JP4441414B2 - フッ化ビニリデン系樹脂フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、耐汚染性、抗菌性、耐薬品性、耐候性及び二次加工性に優れ、建築物の屋内外装用部材やディスプレイ等に使用されるプラスチック板や、特にキッチン、浴室、トイレ、サニタリー関連部材、病院、食品工場、精密機器工場等の壁材などの衛生性の求められる各種基材の表面保護材料として好適に使用されるフッ化ビニリデン系樹脂フィルム、及びその積層体に関する。
従来より建築物の内外装用部材等に使用されるプラスチック板やプラスチック基材や、その他の各種基材は、耐久性の向上や装飾を目的として、塩化ビニル系、アクリル系、およびフッ素系フィルム等を表面保護フィルムとして、その表面材として使用する事が広く行われている。特に、耐候性、耐汚染性、耐薬品性等が強く要求されるものの表面材としては例えば特許文献1、基材との接着性を改善する目的では特許文献2等にフッ素樹脂系フィルムが提案されており広く用いられている。
しかしながら、これら表面保護フィルムの用途はますます多様化してきており、近年社会問題となっているSARSや鳥インフルエンザ、O−157等への対応として衛生性を重視する要望から抗菌性能を有し、かつ耐候性、耐汚染性に優れた表面素材が求められている。
抗菌性能を高める技術としては、各種基材上に抗菌剤をコーティングする方法が利用されている。より具体的にはフッ素系フィルムの表面に抗菌剤を含むコーティング剤を塗布する方法が考えられるが、抗菌性能の付与のメリットはあるものの、表面がバインダーとなる樹脂で覆われてしまい、フッ素系フィルムの特徴である優れた耐候性や耐汚染性等の表面特性が損なわれてしまう。
また耐候性コーティングを施す技術もあり、例えば特許文献3で提案されている様に、樹脂表面にフッ素系の耐候性コート膜を生成させる方法等が広く用いられている。このコート膜に抗菌剤を添加する方法が考えられるが、コーティングをする方法ではドライラミネーターに代表される大規模な設備が必要であり、小ロットの対応が困難で、かつ生産性も悪くコストアップに繋がる。また、通常ケトン系、ビニル系、アクリル系、セルソルブ系等の揮発性有機化合物(VOC)の大量使用が必要であり、これらの排出による作業環境や周辺環境に与える影響が非常に大きい。
特開昭54−110271号公報 特開平1−262133号公報 特開平7−238264号公報
本発明は、フッ素系樹脂の特徴である優れた耐候性、耐汚染性、耐薬品性等を有していて且つ優れた抗菌性能を有するフィルム、及びそのフィルムを表面保護材として積層したキッチン、浴室及びトイレ等のサニタリー関連部材や、病院、食品工場及び精密機器工場等の壁材等を提供することを課題とする。
本発明者等は、これらの課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の抗菌剤をフッ化ビニリデンを主成分とする表面層に加える事によりなる樹脂積層体により課題が達成される事を見出し本発明に至った。
即ち本発明は、表面層がフッ化ビニリデン系樹脂100〜60質量部、メタクリル酸エステル系樹脂0〜40質量部からなるフッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂の混合物100質量部に対して、銀系無機抗菌剤を0.1〜5質量部を含有するフッ化ビニリデン系樹脂フィルムである。更に本発明は、前記表面層と、フッ化ビニリデン系樹脂40〜0質量部及びメタクリル酸エステル系樹脂60〜100質量部からなるフッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂の混合物100質量部に対して、紫外線吸収剤0.1〜15質量部を含有する裏面層を有する少なくとも2層構成からなるフッ化ビニリデン系樹脂フィルムでもある。更に、本発明で用いる銀系無機抗菌剤は、平均粒径2μm以上であり銀含有量が1質量%以上であることが好ましい。
一方で前記の本発明のフィルムは、裏面層の表面に印刷が施されたものとして用いることができる。又、本発明は、これらのフィルムの表面層及び裏面層を押出法により形成したフッ化ビニリデン系樹脂フィルムの製造方法、更に、これらのフィルムを基材に積層した積層体を含む。
本発明により、耐候性、耐薬品性、耐汚染性、および機械的物性、二次加工性等が優れるとともに、これまでフッ素系樹脂積層体では得られなかった優れた抗菌性を有するフッ素系樹脂フィルムおよびその積層体を得る事ができる。これにより、建築物の屋内外装用部材等の表面保護材料等として、抗菌性と耐候性を併せ持つ特徴を生かした分野に使用する事が可能となる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で用いられるフッ化ビニリデン系樹脂とは、フッ化ビニリデンの単独重合体もしくはフッ化ビニリデンと共重合可能な単量体との共重合体をいう。共重合体としては例えばフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体などがある。
本発明でフッ化ビニリデン系樹脂との配合に用いられるメタクリル酸エステル系樹脂とは、メタクリル酸メチルの単独重合体もしくはメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体との共重合体をいう。共重合可能な単量体としては、炭素数2〜4のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチルをはじめとする炭素数1〜8のアクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸及び、その他のエチレン性不飽和モノマー等がある。好ましくは、メタクリル酸メチルと炭素数1〜8のアクリル酸エステルの共重合体であり、更に好ましくはアクリル酸ブチルやアクリル酸メチルをコモノマーとするメタクリル酸メチル共重合体である。
本発明のフィルムの樹脂成分の配合比は、フィルムが単層の場合の樹脂組成が、フッ化ビニリデン系樹脂100〜60部、メタクリル酸エステル系樹脂0〜40部であり、好ましくは、フッ化ビニリデン系樹脂95〜60部、メタクリル酸エステル系樹脂5〜40部、更に好ましくはフッ化ビニリデン系90〜65部、メタクリル酸エステル系樹脂10〜35部である。フッ化ビニリデン系樹脂が60部未満であると、フッ化ビニリデン系樹脂の持つ優れた耐候性及び表面性が発現し難くなる。又、フィルムが表面層と裏面層の2層構成の場合、表面層の樹脂組成が、フッ化ビニリデン系樹脂100〜60部、メタクリル酸エステル系樹脂0〜40部であり、好ましくは、フッ化ビニリデン系樹脂95〜60部、メタクリル酸エステル系樹脂5〜40部、更に好ましくはフッ化ビニリデン系90〜65部、メタクリル酸エステル系樹脂10〜35部である。単層と同様にフッ化ビニリデン系樹脂が60部未満であると、フッ化ビニリデン系樹脂の持つ優れた耐候性及び表面性が発現し難くなる。この場合表面層は、メタクリル酸エステル系樹脂を含まなくても、裏面層との接着性は得られるが、より強固な接着性が得られるという点で前記の範囲が好ましい。
2層構成の場合の裏面層は、フッ化ビニリデン系樹脂40〜0部、メタクリル酸エステル系樹脂60〜100部であり、好ましくはフッ化ビニリデン系樹脂40〜10部、アクリル酸ブチル等を含むメタクリル酸エステル系樹脂60〜90部、更に好ましくはフッ化ビニリデン系樹脂40〜20部、アクリル酸ブチル等を含むメタクリル酸エステル系樹脂60〜80部である。メタクリル酸エステル系樹脂が60部未満では、このフィルムを各種基材と積層する際に、十分な接着性が得られない恐れがある。メタクリル酸エステル系樹脂として、アクリル酸ブチル等を含む樹脂を前記の範囲で用いることで、本発明の積層体としたときの耐久性がより向上する。また、フッ化ビニリデン系樹脂は含まなくても表面層との接着性は得られるが、前記の好ましい範囲だとより強固な接着性が得られる。
本発明のフィルムは、前記の表面層と裏面層の間に中間層を設けた3層以上の多層構造とすることもできる。この場合の中間層の樹脂組成は、層間接着性の面から、フッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂の比率が、表面層と裏面層の間のものである事が好ましい。
本発明で用いられる銀系無機抗菌剤とは、銀イオンを無機化合物に担持したものであり、担持する無機化合物とは、珪酸塩系のゼオライト、シリカゲル、シリカ・アルミナ、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、ガラス等があり、燐酸塩系の燐酸ジルコニウム、燐酸カルシウム等、および酸化チタンが挙げられる。特にゼオライトやガラス、および燐酸複合酸化物に担持された銀系無機抗菌剤が好適に使用される。これらの銀系無機抗菌剤は現在市販されているものが使用できる。
また抗菌剤中の銀含有量及び抗菌剤の粒径は、抗菌性能発現に大きく影響する。銀含有量としては1重量%以上のものが好適に使用され、更に好ましくは1.5重量%以上である。粒径は平均粒径として2μm以上のものが好適に使用され、更に好ましくは2.5μm以上10μm以下のものである。2μm以下になると、フィルム表面への突出確率が下がり抗菌性能が十分得られない恐れがある。10μm以上だとフィルム中への均一な分散が困難となる恐れがある。
本発明のフィルムは、その表面層中に、樹脂成分の合計100質量部(単層の場合はフィルム中)に対して前記の銀系無機抗菌剤0.1〜5質量部を、好ましくは0.2〜3質量部、更に好ましくは0.3〜2質量部含有する。銀系抗菌剤が0.1質量部未満の場合、抗菌性の発現が困難となる。また5質量部以上の場合は、銀系抗菌剤の均一な分散が困難となり、外観不良や透明性が悪くなると共にコストアップとなる。
本発明のフィルムには、銀系無機抗菌剤の他に必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、安定化剤、分散剤、酸化防止剤、艶消し剤、充填材及び加工助剤等の各種添加剤を添加する事ができる。
また、使用する顔料は、特に限定されるものではなく、無機系顔料、有機顔料、真珠顔料等使用できる。特に耐候性の点から無機系顔料や複合酸化物系の無機顔料が好適に使用される。顔料の添加量は、樹脂100部に対し1〜50部、好ましくは5〜30部である。含量が1部未満の場合、フィルム中へ均質に分散する事ができず部分的な色ムラが発生する場合がある。50部を超えて添加した場合、フッ素系樹脂への分散性が著しく低下し外観不良を引き起こすため好ましくない。
次に紫外線吸収剤としては、フッ化ビニリデン系樹脂およびメタクリル酸エステル系樹脂と相溶性のあるものであれば良い。紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系、オキザリックアシッド系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系及びその他多くの種類のものが使用できる。好ましくは、製造工程及びフィルムとして使用する際の揮散を最小限にするため、分子量が300以上の高分子量タイプの紫外線吸収剤が好適に使用される。
紫外線吸収剤の添加量は、樹脂100質量部に対し好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。0.1部未満では紫外線吸収能力が乏しく、紫外線による劣化を抑制が十分でない事があり、15部を超えて添加しても効果は変わらないばかりか、分散不良の原因となる恐れがあり、コストも高くなる。なお顔料を添加しない場合は紫外線吸収剤の添加が望ましい。これはフィルム自身の耐候性は良好であるが、顔料を添加せず使用する場合においては、紫外線が各種基材等まで到達し、表面のフッ化ビニリデン系樹脂フィルムは劣化しないまでも、各種基材や裏面印刷層が先に劣化していまい、フッ化ビニリデン系樹脂フィルムと剥離する問題が生ずる可能性があるためである。また、紫外線吸収剤を用いる場合は、銀系無機抗菌剤を含有する表面層にメタクリル酸エステル樹脂が主成分となる裏面層を設け、裏面層側に添加することが望ましい。表面層により裏面層側の紫外線吸収剤がブリードアウトする事を抑制できるためである。
本発明のフィルムに、紫外線吸収剤、顔料等の各種添加剤を混入する方法としては、樹脂と添加剤をあらかじめ混合しておき一般に使用される単軸押出機を使用して溶融混練する方法が採用できる。また分散性を向上させるため好適に用いられる方法として、高混練タイプの2軸押出機を使用する方法や高速回転型ミキサ−を用い高温下であらかじめプレミキシング後単軸押出機にて溶融混練する方法の採用により、表面状態の優れたフィルムを得ることができる。
本発明のフィルムは、単層および裏面層を有する少なくとも2層構造を有する多層フィルムであるが、これは溶融共押出成形法にて製造することにより得られる。多層フィルムの場合、複数の押出成形機を利用して樹脂を溶融状態で密着させて多層とするT−ダイ使用の共押出成形法には、マルチマニホ−ルドダイと称し、複数の樹脂層をシ−ト状態にしたのち、接触させて接着する方法と、フィードブロックと称する合流装置を用い複数の樹脂を合流密着後、シ−ト状に拡げる方法がある。またインフレ−ション成形法と称し、丸型ダイを使用する方法でも、フィードブロックを用いることにより、多層フィルムの製膜が可能である。
本発明のフィルムの膜厚は20μm以上である事が好ましく、更に好ましくは30〜100μmである。20μm未満ではハンドリング性が著しく低下し、また、十分な耐候性能が得られない事がある。100μmを超えると、原料費の増大等コスト的に不利になると共に、熱成形などにおける二次加工性が低下する場合がある。
本発明のフィルムの裏面に加飾印刷をした後に各種基材と熱ラミネート法や接着剤や粘着剤を用いる事により、意匠性をもたせた積層体を形成する事が可能である。加飾印刷をする方法としては、例えばアクリル系のインキやフッ素系インキのような、本フィルムと親和性のあるインキを用いて、グラビア印刷、スクリーン印刷、又はオフセット印刷等を使用する事ができ、この印刷は印刷面が保護できると言う点や、耐候性や抗菌性の観点から、フィルムの裏面側に行うのが良い。熱ラミネート法で使用される装置としては、外部加熱型、熱風型、赤外線加熱型、高周波内部加熱型等の加熱形式を持つ熱ラミネート機が使用できる他、熱プレス機が使用できる。接着剤としては広く一般的に使用されているものが使用でき、アクリル系の接着剤や粘着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤が好適に使用される。なお本発明のフィルムが2層構成の場合、裏層側がメタクリル酸エステル系樹脂を主成分としており、熱ラミネート法や接着剤を用い各種機材との積層がより容易になることは言うまでもない。
本発明のフィルムと各種基材との積層体である積層シートや積層板を得るためには、熱ラミネート法や接着剤を用いる他、溶融共押出成形法にて製造する事も可能である。すなわち、前述のマルチマニホールドダイもしくはフィードブロックにより単層もしくは2層の本発明のフィルムおよび各種基材層をそれぞれを溶融状態で合流密着させ積層体を得る。本製造方法の利点は、溶融密着された樹脂が冷却固化された際に生ずる収縮や残留応力のバランスが比較的よく、いわゆるカール現象を低減させられる事があげられる。さらに、本フィルムおよび各種基材層のどちらか一方を溶融させ、いわゆる押出ラミネートする事により本発明の樹脂積層体を得る事も可能である。
また、本発明のフィルムを得た後、各種基材となるフィルムやシートとプレス成形、真空成形や圧空成形等の熱成形により積層する方法も可能である。また、各種基材樹脂を溶融させて本発明のフィルムを挿入した型に圧入するインモールド成形も可能である。
また、本発明のフィルムを得た後、裏面側に粘着剤を塗布し離型紙や離型フィルムを積層した後、各種基材表面に工場内で貼り合わせたり、実際に使用される屋内外にて各種基材表面へ貼り合わせ、耐候性、耐汚染性、抗菌性を付与することも可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1、2、実験例1
フッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂と抗菌剤および紫外線吸収剤等の添加剤を、表1に示す配合割合でタンブラーを用いてブレンドし45mmφ2軸押出機によって混練した。この樹脂を40mmφ単軸押出機に樹脂を供給し溶融可塑化してT型ダイスを用いフッ化ビニリデン系の単層フィルムを得た。得られたフッ化ビニリデン系単層フィルムは市販のアクリル系粘着剤を用いPVCシート(厚み0.5mm)と積層し、フッ化ビニリデン積層PVCシートを得た。
(実施例3、4
抗菌剤は表層のみに、また紫外線吸収剤は裏面層のみに配合し、表2に示した配合割合の表面層、裏面層それぞれの原料をブレンドし、45mmφ2軸押出機によって混練した。そして表面層及び裏面層それぞれの樹脂を、個別の40mmφ単軸押出機に供給して溶融可塑化して、マルチマニホールドダイを用いフッ化ビニリデン系の二層フィルムを得た。このときの膜厚比率は表1に示した。二層フィルムはロール型熱ラミネート機を用い、設定温度180℃として熱ラミネートを行い、単層同様にフッ化ビニリデン系二層フィルム積層のPVCシートを得た。
また使用した抗菌剤としては、抗菌剤A:アルミノケイ酸塩(M2/n・Na2O・Al2O3・2SiO2・xH20(M:Ag,Zn))で平均粒径2.5μm、銀含有量2.5wt%%のもの、抗菌剤B:燐酸複合酸化物(1/5Ag2O・(P2O5・ZnO)m・(2CaO・3B2O)n (m=10,n=1.0〜1.4))で平均粒径5.0〜10.0、銀含有量1.95wt%のもの、抗菌剤C:アルミノケイ酸塩(M2/n・Na2O・Al2O3・2SiO2・xH20(M:Ag,Zn))で平均粒径2.5μm、銀含有量0.3wt%%のものを使用した。(以下および表中は抗菌剤A、抗菌剤B、抗菌剤Cと記す)
(比較例1)
表3に示す配合割合で、抗菌剤が含有させていない単層のフッ化ビニリデン系樹脂フィルムとした以外は、実施例1、2同様にして単層フィルムを得た。また実施例1、2同様の方法でPVCシートと貼り合わせ、積層シートを作成した。
(比較例2)
表3に示す配合割合で、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いないアクリル系樹脂フィルムとした以外は、実施例1、2と同様にして単層のメタクリル酸エステル系フィルムを得た。また実施例3、4と同様の方法でPVCシートと貼り合わせ、積層シートを作成した。
(比較例3)
表3に示す配合割合で、抗菌剤(表中および以下、抗菌剤Dと記す)を天然系抗菌剤のグレープフルーツ種子抽出物の原液を使用した単層のフッ化ビニリデン系樹脂フィルムとした以外は、実施例1、2と同様にして単層フィルムを得た。また実施例1、2同様の方法でPVCシートと貼り合わせ積層シートを作成した。
Figure 0004441414
Figure 0004441414
Figure 0004441414
尚、表1〜3中の抗菌性評価の欄で、「E」は指数を表す。
(例: 6.9E3=6.9×10
(評価方法)
[抗菌性評価]
実施例1〜4、実験例1及び比較例1〜の積層体においてJISZ2801に準拠した方法で抗菌性試験を実施した。詳細な試験方法を、表4に示す。
Figure 0004441414
実施例1〜4および比較例2については、黄色ブドウ球菌および大腸菌ともに24時間後検出されず、非常に優れた抗菌性能を有していることを確認した。また、キッチン、浴室等の水回りでの使用を想定し50℃×16時間の温水浸漬処理後においても同様の良好な結果を示した。実験例1については、黄色ブドウ球菌は検出されなかった。大腸菌については、接種直後の対照区の菌数が120000に対し試験後6900個(表中:6.9E3)より滅菌率((接種直後の対照区菌数−試験後の菌数)/接種直後の対照区菌数×100(%))は94%であり抗菌効果を確認した。以上比較例1、3については、24時間後にほとんど滅菌されないばかりか、殆どが菌数が増加する結果となり、抗菌性能は確認されなかった。(比較例1:黄色ブドウ球菌 接種直後対象区菌数2.4E5/試験後2.0E5滅菌率17%、大腸菌 接種直後対象区菌数2.8E5/試験後1.1E7滅菌率0%以下 比較例3:黄色ブドウ球菌 接種直後対象区菌数2.4E5/試験後1.1E6滅菌率0%以下、大腸菌 接種直後対象区菌数2.8E5/試験後1.7E7滅菌率0%以下 滅菌率が0%以下の場合は接種直後に対し菌数が増加したことを示す)
[促進耐候性評価]
実施例1〜4、実験例1及び比較例1〜3の試料をダイプラウインテス社製促進耐候性試験機、アイスーパーUVテスターW−1型を用い促進耐候性試験を行った。試験条件は、ブラックパネル温度63℃、照射/結露サイクル6時間/2時間で行い、初期の表面光沢度(60゜光沢度)と300時間試験後の表面光沢度を測定し、その比で表される光沢度保持率を算出し比較した。
実施例1〜4、実験例1及び比較例1,3については全て光沢度保持率が80%以上であり、表面の劣化が抑制されている事が確認されたが、比較例2については光沢度保持率が小さく、表面の劣化が進んでいる事が確認された。
[耐薬品性評価]
実施例1〜4、実験例1及び比較例1〜3の試料表面にアセトンを滴下し、表面状態を目視により観察し、以下の基準で評価した評価結果を表1〜3に示した。
優良:表面に変化がない。
良好:若干表面に冒された痕跡が見受けられる。
不良:表面が冒されている。またはクラックが生じる。
実施例1〜4、実験例1及び比較例1、3については良好な耐薬品性を示した。比較例2は耐薬品性が著しく劣っていた。

Claims (5)

  1. フッ化ビニリデン系樹脂90〜65質量部、メタクリル酸エステル系樹脂10〜35質量部からなるフッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂の混合物100質量部に対して、平均粒径2μm以上であり銀含有量が1質量%以上の銀系無機抗菌剤を0.1〜5質量部を含有する表面層を有するフッ化ビニリデン系樹脂フィルム。
  2. 請求項1に記載の表面層と裏面層を有する2層以上から構成され、裏面層がフッ化ビニリデン系樹脂40〜10質量部及びメタクリル酸エステル系樹脂60〜90質量部からなるフッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂の混合物100質量部に対して、紫外線吸収剤0.1〜15質量部を含有するフッ化ビニリデン系樹脂フィルム。
  3. 裏面層の表面に印刷が施された請求項2に記載のフッ化ビニリデン系樹脂フィルム。
  4. 請求項1から請求項の何れか一項に記載のフッ化ビニリデン系樹脂フィルムを基材に積層してなる積層体。
  5. 押出法を用いた請求項1から請求項の何れか一項に記載のフッ化ビニリデン系樹脂フィルムの製造方法。
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