JP2014196694A - 分散板 - Google Patents
分散板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014196694A JP2014196694A JP2013072463A JP2013072463A JP2014196694A JP 2014196694 A JP2014196694 A JP 2014196694A JP 2013072463 A JP2013072463 A JP 2013072463A JP 2013072463 A JP2013072463 A JP 2013072463A JP 2014196694 A JP2014196694 A JP 2014196694A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dispersion plate
- urea water
- exhaust gas
- blades
- scattering
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Abstract
【課題】上流側に供給される添加剤の水滴を細かくして下流側に供給できる高い分散性を有する分散板を提供すること。
【解決手段】排気ガスを流通させる排気通路内に設けられ、排気通路内の上流側に供給される尿素水を下流側に向けて分散させる分散板14において、排気ガスの流通方向に直交する放射方向に延びる複数の羽根33、34を有し、羽根33、34が、それぞれ尿素水を捕集する捕集部41、51と、捕集部41、51の縁に形成された凹部42a、42b、42c、52aおよび凸部42d、42e、42f、52bにより尿素水を飛散させる飛散部42、52とを有することを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】排気ガスを流通させる排気通路内に設けられ、排気通路内の上流側に供給される尿素水を下流側に向けて分散させる分散板14において、排気ガスの流通方向に直交する放射方向に延びる複数の羽根33、34を有し、羽根33、34が、それぞれ尿素水を捕集する捕集部41、51と、捕集部41、51の縁に形成された凹部42a、42b、42c、52aおよび凸部42d、42e、42f、52bにより尿素水を飛散させる飛散部42、52とを有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、排気通路内の添加剤を分散する分散板に関する。
従来、ディーゼルエンジンの車両には、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を還元して浄化する尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが搭載されている。この種の尿素SCRシステムとして、排気ガス通路内に添加剤としての尿素水を尿素SCR触媒に向けて噴射ノズルから噴射するとともに、分散板により分散し、触媒を活性化するよう構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この分散板は、噴射ノズルと、尿素SCR触媒との間に配置されている。
この分散板には、排気ガスが通過する連通部が格子状に形成され、各連通部には、連通部の縁部からガス流通方向側に突出する衝突片と整流板とが設けられている。また、尿素水を受け止める複数の凹部が設けられ、この凹部内の尿素水が排気ガスにより加熱され気化されるようになっている。そして、尿素水は、衝突片で微粒化され、整流板で排気ガスの流通方向下流側へ導かれるようになっている。
しかしながら、このような従来の分散板においては、複数の凹部に溜まった尿素水が大粒の水滴となってガス流通方向側に飛散するので、尿素水の分散がされ難くなっていた。特に、排気ガスが短時間で多量に流れた場合には、下流側に設けられた触媒へ均一に分散することが困難となってしまうという問題があった。
また、多数の連通部が格子状に区画されて分散板に配置されているので、分散板を通過する排気ガスの流通が弱まってしまい、尿素水の分散がされ難いという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、上流側に供給される添加剤の水滴を細かくして下流側に供給できる高い分散性を有する分散板を提供することを課題とする。
本発明に係る分散板は、上記課題を解決するため、(1)排気ガスを流通させる排気通路内に設けられ、前記排気通路内の上流側に供給される添加剤を下流側に向けて分散させる分散板において、前記排気ガスの流通方向に直交する放射方向に延びる少なくとも1つの羽根を有し、前記羽根が、前記添加剤を捕集する捕集部と、前記捕集部の縁に形成された少なくとも1つの凹部および凸部により前記添加剤を飛散させる飛散部と、を有することを特徴とする。
この構成により、本発明に係る分散板においては、排気通路内の上流側に供給される添加剤の大きな水滴が細かく分断されて下流側に供給される。分散板は、羽根の捕集部および飛散部が、それぞれ排気ガスの流通方向に直交する放射方向に延びるよう形成されているので、捕集部に捕集された添加剤を、飛散部上で液膜状に流動させ、凹部および凸部から下流側に細かくして飛散させることができる。
上記(1)に記載の分散板において、(2)前記羽根が複数形成され、隣り合う羽根同士の一部が、前記排気ガスの流通方向に隙間を有して重なり合っていることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る分散板においては、複数の羽根が渦巻き状に配置され、隣り合う羽根同士の一部が排気ガスの流通方向に隙間を有して重なり合っているので、排気ガスの流通により、飛散部付近に旋回流を生じさせることができる。この旋回流により、捕集部に捕集された添加剤を、飛散部上で勢いよく流動させ、凹部および凸部から下流側に細かくして勢いよく飛散させることができる。
上記(2)に記載の分散板において、(3)前記複数の羽根が、前記放射方向における円周上で均等に配置されたことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る分散板においては、複数の羽根が、放射方向における円周上で均等に配置されているので、排気ガスの流通により、飛散部付近に旋回流をより効果的に生じさせることができる。
上記(1)ないし(3)に記載の分散板において、(4)前記捕集部が、前記固定部に連結される基端から先端に向かって、前記排気ガスの流通方向に傾斜して形成されたことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る分散板においては、捕集部が、排気ガスの流通方向に傾斜しているので、捕集部で捕集された添加剤を、排気ガスの流通に伴って、捕集部の表面で排気ガスの流通方向に速やかに流動させることができる。その結果、添加剤を、飛散部から勢いよく飛散させることができる。また、捕集部が、排気ガスの流通方向に傾斜しているので、旋回流が生じ易くなる。
上記(1)ないし(4)に記載の分散板において、(5)前記複数の羽根が、前記排気通路を形成する排気管の内壁に固定される固定部を有し、前記捕集部が、前記固定部から前記排気管の軸心に向かって延びるよう形成されたことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る分散板においては、複数の羽根が、固定部を介して排気管の内壁に固定され、排気管の内壁から排気管の軸心に向かって延びるよう各羽根を形成することができる。その結果、排気ガスの流通により、排気管の軸心を中心とする旋回流をより効果的に生じさせることができる。
本発明によれば、上流側に供給される添加剤の水滴を細かくして下流側に供給できる高い分散性を有する分散板を提供することができる。
以下、本発明に係る分散板を尿素SCRシステムに適用した実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、構成を説明する。図1に示すように、実施形態の尿素SCRシステム10は、ディーゼルエンジンなどの内燃機関に接続された排気管11と、排気管11内に設けられた尿素SCR触媒12と、尿素水を噴射する尿素水噴射装置13と、分散板14と、コントローラ15とを含んで構成されている。
排気管11内には、尿素SCR触媒12の他に、図示しない酸化触媒やディーゼル微粒子フィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)、消音器を備えている。排気管11は、内燃機関から排気され、酸化触媒やDPFで浄化されるとともに、消音器で消音された排気ガスを排気通路11aを通して大気中に排気するよう構成されている。
排気管11内には、尿素SCR触媒12を収容する収容部11bと、尿素水噴射装置13を取付ける取付部11cと、分散板14を固定する固定部11dとを備えている。
尿素SCR触媒12は、例えば、セラミックのコーディライトやFe−Cr−Al系の耐熱鋼で形成されたハニカム形状の横断面を有するモノリスタイプの触媒担体を備え、この触媒担体に、例えば、還元剤となる尿素(H2N)2C=Oの供給を受けて活性化し、NOxを窒素(N2)や水(H2O)などの無害物質にして浄化させるゼオライト系の活性成分が担持されてなる。尿素SCR触媒12は、排気通路11a内を流れる排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を還元剤により還元することで浄化し、下流側に流通させるよう構成されている。
尿素水噴射装置13は、尿素水タンク21と、尿素水ポンプ22と、噴射バルブ23と、噴射ノズル24と、吸入管25とを含んで構成され、尿素水を噴射する。
尿素水タンク21は、所定濃度の尿素の水溶液からなる添加剤としての尿素水を貯留する容器で構成されており、車両に搭載されている。
尿素水ポンプ22は、尿素水タンク21内に収容されており、尿素水タンク21内の尿素水を吸入し、吸入管25内を圧送するよう構成されている。この尿素水ポンプ22は、図示しないケーシングやインペラを有する公知のポンプ部と、回転子、固定子およびシャフトを有する公知のモータ部とにより構成されており、コントローラ15から出力された駆動信号に基づいて駆動されるようになっている。
噴射バルブ23は、例えば、公知の電磁弁で構成されており、コントローラ15から出力された駆動信号に基づいて駆動され、吸入管25の流路を開閉するようになっている。
噴射ノズル24は、一端を噴射バルブ23に連結され、排気通路11aの中央に位置され下流に向いている他端に、尿素水を広げて噴射する噴射口24aが形成されている。
尿素水噴射装置13は、尿素水ポンプ22が尿素水タンク21内の尿素水を吸入し、吸入管25内を圧送することにより、噴射ノズル24の噴射口24aから、排気通路11aの下流側の分散板14に向けて尿素水が噴射するようになっている。
分散板14は、図2および図3に示すように、固定部としての固定フランジ31と、固定フランジ31に連結される固定リング32と、固定リング32に連結される複数の羽根33、34とを含んで構成されている。
なお、本実施形態の分散板14においては、固定フランジ31、固定リング32および複数の羽根33、34を別部材で作製しそれぞれを接合した接合構造で構成している。しかしながら、本発明に係る分散板においては、固定フランジ31、固定リング32および複数の羽根33、34を板金の絞り加工やプレス加工により、一体的に形成する構造で構成してもよい。固定フランジ31および固定リング32は、本発明の固定部を構成している。
固定フランジ31は、円盤状に形成されており、排気管11の内壁に溶接などの固定手段により固定される固定部31aと、固定リング32に連結される帯状の複数の連結部31bとを有している。
固定リング32は、円筒状に形成されており、固定フランジ31の連結部31bに連結される連結部32aと、羽根33、34に連結される連結部32bとを有している。固定リング32の内側の空間は、排気ガスおよび噴射ノズル24から噴射される尿素水が流通するようになっている。
羽根33は、図2示すように、固定リング32の円周上に均等に、すなわち等角度間隔で4個が渦巻き状に配置され、それぞれ捕集部41および飛散部42を有している。
捕集部41は、図3の矢印aで示す排気ガスの流通方向に直交する放射方向で固定リング32の外周側から排気管11の軸心CLに向かって、図2に示すように、幅W1の帯状に延びるよう折り曲げられている。この捕集部41で、図1に示す噴射ノズル24の噴射口24aから噴射される尿素水が噴射口24aに対向する表面に付着することにより捕集されるようになっている。
また、捕集部41は、図3に示すように、固定リング32に連結される基端から先端に向かって、放射方向の基準面kに対して角度θ1で傾斜している。
飛散部42は、図2に示すように、捕集部41の縁に形成され、なす角θ2および幅W2の切欠きにより形成された3つの凹部42a、42b、42cおよび凸部42d、42e、41fを有している。
この凹部42a、42b、42cおよび凸部42d、42e、41fにより、捕集部41で捕集された尿素水が排気ガスの流通に伴って凹部42a、42b、42cから凸部42d、42e、41fに向かう方向に飛散するようになっている。
羽根34は、羽根33と同様に、固定リング32の円周上に等角度間隔で4個が渦巻き状に配置されており、それぞれ捕集部51と、飛散部52とを有している。
捕集部51は、捕集部41と同様に、排気ガスの流通方向に直交する放射方向で固定リング32の外周側から排気管11の軸心CLに向かって、図2に示すように、幅W3の帯状に延びるよう折り曲げられている。この捕集部51で、図1に示す噴射ノズル24の噴射口24aから噴射される尿素水が噴射口24aに対向する表面に付着することにより捕集されるようになっている。
また、捕集部51は、捕集部41と同様に、固定リング32に連結される基端から先端に向かって、放射方向の基準面kに対して角度θ1で傾斜している。
飛散部52は、飛散部42と同様に、捕集部51の縁に形成され、なす角θ3および幅W4の切欠きにより形成された凹部52aおよび凸部52bを有している。この凹部52aおよび凸部52bにより、捕集部51で捕集された尿素水が排気ガスの流通に伴って凹部52aから凸部52bに向かう方向に飛散するようになっている。
また、羽根33の捕集部41および飛散部42と、羽根34の捕集部51および飛散部52は、平坦な表面で形成されているが、幅W1、W3方向に湾曲する表面で形成するようにしてもよい。
また、図2に示すように、羽根34の飛散部52が羽根33の捕集部41に対して、排気ガスの流通方向下流側に、図3に示す隙間Sを有して重なり合って位置する、いわゆるオーバーラップした位置になるようそれぞれが形成されているが、羽根33、34がオーバーラップせずに所定の間隔で離隔して形成するようにしてもよい。
なお、羽根33の角度θ1、幅W1、W2、なす角θ2および羽根34のなす角θ3、幅W3、W4、なす角θ3、羽根33、34の個数、羽根33、34のオーバラップ部分の隙間Sは、実施形態の尿素SCRシステム10の構造、形状、大きさや設定諸元に基づいて適宜選択される。
コントローラ15は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、固定されたデータの記憶を行うROM(Read Only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(登録商標:Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)および入出力インターフェース回路(I/F)を備え、尿素SCRシステム10の制御を行うようになっている。コントローラ15には、エンジン回転数を検知する回転数センサ、冷却水温度センサや吸入空気量を検知するセンサなどのセンサ群が接続されている。
コントローラ15は、基本的にはイグニッションスイッチがONとなってからOFFとなるまで、すなわち内燃機関が運転している間、尿素水ポンプ22を稼働させるとともに噴射バルブ23を開状態として、尿素水を噴射ノズル24から噴射する制御を実行するようになっている。なお、コントローラ15は、尿素SCR触媒12が最適な状態で作用するよう、エンジンの運転状態、吸入空気や排気ガスの状態に応じて尿素水の噴射量の制御を実行するようにしてもよい。
次に、尿素SCRシステム10の動作について簡単に説明する。
尿素SCRシステム10が搭載されている車両の内燃機関が起動されると、コントローラ15は、内燃機関の起動情報に基づいて、尿素水ポンプ22が動作させるとともに噴射バルブ23を開状態とする。そして、尿素水タンク21に貯留されている尿素水が尿素水ポンプ22により吸い上げられて吸入管25内を圧送され、図4に示すように、噴射ノズル24の噴射口24aから勢いよく分散板14に向けて噴射される。
噴射された尿素水は、分散板14の羽根33の捕集部41および羽根34の捕集部51に衝突して各表面に付着し捕集される。捕集された尿素水は、図5に示すように、排気ガスの流通に伴って、羽根33の飛散部42および羽根34の飛散部52付近に生ずる旋回流により、尿素SCR触媒12の流入口に向かって飛散する。この飛散により、噴射口24aから噴射された尿素水は、図4に示すように、尿素SCR触媒12の流入口の全面に亘って細かく分散され、流入口の全面からほぼ均等に流入する。
尿素SCR触媒12に流入した排気ガスは、触媒担体に担持され、還元剤となる尿素の供給を受けてより活性化した活性成分により、含有する窒素酸化物(NOx)が、窒素(N2)や水(H2O)などの無害物質となり浄化される。
内燃機関が停止すると、コントローラ15は、内燃機関の停止情報に基づいて、尿素水ポンプ22の動作を停止させ、停止後に噴射バルブ23を閉状態とする。そして、吸入管25内および噴射ノズル24内の尿素水の残量が少なくなり、凍結による吸入管25および噴射ノズル24の閉塞の防止が図られる。
本実施形態の尿素SCRシステム10を構成する分散板14は、上記に説明したように構成されているので、以下の効果が得られる。
本実施形態の分散板14は、4個の羽根33および4個の羽根34を有し、羽根33が捕集部41と、凹部42a、42b、42cおよび凸部42d、42e、42fが形成された飛散部42とを有している。また、羽根34も捕集部51と、凹部52aおよび凸部52bが形成された飛散部52とを有している。
そして、羽根33および羽根34が放射方向における円周上で均等に渦巻き状に配置され、各羽根33および羽根34は、排気管11の内壁に固定される固定フランジ31と固定リング32を有し、捕集部41、51は、排気管11の軸心CLに向かって延びるよう形成されている。さらに、捕集部41、51は、固定リング32に連結される基端から先端に向かって排気ガスの流通方向に角度θ1で傾斜するよう形成されている。
この構成により、分散板14は、上流側に供給される尿素水の大きな水滴が細かく分断されて下流側に供給されるという高い分散性が得られる。
この分散板14は、羽根33の飛散部42および羽根34の飛散部52が、それぞれ渦巻き状になるよう羽根33および羽根34が配置されているので、排気ガスの流通により、飛散部42、52付近に旋回流を生じさせることができる。
この旋回流により、捕集部41、51に捕集された尿素水を、図5に示すように、飛散部42、52上で斜線部で示す液膜状に流れ、切欠き形状の凸部42d、42e、42fの先端から下流側に細かくして飛散させることができる。
また、互いに隣り合う羽根33のおよび羽根34の一部が、排気ガスの流通方向に隙間を有して重なり合っているので、飛散部42、52付近に勢いよく旋回流を生じさせることができる。
また、捕集部41、51が、排気ガスの流通方向に角度θ1で傾斜しているので、捕集部41、51で捕集された尿素水は、排気ガスの流通に伴って、捕集部41、51の表面で排気ガスの流通方向に速やかに流動させることができる。その結果、尿素水を、飛散部42、52から勢いよく飛散させることができる。
したがって、本実施形態の分散板14においては、供給される尿素水が、尿素SCR触媒12の流入口の全面に亘って細かく分散されるという効果が得られる。
本実施形態の分散板14は、下記の試験装置により尿素水の分散状態が試験され、従来の分散板、例えば、特許文献1に記載の分散板における分散状態よりも高い分散結果が得られた。
この試験装置は、図6(a)に示すように、内燃機関から排気される排気ガスの流通と同様の送風が得られるブロアBと、ブロアBに連結されるとともに分散板14に連結される送風ダクトDと、分散板14から矢印A方向に分散される尿素水Nを受けるスクリーンEと、ブロアBの開口から尿素水Nを供給するスポイトSとを含んで構成される。
この試験装置は、ブロアBからの送風により、スポイトSから供給される尿素水Nが分散板14に送られるようになっており、送られた尿素水Nは、分散板14により分散され、スクリーンEに付着するようになっている。
この試験装置においては、スクリーンEに付着した尿素水Nの付着状態を目視することにより、分散板14の分散状態を確認した。
図6(b)に示すように、従来の分散板では、尿素水Nの水滴がスクリーンE上の比較的小さな円形の中央部に集中してしまって、分散の程度が比較的に低くなっていた。
これに対して、本実施形態の分散板14では、尿素水Nの水滴がスクリーンE上の比較的大きな円形の全域に分散しており、分散の程度が比較的に高くなった。
図6(c)に示すように、本実施形態の分散板14は、従来の分散板に対して、スクリーンE上の円の大きさが1.5倍程度に大きくなり、その円の全域に尿素水Nを分散させることができた。この結果のように、本実施形態の分散板14は、従来の分散板と比較して、高い分散性を有することが分かった。
本実施形態の分散板14は、羽根33を図2(a)に示すように、円周上に等角度間隔で4個を配置、さらに、羽根34を羽根33の間に配置した構造で構成した場合について説明した。しかしながら、本発明の分散板は、実施形態の羽根33、34の配置以外の構造で構成するようにしてもよい。
例えば、図7(a)に示すように、円周上に等角度間隔で6個の羽根33を配置する配置構造の分散板114で構成してもよく、図7(b)に示すように、円周上に等角度間隔で8個の羽根33を配置する配置構造の分散板214で構成してもよい。また、図示しないが、羽根33を1個ないし5個の構造で構成するようにしてもよい。
また、本実施形態の分散板14における羽根33は、図2(b)に示すように、捕集部41と、凹部42a、42b、42cおよび凸部42d、42e、42fが形成された飛散部42とを有する構造で構成した場合について説明した。
しかしながら、本発明の分散板は、捕集部41および飛散部42を有する実施形態の羽根33の構造以外の構造で構成するようにしてもよい。例えば、本発明の分散板を図8(a)ないし(f)に示すように、分散板14Aないし14Fの構造で構成するようにしてもよい。
分散板14Aないし14Fの構造で構成した場合においても、実施形態の分散板14と同様の効果が得られる。すなわち、分散板14Aないし14Fにおいては、上流側に供給される尿素水の大きな水滴が細かく分断されて下流側に供給されるという高い分散性が得られる。
これらの分散板14Aないし14Fは、羽根33Aないし33Fの各飛散部が実施形態と同様に渦巻き状になるよう配置されているので、排気ガスの流通により、飛散部付近に旋回流を生じさせることができる。
この旋回流により、各捕集部に捕集された尿素水を、飛散部上で斜線部で示す液膜状に流れ、切欠き形状の凸部や貫通孔から下流側に細かくして飛散させることができる。その結果、尿素水が、尿素SCR触媒の流入口の全面に亘って細かく分散されるという効果が得られる。
分散板14Aは、図8(a)に示すように、捕集部41Aおよび飛散部42Aを有する羽根33Aで構成される。この飛散部42Aは、円弧状の切り欠きで形成された3個の凹部43Aと、3個の凸部44Aとを備えている。尿素水は、捕集部41Aで捕集され、斜線で示す液膜状になり各凸部44Aから排気ガスの流通方向に飛散するようになっている。
分散板14Bは、図8(b)に示すように、捕集部41Bおよび飛散部42Bを有する羽根33Bで構成される。この飛散部42Bには、凹部43Bが形成されるとともに、凹部43Bの内部に突出するくし型の複数の凸部44Bが形成されている。尿素水は、捕集部41Bで捕集され、斜線で示す液膜状になり複数の凸部44Bから排気ガスの流通方向に飛散するようになっている。
分散板14Cは、図8(c)に示すように、捕集部41Cおよび飛散部42Cを有する羽根33Cで構成される。この飛散部42Cには、実施形態の飛散部42と同様の凹部43Cと、凸部44Cとが形成されるとともに、3個の貫通孔45Cが形成されている。尿素水は、捕集部41Cで捕集され、斜線で示す液膜状になり凹部43C、凸部44Cおよび貫通孔45Cから排気ガスの流通方向に飛散するようになっている。
分散板14Dは、図8(d)に示すように、捕集部41Dおよび飛散部42Dを有する羽根33Dで構成される。この飛散部42Dには、凹部43Dと、凸部44Dとが形成されるとともに、3個の貫通孔45Dが形成されている。尿素水は、捕集部41Dで捕集され、斜線で示す液膜状になり凹部43D、凸部44Dおよび貫通孔45Dから排気ガスの流通方向に飛散するようになっている。
分散板14Eは、図8(e)に示すように、捕集部41Eおよび飛散部42Eを有する羽根33Eで構成される。この飛散部42Eには、凹部43Eと、凸部44Eとが形成されるとともに、2個のスリット45Eが形成されている。尿素水は、捕集部41Eで捕集され、2個のスリット45E、凹部43Eおよび凸部44Eから排気ガスの流通方向に飛散するようになっている。
分散板14Fは、図8(f)に示すように、捕集部41Fおよび飛散部42Fを有する羽根33Fで構成される。この飛散部42Fには、分散板14Eと同様の凹部43Fと、凸部44Fとが形成されるとともに、4個のスリット45Fが形成されている。尿素水は、捕集部41Fで捕集され、4個のスリット45F、凹部43Fおよび凸部44Fから排気ガスの流通方向に飛散するようになっている。
以上のように、本発明に係る分散板は、上流側に供給される添加剤の水滴を細かくして下流側に供給できる高い分散性を有する分散板を提供することができるという効果を有し、特に、尿素SCRシステムにおける尿素水を分散する分散板として有用である。
10…尿素SCRシステム、11a…排気通路、14,14A,14B,14C,14D,14E,14F,114,214…分散板、31…固定フランジ(固定部)、32…固定リング(固定部)、33,33A,33B,33C,33D,33E,33F,34…羽根、41,41A,41B,41C,41D,41E,41F,51…捕集部、42,42A,42B,42C,42D,42E,42F,52…飛散部、42a,42b,42c,43A,43B,43C,43D,43E,43F,52a…凹部、42d,42e,41f,44A,44B,44C,44D,44E,44F,52b…凸部、CL…軸心、θ1…角度
Claims (5)
- 排気ガスを流通させる排気通路内に設けられ、前記排気通路内の上流側に供給される添加剤を下流側に向けて分散させる分散板において、
前記排気ガスの流通方向に直交する放射方向に延びる少なくとも1つの羽根を有し、
前記羽根が、前記添加剤を捕集する捕集部と、前記捕集部の縁に形成された少なくとも1つの凹部および凸部により前記添加剤を飛散させる飛散部と、を有することを特徴とする分散板。 - 前記羽根が複数形成され、隣り合う羽根同士の一部が、前記排気ガスの流通方向に隙間を有して重なり合っていることを特徴とする請求項1に記載の分散板。
- 前記複数の羽根が、前記放射方向における円周上で均等に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の分散板。
- 前記捕集部が、前記固定部に連結される基端から先端に向かって、前記排気ガスの流通方向に傾斜して形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の分散板。
- 前記複数の羽根が、前記排気通路を形成する排気管の内壁に固定される固定部を有し、
前記捕集部が、前記固定部から前記排気管の軸心に向かって延びるよう形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載の分散板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013072463A JP2014196694A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 分散板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013072463A JP2014196694A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 分散板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014196694A true JP2014196694A (ja) | 2014-10-16 |
Family
ID=52357647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013072463A Pending JP2014196694A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 分散板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014196694A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105545438A (zh) * | 2014-10-22 | 2016-05-04 | 丰田自动车株式会社 | 分散板和内燃机 |
WO2017002397A1 (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-05 | 株式会社ユタカ技研 | 排ガス浄化装置 |
KR101758220B1 (ko) * | 2016-05-18 | 2017-07-14 | 세종공업 주식회사 | 임팩터를 구비하는 환원제 믹싱장치 |
JP2019027347A (ja) * | 2017-07-28 | 2019-02-21 | いすゞ自動車株式会社 | 後処理装置 |
-
2013
- 2013-03-29 JP JP2013072463A patent/JP2014196694A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105545438A (zh) * | 2014-10-22 | 2016-05-04 | 丰田自动车株式会社 | 分散板和内燃机 |
JP2016079962A (ja) * | 2014-10-22 | 2016-05-16 | トヨタ自動車株式会社 | 分散板 |
US9683478B2 (en) | 2014-10-22 | 2017-06-20 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Dispersion plate and internal combustion engine |
KR101832037B1 (ko) * | 2014-10-22 | 2018-02-23 | 도요타 지도샤(주) | 분산판 및 내연 기관 |
WO2017002397A1 (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-05 | 株式会社ユタカ技研 | 排ガス浄化装置 |
JP2017014975A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | 株式会社ユタカ技研 | 排ガス浄化装置 |
KR101758220B1 (ko) * | 2016-05-18 | 2017-07-14 | 세종공업 주식회사 | 임팩터를 구비하는 환원제 믹싱장치 |
JP2019027347A (ja) * | 2017-07-28 | 2019-02-21 | いすゞ自動車株式会社 | 後処理装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9289724B2 (en) | Flow reversing exhaust gas mixer | |
JP5349575B2 (ja) | 還元剤水溶液ミキシング装置及び排気ガス後処理装置 | |
US9302223B2 (en) | Mixing element | |
JP5655046B2 (ja) | 混合/気化装置 | |
JP6167031B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
BR122021010883B1 (pt) | Disposição de mistura | |
JP2011111927A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2009030560A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2015508469A (ja) | 内燃機関の排気ガスシステムおよび内燃機関の排気ガスに添加される還元剤を調合するための方法 | |
EP3003543B1 (en) | Exhaust gas aftertreatment device | |
JP2016020694A (ja) | スタティックなミキサ | |
JP2014196694A (ja) | 分散板 | |
JP2010144569A (ja) | 選択還元触媒装置 | |
JP2014163232A (ja) | 分散板及び分散装置 | |
CN204877615U (zh) | 排气处理装置 | |
JP2009085050A (ja) | 添加剤噴射弁、添加剤噴射装置、及び排気浄化システム | |
CN115135404A (zh) | 用于后处理系统中的混合器 | |
JP2009030561A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
US20230003159A1 (en) | Reductant delivery system for exhaust gas aftertreatment system | |
JP6182500B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
US11583812B2 (en) | Mixer assembly for vehicle exhaust system | |
US20230151755A1 (en) | Decomposition chamber | |
GB2569339A (en) | Exhaust treatment system for an engine | |
JP2016109004A (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP2016079960A (ja) | 排気ガス浄化装置 |