JP2005206694A - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

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博治 板谷
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Abstract

【課題】建材、家具、家電製品等の各種工業用部材の用途に有用な押出成形性、耐熱性、柔軟性、塗装性、印刷性、接着性等に優れたスチレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】芳香族ビニル単量体の含有量が10重量%以上違うスチレン系エラストマ−の混合物であるスチレン系エラストマー(A)45〜90重量%、不飽和ニトリル単量体を含有したスチレン系熱可塑性樹脂(B)10〜55重量%((A)+(B)=100重量%)からなり、かつ硬度が、JIS A硬度で40以上かつJIS D硬度で50以下であることを満足するスチレン系樹脂組成物、その成形品、複層成形品。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、建材、家具、家電製品等の各種工業用部材の用途に有用な押出成形性、耐熱性、柔軟性、塗装性、印刷性、複層成形性等に優れたスチレン系樹脂組成物に関する。
木口材、扉、戸あたり、敷居板、サッシ、グレーチング、テーブルエッジ等の建材や家具部材の軟質部材用途には、パッキング性、クッション性のみならず塗装性、印刷性、接着剤による接着性等が必要とされる。こうした要求を満たす軟質樹脂材料としては、従来、塩化ビニル樹脂が数多く使用されてきた。ところが、近年、塩化ビニル樹脂からなる製品は、該製品を焼却処分する際の環境上の問題点が指摘され、他の樹脂に代替する事が望まれている。
従来よりスチレン系エラストマーと不飽和ニトリル単量体単位を含有したスチレン系樹脂からなる組成物は数多く報告されている。
例えば、変性したエラストマーとABSを溶融混合してなる芳香族系樹脂組成物(特許文献1)、特殊な水添ジエン系重合体と熱可塑性エラストマー、スチレン系樹脂からなる耐衝撃性及び成形品外観表面に優れた熱可塑性樹脂組成物(特許文献2)、水添ブロック共重合体の耐熱改良を目的とした、水添ブロック共重合体、ポリエステル系樹脂、変性スチレン系樹脂からなる組成物(特許文献3)。熱可塑性樹脂との複合樹脂成形品を得る事を目的とした、スチレン系ブロック共重合体とアクリル系樹脂とシアン化ビニル単量体及び芳香族ビニル単量体を重合してなるスチレン系樹脂からなる樹脂組成物(特許文献4)がある。
しかしながら、これらの樹脂組成物は、押出成形性、耐熱性、柔軟性、塗装性、印刷性、複層成形性等のいずれかの性能において満足する性能を有しているとは言えず、押出加工性、耐熱性、柔軟性に優れ、且つ塗装性、印刷性、複層成形性にも優れるスチレン系の軟質熱可塑性樹脂組成物が望まれていた。
特開平02−088661号公報 特開平03−024149号公報 特開平05−214209号公報 特開2001−81276号公報
本発明は、建材、家具、家電製品等の各種工業用部材の用途に有用な押出成形性、耐熱性、柔軟性、塗装性、印刷性、複層成形性に優れたスチレン系樹脂組成物、その成形体およびその複層成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため検討を重ね本発明に到った。
即ち、本発明は、
[1]スチレン系エラストマー(A)と、不飽和ニトリル単量体単位を含有したスチレン系熱可塑性樹脂(B)からなり、成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して成分(A)45〜90重量部、成分(B)55〜10重量部を含有し、JIS A硬度で40以上、JIS D硬度で50以下であり、且つスチレン系エラストマー(A)が、芳香族ビニル単量体単位の含有量が10重量%以上違うスチレン系エラストマーの混合物であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物、
[2]スチレン系エラストマー(A)が、芳香族ビニル単量体単位を5重量%以上、30重量%未満含むスチレン系エラストマーと、芳香族ビニル単量体単位を30重量%以上、80重量%以下含むスチレン系エラストマーとの混合物であることを特徴とする上記[1]記載のスチレン系樹脂組成物、
[3]スチレン系エラストマー(A)が、スチレン系水素添加ブロック共重合体であることを特徴とする上記[1]または[2]記載のスチレン系樹脂組成物、
[4]スチレン系熱可塑性樹脂(B)に含まれる不飽和ニトリル単量体単位が10重量%以上、40重量%以下である事を特徴とした上記[1]〜[3]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物、
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物からなる成形品、
[6]上記[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物と硬質材とを積層してなる複層成形品、
である。
建材、家具、家電製品等の各種工業用部材用途に有用な押出成形性、耐熱性、柔軟性、塗装性、印刷性、複層成形性等に優れたスチレン系樹脂組成物を提供することが可能となった。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、スチレン系エラストマー(A)と、不飽和ニトリル単量体単位を含有したスチレン系熱可塑性樹脂(B)とを有し、該スチレン系エラストマー(A)は、芳香族ビニル単量体単位の含有量が10重量%以上違うスチレン系エラストマーの混合物であることが必須である。該芳香族ビニル単量体単位の含有量の差は、15重量%以上違う事が好ましく、さらに好ましくは30重量%以上である。また、本発明のスチレン系エラストマー(A)を構成するスチレン系エラストマーの芳香族ビニル含有量の差は、スチレン系樹脂組成物の成形性(表面のあれ等)の観点および物性低下を回避する観点から80重量%以下が好ましく、75重量%以下がより好ましい。
スチレン系エラストマー(A)は、芳香族ビニル単量体単位を5重量%以上、30重量%未満含むスチレン系エラストマーと、芳香族ビニル単量体単位を30重量%以上80重量%以下含むスチレン系エラストマーとの混合物を用いる事が好ましく、より好ましくは芳香族ビニル単量体単位を5重量%以上30重量%未満含むスチレン系エラストマーと、芳香族ビニル単量体単位を50重量%以上80重量%以下含むスチレン系エラストマーとの混合物を用いる事である。このスチレン系エラストマー中の、芳香族ビニル単量体単位の含有量が低いエラストマーと、含有量が高いエラストマーの含有比(芳香族ビニル単量体単位の含有量が低いエラストマーの含有量/芳香族ビニル単量体単位の含有量が高いエラストマーの含有量)は、スチレン系樹脂組成物の柔軟性および物性を確保する観点から、含有量が低いエラストマーの含有量が多い事が好ましく、2〜5であることが好ましい。
該スチレン系エラストマー(A)は、どんなエラストマーでも良いが、具体的には共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体からなるブロック共重合体あるいはその水素添加物が好ましい。
共役ジエン系単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられ、これら単量体から選ばれる1種あるいはこれら2種以上の混合物で使用できる。その中でも、物性の優れたエラストマーを得るには1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等が好ましく、より好ましくはスチレンである。
また、スチレン系エラストマー(A)のメルトフローレイト(MFR)は、成形性、機械的強度から1〜30g/10分(ISO1133、条件;230℃、2.16kgf)が好ましい、また、2〜20g/10分がより好ましい。
スチレン系樹脂組成物としての柔軟性を保持するためにはスチレン系エラストマー(A)中に含まれる少なくとも1種は、その硬度がJIS A硬度で80以下のものであることが好ましい。
本発明において好ましいスチレン系エラストマーは、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体のブロック共重合体あるいは該ブロック共重合体の水素添加物である。本発明においては、水素添加されているブロック共重合体の方が水素添加されていないブロック共重合体に比べて耐熱性に優れ、経時的な物性変化が少なく、望ましい。この水素添加物は、スチレン系エラストマー中のオレフィン性二重結合の50%以上が水素添加されていることが好ましく、より好ましくは80%以上が水素添加されていることである。
ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。このスチレン系エラストマーは、どの様な製造方法によって製造したものでもよい。例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でブロック共重合させて得ることができる。また、こうしたブロック共重合体の水素添加処理は、例えば特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、あるいは特開昭59−133203号公報および特開昭60−79005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に行うことができる。
このようなスチレン系水素添加ブロック共重合体の市販品としては「KRATON(登録商標)−G」(シェル化学)、「セプトン(登録商標)」(クラレ)、「タフテック(登録商標)」(旭化成ケミカルズ(株)製)等がある。
また、上記スチレン系エラストマー(A)に反応性基を導入しても良い。反応性基としては、エポキシ基、グリシジル基、カルボキシル基、メタクリロイル基、ヒドロキシル基等がある。反応性基を導入する方法には、エポキシ基、グリシジル基、カルボキシル基、メタクリロイル基、ヒドロキシル基等を有する単量体を共重合させる方法や、反応性基をもつ単量体をラジカル反応でグラフトさせる方法がある。カルボキシル基を持つビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、マレイン酸等の遊離カルボキル基を含有する不飽和化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン酸、無水シトラコン酸などの酸無水物型カルボキシル基を含有する不飽和化合物等があげられるが、これらの中で、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が反応性、安価な事から好適である。また、グリシジル基を含有するビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられるが、これらの中でもメタクリル酸グリシジルが好適である。
反応性基の含有量としては、0.1〜5重量%が望ましい。さらに好ましくは0.1〜2重量%が望ましい。
本発明の不飽和ニトリル単量体単位を含有したスチレン系熱可塑性樹脂(B)(以下、単にスチレン系熱可塑性樹脂(B)と言う。)としては、(b1)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、(b2)芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られる重合体、(b3)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、(b4)芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られるグラフト重合体等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ここで、ゴム質重合体としては、具体的にはポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)等のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム(AR)、ポリイソプレン(IR)、ポリクロロプレン(CR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム、等のブロック共重合体およびそれらの水素添加物等を使用することができる。
これらの重合体の中で、好ましくは、BR、SBR、NBR、AR等が挙げられる。
不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。好ましくは、アクリロニトリルである。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート等が挙げられる。
スチレン系熱可塑性樹脂(B)としては、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリル酸メチル−アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(MABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA)、アクリロニトリル−スチレン−EPDM共重合体(AES)等が好ましい。
スチレン系熱可塑性樹脂(B)に含まれる不飽和ニトリル単量体単位は2〜40重量%であることが好ましい。
これらの樹脂のうち、アクリロニトリルを10〜40重量%含有しかつブタジエンゴムを10〜50重量%含有するABS、アクリロニトリルを20〜40重量%含有するAS、アクリロニトリルを2〜10重量%含有しかつブタジエンゴムを10〜50重量%含有するMABSがより好ましい。
スチレン系熱可塑性樹脂(B)の製造方法としては、特に限定はされず、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、およびこれらの重合法の組み合わせ等の方法がある。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、スチレン系エラストマー(A)成分と、スチレン系熱可塑性樹脂(B)成分との合計量100重量部に対して、成分(A)45〜90重量部、成分(B)55〜10重量部を含有するスチレン系樹脂組成物である。スチレン系樹脂組成物中の成分(A)は、硬度や感触、印刷性、耐熱性、強度、成形性等のバランスから45〜90重量部含有する事が必要であり、好ましくは55〜90重量部含有することである。
本発明は芳香族ビニル単量体単位の含有量が10重量%以上違うスチレン系エラストマーの混合物であるスチレン系エラストマー(A)を用いることによりスチレン系エラストマー(A)とスチレン系熱可塑性樹脂(B)の相容性が大幅に改善され、成分が均一に相容した安定な、かつ良好な物性を有した組成物を得ることが可能となったものである。
また、工業用部材として要求される柔軟性、衝撃吸収性の付与の観点から、スチレン系樹脂組成物の硬度は、JIS A硬度で50以上かつJIS D硬度で40以下であることが必要であり、好ましくはJIS A硬度で60以上95以下である。
また、柔軟性を付与する為、可塑剤および軟化剤を添加しても良い。種類については硬度を低下させるものであれば特に制限はないが、脂肪酸や脂肪酸金属塩、テルペン系樹脂、石油系樹脂、PEやPPワックス類、パラフィン系オイル、ナフテン系オイルおよびエステル系オイルが推奨される。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、屋内外の各種用途に展開されるため耐熱性を必要とし、ビカット軟化点が50〜120℃であることが望ましい。
また、本発明のスチレン系樹脂組成物は、各種用途に展開する上で適度の機械的物性を必要とし、引張試験(JIS K6760:引張速度200mm/S)における伸びは50%以上であることが望ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物の特に好ましい組み合わせの例としては、芳香族ビニル単量体単位の含有量が10重量%以上違うスチレン−ブタジエン共重合体水素添加物の混合物とABS樹脂とからなる樹脂組成物があげられる。
本発明のスチレン系樹脂組成物の(A)、(B)の各成分を溶融混合する方法については特に制限はなく、単軸押出機、ニ軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ミキシングロール等通常公知の方法を用いることができる。
また、本発明のスチレン系樹脂組成物は、発泡させて使用することもできる。発泡させる方法は特に制限されないが、例えば熱分解型発泡剤を配合する方法、加圧下で水を配合し発泡剤として利用する方法、溶融成形時に高圧ガスを注入する方法など、従来公知の方法が利用可能である。
本発明のスチレン系樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブリード・ブルーム剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、防菌、防カビ剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、粘土調整剤、着色防止剤、発泡剤、発泡助剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、フェライトなどの金属粉末、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウィスカーなどの無機ウィスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、ケイソウ土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズなどの充填剤、またはこれらの混合物、あるいは他のゴム質重合体、例えばSBR、NBR、BR、NR、IR、AR,CR、IIR、また、その他必要に応じて上記成分以外の熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール樹脂など、適宜、配合することができる。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、押出、射出、ブロー、プレス成形等の各種成形法により成形することができる。中でも押出成形が好ましく、異型押出、シート押出、複層押出等の押出成形法が幅広く適用できる。
本発明における硬質材とは、本発明のスチレン系樹脂組成物と共押出により成形可能な熱可塑性樹脂のことをいう。例えば、不飽和ニトリル単量体単位を含有したスチレン系熱可塑性樹脂(B)、メタクリル酸メチル重合体(PMMA)、ポリカーボネート、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS)、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体(MBS)等が挙げられる。中でも不飽和ニトリル単量体単位を含有したスチレン系熱可塑性樹脂(B)が好ましく、その中でもABS樹脂が特に好ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物からなる成形品には表面に印刷や塗装を施すこと、接着剤を用いて他の素材と接着することが可能である。各種成形法で成形された成形品に対して、表面を塗装したり、グラビア印刷等で表面に種々の意匠、図柄を印刷して外観を見栄えの良いものにすることができる。また、他の素材と接着剤を用いて接着することにより製品の一部に本スチレン系樹脂組成物の成形品を組み合わせて用いることができる。
本発明のスチレン系樹脂組成物の成形品は、溶剤に対して適度の膨潤性を示すため、塗料、印刷用インク、接着剤に含まれる溶剤により膨潤することで塗料、インク、接着剤の樹脂素材と密着することが可能となる。
ここで、本発明のスチレン系樹脂組成物が膨潤性を示す溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、塩化メチレンあるいはこれらの混合物が挙げられる。このような溶剤を含む塗料や印刷用インク、接着剤に対して密着することが可能である。例えば、グラビア印刷インキは、樹脂成分が、EVA、変性塩ビ等であり、溶剤がMEK、トルエン、シクロヘキサン、酢酸ブチル等の混合物であり、本発明のスチレン系樹脂組成物の成形品の印刷用に好適に使用することができる。
また、例えば、接着剤としては、アセトン、ノルマルヘキサン、酢酸ブチル等の混合溶剤を用いたウレタン系接着剤、合成ゴム系接着剤により他の素材と良好に接着することができる。
本発明のスチレン系樹脂組成物の成形品の用途としては、屋内外の家具・建材の一部材として、例えば、木口材、戸あたり、敷居板、サッシ、グレーチング、テーブルエッジ、手すり、滑り止め等があげられる。また複層成形品として、例えば、パッキン、衝撃吸収材、滑り止め、手すり、目地、風呂蓋等が挙げられる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。下記の実施例において、部および%は、特に断らない限り重量基準である。
(1)実施例および比較例に用いた原材料
<スチレン系エラストマー(A)>
・SEBS−1;水素添加スチレンブタジエンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、タフテックH1221(商品名))、JIS A硬度42、芳香族ビニル単量体単位含有量 12重量%
・SEBS−2;水素添加スチレンブタジエンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、タフテックH1043(商品名))、JIS A硬度72、芳香族ビニル単量体単位含有量 67重量%
・SEBS−3;酸変性水素添加スチレンブタジエンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、タフテックM1911(商品名))、JIS A硬度84、芳香族ビニル単量体単位含有量 30重量%
<スチレン系熱可塑性樹脂(B)>
・ABS;旭化成ケミカルズ(株)製、スタイラックABS 321
不飽和ニトリル単量体含有量 22重量%
・AS;旭化成ケミカルズ(株)製、スタイラックAS 789
不飽和ニトリル単量体含有量 30重量%
<可塑剤および軟化剤>
・水添テルペン樹脂;ヤスハラケミカル(株)製 クリアロンM115
・石油系パラフィンオイル;(株)出光興産製 ダフニールオイル KP68
(2)評価方法
1.硬度
JIS K−7215に準拠し、硬度を測定した。
2.異形押出成形品の表面外観
上記原材料を用い、表1の組成比で溶融混合したペレットを用いて30mm単軸押出機を用いて、幅3cm、高さ2.5cm、肉厚2mmのT型断面の異形押出成形品を所定の(140〜190℃)温度で成形し成形品の表面を目視で観察した。
3.塗装試験
10cm角の平板に、(株)カンペハピオ製ラッカースプレーAの赤を使用し、約5秒吹き付けた後、一昼夜放置した試験片に対して、1mm間隔でマス目を切り(100区画)ニチバンのセロテープを用いて剥がれ性を判定した。1ヶ所も剥がれなかったときに○、半分以上剥がれたときに×、一部剥がれたときに△とした。
4.ビカット軟化点
180℃でプレス成形した3mmシートを用いてISO−306に準拠し、荷重を100gに変更して測定した。
5.引張試験
JIS K6760:引張速度200mm/S 準拠。
180℃でプレス成形した2mm厚シートからJIS Aタイプのダンベル試験片を切り出し測定した。
6.ABS樹脂との共押出成形品の接着性
硬質材にABSのスタイラックA4130を用い、本発明のスチレン系樹脂組成物を軟質材として用い、図1の様な共押出品を軟質部と硬質部の溶着部の幅が1.8〜2.2mm幅に押出成形した複層成形品を用いて、軟質部を手で直角方向に引っ張って接着強度を確認した。
○ 素材が破壊するか、軟質部が伸びてから剥がれた。
△ 軟質部が若干伸びるが剥がれる。
× 軟質部がほとんど伸びずに剥がれた。
[実施例1〜2および比較例1〜5]
表1に記載の配合比で原材料を用い、2軸押出機を用いて230度にて溶融混練し、スチレン系樹脂組成物のペレットを製造した。該ペレットを用い、上記評価方法で評価し、その評価結果を表1に示した。
Figure 2005206694
本発明のスチレン系樹脂組成物は、木口材、扉、戸あたり、敷居板、サッシ、グレーチング、テーブルエッジ等の建材や家具部材の軟質部材用途などに用いられているパッキング性、クッション性の必要な軟質素材に用いる事ができる。特に、他素材との接着や、塗装、印刷を必要とする用途に適する。
ABS樹脂との共押出成形品の接着性の評価に用いたABS樹脂との共押出成形品の説明図である。

Claims (6)

  1. スチレン系エラストマー(A)と、不飽和ニトリル単量体単位を含有したスチレン系熱可塑性樹脂(B)からなり、成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して成分(A)45〜90重量部、成分(B)55〜10重量部を含有し、JIS A硬度で40以上、JIS D硬度で50以下であり、且つスチレン系エラストマー(A)が、芳香族ビニル単量体単位の含有量が10重量%以上違うスチレン系エラストマーの混合物であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
  2. スチレン系エラストマー(A)が、芳香族ビニル単量体単位を5重量%以上、30重量%未満含むスチレン系エラストマーと、芳香族ビニル単量体単位を30重量%以上、80重量%以下含むスチレン系エラストマーとの混合物であることを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. スチレン系エラストマー(A)が、スチレン系水素添加ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載のスチレン系樹脂組成物。
  4. スチレン系熱可塑性樹脂(B)に含まれる不飽和ニトリル単量体単位が10〜40重量%である事を特徴とした請求項1〜3のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物からなる成形品。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物と硬質材を積層してなる複層成形品。
JP2004014673A 2004-01-22 2004-01-22 スチレン系樹脂組成物 Pending JP2005206694A (ja)

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