JP6083179B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。
従来の画像形成装置として、例えば、装置本体に開閉可能に設けられたカバーと、カバーの内側に設けられ、被記録媒体を上下方向に搬送する搬送部と、搬送部により搬送される被記録媒体に向けてノズルから液滴を吐出する記録ヘッドとを備え、搬送部は、記録ヘッドのノズルが形成された面とカバーとの間に配置され、搬送部は、カバーが開放されたときに、カバーが開放される方向へ移動して、記録ヘッドのノズルが形成された面と搬送部との間の空間を広げる構成としたものが知られている(特許文献1)。
特開2012−136034号公報
上述した特許文献1に開示の構成にあっては、用紙詰まりが生じたときにカバーを開放し、その後搬送部を開放することで、ジャム処理が容易になるという利点がある。
しかしながら、搬送部をカバーと同様に大きく(例えば90°)開放してしまうと、用紙詰まりで停止していたキャリッジから記録ヘッドの滴吐出面が外部に剥き出しの状態となる。
そのため、使用者が記録ヘッドの滴吐出面に容易に触れてしまうと、誤って手を汚したり、ノズルに異物が付着して画像品質が低下したりするという課題がある。
一方で、使用者が滴吐出面に容易に触れないようにカバーや搬送部の開放角度を制限すると、サービスマンによる滴吐出面のメンテナンス、その他装置の不具合対策時の妨げになり、メンテナンスがし難くなるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ジャム処理が容易で、滴吐出面への不用意な接触を防止し、メンテナンスも容易に行えるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
装置本体に開閉可能に設けられたカバーと、
被記録媒体を上下方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送される前記被記録媒体に液滴を吐出して画像を形成する記録ヘッドと、を備え、
前記搬送部は、前記カバーと前記記録ヘッドとの間に配置され、
前記搬送部は、前記カバーを開放位置に開放した状態で、前記カバーと同じ方向の第1開放位置と、前記第1開放位置よりも開放量が大きい第2開放位置とに開放可能であり、
前記搬送部を前記第1開放位置から前記第2開放位置への移動を許可する開放許可手段を有し、
前記カバーを開放したときに、前記搬送部は前記第1開放位置まで開放可能となり、
前記開放許可手段で許可されたときに、前記搬送部は前記第2開放位置まで開放可能となり、
前記開放許可手段は、前記搬送部の前記第2開放位置への開放許可を指示する手段を有している
構成とした。
本発明に係る画像形成装置によれば、ジャム処理が容易で、滴吐出面への不用意な接触を防止し、メンテナンスも容易に行えるようになる。
本発明に係る画像形成装置の一例の機構部の側面説明図である。 図1を矢印A方向から見た正面説明図である。 搬送部の開放に関する構成の説明に供する搬送部を第1開放位置に開放した状態の説明図である。 同じく搬送部を第2開放位置に開放した状態の説明図である。 同装置の制御部の概要の説明に供するブロック説明図である。 開放許可手段を構成する開放許可を指示する開放許可指示手段を装置本体の操作パネルで構成した例の説明に供する説明図である。 開放許可を指示する開放許可指示手段をスイッチで構成した例の説明に供する説明図である。 搬送ユニット開放位置規制機構の一例の説明に供する説明図である。 搬送ユニット開放位置規制機構の動作説明に供する搬送ユニットを第1位置に開放した状態の説明図である。 同じく搬送ユニットを第2位置に開放した状態の説明図である。 印刷動作時の制御の一例の説明に供するフロー図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。図1は同画像形成装置の機構部の側面説明図、図2は図1を矢印A方向から見た正面説明図である。
この画像形成装置は、シリアル型画像形成装置であり、装置本体の内部に画像形成部2、搬送部を含む搬送機構部5等を有し、装置本体の下方側に被記録媒体である用紙10を積載可能な給紙トレイ4を備えている。
そして、給紙トレイ4から給紙される用紙10を取り込み、搬送機構部5によって用紙10を垂直方向(上方向)に間歇的に搬送しながら、画像形成部2によって水平方向に液滴を吐出させて所要の画像を記録した後、排紙部6を通じて画像が形成された用紙10を更に上方向に搬送して、装置本体1の上方側に設けられた排紙トレイ7に用紙10を排紙する。
また、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、排紙トレイ7に一部が排出された用紙10を反転部8内に取り込み反転し、搬送機構部5によって用紙10を逆方向に搬送しながら他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構部5に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ7に用紙10を排紙する。
ここで、画像形成部2は、左右の側板11L、11R間に横架した主ガイド部材21及び従ガイド部材22で、記録ヘッド24を搭載したキャリッジ23を移動自在に保持し、主走査モータ25によって、駆動プーリ26と従動プーリ27間に渡したタイミングベルト28を介して主走査方向に移動走査する。
キャリッジ23には、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド24a、24b(区別しないときは上記のとおり「記録ヘッド24」という。)を、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を水平方向に向けて装着している。
記録ヘッド24は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド24aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド24bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。記録ヘッド24としては、1つのノズル面に複数のノズルを並べた各色のノズル列を備えるものなどを用いることもできる。
なお、記録ヘッド24を構成する液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ23には、インクと反応することでインクの定着性を高める定着液を吐出する液体吐出ヘッドなども搭載できる。
また、キャリッジ23には、記録ヘッド24のノズル列に対応して各色のインクを供給するための図示しないヘッドタンク29が搭載され、このヘッドタンク29には、装置本体に着脱自在に装着される各色のインクカートリッジ(メインタンク)からインクが供給される。
また、キャリッジ23の主走査方向に沿って両側板11L、11R間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール121を張装し、キャリッジ23にはエンコーダスケール121のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ122を設け、これらのエンコーダスケール121とエンコーダセンサ122によってキャリッジ23の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)123を構成している。
また、キャリッジ23の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド24のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構9を配置している。この維持回復機構9には、記録ヘッド24の各ノズル面をキャピングするための各キャップ92a、92b(区別しないときは「キャップ92」という。)と、矢示方向に移動してノズル面をワイピングするワイパ部材(ワイパブレード)93と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け94などを備えている。
給紙トレイ4の用紙10は、用紙積載部(圧板)41上に積載され、給紙コロ(半月コロ)43と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離されて装置本体内に給紙され、搬送ガイド部材45、46、押さえ部材48のガイド面に沿って、搬送機構部5の搬送ベルト51と押さえローラ49との間に送り込まれ、先端加圧コロ47にて搬送ベルト51に押し付けられながら搬送される。
搬送機構部5は、駆動ローラである搬送ローラ52と従動ローラ53との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト51と、この搬送ベルト51を帯電させるための帯電ローラ54と、画像形成部2に対向する部分で搬送ベルト51の平面性を維持するプラテン部材55と、搬送ローラ56と、従動ローラ53及び搬送ローラ56に対向する拍車58を有する拍車ユニット57などを有している。
搬送ベルト51は、副走査モータ151によってタイミングベルト152及びタイミングプーリ153を介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって、ベルト搬送方向(副走査方向、用紙搬送方向)に周回移動する。
また、搬送ローラ52の軸52aには高分解能のコードホイール154を取り付け、このコードホイール154に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ155を設けて、これらのコードホイール154とエンコーダセンサ155によって搬送ベルト51の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)156を構成している。
排紙部6は、搬送ガイド部材61と、排紙ローラ62A及び拍車62Bと、排紙ローラ63A及び拍車63Bとが配置され、画像が形成された用紙10を排紙ローラ63A及び拍車63B間から排紙トレイ7上にフェイスダウンで排紙する。
また、反転部8は、排紙トレイ7に一部を排出した用紙10を反転するための連続する反転経路81a〜81cを有し、用紙10を反転経路81aに送り込むために搬送経路を切り替える切替爪82などを有している。
反転経路81aは搬送ガイド部材61とガイド部材83aで形成され、反転経路81bは搬送ベルト51とガイド部材84で形成され、反転経路81cは搬送ガイド部材45、46で形成されている。また、反転経路81aには搬送ローラ85及び所要数の拍車88が、反転経路81bには従動ローラ53及び搬送ローラ52に対向して搬送補助ローラ86、87がそれぞれ設けられている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ4から用紙10が1枚ずつ分離給紙され、帯電された搬送ベルト51に用紙10が静電吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙10が垂直方向に搬送される。そこで、キャリッジ23を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド24を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙10を所定量搬送後、次の行の記録を行い、記録が終了した用紙10を排紙トレイ7に排紙する。
そして、記録ヘッド24のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ23をホーム位置である維持回復機構9に対向する位置に移動して、キャップ92によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
次に、この画像形成装置における搬送部の開放に関する構成について図3及び図4も参照して説明する。図3は搬送部を第1開放位置に開放した状態の説明図、図4は搬送部を第2開放位置に開放した状態の説明図である。
まず、装置本体1の前面側には前カバー101が下端部の支軸102を支点として開閉可能に設けられている。前カバー101には、ガイド部材83、84、搬送ローラ85、搬送補助ローラ86、87が取付けられている。
また、搬送ベルト51、搬送ローラ52、従動ローラ53、搬送ローラ56は、搬送部である搬送ユニット200として一体化され、搬送ローラ52の支軸52aを支点として開閉可能(揺れ動くことが可能)に設けられている。さらに、搬送ガイド部材61も、切替爪82側を支点として開閉可能(揺れ動くことが可能)に設けられている。
ここで、搬送ユニット200は、図3に示すように、前カバー101が開放されたときに、記録ヘッド24に対向して用紙10を搬送する位置(閉じた位置;以下、「搬送位置」という。)に対して第1角度θ1分だけ開放した第1開放位置と、図4に示すように、後述する開放許可手段によって開放が許可されたときに、第1開放位置から更に移動して搬送位置から第2角度θ2分開放した第2開放位置まで開放可能に配置されている。
ここで、開放許可手段によって開放が許可されない限り、搬送ユニット200の第1開放位置の角度は第1角度θ1までとなり、第1角度θ1よりも広げることはできず、搬送ユニット200は第1角度θ1で停止する。
この第1角度θ1は、装置の使用者が直接記録ヘッド24のインク吐出面に触れることができない角度に設定している。
そして、このように搬送ユニット200が第1角度θ1まで開放できると、記録ヘッド24と搬送ベルト51間で用紙詰まりが発生したとき、手を入れて用紙を取り除くスペースが生まれ、用紙詰まり(ジャム)の処理が容易になる。また、両面印刷時に搬送される反転経路81a〜81cに用紙詰まりが生じても、本実施形態では、搬送ユニット200と前カバー101の間に手を入れるスペースが作られており、ジャム紙の除去を容易に行うことができる。
なお、用紙詰まりが発生していない状態で、印字中に搬送ユニット200が開放されてしまうと、搬送ベルト51上の用紙10は、搬送ベルト51の開放に伴って、帯電している静電力により搬送ベルト51と一体となって記録ヘッド24側から離間する。
このとき、印刷が継続していると、記録ヘッド24のインク吐出面が剥き出しとなり、記録ヘッド24からインク滴が外部に噴霧されてしまい、装置の外部を汚してしまうことになる。
したがって、用紙詰まりがない正常印字中に、使用者が前カバー101を開放したとしても、その先にある搬送ユニット200は開放されないようにロックする構成とすることが好ましい。
あるいは、正常印字中に前カバー101が開放された際に、印字動作を中断し、キャリッジ23をホームポジションへ移動させるように制御することが好ましい。
このように、本実施形態では、帯電ローラ54により搬送ベルト51に静電力を付与し、その静電力により用紙10を搬送ベルト51に密着させている。そのため、用紙詰まりが発生したとき、搬送ユニット200を開放することで、用紙10は搬送ベルト51とともに開放位置に移動する。これにより、ジャム紙の除去が容易になる。なお、搬送部と用紙を一体的にさせる方法としては、静電力に限定されず、例えば、搬送部にファンを設け、ファンの回転によって生じた負圧を用いて用紙を搬送部に吸着させる方式でも、ジャム紙の除去は容易になる。
ここで、搬送ユニット200を通常は第1角度θ1以上に開放させない理由について説明する。記録ヘッド24と搬送ベルト51間で、用紙詰まりが生じた場合、キャリッジ23は用紙詰まりの処理を行うまで印字領域で停止し、インク吐出面は外側に向いている。
この状態で、使用者は用紙詰まりを取り除くために前カバー101を開放し、その後、搬送ユニット200を開放する。このとき、搬送ユニット200の開放角度を制限しなければ、使用者は、ジャム紙除去中にインク吐出面に誤って触れてしまうことがある。その結果、使用者の手にインクが付着してしまうという不都合や、使用者の手に付着していた異物がインク吐出面に付着することで、ノズルを詰まらせてしまうという不都合が生じる。
そこで、本実施形態では、搬送ユニット200の開放角度である第1角度θ1は、使用者の手がインク吐出面を触れることができない角度に設定されている。
一方、搬送ユニット200の開放位置が第1角度θ1に制限されてしまうと、サービスマンが装置をメンテナンスするとき、維持回復機構のクリーニング等を行うときに、搬送ユニット200があることで作業を行いにくくなってしまう。
そこで、本実施形態では、開放許可手段で開放が許可されたときには、図4に示すように、搬送ユニット200を第1角度θ1よりも開放量が大きい第2角度θ2になる第2開放位置まで開放できるようにしている。
例えば装置本体1に設けられる操作パネルから所定の情報を入力することで、開放許可が行われて、搬送ユニット200を第2開放位置まで開放まで開放できるようになる。
これにより、サービスマンは装置のキャリッジ23の走査領域や、維持回復機構にアクセスしやすくなり、メンテナンス時の作業効率を上げることができる。
なお、搬送ユニット200を第2角度θ2まで開放するときには、前カバー101は装置本体に対しておよそ水平まで開放可能で、前カバー101は略水平まで開放されたとき、開放を停止する構成とすることが好ましい。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図5を参照して説明する。図5は同制御部のブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係る制御(処理)を実行させるプログラムを含む各種プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505などを備えている。
また、記録ヘッド24を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ23側に設けた記録ヘッド24を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ23を移動走査する主走査モータ25、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ151を駆動するためのモータ駆動部510、511と、帯電ローラ54にACバイアスを供給するACバイアス供給部512などを備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド24の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド24の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド24を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など滴量の異なる液滴を吐出させて大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、主走査エンコーダ123、副走査エンコーダ156、装置に装着されている各種のセンサ群515、前カバー101の開閉を検知する前カバー開閉センサ520からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510、511、ACバイアス供給部512の制御に使用する。
センサ群515は、用紙の位置を検出するためのキャリッジ23に設けられた光学センサ(用紙センサ521:図3参照)や、機内の温度、湿度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。
また、制御部500は、主走査エンコーダ123を構成するエンコーダセンサ122からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ25に対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介して主走査モータ25を駆動する。同様に、副走査エンコーダ156を構成するエンコーダセンサ155からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて副走査モータ151対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部211を介して副走査モータ151を駆動する。
また、この制御部500は、開放位置規制駆動部531を介して開放許可手段を構成する開放位置規制手段である搬送ユニット開放位置規制機構532を駆動制御し、搬送ユニット200を第1開放位置で規制し、開放許可が指示されたときに、搬送ユニット200の開放位置を第1開放位置から第2開放位置に変更する。
次に、開放許可手段を構成する開放許可を指示する開放許可指示手段を装置本体の操作パネルで構成した例について図6を参照して説明する。図6は同説明に供する説明図である。
例えば図6(a)に示すように、装置本体1の前面や側面などには、装置に対して必要な情報を入力し、必要な情報を表示する操作パネル514が設置される。そこで、この操作パネル514内において、サービスマンが所定の操作を行うことで、搬送ユニット200を第2角度θ2となる第2開放位置へ開放することができる。
その操作手順となる操作パネル514内の階層の一例を図6(b)に示している。この例では、操作パネル514において、MENUからメンテナンス、サービスマンモード、搬送ベルト設定というパスにより、搬送ユニット200の開放角度(開放位置)の設定をすることができる。
そして、搬送ベルト設定では、図6(c)に示すように搬送ベルトの開放に関する確認が表示される。ここで、YESを選択すると、搬送ユニット200を第1角度θ1から第2角度θ2に開放することができる。
なお、搬送ユニット200の開放動作は、本来サービスマンが装置のメンテナンスのときに行われる。そのため、使用者が搬送ユニット200を容易に第2角度θ2に開放できないようにすることが好ましい。
そこで、この例では、操作パネル514のメニュー選択の中で、搬送ユニット200の開放操作を深い階層に配置している。
しかしながら、搬送ユニット200の開放設定を深い階層に配置しても、使用者が操作パネル230を操作することで、第2角度θ2まで開放することができる。そのため、搬送ユニット200を第2角度θ2に開放させるときには、図5(c)に示す搬送ベルトの開放確認時に、YESが選択された後に、サービスマンのみが分かるパスワードを求めるようにしても良い。
次に、開放許可を指示する開放許可指示手段をスイッチで構成した例について図7を参照して説明する。図7は同説明に供する説明図である。
ここでは、装置本体1の底面部に開放許可を指示する開放許可スイッチ260を備えている。
このスイッチ260を操作することで、搬送ユニット200を第1角度θ1から第2角度θ2まで開放させることができるようにしている。
開放許可を指示するスイッチ260を装置本体の底面部に配置することにより、使用者が装置本体1を通常使用する際に、スイッチ260の存在に気づくことはない。そのため、スイッチ260の存在を把握しているサービスマン以外の使用者が、不用意にスイッチ260を押して、搬送ユニット200を第2角度θ2に開放することを防ぐことができる。
なお、この例では、搬送ユニット200の第2開放位置への開放許可を指示するスイッチ260を、装置本体の底面部に設置しているが、使用者が誤って操作しない位置や使用者が気づきにくい位置であれば底面部に限定されるものではない。例えば、装置本体の背面にスイッチを設け、そのスイッチを蓋で覆い見えなくするようにしても良い。
次に、搬送ユニット200の開放位置を所定の第1開放位置及び第2開放位置で停止させる搬送ユニット開放位置規制機構(手段)の一例について図8を参照して説明する。図8は同説明に供する説明図である、(a)は(b)の左側面説明図、(b)は側面説明図である。
搬送ユニット開放位置規制機構532は、搬送ユニット200を開放するときの回転中心となる搬送ローラ52の支軸52aに、回転部材234及び回転部材235を固定して連結している。この回転部材234.235は支軸52a、すなわち搬送ユニット200と一体に回転する。
ここで、回転部材234は、重力方向に対して第1角度θ1だけ傾いて支軸52aに取り付けられている。回転部材235は、重力方向に対して第2角度θ2だけ傾いて支軸52aに取り付けられている。また、回転部材235は回転部材234よりも長さが長く形成されている。
一方、回転部材234及び235の回転を規制するピン255を回転軸251に取り付けたアクチュエータであるロータリソレノイド250を配置している。
そこで、ロータリソレノイド250を回転制御することで、ピン255を、回転部材234の回転を規制する位置、回転部材235の回転を規制する位置、及び、回転部材234及び回転部材235の回転を規制しない位置(通常の搬送ベルト51を駆動するとき)に移動することができる。
この場合、回転部材234、235の規制位置の違いは、上述したように回転部材235の長さが回転部材234の長さよりも長いので、ピン255を回転部材234と回転部材235との間にすることで、回転部材234はピン255で規制されず、回転部材235がピン255で規制されるようにすることができる。
次に、この搬送ユニット開放位置規制機構の動作について図9及び図10も参照して説明する。図9は搬送ユニットを第1位置に開放した状態の説明図、図10は搬送ユニットを第2位置に開放した状態の説明図である。
まず、上述した図8は搬送ベルト51を停止している状態で、搬送ユニット200が開放していない状態を示している。
この状態から、搬送ユニット200を第1角度θ1(第1開放位置)まで開放させて停止させるときには、ロータリソレノイド250を回転させて、図9に示すように、ピン255が回転部材234に当たる位置にする。
そして、搬送ユニット200を開放すると、それに伴って上述した回転部材234、235が図9に示す矢印α方向に回転する。
ここで、搬送ユニット200が第1角度θ1まで回転すると、ロータリソレノイド250に取り付けられ水平方向に向いていたピン255が回転部材234と接触してそれ以上の回転を規制するので、搬送ユニット200の開放動作が停止される。そのため、搬送ユニット200は、第1角度θ1の第1開放位置で停止する。
この状態から、搬送ユニット200の第2開放位置への開放許可が指示されたときには、ロータリソレノイド250を回転駆動制御して、図10に示すように、水平方向に向いていたピン255を矢印β方向に回転させ、ピン255を回転部材234よりも下側であって、回転部材235と係わり合う位置まで回転させる。
これにより、搬送ベルト51は第1角度θ1における停止規制状態が解除される。
そこで、搬送ユニット200を更に前カバー101側に向けて開放させると、回転部材234よりも長い回転部材235が、ピン255に突き当たり、搬送ユニット200の開放は停止する。回転部材235は重力方向に対して第2角度θ2の角度分傾いて支軸52aに取り付けられているため、搬送ユニット200の開放がピン255により停止したとき、その開放角度は第2角度θ2となる。
なお、本実施形態では、搬送ユニット200を、第1角度θ1と第2角度θ2で停止させるために、ロータリソレノイドを使用してストッパとなるピン255の位置を変更しているが、これに限るものではない。
次に、この画像形成装置における印刷動作時の制御の一例について図11のフロー図を参照して説明する。
印字を開始したときには、キャリッジ23の走査中に、前カバー開閉センサ520をチェックして前カバー101が閉じているか否かを判別する。そして、前カバー101が閉じているときには、印刷ジョブが終了した否かを判別し、印刷ジョブが終了するまで前カバー101が閉じているかのセンシングを繰り返す。
前カバー101が閉じたまま印刷ジョブが終了したときには、キャリッジ23をホーム位置に戻してキャップ92で記録ヘッド24のインク吐出面をキャッピングする。
これに対して、印字中に前カバー101が開放されたときには、上述したように搬送ユニット200が開放され、印字中の記録ヘッド24からインクを外部に吐出してしまうことになる。
そこで、これを防ぐために、印字中に前カバー101が開かれたときには、記録ヘッド24のインク吐出面をキャッピングしているかを判別する。そして、キャッピングできていなければ、即座に印字を停止する。その後、キャリッジ23をホーム位置に戻してインク吐出面をキャッピングする。
その後、前カバー101が閉じているか否かを判別し、前カバー101が閉じられるまで印字を停止し、待機する。
前カバー101が閉じられたことを検出した場合、印刷ジョブが残っていれば印字動作を実行し、印字ジョブが終了したところで、前述したようにキャリッジ23をホーム位置に移動させ、インク吐出面をキャッピングする。
このような制御により、印字中に使用者が搬送ユニット200を開放したときに記録ヘッド24から液滴が外部に吐出されることを防止する。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、本発明は、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置、ライン型画像形成装置のいずれにも適用することができる。
また、上記実施形態では、用紙を鉛直方向に沿う方向(垂直方向)に搬送し、液滴を水平方向に吐出する例で説明しているが、用紙を鉛直方向に沿う方向(垂直方向)に対して傾斜した方向(この方向も上下方向である。)に搬送し、液滴を水平方向或いは水平方向に対して傾斜した方向に吐出する構成にも適用できる。
2 給紙トレイ
10 用紙(被記録媒体)
23 キャリッジ
24 記録ヘッド
51 搬送ベルト
101 前カバー
200 搬送ユニット
532 搬送ユニット開放位置規制機構

Claims (5)

  1. 装置本体に開閉可能に設けられたカバーと、
    被記録媒体を上下方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送部で搬送される前記被記録媒体に液滴を吐出して画像を形成する記録ヘッドと、を備え、
    前記搬送部は、前記カバーと前記記録ヘッドとの間に配置され、
    前記搬送部は、前記カバーを開放位置に開放した状態で、前記カバーと同じ方向の第1開放位置と、前記第1開放位置よりも開放量が大きい第2開放位置とに開放可能であり、
    前記搬送部を前記第1開放位置から前記第2開放位置への移動を許可する開放許可手段を有し、
    前記カバーを開放したときに、前記搬送部は前記第1開放位置まで開放可能となり、
    前記開放許可手段で許可されたときに、前記搬送部は前記第2開放位置まで開放可能となり、
    前記開放許可手段は、前記搬送部の前記第2開放位置への開放許可を指示する手段を有している
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記搬送部の第1開放位置は、前記記録ヘッドの滴吐出面に触れない角度であり、
    前記搬送部の第2開放位置は、前記記録ヘッドの滴吐出面に触れることが可能な角度である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記開放許可手段は、前記搬送部の開放位置を規制する開放位置規制手段を有し、
    前記開放位置規制手段は、
    前記前記開放許可手段で許可されていないときは、前記搬送部の開放位置を前記第1開放位置で規制し、
    記開放許可手段で許可されたときに、前記搬送部の開放位置を前記第1開放位置から前記第2開放位置に変更する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記指示する手段は、装置本体の操作部のメニュー選択である
    ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記指示する手段は、装置本体の底部に設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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