
り、易引裂き性フィルムを製造する。なお、本明細書に
おいて、用語「相溶」「相溶化剤」は、当業界で使用さ
れている用語「相容」「相容化剤」と同義に用いる。
【0009】
【発明の実施の形態】ポリカーボネート(A)には、ジ
ヒドロキシ化合物と、ホスゲンまたは炭酸エステル(ジ
フェニルカーボネートなど)との反応により得られる重
合体が含まれる。ジヒドロキシ化合物は脂環族化合物な
どであってもよいが、好ましくは芳香族化合物、特にビ
スフェノール化合物である。
【0010】ビスフェノール化合物としては、例えば、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2、2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)4−メチ
ルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3メチル
フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
secブチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィドなどが挙げられる。これらのビ
スフェノール化合物は単独で又は二種以上組み合わせて
反応に供してもよい。好ましいポリカーボネートには、
ビスフェノールA型ポリカーボネートなどが含まれる。
【0011】ポリカーボネート(A)の分子量は、フィ
ルム成形可能な範囲であればよく、例えば、重量平均分
子量1×104 〜20×104 、好ましくは1×104
〜10×104 程度である。
【0012】ポリエステル(B)には、テレフタル酸を
主成分とするジカルボン酸とアルキレングリコールを主
成分とするジオール成分とのポリエステルが含まれ、ア
ルキレンテレフタレート単位を65モル%以上、好まし
くは75〜100モル%以上、さらに好ましくは80〜
100モル程度含んでいる。
【0013】テレフタル酸以外のジカルボン酸成分に
は、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸など
の脂環族ジカルボン酸;イソフタル酸、フタル酸、無水
フタル酸、p−β−エトキシ安息香酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、ジ(p−カルボキシフェニル)エタ
ン、ジ(p−カルボキシフェニル)エーテル、ビス(4
−カルボキシフェニル)ケトン、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられ
る。これらのジカルボン酸成分は一種または二種以上で
使用できる。
【0014】テレフタル酸の使用量は、ジカルボン酸成
分全体の65モル%以上、好ましくは75〜100モ
ル、さらに好ましくは80〜100モル以上であり、テ
レフタル酸を単独で使用する場合が多い。テレフタル酸
と他のジカルボン酸とを組み合わせる場合、テレフタル
酸は芳香族ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸)など
と組み合わせて使用する場合が多い。
【0015】ジオール成分としては、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリ
コール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールな
どの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジオール、1,4
−ジメチロールシクロヘキサンなどの脂環族ジオール、
ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、ビスフェノー
ルAのアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサ
イド付加物)などが挙げられる。これらのジオール成分
は一種または二種以上使用できる。
【0016】好ましいジオール成分には直鎖状脂肪族ジ
オール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1、4−ブタンジオ
ールなど)、脂環族ジオール(例えば、1,4−ジメチ
ロールシクロヘキサンなど)などが含まれる。特に好ま
しいジオール成分は、少なくともエチレングリコール及
び/又は1,4−ブタンジオールを含んでおり、その量
はジオール成分全体の65モル%以上、好ましくは75
〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%
程度である。ジオール成分としては、エチレングリコー
ル又は1,4−ブタンジオールを単独で使用する場合が
多い。
【0017】なお、前記ジカルボン酸成分およびジオー
ル成分に代えて、p−オキシ安息香酸などのオキシカル
ボン酸成分を使用してもよい。また、エステル化反応に
際しては、ジカルボン酸性分に代えて、対応するジカル
ボン酸低級アルキルエステル(例えば、メチルエステル
等)を使用してもよい。
【0018】好ましいポリエステルには、テレフタル酸
単位を含むポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4
−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート)、エチ
レンテレフタレート単位やブチレンテレフタレート単位
を主たる構成単位として含むコポリエステルなどが含ま
れる。特に、ポリアルキレンテレフタレート、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、1,4−ブタンジオール
とテレフタル酸とのエステル化による単位(ブチレンテ
レフタレート単位)を含むポリアルキレンテレフタレー
ト(例えば、ポリブチレンテレフタレートホモポリマ
ー、テレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換したポリ
ブチレンテレフタレート共重合体)が好ましい。ポリア
ルキレンテレフタレートとしては、ポリエチレンテレフ
タレートやポリブチレンテレフタレートを用いる場合が
多い。
【0019】ポリエステル(B)の分子量は、例えば、
重量平均分子量1×104 〜100×104 、好ましく
は2×104 〜50×104 程度である。
【0020】スチレン系重合体(C)には、スチレン系
単量体の単独または共重合体(1)、スチレン系単量体
と共重合性単量体との共重合体(2)が含まれる。これ
らのスチレン系重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重
合、乳化重合などの方法により、ラジカル重合反応又は
イオン重合反応などいずれの反応によって得られる重合
体であってもよい。スチレン系単量体には、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ク
ロロスチレンなどが含まれる。好ましいスチレン系単量
体はスチレン、α−メチルスチレンなどである。スチレ
ン系単量体と共重合可能な共重合性単量体には、種々の
ビニル単量体、例えば、(メタ)アクリル系単量体
[(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル
(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ルなど)、(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニト
リルなど]、マレイン酸やフマル酸又はそれらの誘導体
[例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなど
のエステル、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N
−(4−メチルフェニル)マレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド
などのN−置換マレイミドなど]、ジエン(例えば、イ
ソプレン、ブタジエンなど)などが含まれる。これらの
共重合性単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。
【0021】好ましい共重合性単量体には、例えば、
(メタ)アクリル系単量体[(メタ)アクリル酸、アル
キル部分の炭素数が1〜4程度の(メタ)アクリル酸エ
ステル、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル]、マ
レイン酸又はその誘導体[無水マレイン酸、マレイミド
又はその誘導体(マレイミド、N−フェニルマレイミド
などのN−置換マレイミドなど)など]、ジエン(ブタ
ジエンなど)などが含まれる。
【0022】好ましいスチレン系重合体には、透明性の
高いスチレン系樹脂、例えば、スチレン系単量体の単独
又は共重合体[例えば、ポリスチレン(GPPS)、α
−メチルスチレン−スチレン共重合体など]、スチレン
系単量体と(メタ)アクリル系単量体との共重合体[例
えは、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体(MAS樹脂)、α−
メチルスチレン−スチレン−メタクリル酸メチル、スチ
レン−アクリルニトリル共重合体(AS樹脂)など]、
スチレン系単量体とマレイン酸又はその誘導体との共重
合体[例えば、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ス
チレン−マレイミド共重合体、スチレン−N−フェニル
マレイミド共重合体などのスチレンとマレイミド又はそ
の誘導体との共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸
エステル−N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン
−N−フェニルマレイミド−無水マレイン酸共重合体な
ど]、スチレン系単量体と(メタ)アクリル系単量体と
マレイン酸又はその誘導体との共重合体[例えば、スチ
レン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体な
ど]などが含まれる。
【0023】スチレン系重合体(C)の分子量は、フィ
ルム形成可能な範囲で選択でき、例えば、重量平均分子
量1×104 〜100×104 、好ましくは2×104
〜50×104 (例えば、5×104 〜25×104
程度である。
【0024】本発明の特色は、前記ポリカーボネート
(A)、ポリアルキレンテレフタレートなどのポリエス
テル(B)およびスチレン系重合体(C)を組み合わせ
ることにより、フィルムの引裂き性だけでなく、透明性
を大きく改善する点にある。すなわち、本発明のフィル
ムにおいては、ポリカーボネート及びポリエステルに対
して、スチレン系重合体が非相溶であるにも拘らず、高
い透明性が得られると共に、引裂き強度を大きく低減で
きる。スチレン系重合体(C)のうち、特にポリスチレ
ン、アクリルニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)
などの透明性の高いスチレン系重合体を、ポリカーボネ
ート及びポリエステルと組み合わせると、フィルムの透
明性をさらに高める上で有利である。
【0025】本発明のフィルムを構成する樹脂組成物に
おいて、ポリカーボネート(A),ポリエステル(B)
およびスチレン系重合体(C)の割合(重量比)は、引
裂き性および透明性を損わない広い範囲で選択でき、例
えば、次の通りである。 (A)/(B)=5/95〜95/5、好ましくは2
0/80〜90/10(例えば、25/75〜90/1
0)、より好ましくは35/65〜85/15(例え
ば、40/60〜85/15)程度 なお、ポリカーボネート(A)とポリエステル(B)と
は溶融混練過程で均一な相を形成するようである。その
ため、ポリマー成分(A)(B)の割合は広い範囲で選
択できる。
【0026】[(A)+(B)]/(C)=50/5
0〜97/3()、好ましくは60/40〜95/5
(例えば、60/40〜90/10)、より好ましくは
70/30〜90/10程度 前記樹脂組成物において、ポリマー成分(A)及び
(B)の合計量が50重量%未満であると、スチレン系
重合体(C)が連続相を形成しやすく、フィルムが脆く
なり加工性が低下すると共に、透明性も低下し易く、9
7重量%を越えると、引裂き性が低下し、直線的に引裂
くことが困難になる場合が多い。
【0027】なお、樹脂組成物全体に対する各ポリマー
成分の割合は、例えば、次の通りである。 ポリマー成分(A)=20〜80重量%、好ましくは3
0〜70重量%程度 ポリマー成分(B)= 5〜60重量%、好ましくは1
0〜50重量%程度 ポリマー成分(C)= 5〜50重量%、好ましくは1
0〜30重量%程度 このような樹脂組成物を用いて得られたフィルムではポ
リカーボネート(A)、ポリエステル(B)で形成され
た連続相中にスチレン系重合体(C)が分散しているよ
うである。
【0028】なお、前記樹脂組成物には、透明性を損な
わない範囲で、スチレン系エラストマーを添加してもよ
い。このようなスチレン系エラストマーとしては、例え
ば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・
ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチ
レン・プロピレン−スチレンブロック共重合体、アクリ
ロニトリル−スチレン−ブタジエングラフト共重合体な
どが挙げられる。これらの共重合体は、無水マレイン
酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステ
ル、グリシジル(メタ)アクリレートなどにより変性さ
れていてもよい。スチレン系エラストマーを前記樹脂組
成物に添加すると、フィルムの機械的強度を高め、脆さ
を改善できる場合が多い。スチレン系エラストマーの添
加量は、例えば、ポリカーボネート(A)、ポリエステ
ル(B)およびスチレン系重合体(C)の総量100重
量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30
重量部程度の範囲から選択でき、2〜15重量部程度で
ある場合が多い。
【0029】前記ポリカーボネート(A)とポリエステ
ル(B)とは溶融混練過程で均一な相を形成するもの
の、これらのポリマー成分(A)(B)に対してスチレ
ン系重合体(C)は非相溶である。そのため、フィルム
の強度低下やフィルム表層部の剥離が生じたり、外観が
損なわれる場合がある。このような場合、前記樹脂組成
物に相溶化剤(D)を添加するのが有効である。なお、
スチレン系重合体が、スチレン系単量体と共重合性単量
体との共重合体(2)である場合には、相溶化剤は必ず
しも必要ではない場合が多く、スチレン系重合体がスチ
レン系単量体の単独又は共重合体(1)、特にポリスチ
レンなどの単独重合体である場合には、相溶化剤を用い
てポリカーボネートとスチレン系重合体との親和性を高
めてもよい。相溶化剤(D)は、前記非相溶のポリマー
に対して相溶性又は親和性を有する化合物であれば、特
に制限されない。相溶化剤は、ポリカーボネート
(A)、ポリエステル(B)及び/又はスチレン系重合
体(C)の構成単位と同一又は近似する単位を有するポ
リマーを用いる場合が多い。好ましい相溶化剤には、オ
キサゾリン化合物、スチレン系単量体の単位を含む変性
スチレン系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、変性ポリ
カーボネートなどが含まれる。なお、相溶化剤の分子量
は、重量平均分子量100以上、好ましくは300〜5
0×104 、さらに好ましくは500〜10×104
度である場合が多い。
【0030】相溶化剤としての変性スチレン系樹脂に
は、例えば、スチレンなどの前記スチレン系単量体と、
共重合性単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合
体またはこれらの水素添加共重合体などが含まれる。ビ
ニル系単量体には、スチレン系単量体と共重合可能なモ
ノエチレン系単量体、例えば、無水マレイン酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸などのカルボキシル基
を有する共重合性単量体、グリシジル基、ヒドロキシル
基などの官能基を有していてもよい(メタ)アクリル酸
エステル、オキサゾリン基を有するビニル化合物、アク
リロニトリルなどのモノエチレン性単量体などが含まれ
る。これらの共重合性単量体は一種又は二種以上使用で
きる。好ましい共重合性単量体には、ビニルオキサゾリ
ン、グリシジル(メタ)アクリレートなどが含まれる。
変性スチレン形樹脂におけるスチレン系単量体の含有量
は、例えば、50重量%以上、好ましくは70〜98重
量%程度である。変性スチレン系樹脂としては、例え
ば、オキサゾリン変性ポリスチレン、無水マレイン酸変
性ポリスチレン、(メタ)アクリル酸変性ポリスチレ
ン、グリシジル(メタ)アクリレート変性ポリスチレン
などが例示される。好ましい変性スチレン系樹脂には、
オキサゾリン変性ポリスチレン、グリシジル(メタ)ア
クリレート変性ポリスチレンなどが含まれる。
【0031】ポリカプロラクトン系樹脂としては、例え
ば、カプロラクトン単独重合体、カプロラクトン共重合
体、カプロラクトン−ポリスチレンブロック共重合体な
どが挙げられる。変性ポリカーボネートには、例えば、
ビスフェノールC、ビスフェノールADなどのアルキレ
ン鎖が異なるビスフェノールから得られる変性ポリカー
ボネートなどが含まれる。これらの相溶化剤は、ポリカ
ーボネートとポリエステルとスチレン系重合体との組み
合わせに応じて、一種又は二種以上組み合わせて使用で
きる。好ましい相溶化剤には、オキサゾリン化合物,変
性スチレン系樹脂(オキサゾリン変性ポリスチレンな
ど)などが含まれる。
【0032】相溶化剤(C)の使用量は、フィルムの外
観、表層剥離、突き刺し強度などの特性を改善できる範
囲、例えば、ポリカーボネート(A)、ポリエステル
(B)及びスチレン系重合体(C)の総量100重量部
に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20
重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度である。
相溶化剤の使用量が0.1重量部未満では、成形性が低
下する場合があるとともに、前記特性がさほど改善され
ず、30重量部を越えると過剰量となり経済的でないと
ともに、成形性が低下したり、フィルムの引裂き性が低
下する場合がある。
【0033】なお、前記樹脂組成物は、必要に応じて、
フィルムの引き裂性、透明性を損なわない範囲で、種々
の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの耐
熱・耐光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、染顔料、
充填剤などを含んでいてもよい。本発明の易引裂き性フ
ィルムは、引裂き性、透明性を損なわない範囲で、滑性
層、ガスバリア層などのコーティング層やラミネート層
で被覆してもよい。また、フィルムには、コロナ放電処
理、火炎処理、超音波処理、プラズマ処理などの表面処
理を施してもよい。さらに、必要に応じて、引裂き性が
損なわれない範囲で、一軸又は二軸延伸処理し、フィル
ムの引裂き強度、破断強度などの特性を調整してもよ
い。延伸処理において、少なくとも一方向の延伸倍率
は、例えば、1.1〜2.5倍程度の範囲内で適当に選
択できる。
【0034】易引裂き性フィルムの厚みは特に制限され
ず、例えば、5〜100μm、好ましくは5〜70μ
m、さらに好ましくは10〜50μm程度であり、20
〜60μm程度である場合が多い。
【0035】一般に、互いに非相溶の複数の樹脂組成物
で形成されたフィルムは透明性が小さく、引き裂き強度
が小さい。本発明の易引き裂性フィルムの特色は、ポリ
カーボネート及びポリエステルに対してスチレン系重合
体が非相溶であるにも拘らず、引き裂性のみならず、透
明性が高いという特色がある。すなわち、本発明のフィ
ルムは、例えば、JIS K 7105に準じて測定し
た全光線透過率(フィルム厚み:40μm)は、通常、
75%以上(75〜99%程度)、好ましくは80%以
上(例えば、80〜99%程度)、さらに好ましくは8
5%以上(例えば、85〜95%程度)である。そのた
め、パウチ包装や容器包装などの包装材料として利用す
ると、内容物を明瞭に視認できる。
【0036】さらに、本発明のフィルムは、ミシン目や
ノッチを形成したり、高度に延伸することなく、フィル
ムの少なくとも一方の方向、特にフィルムの引取り方向
に裂けやすく、極めて容易に直線的に引裂くことができ
る。すなわち、本発明のフィルムは、一方向へ手で引裂
くとき、初期の引裂き抵抗(引裂き端緒抵抗)のみなら
ず、その後の引裂き伝播抵抗も極めて小さく、切り口に
ひげなどが生じにくい。また、前記特定の方向(特にフ
ィルムの引取り方向)にはシャープに裂け易いものの、
他の方向(特にフィルムの引取り方向に対して直交する
方向)には裂けにくく、実用的な機械的強度を示す。さ
らに、延伸処理が施されていないフィルムでは、ヒート
シールなどによる熱収縮及び皺の発生を抑制できるの
で、パウチ包装及び容器包装に好適に使用できる。その
ため、本発明のフィルムは未延伸フィルムであるのが好
ましい。
【0037】本発明の易引裂き性フィルムは、単層フィ
ルムとして利用できるだけでなく、基材層と積層し易引
き裂性積層体(易引裂き性積層フィルム)としても使用
できる。前記基材層としては、易破断性基材、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系ポリ
マー、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル、スチレン系ポリマーなどで形成され
た一軸または二軸延伸フィルム;グラシン紙、模造紙、
ボール紙などの紙;アルミニウム箔などの金属箔が挙げ
られる。前記積層フィルムは、3層以上の多層構造を有
していてもよく、前記易引き裂性フィルムが、基材層と
基材層との間に介在するサンドイッチ構造のフィルムで
あってもよい。
【0038】このような積層フィルムは、種々の用途に
利用できる。例えば、PTP(Press Through Pack)包
装材などにおいて、蓋材として使用されるアルミニウム
箔などに前記易引裂き性フィルムを積層すると、蓋材の
破裂強度をさほど大きくすることなく、容器底部を押圧
することにより、簡単に蓋材またはフィルムを破裂させ
て錠剤などの内容物を容易に取り出すことができる。ま
た、クラフト紙などの紙に易引裂き性フィルムを積層し
て、シールした包装体とすると、紙の引裂き抵抗をさほ
ど高めることなく、紙の引裂き方向に沿って容易に引裂
くことができる。さらに、ブリック包装などの液体の取
り出し口の封緘フィルムとして用いると、ストローなど
で容易に突き破ることができる。
【0039】本発明の易引裂き性フィルムは、Tダイ成
形法、インフレーション成形法などの慣用のフィルム成
形法により製造でき、前記樹脂組成物の押出し成形によ
り製造する場合が多い。押出し成形において、ダイから
吐出される溶融したフィルム状又はシート状の樹脂組成
物は、延伸することなく、フィルム化しても高い引裂き
性が発現し、透明性も高い。そのため、延伸装置を必要
としないだけでなく、延伸処理に要する時間、作業やコ
ストを節約でき、フィルムの生産性を著しく高めること
ができる。また、延伸処理によりフィルム幅が制約され
ることがないので、幅広のフィルムを容易に得ることが
できる。さらに延伸処理が不要であるので、得られたフ
ィルムをヒートシールしても熱収縮することがない。そ
のため、袋状の包装材料に内容物を収容するためのパウ
チ包装、内容物を収容する容器の開口部を蓋材でシール
するための容器包装などにおいて、ヒートシールに供し
ても、皺が生成することがなく外観を損ねることがな
い。
【0040】なお、ポリカーボネート(A)、ポリエス
テル(B)およびスチレン系重合体(C)と含む樹脂組
成物は、前記成分の混合物を押出機に供給し、押出機内
で溶融混練し、熱可塑性樹脂を分散させてもよく、前記
熱可塑性樹脂を主成分として含む組成物を予め溶融混練
し、得られるペレットを、押出機に供給してもよい。前
記成分を含む混合物は、慣用の方法、例えば、リボンブ
レンダー、タンブルミキサー、ヘンシェルミキサーなど
の混合機を用いて調製できる。また、前記ペレットは、
オープンロール、バンバリミキサー、単軸スクリュー押
出機、二軸押出機、単軸往復動スクリュー混練機などを
用いて調製できる。
【0041】Tダイ成形法においては、前記ポリカーボ
ネート(A)、ポリエステル(B)及びスチレン系重合
体(C)とを主成分として含む樹脂組成物を、押出し成
形機により溶融してTダイから押出し、延伸処理するこ
となく引取りつつフィルム成形すればよい。Tダイ成形
法において、ドロー比(ダイリップから溶融した樹脂が
吐出される速度(V1 )と、成形フィルムの巻き取り速
度(V2 )との比(V1 /V2 ))は、例えば、1〜7
0程度、好ましくは1〜50程度、さらに好ましくは1
〜20程度の範囲から適当に選択できる。また、インフ
レーション成形法においては、溶融した前記樹脂組成物
を、サーキュラーダイから押出し、バブル状に膨化しつ
つ巻き取ることによりフィルム成形すればよい。インフ
レーション成形法において、ブロー比(膨比)Dに対す
るドロー比(溶融延伸比)Vの割合(変形比)V/D=
0.5〜8、好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは
0.5〜3程度であり、ドロー比およびブロー比は、フ
ィルムの特性が損なわれない範囲、例えば、ドロー比1
〜20、ブロー比1〜10程度の範囲から選択できる。
なお、融点よりも高い温度で溶融した樹脂溶融物を対象
とする前記「ドロー比」及び「ブロー比」は、ポリマー
の融点以下の温度で行われる「延伸」とは区別される。
好ましい方法ではTダイ成形法が利用される。
【0042】なお、押出温度は、ポリマー成分(A),
(B)及び(C)の種類に応じて、例えば、300℃以
下、好ましくは170〜280℃、さらに好ましくは2
00〜270℃程度の範囲から選択できる。また、フィ
ルム成形において、ダイリップ部での剪断速度、ダイか
らチルロール(冷却ロール)までの距離(すなわちエア
ーギャップ)を調整すると、表面平滑性の高いフィルム
を得ることもできる。
【0043】前記易引裂き性積層フィルムは、慣用の方
法、例えば、基材層と易引裂き性フィルムとを接着剤を
用いてラミネートする方法、ダイから溶融押出したフィ
ルム状の樹脂組成物を基材層にラミネートする方法、易
引裂き性フィルムを基材層に加熱圧着する方法などによ
り容易に製造できる。前記積層に用いられる接着剤とし
ては、易引裂き性フィルムおよび基材層の種類などに応
じて選択でき、例えば、ウレタン系接着剤、ゴム系接着
剤、フェノール系接着剤、エポキシ系接着剤、ビニル系
接着剤などが使用できる。なお、接着剤による接着性を
高めるため、前記易引裂き性フィルムには、予め、コロ
ナ放電処理などの前記表面処理を施してもよい。
【0044】本発明の易引裂き性フィルムおよび積層フ
ィルムは、包装用袋、粘着テープ用基材、ブリック包装
用基材、錠剤などの個装包装に用いられるPTP包装用
基材などの種々の用途に利用できる。
【0045】
【発明の効果】本発明のフィルムは、ポリカーボネー
ト、ポリエステルおよびスチレン系樹脂を含むので、引
き裂性のみならず透明性が高い。また、フィルムは、延
伸処理することなく、一方向に直線的に容易に引裂くこ
とができる。そのため、ヒートシールなどによる熱収縮
を防止でき、包装体の外観を損うことがない。本発明の
方法では、延伸処理する必要がないので、前記の如き優
れた特性を有する引裂き性フィルムを効率よく製造で
き、フィルムの生産性を高めることができる。
【0046】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。 実施例1〜9および比較例1〜2 タンブラーミキサーを用いて、下記のポリマーを表に示
す割合で混合し、得られた混合物を押出機(65mm
φ、L/D=32)に供給し、コートハンガー型マニホ
ールドを備えたTダイから、下記の条件で押出し、延伸
することなくフィルム(厚み40μm)を得た。 Tダイのダイリップ幅: 1500mm ダイリップ開度: 600μm 成形温度: 250℃ 吐出速度: 1000g/分。
【0047】なお、実施例及び比較例で用いたポリマー
とその略号は次の通りである。「MI」は、メルトイン
デックス(単位:g/10分)を示す。ポリカーボネート(PC): 三菱ガス化学(株)製、ユーピロンS1000ポリエステル: ポリブチレンテレフタレート(PBT):ポリプラスチ
ックス(株)製、ジュラネックス800FP(MI=3
g/10分) ポリエチレンテレフタレート(PET):ユニチカ
(株)製、SA1206スチレン系重合体: ポリスチレン(PS):住友化学工業(株)、スミブ
ライトE183(MI=5g/10分) スチレン−無水マレイン酸共重合体(S−Mah):
積水化成品工業(株)製、ダイラ−ク232(アルコポ
リマー) スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(S−MM
A):ダイセル化学工業(株)製、MAS20 アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS):ノバ
ポリマー(株)製、JD(アクリロニトリル含量27
%、MI=15.8(230℃、荷重3.8kg)) α−メチルスチレン−スチレン−アクリルニトリル共
重合体(α−MS−AS):日本合成ゴム(株)製、D
P616G(アクリロニトリル含量23%)相溶化剤: オキサゾリン変性ポリスチレン(Ox−PS):日本触
媒化学(株)製、RPS−1005(変性量5%)。
【0048】そして、実施例及び比較例で得られたフィ
ルムの引裂き性、透明性を次のようにして評価した。 引裂伝播抵抗(エレメンドルフ試験):JIS K 7
128に準じて測定した。 引裂端緒抵抗(直角型引裂試験) :JIS K 7
128に準じて測定した。 透明性(全光線透過率):JIS K 7105に準じ
て測定した。 結果を表に示す。なお、表中、「MD」はフィルムの引
取り方向を示し、「TD」はフィルムの引き取り方向と
直交する方向を示す。
【0049】
【表1】 表より明らかなように、比較例のフィルムに比べて、実
施例のフィルムは透明性及び引裂き性に優れている。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 C08L 25/04 - 25/08 C08L 67/00 - 67/02 C08L 69/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート(A)、ポリエステル
    (B)及びスチレン系重合体(C)を含む樹脂組成物で
    形成された易引裂き性フィルム。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物が、ポリカーボネート
    (A);ポリエチレンレフタレート、ポリブチレンテレ
    フタレート及びポリ(1,4−ジメチロールシクロヘキ
    サンテレフタレート)から選択されたポリエステル
    (B);スチレン系単量体の単独または共重合体、スチ
    レン系単量体と、(メタ)アクリル系単量体、マレイン
    酸又はその誘導体から選ばれた少なくとも一種の共重合
    性単量体との共重合体から選択されたスチレン系重合体
    (C)を含む請求項1記載の易引裂き性フィルム。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物が各ポリマー成分(A)
    (B)及び(C)を下記の割合で含む請求項1記載の易
    引裂き性フィルム。 (A)/(B)=5/95〜95/5(重量比) [(A)+(B)]/(C)=50/50〜97/3
    (重量比)
  4. 【請求項4】 樹脂組成物が各ポリマー成分(A)
    (B)及び(C)を下記の割合で含む請求項1記載の易
    引裂き性フィルム。 (A)/(B)=25/75〜90/10(重量比) [(A)+(B)]/(C)=60/40〜95/5
    (重量比)
  5. 【請求項5】 樹脂組成物がさらに相溶化剤を含む請求
    項1記載の易引裂き性フィルム。
  6. 【請求項6】 相溶化剤が変性スチレン系樹脂である請
    求項2記載の易引裂き性フィルム。
  7. 【請求項7】 相溶化剤の含有量が、ポリカーボネート
    (A)、ポリエステル(B)及びスチレン系重合体
    (C)の総量100重量部に対して0.1〜30重量部
    である請求項1記載の易引裂き性フィルム。
  8. 【請求項8】 JIS K 7105に準じて測定した
    全光線透過率が、75%以上である請求項1記載の易引
    き裂性フィルム。
  9. 【請求項9】 ポリカーボネート(A)、ポリエステル
    (B)及びスチレン系重合体(C)を含む樹脂組成物で
    形成されたフィルムが、基材に積層されている易引裂き
    性積層フィルム。
  10. 【請求項10】 ポリカーボネート(A)、ポリエステ
    ル(B)及びスチレン系重合体(C)を含む樹脂組成物
    を、延伸することなく押出し成形する易引裂き性フィル
    ムの製造方法。
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