JP2007216524A - 複層成形品 - Google Patents

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【課題】建材、家具、家電製品等の各種工業用部材の用途に有用な押出成形性、印刷性、接着性に優れたスチレン系熱可塑性樹脂とパッキング性、クッション性を有する熱可塑性エラストマーの複層成形品を提供する。
【解決手段】ポリプロピレン類(A)10〜50重量部と、メタアクリル酸エステル、アクリル酸エステル、不飽和ニトリル単量体の一種以上のビニル系モノマーを含むスチレン系熱可塑性樹脂(B)30〜85重量部、スチレン系ブロックポリマー(C)5〜60重量部からなり、かつMFRが1〜80g/10分であるスチレン系樹脂組成物の層と、ポリプロピレン類(A)を含む熱可塑性エラストマー(D)の層とからなることを特徴とする複層成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は、建材、家具、家電製品等の各種工業用部材の用途に有用な押出成形性、印刷性、接着性に優れたスチレン系熱可塑性樹脂の層とパッキング性、クッション性を有する熱可塑性エラストマーの層とからなる複層成形品に関する。
木口材、扉、戸あたり、敷居板、サッシ、グレーチング、テーブルエッジ等の建材や家具部材の軟質部材用途には、パッキング性、クッション性のみならず塗装性、印刷性、接着剤による接着性等の特性が必要とされる。こうした要求を満たす軟質樹脂材料と硬質材料の複層成形品としては、従来、軟質塩化ビニル樹脂と、硬質塩化ビニル樹脂との複層成形品が数多く使用されてきた。ところが、近年、塩化ビニル樹脂からなる製品は、該製品を焼却処分する際の環境上の問題点が指摘され、他の樹脂に代替することが望まれている。
代替方法としては、硬質材料をスチレン系樹脂に、軟質部材を特殊スチレン系エラストマーとした複層成形品や、硬質材料をポリプロピレン(PP)系に、軟質材料をオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)とした複層成形品が知られている。しかしながら、スチレン系樹脂(特にABS樹脂を用いた場合)の複層成形品では、ABS樹脂との接着性を向上差せる為、エラストマーが高価だったり、復元性が充分ではなかったりする場合があった。また、硬質をPP系とした複層成形品では、PPの押出成形性、他の部材との接着性、塗装性等が充分ではなかった(特許文献1〜3参照)。
また、従来より知られているポリスチレン(PS)と耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)の混合物(アロイ)品(特許文献4参照)は、適正押出温度が低く、TPO等との共押出をするには、特殊な条件、及び装置等を使用する必要があった。このようなことからスチレン系樹脂とポリプロピレン類(A)を含む熱可塑性エラストマー(D)等を、共押出することは従来より望まれていたがポリプロピレン類(A)を含む熱可塑性エラストマー(D)と共押出可能なスチレン系樹脂は知られていなかった。
本発明は、従来より知られていたスチレン系樹脂、オレフィン系の配合物(コンパウンド)(特許文献4参照)のうち、ある特定の組成をもったスチレン系熱可塑性樹脂と、エラストマーを用いて従来にない複層成形品を得ることに関する。
特開平06−065425号公報 特開昭57−053549号公報 特開昭62−187779号公報 特開2000−186177号公報
本発明は、建材、家具、家電製品等の各種工業用部材の用途に有用な充分な柔軟性を持った軟質部と、塗装性、印刷性に優れた硬質部からなる複層成形品を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明に到った。
即ち、本発明は以下のとおりのものである。
(1)ポリプロピレン類(A)10〜50重量部と、メタアクリル酸エステル、アクリル酸エステル、不飽和ニトリル単量体の一種以上のビニル系モノマーを含むスチレン系熱可塑性樹脂(B)30〜85重量部、スチレン系ブロックポリマー(C)5〜60重量部からなり、かつMFRが1〜80g/10分であるスチレン系樹脂組成物の層と、ポリプロピレン類(A)を含む熱可塑性エラストマー(D)の層とからなることを特徴とする複層成形品。
(2)スチレン系ブロックポリマー(C)が、スチレン系水素添加ブロック共重合体であることを特徴とする上記(1)に記載の複層成形品。
(3)スチレン系熱可塑性樹脂(B)が、ゴム質重合体を20〜50重量%含んでいることを特徴とする上記(1)又は(2)のいずれかに記載の複層成形品。
本発明により、建材、家具、家電製品等の各種工業用部材用途に有用な押出成形性、耐熱性、柔軟性、塗装性、印刷性、複層成形性等に優れた複層成形品を提供することが可能となった。
本発明のポリプロピレン類(A)とは、プロピレン単独重合体(PP)、プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体の場合、共重合体中のα−オレフィンとしてはエチレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等が挙げられる。好ましくは、プロピレン単独重合体またはプロピレンとエチレンの共重合体が挙げられる。プロピレンとエチレンの共重合体はブロック共重合体であってもランダム共重合体であっても良い。
ポリプロピレン類(A)は、如何なる分子量のものでも構わないが、MFR(ISO−1133:220℃、10kg)が、1〜90g/10分のものが好ましく、20〜70g/10分のものがより好ましい。MFRが1g/10分以下だと、押出加工性が低下し、90g/10分以上だと異形押出時に形状が安定しなくなる。
本発明のスチレン系熱可塑性樹脂(B)(以下、単にスチレン系熱可塑性樹脂(B)と言う。)としては、(b1)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、(b2)芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られる重合体、(b3)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、(b4)芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られるグラフト重合体等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ここで、ゴム質重合体としては、具体的には、ポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)等のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム(AR)、ポリイソプレン(IR)、ポリクロロプレン(CR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム、等のブロック共重合体およびそれらの水素添加物等を使用することができる。
これらの重合体の中で、好ましくは、BR、SBR、NBR、AR等が挙げられる。
不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。好ましくは、アクリロニトリルである。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート等が挙げられる。
スチレン系熱可塑性樹脂(B)としては、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリル酸メチル−アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(MABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA)、アクリロニトリル−スチレン−EPDM共重合体(AES)等が好ましい。
スチレン系熱可塑性樹脂(B)に含まれる不飽和ニトリル単量体単位は2〜40重量%であることが好ましい。
これらの樹脂のうち、アクリロニトリルを10〜40重量%含有しかつブタジエンゴムを10〜50重量%含有するABS、アクリロニトリルを20〜40重量%含有するAS、アクリロニトリルを2〜10重量%含有しかつブタジエンゴムを10〜50重量%含有するMABSがより好ましい。
スチレン系熱可塑性樹脂(B)の製造方法としては、特に限定はされず、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、およびこれらの重合法の組み合わせ等の方法が挙げられる。
スチレン系熱可塑性樹脂の分子量は如何なるものでも構わないが、MFR(ISO−1133:220℃、10kg)が、1〜30g/10分のものが好ましく、2〜20g/10分のものがより好ましい。MFRが1g/10分以下だと、スチレン系樹脂組成物の押出加工性が低下し、30g/10分以上だとスチレン系樹脂組成物の異形押出時に形状が安定しなくなる。
スチレン系樹脂組成物中のスチレン系熱可塑性樹脂(B)はPPとの接着性や、感触、印刷性等のバランスから30〜85重量部含有することが好ましい。さらに好ましくは45〜70重量部である。
本発明において好ましいスチレン系ブロックポリマー(C)は、芳香族ビニル単量体とプロピレンまたは炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体のことである。α−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等が挙げられる。好ましくは、プロピレン単独重合体またはプロピレンとエチレンの共重合体が挙げられる。プロピレンとエチレンの共重合体はブロック共重合体でもランダム共重合体でもどちらでも良い。スチレン系ブロックポリマー(C)中の芳香族ビニル単量体は、30〜90重量%含有するものが好ましく、さらに40〜80重量%含有するものがより好ましい。
このようなスチレン系ブロックポリマー(C)は、例えば、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体のブロック共重合体、あるいは該ブロック共重合体の水素添加物である。本発明においては、水素添加されているブロック共重合体の方が水素添加されていないブロック共重合体に比べて耐熱性に優れ、経時的な物性変化が少なく、望ましい。この水素添加物は、スチレン系ブロックポリマー中のオレフィン性二重結合の50%以上が水素添加されていることが好ましく、より好ましくは80%以上が水素添加されていることである。また、スチレン系ブロックポリマー(C)のメルトフローレイト(MFR)は、成形性、機械的強度から1〜80g/10分(ISO−1133、条件;220℃、10kg)が好ましく、また、2〜20g/10分がより好ましい。
ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。このスチレン系ブロックポリマーは、どの様な製造方法によって製造したものでもよい。例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でブロック共重合させて得ることができる。また、こうしたブロック共重合体の水素添加処理は、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、あるいは特開昭59−133203号公報および特開昭60−79005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に行うことができる。
このようなスチレン系水素添加ブロック共重合体(C1)の市販品としては、「KRATON(登録商標)−G」(シェル化学)、「セプトン(登録商標)」(クラレ)、「タフテック(登録商標)」(旭化成ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。
スチレン系ブロックポリマーとしては、分岐状のブロックポリマーでも良い。分岐状のブロックポリマーとは、幹となるポリマーに異種のポリマーが枝として化学結合した構造を有するポリマーをいう。ここで、幹や、枝に使用される代表的なポリマーとしては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、アクリトニトリル−スチレン(AS)等が挙げられる。
これらのうち、幹ポリマー−枝ポリマーの組み合わせとして、ポリエチレン−AS、ポリプロピレン−AS、EVA−AS等が好ましい。
このような分岐状のブロックポリマーの市販品としては、「モディパー(登録商標)」(日本油脂製)等が挙げられる。
また、上記スチレン系ブロックポリマー(C)に反応性基を導入しても良い。反応性基としては、エポキシ基、グリシジル基、カルボキシル基、メタクリロイル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。反応性基を導入する方法には、エポキシ基、グリシジル基、カルボキシル基、メタクリロイル基、ヒドロキシル基等を有する単量体を共重合させる方法や、反応性基をもつ単量体をラジカル反応でグラフトさせる方法がある。カルボキシル基を持つビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、マレイン酸等の遊離カルボキル基を含有する不飽和化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン酸、無水シトラコン酸などの酸無水物型カルボキシル基を含有する不飽和化合物等が挙げられるが、これらの中で、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が反応性、安価なことから好適である。また、グリシジル基を含有するビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられるが、これらの中でもメタクリル酸グリシジルが好適である。
反応性基の含有量としては、0.1〜5重量%が望ましく、さらに好ましくは0.1〜2重量%が望ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、硬度や感触、耐熱性、強度、成形性等の物性バランスが取れるようにプロピレン類(A)、スチレン系熱可塑性樹脂(B)、スチレン系ブロックポリマー(C)を、所定の範囲で配合して製造される。
また、柔軟性を付与する為、可塑剤および軟化剤を添加しても良い。これらの種類については硬度を低下させるものであれば特に制限はないが、脂肪酸や脂肪酸金属塩、テルペン系樹脂、石油系樹脂、PEやPPワックス類、パラフィン系オイル、ナフテン系オイルおよびエステル系オイル等が推奨される。
本発明のスチレン系樹脂組成物の特に好ましい組み合わせの例としては、PP、スチレン−ブタジエン共重合体水素添加物、ABS樹脂、PPまたは、スチレン−PPブロックコポリマー、ABS樹脂とからなる樹脂組成物が挙げられる。
本発明のスチレン系樹脂組成物の(A)、(B)、(C)の各成分を溶融混合する方法については特に制限はなく、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ミキシングロール等通常公知の方法を用いることができる。
また、本発明のスチレン系樹脂組成物は、発泡させて使用することもできる。発泡させる方法は特に制限されないが、例えば、熱分解型発泡剤を配合する方法、加圧下で水を配合し発泡剤として利用する方法、溶融成形時に高圧ガスを注入する方法など、従来公知の方法が利用可能である。
本発明のスチレン系樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブリード・ブルーム剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、防菌、防カビ剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、粘土調整剤、着色防止剤、発泡剤、発泡助剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、フェライトなどの金属粉末、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウィスカーなどの無機ウィスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、ケイソウ土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズなどの充填剤、またはこれらの混合物、あるいは他のゴム質重合体、例えばSBR、NBR、BR、NR、IR、AR,CR、IIR、また、その他必要に応じて上記成分以外の熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール樹脂など、適宜、配合することができる。
本発明のポリプロピレン類(A)を含む熱可塑性エラストマー(D)としては、TPO、TPV、SBCコンパウンド等が挙げられる。熱可塑性エラストマー(D)中のポリプロピレン類(A)は、10〜40重量%含有したものが好ましい。また、これらの熱可塑性エラストマーの硬度は、JIS−A硬度で40以上90以下であることが好ましい。例えば、TPO、TPVとしては、ポリプロピレン(A)とEPDM、EPM、IIR等を熱混練や動架橋したものが挙げられる。市販品としては、ミラストマー(三井化学製)、住友TPE(住友化学製)、サントプレーン(AESジャパン製)、サーモラン(三菱化学製)、ミラプレーン(アプコ)等が挙げられる。
SBCコンパウンドとは、スチレン系エラストマーやスチレン系エラストマーの水素添加物と、ポリプロピレン類(A)を熱混練や動架橋したものが挙げられる。SBCコンパウンドの市販品としては、レオストマー(リケンテクノス製)、SEBSエラストマー(クレイトンポリマージャパン製)、SEBS住友TPE−SBシリーズ(住友化学工業製)、SEBSラバロン(三菱化学)、SEBSスミフレックス(アプコ)等が挙げられる。
本発明の複層成形品を得る方法としては、押出、射出、ブロー、プレス成形等の各種成形法を用いることができる。中でも押出成形が好ましく、異型押出、シート押出、複層押出等の押出成形法が幅広く適用できる。なかでも異形押出による共押出が好ましい。
本発明の複層成形品には表面に印刷や塗装を施すこと、接着剤を用いて他の素材と接着することが可能である。各種成形法で成形された成形品に対して、表面を塗装したり、グラビア印刷等で表面に種々の意匠、図柄を印刷して外観を見栄えの良いものにすることができる。また、他の素材と接着剤を用いて接着することにより製品の一部に本複層成形品を組み合わせて用いることができる。
本発明のスチレン系樹脂組成物の成形品は、溶剤に対して適度の膨潤性を示すため、塗料、印刷用インク、接着剤に含まれる溶剤により膨潤することで塗料、インク、接着剤の樹脂素材と密着することが可能となる。
ここで、本発明のスチレン系樹脂組成物が膨潤性を示す溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、塩化メチレンあるいはこれらの混合物が挙げられる。このような溶剤を含む塗料や印刷用インク、接着剤に対して密着することが可能である。例えば、グラビア印刷インキは、樹脂成分が、EVA、変性塩ビ等であり、溶剤がMEK、トルエン、シクロヘキサン、酢酸ブチル等の混合物であり、本発明のスチレン系樹脂組成物の成形品の印刷用に好適に使用することができる。
また、例えば、接着剤としては、アセトン、ノルマルヘキサン、酢酸ブチル等の混合溶剤を用いたウレタン系接着剤、合成ゴム系接着剤により他の素材と良好に接着することができる。
本発明の複層成形品の用途としては、屋内外の家具・建材の一部材として、例えば、木口材、戸あたり、敷居板、サッシ、グレーチング、テーブルエッジ、手すり、滑り止め、目地、風呂蓋等が挙げられる。また、工業的に用いられるパッキン、衝撃吸収材等が挙げられる。また各種電気製品、日用雑貨のグリップとしても用いる事ができる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。下記の実施例において、部および%は、特に断らない限り重量基準である。
(1)実施例および比較例で用いた原材料
<ポリプロピレン類(A)>
・PP1;PL500A(PP単独重合体、サンアロマー製)MFR;52g/分
・PP2;PM900A(PP単独重合体、サンアロマー製)MFR;95g/分
・PP3;PC630A(PP、PE共重合体 サンアロマー製)MFR;63g/分
<スチレン系熱可塑性樹脂(B)>
・ABS;旭化成ケミカルズ(株)製、スタイラックABS・321
不飽和ニトリル単量体含有量;22重量%、MFR;8.0g/10分
・AS; 旭化成ケミカルズ(株)製、スタイラックAS・789
不飽和ニトリル単量体含有量;30重量%、MFR;9.0g/10分
<スチレン系ブロックポリマー(C)>
・SBP−1;水素添加スチレンブタジエンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、タフテックH1221(商品名))、JIS−A硬度;42、芳香族ビニル単量体単位含有量;12重量%
・SBP−2;水素添加スチレンブタジエンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、タフテックH1043(商品名))、JIS−A硬度;72、芳香族ビニル単量体単位含有量;67重量%
・SBP−3;LOPE−グラフトAS(70/30)/モディパーA1400(日本油脂製)
<タルク>
・F ; 松村産業製 ハイフィラー15
(2)評価方法
1.MFR
ISO−1133規格を用いて、設定温度220℃、荷重10kgで測定した。
2.曲げ弾性率
ISO−178規格を用いて測定した。
3.ノッチ付きシャルピー衝撃試験
ISO−179規格を用いて測定した。
4.塗装試験
ISO−527−1引張り試験に使用するダンベル試験片のゲート側に、(株)カンペハピオ製ラッカースプレーAの赤を使用し、約5秒吹き付けた後、一昼夜放置した試験片に対して、1mm間隔でマス目を切り(100区画)ニチバンのセロハンテープを用いて剥がれ性を判定した。試験は2度行いその平均値を用い、剥がれた場所が20区画未満の場合◎、40区画以上剥がれたときに○、残った区画が40区画未満を×とした。○以上を塗装性が改良されたとする。
5.熱可塑性エラストマーとスチレン系樹脂組成物の共押出成形
硬質材に表1中のスチレン系樹脂組成物を用い、軟質材として熱可塑性エラストマーを用い、図1に断面を示す様な共押出成形品を軟質部と硬質部の溶着部の幅が1.8〜2.2mm幅に押出成形した複層成形品を用いて、軟質部を手で直角方向に引っ張って接着強度を確認した。
図1に示す共押出成形品の成形条件は、硬質スチレン系樹脂組成物の押出機設定温度は160℃(ホッパー)〜190℃(ノズル)であり、軟質熱可塑性エラストマーの押出機設定温度は140℃(ホッパー)〜210℃(ノズル)であった。
◎:軟質部を剥がすのに4kgf以上の応力を必要とし、かつ軟質の素材が破壊する。
○:軟質部を剥がすのに4kgf以上の強度を要した。
△:1〜3.9kgfで簡単に軟質部が剥がれた。
×:軟質部がほとんど伸びずに剥がれた。
また、同時に押出成形性(形状)についても確認した。
[実施例1〜5および比較例1〜5]
表1に記載の配合比で原材料を用い、TEM35B(東芝機械)2軸押出機を用いて230度にて溶融混練し、スチレン系樹脂組成物のペレットを製造した。該ペレットを用い、上記評価方法で評価し、その評価結果を表1に示した。
Figure 2007216524
本発明は、建材、家具、家電製品等の各種工業用部材の用途に有用な押出成形性、印刷性、接着性に優れた硬質材と、パッキング性、クッション性を有する熱可塑性エラストマーとの複層成形品を提供可能である。
熱可塑性エラストマーとスチレン系熱可塑性樹脂の共押出成形品の概略断面図である。

Claims (3)

  1. ポリプロピレン類(A)10〜50重量部と、メタアクリル酸エステル、アクリル酸エステル、不飽和ニトリル単量体の一種以上のビニル系モノマーを含むスチレン系熱可塑性樹脂(B)30〜85重量部、スチレン系ブロックポリマー(C)5〜60重量部からなり、かつMFRが1〜80g/10分であるスチレン系樹脂組成物の層と、ポリプロピレン類(A)を含む熱可塑性エラストマー(D)の層とからなることを特徴とする複層成形品。
  2. スチレン系ブロックポリマー(C)が、スチレン系水素添加ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の複層成形品。
  3. スチレン系熱可塑性樹脂(B)が、ゴム質重合体を20〜50重量%含んでいることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の複層成形品。
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CN113478777A (zh) * 2021-07-13 2021-10-08 深圳市阳林五金塑胶制品有限公司 一种防撞包角橡胶条制备方法和防撞包角橡胶条

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CN113478777B (zh) * 2021-07-13 2023-04-11 深圳市阳林五金塑胶制品有限公司 一种防撞包角橡胶条制备方法和防撞包角橡胶条

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