JP2002234974A - エチレン系樹脂組成物およびそれを用いた押出成形品 - Google Patents

エチレン系樹脂組成物およびそれを用いた押出成形品

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JP2002234974A
JP2002234974A JP2001032249A JP2001032249A JP2002234974A JP 2002234974 A JP2002234974 A JP 2002234974A JP 2001032249 A JP2001032249 A JP 2001032249A JP 2001032249 A JP2001032249 A JP 2001032249A JP 2002234974 A JP2002234974 A JP 2002234974A
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copolymer
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Toshikazu Hoshina
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建材や家具部材等の用途に有用な押出成形
性、耐熱性、柔軟性、塗装性、印刷性、接着性等に優れ
たエチレン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エチレン共重合体(A)、スチレン系熱
可塑性樹脂(B)、相容性ポリマー(C)の3成分を溶
融混合したエチレン系樹脂組成物であって、(1)該エ
チレン共重合体(A)が酢酸ビニル、アクリル酸エステ
ルおよびメタクリル酸エステルの群から選ばれる単量体
の少なくとも1種を5〜60重量%とエチレンとからな
る共重合体であり、(2)該スチレン系熱可塑性樹脂
(B)の含有率が5〜55重量%であり、(3)硬度
が、JIS A硬度で50以上かつJIS D硬度で7
0以下であり、(4)ビカット軟化点が50℃以上であ
るエチレン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材や家具部材等
の用途に有用な押出成形性、耐熱性、柔軟性、塗装性、
印刷性、接着性等に優れたエチレン系樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】木口材、扉、戸あたり、敷居板、サッ
シ、グレーチング、テーブルエッジ等の建材や家具部材
の軟質部材用途には、パッキング性、クッション性のみ
ならず塗装性、印刷性、接着剤による接着性等が必要と
される。従来からこうした要求を満たす軟質樹脂材料と
しては塩化ビニル樹脂が数多く使用されてきた。ところ
が近年、これらの塩化ビニル樹脂からなる製品を、焼却
処分する際の環境上の問題点が指摘され、他の樹脂に代
替する事が望まれている。
【0003】スチレン系あるいはオレフィン系の軟質熱
可塑性樹脂の開発は従来から多く行われており、特にオ
レフィン系(特開平8−90593号公報、特開平7−
171933号公報)や、オレフィン系とスチレン系の
アロイ(特開平9−124877号公報)等に関する報
告が多くされている。
【0004】また、特開平9−87462号公報には、
衝撃強度、耐油性および加工性に優れたゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物として、スチレン系樹脂中にオレフィン
系コポリマーを含有した組成物に関する記載があるが、
このような、ブロックコポリマーを用いたスチレン系樹
脂の変性に関しては、その他にも数多く報告されてい
る。(特開昭54−129075号公報、特開昭57−
67644号公報、特開昭57−53549号公報、特
開平4−270746号公報、特開平6−65425号
公報)
【0005】また、これらの変性スチレン系樹脂に関す
る報告の内、特開平6−65425号公報では相容化剤
を用いてオレフィン系樹脂とスチレン系樹脂を相容化さ
せる事が報告されている。さらに特開2000−239
460号公報には、スチレン系樹脂と、オレフィン系エ
ラストマーからなる軟質材について記載されているが、
この組み合わせでは、相容性、押出成形性が充分ではな
く、又出来た製品がもろかった。
【0006】以上のように、ある種のオレフィン系樹脂
をスチレン系樹脂に混合することは公知であり、かつ混
合によりスチレン系樹脂の耐薬品性、遮音性、熱シール
性を改良する事も公知である。しかし、押出加工性、耐
熱性、柔軟性に優れ、塗装性、印刷性、接着性を有した
スチレン系あるいはオレフィン系の軟質熱可塑性樹脂は
今まで充分満足できるものは提供されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、押出成形
性、耐熱性、柔軟性、塗装性、印刷性、接着性等に優れ
たエチレン系樹脂組成物を提供することを課題とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため検討を重ねた結果、本発明に到達した。す
なわち本発明は、エチレン共重合体(A)、スチレン系
熱可塑性樹脂(B)及び相容性ポリマー(C)の3成分
を溶融混合したエチレン系樹脂組成物であって、(1)
該エチレン共重合体(A)が酢酸ビニル、アクリル酸エ
ステルおよびメタクリル酸エステルの群から選ばれる単
量体の少なくとも1種を5〜60重量%とエチレンとか
らなる共重合体であり、(2)該スチレン系熱可塑性樹
脂(B)の含有率が5〜55重量%であり、(3)硬度
が、JIS A硬度で50以上かつJIS D硬度で7
0以下であり、(4)ビカット軟化点が50℃以上であ
ることを特徴とするエチレン系樹脂組成物、およびこの
エチレン系樹脂組成物を用いてなる押出成形品を提供す
るものである。
【0009】本発明で用いるエチレン共重合体(A)
は、酢酸ビニル、アクリル酸エステルおよびメタクリル
酸エステルの群から選ばれる単量体の少なくとも1種を
5〜60重量%とエチレンとからなる共重合体である。
ここで、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの
具体的な例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸グリシジル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ステア
リル、メタクリル酸グリシジル等があり、中でもアクリ
ル酸エチル、メタクリル酸エチルが好ましく用いられ
る。
【0010】これらの単量体の含有量が5重量%未満で
あるとスチレン系樹脂等との相容性が悪く、60重量%
を越えると、耐熱性、成形性に問題が生じる。さらに好
ましくはこれらの単量体を20〜40重量%含むエチレ
ン共重合体である。
【0011】又、エチレン共重合体のMFRは、成形
性、機械的強度から1〜30g/10分(JIS K6
730、条件;190℃、2.16kgf)が好まし
い。柔軟性を保持するためエチレン共重合体の硬度はJ
IS D硬度で80以下のものが好ましい。
【0012】エチレン共重合体の好ましい具体例として
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共
重合体等が挙げられる。
【0013】さらにエチレン共重合体には、本発明の効
果を損なわない範囲で無水マレイン酸、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、p−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレン、メタクリロニトリル、N−フェニル
マレイミド、プロピレン、ブタジエン等共重合可能なビ
ニル系単量体を共重合させることも可能である。
【0014】本発明においてスチレン系熱可塑性樹脂
(B)とは、芳香族ビニル単量体とこれに共重合可能な
単量体からなる共重合体のことをいう。芳香族ビニル単
量体とは、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等である。
好ましくは、スチレンである。
【0015】スチレン系熱可塑性樹脂(B)としては、
(b1)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体および(メ
タ)アクリル酸エステル単量体を含む単量体混合物をグ
ラフト重合させて得られるグラフト重合体、(b2)芳
香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単
量体を含む単量体混合物を共重合させて得られる重合
体、(b3)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体および
不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重
合させて得られるグラフト重合体、(b4)芳香族ビニ
ル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合
物を共重合させて得られる重合体、(b5)ゴム質重合
体に芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル
単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物
をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、(b
6)芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル
単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物
を共重合させて得られるグラフト重合体等、あるいはこ
れらの混合物が含まれる。
【0016】ここで、ゴム質重合体としては、具体的に
はポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重
合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合ゴム(NBR)等のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブ
チル等のアクリル系ゴム(AR)、ポリイソプレン(I
R)、ポリクロロプレン(CR)、エチレン−プロピレ
ンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元
共重合ゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴ
ム、等のブロック共重合体およびそれらの水素添加物等
を使用することができる。
【0017】これらの重合体の中で、好ましくは、B
R、SBR、NBR、AR等が挙げられる。不飽和ニト
リル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等が挙げられる。好ましくは、アクリロニトリル
である。(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、
メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルア
クリレート、エチルアクリレート等が挙げられる。
【0018】スチレン系熱可塑性樹脂(B)の具体例と
しては、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重
合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体
(AS)、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合
体(MS)、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン−ブ
タジエン共重合体(MBS)、(メタ)アクリル酸メチ
ル−アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体
(MABS)等がある。
【0019】これらの樹脂のうち、ABS、AS、MB
S、MABSが好ましく、特に、アクリロニトリルを2
0〜40重量%含有するAS、アクリロニトリルを20
〜40重量%含有しかつブタジエンゴムを30〜50重
量%含有するABS、ブタジエンゴムを10〜40重量
%含有するMBS、MABSが好ましい。
【0020】スチレン系熱可塑性樹脂の製造方法として
は、特に限定はされず、乳化重合、懸濁重合、塊状重
合、溶液重合、およびこれらの重合法の組み合わせ等の
方法がある。
【0021】このスチレン系熱可塑性樹脂のエチレン系
樹脂組成物に対する含有率は5〜55重量%であること
が望ましい。さらに好ましくは、10〜50重量%であ
る。5重量%未満であると押出成形性、耐熱性、印刷性
に問題がある。また、55重量%を越えると得られるエ
チレン系樹脂組成物の硬度が増し望ましくない。
【0022】本発明で用いる相容性ポリマー(C)は、
スチレン系エラストマー(D)、グラフトコポリマー
(E)、反応性基含有ポリマー(F)のいずれか、ある
いはこれらの混合物である。スチレン系エラストマー
(D)とは、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体の
ブロック共重合体あるいは該ブロック共重合体の水素添
加物である。水素添加されているブロック共重合体の方
が水素添加されていないブロック共重合体に比べて耐熱
性に優れ、経時的な物性変化が少なく、望ましい。
【0023】芳香族ビニル単量体としてはスチレン、α
−メチルスチレン等が好ましく用いられる。特に好まし
いのはスチレンである。また共役ジエン単量体はブタジ
エン又はイソプレンが好ましく、また両者の混合物でも
よい。また、ブタジエンを単量体として用いた場合、ポ
リブタジエンブロックのミクロ構造中の1,2−付加構
造が全体の20〜80%であるものを水素添加したエラ
ストマーが好ましく、特に1,2−付加構造が30〜6
0%のものが好ましい。ブロック共重合体の分子構造
は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わ
せのいずれであってもよい。
【0024】このスチレン系エラストマーは、どの様な
製造方法によって製造したものでもよい。例えば、特公
昭40−23798号公報に記載された方法により、リ
チウム触媒等を用いて不活性溶媒中でブロック共重合さ
せて得ることができる。また、こうしたブロック共重合
体の水素添加処理は、例えば特公昭42−8704号公
報、特公昭43−6636号公報、あるいは特開昭59
−133203号公報および特開昭60−79005号
公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加
触媒の存在下に行うことができる。この水素添加処理に
おいては、スチレン系エラストマー中のオレフィン性二
重結合の少なくとも50%、好ましくは80%以上が水
素添加され、かつスチレン含有量が30〜70重量%の
ものがさらに良い。
【0025】また、これらのエラストマーのスチレン系
樹脂との相容性を上げる為極性基を持つ単量体を共重合
するとさらに良い。例えば無水マレイン酸、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、無水マレイン酸、マレイン酸、ブチルアクリ
レート、メタクリロニトリル、N-フェニルマレイミ
ド、グリシジルメタクリレートである。このようなスチ
レン系水素添加ブロック共重合体の市販品としては「K
RATON−G」(シェル化学)、「セプトン」(クラ
レ)、「タフテック」(旭化成)等がある。
【0026】グラフトコポリマー(E)とは、幹となる
ポリマーに異種のポリマーが枝として化学結合した構造
を有するポリマーをいう。ここで、幹ポリマーとして
は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチ
レン(PS)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EE
A)、ポリエチレン、ポリプロピレン等があり、枝ポリ
マーとしては、PMMA、PS、アクリロニトリル−ス
チレン共重合体(AS)等がある。
【0027】これらのうち、幹ポリマー−枝ポリマーの
組み合わせとして、ポリエチレン−AS、ポリエチレン
−PMMA、EVA−PMMA、EVA−ASが好まし
い。反応性基含有ポリマー(F)とは、上記エチレン共
重合体(A)、スチレン系熱可塑性樹脂(B)、スチレ
ン系エラストマー(D)あるいはグラフトコポリマー
(E)等のポリマーに反応性基を導入した構造を有する
ポリマーをいう。反応性基を導入することで相容性をさ
らに高めることが可能となる。
【0028】反応性基としては、エポキシ基、グリシジ
ル基、カルボキシル基、メタクリロイル基、ヒドロキシ
ル基等がある。反応性基を導入する方法には、エポキシ
基、グリシジル基、カルボキシル基、メタクリロイル
基、ヒドロキシル基等を有する単量体を共重合させる方
法がある。カルボキシル基を持つビニル単量体として
は、例えば、アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタ
コン酸、マレイン酸等の遊離カルボキル基を含有する不
飽和化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、クロロ
無水マレイン酸、無水シトラコン酸などの酸無水物型カ
ルボキシル基を含有する不飽和化合物等があげられる
が、これらの中で、アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸が好適である。
【0029】また、グリシジル基を含有するビニル単量
体としては、例えば、メタクリル酸グリシジル、アクリ
ル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メチルグ
リシジルエーテル、メチルグリシジルメタクリレート等
が挙げられるが、これらの中でもメタクリル酸グリシジ
ルが好適である。このような(E)、(F)のポリマー
の代表的市販品としては「モディパー」(日本油脂)、
「レゼダ」(東亞合成)、「マクロモノマー」(東亞合
成)等がある。
【0030】本発明のエチレン系樹脂組成物は、硬度や
感触、耐熱性、強度、成形性等の物性バランスが取れる
ようにエチレン共重合体(A)、スチレン系熱可塑性樹
脂(B)、相容性ポリマー(C)の3成分を適宜配合し
て製造される。
【0031】相容性ポリマー(C)を用いることによ
り、エチレン共重合体(A)とスチレン系熱可塑性樹脂
(B)の相容性が大幅に改善され、3成分が均一に相容
した安定な、かつ良好な物性を有した組成物を得ること
が可能となる。エチレン系樹脂組成物はエチレン共重合
体(A)を5〜60重量%含むのが好ましい。エチレン
共重合体が5重量%未満だと硬度が高くなり、60重量
%を越えると耐熱性が低下して好ましくない。エチレン
系共重体を20〜50重量%含むエチレン系樹脂組成物
がさらに好ましい。
【0032】製品としての柔軟性、衝撃吸収性を付与す
るためには、エチレン系樹脂組成物の硬度は、JIS
A硬度で50以上かつJIS D硬度で70以下である
ことが必要である。
【0033】本発明のエチレン系樹脂組成物は、MFR
が0.1〜30g/10分(ISOR1133、条件2
00℃、5kgf)であることが望ましい。0.1g/
10分未満では、押出成形時の負荷が過大となり、30
g/10分を越えると、押出成形時に断面形状が明確に
出にくく好ましくない。
【0034】本発明のエチレン系樹脂組成物は、屋内外
の各種用途に展開されるため耐熱性を必要とし、ビカッ
ト軟化点が50℃以上となるよう組成が調整されること
が必要である。
【0035】また、本発明のエチレン系樹脂組成物は、
各種用途に展開する上で適度の機械的物性を必要とし、
エチレン系樹脂組成物の引張試験(JIS K676
0:引張速度200mm/S)における伸びは50%以
上であるよう組成が調整されることが必要である。
【0036】本発明のエチレン系樹脂組成物の(A)、
(B)、(C)の各成分の好ましい組み合わせの例とし
ては、エチレン−酢酸ビニル共重合体−ABS樹脂−水
素添加スチレンブタジエンブロック共重合体からなる組
成物、エチレン−アクリル酸エチル共重合体−ABS樹
脂−水素添加スチレンブタジエンブロック共重合体から
なる組成物、等があげられる。
【0037】本発明のエチレン系樹脂組成物の(A)、
(B)、(C)の3成分を溶融混合する方法については
特に制限はなく、単軸押出機、ニ軸押出機、バンバリー
ミキサー、加圧ニーダー、ミキシングロールなど通常公
知の方法を用いることができる。また、本発明のエチレ
ン系樹脂組成物は、発泡させて使用することもできる。
発泡させる方法は特に制限されないが、例えば熱分解型
発泡剤を配合する方法、加圧下で水を配合し発泡剤とし
て利用する方法、溶融成形時に高圧ガスを注入する方法
など、従来公知の方法が利用可能である。
【0038】本発明のエチレン系樹脂組成物は、必要に
応じて、酸化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、ブリード・ブルーム剤、シール性改良
剤、結晶核剤、難燃化剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、
防菌、防カビ剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、粘土調整
剤、着色防止剤、発泡剤、発泡助剤、酸化チタン、カー
ボンブラックなどの着色剤、フェライトなどの金属粉
末、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維、炭素繊維、
アラミド繊維などの有機繊維、複合繊維、チタン酸カリ
ウムウィスカーなどの無機ウィスカー、
【0039】ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフ
レーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タル
ク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、
カオリン、ケイソウ土、グラファイト、軽石、エボ粉、
コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹
脂、ポリマービーズなどの充填剤、またはこれらの混合
物、あるいは他のゴム質重合体、例えばSBR、NB
R、BR、NR、IR、AR、CR、IIR、また、そ
の他必要に応じて上記成分以外の熱可塑性樹脂、例えば
ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹
脂、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
アセタール系樹脂など、適宜、配合することができる。
【0040】本発明のエチレン系樹脂組成物は、押出、
射出、ブロー、プレス成形等、各種成形に用いることが
できる。中でも押出成形性に優れ、異型押出、シート押
出、複層押出等の押出成形用途に幅広く適用できるもの
である。また、ABS樹脂、PS樹脂、ポリオレフィン
樹脂等の他の素材と熱融着することが可能であり、共押
出成形にも適している。用途としては、屋内外の家具・
建材の一部材として、例えば、木口材、戸あたり、敷居
板、サッシ、グレーチング、テーブルエッジ、手すり、
滑り止め等があげられる。また家電製品・工業製品の一
部材として、例えば、パッキン、衝撃吸収材、滑り止め
等が挙げられる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げ、本発明の実
施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て制約を受けるものではない。なお、下記の実施例にお
いて、部および%は、特に断らない限り重量基準であ
る。実施例および比較例の配合処方に用いられる各種成
分を表1に、結果について表2に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】ABS1:旭化成(株)スタイラックAB
S(アクリロニトリル含量30%、ブタジエンゴム含量
30%) ABS2:旭化成(株)スタイラックABS(アクリロ
ニトリル含量30%、ブタジエンゴム含量40%) AS:旭化成(株)スタイラックAS 789 TF−1:旭化成(株)水素添加スチレンブタジエンブ
ロック共重合体(スチレン含量67wt%、硬度72
D) TF−2:旭化成(株)水素添加スチレンブタジエンブ
ロック共重合体(スチレン含量30wt%、硬度84
A) MD:幹ポリマーLDPE70wt%、枝ポリマーAS
30wt%のグラフトコポリマー
【0045】表2中の実施例、比較例の各種物性は、表
2中の比率に混合した原料を2軸押出機を用いて210
℃にて溶融混練し、ペレット化した後、加熱プレス機を
用いて190℃でシート状(3mm)にプレス成形した
ものを用いて測定した。エチレン系樹脂組成物の柔軟性
を評価するため、JIS K−7215に準拠し、硬度
を測定した。
【0046】表2中の異形押出製品の表面外観は、上記
溶融混合したペレットを用いてフリージアマクロス製4
0mm単軸押出機を用いて、横4cm、厚み3mm平板
成形品を所定の(140〜190℃)温度で成形し押出
成形品の表面を目視で観察した。パール調とは素材の非
相容を原因として成形品の表面に不規則なパール色の模
様が出る事を言う。
【0047】塗装試験は、10cm角の平板に、(株)
カンペハピオ製ラッカースプレーAの赤を使用し、約5
秒吹き付けた後、一昼夜放置した試験片で、1mm間隔
でマス目を切り(100区画)ニチバンのセロテープで
剥がれを確認した。1ヶ所も剥がれなかったときには、
○印を付した。ビカット軟化点は、上記3mmシートを
用いてASTMD−1525に準拠して測定した。引張
試験(JIS K6760:引張速度200mm/S)
は、上記シートからJIS Aタイプのダンベル試験片
を切り出し測定した。
【0048】
【発明の効果】以上説明のように、本発明の樹脂組成物
は、押出成形性、耐熱性、柔軟性、塗装性、印刷性、接
着性等をかね備えた、従来にない材料であり、建材や家
具部材等の用途に有用な材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/04 C08L 51/04 55/02 55/02 101/00 101/00 Fターム(参考) 4F071 AA12X AA15X AA22 AA22X AA28X AA33X AA34X AA42 AA75 AA77 AA85 AF25 AH03 AH12 BA01 BB03 BB06 BC01 4J002 BB06W BB07W BC04X BC08X BC09X BC11X BF03W BG04W BG05W BH023 BN033 BN06X BN073 BN12X BN123 BN15X BN16X BN203 BN21X BP013 CD193 FD010 GL00 GQ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン共重合体(A)、スチレン系熱
    可塑性樹脂(B)、及び相容性ポリマー(C)の3成分
    を溶融混合したエチレン系樹脂組成物であって、 (1)該エチレン共重合体(A)が酢酸ビニル、アクリ
    ル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの群から選ば
    れる単量体の少なくとも1種を5〜60重量%とエチレ
    ンとからなる共重合体であり、 (2)該スチレン系熱可塑性樹脂(B)の含有率が5〜
    55重量%であり、 (3)硬度が、JIS A硬度で50以上かつJIS
    D硬度で70以下であり、 (4)ビカット軟化点が50℃以上であることを特徴と
    するエチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系熱可塑性樹脂(B)が、(b
    1)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体および(メタ)
    アクリル酸エステル単量体を含む単量体混合物をグラフ
    ト重合させて得られるグラフト重合体、もしくは(b
    2)芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エス
    テル単量体を含む単量体混合物を(共)重合させて得ら
    れる重合体のいずれか、または上記の(b1)と(b
    2)との混合物からなる熱可塑性樹脂である請求項1記
    載のエチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 スチレン系熱可塑性樹脂(B)が、(b
    3)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニ
    トリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて
    得られるグラフト重合体、もしくは(b4)芳香族ビニ
    ル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合
    物を(共)重合させて得られる重合体のいずれか、また
    は上記の(b3)と(b4)との混合物からなる熱可塑
    性樹脂である請求項1記載のエチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 相容性ポリマー(C)が下記の(D)、
    (E)、(F)のいずれか、またはそれらの混合物であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン系樹脂組成
    物。 (1)スチレン系エラストマー(D) (2)グラフトコポリマー(E) (3)反応性基含有ポリマー(F)
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のエチレ
    ン系樹脂組成物を用いてなる押出成形品。
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