JP6084086B2 - エンジンの排気装置 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、エンジンに接続される排気管(14)と、当該排気管(14)から流れる排気ガスを浄化する触媒(18)と、当該触媒(18)を内部に保持するとともに、下流側の端縁の軸方向変位を許容された状態で上流側の端縁が前記排気管(14)の下流側の端縁に結合される触媒保持筒(19)と、前記触媒保持筒(19)の外側を覆った状態で上流側の端縁が前記排気管(14)の下流側の端縁に結合される略筒状の触媒ケース(20)と、を備えたエンジンの排気装置において、前記触媒保持筒(19)の上流側の端縁の内周に前記排気管(14)の下流側の端縁が嵌入されるとともに、前記触媒保持筒(19)の上流側の端縁の外周に前記触媒ケース(20)の上流側の端縁が嵌合され、前記触媒ケース(20)の上流側の端面(20a)が、前記触媒保持筒(19)上で当該触媒保持筒(19)の上流側の端面(19a)に対して下流側にずらして配置され、前記触媒ケース(20)の上流側の端面(20a)と、前記触媒保持筒(19)の上流側の端面(19a)と、前記排気管(14)の下流側の端縁の外周面とが単一の溶接にて固定され、前記触媒ケース(20)の下流側の端縁が、前記触媒保持筒(19)の下流側に配置される排気マフラー(13)の上流側の端縁に直接結合され、前記触媒保持筒(19)の下流側の端縁にはガイド筒(21)が結合され、前記ガイド筒(21)の下流側の端縁には、前記触媒ケース(20)の内部に突出した前記排気マフラー(13)の排気導入管(13B)の上流側の端部が、外周面上にて前記ガイド筒(21)を摺動自在に支持しつつ嵌入されていることを特徴とするものである。
これにより、排気管(14)と触媒保持筒(19)と触媒ケース(20)の三部品の溶接が一工程で行われることになる。この結果、溶接個所と溶接工数が削減される。
また、触媒ケース(20)と排気マフラー(13)が一部品として構成され、触媒ケース(20)から排気マフラー(13)に亙る部位を小型化することが可能になる。
また、この場合、ガイド筒(21)が触媒ケース(20)に保持されないため、触媒(18)の熱膨張時にガイド筒(21)に変形や負荷が生じなくなる。
これにより、触媒保持筒(19)の内径と外径に対応させて、排気管(14)の下流側の端縁と触媒ケース(20)の上流側の端縁の外径が調整される。この結果、触媒(18)側の断面積に影響を与えずに、触媒保持筒(19)の上流側の端縁に排気管(14)と触媒ケース(20)を適切に嵌合させることが可能になる。
これにより、触媒保持筒(19)の下流側の端縁の内径に対応させて、ガイド筒(21)の上流側の端縁の外径が調整される。この結果、触媒(18)側の断面積に影響を与えずに、触媒保持筒(19)の下流側の端縁にガイド筒(21)を適切に嵌合させることが可能になる。また、触媒保持筒(19)は、下流側の端面(19b)のみでガイド筒(21)の上流側の端縁の外周面に溶接固定した場合に、下流方向の熱膨張がガイド筒(21)によって許容されるようになる。
この場合、排気管(14)の下流端の触媒保持筒(19)や触媒ケース(20)と接続される部位が曲げ形成の容易な一重管構造の中継管部(17)によって構成されているため、排気管(14)の下流端を排気マフラー(13)の望ましい延出角度に容易に適応させることが可能になる。
これにより、主要管部(16)の外パイプ(16A)と内パイプ(16B)と中継管部(17)の三部材の溶接が一工程で行わることとなる。この結果、溶接個所と溶接工数が削減される。
これにより、外パイプ(16A)の下流側の端縁が、外径を一定にしたまま中継管部(17)と結合されることになるため、排気管(14)の主要管部(16)から中継管部(17)に亙る領域の剛性を高く維持することが可能になる。
図1は、この実施形態の排気装置100を適用した自動二輪車1を示す図である。
この自動二輪車1は、図示しないステアリングシャフトを回動可能に保持するヘッドパイプ3に、ヘッドパイプ3から車体後部下方に向かって延出する一対のメインフレーム4と、ヘッドパイプ3から下方に向かって延出するダウンフレーム2とが結合されている。
排気装置100は、エンジンEのシリンダヘッド12の前面側から下方に屈曲した後にエンジンユニット10の前部下方位置から車体後方側に屈曲して延出する排気管14と、エンジンユニット10の後部下方位置で排気管14の下流端に接続される触媒収容部15と、触媒収容部15の下流端に接続されて後輪Wrの側方位置から後斜め上方に延出する排気マフラー13と、を備えている。
排気管14は、シリンダヘッド12に接続される上流端から触媒収容部15に近接する位置まで延出する二重管構造の主要管部16と、主要管部16と触媒収容部15を接続する一重管構造の中継管部17と、を備えている。主要管部16は、排気管14の外壁をなす外パイプ16Aと、長手方向の両端縁において、外パイプ16Aの内面に接合される内パイプ16Bと、から成り、内パイプ16Bの内側部分が排気ガスの流通路とされている。内パイプ16Bには、図示しない複数の貫通孔が形成されており、外パイプ16Aと内パイプ16Bの間に形成された空間部は、排気音を低減するための膨張室として機能するようになっている。
中継管部17は、主要管部16の外パイプ16Aと同外径に形成され、主要管部16と中継管部17の外面は長手方向でほぼ連続している。主要管部16の内パイプ16B及び外パイプ16Aと、中継管部17をなすパイプ材とは溶接によって相互に結合されるが、これらの溶接については後に詳述する。
触媒保持筒19は、金属製の円筒部材によって構成され、その内周側に触媒18が取り付けられるとともに、上流側の端縁が排気管14の中継管部17の下流側の端縁に嵌合状態で連結されている。また、触媒保持筒19の下流側の端縁には、金属製のガイド筒21が同軸に連結されている。
また、触媒ケース20は、金属製の円筒部材によって構成され、その上流側の端縁が触媒保持筒19の上流側の端縁に結合されるとともに、下流側の端縁が排気マフラー13の外筒部13Aの上流側の端縁に結合されている。
即ち、図4,図5に示すように、触媒保持筒19の上流側の端縁の内周部には、排気管14の中継管部17の下流側の端縁が嵌入され、触媒保持筒19の上流側の端縁の外周面には、触媒ケース20の上流側の端縁が嵌合されている。このとき、触媒ケース20の上流側の端面20aは、触媒保持筒19の外周上において、触媒保持筒19の上流側の端面19aに対して所定量下流側にずらして配置される。そして、こうしてずらして配置された触媒保持筒19の端面19aと触媒ケース20の端面20aは、中継管部17の下流側の端縁の外周面に対して単一の溶接にて固定される。この溶接は、中継管部17と触媒ケース20の外周の全域亙って行われる。したがって、中継管部17(排気管14)、触媒保持筒19、触媒ケース20の三部材は一つの溶接工程によって同時に固定される。
このようにした場合、触媒18側の断面積に影響を与えずに、触媒保持筒19の上流側の端縁に中継管部17と触媒ケース20を適切に嵌合させることが可能になる。
こうして触媒ケース20の端部に排気マフラー13の外筒部13Aが一体に固定されることにより、触媒ケース20と排気マフラー13を一部品として構成でき、触媒収容部15から排気マフラー13に亙る部位を小型化することができる。
このようにした場合、触媒18側の断面積に影響を与えずに、触媒保持筒19の下流側の端縁にガイド筒21を適切に嵌合させることが可能になる。
また、このようにしてガイド筒21が触媒保持筒19のみに固定されると、ガイド筒21が触媒ケース20側に保持されないことから、触媒18の熱膨張時にガイド筒21に変形や負荷が生じなくなる。
さらに、この実施形態のように、触媒保持筒19が下流側の端面19bのみでガイド筒21の外周面に溶接固定されるようにした場合には、触媒保持筒19が下流側の端面19bよりも上流側の複数ヶ所でガイド筒21に溶接される場合に比較して、触媒保持筒19の軸方向の熱膨張がガイド筒21によって阻害されなくなり、各部に不要な応力が作用しにくくなる。
こうして、内パイプ16Bと外パイプ16Aに固定された排気管14の中継管部17は、触媒収容部15の触媒保持筒19と触媒ケース20に接続されるが、中継管部17は、曲げ形成の容易な一重管構造であるため、排気マフラー13の望ましい延出角度に合わせて曲げを容易に設定することができる。
したがって、この実施形態の場合、排気管14の主要管部16から中継管部17に亙る領域の剛性を高く維持することができる。
そして、この実施形態の排気装置100においては、触媒ケース20の上流側の端面20aと、触媒保持筒19の上流側の端面19aと、排気管14の中継管部17の外周面とが単一の溶接にて固定されるため、溶接個所と溶接工数を削減して製造の容易化を図ることができる。
13B…排気導入管
14…排気管
16…主要管部
16A…外パイプ
16Aa…端面
16B…内パイプ
17…中継管部
17a…端面
18…触媒
19…触媒保持筒
19a…端面
19b…端面
20…触媒ケース
20a…端面
21…ガイド筒
100…排気装置
Claims (6)
- エンジンに接続される排気管(14)と、
当該排気管(14)から流れる排気ガスを浄化する触媒(18)と、
当該触媒(18)を内部に保持するとともに、下流側の端縁の軸方向変位を許容された状態で上流側の端縁が前記排気管(14)の下流側の端縁に結合される触媒保持筒(19)と、
前記触媒保持筒(19)の外側を覆った状態で上流側の端縁が前記排気管(14)の下流側の端縁に結合される略筒状の触媒ケース(20)と、を備えたエンジンの排気装置において、
前記触媒保持筒(19)の上流側の端縁の内周に前記排気管(14)の下流側の端縁が嵌入されるとともに、前記触媒保持筒(19)の上流側の端縁の外周に前記触媒ケース(20)の上流側の端縁が嵌合され、
前記触媒ケース(20)の上流側の端面(20a)が、前記触媒保持筒(19)上で当該触媒保持筒(19)の上流側の端面(19a)に対して下流側にずらして配置され、
前記触媒ケース(20)の上流側の端面(20a)と、前記触媒保持筒(19)の上流側の端面(19a)と、前記排気管(14)の下流側の端縁の外周面とが単一の溶接にて固定され、
前記触媒ケース(20)の下流側の端縁が、前記触媒保持筒(19)の下流側に配置される排気マフラー(13)の上流側の端縁に直接結合され、
前記触媒保持筒(19)の下流側の端縁にはガイド筒(21)が結合され、前記ガイド筒(21)の下流側の端縁には、前記触媒ケース(20)の内部に突出した前記排気マフラー(13)の排気導入管(13B)の上流側の端部が、外周面上にて前記ガイド筒(21)を摺動自在に支持しつつ嵌入されていることを特徴とするエンジンの排気装置。 - 前記排気管(14)の下流側の端縁が、その外径を前記触媒保持筒(19)の上流側の端縁の内径と一致させるように拡径され、前記触媒ケース(20)の上流側の端縁の内径が、前記触媒保持筒(19)の上流側の端縁の外径と一致するように縮径されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気装置。
- 前記ガイド筒(21)の上流側の端縁が、その外径を前記触媒保持筒(19)の下流側の端縁の内径と一致させるように拡径され、
前記ガイド筒(21)の上流側の端縁が、前記触媒保持筒(19)の下流側の端縁の内周に嵌合され、前記触媒保持筒(19)の下流側の端面(19b)と前記ガイド筒(21)の上流側の端縁の外周面との間が溶接固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの排気装置。 - 前記排気管(14)は、
外パイプ(16A)の内側に内パイプ(16B)が接合された二重管構造の主要管部(16)と、
当該主要管部(16)の下流側に配置されて前記触媒保持筒(19)と前記触媒ケース(20)に溶接固定される一重管構造の中継管部(17)と、を備え、
前記中継管部(17)が、その下流側の端縁を排気マフラー(13)の延出方向にほぼ沿う方向に向けるように湾曲していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの排気装置。 - 前記主要管部(16)の内パイプ(16B)の下流側の端縁は、前記外パイプ(16A)の下流側の端面(16Aa)から外側に延出しており、
前記外パイプ(16A)の下流側の端面(16Aa)から外側に延出した前記内パイプ(16B)の下流側の端縁の外周面には、前記中継管部(17)の上流側の端縁が嵌合され、
前記外パイプ(16A)の下流側の端面(16Aa)と前記中継管部(17)の上流側の端面(17a)とは、前記内パイプ(16B)の外周上で隙間を開けて対峙して配置され、前記内パイプ(16B)の外周面とともに単一の溶接にて固定されていることを特徴とする請求項4に記載のエンジンの排気装置。 - 前記内パイプ(16B)の下流側の端縁が、その外径を前記外パイプ(16A)の下流側の端縁の内径と一致させるように拡径されていることを特徴とする請求項5に記載のエンジンの排気装置。
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