JP2008133314A - 熱収縮性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、透明で剛性、低温伸び、低温収縮性等の物性バランスが良好で、取り分け剛性と低温伸びに優れた熱収縮性フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、特定のブロック共重合体又はその水添物を含む材料であり、該材料の50℃の貯蔵弾性率(E’)、−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)の比(E−50/E25)、損失弾性率(E”)のピーク温度が特定範囲に存在する材料により形成される熱収縮性フィルムを提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、剛性、低温伸び、低温収縮性及び耐溶剤性等の物性バランスに優れる熱収縮性フィルム及び熱収縮性多層フィルムに関する。
ビニル芳香族炭化水素含有量が比較的高い、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体は、透明性、耐衝撃性等の特性を利用して射出成形用途、シート、フィルム等の押し出し成形用途等に使用されている。とりわけビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体樹脂を用いた熱収縮性フィルムは、従来使用されている塩化ビニル樹脂の残留モノマーや可塑剤の残留及び焼却時の塩化水素の発生の問題もないため、食品包装やキャップシール、ラベル等に利用されている。熱収縮性フィルムに必要な特性として自然収縮性、低温収縮性、透明性、機械強度、包装機械適性等の要求がある。これまで、これらの特性の向上と良好な物性バランスを得るため種々の検討がなされてきた。
例えば、収縮特性、耐環境破壊性に優れた熱収縮性フィルムを得るため、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体のセグメントに特定のTgを有する熱収縮性フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、収縮特性、耐環境破壊性に優れた熱収縮性フィルムを得るため、特定構造のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体の組成物からなる熱収縮性フィルムが開示されている(例えば、特許文献2。)。また、透明性、剛性、耐衝撃性、耐自然収縮性等に優れた重合体組成物及び、それを用いて製造される熱収縮性フィルム得るため、特定構造の芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体及びその組成物が開示されている(例えば、特許文献3。)。また透明性、剛性、耐衝撃性及び耐自然収縮性に優れた熱収縮性フィルムを得るため、特定の貯蔵弾性率挙動を有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。また、良好な低温収縮性を保持しつつ、自然収縮性の少ない熱収縮性(多層)フィルムを得るため、特定の動的粘弾性測定で得られる損失正接値の温度に対する関係を満足させるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。また、耐自然収縮性、伸び及びミシン目切れ性に優れた熱収縮性フィルムを得るため、特定のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックを有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
しかしながら、これらのビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又は該ブロック共重合体とビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重合体の組成物は、剛性、低温伸び、低温収縮性及び耐溶剤性等の物性バランス及びフィルムを薄膜化した際の印刷時の伸びが十分でなく、これらの文献にはそれらを改良する方法に関して開示されておらず、依然として市場での問題点が指摘されている。
特開昭60−224520号公報 特開昭60−224522号公報 特開平7−216186号公報 特開平11−158241号公報 WO02/38642号公報 特開2003−313259号公報
本発明は、剛性、低温伸び、低温収縮性及び透明性等の物性バランスに優れる熱収縮性フィルム及び熱収縮性多層フィルムの提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又はその水添物(I)を含み、特定の貯蔵弾性率(E’)挙動と損失弾性率(E”)挙動を有する材料により熱収縮性フィルムを形成することによって上記の目的が達成されることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
〔1〕ビニル芳香族炭化水素の含有量が65〜95重量%および共役ジエンの含有量が5〜35重量%とからなるブロック共重合体又はその水添物(I)を含む材料であって、50℃の貯蔵弾性率(E’)が0.9×109〜1.8×109Paの範囲で、−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)の比(E−50/E25)が1〜1.75の範囲であり、かつ損失弾性率(E”)のピーク温度が60℃以上、110℃以下に少なくとも1つ存在する材料により形成される熱収縮性フィルム;
〔2〕前記材料が、さらに下記(i)〜(iv)の重合体(II)の少なくとも1種を含み、該材料中におけるブロック共重合体又はその水添物(I)と重合体(II)との重量比が99.9/0.1〜1/99である、上記〔1〕に記載の熱収縮性フィルム、(i)成分(I)を含まないビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又はその水添物(ii)ビニル芳香族炭化水素および脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体からなる共重合体(iii)ビニル芳香族炭化水素重合体(iv)ゴム変性スチレン系重合体;
〔3〕前記材料の50℃の貯蔵弾性率(E’)が1.0×109〜1.65×109Paの範囲である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の熱収縮性フィルム;
〔4〕前記材料の−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)の比(E−50/E25)が1〜1.6の範囲である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の熱収縮性フィルム;
〔5〕前記材料の損失弾性率(E”)のピーク温度が75℃以上、105℃以下に少なくとも1つ存在する、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の熱収縮性フィルム;
〔6〕前記材料が、該材料100重量部に対して、脂肪酸アミド、パラフィン、炭化水素系樹脂および脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の滑剤を0.01〜5重量部含む、上記〕〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の熱収縮性フィルム;
〔7〕前記材料が、該材料100重量部に対して、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートおよび2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾールから選ばれる少なくとも1種の安定剤を0.05〜3重量部含む、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の熱収縮性フィルム;
〔8〕前記材料が、該材料100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダード・アミン系光安定剤から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤又は光安定剤を0.05〜3重量部含む、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の熱収縮性フィルム;
〔9〕上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを少なくとも1つの層とする、熱収縮性多層フィルム;
〔10〕延伸方向における80℃の熱収縮率が10〜80%である、上記〔9〕に記載の熱収縮性多層フィルム;
〔11〕上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを中層とし、外層のビカット軟化温度が中層よりも3〜15℃高い、熱収縮性多層フィルム、に関する。
本発明によれば、剛性、低温伸び、低温収縮性及び透明性等の物性バランスに優れた熱収縮性フィルム及び熱収縮性多層フィルムを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ビニル芳香族炭化水素の含有量が65〜95重量%、共役ジエンの含有量が5〜35重量%であるブロック共重合体又はその水添物(I)(以下、成分(I)と記載する場合もある)、或いは成分(I)および下記(i)〜(iv)の重合体(II)の少なくとも1種からなる組成物を材料とする熱収縮性フィルムに関するものである。
(i)成分(I)とは異なるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又はその水添物
(ii)ビニル芳香族炭化水素および脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体からなる共重合体
(iii)ビニル芳香族炭化水素重合体
(iv)ゴム変性スチレン系重合体
[成分(I)]
本発明に使用する成分(I)のビニル芳香族炭化水素の含有量は65〜95重量%、好ましくは70〜93重量%、更に好ましくは75〜90重量%の範囲であり、共役ジエンの含有量は5〜35重量%、好ましくは7〜30重量%、更に好ましくは10〜25重量%の範囲である。ビニル芳香族炭化水素の含有量が65〜95重量%、共役ジエンの含有量が5〜35重量%の範囲であれば、熱収縮性フィルムは剛性と低温伸びに優れる。尚、水添ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量は、水添前のブロック共重合体のビニル芳香族化合物含有量で把握しても良い。
成分(I)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるピーク分子量は3万〜100万、好ましくは5万〜85万、更に好ましくは8万〜70万である。
さらに、成分(I)の分子量分布は、3万〜20万の範囲と、20万を越え100万以下の範囲に各々少なくとも1つのピーク分子量を有するものが好ましい。
本発明の成分(I)は、ビニル芳香族炭化水素単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体から構成されるセグメントを少なくとも1つと、共役ジエン単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体から構成されるセグメントを少なくとも1つ有する。成分(I)のポリマー構造は特に制限は無いが、例えば一般式
(A−B)n、A−(B−A)n、B−(A−B)n+1
[(A−B)km+1−X、[(A−B)k−A]m+1−X
[(B−A)km+1−X、[(B−A)k−B]m+1−X
(上式において、セグメントAはビニル芳香族炭化水素単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体、セグメントBは共役ジエン単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体である。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、1,3ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ化大豆油等のカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。n、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜5の整数である。また、Xに複数結合しているポリマー鎖の構造は同一でも、異なっていても良い。)で表される線状ブロック共重合体やラジアルブロック共重合体、或いはこれらのポリマー構造の任意の混合物が使用できる。また、上記一般式で表されるラジアルブロック共重合体において、更にA及び/又はBが少なくとも一つXに結合していても良い。
本発明において、セグメントA、セグメントBにおけるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また該共重合体中には、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がセグメント中にそれぞれ複数個共存してもよい。セグメントA中のビニル芳香族炭化水素含有量({セグメントA中のビニル芳香族炭化水素/(セグメントA中のビニル芳香族炭化水素+共役ジエン)}×100)とセグメントB中のビニル芳香族炭化水素含有量({セグメントB中のビニル芳香族炭化水素/(セグメントB中のビニル芳香族炭化水素+共役ジエン)}×100)との関係は、セグメントAにおけるビニル芳香族炭化水素含有量のほうが、セグメントBにおけるビニル芳香族炭化水素含有量より大である。セグメントAとセグメントBの好ましいビニル芳香族炭化水素含有量の差は5重量%以上であることが好ましい。
本発明において、成分(I)は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンを重合することにより得ることができる。
本発明に用いるビニル芳香族炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレンなどがあるが、特に一般的なものはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンを用いることができ、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
本発明の成分(I)において、(イ)イソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック、(ロ)イソプレンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックおよび(ハ)イソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックの(イ)〜(ハ)の群から選ばれる少なくとも1つの重合体ブロックが組み込まれていても良く、ブタジエンとイソプレンの重量比が3/97〜90/10、好ましくは5/95〜85/15、更に好ましくは10/90〜80/20である。ブタジエンとイソプレンの重量比が3/97〜90/10のブロック共重合体からなる水添ブロック共重合体は、水添率が50重量%以下にあっては熱成形・加工等におけるゲル生成が少ない。
本発明の成分(I)は、例えば、炭化水素溶媒中で有機アルカリ金属化合物等の開始剤を用いてアニオンリビング重合により得られる。炭化水素溶媒としては、例えばn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン等の脂環式炭化水素類、また、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等が使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
また重合開始剤としては、一般的に共役ジエン及びビニル芳香族化合物に対しアニオン重合活性があることが知られている脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物等を用いることができる。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、好適な有機アルカリ金属化合物としては、炭素数1から20の脂肪族及び芳香族炭化水素リチウム化合物であって、1分子中に1個のリチウムを含む化合物や1分子中に複数のリチウムを含むジリチウム化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物が挙げられる。具体的にはn−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリチウムの反応生成物、さらにジビニルベンゼンとsec−ブチルリチウムと少量の1,3−ブタジエンとの反応生成物等が挙げられる。更に、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている有機アルカリ金属化合物も使用することができる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
本発明において、水添前のブロック共重合体を製造する際の重合温度は一般的に−10℃〜150℃、好ましくは40℃〜120℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は10時間以内であり、特に好適には0.5〜5時間である。また、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガスなどをもって置換するのが望ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に制限されるものではない。更に重合系内には触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意する必要がある。
本発明の成分(I)のブロック共重合体水添物は、上記で得られた水添前のブロック共重合体を水素添加することにより得られる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。好ましい水添触媒としてはチタノセン化合物および/または還元性有機金属化合物との混合物があげられる。
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用できるが、具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上もつ化合物があげられる。また、還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等があげられる。
水添反応は一般的に0〜200℃、より好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水添反応に使用される水素の圧力は0.1〜15MPa、好ましくは0.2〜10MPa、更に好ましくは0.3〜7MPaが推奨される。また、水添反応時間は通常3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
本発明のブロック共重合体水添物において、共役ジエンに基づく不飽和二重結合の水素添加率は目的に合わせて任意に選択でき、特に限定されない。熱安定性及び耐候性の良好な水添ブロック共重合体を得る場合、水添ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の70%を超える、好ましくは75%以上、更に好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上が水添されていることが推奨される。また、熱安定性の良好な水添ブロック共重合体を得る場合、水素添加率は3〜70%、或いは5〜65%、特に好ましくは10〜60%にすることが好ましい。なお、水添ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素に基づく芳香族二重結合の水添率については特に制限はないが、水添率を50%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下にすることが好ましい。水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により知ることができる。
本発明において、水添ブロック共重合体の共役ジエン部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)は、前述の極性化合物等の使用により任意に変えることができ、特に制限はない。一般に、ビニル結合量は5〜90%、好ましくは10〜80%、より好ましくは15〜75%の範囲で設定できる。なお、本発明においてビニル結合量とは、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量(但し、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合量)である。ビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)により把握することができる。
[成分(II)]
本発明の成分(II)は、下記のi)〜iv)から選ばれる少なくとも1種である。
(i)ブロック共重合体又はその水添物(I)とは異なるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又はその水添物、
(ii)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体からなる共重合体
(iii)ビニル芳香族炭化水素重合体、
(iv)ゴム変性スチレン系重合体
本発明に使用する(i)ブロック共重合体又はその水添物(I)とは異なるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又はその水添物(以後成分(i)と記載する場合もある)のポリマー構造(水添物については、水添前のポリマー構造)は一般式、
(Ab−Bb)n、Ab−(Bb−Ab)n、Bb−(Ab−Bb)n+1
(上式において、nは1以上の整数、一般的には1〜5である。)で表される線状ブロ
ック共重合体、或いは一般式、
[(Ab−Bb)km+2−X、[(Ab−Bb)k−Ab]m+2−X、
[(Bb−Ab)km+2−X、[(Bb−Ab)k−Bb]m+2−X
(上式において、Abはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bbは共役ジエンを主体とする重合体である。AbブロックとBbブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、1,3ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ化大豆油等のカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。k及びmは1〜5の整数である。)で表されるラジアルブロック共重合体、或いはこれらのブロック共重合体の任意のポリマー構造の混合物が使用できる。成分(i)の好ましいビニル芳香族炭化水素含有量は10重量%以上、65重量%未満、更に好ましくは15〜60重量%である。成分(i)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(ポリスチレン換算分子量)が3万〜50万、好ましくは5万〜50万、更に好ましくは7万〜30万の範囲であり、分子量が異なる複数のブロック共重合体の混合物であっても良い。数平均分子量は重合に使用する触媒量により任意に調整できる。
本発明で使用する(ii)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体からなる共重合体(以後成分(ii)と記載する場合もある)のビニル芳香族系炭化水素とは前記したスチレン系の単量体のことをいい、脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体とはアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、等の炭素数C1〜C13好ましくはC2〜C13のアルコールとアクリル酸とのエステル誘導体、またはメタアクリル酸、または同様に炭素数C1〜C13好ましくはC2〜C13、より好ましくはC3〜C13のアルコールとメタアクリル酸とのエステル誘導体、またα、β不飽和ジカルボン酸、例えばフマル酸、イタコン酸、マレイン酸等、またはこれらジカルボン酸とC2〜C13のアルコールとのモノ又はジエステル誘導体等から少なくとも1種選ばれるものである。これらは一般に該エステル類主体のものでその量が好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上のものである。又その種類は好ましくはアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル等のエステル類を主体にするものが良い。成分(ii)の製造方法は、スチレン系樹脂を製造する公知の方法、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等を用いることができ、重量平均分子量は、一般に50000〜500000の重合体を使用できる。
成分(ii)として特に好ましいのは、スチレンとアクリル酸n−ブチルを主体とする共重合体であり、アクリル酸n−ブチルとスチレンの合計量が50重量%以上、更に好ましくはアクリル酸n−ブチルとスチレンの合計量が60重量%以上からなる脂肪族不飽和カルボン酸エステル−スチレン共重合体である。アクリル酸n−ブチルとスチレンを主体とする脂肪族不飽和カルボン酸エステル−スチレン共重合体を用いた熱収縮性フィルムは収縮性が良好である。
本発明で使用する(iii)ビニル芳香族炭化水素重合体(以後成分(iii)と記載する場合もある)はビニル芳香族炭化水素もしくはこれと共重合可能なモノマーを重合して得られるもの(但し、成分(ii)を除く)である。ビニル芳香族系炭化水素とは主としてスチレン系の単量体のことをいい、具体的にはスチレン、α−アルキル置換スチレン例えばα−メチルスチレン類、核アルキル置換スチレン類、核ハロゲン置換スチレン類等から選ばれたもので、目的により適当なものを少なくとも1種選べば良い。ビニル芳香族炭化水素と共重合可能なモノマーとしては、アクリロニトリル、無水マレイン酸等があげられる。ビニル芳香族炭化水素重合体としては、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられるが、特に好ましいビニル芳香族炭化水素重合体としてはポリスチレンをあげることができる。これらのビニル芳香族炭化水素重合体の重量平均分子量は、一般に50000〜500000の重合体を使用できる。また、これらのビニル芳香族炭化水素重合体は単独又は二種以上の混合物として使用でき、剛性改良剤として利用できる。
本発明で使用する(iv)ゴム変性スチレン系重合体(以後成分(iv)と記載する場合もある)はビニル芳香族炭化水素と共重合可能なモノマーとエラストマーとの混合物を重合することによって得られ、重合方法としては懸濁重合、乳化重合、塊状重合、塊状−懸濁重合等が一般的に行われている。ビニル芳香族炭化水素と共重合可能なモノマーとしてはα−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸等があげられる。又、共重合可能なエラストマーとしては天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム等が使用される。
これらのエラストマーはビニル芳香族炭化水素もしくはこれと共重合可能なモノマー100重量部に対して一般に3〜50重量部該モノマーに溶解して或いはラテックス状で乳化重合、塊状重合、塊状−懸濁重合等に供される。特に好ましいゴム変性スチレン系重合体としては、耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体(HIPS)があげられ。ゴム変性スチレン系重合体は剛性、耐衝撃性、滑り性の改良剤として利用できる。これらのゴム変性スチレン系重合体の重量平均分子量は、一般に50000〜500000の重合体を使用できる。ゴム変性スチレン系重合体の添加量は透明性維持を考慮すると0.1〜10重量部が好ましい。
本発明で使用する成分(i)〜(iv)のMFR(G条件で温度200℃、荷重5Kg)は成形加工の点から0.1〜100g/10min、好ましくは0.5〜50g/10min、1〜30g/10minであることが推奨される。
[材料]
本発明の材料は成分(I)、または成分(I)及び成分(II)を含む。
本発明の材料が成分(I)及び成分(II)を含む場合、成分(I)と成分(II)の重量比は、99.9/0.1〜1/99、好ましくは99/1〜5/95であり、さらに好ましくは95/5〜10/90である。成分(I)と成分(II)との重量比が99.9/0.1〜1/99の範囲にあっては、熱収縮性フィルムは剛性と伸びのバランスに優れる。
成分(I)と成分(II)の組成物は、従来公知のあらゆる配合方法によって製造することがで
きる。例えば、オープンロール、インテンシブミキサー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶剤に溶解又は分散混合後溶剤を加熱除去する方法等が用いられる。
本発明の材料は、成分(I)及び成分(II)のほか、後述する各種添加剤を含む場合もある。
本発明の材料は、50℃での貯蔵弾性率(E’)は0.9×109〜1.8×109Pa、好ましくは1.0×109〜1.65×109Pa、更に好ましくは1.05×109〜1.55×109Paである。50℃での貯蔵弾性率(E’)が0.9×109〜1.8×109Paの範囲にあっては剛性と伸びの物性バランスに優れる。50℃での貯蔵弾性率(E’)は成分(I)及び成分(II)のビニル芳香族炭化水素含有量、または成分(I)及び成分(II)の50℃での貯蔵弾性率(E’)を予め測定しておき、その重量比を調整することによって制御できる。
本発明の材料における−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)の比(E−50/E25)は1〜1.75、好ましくは1〜1.6、更に好ましくは1〜1.5の範囲である。E−50/E25が1〜1.75の範囲にあっては剛性と低温伸びに優れる。本発明の材料が成分(I)のみを含む場合、E−50/E25は、複数の成分(I)の−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)を予め測定しておき、その重量比を調整することによっても制御できる。その際、成分(I)としては、−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)の範囲に変曲を有しない、或いは変曲が少ないものを用いることが好ましい。本発明の材料が、成分(I)及び(II)を含む場合も同様に、成分(I)と成分(II)の−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)を予め測定しておき、その重量比を調整することによって制御できる。
ここで、成分(I)の貯蔵弾性率(E’)を制御する方法の例を以下に示す。ビニル芳香族炭化水素を単独重合させ、重合完結後、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの混合物を一度に仕込んで重合を続行させるとビニル芳香族炭化水素・共役ジエン比が次第に変化するビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体部をもつビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体を得ることができる。また、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの均一な混合物を連続的に仕込むとビニル芳香族炭化水素・共役ジエン比の均一なビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体部をもつビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体を得ることができる。ビニル芳香族炭化水素・共役ジエン比が次第に変化するビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体部をもつブロック共重合体の貯蔵弾性率(E’)の挙動は漸減的であるのに対して、ビニル芳香族炭化水素・共役ジエン比の均一なビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体部をもつブロック共重合体の貯蔵弾性率(E’)の挙動は急激に変化する。そこで、ビニル芳香族炭化水素を単独重合させてからビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの混合物を仕込んで重合を続行させる方法と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの均一な混合物を連続的に仕込む方法とを適宜採用し、ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量も併せて調整することによって成分(I)の任意の粘弾性特性を持つポリマーを得ることが可能となる。前記の手法で任意のビニル芳香族炭化水素単独重合体−ビニル芳香族炭化水素・共役ジエン共重合体部−ビニル芳香族炭化水素単独重合体(S−S/B−S)を製造することができる。
本発明の材料の損失弾性率(E”)のピーク温度は60℃以上、110℃以下、好ましくは75℃以上、105℃以下、更に好ましくは80℃以上、100℃以下に少なくとも1つ存在する。損失弾性率(E”)のピーク温度が60℃以上、110℃以下にあっては低温収縮性に優れる。本発明の材料が成分(I)のみを含む場合、損失弾性率(E”)のピーク温度は、成分(I)のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの比率を調整することで制御できる。この場合、ビニル芳香族炭化水素含有量が増すほど損失弾性率(E”)のピーク温度は高くなり、減少すると損失弾性率(E”)のピーク温度は低くなる。また、本発明の材料が、成分(I)及び成分(II)を含む場合、当該材料の損失弾性率(E”)のピーク温度は、成分(I)と成分(II)の損失弾性率(E”)のピーク温度を予め測定しておき、その重量比を調整することによって制御できる。
本発明の材料に、滑剤として脂肪酸アミド、パラフィン、炭化水素系樹脂および脂肪酸から選ばれる少なくとも1種を、本発明の材料100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜4重量部、更に好ましくは0.1〜3重量部添加することによって、熱収縮性フィルムの耐ブロッキング性が良好となる。
脂肪酸アミドとしては、ステアロアミド、オレイル・アミド、エルシル・アミド、ベヘン・アミド、高級脂肪酸のモノ又はビスアミド、エチレンビス・ステアロアミド、ステアリル・オレイルアミド、N−ステアリル・エルクアミド等があるが、これらは単独或いは2種以上混合して使用できる。
パラフィン及び炭化水素系樹脂としてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレン・ワックス、複合ワックス、モンタン・ワックス、炭化水素系ワックス、シリコーンオイル等があるが、これらは単独或いは2種以上混合して使用できる。
脂肪酸としては飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸が挙げられる。すなわち、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ヒドロキシステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、エルカ酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸等があるが、これらは単独或いは2種以上混合して使用できる。
本発明の材料に、紫外線吸収剤及び光安定剤としてベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダード・アミン系光安定剤から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤及び光安定剤を、本発明の材料100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.05〜2.5重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部添加することによって、熱収縮性フィルムの耐光性が向上する。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ・ベンゾフェノン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル酸,n−ヘクサデシルエステル、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)ブタン、1,6−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサン等がある。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ・フタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール等がある。
ヒンダード・アミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパケート、ビス(1,2,6,6,6,−ペンメチル−4−ピペリジル)セパケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキジフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキジフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアサスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、こはく酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチ)レ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物が挙げられる。
また、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル]イミノ]]、ポリ[6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ビペリジル)イミノ]]、2−(3,5−ジ・第三ブチル−4−ヒドロキジベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンダメチル−4−ピペリジル)、テトラキシ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキシ(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4,−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボシ酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物が挙げられる。
さらにまた、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンダメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンダメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリシル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−2,2,6,6−テトラメチ−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリシル−メタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリシル−メタクリレート等がある。
本発明の材料に、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、本発明の材料100重量部に対して0.05〜3重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部添加することによって、ゲル抑制効果を得ることができる。安定剤が0.05重量部未満ではゲルを抑制する効果がなく、3重量部を超えて添加しても本発明以上のゲル抑制効果に寄与しない。
本発明の材料には、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のフェノール系安定剤の少なくとも1種を、本発明の材料100重量部に対して0.05〜3重量部、トリス−(ノニルフェニル)フォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−N,N−ビス〔2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−エチル〕−エタンアミン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等の有機ホスフェート系、有機ホスファイト系安定剤の少なくとも1種を、本発明の材料100重量部に対して0.05〜3重量部添加することができる。これにより、ゲル抑制効果を得ることができる。
本発明の材料には、目的に応じて種々の添加剤を添加することができる。好適な添加剤としては、クマロン−インデン樹脂、テルペン樹脂、オイル等の軟化剤、可塑剤が挙げられる。又各種の安定剤、顔料、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、滑剤等も添加できる。尚、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、滑剤としては、例えば脂肪酸アマイド、エチレンビス・ステアロアミド、ソルビタンモノステアレート、脂肪酸アルコールの飽和脂肪酸エステル、ペンタエリストール脂肪酸エステル等、又紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,5−ビス−[5’−t−ブチルベンゾオキサゾリル−(2)]チオフェン等、「プラスチックおよびゴム用添加剤実用便覧」(化学工業社)に記載された化合物が使用できる。これらは、一般的に0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲で用いられる。
[熱収縮性フィルム]
本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮性1軸又は2軸延伸フィルムであり、材料を通常のTダイ又は環状ダイからフラット状又はチューブ状に150〜250℃、好ましくは170〜220℃で押出成形し、得られた未延伸物を実質的に1軸延伸又は2軸延伸する方法や、第1のインフレーション工程として延伸前の原反シートを作成し、第2のインフレーション工程として流体中で再度インフレーション法によって熱収縮性フィルムを得る方法等によって製造することができる。
例えば1軸延伸の場合、フィルム、シート状の場合はカレンダーロール等で押出方向に、或いはテンター等で押出方向と直交する方向に延伸し、チューブ状の場合はチューブの押出方向又は円周方向に延伸する。2軸延伸の場合、フィルム、シート状の場合には押出フィルム又はシートを金属ロール等で縦方向に延伸した後、テンター等で横方向に延伸し、チューブ状の場合にはチューブの押出方向及びチューブの円周方向、即ちチューブ軸と直角をなす方向にそれぞれ同時に、或いは別々に延伸する。
本発明においては、延伸温度60〜130℃、好ましくは70〜120℃、更に好ましくは80〜110℃で、縦方向及び/又は横方向に延伸倍率1.5〜8倍、好ましくは2〜6倍に延伸するのが好ましい。延伸温度が60℃未満の場合には延伸時に破断を生じて所望の熱収縮性フィルムが得にくく、130℃を超える場合は収縮特性の良好な物が得難い。延伸倍率は用途によって必要とする収縮率に対応するように上記範囲内で選定されるが、延伸倍率が1.5倍未満の場合は熱収縮率が小さく熱収縮包装用として好ましくなく、又8倍を超える延伸倍率は延伸加工工程における安定生産上好ましくない。2軸延伸の場合、縦方向及び横方向における延伸倍率は同一であっても、異なっていてもよい。1軸延伸又は2軸延伸の熱収縮性フィルムは、次いで必要に応じて60〜160℃、好ましくは80〜155℃で短時間、例えば3〜60秒間、好ましくは10〜40秒間熱処理して室温下における自然収縮を防止する手段を実施することも可能である。
このようにして得られた熱収縮性のフィルムを熱収縮性包装用素材や熱収縮性ラベル用素材として使用するには、延伸方向における80℃の熱収縮率が5〜80%、好ましくは10〜75%、更に好ましくは15〜70%である。熱収縮率がかかる範囲の場合、熱収縮率と自然収縮率のバランスに優れた熱収縮性フィルムが得られる。尚、本発明において80℃の熱収縮率は低温収縮性の尺度であり、1軸延伸又は2軸延伸フィルムを80℃の熱水、シリコーンオイル、グリセリン等の成形品の特性を阻害しない熱媒体中に10秒間浸漬したときの成形品の各延伸方向における熱収縮率である。本発明においては、上記熱収縮率の範囲において、熱収縮性フィルム自体の自然収縮率が2.5%以下、好ましくは2.0%以下、更に好ましくは1.5%以下であることが推奨される。ここで熱収縮性フィルム自体の自然収縮率とは、上記熱収縮率の範囲の熱収縮性フィルムを35℃で5日間放置し、後述する式により算出した値である。
更に、本発明の1軸延伸または2軸延伸フィルムは、延伸方向における引張弾性率が700〜3000MPa、好ましくは1000〜2500MPaであることが熱収縮包装材として必要である。延伸方向における引張弾性率が700MPa未満の場合は収縮包装工程においてヘタリを生じ正常な包装ができず好ましくなく、3000MPaを超えるとフィルムの耐衝撃性が低下するため好ましくない。
本発明の1軸延伸又は2軸延伸フィルムを熱収縮性包装材として使用する場合、目的の熱収縮率を達成するために130〜300℃、好ましくは150〜250℃の温度で数秒から数分、好ましくは1〜60秒加熱して熱収縮させることができる。
本発明の熱収縮性フィルムは、少なくとも2層、好ましくは少なくとも3層構造を有する多層積層体であっても良い。多層積層体としての使用形態は、例えば特公平3-5306号公報に開示されている形態が具体例として挙げられる。本発明の熱収縮性フィルムは、延伸方向における80℃の熱収縮率が10〜80%であることが好ましい。熱収縮率がこの範囲であれば、熱収縮率と自然収縮率のバランスに優れた熱収縮性フィルムを得ることができる。
本発明の熱収縮性フィルムは中間層に用いてもよく、両外層に用いても良い。本発明の熱収縮性フィルムを多層フィルムに使用する場合、本発明の熱収縮性フィルムを使用したフィルム層以外の層は特に制限はなく、構成成分や組成等が異なる本発明の熱収縮性フィルム、或いは本発明以外の熱収縮性フィルムを組み合わせた多層積層体であっても良い。本発明の熱収縮性フィルムを中層とする場合の外層フィルムのビカット軟化温度は中層よりも3〜15℃、好ましくは5〜12℃高いものが良い。
本発明の熱収縮性フィルム及び熱収縮性多層フィルムの厚さは10〜300μm、好ましくは20〜200μm、更に好ましくは30〜100μmで、多層フィルムの両表層と内層の厚みの割合は5/95〜45/55、好ましくは10/90〜35/65であることが推奨される。
本発明の熱収縮性フィルムは、その特性を生かして種々の用途、例えば生鮮食品、菓子類の包装、衣類、文具等の包装等に利用できる。特に好ましい用途としては、本発明で規定するブロック共重合体の1軸延伸フィルムに文字や図案を印刷した後、プラスチック成形品や金属製品、ガラス容器、磁器等の被包装体表面に熱収縮により密着させて使用する、いわゆる熱収縮性ラベル用素材としての利用が挙げられる。
取り分け、本発明の熱収縮性フィルムは剛性と低温伸びに優れるため、高温に加熱すると変形を生じる様なプラスチック成形品の熱収縮性ラベル素材の他、熱膨張率や吸水性等が本発明のブロック共重合体とは極めて異なる材質、例えば金属、磁器、ガラス、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる少なくとも1種を構成素材として用いた容器の熱収縮性ラベル素材として好適に利用できる。尚、本発明の熱収縮性フィルムが利用できるプラスチック容器を構成する材質としては、上記の樹脂の他、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。これらのプラスチック容器は2種以上の樹脂類の混合物でも、積層体であってもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例によって限定を受けるものではない。尚、実施例に示す測定値及び評価は下記の方法によって行った。
(1)動的粘弾性:ペレットを加熱プレスで圧縮成形した厚さ約1mmの試験片を、株式会社ユービーエム製粘弾性測定解析装置DVE−V4を用い、振動周波数35Hz、昇温速度3℃/minの条件で温度−50℃〜150℃の範囲を測定し、50℃の貯蔵弾性率(E’)、−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)、損失弾性率(E”)のピーク温度を求めた。
(2)水添率:ブロック共重合体水添物を用い,核磁気共鳴装置(装置名:DPX−400;ドイツ国、BRUKER社製)で測定した。
(3)曇り度(Haze:透明性の目安):ASTM D1003に準拠(試験片厚さ約0.05mmの熱収縮性フィルムに流動パラフィンを塗布)して測定した。曇り度が低いほど良い透明性を示す。
(4)引張弾性率(剛性の目安):試験片は延伸フィルムからMD及びTD方向に幅を10mm、標線間を100mmとする長さに短冊状に切り出した。測定温度は23℃、引張速度は10mm/minで行い、定法により引張弾性率を求めた。尚、MD及びTD方向の平均値を引張弾性率の値とした。
(5)−5℃伸び;試験片は延伸フィルムからMD方向に幅を15mm、標線間を40mmとする長さに短冊状に切り出した。測定温度は−5℃、引張速度は100mm/minで行った。
(6)80℃収縮率;延伸フィルム(TD方向)を80℃の温水中に10秒間浸漬し、次式により算出した。
80℃熱収縮率(%)=(L−L1)/L×100
ここで、Lは収縮前の長さを、L1は収縮後の長さを示す。
(7)自然収縮率
延伸フィルム(TD方向)を35℃で5日間放置し、次式により算出した値である。
自然収縮率(%)=(L2−L3)/L2×100
ここで、L2は放置前の長さを、L3は放置後の長さを示す。自然収縮率が小さいほど、自然収縮性は優れる。
(8)ビカット軟化温度(VSP)
材料を厚さ3mmに圧縮成形したものを試験片とし、ASTM D−1525に準じて測定(荷重:1Kg、昇温速度:2℃/min)した値である。
本実施例では、まず、表1に示すブロック共重合体またはその水添物A−1〜A−7を用意し、これらを表3に示す成分(I)及び成分(i)に用いた。また、表2に示すスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体B−1及びB−2を表3に示す成分(ii)とした。さらに、表2に示すポリスチレンB−3及びB−4を成分(iii)または成分(iv)とした。
Figure 2008133314
Figure 2008133314
Figure 2008133314
<実施例1〜5及び比較例1〜3>
表3に示す配合処方に従い、40mm押出機を用いて200℃で厚さ0.25mmのシート状に成形し、その後延伸温度を85℃として、テンターを用いて横軸に延伸倍率を5倍に1軸延伸して厚さ約50μmの熱収縮性フィルムを得た。この熱収縮性フィルムのフィルム性能を表3に示した。本発明の熱収縮性フィルムの性能は、引張弾性率で表される剛性、80℃収縮率で表される低温収縮性、自然収縮性、−5℃の伸び、耐溶剤性に優れていることが分かった。
<実施例6>
表4に示した材料を中層、表裏層とした3層シートをTダイより押出し、縦方向に1.2倍の延伸を行い、厚さ0.25mmのシートに成形した。次いで、テンターにより横方向に5倍延伸して厚さ60μmの熱収縮性フィルムを得た。中層と表層・裏層の厚みの比率(%)は15(表層)/70(中層)/15(裏層)であった。得られた3層熱収縮性フィルムの性能を表4に示した。尚、紫外線吸収剤として表裏層の材料100重量部に対してアデカスタブLA-32(旭電化工業(株)社製)を0.2重量部、滑剤としてステアロアミドを表裏層の材料100重量部に対して0.2重量部添加した。
Figure 2008133314
本発明の熱収縮性フィルムは、透明で剛性、低温伸び、低温収縮性等の物性バランスが良好で、取り分け剛性と低温伸びに優れるため、薄肉化熱収縮性フィルム材料として、飲料容器包装やキャップシール及び各種ラベル等に好適に利用できる。

Claims (11)

  1. ビニル芳香族炭化水素の含有量が65〜95重量%および共役ジエンの含有量が5〜35重量%とからなるブロック共重合体又はその水添物(I)を含む材料であって、
    50℃の貯蔵弾性率(E’)が0.9×109〜1.8×109Paの範囲で、−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)の比(E−50/E25)が1〜1.75の範囲であり、かつ損失弾性率(E”)のピーク温度が60℃以上、110℃以下に少なくとも1つ存在する材料により形成される熱収縮性フィルム。
  2. 前記材料が、さらに下記(i)〜(iv)の重合体(II)の少なくとも1種を含み、該材料中におけるブロック共重合体又はその水添物(I)と重合体(II)との重量比が99.9/0.1〜1/99である、請求項1に記載の熱収縮性フィルム。
    (i)成分(I)を含まないビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又はその水添物
    (ii)ビニル芳香族炭化水素および脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体からなる共重合体
    (iii)ビニル芳香族炭化水素重合体
    (iv)ゴム変性スチレン系重合体
  3. 前記材料の50℃の貯蔵弾性率(E’)が1.0×109〜1.65×109Paの範囲である、請求項1又は2に記載の熱収縮性フィルム。
  4. 前記材料の−50℃の貯蔵弾性率(E−50)と25℃の貯蔵弾性率(E25)の比(E−50/E25)が1〜1.6の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  5. 前記材料の損失弾性率(E”)のピーク温度が75℃以上、105℃以下に少なくとも1つ存在する、請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  6. 前記材料が、該材料100重量部に対して、脂肪酸アミド、パラフィン、炭化水素系樹脂および脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の滑剤を0.01〜5重量部含む、請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  7. 前記材料が、該材料100重量部に対して、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートおよび2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾールから選ばれる少なくとも1種の安定剤を0.05〜3重量部含む、請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  8. 前記材料が、該材料100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダード・アミン系光安定剤から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤又は光安定剤を0.05〜3重量部含む、請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを少なくとも1つの層とする、熱収縮性多層フィルム。
  10. 延伸方向における80℃の熱収縮率が10〜80%である、請求項9に記載の熱収縮性多層フィルム。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを中層とし、外層のビカット軟化温度が中層よりも3〜15℃高い、熱収縮性多層フィルム。
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