JP2003213108A - ポリエステル系樹脂組成物及びそのフィルム - Google Patents

ポリエステル系樹脂組成物及びそのフィルム

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JP2003213108A
JP2003213108A JP2002020128A JP2002020128A JP2003213108A JP 2003213108 A JP2003213108 A JP 2003213108A JP 2002020128 A JP2002020128 A JP 2002020128A JP 2002020128 A JP2002020128 A JP 2002020128A JP 2003213108 A JP2003213108 A JP 2003213108A
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polyester resin
film
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styrene
resin composition
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JP2002020128A
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Masami Kogure
真巳 木暮
Keisuke Funaki
圭介 舟木
Akihiko Okada
明彦 岡田
Michiaki Yamazaki
亨明 山崎
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストローの突き刺し性、袋の手切れ性等が優
れ、内容物を取出し易く、二次加工性に優れたポリエス
テル系樹脂組成物、キャストフィルム及びフィルムを提
供すること。 【解決手段】 融点が220〜290℃のポリエステ
ル樹脂50〜90重量%と、融点が230〜270℃
のシンジオタクチック構造のスチレン系重合体(以下、
SPS)10〜50重量%と、アタクチック構造のス
チレン系重合体(以下、GPPS)0〜40重量%と、
〜以外の熱可塑性樹脂0〜30重量%からなるポ
リエステル系樹脂組成物、該ポリエステル系樹脂組成物
を押出成形してなるキャストフィルム、並びに該キャス
トフィルムを二軸延伸してなるフィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系樹
脂組成物、そのキャストフィルム及びフィルムに関し、
さらに詳しくは、ストローの突き刺し性、袋の手切れ性
等が優れ、内容物を取出し易く、二次加工性に優れたポ
リエステル系樹脂組成物、キャストフィルム及びフィル
ムを提供する。
【0002】
【従来の技術】現在、包材用表基材としてポリエチレン
テレフタレート(PET)の二軸延伸フィルムが幅広く
使われている。包装用表基材の要求特性として内容物の
漏れ等を防ぐ為の力学物性及び、内容物を取出す際の易
カット性、易突き刺し性等の易開封性が求められる。ポ
リエステルはその高い靭性より力学物性的に有利である
が、反面、易開封という点ではセロハン、紙、アルミニ
ウム等の包装用基材に劣り、改良が望まれている。中で
も飲料用蓋材やブリスターの裏包材におけるストローの
突き刺し性、又は薬剤、菓子包装用の袋の手切れ性等を
改良し、内容物を取出し易くすることが求められてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の課題
を解決するためなされたもので、ストローの突き刺し
性、袋の手切れ性等が優れ、内容物を取出し易く、二次
加工性に優れたポリエステル系樹脂組成物、キャストフ
ィルム及びフィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、融点が特定温度
のポリエステル樹脂及びシンジオタクチック構造のスチ
レン系重合体(SPS)とを特定量で用いたポリエステ
ル系樹脂組成物が、上記目的を達成しうることを見出し
た。本発明はこのような知見に基づいて完成したもので
ある。すなわち、本発明は、融点が220〜290℃
のポリエステル樹脂50〜90重量%と、融点が23
0〜270℃のシンジオタクチック構造のスチレン系重
合体(以下、SPS)10〜50重量%と、アタクチ
ック構造のスチレン系重合体(以下、GPPS)0〜4
0重量%と、〜以外の熱可塑性樹脂0〜30重量
%からなるポリエステル系樹脂組成物、該ポリエステル
系樹脂組成物を押出成形してなるキャストフィルム、並
びに該キャストフィルムを二軸延伸してなるフィルムを
提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル系樹脂組成
物は、融点が220〜290℃のポリエステル樹脂5
0〜90重量%と、融点が230〜270℃のSPS
10〜50重量%と、GPPS0〜40重量%と、
〜以外の熱可塑性樹脂0〜30重量%からなる。本
発明のポリエステル系樹脂組成物は、融点が220〜
290℃のポリエステル樹脂50〜90重量%と、融
点が230〜270℃のSPSとからなると好ましく、
融点が220〜290℃のポリエステル樹脂50〜7
0重量%と、融点が230〜270℃のSPSとから
なっても好ましい。
【0006】本発明で用いるポリエステル樹脂と、
SPSとの融点の差は、40℃以下、好ましくは30℃
以下である。融点の差が40℃をこえると、成形温度が
高い際にはポリエステル樹脂又はSPSの分解による物
性及び外観不良が生じやすく、成形温度が低い際には流
動性が低下し良好なフィルムを得にくい。本発明のポリ
エステル系樹脂組成物は、温度290℃、剪断速度10
0sec -1でのポリエステル樹脂の粘度Veと、温度
290℃、剪断速度100sec -1でのシンジオタクチ
ック構造のスチレン系重合体の粘度Vsとの比(Ve
/Vs)が、1以下であることが好ましく、0.8以下
であるとさらに好ましい。このように、SPSの粘度を
ポリエステル樹脂に対し高めに設定し、ポリエステル樹
脂マトリックス中にSPSドメインが分散した層分離構
造とすることにより、突き刺し易く、引裂きやすいとい
う脆的な特性を付与することができる。
【0007】本発明において、融点が220〜290
℃のポリエステル樹脂としては、例えば、テレフタル
酸、ナフタルジカルボン酸、シクロヘキシルジカルボン
酸又はそのエステル類と、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタン
ジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ハイドロキノン、ビスフェノールA、2,2−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、1,4
−ジメチロールテトラブロモベンゼン又はTBA−EO
等のグリコール類とから得られる共重合体からなる熱可
塑性ポリエステル樹脂が好ましい。本発明において、こ
のポリエステル樹脂の融点が290℃を超えると成形温
度が高くなり、組成物中の一部が分解を生じる恐れがあ
る。また、220℃未満では二軸延伸後のSPSの熱固
定が充分できないため、耐熱性、耐薬品性が得られな
い。また、このポリエステル樹脂としては、290℃、
剪断速度100sec-1での溶融粘度が50〜400P
a・sであるものが好ましい。溶融粘度はキャピラリレ
オメーター等を用いて一般的な方法で測定すれば良い。
【0008】本発明において、融点が230〜270
℃のシンジオタクチック構造のスチレン系重合体(SP
S)におけるシンジオタクチック構造とは、立体化学構
造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から
形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に
反対方向に位置する立体構造を有するものであり、その
タクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13
C−NMR)により定量される。13C−NMR法により
測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成
単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個
の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって
示すことができるが、本発明に言うSPSとは、通常は
ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以
上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましく
は50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリ
スチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン
化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、
ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エ
ステル)、これらの水素化重合体及びこれらの混合物、
あるいはこれらを主成分とする共重合体を指称する。な
お、ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ
(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ
(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチル
スチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニル
ナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポ
リ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチ
レン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチ
レン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルス
チレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)な
ど、またポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ
(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)など
が挙げられる。
【0009】なお、これらのうち特に好ましいSPSと
しては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、
ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレ
ン)、ポリ(ジビニルベンゼン)、ポリ(p−ターシャ
リーブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、
ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチ
レン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単位を含
む共重合体が挙げられる。
【0010】このようなSPSは、例えば不活性炭化水
素溶媒中又は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水と
トリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、
スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単
量体)を重合することにより製造することができる(特
開昭62―187708号公報)。また、ポリ(ハロゲ
ン化アルキルスチレン)については特開平1−4691
2号公報、これらの水素化重合体は特開平1−1785
05号公報記載の方法などにより得ることができる。
【0011】さらに、スチレン系共重合体におけるコモ
ノマーとしては、上述の如きスチレン系重合体のモノマ
ーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、
オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプ
レン等のジエンモノマー、環状ジエンモノマーやメタク
リル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の
極性ビニルモノマー等が挙げられる。特に、スチレン繰
返し単位が70〜97モル%、アルキルスチレン繰返し
単位が3〜30モル%からなるスチレン系重合体が好ま
しい。
【0012】本発明において、SPSの融点が290℃
を超えると成形温度が高くなり、組成物中のポリエステ
ルの加水分解を生じやすい。また、250℃未満では耐
熱性が十分ではない。また、このポリエステル樹脂とし
ては、290℃、剪断速度100sec-1での溶融粘度
が300〜1000Pa・sであるものが好ましい。溶
融粘度はキャピラリレオメーター等を用いて一般的な方
法で測定すれば良い。
【0013】本発明において、アタクチック構造のス
チレン系重合体(GPPS)とは、工業的には塊状重
合,溶液重合,懸濁重合,乳化重合などの方法によるラ
ジカル重合で得られるスチレン系重合体である。このよ
うなラジカル重合で得られたポリスチレンは、通常アタ
クチック構造のもので立体規則性を有していない。ま
た、ここで言うGPPSは、一種類以上の芳香族ビニル
化合物からなる重合体、あるいは一種類以上の芳香族ビ
ニル化合物と共重合可能な一種類以上の他のビニル単量
体の共重合体、これらの重合体の水素化重合体及びこれ
らの混合物であっても良い。
【0014】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、メチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、ターシャリーブチルスチレ
ン、フェニルスチレン、ビニルスチレン、クロロスチレ
ン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、クロロメチル
スチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン等があ
り、これらは一種又は二種以上で使用される。これらの
うち、好ましい芳香族ビニル化合物としては、スチレ
ン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、エチル
スチレン、p−ターシャリーブチルスチレンが挙げられ
る。
【0015】共重合可能な他のビニル単量体としては、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシア
ン化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルア
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシル
アクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリ
レート等のアクリル酸アルキルエステル、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、
オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタ
クリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメ
タクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル
酸アルキルエステル、マレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N
−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニ
ル)マレイミド等のマレイミド化合物等がある。このG
PPSとしては、重量平均分子量が220,000以上
のものが好ましい。重量平均分子量が220,000未
満のものでは共押出時に幅方向に層比分布ムラが発生す
ることがある。
【0016】本発明において、〜以外の熱可塑性
樹脂としては、スチレン系エラストマーやスチレン系以
外のエラストマーが挙げられる。スチレン系エラストマ
ーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、
スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水
素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SE
P)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SEPS)等の一般エラストマ
ー、ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシ
ェルゴム(ABS)、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン−スチレン−コアシェルゴム(MBS)、メチルメタ
クリレート−ブチルアクリレート−スチレン−コアシェ
ルゴム(MAS)、オクチルアクリレート−ブタジエン
−スチレン−コアシェルゴム(MABS)、アルキルア
クリレート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン
−コアシェルゴム(AABS)、ブタジエン−スチレン
−コアシェルゴム(SBR)等のコア−シェル型エラス
トマー等が挙げられる。
【0017】スチレン系以外の熱可塑性エラストマーと
しては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、ポリイソブチレン、ネオプレン、ポリスルフィ
ドゴム、チオコールゴム、アクリルゴム、ウレタンゴ
ム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、さらに
はエチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピ
レンジエンゴム(EPDM)、直鎖状低密度ポリエチレ
ン系エラストマー等のオレフィン系ゴム、メチルメタク
リレート−ブチルアクリレート−シロキサンをはじめと
するシロキサン含有コアシェルゴム等のコアシェルタイ
プの粒子状弾性体、又はこれらを変性したゴム等が挙げ
られる。これらは一種のみを単独で又は二種以上を組み
合わせて用いることができる。
【0018】本発明のポリエステル系樹脂組成物は、上
記〜以外に、その目的を阻害しない範囲で他の熱可
塑性樹脂、添加剤として、難燃剤、結晶核剤、顔料、染
料、可塑剤、離型剤、滑剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、発砲剤又はカップリング剤等を配合して
も良い。上記〜以外の熱可塑性樹脂としては、直鎖
状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高
圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピ
レン、シンジオタクチックポリプロピレン、ブロックポ
リプロピレン、ランダムポリプロピレン、ポリブテン、
1,2−ポリブタジエン、ポリ4−メチルペンテン、環
状ポリオレフィン及びこれらの共重合体に代表されるポ
リオレフィン系樹脂、アイソタクチックポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレートをはじめとするポリエステル系
樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6をはじめとする
ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル、PPS等
公知のものから任意に選択して用いることができる。こ
れらの熱可塑性樹脂は一種のみを単独で又は二種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0019】本発明のポリエステル系樹脂組成物は、上
記の各成分を溶融混練することによって製造することが
できる。このときの溶融温度は、240〜320℃、好
ましくは260〜300℃である。ここで、240℃未
満であると、ストローの突き刺し性、袋の手切れ性等の
効果が充分でない場合がある。また、320℃を超える
と、〜成分の分解によりブツ、着色などの問題が生
ずる場合がある。
【0020】本発明のキャストフィルムは、本発明のポ
リエステル系樹脂組成物を押出成形してなり、本発明の
フィルムは、このキャストフィルムを二軸延伸してなる
ものである。本発明のキャストフィルム及びフィルム
は、厚生省告示第20号による突き刺し強度が、100
0N/cm以下であることが好ましく、900N/cm
以下であるとさらに好ましい。
【0021】また、本発明のキャストフィルム及びフィ
ルムは、フィルムインパクトが50000J/m以下で
あり、エレメンドルフ引裂強度を厚みで規格化した値が
200g/mm以下であることが好ましい。
【0022】本発明のキャストフィルム及びフィルム
は、様々な方法で製造することができ、例えば、構成成
分をドライブレンドした後、溶融混練してフィルム材料
を調製した後、成形する方法、マスターバッチ材料を調
製した後、他成分とドライブレンドし、成形する方法、
構成成分の材料をドライブレンドし、直接成形する方法
などによって製造することができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。なお、下記の実施例及び比較例において使
用する試験方法及び原料は、下記のとおりである。 (1)突き刺し強度評価 厚生省告示第20号に準拠。フィルムを固定し、表面に
直径2mmの半円形の針を速度200mm/分で突き刺
し、針が貫通するまでの最大荷重を測定した。 (2)手切れ性評価 フィルムをノッチ無しで引裂いたときの引裂き開始時の
抵抗を以下の基準で評価した。 ◎:抵抗なく引裂ける ○:手で引裂き開始ノッチをいれるのにやや抵抗がある ×:手での引裂きノッチが入れるのが困難
【0024】(3)耐溶剤性評価 DIC製ドライラミネート剤LX901/KF75を酢
酸エチルで希釈しハンドコーターにて塗膜厚み10μm
でフィルム表面に塗布し、目視にて状態を観察した。 ○:外観変化なし ×:収縮、表面荒れ等が生じた (4)フィルムインパクト評価 以下の装置及び条件で、振り子の回転でフィルムを打ち
抜いたときのエネルギーを測定し、衝撃強度を測定し
た。 装置:東洋精機制作所製、フィルムインパクトテスター 条件:試験容量 30kgf・cm、ヘッド径1インチ 算出式; フィルムインパクト(kgf・cm/cm)=(フィル
ムを打ち抜いたときのエネルギー)/(フィルム厚み) SI単位換算(J/m)=9.80665 ×(kgf・cm/
cm) (5)エンドルフ引裂強度評価 JIS K 7178の評価法により測定した引き裂き
に要した力を、厚さで割って規格化した。
【0025】〔原料〕 ポリエステル樹脂 PET1:ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レイ
ヨン製ダイヤナイトMA−580)、融点255℃、溶
融粘度200Pa・s PET2:ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レイ
ヨン製ダイヤナイトPA−200)、融点255℃、溶
融粘度300Pa・s SPS PMS1:パラメチルスチレン共重合体12モル%(出
光石油化学製)融点246℃、溶融粘度550Pa・s PMS2:パラメチルスチレン共重合体7モル%(出光
石油化学製)融点249℃、溶融粘度550Pa・s PMS3:パラメチルスチレン共重合体7モル%(出光
石油化学製)融点249℃、溶融粘度250Pa・s GPPS GPPS1:HH32(出光石油化学製)、分子量32
0,000 その他成分 COMP1:エチレングリシジルメタクリレート共重合
体(日本油脂製モディパーA4100)
【0026】実施例1 各原料を、PET1/PMS1を60/40の比率(重
量%)でペレット混合したものを、25mmφのベント
式二軸混練機にて290℃で予備混練し、ポリエステル
系樹脂組成物のフィルム用材料を得た。この材料を29
0℃に温調した50mmφ単軸押出機にて500mm幅
のコートハンガーダイより押出し、25℃の冷却ロール
で冷却して厚さ200μmの未延伸シートを得た。この
シートを65℃の加熱ロールを用いて3.4倍に縦延伸
し、ついでテンターにて150℃で3.7倍に横延伸
し、200℃で幅方向に4%弛緩させながら10秒間熱
処理を施し、厚さ約12μmのポリエステル系樹脂延伸
フィルムを得た。ポリエステル樹脂の粘度VeとSPS
の粘度Vsとの比(Ve/Vs)を表1に示す。また、
得られた、延伸フィルムについて、上記(1)〜(5)
を評価した。それらの結果を表2に示す。
【0027】実施例2〜4及び比較例1〜2 ポリエステル系樹脂組成物の組成を表1に示すように変
えた以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを作成
し、上記(1)〜(5)を評価した。それらの結果を表
2に示す。また、ポリエステル樹脂の粘度VeとSPS
の粘度Vsとの比(Ve/Vs)を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明のポリエステル系樹脂組成物を用
いて得られたキャストフィルム又はフィルムは、ストロ
ーの突き刺し性が良く、袋状にした際の手切れ性等が優
れ、内容物を取出し易く、二次加工性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25:04 C08L 101:00 101:00) B29K 25:00 B29K 25:00 67:00 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 山崎 亨明 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA33 AA42 AA46 AA84 AA88 AF02 AF14Y AF16Y AF23Y BA01 BB06 BB08 4F207 AA13 AA24 AG01 AH54 KA01 KA17 KW41 4F210 AA13A AA13C AA24C AG01 QC05 QC06 QG01 QG18 4J002 AC014 AC034 AC064 BB044 BB154 BB184 BC013 BC023 BC03X BC04X BC043 BC08X BC083 BC09X BC093 BC11X BC113 BC12X BG044 BL014 BL024 BN124 BN154 BP014 CF03W CF04W CF05W CF06W CH044 CK024 CP034 GG02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が220〜290℃のポリエステ
    ル樹脂50〜90重量%と、融点が230〜270℃
    のシンジオタクチック構造のスチレン系重合体10〜5
    0重量%と、アタクチック構造のスチレン系重合体0
    〜40重量%と、〜以外の熱可塑性樹脂0〜30
    重量%からなるポリエステル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 融点が220〜290℃のポリエステ
    ル樹脂50〜90重量%と、融点が230〜270℃
    のシンジオタクチック構造のスチレン系重合体10〜5
    0重量%とからなる請求項1に記載のポリエステル系樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 融点が220〜290℃のポリエステ
    ル樹脂50〜70重量%と、融点が230〜270℃
    のシンジオタクチック構造のスチレン系重合体30〜5
    0重量%とからなる請求項1に記載のポリエステル系樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 温度290℃、剪断速度100sec-1
    でのポリエステル樹脂の粘度Veと、温度290℃、
    剪断速度100sec-1でのシンジオタクチック構造の
    スチレン系重合体の粘度Vsとの比(Ve/Vs)
    が、1以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリ
    エステル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエ
    ステル系樹脂組成物を押出成形してなるキャストフィル
    ム。
  6. 【請求項6】 厚生省告示第20号による突き刺し強度
    が、1000N/cm以下である請求項5に記載のキャ
    ストフィルム。
  7. 【請求項7】 フィルムインパクトが50000J/m
    以下であり、エレメンドルフ引裂強度を厚みで規格化し
    た値が200g/mm以下である請求項5に記載のキャ
    ストフィルム。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のキャストフィルムを二
    軸延伸してなるフィルム。
  9. 【請求項9】 厚生省告示第20号による突き刺し強度
    が、1000N/cm以下である請求項8に記載のフィ
    ルム。
  10. 【請求項10】 フィルムインパクトが50000J/
    m以下であり、エレメンドルフ引裂強度を厚みで規格化
    した値が200g/mm以下である請求項8に記載のフ
    ィルム。
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