JP6114244B2 - 車両の排気装置 - Google Patents
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Description
内側管と外側管とからなる2重管を備えた排気装置において、部品点数の増加を抑えることができる技術が望まれる。
さらに、外側管の絞り部には、内側管がスライド可能に支持されるので、消音器内において支持部材の数を減らすことができる。
図1に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前部に前輪13を操向可能に支持する前輪操舵部15と、この前輪操舵部15の後方で車体フレーム11に懸架される駆動源としての内燃機関17と、この内燃機関17の後方で車体フレーム11に後輪14を揺動可能に支持する後輪懸架部16と、前輪操舵部15の後方で車体フレーム11に前後に取付けられる燃料タンク18及びシート19とを備え、このシート19に乗員が跨って座る鞍乗り型車両である。
自動二輪車10に搭載されている排気装置40は、シリンダ部38の前壁38aから前方に延びた後下方に屈曲しクランクケース37に沿って斜め下方に延び、次いでクランクケース37の下端に沿って後方へ延びている排気管47と、この排気管47の途中に介在されクランクケース37の前方に位置する触媒ユニット48と、排気管47の後端部から挿入接続されスイングアーム33が延びる方向に沿ってスイングアーム33と略同一高さで延びている消音器49とからなる。排気装置40の長さ方向中間部に、この排気装置40を車両側の後部ハンガ44に取付けるステー部材51が設けられている。
図3に示すように、上流側排気管35は、触媒53が備えられている触媒付き排気管47Aである。上流側排気管35は、触媒53が収容される触媒外筒54と、この触媒外筒54より上流側に位置する上流管部55と、触媒外筒54より下流側に位置する下流管部56とからなる。上流管部55と下流管部56は、各々、別部材で構成されている。触媒53の外側は、カバー部材57で覆われている。
図4(a)は、カバー部材を溶接仮止めした触媒外筒を下流管部に挿入することを説明する図であり、図4(b)はカバー部材を溶接仮止めした触媒外筒を下流管部に挿入したことを説明する図である。図4(c)は図4(b)の4(c)部拡大図である。図4(d)は実施例に係る下流管部に触媒外筒とカバー部材とを全周すみ肉溶接したことを説明する図であり、図4(e)は比較例に係る下流管部に触媒外筒とカバー部材とを全周すみ肉溶接したことを説明する図である。すみ肉溶接とは、ほぼ直角をなす2つの面のすみを溶接する溶接手段であり、本実施例では、重ねた金属部材(鋼板)のすみを溶接する。
図5(b)には、触媒外筒54及びカバー部材57に上流管部55を挿入した状態が示されている。このとき、上流管部55の端部は、触媒外筒54の他端54b(前端)に挿入されている。
図5(d)の実施例には、全周すみ肉溶接された第1溶接部65が示されている。溶接ビード68は、上流管部55とカバー部材57のいずれにも溶け込みつつ、上流管部55とカバー部材57同士が強固に固着されている。
図6(a)は実施例に係る触媒付き排気管の断面図であり、図6(b)は比較例に係る
触媒付き排気管の断面図である。
図6(b)の比較例において、触媒外筒54の端部54a、54b(後端及び前端)が、カバー部材57Bに溶接されていない構造の触媒付き排気管47Abでは、触媒外筒54の端部54a(後端)と排気管(下流管部56)の間を溶接する溶接部の溶接ビード69が触媒外筒54の外方でカバー部材57Bの内方に設けられる。かかる構造では、溶接部の溶接ビード69の肉盛部の高さの分だけ触媒外筒54を覆うカバー部材57Bの外径を大きくする必要がある。
図7に示すように、排気管47は、排気ポート41(図2参照)に接続される上流側排気管35と、この上流側排気管35の下流端に接続される下流側排気管36とからなる。上流側排気管35は単管であり、下流側排気管36は内側管71と外側管72からなる2重管である。上流側排気管35(単管)の外径D2と下流側排気管36(2重管)の外径D3は、略同一である。内燃機関17(図2参照)から排出される燃焼ガスは、下流側排気管36の内側管71の内側のみを通過する。
図8(a)は外側管を内側管に溶接仮止めした下流側排気管を上流側排気管へ挿入することを説明する図であり、図8(b)は下流側排気管の内側管を上流側排気管へ挿入したことを説明する図である。図8(c)は図8(b)の8(c)部拡大図であり、図8(d)は図8(c)部をすみ肉溶接したことを説明する図である。
図9に示すように、排気管47のうちの下流側排気管36は、前述したように内側管71と外側管72とからなる2重管構造であり、外側管72の下流端72bに、この外側管72の他の部分に比べ外径を小さくした外側管絞り部74が設けられ、この外側管絞り部74で内側管71がスライド可能に支持されている。
さらに、外側管72の外側管絞り部74には、内側管71がスライド可能に支持されるので、消音器49内において支持部材の数を減らすことができる。
図11に示すように、排気管47は、車両に取付けられるステー部材51を有し、このステー部材51は、外側管72と内側管71とが径方向に離間している部分で、外側管72に溶接固定される。
図12に示すように、上流側排気管35は、触媒53が収容される触媒外筒54と、この触媒外筒54より上流側に位置する上流管部55と、触媒53が収容される触媒外筒54より下流側に位置する下流管部56とからなる。上流管部55と下流管部56は、各々、別部材で構成され、触媒53の外側は、カバー部材57で覆われている。
図13に示すように、上流側排気管35において、触媒53が収容される触媒外筒54と、この触媒外筒54より上流側に位置する上流管部55と、触媒53が収容される触媒外筒54より下流側に位置する下流管部56とからなる。上流管部55は、内側管171と外側管172とを有し、下流管部56は、内側管271と外側管272とを有する、いわゆる2重管とした。
Claims (5)
- 車両に搭載された内燃機関(17)の排気ポート(41)に接続される排気経路(52)を、排気管(47)とこの排気管(47)の下流側に接続した消音器(49)とで構成し、前記排気管(47)の少なくとも一部を内側管(71)と、この内側管(71)の外方を囲う外側管(72)とからなる2重管構造とした車両に搭載される排気装置において、
前記外側管(72)の下流端に、この外側管(72)の端部を他の部分に比べ外径を小さくした外側管絞り部(74)が設けられ、この外側管絞り部(74)で前記内側管(71)がスライド可能に支持され、
前記外側管(72)と前記内側管(71)とが径方向に離間している領域で、前記外側管(72)に前記消音器(49)が溶接される消音器連結部(78)を有し、
前記排気管(47)は、前記排気ポート(41)に接続される上流側排気管(35)と、この上流側排気管(35)の下流端に接続される下流側排気管(36)とからなり、
前記上流側排気管(35)は単管であり、前記下流側排気管(36)は、前記内側管(71)と前記外側管(72)とを備える2重管であり、
前記単管の外径と前記2重管の前記外側管(72)の外径は、略同一であり、
前記内側管(71)は、上流端に拡径部(73)を有するとともに、当該拡径部(73)は前記外側管(72)の上流端よりも突出しており、前記下流側排気管(36)はこの突出した部分が前記上流側排気管(35)の内側に挿入され、
前記上流側排気管(35)と前記内側管(71)の拡径部(73)と前記外側管(72)とは共に溶接され、
前記外側管(72)は、前記外側管絞り部(74)と、前記拡径部(73)に嵌合する上流端(72a)から前記単管の外径と略同一の外径で前記外側管絞り部(74)側まで延びる部分とを備え、当該部分において前記外側管(72)と前記内側管(71)とが径方向に離間している部分(76)に、前記消音器連結部(78)が設けられていることを特徴とする車両に搭載される排気装置。 - 前記排気管(47)は、車両に取付けられるステー部材(51)を有し、
このステー部材(51)は、前記外側管(72)と前記内側管(71)とが径方向に離間している領域で、前記外側管(72)に、溶接固定されることを特徴とする請求項1記載の車両に搭載される排気装置。 - 前記内燃機関(17)から排出される燃焼ガスは、前記内側管(71)のみを通過することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両に搭載される排気装置。
- 前記上流側排気管(35)に、触媒(53)が収容されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両に搭載される排気装置。
- 前記上流側排気管(35)と前記外側管(72)とは間隔(S2)を開けて配置され、
前記間隔(S2)を埋めるように形成される溶接ビード(70)によって、前記上流側排気管(35)と前記拡径部(73)の外周面(71g)と前記外側管(72)とが溶接されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車両に搭載される排気装置。
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