JP4815691B2 - 熱可塑性重合体組成物及びその製造方法並びに相溶化剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、相溶化剤組成物並びに熱可塑性重合体組成物及びその製造方法に関し、更に詳しくは、互いに非相溶であるマトリックス部構成重合体及びドメイン部構成重合体の相溶化に優れた相溶化剤組成物、並びに剛性、耐衝撃性、成形品の鏡面性、層間剥離性に優れ、且つ面衝撃性及び引張破断伸びに優れた熱可塑性重合体組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プロピレン系重合体は耐油性、耐溶剤性に優れるが、剛性、表面剛性に劣るため鏡面性の高い成形品が得られにくく、成形品に傷が付きやすいという問題を有している。この問題を解決するために剛性、表面剛性が高い芳香族ビニル系重合体、ポリフェニレンエーテル(以下、これらを「高剛性重合体」という。)とプロピレン系重合体とをブレンドする方法が用いられているが、元来プロピレン系重合体と高剛性重合体とは相溶性が乏しく、単純にブレンドしただけでは、得られた材料における、引張破断伸び及び耐衝撃性の低下や層間剥離のような物性の低下が著しい。そこで、プロピレン系重合体と高剛性重合体との相溶性の改良を目的として、スチレン系水素添加エラストマー及び極性重合体を相溶化剤として添加した組成物が種々検討されてきた。
しかしながら、従来用いられてきた製法及び相溶化剤は、得られる熱可塑性重合体組成物の耐衝撃性、耐溶剤性、剛性等の物性や成形品の鏡面性や耐傷付き性等について必ずしも十分に改良するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、非相溶である2つの重合体のブレンドに、予め溶融混練して作製した相溶化剤組成物を用いることで、成形品の剛性、耐衝撃性、鏡面性、層間剥離性に優れ、且つ力学特性、特に面衝撃性及び引張破断伸びに優れた熱可塑性重合体組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱可塑性重合体組成物は、互いに非相溶であるマトリックス部構成重合体(イ)及びドメイン部構成重合体(ロ)と、水素添加ジエン系重合体(ハ)とを含有する組成物において、ドメインの数平均ドメイン径dnが0.01〜1.0μmであり、且つ、体積平均ドメイン径dvとの比dv/dnが1〜1.5であることを特徴とする。
【0005】
上記マトリックス部構成重合体(イ)は、上記ドメイン部構成重合体(ロ)と非相溶である。上記重合体(イ)及び(ロ)の組み合わせは、上記重合体(イ)が芳香族ビニル系重合体、上記重合体(ロ)がオレフィン系重合体である。尚、本発明以外の重合体として、芳香族ポリカーボネート、アクリル系重合体、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド及び液晶ポリマー等が挙げられる。
【0006】
上記オレフィン系重合体とは、1種又は2種以上のオレフィン系単量体を高圧法又は低圧法のいずれかの方法で重合して得られる重合体である。上記オレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体及びエチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体のうちの非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が好ましく用いられる。上記オレフィン系重合体としては、プロピレンを構造単位として含有するプロピレン系重合体が特に好ましい。
【0007】
上記プロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体又はプロピレン以外のα−オレフィン、好ましくは炭素数2又は4〜20のα−オレフィンから誘導される構造単位を含有するプロピレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。
上記α−オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサドデセン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、ジエチル−1−ブテン、トリメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジメチル−1−ペンテンン、メチルエチル−1−ペンテン、ジエチル−1−ヘキセン、トリメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ヘプテン、ジメチル−1−オクテン、エチル−1−オクテン、メチル−1−ノネン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン等が挙げられ、そのなかでもエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンが好ましく、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これら共重合成分の量としては好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。これらを共重合した場合の共重合体の様式については特に制限はなく、例えばランダム型、ブロック型、グラフト型、テーパー型、これらの混合型等いずれであってもよい。
【0008】
また、プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTM−D1238に従い230℃、2.16kg荷重下で測定された値として、好ましくは0.01g/10分以上、より好ましくは0.1g/10分以上である。但し、通常、1000g/10分以下である。MFRが1000g/10分を超えると耐衝撃性が低下し、0.01g/10分未満では成形品の外観が劣る。
【0009】
上記芳香族ビニル系重合体とは、芳香族ビニル単量体を単独重合させた単独重合体、あるいは少なくとも1つ以上の他の単量体を芳香族ビニル単量体と共重合させた共重合体をいい、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの重合体は、ゴム成分にグラフトしたグラフト重合体であってもよく、更にはゴム成分との混合物からなるゴム変性重合体であってもよい。
【0010】
上記芳香族ビニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、その中でもスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0011】
上記芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体の具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の直鎖状α−オレフィン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン等の分岐状α−オレフィン等、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル等のアクリル酸、マレイン酸、マレイン酸の半エステル等のカルボニル基含有ビニル単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のα、β−不飽和ニトリル等が挙げられる。これらの共重合可能な単量体は1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
上記ゴム成分の具体例として、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン・1−ブテン共重合ゴム(EBM)、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴム(EBDM)等が挙げられ、EPDM、EBDM中の非共役ジエンとしては5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等を好ましく使用することができる。これらのゴム成分は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらゴム成分を用いた上記芳香族ビニル系重合体の例としては、スチレン単独重合体(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、エチレン・スチレン共重合体(ESI)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリル・塩素化ポリスチレン・スチレン共重合体(ACS)、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体(MS)、ブタジエン・スチレン・メタクリル酸メチル共重合体(MBS)、スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA)等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
上記芳香族ポリカーボネートは、通常、ビスフェノール類とホスゲンとの重縮合反応、又は炭酸ジエステルとのエステル交換反応によって得られる重合体である。
上記ビスフェノール類の例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
上記ホスゲンの例としては、ホスゲン、ホスゲンダイマー、ブロモホスゲン、等が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記炭酸ジエステルの例としては、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ビスフェノールAビスメチルカーボネート等の炭酸ジアルキルや、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジ−m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ビスフェノールAビスフェニルカーボネート等の炭酸ジアリール及び、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、ブチルフェニルカーボネート、シクロヘキシルフェニルカーボネート、ビスフェノールAビスメチルカーボネート等の炭酸アルキルアリール等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
尚、必要に応じて、炭酸ジエステルの一部に代えてジカルボン酸、ジカルボン酸エステルを用いてもよい。この場合、ポリエステルカーボネートが得られる。ジカルボン酸及びジカルボン酸エステルの例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等の芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニル等の脂肪族ジカルボン酸類、シクロプロパンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸ジフェニル、1,2−シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,3−シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2−シクロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3−シクロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニル等の脂環族ジカルボン酸類等が挙げられる。ジカルボン酸及びジカルボン酸エステルの使用量は、例えば、炭酸ジエステルの50モル%以下、好ましくは30モル%以下である。
【0016】
上記芳香族ポリカーボネートの例としては、ポリ−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンカーボネート、ポリ−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンカーボネート等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、ポリ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンカーボネートが好ましく用いられる。
【0017】
上記アクリル系重合体とは、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び(メタ)アクリルアミド系単量体の単独重合体あるいは共重合体であり、これらの単量体と共重合可能な他のビニル系単量体との共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3−シクロヘキセンオキサイド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレンエチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
(メタ)アクリルアミド系単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
シアン化ビニル系単量体の例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体又は(メタ)アクリルアミド系単量体と共重合可能なビニル系単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸の半エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドン、メチルビニルケトン等のカルボニル基含有ビニル単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
上記アクリル系重合体の例としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、これらのうち、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルが好ましく、更に好ましくはポリメタクリル酸メチルである。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
上記芳香族ポリエステルとは、芳香環を連鎖単位に有する重合体であり、芳香族ジカルボン酸類(あるいは、そのエステル形成性誘導体)とジオール類(あるいは、そのエステル形成性誘導体)とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸類の例としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸等が挙げられ、テレフタル酸が好ましく用いられる。また、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、少量であれば、これらの芳香族ジカルボン酸とともにアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族環状ジカルボン酸を1種以上混合して使用することができる。
【0022】
ジオール類の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族環状ジオール等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、少量であればポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の分子量5000以下の長鎖ジオールを1種単独で又は2種以上を使用してもよい。
【0023】
上記芳香族ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリシクロヘキサン−1,4−ジメチロールテレフタレート/イソフタレート、ポリネオペンチルテレフタレート/イソフタレート等が挙げられ、これらのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく用いられる。また、環状のラクトン、例えばβ−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の開環重合によって得られるポリラクトン等も用いることができる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0024】
上記ポリアミドは、構造単位中にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体であれば特に限定されず、例えば、ラクタム類を開環重合させて得られる重合体、アミノカルボン酸を重縮合させて得られる重合体、ジアミンとジカルボン酸とを重縮合させて得られる重合体等が挙げられる。
ポリアミドを得るために、ジカルボン酸との重縮合に供されるジアミンとしては、脂肪族系ジアミン類、芳香族系ジアミン類、脂環族系ジアミン類等が挙げられる。
【0025】
脂肪族系ジアミン類としては、炭素数3〜18の直鎖状又は分岐状のジアミンを用いることができる。その例としては、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカンメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、1,13−トリデカメチレンジアミン、1,14−テトラデカメチレンジアミン、1,15−ペンタデカメチレンジアミン、1,16−ヘキサデカメチレンジアミン、1,17−ヘプタデカメチレンジアミン、1,18−オクタデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
芳香族系ジアミン類としては、分子中に少なくとも1つのフェニレン基を有する炭素数6〜27のジアミンを使用することができる。その具体例としては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジ(m−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、4,4’−ジ(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ベンジジン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5−ジメチルフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、2,4−ジアミノトルエン、2,2’−ジメチルベンジジン等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
脂環族系ジアミン類としては、分子中に少なくとも1つのシクロヘキシレン基を有する炭素数6〜15のジアミンを使用することができる。その具体例としては、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンメタン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
ポリアミドを得るために、ジアミンとの重縮合に供されるジカルボン酸としては、脂肪族系ジカルボン酸類、芳香族系ジカルボン酸類、脂環族系ジカルボン酸類等を挙げることができる。
脂肪族系ジカルボン酸類としては、炭素数2〜18の飽和又は不飽和のジカルボン酸を使用することができる。その具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
芳香族ジカルボン酸類としては、分子中に少なくとも1つのフェニレン基を有する炭素数8〜15のジカルボン酸を使用することができる。その具体例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、得られる熱可塑性重合体組成物の溶融成形が可能な範囲内で、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を使用することもできる。
【0030】
ポリアミドを得るための重縮合に供されるアミノカルボン酸としては、炭素数4〜18のアミノカルボン酸を挙げることができる。その例としては、4−アミノ酪酸、6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸(ナイロン11用)、12−アミノドデカン酸(ナイロン12用)、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
ポリアミドを得るために、開環重合に供されるラクタム類の例としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ζ−エナントラクタム、η−カプリルラクタム等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミドを得るための好ましい原料としては、ε−カプロラクタム(ナイロン6用)、1,6−ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸(ナイロン6,6用)、1,4−テトラメチレンジアミン及びアジピン酸(ナイロン4,6用)、1,6−ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸(ナイロン6,T用)、1,6−ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸及びε−カプロラクタム、1,6−ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸及びアジピン酸、1,9−ノナメチレンジアミン及びテレフタル酸(ナイロン9,T用)、1,9−ノナメチレンジアミン及びテレフタル酸及びε−カプロラクタム、1,9−ノナメチレンジアミン及び1,6−ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸及びアジピン酸、m−キシリレンジアミン及びアジピン酸が挙げられ、これらのうち、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,T、ナイロン9,Tが好ましく用いられる。また、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
上記ポリフェニレンエーテルとは、下記一般式(I)で示される単位を主たる構造単位とし、単独重合体であっても共重合体であってもよい。
【0033】
【化1】
(上記式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7の第一級あるいは第二級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、又は少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基である。)ポリフェニレンエーテルの還元粘度(0.5g/dlの濃度で、クロロホルム溶媒中、30℃で測定)は、好ましくは0.15〜2dl/gの範囲、より好ましくは0.2〜1dl/gの範囲にある。
【0034】
このポリフェニレンエーテルの例としては、例えばポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられる。更には、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体で例示されるポリフェニレンエーテルが挙げられる。これらのうち、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、特に好ましくはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。
これらポリフェニレンエーテルは、例えば米国特許第3306874号、特公昭52−17880号、特開昭63−152628号に記載された方法で容易に製造することができる。
【0035】
上記ポリフェニレンサルファイドとは、下記一般式(II)で示される単位を主たる構造単位とし、単独重合体であっても共重合体であってもよい。
―(―Ph−S−)− ・・・(II)
上記一般式において、「Ph」で表される芳香族基の例としては、p−フェニレン基、m−フェニレン基、及びこれらの核置換体等が挙げられる。
このポリ−p−フェニレンサルファイドにおけるp−フェニレン核構造単位の含有割合は、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上である。ポリ−p−フェニレンサルファイドとしては、公知の方法で得られたものを用いることができ、一般的には特公昭45−3368号公報等に記載の製造方法によって得られる比較的分子量の低いの重合体、特公昭52−12240号公報等に記載の製造方法によって得られる本質的に線状で分子量の高い重合体等を用いることができる。
また、前記特公昭45−3368号公報に記載の製造方法で得られた重合体を、酸素雰囲気下で加熱することによって、または、過酸化物等の架橋剤を添加して加熱することによって、高重合化してから用いることもできる。
ポリ−p−フェニレンサルファイドの中でも、本質的に線状で比較的高分子量の重合体や、線状のものを部分的に架橋したものが好ましく用いられる。
【0036】
上記ポリフェニレンサルファイドの溶融粘度は、好ましくは10〜1,000Pa・s(310℃、剪断速度1,000s― 1)である。
上記ポリフェニレンサルファイドの具体例としては、ポリ−p−フェニレンサルファイド、ポリ−m−フェニレンサルファイドが挙げられ、好ましくはポリ−p−フェニレンサルファイドが挙げられる。
【0037】
上記液晶ポリマーとしては、例えば、液晶性ポリエステルや液晶性ポリエステルアミド等が挙げられる。
上記液晶性ポリエステルとは、芳香族オキシカルボニル、芳香族ジオキシ、芳香族ジカルボニル、エチレンジオキシ等から選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成するポリエステルである。
芳香族オキシカルボニルを構造単位として有する化合物の具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸等が挙げられ、芳香族ジオキシを構造単位として有する化合物の具体例としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’、5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。芳香族ジカルボニルを構造単位として有する化合物の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタンー4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタンー4,4’−ジカルボン酸、4,4’―ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられ、エチレンジオキシを構造単位として有する化合物の具体例としてはエチレングリコール等が挙げられる。
【0038】
上記液晶性ポリエステルの製造方法については特に限定されるものではなく、公知のポリエステルの重縮合方法に準じて製造できるが、上記液晶性ポリエステルを重縮合する際には上記芳香族オキシカルボニル、芳香族ジオキシ、芳香族ジカルボニル、エチレンジオキシ等から選ばれた構造を有する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオール及びm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸、p−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸及び芳香族イミド化合物等を本発明の目的を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0039】
上記液晶性ポリエステルの具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフタレートを共重合した液晶性ポリエステル(特開昭49−72393号公報)、p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を共重合した液晶性ポリエステル(特開昭54−77691号公報)、p−ヒドロキシ安息香酸に4,4´−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸、イソフタル酸を共重合した液晶性ポリエステル等が挙げられる。
【0040】
上記液晶性ポリエステルアミドとは、芳香族オキシカルボニル、芳香族ジオキシ、芳香族ジカルボニル、エチレンジオキシ等から選ばれた構造単位と芳香族イミノカルボニル、芳香族ジイミノ、芳香族イミノオキシ等から選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成するポリエステルアミドである。
上記液晶性ポリエステルアミドの具体例としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、p−アミノフェノールとテレフタル酸から生成した液晶性ポリエステルアミド(特開昭57−172921号公報)、p−ヒドロ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェノールとテレフタル酸、p−アミノ安息香酸及びボリエチレンタレフタレートから生成した液晶性ポリエステルアミド(特開昭64−33123号公報)等が挙げられる。
上記液晶ポリマーの好ましい溶融粘度は、通常、10〜1,000Pa・s(温度は液晶ポリマーの融点+10℃、剪断速度1,000s-1)である。
【0041】
本発明の熱可塑性重合体組成物における上記マトリックス部構成重合体(イ)及び上記ドメイン部構成重合体(ロ)としては、上記重合体(ロ)がオレフィン系重合体、上記重合体(イ)として芳香族ビニル系重合体とする。上記オレフィン系重合体のうち、プロピレン系重合体が好ましく用いられる。
【0042】
本発明の熱可塑性重合体組成物における上記マトリックス部構成重合体(イ)及び上記ドメイン部構成重合体(ロ)の含有量は、上記重合体(イ)及び上記重合体(ロ)の合計を100質量部とすると、好ましくは上記重合体(イ)が51〜99質量部、上記重合体(ロ)が49〜1質量部、より好ましくは上記重合体(イ)が60〜95質量部、上記重合体(ロ)が40〜5質量部、更に好ましくは上記重合体(イ)が60〜90質量部、上記重合体(ロ)が40〜10質量部とすることができる。
【0043】
本発明の熱可塑性重合体組成物における上記マトリックス部構成重合体(イ)中の上記ドメイン部構成重合体(ロ)のドメインは、透過型電子顕微鏡(以下、「TEM」という。)を用いて観察することができる。このドメインの映るTEM写真の画像解析により得られるドメインの面積を用いて計算した数平均ドメイン径dnは、0.01〜1.0μmであり、好ましくは0.1〜0.8μm、より好ましくは0.1〜0.5μmである。また、数平均ドメイン径dnを用いて求められた体積平均ドメイン径dvと上記数平均ドメイン径dnとの比dv/dnは1〜1.5であり、好ましくは1〜1.4、より好ましくは1〜1.3である。この範囲において目的とする機械的物性と耐衝撃性を両立することができる。dv/dn比が1〜1.5でも数平均ドメイン径dnが1.0μmを超えると機械的物性が悪化する傾向にある。また、数平均ドメイン径dnが1.0μm以下でもdv/dn比が1.5を超えると、機械的物性が悪化する傾向にある。尚、dv/dn比が1のとき、ドメイン径が揃った均一状態を示し、1より大きくなるにつれドメイン径が不揃いで不均一になっていることを示す。
【0044】
本発明の熱可塑性重合体組成物をTEMで観察する際には、初めに熱可塑性重合体組成物を凍結ミクロトームで薄片とし、四酸化ルテニウム、四酸化オスミウム、クロロスルホン酸、酢酸ウラニル、リンタングステン酸、ヨウ素イオン、トリフルオロ酢酸等の染色剤を使用して染色する。染色剤の選択にあたっては、観察対象とする熱可塑性重合体組成物の高分子中に含まれる官能基の種類により最適な染色剤を選択する必要がある。本発明の熱可塑性重合体組成物の染色剤としては、四酸化ルテニウム、四酸化オスミウムが適している。
染色した熱可塑性重合体組成物の薄片をTEMで例えば倍率2000倍に拡大して写真撮影する。
【0045】
上記数平均ドメイン径及び体積平均ドメイン径は、TEM写真の画像解析より求められるものであるが、例えば、画像解析ソフトとして、Image−ProPlus Ver.4.0 for Windows〔MediaCybernetics社(USA)製、(株)プラネトロン販売〕等を用いることができる。
画像解析よりドメインの面積を求め、以下に示す式を用いて、上記数平均ドメイン径dn、及び体積平均ドメイン径dvを計算することができる。具体的にはJ.MACROMOL.SCI.−PHYS.,B38(5&6),527(1999)に記載されている計算方法を用いることができる。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物が射出成形や押出成形等により流動が印加されている場合には、上記ドメイン部構成重合体(ロ)が流動方向に配向するため、TEM写真並びにその画像解析により求められる上記dn、dv及びdv/dnに異方性が生じることがある。従って、本発明においては、TEM観察する超薄切片の面は流動方向に対して垂直方向としてTEM写真を画像解析し、上記dn、dv及びdv/dnを算出するものとする。
【0046】
(1)TEM写真を画像解析して求めたドメインの面積から真円換算した場合の直径(dnj)の計算式
【数1】
A;TEM写真を画像解析して求めたドメインの面積
【0047】
(2)数平均ドメイン径dnの計算式
【数2】
【0048】
(3)体積平均ドメイン径dvの計算式
【数3】
【0049】
本発明の熱可塑性重合体組成物は、更に、水素添加ジエン系重合体(ハ)を含有する。上記水素添加ジエン系重合体(ハ)は、共役ジエン単量体を構成単位とする重合体ブロック及び/又は芳香族ビニル単量体を構成単位とする重合体ブロックからなるものとすることができ、共役ジエンに由来する二重結合の少なくとも80%が水素添加(以下、水素添加を「水添」という。)された水添ジエン系重合体とすることができ、後述される。共役ジエンに由来する二重結合が80%未満では本発明の熱可塑性重合体組成物を用いて得られる成形品の剛性及び耐衝撃性が低下する。
即ち、本発明に係わる水添ジエン系重合体(ハ)は、ジエン系共重合体の水添物である。以下、このジエン系共重合体を「水添前重合体」ともいう。
【0050】
水添前重合体に用いられる共役ジエン単量体の例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらのうち、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエン系重合体が得られることから、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましく用いられる。
【0051】
また、上記共役ジエン単量体と上記以外の他の単量体を共重合してもよく、その例としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。これら単量体の使用量は、例えば、共役ジエン単量体の50モル%以下、好ましくは30モル%以下である。
【0052】
上記水添前重合体に用いられる芳香族ビニル単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく用いられる。
【0053】
上記水添前重合体は、カップリング剤の使用により重合体分子鎖がカップリング剤の残基を介して延長又は分岐された重合体であってもよい。
この際用いられるカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩化ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、ジメチルクロロケイ素、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネート等が挙げられる。
【0054】
上記水添ジエン系重合体(ハ)は、例えば特開平3−72512号公報に開示されている方法によって得ることができる。
上記水添ジエン系重合体(ハ)としては、以下の構成単位からなる重合体ブロックA,B及びCによって構成されるものである。即ち、少なくとも1種の重合体ブロックB並びに、少なくとも1種の重合体ブロックA及び/又は少なくとも1種の重合体ブロックCを有するものである。重合体ブロックの組み合わせとして、(A/B)、(B/C)、(A/B/C)とする。
A:芳香族ビニル単量体単位を50質量%を超えて含有する重合体ブロック
B:共役ジエン単量体単位を50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3
,4−ビニル結合含量が30〜90%である重合体ブロック
C:共役ジエン単量体単位を50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3
,4−ビニル結合含量が30%未満である重合体ブロック
【0055】
上記水添ジエン系重合体としては、例えば次の〈1〉〜〈4〉を挙げることができ、これら〈1〉〜〈4〉は単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〈1〉水添ジエン系重合体が上記重合体ブロックA及びBをそれぞれ少なくとも1個有し、上記ブロックAの含量が5〜70質量%、より好ましくは15〜70質量%、更に好ましくは15〜50質量%であり、上記ブロックBの共役ジエン単量体単位の1,2−及び3,4−ビニル結合の含量が30%以上90%以下、より好ましくは40〜85%、更に好ましくは60〜85%であり、上記ブロックA及びBの合計の二重結合の水添率は80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である重合体。
〈2〉水添ジエン系重合体が上記重合体ブロックA及びBをそれぞれ少なくとも1個以上有し、上記ブロックAの含量が3〜40質量%、より好ましくは3〜30質量%、更に好ましくは5〜20質量%であり、上記ブロックAがスチレン等の芳香族ビニル単量体を好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下含有するランダム共重合体ブロックであり、上記ブロックBの共役ジエン単量体成分の1,2−及び3,4−ビニル結合の含量が30%以上90%以下、より好ましくは40〜85%、更に好ましくは60〜85%であり、上記ブロックA及びBの合計の二重結合の水添率は80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である重合体。
【0056】
〈3〉水添ジエン系重合体が上記重合体ブロックB及びCをそれぞれ少なくとも1個以上有し、上記ブロックCの含量が5〜70質量%、より好ましくは15〜70質量%、更に好ましくは15〜50質量%であり、上記ブロックBの共役ジエン単量体成分の1,2−及び3,4−ビニル結合の含量が30%以上90%以下、より好ましくは30〜85%であり、上記ブロックB及びCの合計の二重結合の水添率は80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である重合体。
〈4〉水添ジエン系重合体が上記重合体ブロックA、B及びCをそれぞれ少なくとも1個有し、上記ブロックAの含量が5〜35質量%、上記ブロックBの含量が50〜95質量%、上記ブロックCの含量が5〜45質量%であり、上記ブロックAがスチレン等の芳香族単量体単位を好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下含有するランダム共重合体ブロックあるいはスチレン等の芳香族単量体単位を含有しない重合体ブロックであり、上記ブロックA,B及びCの合計の共役ジエン単量体単位の1,2−及び3,4−ビニル結合の含量が30%以上90%以下、より好ましくは30〜60%であり、上記ブロックA,B及びCの合計の二重結合の水添率は80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である重合体。
【0057】
上記水添ジエン系重合体(ハ)において、分子鎖中の共役ジエン部分の二重結合への水添率は80%以上とするが、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である。水添率が80%未満では、この相溶化剤組成物を用いてなる熱可塑性重合体組成物から製造された成形品の剛性、耐衝撃性が低下するため好ましくない。
また、上記水添ジエン系重合体(ハ)の数平均分子量は、好ましくは1〜70万であり、より好ましくは5〜60万である。1万未満では、成形品の耐衝撃性が劣り、一方、70万を超えると、成形品の成形外観が劣り好ましくない。
尚、本発明に係わる水添ジエン系重合体(ハ)として、2種以上の水添前重合体のブレンド物を水添したものも好適に用いることができる。更に、2種以上の水添ジエン系重合体のブレンド物も、好適に用いることができる。
【0058】
上記水添ジエン系重合体(ハ)としては、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基及びエポキシ基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を有する変性水添ジエン系重合体を用いることもできる。この変性水添ジエン系重合体は1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
また、上記水添ジエン系重合体(ハ)は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、ニトリル基、オキサゾリン基、アミド結合及びエステル結合からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基あるいは結合を有する極性樹脂と任意の割合でブレンドして用いることができる。このブレンド物は1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0060】
上記水添ジエン系重合体(ハ)の含有量は、上記ドメイン部構成重合体(ロ)の100質量部に対し、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部、更に好ましくは10〜40質量部とすることができる。上記水添ジエン系重合体(ハ)の含有量が1質量部未満では本発明の熱可塑性重合体組成物から得られる成形品の耐衝撃性が低下し、一方、100質量部を超えると剛性が低下するため好ましくない。
【0061】
本発明の熱可塑性重合体組成物には、必要に応じて各種添加剤、例えば老化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、銅害防止剤等の安定剤、防菌・防かび剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、シリコンオイル、難燃化剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤、フェライト等の金属粉末、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズ等の充填剤又はこれらの混合物、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉等の充填剤、低分子量重合体等を配合して用いることができる。また、本発明の効果を損なわない程度に他のゴム質重合体、他の熱可塑性重合体等を適宜配合することができる。
【0062】
本発明の相溶化剤組成物は、互いに非相溶であるマトリックス部構成重合体(イ)としての芳香族ビニル系重合体及びドメイン部構成重合体(ロ)としてのオレフィン系重合体を相溶化させる相溶化剤組成物であって、上記重合体(イ)又は上記重合体(ロ)、並びに水素添加ジエン系重合体(ハ)を含有し、該重合体(ハ)100質量部と、該重合体(イ)又は(ロ)1〜100質量部と、が溶融混練されてなることを特徴とする。
【0063】
上記重合体(イ)、(ロ)及び(ハ)を以下のような組み合わせで溶融混練されたものとすることができる。
〔a〕重合体(イ)及び重合体(ハ)
〔b〕重合体(ロ)及び重合体(ハ)
〔c〕重合体(イ)、重合体(ロ)及び重合体(ハ)
【0064】
本発明の相溶化剤組成物を製造する際には、上記〔a〕〜〔c〕のいずれの場合においても、上記各重合体が溶融混練されていれば、その方法は特に限定されないが、通常、押出機、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等の従来公知の混練機、及びこれらを組み合わせたものを用いて行われる。また、混練条件としては、バレルの最大の長さをL、スクリューの直径をD、スクリュー回転数をN(rpm)、スクリューのネジ山の頂点とバレルとの間隙をHとしたときに下記式で表される剪断速度Sを、好ましくは100s-1以上、より好ましくは300s-1以上、更に好ましくは500s-1以上である。
S=(π×D×N)/(60×H)
上記剪断速度Sが100s-1未満では本発明の熱可塑性重合体組成物を用いて得られる成形品の耐衝撃性が劣り好ましくない。
更に、各重合体の混練機への投入順序及び投入量は特に限定されず、上記範囲内で配合されるように一括であるいは分割して投入することができる。尚、上記混練条件は、上記相溶化剤組成物を構成する各重合体の種類や組み合わせによらず適用することができる。
【0065】
本発明の熱可塑性重合体組成物の製造方法は、上記相溶化剤組成物(以下、「相溶化剤組成物(ニ)」という。)を製造する第1工程と、該相溶化剤組成物(ニ)と、上記重合体(イ)及び上記重合体(ロ)と、を溶融混練する第2工程と、を備えることを特徴とする。
【0066】
上記第1工程において上記相溶化剤組成物(ニ)を製造する際に、溶融混練する方法は特に限定されない。溶融混練の際には、〔a〕から〔c〕の場合に例示した混練機及び混練条件を好ましく用いることができる。また、上記重合体(イ)及び/又は上記重合体(ロ)、並びに上記重合体(ハ)の混練機への投入順序及び投入量も特に限定されず、前記範囲内で配合されるように一括であるいは分割して投入することができる。尚、上記混練条件は、上記相溶化剤組成物(ニ)を構成する各重合体の種類や組み合わせによらず適用することができる。
【0067】
上記第2工程は、上記第1工程で得られた相溶化剤組成物(ニ)と、更に上記重合体(イ)及び/又は上記重合体(ロ)と、を溶融混練するものであるが、これらの組み合わせは以下の通りである。
〔P〕相溶化剤組成物(ニ)及び重合体(イ)
〔Q〕相溶化剤組成物(ニ)及び重合体(ロ)
〔R〕相溶化剤組成物(ニ)、重合体(イ)及び重合体(ロ)
【0068】
上記第2工程において、上記重合体(イ)、上記重合体(ロ)及び上記相溶化剤組成物(ニ)の配合量は、本熱可塑性重合体組成物中の上記重合体(イ)及び上記重合体(ロ)の合計100質量部に対して、好ましくは上記重合体(イ)が51〜99質量部、上記重合体(ロ)が49〜1質量部、より好ましくは上記重合体(イ)が60〜95質量部、上記重合体(ロ)が40〜5質量部、更に好ましくは上記重合体(イ)が60〜90質量部、上記重合体(ロ)が40〜10質量部であり、且つ、本熱可塑性重合体組成物中の水添ジエン系重合体(ハ)の含有量が上記重合体(ロ)の100質量部に対し、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部、更に好ましくは10〜40質量部となるように所望量の上記重合体(イ)、上記重合体(ロ)及び上記相溶化剤組成物(ニ)を配合すればよい。
【0069】
上記〔P〕から〔R〕のいずれの場合においても、相溶化剤組成物(ニ)等を溶融混練する方法は特に限定されない。溶融混練の際には〔a〕から〔c〕の場合に例示した混練機及び混練条件を好ましく用いることができる。
また、相溶化剤組成物(ニ)等の混練機への投入順序及び投入量は特に限定されず、上記範囲内で配合されるように一括であるいは分割して投入することができる。尚、上記混練条件は、上記相溶化剤組成物を構成する各重合体の種類や組み合わせによらず適用することができる。
【0077】
本発明の熱可塑性重合体組成物及びその製造方法により得られた熱可塑性重合体組成物は、射出成形、押出成形、回転成形、プレス成形及び中空成形等の公知の方法で成形品を製造することができる。
【0078】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の%は、特に断らない限り、質量基準である。
1.評価方法
実施例における各種化学組成及び評価は、以下に示す方法により行った。
(1)芳香族ビニル単量体含量
赤外分析法により、679cm-1のフェニル基の吸収ピークの強度から芳香族ビニル単量体の含量を求めた。
(2)共役ジエン単量体単位結合含量
赤外分析法を用い、モレロ法により算出した。
(3)水添率
四塩化炭素を溶媒として、1H−NMRスペクトルから算出した。
【0079】
(4)質量平均分子量
テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、示差屈折率検出器により、検出温度38℃として、ポリスチレン換算で求めた。
(5)剛性
ASTM D790に従って、三点曲げ試験法により、23℃の温度条件下で曲げ弾性率を測定し、剛性の指標とした。
(6)デュポン衝撃性
耐衝撃性を表す1つの指標として、ASTM D3029のテスト方法Gに準拠して、50%破壊エネルギーを測定し、デュポン衝撃性の指標とした。
【0080】
(7)面衝撃性
耐衝撃性を表すもう1つの指標として、面衝撃性を測定した。熱可塑性重合体組成物を射出成形して得られた厚さ3.2mmの平板状試験片を、25mmφの穴の上におき、先端が半球状の15.7mmφの打撃棒を用いて2.4m/sの速度で打撃し、試験片が破壊するまでの変位と荷重の測定から破壊エネルギーを算出し、その大きさを面衝撃性の指標とした。
(8)引張破断伸び
ASTM D638に従って、23℃の温度条件下で試験片(1号ダンベル)の引張試験を行い、引張破断伸びを測定した。
(9)鏡面性
熱可塑性重合体組成物を射出成形により平板状に成形した試験片の鏡面性を、下記の基準によって目視判断した。
○:試験片に映り込んだ映像の歪みが小さい。
×:試験片に映り込んだ映像の歪みが大きい。
【0081】
(10)層間剥離
熱可塑性重合体組成物を押出機あるいは射出成形により平板状に成形した試験片にカッターで切れ目を入れ、その切れ目にセロハンテープを貼り付けた。セロハンテープを貼り付けたあとすぐに、セロハンテープと平板のなす角度が90度になるように、セロハンテープをゆっくりと引っ張り、平板の表面が剥離するか否かを目視で確認し、下記の基準に従って目視評価した。
○:表面が剥離しない。
×:表面が剥離する。
【0082】
(11)TEM写真の撮影
熱可塑性重合体組成物のTEM写真は、熱可塑性重合体組成物を押出機あるいは射出成形機を用いて成形したサンプルを、凍結ミクロトームにてTEMにより観察する薄片の面が流動方向に対して垂直方向となるように切り出してからその薄片を、四酸化ルテニウムを使用して染色し、次に、染色された熱可塑性重合体組成物超薄肉片を透過型電子顕微鏡(「H−7500」型、日立製作所社製)を用いて倍率2000倍に拡大して写真撮影した。
TEM写真の画像解析の際には、画像解析ソフトとしてImage−Pro Plus Ver.4.0 for Windows(MediaCybernetics社製)を用いてドメインの面積を求めた。
求められたドメインの面積より前記の式を用いて、数平均ドメイン径dn及び体積平均ドメイン径dvを求め、これらよりdv/dnを計算した。
【0083】
2.原料
実施例、比較例及び評価の配合処方に用いた各種の成分原料を以下に示す。
成分(イ−1):ポリスチレン(商品名「H554」、日本ポリスチレン社製、MFR:30g/10分、200℃、5kg)
成分(イ−2):ポリスチレン(商品名「G120K」、日本ポリスチレン社製、MFR:30g/10分、200℃、5kg)
成分(イ−3):ポリプロピレン(商品名「K1016」、チッソ社製、MFR:5g/10分、230℃、2.16kg)
成分(イ−4):ポリフェニレンエーテル(2,6−キシレノールを酸化還元して得たもの。還元粘度0.45dl/g)
成分(ロ−1):ポリプロピレン(商品名「K1016」、チッソ社製、MFR:5g/10分、230℃、2.16kg)
成分(ロ−2):ポリプロピレン(商品名「F3990」、チッソ社製、MFR:25g/10分、230℃,2.16kg)
成分(ロ−3):ポリスチレン(商品名「G120K」、日本ポリスチレン社製、MFR:30g/10分、200℃、5kg)
成分(ロ−4):ポリフェニレンエーテル(2,6−キシレノールを酸化還元して得たもの。還元粘度0.45dl/g)
【0084】
<水添ジエン系重合体(ハ−1)の調製>
10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、スチレン400g、テトラヒドロフラン150gを入れ、n−ブチルリチウム1.3gを加え50℃で重合を開始した。30分後、重合転化率がほぼ100%となったのを確認し、1,3−ブタジエン500gを添加し20℃で断熱重合した。30分後更にスチレン100gを添加し重合を行った。
得られたポリマーの質量平均分子量は10万であった。ブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は80モル%であった。
この系内にベンゾフェノン2.35gを添加し、10分間撹拌した。ポリマー液の色の変化から、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムがないことを確認した。
次に、20mlのシクロヘキサンに溶かしたベンゾフェノン1.75gとn−ブチルリチウム0.57gを窒素雰囲気下で予め10分間反応させた反応生成物を仕込み、更にビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド0.52gと10mlのトルエンに溶かした1.89gのジエチルアルミニウムクロライドを窒素雰囲気下で予め混合した成分をオートクレーブ内に仕込み撹拌した。水素ガスを8kgf/cm2の圧力で供給し、90℃で30分間水添反応させ水素流量積算計が210Lとなった時点で反応を停止した。得られた水添ポリマーの水添率は98%であった。
【0085】
また、表1に示すような水添ジエン系重合体になるように、単量体種類、単量体量、触媒量、重合温度、重合時間等を変化させた以外は水添ジエン系重合体(ハ−1)と同様にして、水添ジエン系重合体(ハ−2〜5)を得た。尚、(ハ−5)はブロックB成分に1,3−ブタジエンの代わりにイソプレンを用いて製造した。
表1において、St、BD、IPはそれぞれスチレン、ブタジエン、イソプレンを表し、H/Dは、ジエン系共重合体における芳香族ビニル化合物成分(H)と共役ジエン成分(D)の含有量比(質量比)である。1,2−及び3,4−ビニル含量5%)は、高ビニルブロックの1,2−及び3,4−ビニルの含量を表す。
【0086】
【表1】
【0087】
3.相溶化剤組成物及び改質剤組成物の製造
上記成分(イ)、(ロ)及び(ハ)を、表2及び3に示す配合処方で混合し、単軸押出機を用いて温度220℃、剪断速度1600s-1の条件で相溶化剤組成物(ニ−1〜7)を、二軸押出機を用いて温度220℃、剪断速度2200s-1の条件で改質剤組成物(ホ−1〜7)を製造した。
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
4.実施例1〜7、比較例1及び2
上記成分(イ)、(ロ)及び(ニ)を、表4に示す配合処方で混合し、単軸押出機を用いて温度220℃、剪断速度1800s-1の条件で溶融混練し、シート状熱可塑性重合体組成物を作製した。このシートを剃刀の刃で打ち抜いて物性評価用の試験片を作製した。
この試験片を上記引張強度、引張破断伸び、デュポン衝撃性及び層間剥離の項目について物性測定し、その結果を表4に示した。
【0091】
【表4】
【0092】
5.参考例1〜11
上記成分(イ)、(ロ)及び(ニ)を、表5及び6に示す配合処方で混合し、単軸押出機を用いて温度220℃、剪断速度1600s−1の条件でペレット化し、このペレットを射出成形機を用いて温度220℃で物性評価用の試験片を作製した。この試験片を上記剛性、引張破断伸び、面衝撃性、層間剥離及び鏡面性の項目について物性測定及び画像解析し、その結果を表5及び6に示した。
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
6.参考例12〜15
上記成分(イ)、(ロ)及び(ニ)を、表7に示す配合処方で混合し、二軸押出機を用いて温度260℃、剪断速度2200s−1の条件でペレット化し、このペレットを射出成形機を用いて温度260℃の条件で物性評価用の試験片を作製した。
この試験片を上記剛性、引張破断伸び、面衝撃性、層間剥離及び鏡面性の項目について物性測定及び画像解析し、その結果を表7に示した。
【0096】
【表7】
【0097】
7.実施例の効果
比較例1は、重合体(イ)及び(ロ)のみを一括して溶融混練したものであり、相溶性が悪いために引張破断伸び、デュポン衝撃性及び層間剥離に劣っていた。比較例2は、重合体(イ)、(ロ)及び(ハ)を一括して溶融混練したものであり、引張破断伸び、デュポン衝撃性及び層間剥離に劣っていた。
また、参考例10は、重合体(イ)及び(ロ)のみを一括して溶融混練したものであり、剛性は優れていたが、相溶性が悪いために引張破断伸び、面衝撃性及び層間剥離に劣っていた。参考例11は、重合体(イ)、(ロ)及び(ハ)を一括して溶融混練したものであり、面衝撃性に劣っていた。
参考例14及び15は、重合体(イ)及び(ロ)のみを一括して溶融混練したものであり、相溶性が悪いために引張破断伸び、面衝撃性、層間剥離及び鏡面性に劣っていた。
一方、実施例1乃至7はいずれも引張強度、引張破断伸び、デュポン衝撃性及び層間剥離に優れていた。
【0098】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、目的、用途に応じて種々変更した実施例とすることができる。
【0099】
【発明の効果】
本発明の相溶化剤組成物によれば、互いに非相溶性のマトリックス部構成重合体及びドメイン部構成重合体を相溶化させやすくでき、更にはマトリックス部構成重合体の中に非相溶性のドメイン部構成重合体を効率よく分散させることができる。
本発明の熱可塑性重合体組成物によれば、平均ドメイン径が小さく、且つ、ドメイン径分布が狭いドメイン部構成重合体のドメインがマトリックス部構成重合体にあることで、物性及び加工性に優れる熱可塑性重合体組成物とすることができる。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物の製造方法によれば、重合体原料を一括して一度の溶融混練によるよりも、互いに非相溶であるドメイン部構成重合体及びマトリックス部構成重合体の相溶性が改良され、剛性、耐衝撃性、面衝撃性、引張破断伸び、及び層間剥離に優れる各種成形品の素材として利用することができる。
その利用分野としては、食品包装容器、各種トレー、シート、チューブ、フィルム、繊維、積層物、コーティング材、コネクタやプリント基板等の電気・電子部品、コンピュータ等のOA機器や家電の筐体、自動車部品、精密部品、建材等の各種工業部品が挙げられ、これらは本発明の熱可塑性重合体組成物を発泡しても好ましく使用できる。
Claims (9)
- 互いに非相溶であるマトリックス部構成重合体(イ)及びドメイン部構成重合体(ロ)と、水素添加ジエン系重合体(ハ)とを含有する組成物において、
上記マトリックス部構成重合体(イ)が芳香族ビニル系重合体であり、
上記ドメイン部構成重合体(ロ)がオレフィン系重合体であり、
上記水素添加ジエン系重合体(ハ)が、下記重合体ブロックB並びに、下記重合体ブロックA及び/又は下記重合体ブロックCを有し、且つ、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が水素添加された水素添加ジエン系重合体であり、
A:芳香族ビニル単量体単位が50質量%を超えて含有する重合体ブロック
B:共役ジエン単量体単位が50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−ビニル結合含量が30〜90%である重合体ブロック
C:共役ジエン単量体単位が50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−ビニル結合含量が30%未満である重合体ブロック
ドメインの数平均ドメイン径dnが0.01〜1.0μmであり、且つ、体積平均ドメイン径dvとの比dv/dnが1〜1.5であることを特徴とする熱可塑性重合体組成物。 - 上記芳香族ビニル系重合体がポリスチレンである請求項1に記載の熱可塑性重合体組成物。
- 上記オレフィン系重合体がポリプロピレンである請求項1又は2に記載の熱可塑性重合体組成物。
- 上記熱可塑性重合体組成物が、上記マトリックス部構成重合体(イ)と、上記水素添加ジエン系重合体(ハ)とを、該重合体(ハ)100質量部に対して、該重合体(イ)を1〜100質量部用いて溶融混練して相溶化剤組成物(ニ)を製造した後、該相溶化剤組成物(ニ)と、上記重合体(イ)と、上記重合体(ロ)とを溶融混練することにより得られた組成物である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性重合体組成物。
- 上記マトリックス部構成重合体(イ)及び上記ドメイン部構成重合体(ロ)の合計を100質量部とした場合に、該重合体(イ)及び該重合体(ロ)の含有量が、それぞれ、51〜99質量部及び49〜1質量部であり、上記水素添加ジエン系重合体(ハ)の含有量が、上記重合体(ロ)100質量部に対して、1〜100質量部である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱可塑性重合体組成物。
- 上記熱可塑性重合体組成物が、上記ドメイン部構成重合体(ロ)と、上記水素添加ジエン系重合体(ハ)とを、該重合体(ハ)100質量部に対して、該重合体(ロ)を1〜100質量部用いて溶融混練して相溶化剤組成物(ニ)を製造した後、該相溶化剤組成物(ニ)と、上記重合体(イ)と、上記重合体(ロ)とを溶融混練することにより得られた組成物である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性重合体組成物。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱可塑性重合体組成物を製造する方法であって、相溶化剤組成物(ニ)を製造する第1工程と、該相溶化剤組成物(ニ)と、上記重合体(イ)及び上記重合体(ロ)と、を溶融混練する第2工程と、を備え、
上記相溶化剤組成物(ニ)は、上記重合体(イ)及び水素添加ジエン系重合体(ハ)を含有し、該重合体(ハ)100質量部と、該重合体(イ)1〜100質量部と、が溶融混練されてなり、
上記マトリックス部構成重合体(イ)が芳香族ビニル系重合体であり、
上記ドメイン部構成重合体(ロ)がオレフィン系重合体であり、
上記水素添加ジエン系重合体(ハ)が、下記重合体ブロックB並びに、下記重合体ブロックA及び/又は下記重合体ブロックCを有し、且つ、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が水素添加された水素添加ジエン系重合体であることを特徴とする熱可塑性重合体組成物の製造方法。
A:芳香族ビニル単量体単位が50質量%を超えて含有する重合体ブロック
B:共役ジエン単量体単位が50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−ビニル結合含量が30〜90%である重合体ブロック
C:共役ジエン単量体単位が50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−ビニル結合含量が30%未満である重合体ブロック - 互いに非相溶であるマトリックス部構成重合体(イ)及びドメイン部構成重合体(ロ)を相溶化させる相溶化剤組成物であって、
上記重合体(イ)及び水素添加ジエン系重合体(ハ)を含有し、該重合体(ハ)100質量部と、該重合体(イ)1〜100質量部と、が溶融混練されてなり、
上記マトリックス部構成重合体(イ)が芳香族ビニル系重合体であり、
上記ドメイン部構成重合体(ロ)がオレフィン系重合体であり、
上記水素添加ジエン系重合体(ハ)が、下記重合体ブロックB並びに、下記重合体ブロックA及び/又は下記重合体ブロックCを有し、且つ、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が水素添加された水素添加ジエン系重合体であることを特徴とする相溶化剤組成物。
A:芳香族ビニル単量体単位が50質量%を超えて含有する重合体ブロック
B:共役ジエン単量体単位が50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−ビニル結合含量が30〜90%である重合体ブロック
C:共役ジエン単量体単位が50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−ビニル結合含量が30%未満である重合体ブロック - 互いに非相溶であるマトリックス部構成重合体(イ)及びドメイン部構成重合体(ロ)を相溶化させる相溶化剤組成物であって、
上記重合体(ロ)及び水素添加ジエン系重合体(ハ)を含有し、該重合体(ハ)100質量部と、該重合体(ロ)1〜100質量部と、が溶融混練されてなり、
上記マトリックス部構成重合体(イ)が芳香族ビニル系重合体であり、
上記ドメイン部構成重合体(ロ)がオレフィン系重合体であり、
上記水素添加ジエン系重合体(ハ)が、下記重合体ブロックB並びに、下記重合体ブロックA及び/又は下記重合体ブロックCを有し、且つ、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が水素添加された水素添加ジエン系重合体であることを特徴とする相溶化剤組成物。
A:芳香族ビニル単量体単位が50質量%を超えて含有する重合体ブロック
B:共役ジエン単量体単位が50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−ビニル結合含量が30〜90%である重合体ブロック
C:共役ジエン単量体単位が50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−ビニル結合含量が30%未満である重合体ブロック
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