JPH11263852A - 易引裂き性シートおよびその製造方法 - Google Patents

易引裂き性シートおよびその製造方法

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JPH11263852A
JPH11263852A JP10090725A JP9072598A JPH11263852A JP H11263852 A JPH11263852 A JP H11263852A JP 10090725 A JP10090725 A JP 10090725A JP 9072598 A JP9072598 A JP 9072598A JP H11263852 A JPH11263852 A JP H11263852A
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styrene
sheet
polymer
weight
easily tearable
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JP10090725A
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English (en)
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Yasuhiko Hotta
堀田泰彦
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Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)オレフィン系重合体と(B)スチ
レン系重合体とを前者/後者=61/39〜98/2ま
たは5/95〜50/50(重量比)の割合で含むと共
に、前記(A)オレフィン系重合体と(B)スチレン系
重合体との総和100重量部に対して、(C)相溶化剤
を0.1〜30重量部の割合で含む樹脂組成物で形成さ
れた易引裂き性シート、およびその製造方法。 【効果】 一体性、凝集力が大きく、表層剥離がなく、
接着剤に対して高い接着強度を示すと共に、高い加工性
を示し、またそのような易引裂き性シートを簡単且つ安
定に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装用材料として
有用な易引裂き性シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一方向に手で容易に引き裂けるシ
ートとして、一軸あるいは二軸延伸されたポリオレフィ
ンシートが用いられている(特公昭51−41154号
公報等参照)。しかし、延伸処理により引裂性を付与す
る場合には、延伸工程が必要となり、コストが高くなる
だけでなく、延伸処理を施しても、ノッチを形成しない
と引裂きにくい。さらに、延伸処理が施されているた
め、ヒートシールにより収縮して皺が発生し、外観を損
ねる。また、引裂性を有する閉蓋容器あるいはトレー等
の容器は一般的にはハーフカットや引裂用の糸を備えた
ものがよく知られている。しかし、一軸あるいは二軸延
伸されたのみのシートではノッチを形成しただけでは引
き裂け方向が安定しない。
【0003】一方、互いに非相溶の複数のポリマーを含
む組成物を押出し成形した引裂性フィルムが知られてい
る。例えば、特開平1−153733号公報には、直鎖
状低密度ポリエチレンと、特定の溶解度係数を有する熱
可塑性樹脂とを99/1〜80/20(重量比)の割合
で配合し、熱溶融押出しする易引裂き性フィルムの製造
方法が開示されている。また、特開平4−19137号
公報には、ナイロンなどの高融点樹脂とポリエチレンな
どの低融点のオレフィン樹脂とを組合せて押出し成形し
た易引裂き性フィルムが開示されている。これらの文献
に記載のフィルムは、ポリマー相界面での接着力が小さ
いためか、無延伸であってもある程度の易引裂き性を有
する。
【0004】しかし、これらの引裂き性フィルムは、強
度および凝集力が小さく、取扱性や加工性を大きく低下
させる。例えば、スリット加工によりフィルムの耳部を
除去する際、毛羽立ちが生じたり、接着剤などで接合し
てもフィルムの表層部で剥離し、高い接着強度が得られ
ない。さらに、このフィルムを他のフィルムや、紙、ア
ルミ箔等の基材層に積層して積層フィルムとしても、積
層フィルムを引裂く際、易引裂き性フィルムの表層で剥
離し、易引裂き性フィルムにより引裂方向を誘導できな
い。そのため、積層フィルムを、直線的にきれいに引き
裂くことが困難である。
【0005】特開昭64−56740号公報には、プロ
ピレン(共)重合体50〜95重量%と、スチレン
(共)重合体5〜50重量%とからなる樹脂混合物を成
形してなる易引裂き性の熱封繊性フィルムが開示されて
いる。しかし、このフィルムでは、ポリオレフィン単独
フィルムやポリスチレン含有量がポリオレフィンよりも
多いアロイフィルムとは異なり、成膜安定性が極めて低
い。すなわち、ポリオレフィン単独の場合や、ポリスチ
レンの含有量が多い場合には、本来安定に製造できるド
ラフト比で成膜しても、フィルムに穴があいたり、周期
的な厚みむらが発生し、均一なフィルムを得ることが困
難である。この現象は、特に薄肉フィルムを成形する場
合(ドロー比が高い場合)に著しい。そのため、薄く、
しかも表面円滑性の高い易引裂き性フィルムを得ること
が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、引裂き用のハーフカット加工や糸の設置を行う
ことなく引裂き可能な、シート自身に引裂き性を有する
シート及びその製造方法、詳しくは、一体性、凝集力が
大きく、表層剥離がなく、接着剤に対して高い接着強度
を示すと共に、加工性の高い易引裂き性シートおよびそ
の製造方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、厚みむらが小さく、
表面平滑性の高い易引裂き性シートおよびその製造方法
を提供することにある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、一方向に直線
的に容易に引き裂くことのできる易引裂き性積層シート
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、オレフィン系重合体、
スチレン系重合体および相溶化剤を特定の割合で含む樹
脂組成物を押出し成形すると、凝集力が大きく、表層剥
離がなく、接着剤に対して高い接着強度を示すと共に、
加工性が高く、しかも一方向に容易に引裂くことができ
る易引裂き性シートが得られることを見出し、本発明を
完成した。
【0010】すなわち、本発明の易引裂き性シートは、
(A)オレフィン系重合体と(B)スチレン系重合体と
を前者/後者=61/39〜98/2または5/95〜
50/50(重量比)の割合で含むと共に、前記(A)
オレフィン系重合体と(B)スチレン系重合体との総和
100重量部に対して、(C)相溶化剤を0.1〜30
重量部の割合で含む樹脂組成物で形成されている。
【0011】本発明の易引裂き性積層シートでは、易破
断性基材層に、前記易引裂き性シートが積層されてい
る。
【0012】本発明の易引裂き性シートの製造方法で
は、前記樹脂組成物を押出し成形する。
【0013】なお、本明細書において、MIA は、23
0℃、荷重2.16kgでのオレフィン系重合体のメル
トインデックスを、MIB は、200℃、荷重5kgで
のスチレン系重合体のメルトインデックスを表わす。
【0014】前記(A)オレフィン系重合体には、オレ
フィンの単独又は共重合体が含まれる。オレフィンとし
ては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4
−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テ
トラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよ
び1−エイコセンなどのα−オレフィン:2−ブテンな
どの他のオレフィンが挙げられる。
【0015】オレフィン系重合体は、オレフィンと共重
合可能なモノマーとの共重合体であってもよい。共重合
可能なモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アン
ゲリカ酸などのエチレン系不飽和カルボン酸;無水マレ
イン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などのエチ
レン系不飽和多価カルボン酸とその酸無水物;アクリル
酸エステル及びメタクリル酸エステル;カルボン酸のビ
ニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルなど)などのエチレン性不飽和カルボン酸エステル;
ノルボルネン、エチリデンノルボルネンおよびシクロペ
ンタジエンなどの環状オレフィン;およびジエンなどが
例示される。共重合可能なモノマーは、1種または2種
以上使用できる。
【0016】ジエン成分としては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレンなどの鎖状共役ジエン;1,4−ヘキサ
ジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−
ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7
−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状非共役ジエ
ン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチ
ルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−
ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネ
ン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノル
ボルネンなどの環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロ
ピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イ
ソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−
2,2−ノルボルナジエンなどの環状共役ジエンが挙げ
られる。
【0017】好ましいオレフィン系重合体には、低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;エチ
レン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エチル共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共
重合体;ポリプロピレン;プロピレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体;エポキシ変性ポリオレフィン[例えば、
エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体
(例えば、住友化学工業(株)、ボンドファストEな
ど)]、カルボキシル変性ポリオレフィン[例えば、エ
チレン−無水マレイン酸共重合体(例えば、三井石油化
学(株)、アドマーNFシリーズなど)]、エポキシ及
びカルボキシ変性ポリオレフィン[例えば、エチレン−
(メタ)アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体
(例えば、日石化学(株)、NポリマーA1600な
ど)]などの変性ポリオレフィン;エチレン−プロピレ
ン共重合体;オレフィン系エラストマー(例えば、三井
石油化学(株)、タフマーなど);エチレンプロピレン
ゴムなどが含まれる。
【0018】さらに好ましい前記オレフィン系重合体に
は、エチレン、プロピレンを主成分とする単独又は共重
合体、なかでもプロピレンを主成分とする単独又は共重
合体が含まれる。このようなオレフィン系重合体として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン及び/又はプロピレンと、炭素
数4〜6程度の直鎖状又は分岐鎖状α−オレフィンとの
共重合体が含まれる。前記オレフィン系共重合体におい
てエチレン及び/又はプロピレンの含有量は、65重量
%以上である。より具体的には、ポリエチレン(低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレンなど)、ポリプロピレンおよびエチレン−プロピ
レン共重合体等が好ましく、特にポリプロピレンが好ま
しい。
【0019】オレフィン系共重合体は、通常、ランダム
共重合体である場合が多い。前記単独重合体および/ま
たは共重合体は、2種以上の混合物として使用すること
もできる。
【0020】(A)オレフィン系重合体の分子量は、例
えば、1×104 〜1×106 、好ましくは、5×10
4 〜5×105 程度である。
【0021】(A)オレフィン系重合体のメルトインデ
ックスMIA は、シートの易引裂き性、凝集性等を損な
わない範囲で選択できる。スチレン系重合体と組合わせ
る場合、MIA が、4g/10分以上(例えば4〜30
g/10分)、なかでも5〜25g/10分、特に7〜
20g/10分程度の場合には、シートの厚みむらを軽
減できる。
【0022】前記(B)スチレン系重合体としては、塊
状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法によ
り、ラジカル重合反応又はイオン重合反応で得られるス
チレン系重合体であればよく、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系モノ
マーの単独重合体又は共重合体、スチレン系モノマー
と、ビニルモノマー(例えば、アクリロニトリルなどの
不飽和ニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ル酸エステル、無水マレイン酸などのα,β−モノオレ
フィン性不飽和カルボン酸又は酸無水物あるいはそのエ
ステルなど)との共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(ハ
イインパクトポリスチレンHIPS)や、耐衝撃性スチ
レン系樹脂などが挙げられる。
【0023】耐衝撃性ポリスチレンは、ジエン系ゴムエ
ラストマーに、ポリスチレンを混合したり、ジエン系ゴ
ムエラストマーに、スチレン系モノマーをグラフト重合
することにより得られる。また、耐衝撃性スチレン系樹
脂は、ポリブタジエンなどのジエン系ゴムエラストマ
ー、不飽和基を含むアクリルゴム、塩素化ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピ
レンゴムなどのポリマーに、ビニルモノマー(例えば、
アクリロニトリルやメタクリル酸メチルなど)ととも
に、スチレン系モノマーをグラフト共重合することによ
っても得られる。
【0024】好ましいスチレン系重合体には、例えば、
ポリスチレン(GPPS)、スチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体
(MAS樹脂)などのスチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、耐
衝撃性ポリスチレン、耐衝撃性スチレン系樹脂(例え
ば、ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリルを
グラフト重合したABS樹脂、アクリルゴムにスチレン
及びアクリロニトリルをグラフト重合したAAS樹脂、
塩素化ポリエチレンにスチレン及びアクリロニトリルを
グラフト重合したACS樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体にスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合
した重合体、エチレン−プロピレンゴムにスチレン及び
アクリロニトリルをグラフト重合した重合体、ポリブタ
ジエンにスチレンとメタクリル酸メチルをグラフト重合
したMBS樹脂など)が含まれる。これらのスチレン系
重合体は、一種または二種以上混合して使用できる。
【0025】特に好ましいスチレン系重合体には、透明
性の高いスチレン系重合体[例えば、ポリスチレン、ス
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体(例えば、大日本
インキ(株)製、リューレックスなど)、メタクリル酸
メチル−スチレン共重合体などのスチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体(例えば、新日鉄化学(株)
製、MB樹脂など)、スチレン−アクリロニトリル共重
合体など]、耐衝撃製ポリスチレン、耐衝撃性スチレン
系樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体(例えば、
積水化成(株)製、ダイラークなど)などが含まれる。
【0026】(B)スチレン系重合体の分子量は、例え
ば1×104 〜5×105 、好ましくは5×104 〜4
×105 、さらに好ましくは1×105 〜3×105
度である。
【0027】また、(B)スチレン系重合体のメルトイ
ンデックスMIB は、シートの易引裂き性、剥離強度等
を損なわない範囲で選択できる。オレフィン系重合体と
組合わせる場合、前記MIB が、8g/10分以下(例
えば0.5〜8g/10分)、なかでも1〜6g/10
分、特に2〜5g/10分程度のスチレン系重合体を用
いると、シートの厚みむらを抑制できる。
【0028】前記オレフィン系重合体のメルトインデッ
クスMIA とスチレン系重合体のメルトインデックスM
B との比MIA /MIB は、特に限定されないが、2
以上(例えば2〜60)、好ましくは2〜30、さらに
好ましくは2.1〜20程度の場合には、薄肉であって
もシートの厚みむらを著しく小さくでき、表面平滑性の
高いシートが得られる。特に好ましいシートには、前記
比MIA /MIB が2.2〜10程度のシートが含まれ
る。
【0029】本発明では、樹脂組成物における(A)オ
レフィン系重合体と(B)スチレン系重合体との組成比
(重量比)は、前者(A)/後者(B)=61/39〜
98/2または5/95〜50/50、好ましくは65
/35〜90/10、さらに好ましくは65/35〜8
5/15程度である。前記組成比は、(A)/(B)=
70/30〜80/20程度である場合が多い。(A)
オレフィン系重合体の割合が、(A)オレフィン系重合
体と(B)スチレン系重合体の総量に対して、98重量
%を越えると、シートの引裂強度が大きくなり、シート
の引裂が困難となる。
【0030】前記樹脂組成物はさらに(C)相溶化剤を
含む。相溶化剤を含むことにより、シート強度が向上
し、シートの表層剥離が抑制され、接着剤に対して高い
接着強度を示す。
【0031】相溶化剤には、例えば、スチレン系モノマ
ーと共役ジエンとのランダム共重合体、ブロック共重合
体またはこれらの水素添加共重合体などのスチレン系モ
ノマー−共役ジエン系共重合体などが含まれる。好まし
い相溶化剤として、水素添加されたスチレン系モノマー
−共役ジエン系共重合体等が挙げられる。
【0032】なお、前記水素添加されたスチレン系モノ
マー−共役ジエン系共重合体には、(a)スチレン系モ
ノマーと共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合
体が水素添加された水素添加共重合体のみならず、
(b)スチレン系モノマーと一種または二種以上のα−
オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体なども
含まれるものとする。
【0033】スチレン系モノマーには、前記例示の単量
体が含まれる。共役ジエンには、例えば、ブタジエン、
イソプレン、2−エチルブタジエンなどの炭素数4〜1
0の共役ジエン等が含まれる。前記α−オレフィンに
は、エチレン、プロピレン、ブチレンなどの炭素数2〜
6のα−オレフィンなどが含まれる。
【0034】前記水素添加されたスチレン系モノマー−
共役ジエン系共重合体は、無水マレイン酸、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、グリシジル
(メタ)アクリレートなどにより変性されていてもよ
い。
【0035】好ましい水素添加されたスチレン系モノマ
ー−共役ジエン系共重合体には、水素添加スチレン−ブ
タジエンランダムまたはブロック共重合体、水素添加ス
チレン−イソプレンランダムまたはブロック共重合体な
どのスチレン系モノマーと炭素数4〜6の共役ジエンと
の共重合体の水素添加体;および、スチレン−エチレン
・ブチレン共重合体(SEB)、スチレン−エチレン・
ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、ス
チレン−エチレン・プロピレン共重合体(SEP)、ス
チレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重
合体(SEPS)などのスチレン系モノマーと炭素数2
〜4の二種以上(例えば二〜三種)のα−オレフィンと
の共重合体などが例示できる。
【0036】前記水素添加されたスチレン系モノマー−
共役ジエン系共重合体のスチレン単位の含量は、引裂性
等を損なわない範囲で選択できるが、通常、20〜75
重量%程度、好ましくは22〜50重量%程度である。
前記スチレン単位の含量を上記範囲にすると、シートの
強度が向上すると共に、シートをスリットする際の切り
口の毛羽立ちを著しく抑制できる。
【0037】前記(a)水素添加共重合体は、慣用の方
法、例えば、スチレンと共役ジエンとを共重合させ、得
られた共重合体中に含まれる脂肪族性二重結合の一部ま
たは全部を水素化することにより得ることができる(例
えば、米国特許第3595942号明細書等参照)。水
素添加により、スチレン系モノマー由来のベンゼン環も
水素添加されてシクロヘキサン環を生成してもよいが、
通常、共役ジエンに由来する二重結合が水素添加される
場合が多い。共役ジエンに由来する二重結合の水素添加
率は、通常、50%以上、好ましくは70%以上であ
る。
【0038】前記(b)共重合体は、スチレン系モノマ
ーと一種または二種以上のα−オレフィンとを慣用の方
法で重合させることにより得ることができる。
【0039】前記樹脂組成物中における(C)相溶化剤
の量は、前記(A)オレフィン系重合体と(B)スチレ
ン系重合体との総和100重量部に対して、0.1〜3
0重量部、好ましくは0.5〜25重量部、さらに好ま
しくは1〜20重量部程度であり、特に2〜10重量
部、とりわけ2.5〜7.5重量部程度である場合が多
い。前記(C)相溶化剤の量が、前記(A)と(B)と
の総和100重量部に対して30重量部を越えると、得
られるシートの剛性が低下して柔軟性が高くなり、引裂
性が低下する。一方、前記(C)相溶化剤の量が、前記
(A)と(B)との総和100重量部に対して0.1重
量部に満たない場合には、シートの強度、凝集力が低下
し、接着剤等で接合しても、シートの表層部で剥離し、
高い接着強度が得られない。
【0040】本発明において、前記樹脂組成物は、本発
明のシートの特性を損なわない範囲で、前記以外の他の
重合体を含んでいてもよい。他の重合体としては、ハロ
ゲン含有ビニル重合体(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリクロロプレン、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体など)、アクリル系重合体(例えば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、ア
クリルアミド、アクリロニトリルなどのアクリル系モノ
マーの単独重合体又は共重合体;アクリル系モノマーと
他のモノマーとの共重合体など)、ポリカーボネート、
ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリアミド(例え
ば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など)、
エポキシドから誘導される重合体(例えば、エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキ
サイドの単独又は共重合体など)、ポリアセタール(例
えば、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類の単独重合
体又は前記モノマーを主成分とする共重合体など)、ポ
リフェニレンオキシド(例えば、ポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレン)オキシドなど)、ポリスルホ
ン(例えば、ポリエーテルスルホンなど)、ポリウレタ
ン、その他の熱可塑性樹脂などが例示できる。
【0041】本発明の易引裂き性シートは、初期引裂抵
抗(引裂端緒抵抗)、引裂伝播抵抗の何れも低く、極め
て容易に引き裂くことができる。好ましいシートには、
機械的異方性の大きいシートが含まれる。このようなシ
ートでは、シートの一方向、例えばシートの引取り方向
(MD方向)に、直線的に且つ極めて容易に引裂くこと
ができる。
【0042】本発明のシートは、必要に応じて、一軸ま
たは二軸延伸処理により、引裂強度、破断強度などの特
性を調整してもよい。少なくとも一方の方向の延伸倍率
は、例えば1.1〜2.5倍程度の範囲内で適当に選択
できる。
【0043】本発明において、シートとは所謂フィルム
を含み、厚みは本発明の作用を阻害しないのであれば特
に限定はないが、例えば、5μm〜2mm、好ましくは
8μm〜1mm程度である。好ましいシートには、MD
方向(シートの引取り方向)5mあたりの厚みむらが、
平均厚みに対して±25%以内、特に±22%以内、と
りわけ±20%以内であるシートが含まれる。さらに好
ましいシートには、シートの厚みが5〜35μm、特に
10〜30μmであって、シートのMD方向5mあたり
の厚みむらが前記範囲内にあるシートが含まれる。
【0044】シートは、引裂き性が損なわれない範囲
で、滑性層やガスバリア層などのコーティング層やラミ
ネート層で被覆されていてもよい。また、シートには、
コロナ放電処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫
外線処理などの表面酸化処理;超音波処理;プラズマ処
理;サンドブラスト、溶剤処理などの表面凹凸化処理等
の表面処理が施されていてもよい。前記表面処理とし
て、コロナ放電処理などが施される場合が多い。さらに
シートは、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの耐熱・耐光
安定剤、塩素捕捉剤、可塑剤、帯電防止剤、有機または
無機の滑剤、染顔料、充填剤などの種々の添加剤を含ん
でいてもよい。
【0045】本発明の易引裂き性シートは、(A)オレ
フィン系重合体と(B)スチレン系重合体とを含む樹脂
組成物から形成されているので、未延伸であっても、シ
ートの一方向に極めて裂け易いという特色がある。した
がって、本発明のシートは、従来のシートのようにミシ
ン目やノッチを形成したり、高度に延伸処理することな
く、極めて簡単に直線的に引裂くことができる。また、
ミシン目などを形成する必要がないので、シートで包装
して外部雰囲気と内容物とを遮断すると、内容物を初期
の包装状態に長期間安定して保持させることができる。
しかも延伸する必要がないため、ヒートシール等により
シールしても、皺が発生しない。
【0046】また、本発明のシートでは、特定組織の前
記重合体に加えて、特定量の相溶化剤を含む樹脂組成物
で形成されているので、強度および凝集力が大きい。そ
のため、取扱性、加工性に著しく優れ、例えばシートの
耳部をスリットする際の切り口の毛羽立ちを顕著に抑制
できる。また、接着剤などで接合しても、高い接着強度
を有するため、シートの表層部での剥離を抑制できる。
さらに、他のシート、紙、アルミ箔などの基材層に積層
して積層体としても、引裂く際に、前記易引裂き性シー
トが表層剥離せず、易引裂き性シートにより引裂方向を
誘導できるので、直線的にきれいに引裂くことができ
る。
【0047】さらに、(A)オレフィン系重合体と
(B)スチレン系重合体とのメルトインデックスの比が
特定範囲にあるシートでは、薄肉であっても厚みむらを
抑制でき、表面平滑性を高めることができる。例えば5
〜35μm程度、好ましくは10〜30μm程度の薄い
シートであっても、厚みむらを著しく抑制できる。
【0048】本発明の易引裂き性シートは、Tダイを用
いた押出し成形法、インフレーション成形法などの慣用
の方法で製造できる。
【0049】Tダイ成形法においては、前記(A)オレ
フィン系重合体、(B)スチレン系重合体および(C)
相溶化剤を含む樹脂組成物を、押出し成形機により溶融
してTダイから押出し、延伸処理することなくシート成
形すればよい。また、インフレーション成形法において
は、溶融した前記樹脂組成物を、サーキュラーダイから
押出すことにより、シート成形できる。
【0050】(A)オレフィン系重合体、(B)スチレ
ン系重合体および(C)相溶化剤を含む樹脂組成物は、
混合して押出機に供給し、押出機内で溶融混練して樹脂
を分散させてもよく、前記樹脂組成物を予め溶融混練し
て得られるペレットを、押出機に供給してもよい。前記
樹脂組成物は、慣用の方法、例えば、リボンブレンダ
ー、タンブルミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合
機を用いて調製できる。また、前記ペレットは、オープ
ンロール、バンバリミキサー、単軸スクリュー押出機、
2軸押出機、単軸往復動スクリュー混練機などを用いて
調製できる。
【0051】成膜温度は、樹脂の種類に応じて選択でき
るが、通常270℃以下(例えば、150〜270
℃)、好ましくは150〜260℃、さらに好ましくは
200〜260℃程度である。
【0052】ドロー比(溶融延伸比:ダイリップから溶
融した樹脂が吐出される速度V1と、成形されたシート
が巻き取られる速度V2との比V1/V2)は、所望の
膜厚に応じて、1〜70程度(例えば5〜70程度)の
範囲で適宜選択できる。(A)オレフィン系重合体と
(B)スチレン系重合体とのメルトインデックスの比M
A /MIB が2以上の場合には、ドロー比が10〜6
0程度の大きい値をとる場合であっても、厚みむらを抑
制しつつ薄肉のシートを安定に製造できる。
【0053】また、インフレーション成形法において、
ドロー比(膨比:環状ダイリップの径d1と巻き取られ
るシートの径d2との比d2/d1)は、シートの特性
が損なわれない範囲、例えば1〜30程度の範囲内で適
当に選択できる。
【0054】本発明の方法によれば、特定量のオレフィ
ン系重合体、スチレン系重合体、および相溶化剤を含む
樹脂組成物を用いて製膜するため、強度、凝集力が高
く、しかも加工性に優れた易引裂き性シートを容易に得
ることができる。
【0055】本発明の易引裂き性シートは、単層シート
として利用できるだけでなく、基材層と積層し、易引裂
き性積層シートとしても使用できる。
【0056】前記基材層としては、易破断性基材、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系
ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
トなどのポリエステル、スチレン系ポリマーなどのポリ
マーからなる一軸又は二軸延伸シート:グラシン紙、模
造紙、白ボール紙などの紙:アルミニウムなどの金属箔
などが挙げられる。
【0057】前記積層シートは、2層でもよく、また3
層以上の多層構造を有していてもよい。また、前記易引
裂き性シートを、基材層と基材層との間に挟んで、サン
ドイッチ構造とすることもできる。
【0058】このような積層シートは、例えば、前記易
破断性基材層に前記易引裂き性シートを接着剤を用いて
ラミネートする方法、ダイから溶融押出したシート状の
前記樹脂組成物を基材層にラミネートする方法などの慣
用の方法により容易に製造できる。また、基材層がオレ
フィン系ポリマーやスチレン系ポリマーなどの熱接着性
シートである場合には、このような基材層に対して、易
引裂き性シートを加熱圧着させて融着する方法も採用で
きる。前記積層に用いられる接着剤としては、前記易引
裂き性シートおよび基材層の種類等によっても異なる
が、例えば、ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤、フェノ
ール系接着剤、エポキシ系接着剤、ビニル系接着剤等を
使用することができる。なお、接着剤を塗布する際、接
着性を高めるため、前記易引裂き性シートに予め前記例
示の表面処理を施してもよい。
【0059】こうして得られる積層シートは、前記易引
裂き性シートが積層されているので、一方向への引裂性
に優れると共に、シートが表層剥離しにくい。そのた
め、積層シートを引裂く際、前記易引裂き性シートによ
り積層シートの引裂き方向が誘導され、極めて容易にし
かも直線的にきれいに積層シートを引裂くことができ
る。
【0060】例えば、クラフト紙などの紙や他のシー
ト、アルミ箔などに、前記易引裂き性シートを積層し
て、シールした包装体とすると、紙等の引裂き抵抗をさ
ほど高めることなく、またシートが表層で剥離すること
なく、紙等の引裂き方向に沿って容易に引裂くことがで
きる。
【0061】また、PTP(Press Through Pack)包装
などにおいて蓋材として使用されるアルミニウム箔など
に前記易引裂き性シートを積層すると、蓋材の破裂強度
をさほど大きくすることなく、容器底部を押圧すること
により、簡単に蓋材又はシートを破裂させて、錠剤など
の内容物を容易に取出すことができる。また、さらに、
ブリック包装などの液体の取出し口の封緘シートとして
用いると、ストローなどで容易に突破ることができる。
【0062】本発明のシートは、包装用袋、粘着テープ
用基材、ブリック包装用基材、錠剤などの個包装用に用
いられるPTP(Press Through Pack)包装用基材など
の種々の用途に利用できる。
【0063】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0064】なお、実施例および比較例で用いたポリマ
ーとその略号は次の通りである。MIはメルトインデッ
クス(単位:g/10分)を示す。ただし、ポリプロピ
レンのMIは、230℃、荷重2.16kgの条件での
値を示し、ポリスチレンのMIは、200℃、荷重5k
gの条件での値を示す。
【0065】ポリプロピレン(PP):宇部興産(株)
製 FM101A(MI:9) ポリスチレン(PS): PS−1:新日鉄化学(株)製 G12−55(MI:
2.5) PS−2:住友化学工業(株)製 M121(MI:
4) スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重
合体(SEBS): SEBS−1:旭化成(株)製 タフテックH1061
(スチレン含量30重量%) SEBS−2:旭化成(株)製 H1031 スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共
重合体(SEPS):クラレ(株)製 セプトン105
0(SEP)(重量平均分子量23万) 水素添加されたスチレン−ブタジエンランダム共重合体
(HSB):日本合成ゴム(株)製 DYNARON1
910(スチレン含量30重量%、重量平均分子量20
万) なお、シート加工性の評価、テープ剥離試験、剥離強度
試験、および厚みむらの評価は、次のようにして行っ
た。また、シートのMD方向およびTD方向の直角型引
裂強度およびエレメンドルフ引裂強度は、それぞれJI
S K 6781およびJIS Z 1702に準拠し
て測定した。
【0066】1.シート加工性 シートの引取り工程において引き取ったシートの端を、
シートの引取り方向に沿ってカッターナイフで連続的に
スリットし、次の基準で評価した。 ○:切り口に毛羽立ちが見られなかった ×:切り口に毛羽立ちが見られた
【0067】2.テープ剥離試験 得られたシートに粘着テープを貼りつけた後、この粘着
テープをシートから剥がし、次の基準で評価した。 ○:シートは剥離しなかった ×:シートの表層部で剥離した
【0068】3.剥離強度試験 得られたシートと、厚み15μmの延伸ナイロンシート
(ユニチカ(株)製、EMBLEM ONM グレー
ド)とをドライラミネーションし、剥離強度を測定し
た。
【0069】4.厚みむら 得られたシートのTD方向(シートの引取り方向と直行
する方向)の中央部の厚みを、MD方向(シートの引取
り方向)に、5mに亘って5cmおきに測定した。最大
厚みと最小厚みから、次式により厚みむら(±%)を求
めた。 厚みむら(±%)=[最大厚み(μm)−最小厚み(μ
m)]÷[平均厚み(μm)]÷2×100
【0070】実施例1〜3、比較例1 表1に示す割合のポリプロピレン(PP)、ポリスチレ
ン(PS)、水添スチレン−共役ジエン共重合体(SE
BS、SEPSまたはHSB)を、予めヘンシェルミキ
サーで混練した後、65mmφの一軸押出機(L/D=
26)に供給して溶融混練し、下記の条件下、Tダイ法
によりシート(30μm)を作製した。なお、Tダイと
して、コートハンガーマニホールドを備えたものを用い
た。 成膜温度 250℃以下 Tダイのダイ幅 1500mm リップ開度 600μm 吐出量 45kg/時
【0071】得られたシートの、MD方向およびTD方
向の直角型引裂強度(引裂端緒抵抗に対応)およびエレ
メンドルフ引裂強度(引裂伝播抵抗に対応)、シート加
工性、テープ剥離性、剥離強度を試験、測定した。その
結果を表1に示す。表1に示されるように、実施例のシ
ートは、引裂端緒抵抗、引裂伝播抵抗が共に低い。しか
も、加工性に優れると共に、剥離強度、および接着剤に
対する接着強度が高い。
【0072】
【表1】
【0073】実施例4〜6 表2に示す樹脂を表2に示す割合で混合し、二軸押出機
を用いて溶融混練し、ペレットを得た。得られたペレッ
トを用いて、40mmφの一軸押出機で、下記の条件
下、Tダイ法によりシート(平均厚み20μm)を作製
した。なお、Tダイとして、コートハンガー型マニホー
ルドを備えたものを用いた。 スクリュー回転数 35rpm シリンダーおよびダイ温度 200〜260℃ Tダイのダイ幅 40mm リップ開度 約600μm チルロール温度 50〜60℃ 吐出量 6.5〜7.5kg/時 ドロー比 約30
【0074】得られたシートのシート加工性、テープ剥
離性および厚みむらを試験、測定した。その結果を表2
に示す。また、図1に、実施例5におけるMD方向の距
離(cm)とシートの厚み(μm)との関係を示す。表
2および図1から明らかなように、実施例のシートは、
加工性に優れると共に、接着剤に対する接着強度が高
く、しかも薄くても厚みむらが著しく小さい。
【0075】
【表2】
【0076】実施例7、8 表3に示す割合のポリエチレン(PE)、ポリスチレン
(PS:MIB=2.5)、水添スチレン−共役ジエン
共重合体(SEBS、SEPSまたはHSB)を、予め
ヘンシェルミキサーで混練した後、90mmφの一軸押
出機(L/D=29)に供給して溶融混練し、下記の条
件下、Tダイ法によりシート(230μmおよび180
μm)を作製した。 成膜温度 250℃以下 Tダイのダイ幅 1310mm リップ開度 800μm 吐出量 320kg/時 シート厚み 230μm(実施例7) 180μm(実施例8)
【0077】得られたシートの、MD方向およびTD方
向のエレメンドルフ引裂強度(引裂伝播抵抗に対応)、
シート加工性、テープ剥離性、剥離強度を試験、測定し
た。その結果を表3に示す。表3に示されるように、実
施例のシートは、引裂端緒抵抗、引裂伝播抵抗が共に低
い。しかも、加工性に優れると共に、および接着剤に対
する接着強度が高い。
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】本発明の易引裂き性シートは、特定組成
のポリマーを組合せて形成されているので、一体性、凝
集力が大きく、表層剥離がなく、接着剤に対して高い接
着強度を示すと共に、高い加工性を示す。また、特定の
メルトインデックス比を示すポリマーから形成されたシ
ートでは、厚みむらが小さく表面円滑性が高い。
【0080】本発明の易引裂き性積層シートは、前記易
引裂き性シートが積層されているので、一方向に直線的
に引裂くことができる。
【0081】本発明の方法によれば、上記の優れた易引
裂き性シートを簡単且つ安定に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例5のシートの厚みを測定した結果
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 25:04 25:10) B29K 23:00 25:00 B29L 7:00 9:00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)オレフィン系重合体と(B)スチ
    レン系重合体とを前者/後者=61/39〜98/2
    (重量比)の割合で含むと共に、前記(A)オレフィン
    系重合体と(B)スチレン系重合体との総和100重量
    部に対して、(C)相溶化剤を0.1〜30重量部の割
    合で含む樹脂組成物で形成された易引裂き性シート。
  2. 【請求項2】 (A)オレフィン系重合体と(B)スチ
    レン系重合体とを前者/後者=5/95〜50/50
    (重量比)の割合で含むと共に、前記(A)オレフィン
    系重合体と(B)スチレン系重合体との総和100重量
    部に対して、(C)相溶化剤を0.1〜30重量部の割
    合で含む樹脂組成物で形成された易引裂き性シート。
  3. 【請求項3】 (A1)ポリプロピレンと(B1)ポリ
    スチレンとを主成分とする樹脂組成物で形成された請求
    項1または2記載の易引裂き性シート。
  4. 【請求項4】 230℃、荷重2.16kgの条件で測
    定した(A)オレフィン系重合体のメルトインデックス
    MIA と、200℃、荷重5kgの条件で測定した
    (B)スチレン系重合体のメルトインデックスMIB
    の比MIA /MIB が2以上である請求項1または2記
    載の易引裂き性シート。
  5. 【請求項5】 (A)オレフィン系重合体のメルトイン
    デックスMIA が4g/10分以上であり、(B)スチ
    レン系重合体のメルトインデックスMIB が8g/10
    分以下である請求項4記載の易引裂き性シート。
  6. 【請求項6】 (C)相溶化剤が水素添加されたスチレ
    ン系モノマー−共役ジエン系共重合体である請求項1ま
    たは2記載の易引裂き性シート。
  7. 【請求項7】 水素添加されたスチレン系モノマー−共
    役ジエン系共重合体が、スチレン単位を20〜75重量
    %含む請求項6記載の易引裂き性シート。
  8. 【請求項8】 水素添加されたスチレン系モノマー−共
    役ジエン系共重合体が、水素添加されたスチレン−ブタ
    ジエンランダムまたはブロック共重合体、水素添加され
    たスチレン−イソプレンランダムまたはブロック共重合
    体、スチレン−エチレン・ブチレンブロック共重合体、
    スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重
    合体、スチレン−エチレン・プロピレンブロック共重合
    体およびスチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブ
    ロック共重合体からなる群から選択された少なくとも一
    種の重合体である請求項6記載の易引裂き性シート。
  9. 【請求項9】 230℃、荷重2.16kgでのメルト
    インデックスMIA1が5〜25kg/10分の(A1)
    ポリプロピレンと、200℃、荷重5kgでのメルトイ
    ンデックスMIB1が1〜6g/10分の(B1)ポリス
    チレンとを主成分とし、前者と後者との組成比が前者/
    後者=65/35〜90/10(重量比)であって、且
    つ前記(A1)ポリプロピレンと(B1)ポリスチレン
    との総和100重量部に対して、(C1)スチレン単位
    を20〜75重量%含む水素添加されたスチレン系モノ
    マー−共役ジエン系共重合体を0.5〜20重量部の割
    合で含む樹脂組成物で形成された易引裂き性シート。
  10. 【請求項10】 メルトインデックスMIA1とMIB1
    の比MIA1/MIB1が2〜30である請求項9記載の易
    引裂き性シート。
  11. 【請求項11】 易破断性基材層に、請求項1または2
    に記載の易引裂き性シートが積層されている易引裂き性
    積層シート。
  12. 【請求項12】 (A)オレフィン系重合体と(B)ス
    チレン系重合体とを前者/後者=61/39〜98/2
    (重量比)の割合で含むと共に、前記(A)オレフィン
    系重合体と(B)スチレン系重合体との総和100重量
    部に対して、(C)相溶化剤を0.1〜30重量部の割
    合で含む樹脂組成物を押出し成形する易引裂き性シート
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 (A)オレフィン系重合体と(B)ス
    チレン系重合体とを前者/後者=5/95〜50/50
    (重量比)の割合で含むと共に、前記(A)オレフィン
    系重合体と(B)スチレン系重合体との総和100重量
    部に対して、(C)相溶化剤を0.1〜30重量部の割
    合で含む樹脂組成物を押出し成形する易引裂き性シート
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1または2に記載の易引裂き性
    シートから形成されることを特徴とする包装材。
  15. 【請求項15】 請求項11に記載の易引裂き性積層シ
    ートから形成されることを特徴とする包装材。
  16. 【請求項16】 包装用袋、粘着テープ、ブリック包装
    材、PTP包装材から選ばれることを特徴とする請求項
    14または15記載の包装材。
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