JP6215873B2 - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排ガス通路内に供給された還元剤を排ガスと混合するミキサーが、排ガスの流通方向で触媒コンバータよりも上流側に配設される排ガス浄化装置に関する。
NOX 触媒の上流側に、排ガス通路に供給された尿素水等の還元剤と、排ガスとを混合させるためのミキサーが設けられるようにした排ガス浄化装置が、従来から知られており、特許文献1で開示される排ガス浄化装置のミキサーは、外側リングと、その外側リング内に同軸に配置される内側リングと、外側リングの内周面および内側リングの外周面間に設けられる複数の旋回翼とを備えるように構成され、排ガス通路を形成する排気管の内周面に前記外側リングが溶接されている。また特許文献2で開示される排ガス浄化装置のミキサーは、円盤状のプレートに、そのプレートの複数箇所での切り起こしならびに切り起こし部分の折り曲げによって複数のフィン部が設けられるとともに、切り起こしに伴う複数の開口部が形成されて成り、排気通路をそれぞれ形成する一対の排気管間に挟まれるようにして前記プレートの外周部が一対の前記排気管に固定されている。
特開2011−111927号公報 特開2011−252498号公報
ところが上記特許文献1で開示されたものでは、ミキサーの中央部を還元剤が拡散することなくそのまま流通してしまうだけでなく、ミキサーの形状が複雑であって溶接の手間がかかって製造が難しく、しかも排気管の内周面にミキサーの外周を溶接によって結合しているので溶接の手間がかかって製造が難しくなるとともに溶接に伴うスパッタ等の異物が排気管内に混入する虞があり、コストの低減および品質の確保が難しいという課題があった。
また上記特許文献2で開示されたものでは、プレートの外周部にはフィン部が配設されておらず、プレートの外周部が排気抵抗になってしまう。またミキサーを排気管に固定する構造が複雑であり、製造が難しく、コストの低減および品質の確保が難しいという課題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コストの低減および品質の確保を容易とした排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、排ガス通路内に供給された還元剤を排ガスと混合するミキサーが、排ガスの流通方向で触媒コンバータよりも上流側に配設される排ガス浄化装置において、前記ミキサーが、前記排ガス通路の一部を形成する円筒部と、該円筒部の半径方向に沿って延びる複数のスリット状の開口部を有しつつ前記円筒部の一端部に外周が連設される端板部とを有して有底カップ状に形成され、前記触媒コンバータの外郭を構成する円筒状のケーシングが、該ケーシングの上流端部内に前記円筒部の一端部を嵌合させるように形成され、排ガスを前記ミキサーに導くようにして横断面形状を円形とした筒部材の下流端部と、前記円筒部の他端部とが相互に嵌合され、前記ケーシングの前記上流端部および前記筒部材の下流端部に、前記円筒部の前記一端部および前記他端部が前記排ガス通路の外側で溶接されることを特徴とする。
本発明の上記特徴によれば、ミキサーが、触媒コンバータのケーシングの上流端部と、ミキサーに排ガスを導く筒部材の下流端部とに、排ガス通路の外側で溶接されるので、スパッタ等の異物が排ガス通路内に混入することがない。しかも還元剤が溶接部に接触することがなく、溶接部が還元剤に接触し得る位置に配置されるものに比べると耐久性を高め得ることができる。またケーシングの上流端部および筒部材の下流端部と、ミキサーの円筒部の両端部とは嵌合して重なることになるので、その重なり部によって強度を高めることができる。またミキサーの周囲に排ガスの流れを阻害する部分がなく、ミキサーの有効径を大きくすることができる。
第1の実施の形態のディーゼルエンジンの排気系の要部縦断平面図である。 排ガス浄化装置の縦断面図である。 図2の3−3線断面図である。 図3の4−4線に沿う断面図である。 第2の実施の形態の排ガス浄化装置の縦断面図である。 第3の実施の形態の排ガス浄化装置の縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照しながら説明する。
本発明の第1の実施の形態について図1〜図4を参照しながら説明すると、先ず図1において、デイーゼルエンジンEの排気系11は、排ガス中のCOおよびHCを酸化除去する第1の触媒コンバータ12と、第1の触媒コンバータ12よりも下流側に配置される第2の触媒コンバータ13と、ミキサー14とを備え、ミキサー14は、排気系11が有する排ガス通路19を流通する排ガスの流通方向28に沿って第2の触媒コンバータ13よりも上流側に配設されるようにして第1および第2の二次触媒コンバータ12,13間に介設され、前記ミキサー14には、還元剤たとえば尿素水を供給する還元剤供給装置15が接続される。
図2を併せて参照して、第2の触媒コンバータ13は、触媒を担持したハニカム構造のセラミックス16が、円筒状のケーシング17にマット18を介して支持されて成り、排ガス中のNOX を還元除去する働きをする。
前記ミキサー14は、前記排ガス通路19内で前記還元剤供給装置15から供給される還元剤を排ガスと混合して第2の触媒コンバータ13側に導くものであり、第1の触媒コンバータ12から導出された排ガスは、上流端が第1の触媒コンバータ12に接続される第1の排気管20と、第1の排気管20および前記ミキサー14間を結ぶ第2の排気管21とを介して前記ミキサー14に導かれ、第1および第2の排気管20,21は前記排ガス通路19の一部をそれぞれ形成する。
図3を併せて参照して、前記ミキサー14は、前記排ガス通路19の一部を形成する円筒部23と、該円筒部23の半径方向に沿って延びる複数のスリット状の開口部25を有しつつ前記円筒部23の一端部に外周が連設される端板部24とを有して有底カップ状に形成される。
前記端板部24には、前記上流側排気管20側に向かうにつれて小径となるようにしてテーパ状に形成される突部24aが設けられるとともに、前記開口部25を相互間に形成するようにして前記円筒部23および前記突部24a間を放射状に結ぶ複数のブレード24bが設けられる。
図4を併せて参照して、前記ブレード24bは、そのブレード幅W(図3参照)が前記円筒部23の半径方向に沿う外方に向かうにつれて大きく、すなわち前記円筒部23に近接するにつれて大きくなるように形成される。しかも各ブレード24bの前記半径方向に沿う中間部には、前記円筒部23の周方向に沿う前記ブレード24bの幅方向中心線Lまわりで同一方向、同一角度θの捩じりが付与されており、それにより各ブレード24bは前記円筒部23の軸方向に広げられ、前記捩じり角度θは前記円筒部23および前記突部24aに近接するにつれて小さくなるように設定される。
前記突部24aおよび前記ブレード24bを有する前記端板部24および前記円筒部23の一端部は、プレスによる深絞り加工によって形成され、端板部24および円筒部23の連設部は外側に膨らんだ湾曲部として形成される。
ところで前記ミキサー14の前記円筒部23は前記排ガス通路19の一部を形成するものであり、前記端板部24よりも排ガスの流通方向28に沿う上流側で排ガス通路19内に還元剤を供給するために、前記円筒部23の軸方向中間部には、前記還元剤供給装置15に接続される還元剤供給管27が設けられる。
第2の触媒コンバータ13の外郭を構成する円筒状の前記ケーシング17は、該ケーシング17の上流端部内に前記円筒部23の一端部を嵌合させるように形成される。また前記ミキサー14に排ガスを導くようにして横断面形状を円形とした筒部材である第2の排気管21の下流端部と、前記円筒部23の他端部とは相互に嵌合されるものであり、この実施の形態では、前記円筒部23の他端部に第2の排気管21の下流端部が嵌合される。すなわち第2の排気管21は、前記ミキサー14側に向かうにつれて大径となるテーパ部21aと、そのテーパ部21aの大径端に同軸に連なる円筒状の接続筒部21bとを有しており、第2の排気管21の下流端部である接続筒部21bが前記円筒部23の他端部に嵌合される。
しかも前記ケーシング17の前記上流端部に、前記円筒部23の前記一端部が前記排ガス通路26の外側で溶接され、また前記円筒部23の他端部が、前記第2の排気管21の接続筒部21bに前記排ガス通路26の外側で溶接される。
次にこの第1の実施の形態の作用について説明すると、ミキサー14が、排ガス通路19の一部を形成する円筒部23と、該円筒部23の半径方向に沿って延びる複数のスリット状の開口部25を有しつつ前記円筒部23の一端部に外周が連設される端板部24とを有して有底カップ状に形成され、第2の触媒コンバータ13の外郭を構成する円筒状のケーシング17が、該ケーシング17の上流端部内に前記円筒部23の一端部を嵌合させるように形成され、排ガスを前記ミキサー14に導くようにして横断面形状を円形とした第2の排気管21の下流端部が前記円筒部23の他端部に嵌合され、前記ケーシング17の前記上流端部および前記筒部材21の下流端部に、前記円筒部23の前記一端部および前記他端部が前記排ガス通路19の外側で溶接される。
したがってスパッタ等の異物が排ガス通路19内に混入することがない。しかも還元剤が溶接部に接触することがなく、溶接部が還元剤に接触し得る位置に配置されるものに比べると耐久性を高め得ることができる。またケーシング17の上流端部および第2の排気管21の下流端部と、ミキサー14の円筒部23の両端部とは嵌合して重なることになるので、その重なり部によって強度を高めることができる。またミキサー14の周囲に排ガスの流れを阻害する部分がなく、ミキサー14の有効径を大きくすることができる。
しかも前記ミキサー14の前記端板部24および前記円筒部23の一端部は、プレスによる深絞り加工によって形成されるので、精度よく形成することができ、前記円筒部23の一端部の前記ケーシング17に対する嵌合精度を高めることができ、また端板部24および円筒部23の連設部は外側に膨らんだ湾曲部として形成されるので、ミキサー14内で排ガスおよび還元剤を効率よく攪拌することができる。
本発明の第2の実施の形態について図5を参照しながら説明するが、上記第1の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
ミキサー14には、第1の排気管20および第2の排気管31を介して排ガスが導かれるものであり、第1の排気管20、第3の排気管34およびミキサー14でそれぞれ一部が形成される排ガス通路32を流通する排ガスの流通方向33に沿って第2の触媒コンバータ13よりも上流側に前記ミキサー14が配設される。
第2の触媒コンバータ13の外郭を構成する円筒状の前記ケーシング17は、該ケーシング17の上流端部内に、前記ミキサー14における円筒部23の一端部を嵌合させるように形成される。また前記ミキサー14に排ガスを導くようにして横断面形状を円形とした筒部材である第3の排気管34の下流端部と、前記円筒部23の他端部とは相互に嵌合されるものであり、この実施の形態では、前記円筒部23の他端部が第3の排気管34の下流端部に嵌合される。すなわち第3の排気管34は、前記ミキサー14側に向かうにつれて大径となるテーパ部34aと、そのテーパ部34aの大径端に同軸に連なる円筒状の接続筒部34bとを有しており、第2の排気管3の下流端部である接続筒部34bに前記円筒部23の他端部が嵌合される。
しかも前記ケーシング17の前記上流端部に、前記円筒部23の前記一端部が前記排ガス通路32の外側で溶接され、また前記円筒部23の他端部が、前記第3の排気管34の接続筒部34bに前記排ガス通路32の外側で溶接される。
この第2の実施の形態によっても上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
本発明の第3の実施の形態について図6を参照しながら説明するが、上記第1および第2の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
ミキサー14には、第1の排気管20、第2の排気管21および第1の触媒コンバータ12を介して排ガスが導かれるものであり、第1の排気管20、第2の排気管21、第1の触媒コンバータ12およびミキサー14でそれぞれ一部が形成される排ガス通路36を流通する排ガスの流通方向37に沿って第2の触媒コンバータ13よりも上流側に前記ミキサー14が配設される。
第1の触媒コンバータ12は、触媒を担持したハニカム構造のセラミックス38が、円筒状のケーシング39にマット40を介して支持されて成り、排ガス中のCOおよびHCを酸化除去する働きをする。
第2の触媒コンバータ13の外郭を構成する円筒状の前記ケーシング17は、該ケーシング17の上流端部内に、前記ミキサー14における円筒部23の一端部を嵌合させるように形成される。また第1の触媒コンバータ12のケーシング39は、前記ミキサー14に排ガスを導くようにして横断面形状を円形とした筒部材として形成されており、このケーシング39の下流端部と、前記円筒部23の他端部とは相互に嵌合されるものであり、この実施の形態では、前記ケーシング39の下流端部前記円筒部23の他端部に嵌合される。
しかも前記ケーシング17の前記上流端部に、前記円筒部23の前記一端部が前記排ガス通路36の外側で溶接され、また前記円筒部23の他端部が、前記ケーシング39の下流端部に前記排ガス通路36の外側で溶接される。
この第3の実施の形態によっても上記第1および第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
13・・・触媒コンバータ
14・・・ミキサー
17・・・ケーシング
19,32,36・・・排ガス通路
21・・・筒部材である第2の排気管
23・・・円筒部
24・・・端板部
25・・・開口部
28,33,37・・・流通方向
34・・・筒部材である第3の排気管
39・・・筒部材であるケーシング

Claims (1)

  1. 排ガス通路(19,32,36)内に供給された還元剤を排ガスと混合するミキサー(14)が、排ガスの流通方向(28,33,37)で触媒コンバータ(13)よりも上流側に配設される排ガス浄化装置において、前記ミキサー(14)が、前記排ガス通路(19,32,36)の一部を形成する円筒部(23)と、該円筒部(23)の半径方向に沿って延びる複数のスリット状の開口部(25)を有しつつ前記円筒部(23)の一端部に外周が連設される端板部(24)とを有して有底カップ状に形成され、前記触媒コンバータ(13)の外郭を構成する円筒状のケーシング(17)が、該ケーシング(17)の上流端部内に前記円筒部(23)の一端部を嵌合させるように形成され、排ガスを前記ミキサー(14)に導くようにして横断面形状を円形とした筒部材(21,34,39)の下流端部と、前記円筒部(23)の他端部とが相互に嵌合され、前記ケーシング(17)の前記上流端部および前記筒部材(21,34,39)の下流端部に、前記円筒部(23)の前記一端部および前記他端部が前記排ガス通路(19,32,36)の外側で溶接されることを特徴とする排ガス浄化装置。
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