JP5224634B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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また、室温での自然収縮性を改良するため、スチレン系炭化水素と共役ジエン炭化水素からなるブロック共重合体とスチレン系炭化水素を含有した特定Tgのランダム共重合体の組成物からなるポリスチレン系熱収縮フィルムが開示されている(例えば、特許文献5。)。
また、透明性、剛性及び低温面衝撃性をバランスさせた組成物を得るため、特定構造と分子量分布を有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックからなる共重合体とビニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂との組成物が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。また、透明性と耐衝撃性に優れた樹脂組成物を得るため、特定構造のビニル芳香族炭化水素ブロックビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体ブロックを有するブロック共重合体とビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体を含有する透明高強度樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献8参照。)。
また、自然収縮性、強度、表面特性、腰の強さ、低温収縮性等に優れる収縮フィルムを得るため、両外層が特定ブタジエン単位含量のスチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体とスチレン−ブチルアクリレートの混合物、中間層が特定ブタジエン単位含量のスチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体とスチレン−ブチルアクリレートの混合物からなる少なくとも3層の多層ポリスチレン系熱収縮フィルムが開示されている(例えば、特許文献10参照。)。
また、低温での熱収縮特性、収縮仕上がり性、自然収縮率、熱時、フィルム同士のブロッキングが発生しない熱収縮性フィルムを得るため、中間層が特定のビカット軟化点のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を主成分とし、内外層が特定のビカット軟化点のスチレン−共役ジエンブロック共重合体を主成分とする特定の熱収縮率を有する多層熱収縮性ポリスチレン系フィルムが開示されている(例えば、特許文献12参照。)。
しかしながら、これらのビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体その水添物又は該ブロック共重合体とビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重合体の組成物は、自然収縮性、低温収縮性、剛性、透明性、耐衝撃性及び耐溶剤性等の物性バランスが十分でなく、これらの文献にはそれらを改良する方法に関して開示されておらず、依然として市場での問題点が指摘されている。
1.ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、少なくとも1つのスチレンとブタジエンの共重合体部を含むブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体であって、該水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族炭化水素の含有量が70〜90重量%、共役ジエンの含有量が10〜30重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が3万〜50万、ビカット軟化温度が70〜80℃である水添ブロック共重合体(I)と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体からなる共重合体であって、該共重合体を構成するビニル芳香族炭化水素の含有量が20〜95重量%、脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体の含有量が5〜80重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が5万〜50万、ビカット軟化温度が90℃を越え、110℃以下の共重合体(II)からなる組成物で、成分(I)と成分(II)の重量比が90/10〜10/90、かつ該組成物のビカット軟化温度が85℃を越え、105℃以下である組成物100重量部に対して、下記のa)またはb)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系重合体を0.5〜100重量部添加することを特徴とする組成物、
a)非ゴム変性スチレン系重合体
b)ゴム変性スチレン系重合体
2.ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、少なくとも1つのスチレンとブタジエンの共重合体部を含むブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体であって、該水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族炭化水素の含有量が70〜90重量%、共役ジエンの含有量が10〜30重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が3万〜50万、ビカット軟化温度が70〜80℃である水添ブロック共重合体(I)と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体からなる共重合体であって、該共重合体を構成するビニル芳香族炭化水素の含有量が20〜95重量%、脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体の含有量が5〜80重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が5万〜50万、ビカット軟化温度が90℃を越え、110℃以下の共重合体(II)からなる組成物で、成分(I)と成分(II)の重量比が90/10〜10/90、かつ該組成物のビカット軟化温度が85℃を越え、105℃以下である組成物に対して、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が20/80〜50/50、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が3万〜20万であるブロック共重合体又はその水添物(III)を3〜15重量%添加してなる組成物100重量部に対して、下記のa)またはb)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系重合体を0.5〜100重量部添加することを特徴とする組成物。
a)非ゴム変性スチレン系重合体
b)ゴム変性スチレン系重合体
3.上記1又は2に記載の組成物100重量部に対して、脂肪酸アミド、パラフィン、炭化水素系樹脂および脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の滑剤を0.01〜5重量部添加することを特徴とする組成物、
4.上記1〜3のいずれかに記載の組成物100重量部に対して、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートおよび2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾールから選ばれる少なくとも1種の安定剤を0.05〜3重量部添加することを特徴とする組成物、
5.上記1〜4のいずれかに記載の組成物100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダード・アミン系光安定剤から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤又は光安定剤を0.05〜3重量部添加することを特徴とする組成物、
6.上記1〜5のいずれかに記載の組成物からなるシート・フィルムあるいは熱収縮フィルム、
に関する。
成分(I)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量は3万〜50万、好ましくは5万〜30万、更に好ましくは8万〜20万である。数平均分子量が3万〜50万の範囲にあっては成形加工性に優れる。成分(I)のビカット軟化温度は70〜90℃、好ましくは73〜85℃、更に好ましくは75〜80℃である。ビカット軟化温度が70〜90℃の範囲にあっては耐熱性、延伸性に優れる。
本発明に使用する水添ブロック共重合体の好ましいメルトフローレイト(JISK−6870により測定。条件はG条件で温度200℃、荷重5Kg)は成形加工性の点から、0.01〜100g/10min、0.05〜50g/10min、更に好ましくは0.5〜30g/10minであることが推奨される。数平均分子量とメルトフローレイト(以下、MFRと略すこともある)は重合に使用する触媒量により任意に調整できる。
本発明に使用する成分(I)および成分(III)は、ビニル芳香族炭化水素単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体から構成されるセグメントを少なくとも1つと、共役ジエン単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体から構成されるセグメントを少なくとも1つ有する。ポリマー構造は特に制限は無いが、例えば一般式、
(A−B)n、A−(B−A)n 、B−(A−B)n+1
[(A−B)k]m+1−X 、[(A−B)k−A]m+1−X
[(B−A)k]m+1−X 、[(B−A)k−B]m+1−X
本発明に使用する成分(I)および成分(III)において、(i)イソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック、(ii)イソプレンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックおよび(iii)イソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックの(i)〜(iii)の群から選ばれる少なくとも1つの重合体ブロックが組み込まれていても良く、ブタジエンとイソプレンの重量比が3/97〜90/10、好ましくは5/95〜85/15、更に好ましくは10/90〜80/20であるブロック共重合体からなる水添ブロック共重合体は、水添率が50重量%以下にあっては熱成形・加工等におけるゲル生成が少ない。
水添反応は一般的に0〜200℃、より好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水添反応に使用される水素の圧力は0.1〜15MPa、好ましくは0.2〜10MPa、更に好ましくは0.3〜7MPaが推奨される。また、水添反応時間は通常3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
成分(III)の添加量は3〜15重量%、好ましくは4〜13重量%、更に好ましくは5〜10重量%である。成分(III)の添加量が3〜15重量%の範囲にあっては伸びが良好である。
本発明の成分(I)/(II)からなる組成物のビカット軟化温度は85℃を越え、105℃以下、好ましくは90を越え〜100℃の範囲である。組成物のビカット軟化温度が85℃を越え、105℃以下の範囲にあっては耐熱性、延伸性に優れる。
本発明の成分(I)/(II)或いは成分(I)/(II)/(III)からなる組成物(以後、成分(A)と呼ぶ)は、スチレン系重合体(以後、成分(B)と呼ぶ)との組成物として使用することができる。成分(A)と成分(B)の重量比は、成分(A)100重量部に対して成分(B)が0.5〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、更に好ましくは3〜50重量部である。かかる重量比で成分(A)と成分(B)を組み合わせることで、剛性、伸びに優れるブロック共重合体組成物を得ることができる。
a)非ゴム変性スチレン系重合体
b)ゴム変性スチレン系重合体
本発明に使用するa)非ゴム変性スチレン系重合体はスチレンもしくはこれと共重合可能なモノマーを重合して得られるもの(但し、成分(II)の脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体を除く)である。スチレンと共重合可能なモノマーとしては、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、無水マレイン酸等があげられる。スチレン系重合体としては、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられるが、特に好ましい非ゴム変性スチレン系重合体としてはポリスチレンをあげることができる。これらの非ゴム変性スチレン系重合体の重量平均分子量は、一般に50000〜500000の重合体を使用できる。また、これらの非ゴム変性スチレン系重合体は単独又は二種以上の混合物として使用でき、剛性改良剤として利用できる。
これらのエラストマーはビニル芳香族炭化水素もしくはこれと共重合可能なモノマー100重量部に対して一般に3〜50重量部該モノマーに溶解して或いはラテックス状で乳化重合、塊状重合、塊状−懸濁重合等に共される。特に好ましいゴム変性スチレン系重合体としては、耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体(HIPS)があげられ。ゴム変性スチレン系重合体は剛性、耐衝撃性、滑り性の改良剤として利用できる。これらのゴム変性スチレン系重合体の重量平均分子量は、一般に50000〜500000の重合体を使用できる。ゴム変性スチレン系重合体の添加量は透明性維持を考慮すると0.5〜10重量部が好ましい。
本発明で使用するスチレン系重合体としては、特に、MFR(G条件で温度200℃、荷重5Kg)は成形加工の点から0.1〜100g/10min、好ましくは0.5〜50g/10min、1〜30g/10minであることが推奨される。
脂肪酸アミドとしては、ステアロアミド、オレイル・アミド、エルシル・アミド、ベヘン・アミド、高級脂肪酸のモノ又はビスアミド、エチレンビス・ステアロアミド、ステアリル・オレイルアミド、N−ステアリル・エルクアミド等があるが、これらは単独或いは2種以上混合して使用できる。パラフィン及び炭化水素系樹脂としてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレン・ワックス、複合ワックス、モンタン・ワックス、炭化水素系ワックス、シリコーンオイル等があるが、これらは単独或いは2種以上混合して使用できる。
本発明の組成物には紫外線吸収剤及び光安定剤としてベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダード・アミン系光安定剤から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤及び光安定剤を組成物100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.05〜2.5重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部添加することによって、耐光性が向上する。
本発明の組成物には本発明に使用する成分(I)および成分(II)とは異なるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体及び/又はその水添物は、ビニル芳香族炭化水素含有量が60〜95重量%、好ましくは65〜90重量%で、本発明に使用する水添ブロック共重合体と同様の構造を有するものが使用でき、本発明に使用するブロック共重合体又はその水添物100重量部に対して5〜90重量部、好ましくは10〜80重量部配合することにより、耐衝撃性や剛性を改善することができる。
本発明の組成物は、押出成形した未延伸状又は延伸した成形用シート、延伸フィルム(熱収縮フィルム、ラミネート用フィルム)、多層よりなる該成形用シートの少なくとも1層として、いずれの層にも利用できる。また別に、射出成形用等にも利用できる。取り分け、押出成形による1軸又は2軸延伸したシート、フィルム用に好適である。
本発明の1軸延伸又は2軸延伸熱収縮フィルムを熱収縮性包装材として使用する場合、目的の熱収縮率を達成するために130〜300℃、好ましくは150〜250℃の温度で数秒から数分、好ましくは1〜60秒加熱して熱収縮させることができる。
本発明の熱収縮フィルムは、少なくとも2層、好ましくは少なくとも3層構造を有する多層積層体であっても良い。多層積層体としての使用形態は、例えば特公平3−5306号公報に開示されている形態が具体例として挙げられる。本発明の熱収縮フィルムは中間層及び両外層に用いても良い。本発明の熱収縮フィルムを中層とする場合の外層フィルムのビカット軟化温度は中層よりも3〜15℃、好ましくは5〜12℃高いものが良い。ビカット軟化温度は中層よりも3〜15℃外層フィルムからなる多層フィルムは自然収縮性と低温収縮性のバランスに優れる。
本発明の熱収縮フィルムは、その特性を生かして種々の用途、例えば生鮮食品、菓子類の包装、衣類、文具等の包装等に利用できる。特に好ましい用途としては、本発明で規定するブロック共重合体の1軸延伸フィルムに文字や図案を印刷した後、プラスチック成形品や金属製品、ガラス容器、磁器等の被包装体表面に熱収縮により密着させて使用する、いわゆる熱収縮性ラベル用素材としての利用が挙げられる。
(水添ブロック共重合体及びブロック共重合体A−1〜A−9の調製)
水添前ブロック共重合体はシクロヘキサン溶媒中n−ブチルリチウムを触媒とし、テトラメチルエチレンジアミンをランダム化剤として、表1に示した水添ブロック共重合体の構造、スチレン含有量(重量%)数平均分子量、ビカット軟化温度及び所定の水添率を有する水添ブロック共重合体を製造した。スチレン含有量はスチレンとブタジエンの添加量で、数平均分子量は触媒量で、ビカット軟化温度はスチレン含有量、ブロック共重合体の構造及び数平均分子量で調整した。なお、水添ブロック共重合体の調製において、モノマーはシクロヘキサンで濃度20重量%に希釈したものを使用した。
また、水添触媒は、窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた水添触媒を使用した。
攪拌機付きオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下でスチレン20重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.065重量部、テトラメチルエチレンジアミンを0.03重量部添加し、70℃で20分間重合した。次にスチレン29重量部と1,3−ブタジエン16重量部を含むシクロヘキサン溶液を45分間連続的に添加して70℃で重合した。
次にスチレン35重量部を含むシクロヘキサン溶液を添加して70℃で40分間重合した。その後水添触媒をブロック共重合体100重量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加した後、脱溶媒して水添ブロック共重合体を得た。尚、水添率の調整は水素量で調整した。
2)ブロック共重合体水添物A−2〜A−9
ブロック共重合体水添物A−2〜A−9はブロック共重合体の構造及び数平均分子量、ビカット軟化温度及び水添率を調整する以外はA−1と同様な方法で調製した。
B−1〜B−5は撹拌器付き10Lオートクレーブに、スチレン、メチルメタアクリレート、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸及びエチルメタクリレートを表2に示す比率で5kg添加し、同時にエチルベンゼン0.3kgと、MFRを調整するため1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを所定量仕込み、110〜150℃で2〜10時間重合後、ベント押出機で未反応モノマー及びエチルベンゼンを回収して製造した。
(測定・評価方法)
1)スチレン含有量
スチレン含有量は、紫外分光光度計(装置名:UV−2450;島津製作所製)を用いて測定した。
2)数平均分子量
数分子量は、GPC装置(米国、ウォーターズ製)を用いて測定した。溶媒にはテトラヒドロフランを用い、35℃で測定した。重量平均分子量と数平均分子量が既知の市販の標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を使用し、数平均分子量を求めた。
3)水添率
水添率は核磁気共鳴装置(装置名:DPX−400;ドイツ国、BRUKER社製)で測定した。
試料を厚さ3mmに圧縮成形したものを試験片とし、ASTM D−1525に準じて測定(荷重:1Kg、昇温速度:2℃/min)した値である。
5)引張弾性率、引張破断強度、引張破断伸び
JIS K−6732に準拠し、引張速度5mm/minでシートのMD、TD方向について測定した。尚、引張弾性率と引張破断強度はMD方向とTD方向の平均値、引張破断伸びはMD方向の値を示した。実施例7の引張弾性率は延伸フィルムの延伸方向について測定した結果を示した。
JISK−5401に準拠し、成形シートを用いて測定した。
◎:鉛筆硬度がFまたは、これより硬い
○:鉛筆硬度がHB〜2B
×:鉛筆硬度が3Bまたは、これより軟らかい
7)Haze
延伸前のシート表面に流動パラフィンを塗布し、ASTM D1003に準拠して測定した。
8)ブロッキング性
縦5cm×横5cmのシートを2枚重ねて100g/cm2Gの加重をかけ、70℃、60分間放置し、シートのブロッキング状態を目視判定した。
<判定基準>
○:ブロッキングが認められない。
×:ブロッキングが認められる。
MD方向15cm×TD方向15cmの延伸フィルムにメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(比率は7/3)を刷毛で塗り、30℃で7日間乾燥後、印刷前後の0℃のフィルムMD方向の伸びの保持率で判定した。
<判定基準>
○:保持率50%以上
×:保持率50%未満
10)延伸性
延伸性とは厚み0.3mmのシートをテンターを用いて横軸に延伸倍率を5倍に1軸延伸して厚さ約60μmの熱収縮性フィルム得るに際して、破れることなしに延伸可能な最低延伸温度を延伸温度として示した。また、均一性とは延伸されたフィルムの厚みムラの発生程度を表し、全面均一(厚みムラ±15%未満)に延伸できた場合を○、不均一(厚みムラ±15%以上)の場合を×として示した。
100℃収縮率は、延伸フィルムを100℃のシリコーンオイル中に30秒間浸漬し、次式により算出した。
熱収縮率(%)=(L−L1)/L×100、
L:収縮前の長さ、L1:収縮後の長さ。
12)自然収縮率
100℃で測定した収縮率が40%の延伸フィルムを35℃で5日間放置し、次式により算出した値である。
自然収縮率(%)=(L2−L3)/L2×100、
L2:放置前の長さ、L3:放置後の長さ。
自然収縮率が小さいほど、自然収縮性は優れる。
13)パンクチャー衝撃強度
JISP−8134に準拠して測定した。単位はKg・cm。
14)温水融着性
延伸フィルムを直径約8cmのガラス瓶に巻き付け、80℃温水中に3本俵積みで5分間放置し、フィルムの融着状態を目視判定した。判定基準は、◎は全く融着していない、○は僅かに融着しているがすぐ離れる、×は融着してすぐには離れない。
物性の測定は、表3に示した成分(I)、成分(II)、成分(III)及び成分(B)の種類と量の配合組成物を40mmシート押出機を用いて厚さ0.6mmのシートに成形した。このシート物性を表3に示した。延伸性はシート厚みを0.3mmとし、該シートをテンターを用いて横軸に延伸倍率を5倍に1軸延伸して厚さ約60μmの熱収縮性フィルムとした。本発明の組成物からなるシートの性能は引張弾性率で表される剛性、耐ブロッキング性で表される耐熱性、Hazeで表される透明性に優れ、延伸フィルムを用いて測定した耐溶剤性が良好で、延伸性及び延伸フィルムの均一性に優れている。尚、表3に示したシート、フィルム性能は上記の方法で行った。
表4に示した配合組成物を中層、表裏層とした3層シートをTダイより押出し、縦方向に1.2倍の延伸を行い、厚さ0.3mmのシートに成形した。次いで、テンターにより横方向に5倍延伸して厚さ60μmの熱収縮フィルムを得た。中層と表層・裏層の厚みの比率(%)は15(表層)/70(中層)/15(裏層)であった。得られた3層熱収縮フィルムの性能を表4に示した。尚、紫外線吸収剤として表裏層100重量部に対してアデカスタブLA−32(旭電化工業(株)社製)を0.2重量部、滑剤としてステアロアミドを表裏層の組成物100重量部に対して0.2重量部添加した。
Claims (6)
- ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、少なくとも1つのスチレンとブタジエンの共重合体部を含むブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体であって、該水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族炭化水素の含有量が70〜90重量%、共役ジエンの含有量が10〜30重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が3万〜50万、ビカット軟化温度が70〜80℃である水添ブロック共重合体(I)と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体からなる共重合体であって、該共重合体を構成するビニル芳香族炭化水素の含有量が20〜95重量%、脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体の含有量が5〜80重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が5万〜50万、ビカット軟化温度が90℃を越え、110℃以下の共重合体(II)からなる組成物で、成分(I)と成分(II)の重量比が90/10〜10/90、かつ該組成物のビカット軟化温度が85℃を越え、105℃以下である組成物100重量部に対して、下記のa)またはb)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系重合体を0.5〜100重量部添加することを特徴とする組成物。
a)非ゴム変性スチレン系重合体
b)ゴム変性スチレン系重合体 - ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、少なくとも1つのスチレンとブタジエンの共重合体部を含むブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体であって、該水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族炭化水素の含有量が70〜90重量%、共役ジエンの含有量が10〜30重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が3万〜50万、ビカット軟化温度が70〜80℃である水添ブロック共重合体(I)と、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体からなる共重合体であって、該共重合体を構成するビニル芳香族炭化水素の含有量が20〜95重量%、脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体の含有量が5〜80重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が5万〜50万、ビカット軟化温度が90℃を越え、110℃以下の共重合体(II)からなる組成物で、成分(I)と成分(II)の重量比が90/10〜10/90、かつ該組成物のビカット軟化温度が85℃を越え、105℃以下である組成物に対して、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が20/80〜50/50、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量が3万〜20万であるブロック共重合体又はその水添物(III)を3〜15重量%添加してなる組成物100重量部に対して、下記のa)またはb)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系重合体を0.5〜100重量部添加することを特徴とする組成物。
a)非ゴム変性スチレン系重合体
b)ゴム変性スチレン系重合体 - 請求項1又は2に記載の組成物100重量部に対して、脂肪酸アミド、パラフィン、炭化水素系樹脂および脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の滑剤を0.01〜5重量部添加することを特徴とする組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物100重量部に対して、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートおよび2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾールから選ばれる少なくとも1種の安定剤を0.05〜3重量部添加することを特徴とする組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダード・アミン系光安定剤から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤又は光安定剤を0.05〜3重量部添加することを特徴とする組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物からなるシート・フィルムあるいは熱収縮フィルム。
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