以下、図面を参照して、本発明の送風装置としての浴室換気乾燥暖房機の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の構成例>
図1〜図3は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示す構成図で、図1は、浴室換気乾燥暖房機の内部構成を示す側面図、図2は、下面側から見た平面図である。また、図3はフロントパネルを取り付けた状態の平面図である。更に、図4は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の設置例を示す構成図である。
第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aの概要を説明すると、浴室換気乾燥暖房機1Aは、循環換気ファン2Aを有した本体部3Aが、フロントパネル4Aを露出させた形態で、浴室100の天井に取り付けられる。
浴室換気乾燥暖房機1Aは、空気を吸い込んで吹き出す循環換気ファン2Aで、浴室100内の空気が吸い込まれる循環換気吸込口20Aと、ヒータ5を有して温風が吹き出される第1の吹出口21Aと、浴室100内の空気を攪拌する風を発生させる第2の吹出口22Aを備える。
また、浴室換気乾燥暖房機1Aは、循環換気ファン2Aで循環換気吸込口20Aから吸い込んだ空気を室外に排気する換気吹出口23Aを備える。更に、浴室換気乾燥暖房機1Aは、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aと、換気吹出口23Aとの間で風路を切り替える風路切替ダンパ6Aを備える。
浴室換気乾燥暖房機1Aは、フロントパネル4Aを通して第2の吹出口22Aから吹き出される空気の流れによって、浴室100内の空気を攪拌する風を発生させることで、浴室100内でフロントパネル4Aを通して第1の吹出口21Aから吹き出される温風が直接当たらないような場所でも、空気の流れを発生させる。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、浴室100に温風を吹き出すと共に、浴室100内を換気して衣類等の乾燥を行う運転モードで、衣類の水分を蒸発し易くして、衣類等の乾燥に要するエネルギーを低減させる。
以下に、浴室換気乾燥暖房機1Aの詳細について説明すると、循環換気ファン2Aは、多翼の羽根車25Aと、羽根車25Aを駆動する循環換気ファンモータ26Aと、風路を形成する循環換気ファンケース27Aを備える。羽根車25Aは、循環換気ファンモータ26Aに駆動されて回転することで、内側から外周側へと遠心方向に吹き出される空気の流れを発生させる。
循環換気ファンケース27Aは、羽根車25Aの外周に沿った円形の部位と、羽根車25Aの接線方向に沿った部位を組み合わせた形状で、羽根車25Aの遠心方向に吹き出される空気を整流して、羽根車25Aの接線方向に沿って吹き出される空気の流れを発生させる。
循環換気ファン2Aは、浴室換気乾燥暖房機1Aが所定の設置場所である浴室の天井に設置された状態で、羽根車25Aの回転軸の向きが上下方向に沿った配置で構成される。
これにより、循環換気ファン2Aは、羽根車25Aの回転軸に沿った下方から吸い込んだ空気を、羽根車25Aの接線方向に吹き出す吹出風路28Aが、循環換気ファンケース27Aにより形成される。
循環換気ファン2Aは、循環換気ファンケース27Aの下面に、空気が吸い込まれる循環換気吸込口20Aを備える。また、循環換気ファン2Aは、循環換気ファンケース27Aの下面に、ヒータ5を駆動することで加熱された空気、あるいは、ヒータ5を非駆動とすることで浴室100内の温度に応じた空気が吹き出される第1の吹出口21Aを備える。
更に、循環換気ファン2Aは、循環換気ファンケース27Aの下面に、浴室100内を攪拌する空気が吹き出される第2の吹出口22Aを備える。また、循環換気ファン2Aは、循環換気ファンケース27Aの側面に、室外へ空気が吹き出される換気吹出口23Aを備える。
循環換気吸込口20Aは、羽根車25Aの回転軸に沿った下方に、ベルマウスと称される円形の開口を設けて構成される。第1の吹出口21Aは、循環換気ファンケース27Aによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Aの下面に設けて構成される。
第2の吹出口22Aは、循環換気ファンケース27Aによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Aの下面において、第1の吹出口21Aに対して循環換気吸込口20Aの反対側に設けて構成される。
循環換気ファンケース27Aで構成される吹出風路28Aは、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aが設けられる部位で広げられ、換気吹出口23Aが設けられる部位で狭められる。第1の吹出口21Aと第2の吹出口22Aは、循環換気ファンケース27Aによる空気の吹出方向に沿った辺に対して交差する長辺が、本体部3Aの幅方向の長さに合わせられる。
第1の吹出口21Aと第2の吹出口22Aは、循環換気ファンケース27Aの下面に設けられた風路形成枠体50Aで構成される。第1の吹出口21Aと第2の吹出口22Aは、風路形成枠体50Aの内側に設けられる仕切り部材51Aにより仕切られ、第1の吹出口21Aから吹き出される空気が通る加熱空気吹出風路と、第2の吹出口22Aから吹き出される空気が通る攪拌空気吹出風路が形成される。
第1の吹出口21Aと第2の吹出口22Aは、第1の吹出口21Aから吹き出される空気の風量が多く、第2の吹出口22Aから吹き出される空気の風速が速くなるように、第1の吹出口21Aに対して第2の吹出口22Aの開口が小さく構成される。
本例では、第1の吹出口21Aと第2の吹出口22Aは、循環換気ファンケース27Aによる空気の吹出方向に沿った短辺が、第1の吹出口21Aに対して第2の吹出口22Aが短く構成される。また、第1の吹出口21Aの長辺に対して第2の吹出口22Aの長辺が短く構成される。ここで、第1の吹出口21Aと第2の吹出口22Aの長辺は同じ長さであっても良い。
風路切替ダンパ6Aは風路開閉手段の一例で、循環換気ファンケース27Aの下面に設けられる第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aと、循環換気ファンケース27Aの側面に設けられる換気吹出口23Aとの間に、回転による開閉動作の軸60Aが設けられる。
風路切替ダンパ6Aは、図示しないダンパモータの駆動力が伝達され、軸60Aを支点に回転して、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aと、換気吹出口23Aとの開閉動作を行う。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、風路切替ダンパ6Aの位置を、図1に実線で示すように換気吹出口23Aを閉じる循環位置とすると、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aが開いて、循環換気吸込口20Aから第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aへ連通した循環風路が形成される。
また、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、風路切替ダンパ6Aの位置を、図1に一点鎖線で示すように第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aを閉じる換気位置とすると、換気吹出口23Aが開いて、循環換気吸込口20Aから換気吹出口23Aへ連通した換気風路が形成される。
更に、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、風路切替ダンパ6Aの位置を、図1に破線で示す循環位置と換気位置の間の循環換気位置とすると、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aと、換気吹出口23Aの双方が開いて、循環風路と換気風路の双方が形成される。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、1つの循環換気ファン2Aで、浴室100内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を浴室100内に吹き出す動作、吸い込んだ空気を室外に排気する動作、吸い込んだ空気の一部を浴室100内に吹き出し、残部を室外に排気する動作が行われる。
循環換気位置にある風路切替ダンパ6Aは、吹出風路28Aを通る空気を第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aに誘導するため、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aに面した部位が凹状に湾曲した形状を有する。
一方で、第1の吹出口21Aにはヒータ5が設けられており、通気抵抗が高い。また、第2の吹出口22Aは、吹出風路28Aにおいて、より風速の速い位置に設けられており、空気が流れやすい。
そこで、風路切替ダンパ6Aの形状によって、第2の吹出口22Aに流れる風量を減らす。また、吹出風路28Aにおける空気の吹出方向に対して、第2の吹出口22Aを第1の吹出口21Aの下流側に配置して、第2の吹出口22Aをより風速の速い位置に設ける。更に、第2の吹出口22Aの開口を第1の吹出口21Aより小さくして、第2の吹出口22Aから吹き出される空気の風速を速くする。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Aは、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aの配置及び大きさの関係と、風路切替ダンパ6Aの形状から、第1の吹出口21Aから吹き出される空気の風量が多く、第2の吹出口22Aから吹き出される空気の風速が速くなるように構成される。
ヒータ5は加熱手段の一例で、本例ではPTCヒータで構成され、第1の吹出口21Aから吹き出された空気が通る加熱空気吹出風路に設けられる。第1の吹出口21Aと第2の吹出口22Aは、仕切り部材51Aにより仕切られており、第2の吹出口22Aから吹き出される空気は、ヒータ5を通過しない。なお、第1の吹出口21Aと第2の吹出口22Aとの間に仕切り部材が設けられていない構成でも、ヒータ5が設けられる部位と設けられていない部位で風路を分けることができる。
ヒータ5が駆動されて通電されると、ヒータ5が加熱されることで第1の吹出口21Aを通る空気が加熱され、第1の吹出口21Aから温風が吹き出される。ここで、ヒータ5は、棒状のヒータ部材に長手方向に沿って多数のフィンが取り付けられた構成で、フィンが並ぶ方向を、第1の吹出口21Aの長手方向に沿った向きとして第1の吹出口21Aに取り付けられる。
また、第1の吹出口21Aの短手方向の幅は、2本のヒータ5が並べて取り付けられる長さを有し、本例では、2本のヒータ5が第1の吹出口21Aの短手方向に並べて取り付けられる。なお、ヒータ5の本数は例えば電源電圧等に応じて設定され、1本のヒータ5が取り付けられる構成でも良い。また、本例では、加熱手段として電気により駆動されるヒータ5を例に説明したが、温水による熱交換器等のヒータでも良い。
本体部3Aは、循環換気ファンケース27Aを構成する本体シャーシ30Aと、本体シャーシ30Aを覆う金属ケース31Aを備える。本体シャーシ30Aは樹脂材料で構成され、金属ケース31Aで覆われる循環換気ファンケース27Aと、本体部3Aの下端の周縁から外側に突出するフランジ部32Aが、一体で構成される。
本体シャーシ30Aは、金属ケース31Aから露出した下面に下カバー33Aが取り付けられる。循環換気ファン2Aは、循環換気吸込口20Aと、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aが下カバー33Aに設けられ、下カバー33Aに風路形成枠体50Aが取り付けられる。
金属ケース31Aは、循環換気ファン2Aの換気吹出口23Aに対向して開口が設けられ、換気吹出口23Aと連通した排気ダクトジョイント34Aが側面に取り付けられる。
浴室換気乾燥暖房機1Aは、本体部3Aの下面にフロントパネル4Aが取り付けられる。フロントパネル4Aは、循環換気ファン2Aの循環換気吸込口20Aに対向した下面を開口して吸込口グリル40Aが形成される。
また、フロントパネル4Aは、循環換気ファン2Aの第1の吹出口21Aに対向した下面を開口して第1の吹出口グリル41Aが形成されると共に、第2の吹出口22Aに対向した下面を開口して第2の吹出口グリル42Aが形成される。
第1の吹出口グリル41Aは、本体部3Aの一の辺に沿った方向の長さを長くした長方形の開口で構成される。また、第2の吹出口グリル42Aは、第1の吹出口グリル41Aと同様に、本体部3Aの一の辺に沿った方向の長さを長くした長方形の開口で構成される。
第1の吹出口グリル41Aは、長手方向に沿って空気が吹き出されるように、整流板が設けられる。第2の吹出口グリル42Aは、第1の吹出口グリル41Aと並列する短手方向に沿って、第1の吹出口グリル41Aと反対側である本体部3Aの外側に向けて空気が吹き出されるように、整流板43Aが設けられる。
<第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の設置例>
次に、各図を参照して、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aの設置例について説明する。
浴室換気乾燥暖房機1Aは、図4に示すように、浴室100の天井パネル101に設置される。浴室100の天井パネル101には、浴室換気乾燥暖房機1Aの本体部3Aが取り付けられる開口部が形成され、浴室換気乾燥暖房機1Aは、例えば、フランジ部32Aが図示しないネジで補強部材に固定される形態で、天井パネル101に取り付けられる。
そして、浴室換気乾燥暖房機1Aは、本体部3Aの下面にフロントパネル4Aが取り付けられ、フロントパネル4Aの吸込口グリル40Aと、第1の吹出口グリル41A及び第2の吹出口グリル42Aが、浴室100内に面して配置される。
浴室100の天井パネル101に設置された浴室換気乾燥暖房機1Aは、本体部3Aの排気ダクトジョイント34Aに排気ダクト102が取り付けられる。排気ダクト102は、浴室100が設置される図示しない建物の外壁に取り付けられる屋外グリル102aと接続され、浴室換気乾燥暖房機1Aは、排気ダクト102を介して屋外とつながっている。
浴室100は、浴槽103と洗い場104を備える。浴槽103は一般的に長方形であり、浴槽103と洗い場104は、浴槽103の短手方向に沿って並んでいる。
浴室100は、浴槽103の上部に物干し部材であるランドリパイプ105を備える。ランドリパイプ105は、浴槽103の長手方向に沿って延び、浴室100の対向する壁面106a,106b間に取り付けられる。
なお、浴室100に設置されるランドリパイプ105の本数は、1本または2本程度であり、本例では、1本のランドリパイプ105が配置された例を示す。また、物干し部材は、洗濯物等の被乾燥物が乾燥できるようになっていれば、パイプ状の部材に限らず、紐状であっても良く、他のものであっても良い。
浴室換気乾燥暖房機1Aは、第1の吹出口グリル41A及び第2の吹出口グリル42Aの長手方向の向きが、ランドリパイプ105の長手方向に対して直交する向きで、浴槽103の上部に設置される。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される空気は、主にランドリパイプ105と直交する方向に広がる。これに対して、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気は、第2の吹出口グリル42Aが設けられる側の浴室100の壁面106aに向けられる。
<第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の動作例>
図5は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機における浴室内の空気の流れを示す動作説明図で、次に、各図を参照して、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aの動作例について説明する。
浴室換気乾燥暖房機1Aは、乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Aを図1に破線で示す循環換気位置にし、循環換気ファンモータ26Aを駆動して羽根車25Aを回転させると共に、ヒータ5に通電する。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、羽根車25Aが回転すると、フロントパネル4Aの吸込口グリル40Aから、浴室100内の空気が循環換気吸込口20Aに吸い込まれる。
乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Aが循環換気位置にあるので、吹出風路28Aでは、循環換気吸込口20Aから第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aへ連通した循環風路と、循環換気吸込口20Aから換気吹出口23Aへ連通した換気風路の双方が形成されている。
これにより、羽根車25Aが回転することで循環換気吸込口20Aから吸い込まれた浴室100の空気RAの一部は、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aへと流れる。また、循環換気吸込口20Aから吸い込まれた浴室100の空気の残部は、換気吹出口23Aへと流れ、排気ダクト102を通り屋外グリル102aから排気EAとして屋外へ排気される。
乾燥運転モードでは、第1の吹出口21Aに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Aの第1の吹出口グリル41Aから温風HAが吹き出される。第2の吹出口22Aに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Aの第2の吹出口グリル42Aから、室温に応じた空気Aが吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される空気は、ランドリパイプ105の長手方向及びランドリパイプ105と直交する方向に広がる。
但し、浴室換気乾燥暖房機1Aは、第1の吹出口グリル41Aの長手方向がランドリパイプ105と直交する向きに配置されるので、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される空気は、主にランドリパイプ105に直交する方向に広がる。
このため、第1の吹出口グリル41Aの直下近傍のランドリパイプ105に掛けられた衣類等の被乾燥物に対しては、幅方向の全体に温風が当てられる。これに対して、第1の吹出口グリル41Aの直下から離れた位置のランドリパイプ105に掛けられた被乾燥物に対しては、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される温風が直接は当たりにくい。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気Aは、第1の吹出口グリル41Aに対して第2の吹出口グリル42Aが設けられる側の浴室100の壁面106aに向けられる。
第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気は、上述したように、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aの配置及び大きさの関係から、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される空気より風速が速い。また、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気は、ヒータ5を通らないので、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される空気より温度が低い。
これにより、図5(a)に示すように、乾燥モードで第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気Aは、浴室100の一方の壁面106aに当てられ、矢印A1に示すように壁面106aに沿って下方に流れる。壁面106aに沿って下方に流れる空気は、矢印A2に示すように、浴室100の下層付近を、主に他方の壁面106bに向かって流れる。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、吸込口グリル40Aから吸い込まれる空気RAによって、浴室100内で空気を循環させる流れを生じさせているので、浴室100の下層付近を他方の壁面106bに向かって流れる空気は、矢印A3に示すように壁面106bに沿って上方に流れ、吸込口グリル40Aから吸い込まれる。
このように、浴室換気乾燥暖房機1Aでは、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される風速の速い空気によって、浴室100の一方の壁面106aに沿って下方に向かい、浴室100の下層付近を他方の壁面106bに向かい、他方の壁面106bに沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
乾燥運転モードで浴室換気乾燥暖房機1Aの第1の吹出口グリル41Aから吹き出される空気は、ヒータ5で加熱された温風で、相対湿度が下げられているので、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気に比べ軽い。
このため、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される空気に比べ重い第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気は、浴室100の下層まで流れ、浴室100内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができる。
これにより、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される温風が、直接は当たりにくい第1の吹出口グリル41Aの直下から離れた位置のランドリパイプ105に掛けられた被乾燥物付近にも、空気の流れを生じさせることができる。
第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aの配置及び大きさの関係と、風路切替ダンパ6Aの形状から、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される温風の風量は、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気より多い。よって、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気で攪拌される浴室100内の空気の流れで、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される十分な量の温風HAを、浴室100内で循環させることができる。
従って、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、従来とヒータ5の出力を同じとすれば、乾燥時間を短縮することができ、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。また、従来と乾燥時間を同じとすれば、ヒータ5の出力を低下させることができ、やはり被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。また、浴室100内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、被乾燥物の乾燥を促進することができる。
本例では、ランドリパイプ105が1本の例で説明したが、ランドリパイプ105が2本設けられるような浴室でも、各ランドリパイプの任意の位置に掛けられた被乾燥物の周辺に、空気の流れを生じさせることができるので、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。なお、乾燥運転モードでは、循環換気ファン2Aの駆動開始と共にヒータ5を駆動して、運転当初より温風を吹き出す例で説明したが、運転当初ではヒータ5を非駆動として室温に応じた送風を吹き出し、所定の時間経過後、ヒータ5を駆動して温風を吹き出すようにしても良い。ヒータ5の駆動を遅延する運転でも、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。
浴室換気乾燥暖房機1Aは、循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Aを図1に破線で示す循環換気位置にし、ヒータ5を非駆動として、循環換気ファンモータ26Aを駆動して羽根車25Aを回転させる。ここで、上述した乾燥運転モードと循環換気運転モードでは、循環換気運転モードの方が、屋外へ排気される風量である換気風量が多くなるように、風路切替ダンパ6Aの開度を変更しても良い。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、羽根車25Aが回転することで、フロントパネル4Aの吸込口グリル40Aから、浴室100内の空気が循環換気吸込口20Aに吸い込まれる。
循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Aが循環換気位置にあるので、循環換気吸込口20Aから吸い込まれた浴室100の空気の一部は、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aへと流れる。また、循環換気吸込口20Aから吸い込まれた浴室100の空気の残部は、換気吹出口23Aへと流れ、屋外へ排気される。
循環換気運転モードでは、第1の吹出口21Aに流れる空気は、ヒータ5が非駆動であるので、フロントパネル4Aの第1の吹出口グリル41Aから、室温に応じた空気CAが吹き出される。第2の吹出口22Aに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Aの第2の吹出口グリル42Aから、室温に応じた空気Aが吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、図5(b)に示すように、循環換気運転モードでも、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される風速の速い空気によって、浴室100の一方の壁面106aに沿って下方に向かい、浴室100の下層付近を他方の壁面106bに向かい、他方の壁面106bに沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
これにより、循環換気運転モードでも、浴室100内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができ、浴室100内で、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される空気が直接は当たりにくいような場所でも、空気の流れを生じさせることができる。
従って、浴室100の各壁面、床面等の乾燥時間を短縮することができる。また、浴室100内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、浴室100の各壁面、床面等の乾燥を促進することができる。
浴室換気乾燥暖房機1Aで実行される他の運転モードとしては、暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Aを図1に実線で示す循環位置にして、ヒータ5に通電すると共に、循環換気ファンモータ26Aを駆動して羽根車25Aを回転させる。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、羽根車25Aが回転することで、フロントパネル4Aの吸込口グリル40Aから、浴室100内の空気が循環換気吸込口20Aに吸い込まれる。
暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Aが循環位置にあるので、循環換気吸込口20Aから吸い込まれた浴室100の空気の略全量が、第1の吹出口21A及び第2の吹出口22Aへと流れる。
暖房運転モードでは、第1の吹出口21Aに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Aの第1の吹出口グリル41Aから温風が吹き出される。第2の吹出口22Aに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Aの第2の吹出口グリル42Aから、室温に応じた空気が吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、暖房運転モードでも、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される風速の速い空気によって、浴室100の一方の壁面106aに沿って下方に向かい、浴室100の下層付近を他方の壁面106bに向かい、他方の壁面106bに沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
これにより、暖房運転モードでも、浴室100内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができる。暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Aが循環位置にあるので、浴室100内の空気は換気されない。よって、浴室換気乾燥暖房機1Aで吸込口グリル40Aから吸い込まれる空気の温度が、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される温風で浴室100内が暖房されることで上昇し、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される空気の温度も上昇する。
従って、暖房運転モードでは、第2の吹出口グリル42Aから吹き出される室温に応じた空気で攪拌される浴室100内の空気の流れで、第1の吹出口グリル41Aから吹き出される十分な量の温風を、浴室100内で循環させて、浴室100内の温度を入浴に適した温度に上昇させることができる。
換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Aを図1に一点鎖線で示す換気位置にし、ヒータ5非駆動として、循環換気ファンモータ26Aを駆動して羽根車25Aを回転させる。
浴室換気乾燥暖房機1Aでは、羽根車25Aが回転することで、フロントパネル4Aの吸込口グリル40Aから、浴室100内の空気が循環換気吸込口20Aに吸い込まれる。
換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Aが換気位置にあるので、循環換気吸込口20Aから吸い込まれた浴室100の空気の略全量が換気吹出口23Aへと流れ、屋外へ排気される。従って、換気運転モードでは、浴室100内の湯気や湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
<第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の構成例>
図6は、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の一例を示す構成図で、図6は、浴室換気乾燥暖房機の内部構成を示す側面図である。
第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Bの概要を説明すると、浴室換気乾燥暖房機1Bは、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aと同様に、浴室100内の空気を攪拌する風を発生させる構成で、この浴室100内の空気を攪拌する風を発生させる空気の吹き出しの有無を、運転モードに応じて切り替えられるようにしたものである。
すなわち、浴室換気乾燥暖房機1Bは、循環換気ファン2Bを有した本体部3Bが、図4に示す設置形態と同様に、フロントパネル4Bを露出させた形態で、浴室100の天井に取り付けられる。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、空気を吸い込んで吹き出す循環換気ファン2Bで、浴室100内の空気が吸い込まれる循環換気吸込口20Bと、ヒータ5を有して温風が吹き出される第1の吹出口21Bと、浴室100内の空気を攪拌する風を発生させる第2の吹出口22Bを備える。
また、浴室換気乾燥暖房機1Bは、循環換気ファン2Bで循環換気吸込口20Bから吸い込んだ空気を室外に排気する換気吹出口23Bを備える。更に、浴室換気乾燥暖房機1Bは、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bと、換気吹出口23Bとの間で風路を切り替える風路切替ダンパ6Bを備える。また、浴室換気乾燥暖房機1Bは、第2の吹出口22Bを開閉する攪拌風路開閉ダンパ7Bを備える。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、フロントパネル4Bを通して第2の吹出口22Bから吹き出される空気の流れによって、浴室100内の空気を攪拌する風を発生させることで、浴室100内でフロントパネル4Bを通して第1の吹出口21Bから吹き出される温風が直接当たらないような場所でも、空気の流れを発生させる。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、浴室100に温風を吹き出すと共に、浴室100内を換気して衣類等の乾燥を行う乾燥運転モードで、衣類の水分を蒸発し易くして、衣類等の乾燥に要するエネルギーを低減させる。
また、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、浴室100に温風を吹き出す暖房運転モードでは、攪拌風路開閉ダンパ7Bで第2の吹出口22Bを閉じることで、浴室100にいる入浴者が、寒さを感じることを防ぐ。
以下に、浴室換気乾燥暖房機1Bの詳細について説明する。ここで、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、攪拌風路開閉ダンパ7Bを備えた構成と、風路切替ダンパ6Bと攪拌風路開閉ダンパ7Bを連動させる構成以外は、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aと同様の構成でも良い。
循環換気ファン2Bは、多翼の羽根車25Bと、羽根車25Bを駆動する循環換気ファンモータ26Bと、風路を形成する循環換気ファンケース27Bを備える。循環換気ファン2Bは、羽根車25Bが循環換気ファンモータ26Bに駆動されて回転することで遠心方向に吹き出される空気を、循環換気ファンケース27Bで整流して、羽根車25Bの接線方向に沿って吹き出される空気の流れを発生させる。
循環換気吸込口20Bは、羽根車25Bの回転軸に沿った下方に、ベルマウスと称される円形の開口を設けて構成される。第1の吹出口21Bは、図2に示す第1の吹出口21Aと同様に、循環換気ファンケース27Bによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Bの下面に設けて構成される。
第2の吹出口22Bは、図2に示す第2の吹出口22Aと同様に、循環換気ファンケース27Bによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Bの下面において、第1の吹出口21Bに対して循環換気吸込口20Bの反対側に設けて構成される。
循環換気ファンケース27Bで構成される吹出風路28Bは、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bが設けられる部位で広げられ、換気吹出口23Bが設けられる部位で狭められる。
第1の吹出口21Bと第2の吹出口22Bは、循環換気ファンケース27Bの下面に設けられた風路形成枠体50Bで構成される。第1の吹出口21Bと第2の吹出口22Bは、風路形成枠体50Bの内側に設けられる仕切り部材51Bにより仕切られ、第1の吹出口21Bから吹き出される空気が通る加熱空気吹出風路と、第2の吹出口22Bから吹き出される空気が通る攪拌空気吹出風路が形成される。
第1の吹出口21Bと第2の吹出口22Bは、第1の吹出口21Bから吹き出される空気の風量が多く、第2の吹出口22Bから吹き出される空気の風速が速くなるように、第1の吹出口21Bに対して第2の吹出口22Bの開口が小さく構成される。
本例では、第1の吹出口21Bと第2の吹出口22Bは、循環換気ファンケース27Bによる空気の吹出方向に沿った短辺が、第1の吹出口21Bに対して第2の吹出口22Bが短く構成される。また、第1の吹出口21Bの長辺に対して第2の吹出口22Bの長辺が短く構成される。ここで、第1の吹出口21Bと第2の吹出口22Bの長辺は同じ長さであっても良い。
風路切替ダンパ6Bは風路開閉手段の一例で、循環換気ファンケース27Bの下面に設けられる第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bと、循環換気ファンケース27Bの側面に設けられる換気吹出口23Bとの間に、回転による開閉動作の軸60Bが設けられる。
攪拌風路開閉ダンパ7Bは開閉手段の一例で、回転動作で第2の吹出口22Bを開閉する。本例では、攪拌風路開閉ダンパ7Bの回転動作の軸が、風路切替ダンパ6Bの軸60Bと同軸上に配置される。
図7は、風路開閉ダンパの駆動機構の一例を示す側面図、図8は、風路開閉ダンパの駆動機構の一例を示す分解斜視図で、次に、各図を参照して、単一の駆動源で、風路切替ダンパ6Bと攪拌風路開閉ダンパ7Bを連動させる構成について説明する。
風路切替ダンパ6Bと攪拌風路開閉ダンパ7Bは、ダンパモータ61Bにより駆動される。ダンパモータ61Bは、回転動作による変位で、本例ではモータ軸を支点とした回転で、風路切替ダンパ6Bと攪拌風路開閉ダンパ7Bを開閉する突起部62Bと、攪拌風路開閉ダンパ7Bの回転を規制する規制カム部63Bを備える。また、ダンパモータ61Bは、図示しないセンサで回転角度を検知するための磁石64Bを備える。
風路切替ダンパ6Bは、回転動作の軸60Bと、突起部62Bが挿入されてダンパモータ61Bからの駆動力が伝達される開閉ガイド溝部65Bを備える。軸60Bは、風路切替ダンパ6Bの幅方向の両側部から外側に向かって突出する。開閉ガイド溝部65Bは、風路切替ダンパ6Bの一方の側部に、突起部62Bが挿入される直線状の開口を設けて構成される。
攪拌風路開閉ダンパ7Bは、風路切替ダンパ6Bの軸60Bに支持される軸受部70Bと、突起部62Bが挿入されてダンパモータ61Bからの駆動力が伝達される開閉ガイドカム溝部71Bと、規制カム部63Bと接して回転が記載される規制突起部72Bを備える。
軸受部70Bは、攪拌風路開閉ダンパ7Bの幅方向の両側部に設けられ、風路切替ダンパ6Bの軸60Bに回転可能に支持される。開閉ガイドカム溝部71Bは、攪拌風路開閉ダンパ7Bの一方の側部に、突起部62Bが挿入される所定形状の開口を設けて構成される。規制突起部72Bは、開閉ガイドカム溝部71Bから外側に向かって突出する。
開閉ガイドカム溝部71Bは、図8(b)に示すように連続したカム面で構成され、ダンパモータ61Bの回転による突起部62Bの変位で押圧されて、第2の吹出口22Bを開いた状態の攪拌風路開閉ダンパ7Bを閉じる開閉部73Bを備える。また、開閉ガイドカム溝部71Bは、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを閉じた状態で、ダンパモータ61Bの回転による突起部62Bの軌跡に沿った形状を有して、攪拌風路開閉ダンパ7Bを全閉状態で保持する全閉部74Bを備える。
更に、開閉ガイドカム溝部71Bは、第2の吹出口22Bを閉じた状態の攪拌風路開閉ダンパ7Bを開く開閉部75Bを備える。また、開閉ガイドカム溝部71Bは、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを開いた状態で、ダンパモータ61Bの回転による突起部62Bの軌跡に沿った形状を有して、攪拌風路開閉ダンパ7Bを全開状態で保持する全開部76Bを備える。
規制突起部72Bは、規制カム部63Bの外周面に接する。上述したように、開閉ガイドカム溝部71Bに設けた全閉部74Bと全開部76Bは、ダンパモータ61Bの回転による突起部62Bの軌跡に沿った形状を有しているため、突起部62Bが全閉部74Bと全開部76Bと接する範囲では、攪拌風路開閉ダンパ7Bが軸60Bを支点に回転可能である。
そこで、規制カム部63Bは、攪拌風路開閉ダンパ7Bが全開状態あるいは全閉状態にある場合に、規制突起部72Bと接する形状とすることで、全開状態あるいは全閉状態にある攪拌風路開閉ダンパ7Bが、空気圧等で開閉しないように構成される。
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、ダンパモータ61Bを駆動すると、ダンパモータ61Bの回転で突起部62Bが変位する。風路切替ダンパ6Bは、開閉ガイド溝部65Bに突起部62Bが挿入されており、突起部62Bが開閉ガイド溝部65Bに沿って変位することで開閉ガイド溝部65Bが押圧される。これにより、風路切替ダンパ6Bは、軸60Bを支点に回転して、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bと、換気吹出口23Bとの開閉動作を行う。
攪拌風路開閉ダンパ7Bは、開閉ガイドカム溝部71Bに突起部62Bが挿入されており、突起部62Bが開閉ガイドカム溝部71Bに沿って変位することで開閉ガイドカム溝部71Bが押圧される。これにより、攪拌風路開閉ダンパ7Bは、軸60Bを支点に回転して、第2の吹出口22Bの開閉動作を行う。
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、ダンパモータ61Bを所定の位置に回転させ、風路切替ダンパ6Bの位置を、図6に実線で示すように換気吹出口23Bを閉じる循環位置とすると、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを閉じる。これにより、第1の吹出口21Bが開いて、循環換気吸込口20Bから第1の吹出口21Bへ連通した循環風路が形成される。
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、ダンパモータ61Bを所定の位置に回転させ、風路切替ダンパ6Bの位置を、図6に一点鎖線で示すように第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bを閉じる換気位置とすると、換気吹出口23Bが開いて、循環換気吸込口20Bから換気吹出口23Bへ連通した換気風路が形成される。
また、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、風路切替ダンパ6Bの位置を換気位置とすると、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを開く。但し、風路切替ダンパ6Bで第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bが閉じられているので、第2の吹出口22Bから空気が吹き出されない。
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、ダンパモータ61Bを所定の位置に回転させ、風路切替ダンパ6Bの位置を、図6に破線で示す循環位置と換気位置の間の循環換気位置とすると、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bと、換気吹出口23Bの双方が開いて、循環風路と換気風路の双方が形成される。
また、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、風路切替ダンパ6Bの位置を循環換気位置とすると、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを開く。ここで、攪拌風路開閉ダンパ7Bで第2の吹出口22Bを開いた状態では、風路切替ダンパ6Bの開度が切り替えられ、換気吹出口23Bから吹き出される風量が変更可能に構成される。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、1つの循環換気ファン2Bで、浴室100内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を浴室100内に吹き出す動作、吸い込んだ空気を室外に排気する動作、吸い込んだ空気の一部を浴室100内に吹き出し、残部を室外に排気する動作が行われる。また、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、1つのダンパモータ61Bで、風路切替ダンパ6Bと攪拌風路開閉ダンパ7Bの開閉が連動して行われる。
第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aと同様に、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Bでは、循環換気位置にある風路切替ダンパ6Bは、吹出風路28Bを通る空気を第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bに誘導するため、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bに面した部位が凹状に湾曲した形状を有する。
一方で、第1の吹出口21Bにはヒータ5が設けられており、通気抵抗が高い。また、第2の吹出口22Bは、吹出風路28Bにおいて、より風速の速い位置に設けられており、空気が流れやすい。
そこで、風路切替ダンパ6Bの形状によって、第2の吹出口22Bに流れる風量を減らす。また、吹出風路28Bにおける空気の吹出方向に対して、第2の吹出口22Bを第1の吹出口21Bの下流側に配置して、第2の吹出口22Bをより風速の速い位置に設ける。更に、第2の吹出口22Bの開口を第1の吹出口21Bより小さくして、第2の吹出口22Bから吹き出される空気の風速を速くする。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Bでも、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bの配置及び大きさの関係と、風路切替ダンパ6Bの形状から、第1の吹出口21Bから吹き出される空気の風量が多く、第2の吹出口22Bから吹き出される空気の風速が速くなるように構成される。
第1の吹出口21Bと連通しヒータ5が設けられる加熱空気吹出風路は、第2の吹出口22Bと連通した攪拌空気吹出風路と、仕切り部材51Bにより仕切られている。
ヒータ5が駆動されて通電されると、ヒータ5が加熱されることで第1の吹出口21Bを通る空気が加熱され、第1の吹出口21Bから温風が吹き出される。これに対して、第2の吹出口22Bから吹き出された空気は、ヒータ5を通過せず、加熱が行われない。
本体部3Bは、循環換気ファンケース27Bを構成する本体シャーシ30Bが金属ケース31Bで覆われる。本体部3Bは、樹脂材料で構成される本体シャーシ30Bで循環換気ファン2Bと一体に構成されたフランジ部32Bが、下端の周縁から外側に突出する。
本体シャーシ30Bは、金属ケース31Bから露出した下面に下カバー33Bが取り付けられる。循環換気ファン2Bは、循環換気吸込口20Bと、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bが下カバー33Bに設けられ、下カバー33Bに風路形成枠体50Bが取り付けられる。
金属ケース31Bは、循環換気ファン2Bの換気吹出口23Bに対向して開口が設けられ、換気吹出口23Bと連通した排気ダクトジョイント34Bが側面に取り付けられる。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、本体部3Bの下面にフロントパネル4Bが取り付けられる。フロントパネル4Bは、循環換気ファン2Bの循環換気吸込口20Bに対向した下面を開口して吸込口グリル40Bが形成される。
また、フロントパネル4Bは、循環換気ファン2Bの第1の吹出口21Bに対向した下面を開口して第1の吹出口グリル41Bが形成されると共に、第2の吹出口22Bに対向した下面を開口して第2の吹出口グリル42Bが形成される。
第1の吹出口グリル41Bは、本体部3Bの一の辺に沿った方向の長さを長くした長方形の開口で構成される。また、第2の吹出口グリル42Bは、第1の吹出口グリル41Bと同様に、本体部3Bの一の辺に沿った方向の長さを長くした長方形の開口で構成される。
第1の吹出口グリル41Bは、長手方向に沿って空気が吹き出されるように、整流板が設けられる。第2の吹出口グリル42Bは、第1の吹出口グリル41Bと並列する短手方向に沿って、第1の吹出口グリル41Bと反対側である本体部3Bの外側に向けて空気が吹き出されるように、整流板43Bが設けられる。
<第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の動作例>
図9は、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機における浴室内の空気の流れを示す動作説明図、図10〜図13は、各運転モードにおける風路の開閉を示す動作説明図で、次に、各図を参照して、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Bの動作例について説明する。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Bを循環換気位置として図10に示す第1の循環換気位置にする。浴室換気乾燥暖房機1Bでは、ダンパモータ61Bを所定の位置に回転させ、風路切替ダンパ6Bの位置を第1の循環換気位置とすると、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bと、換気吹出口23Bの双方が開いて、循環風路と換気風路の双方が形成される。
また、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、風路切替ダンパ6Bの位置を第1の循環換気位置とすると、ダンパモータ61Bの駆動で変位する突起部62Bが、開閉ガイドカム溝部71Bの開閉部75Bを押して全開部76Bに位置し、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを開く。
攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを開いた状態では、攪拌風路開閉ダンパ7Bの規制突起部72Bが規制カム部63Bと接し、全開状態にある攪拌風路開閉ダンパ7Bが、空気圧等で開閉しないように動作が規制される。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Bを第1の循環換気位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Bで第2の吹出口22Bを開くと、循環換気ファンモータ26Bを駆動して羽根車25Bを回転させると共に、ヒータ5に通電する。
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、羽根車25Bが回転すると、フロントパネル4Bの吸込口グリル40Bから、浴室100内の空気が循環換気吸込口20Bに吸い込まれる。
乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Bが第1の循環換気位置にあるので、羽根車25Bが回転することで循環換気吸込口20Bから吸い込まれた浴室100の空気の一部は、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bへと流れる。また、循環換気吸込口20Bから吸い込まれた浴室100の空気の残部は、換気吹出口23Bへと流れて屋外へ排気される。
乾燥運転モードでは、第1の吹出口21Bに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Bの第1の吹出口グリル41Bから温風HAが吹き出される。
また、乾燥運転モードでは、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを開いているので、第2の吹出口22Bにも空気が流れる。第2の吹出口22Bに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Bの第2の吹出口グリル42Bから、室温に応じた空気Aが吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、第1の吹出口グリル41Bから吹き出される温風は、ランドリパイプ105の長手方向及びランドリパイプ105と直交する方向に広がる。
但し、浴室換気乾燥暖房機1Bは、第1の吹出口グリル41Bの長手方向がランドリパイプ105と直交する向きに配置されるので、第1の吹出口グリル41Bから吹き出される温風は、主にランドリパイプ105に直交する方向に広がる。
このため、第1の吹出口グリル41Bの直下近傍のランドリパイプ105に掛けられた衣類等の被乾燥物に対しては、幅方向の全体に温風が当てられる。これに対して、第1の吹出口グリル41Bの直下から離れた位置のランドリパイプ105に掛けられた被乾燥物に対しては、第1の吹出口グリル41から吹き出される温風が直接は当たりにくい。
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、第2の吹出口グリル42Bから吹き出される空気は、第1の吹出口グリル41Bに対して第2の吹出口グリル42Bが設けられる側の浴室100の壁面106aに向けられる。
第2の吹出口グリル42Bから吹き出される空気は、上述したように、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bの配置及び大きさの関係から、第1の吹出口グリル41Bから吹き出される空気より風速が速い。また、第2の吹出口グリル42Bから吹き出される空気は、ヒータ5を通らないので、第1の吹出口グリル41Bから吹き出される空気より温度が低い。
これにより、乾燥モードでは、図9(a)に示すように、第2の吹出口グリル42Bから吹き出される空気Aは、浴室100の一方の壁面106aに当てられ、矢印A1で示すように壁面106aに沿って下方に流れる。壁面106aに沿って下方に流れる空気は、矢印A2で示すように浴室100の下層付近を、主に他方の壁面106bに向かって流れる。
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、吸込口グリル40Bから吸い込まれる空気RAによって、浴室100内で空気を循環させる流れを生じさせているので、浴室100の下層付近を他方の壁面106bに向かって流れる空気は、矢印A3で示すように壁面106bに沿って上方に流れ、吸込口グリル40Bから吸い込まれる。
このように、浴室換気乾燥暖房機1Bでも、第2の吹出口グリル42Bから吹き出される風速の速い空気によって、浴室100の一方の壁面106aに沿って下方に向かい、浴室100の下層付近を他方の壁面106bに向かい、他方の壁面106bに沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
乾燥運転モードでは、浴室換気乾燥暖房機1Bの第1の吹出口グリル41Bから吹き出される空気は、ヒータ5で加熱されて温度が上げられ、相対湿度が下げられているので、第2の吹出口グリル42Bから吹き出される空気に比べ軽い。
このため、第1の吹出口グリル41Bから吹き出される空気に比べ重い第2の吹出口グリル42Bから吹き出される空気は、浴室100の下層まで流れ、浴室100内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができる。
これにより、第1の吹出口グリル41Bから吹き出される温風が、直接は当たりにくい第1の吹出口グリル41Bの直下から離れた位置のランドリパイプ105に掛けられた被乾燥物付近にも、空気の流れを生じさせることができる。
第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bの配置及び大きさの関係と、風路切替ダンパ6Bの形状から、第1の吹出口グリル41Bから吹き出される温風の風量は、第2の吹出口グリル42Bから吹き出される空気より多い。よって、第2の吹出口グリル42Bから吹き出される空気で攪拌される浴室100内の空気の流れで、第1の吹出口グリル41Bから吹き出される十分な量の温風HAを、浴室100内で循環させることができる。
従って、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Bでも、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、従来とヒータ5の出力を同じとすれば、乾燥時間を短縮することができ、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。
また、従来と乾燥時間を同じとすれば、ヒータ5の出力を低下させることができ、やはり被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。また、浴室100内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、被乾燥物の乾燥を促進することができる。なお、本例でも、乾燥運転モードでは、循環換気ファン2Bの駆動開始と共にヒータ5を駆動して、運転当初より温風を吹き出す例で説明したが、運転当初ではヒータ5を非駆動として室温に応じた送風を吹き出し、所定の時間経過後、ヒータ5を駆動して温風を吹き出すようにしても良い。ヒータ5の駆動を遅延する運転でも、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Bを循環換気位置として図11に示す第2の循環換気位置にする。浴室換気乾燥暖房機1Bでは、ダンパモータ61Bを所定の位置に回転させ、風路切替ダンパ6Bの位置を第2の循環換気位置とすると、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bと、換気吹出口23Bの双方が開く。第2の循環換気位置では、第1の循環換気位置に対して、換気吹出口23Bの開度が大きく設定され、換気風量が増やされる。
また、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、風路切替ダンパ6Bの位置を第2の循環換気位置とすると、ダンパモータ61Bの駆動で変位する突起部62Bが、第1の循環換気位置と同様に開閉ガイドカム溝部71Bの開閉部75Bを押して全開部76Bに位置し、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを開く。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Bを第2の循環換気位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Bで第2の吹出口22Bを開くと、ヒータ5を非駆動として、循環換気ファンモータ26Bで羽根車25Bを回転させる。
循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Bが第2の循環換気位置にあるので、循環換気吸込口20Bから吸い込まれた浴室100の空気の一部は、第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bへと流れる。また、循環換気吸込口20Bから吸い込まれた浴室100の空気の残部は、換気吹出口23Bへと流れて屋外へ排気される。
循環換気運転モードでは、第1の吹出口21Bに流れる空気は、ヒータ5が非駆動であるので、フロントパネル4Bの第1の吹出口グリル41Bから、室温に応じた空気が吹き出される。
また、循環換気運転モードでも、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを開いているので、第2の吹出口22Bにも空気が流れる。第2の吹出口22Bに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Bの第2の吹出口グリル42Bから、室温に応じた空気が吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Bでは、循環換気運転モードでも、第2の吹出口グリル42Bから吹き出される風速の速い空気によって、浴室100の一方の壁面106aに沿って下方に向かい、浴室100の下層付近を他方の壁面106bに向かい、他方の壁面106bに沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
これにより、循環換気運転モードでも、浴室100内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができ、浴室100内で、第1の吹出口グリル41Bから吹き出される空気が直接は当たりにくいような場所でも、空気の流れを生じさせることができる。
従って、浴室100の各壁面、床面等の乾燥時間を短縮することができる。また、浴室100内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、浴室100の各壁面、床面等の乾燥を促進することができる。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Bを図12に示す循環位置にする。浴室換気乾燥暖房機1Bでは、ダンパモータ61Bを所定の位置に回転させ、風路切替ダンパ6Bの位置を循環位置とすると、換気吹出口23Bが閉じる。
また、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、風路切替ダンパ6Bの位置を循環位置とすると、ダンパモータ61Bの駆動で変位する突起部62Bが、開閉ガイドカム溝部71Bの開閉部73Bを押して全閉部74Bに位置し、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを閉じる。これにより、第1の吹出口21Bが開いて、循環換気吸込口20Bから第1の吹出口21Bへ連通した循環風路が形成される。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Bを循環位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Bで第2の吹出口22Bを閉じると、ヒータ5に通電すると共に、循環換気ファンモータ26Bを駆動して羽根車25Bを回転させる。
暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Bが循環位置にあり、第2の吹出口22Bが攪拌風路開閉ダンパ7Bで閉じられているので、循環換気吸込口20Bから吸い込まれた浴室100の空気の略全量が、第1の吹出口21Bへと流れる。
暖房運転モードでは、図9(b)に示すように、第1の吹出口21Bに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Bの第1の吹出口グリル41Bから温風HAが吹き出される。第2の吹出口22Bは、攪拌風路開閉ダンパ7Bで閉じられているので、暖房運転モードでは、ヒータ5を通らない空気は吹き出されない。
暖房運転モードで、ヒータで温度が上げられていない空気が浴室内に吹き出されると、浴室内に入浴者が居る場合には、入浴者に風が当たると寒さを感じる。そこで、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、第2の吹出口22Bに攪拌風路開閉ダンパ7Bを備え、暖房運転モードでは、第2の吹出口22Bを閉じられるようにした。
これにより、暖房運転モードでは、ヒータ5で温度が上げられていない空気が吹き出されて入浴者に当たることが防止され、入浴者が寒さを感じることを抑えることができる。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Bを図13に示す換気位置にする。浴室換気乾燥暖房機1Bでは、ダンパモータ61Bを所定の位置に回転させ、風路切替ダンパ6Bの位置を換気位置とすると、換気吹出口23Bが開いて、循環換気吸込口20Bから換気吹出口23Bへ連通した換気風路が形成される。
また、浴室換気乾燥暖房機1Bでは、風路切替ダンパ6Bの位置を換気位置とすると、ダンパモータ61Bの駆動で変位する突起部62Bが、開閉部75Bを押して全開部76Bに位置し、攪拌風路開閉ダンパ7Bが第2の吹出口22Bを開く。但し、換気運転モードでは、換気位置にある風路切替ダンパ6Bで第1の吹出口21B及び第2の吹出口22Bが閉じられているので、第2の吹出口22Bから空気が吹き出されない。
浴室換気乾燥暖房機1Bは、換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Bを換気位置にすると、ヒータ5非駆動として、循環換気ファンモータ26Bを駆動して羽根車25Bを回転させる。
換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Bが換気位置にあるので、循環換気吸込口20Bから吸い込まれた浴室100の空気の略全量が換気吹出口23Bへと流れ、屋外へ排気される。従って、換気運転モードでは、浴室100内の湯気や湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
<各実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の変形例>
(1)循環ファンと換気ファンを設けた例
上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機では、1つのファンで浴室内の空気を循環させる動作と換気する動作を実現したが、異なるファンで浴室内の空気を循環させる動作と換気する動作を実現しても良い。
図14及び図15は、各実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の変形例を示す構成図で、図14は、浴室換気乾燥暖房機の内部構成を示す側面図、図15は、下面側から見た平面図である。なお、以下の例では、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Bに適用した例として説明するが、第1の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Aに適用しても良い。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Cは、図4で説明した浴室100内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を浴室100内に吹き出す循環ファン2Cと、浴室100内の空気を吸い込み、屋外へ排気する換気ファン8Cを備える。
浴室換気乾燥暖房機1Cは、図4に示す設置形態と同様に、循環ファン2C及び換気ファン8Cを有した本体部3Cが、フロントパネル4Cを露出させた形態で、浴室100の天井に取り付けられる。
循環ファン2Cは、浴室100内の空気が吸い込まれる循環吸込口20Cと、ヒータ5を有して温風が吹き出される第1の吹出口21Cと、浴室100内の空気を攪拌する風を発生させる第2の吹出口22Cを備える。また、循環ファン2Cは、第2の吹出口22Cを開閉する攪拌風路開閉ダンパ7Cを備える。
更に、循環ファン2Cは、多翼の羽根車25Cと、羽根車25Cを駆動する循環ファンモータ26Cと、風路を形成する循環ファンケース27Cを備える。循環ファン2Cは、羽根車25Cが循環ファンモータ26Cに駆動されて回転することで遠心方向に吹き出される空気を、循環ファンケース27Cで整流して、羽根車25Cの接線方向に沿って吹き出される空気の流れを発生させる。
循環吸込口20Cは、羽根車25Cの回転軸に沿った下方に、ベルマウスと称される円形の開口を設けて構成される。第1の吹出口21Cは、循環ファンケース27Cによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Cの下面に設けて構成される。
第2の吹出口22Cは、循環ファンケース27Cによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Cの下面において、第1の吹出口21Cに対して循環吸込口20Cの反対側に設けて構成される。
攪拌風路開閉ダンパ7Cは、図示しないダンパモータの駆動力が伝達され、軸70Cを支点に回転して、第2の吹出口22Cの開閉動作を行う。
第1の吹出口21Cと第2の吹出口22Cは、第1の吹出口21Cから吹き出される空気の風量が多く、第2の吹出口22Cから吹き出される空気の風速が速くなるように、第1の吹出口21Cに対して第2の吹出口22Cの開口が小さく構成される。
本例では、第1の吹出口21Cと第2の吹出口22Cは、循環ファンケース27Cによる空気の吹出方向に沿った短辺が、第1の吹出口21Cに対して第2の吹出口22Cが短く構成される。また、第1の吹出口21Cの長辺に対して第2の吹出口22Cの長辺が同じ長さに構成される。
換気ファン8Cは、浴室100内の空気が吸い込まれる換気吸込口80Cと、換気吸込口80Cから吸い込んだ空気を室外に排気する換気吹出口81Cを備える。また、換気ファン8Cは、多翼の羽根車82Cと、羽根車25Cを駆動する図示しない換気ファンモータと、風路を形成する換気ファンケース83Cを備える。
換気ファン8Cは、羽根車82Cが回転することで遠心方向に吹き出される空気を、換気ファンケース83Cで整流して、羽根車82Cの接線方向に沿って吹き出される空気の流れを発生させる。
換気吸込口80Cは、羽根車82Cの回転軸に沿った下方に、ベルマウスと称される円形の開口を設けて構成される。換気吹出口81Cは、本体部3Cの側面に設けられ、排気ダクトジョイント34Cが取り付けられる。
フロントパネル4Cは、循環ファン2Cの循環吸込口20Cと、換気ファン8Cの換気吸込口80Cに対向した下面を開口して吸込口グリル40Cが形成される。
また、フロントパネル4Cは、循環ファン2Cの第1の吹出口21Cに対向した下面を開口して第1の吹出口グリル41Cが形成されると共に、第2の吹出口22Cに対向した下面を開口して第2の吹出口グリル42Cが形成される。
第2の吹出口グリル42Cは、第1の吹出口グリル41Cと並列する短手方向に沿って、第1の吹出口グリル41Cと反対側である本体部3Cの外側に向けて空気が吹き出されるように、整流板43Cが設けられる。
なお、浴室換気乾燥暖房機1Cでは、循環ファン2Cと換気ファン8Cが並列される構成で説明したが、循環ファン2Cと換気ファン8Cが上下に重ねられる構成でも良い。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Cの動作について説明すると、乾燥運転モードでは、攪拌風路開閉ダンパ7Cで第2の吹出口22Cを開き、循環ファン2Cで羽根車25Cを回転させると共に、ヒータ5に通電する。また、換気ファン8Cで羽根車82Cを回転させる。なお、本例でも、乾燥運転モードでの運転当初はヒータ5を非駆動として室温に応じた送風を吹き出し、所定の時間経過後、ヒータ5を駆動して温風を吹き出すようにしても良い。
浴室換気乾燥暖房機1Cでは、循環ファン2Cの羽根車25Cが回転すると、フロントパネル4Cの吸込口グリル40Cから、浴室内の空気が循環吸込口20Cに吸い込まれる。また、換気ファン8Cの羽根車82Cが回転すると、フロントパネル4Cの吸込口グリル40Cから、浴室内の空気が換気吸込口80Cに吸い込まれる。
乾燥運転モードでは、循環ファン2Cと換気ファン8Cの両方が駆動されることで、循環ファン2Cで循環吸込口20Cから吸い込まれた浴室の空気は、第1の吹出口21C及び第2の吹出口22Cへと流れる。また、換気ファン8Cで換気吸込口80Cから吸い込まれた浴室の空気は、換気吹出口81Cへと流れて屋外へ排気される。
乾燥運転モードでは、第1の吹出口21Cに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Cの第1の吹出口グリル41Cから、浴室内に温風が吹き出される。
また、乾燥運転モードでは、攪拌風路開閉ダンパ7Cが第2の吹出口22Cを開いているので、第2の吹出口22Cにも空気が流れる。第2の吹出口22Cに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Cの第2の吹出口グリル42Cから、浴室内に室温に応じた空気が吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Cでは、第2の吹出口グリル42Cから吹き出される空気は、第1の吹出口グリル41Cに対して第2の吹出口グリル42Cが設けられる側の浴室の一方の壁面に向けられる。
第2の吹出口グリル42Cから吹き出される空気は、第1の吹出口21C及び第2の吹出口22Cの配置及び大きさの関係から、第1の吹出口グリル41Cから吹き出される空気より風速が速い。また、第2の吹出口グリル42Cから吹き出される空気は、ヒータ5を通らないので、第1の吹出口グリル41Cから吹き出される空気より温度が低い。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Cでも、第2の吹出口グリル42Cから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
乾燥運転モードでは、浴室換気乾燥暖房機1Cの第1の吹出口グリル41Cから吹き出される空気は、ヒータ5で加熱されて温度が上げられ、相対湿度が下げられているので、第2の吹出口グリル42Cから吹き出される空気に比べ軽い。
このため、第1の吹出口グリル41Cから吹き出される空気に比べ重い第2の吹出口グリル42Cから吹き出される空気は、浴室の下層まで流れ、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができる。
これにより、第1の吹出口グリル41Cから吹き出される温風が、直接は当たりにくい位置の被乾燥物付近にも、空気の流れを生じさせることができる。従って、変形例の浴室換気乾燥暖房機1Cでも、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。
また、浴室内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、被乾燥物の乾燥を促進することができる。
浴室換気乾燥暖房機1Cは、循環換気運転モードでは、攪拌風路開閉ダンパ7Cで第2の吹出口22Cを開き、ヒータ5を非駆動として、循環ファン2Cで羽根車25Cを回転させる。また、換気ファン8Cで羽根車82Cを回転させる。
循環換気運転モードでも、循環ファン2Cと換気ファン8Cの両方が駆動されることで、循環ファン2Cで循環吸込口20Cから吸い込まれた浴室の空気は、第1の吹出口21C及び第2の吹出口22Cへと流れる。また、換気ファン8Cで換気吸込口80Cから吸い込まれた浴室の空気は、換気吹出口81Cへと流れて屋外へ排気される。
循環換気運転モードでは、第1の吹出口21Cに流れる空気は、ヒータ5が非駆動であるので、フロントパネル4Cの第1の吹出口グリル41Cから、室温に応じた空気が吹き出される。
また、循環換気運転モードでは、攪拌風路開閉ダンパ7Cが第2の吹出口22Cを開いているので、第2の吹出口22Cにも空気が流れる。第2の吹出口22Cに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Cの第2の吹出口グリル42Cから、室温に応じた空気が吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Cでは、循環換気運転モードでも、第2の吹出口グリル42Cから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
これにより、循環換気運転モードでも、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができ、浴室内で、第1の吹出口グリル41Cから吹き出される空気が直接は当たりにくいような場所でも、空気の流れを生じさせることができる。
従って、浴室の各壁面、床面等の乾燥時間を短縮することができる。また、浴室内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、浴室100の各壁面、床面等の乾燥を促進することができる。
浴室換気乾燥暖房機1Cは、暖房運転モードでは、攪拌風路開閉ダンパ7Cで第2の吹出口22Cを閉じ、循環ファン2Cで羽根車25Cを回転させると共に、ヒータ5に通電する。換気ファン8Cは駆動しない。
暖房運転モードでは、第2の吹出口22Cが攪拌風路開閉ダンパ7Cで閉じられているので、循環ファン2Cが駆動されて循環吸込口20Cから吸い込まれた浴室の空気の略全量が、第1の吹出口21Cへと流れる。
暖房運転モードでは、第1の吹出口21Cに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Cの第1の吹出口グリル41Cから温風が吹き出される。第2の吹出口22Cは、攪拌風路開閉ダンパ7Cで閉じられているので、暖房運転モードでは、ヒータ5を通らない空気は吹き出されない。
これにより、暖房運転モードでは、ヒータ5で温度が上げられていない空気が吹き出されて入浴者に当たることが防止され、入浴者が寒さを感じることを抑えることができる。また、換気ファン8Cが駆動されないことで、浴室内の暖められた空気が換気されず、浴室内の温度低下を抑えることができる。
浴室換気乾燥暖房機1Cは、換気運転モードでは、換気ファン8Cを駆動して羽根車82Cを回転させる。循環ファン2Cは駆動しない。換気運転モードでは、換気ファン8Cが駆動されることで、換気ファン8Cで換気吸込口80Cから吸い込まれた浴室の空気は、換気吹出口81Cへと流れて屋外へ排気される。従って、換気運転モードでは、浴室内の湯気や湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
(2)風路切替ダンパと攪拌風路開閉ダンパの駆動源を異ならせた例
次に、第2の実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の変形例について説明する。上述した第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機では、1つの駆動源で風路切替ダンパと攪拌風路開閉ダンパを連動させて駆動する構成としたが、異なる駆動源で風路切替ダンパと攪拌風路開閉ダンパを駆動しても良い。
図16は、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の変形例を示す構成図である。第2の実施の形態の変形例の浴室換気乾燥暖房機1Dは、空気を吸い込んで吹き出す循環換気ファン2Dを有した本体部3Dが、図4に示す設置形態と同様に、フロントパネル4Dを露出させた形態で、浴室の天井に取り付けられる。
浴室換気乾燥暖房機1Dは、浴室内の空気が吸い込まれる循環換気吸込口20Dと、ヒータ5を有して温風が吹き出される第1の吹出口21Dと、浴室内の空気を攪拌する風を発生させる第2の吹出口22Dを備える。また、浴室換気乾燥暖房機1Dは、循環換気吸込口20Dから吸い込んだ空気を室外に排気する換気吹出口23Dを備える。
更に、浴室換気乾燥暖房機1Dは、第1の吹出口21D及び第2の吹出口22Dと、換気吹出口23Dとの間で風路を切り替える風路切替ダンパ6Dを備える。また、浴室換気乾燥暖房機1Dは、第2の吹出口22Dを開閉する攪拌風路開閉ダンパ7Dを備える。
循環換気ファン2Dは、多翼の羽根車25Dと、羽根車25Dを駆動する循環換気ファンモータ26Dと、風路を形成する循環換気ファンケース27Dを備える。
循環換気吸込口20Dは、羽根車25Dの回転軸に沿った下方に、ベルマウスと称される円形の開口を設けて構成される。第1の吹出口21Dは、循環換気ファンケース27Dによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Dの下面に設けて構成される。
第2の吹出口22Dは、循環換気ファンケース27Dによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Dの下面において、第1の吹出口21Dに対して循環換気吸込口20Dの反対側に設けて構成される。換気吹出口23Dは、本体部3Dの側面に設けられ、排気ダクトジョイント34Dが取り付けられる。
第1の吹出口21Dと第2の吹出口22Dは、第1の吹出口21Dから吹き出される空気の風量が多く、第2の吹出口22Dから吹き出される空気の風速が速くなるように、第1の吹出口21Dに対して第2の吹出口22Dの開口が小さく構成される。
風路切替ダンパ6Dは風路開閉手段の一例で、回転による開閉動作の軸60Dが設けられ、第1のダンパモータ61Dの駆動力が伝達されて、第1の吹出口21D及び第2の吹出口22Dと、換気吹出口23Dとの開閉動作を行う。
攪拌風路開閉ダンパ7Dは開閉手段の一例で、回転による開閉動作の軸70Dが設けられ、第2のダンパモータ71Dの駆動力が伝達されて、第2の吹出口22Dの開閉動作を行う。
フロントパネル4Dは、循環換気ファン2Dの循環換気吸込口20Dと対向した下面を開口して吸込口グリル40Dが形成される。また、フロントパネル4Dは、循環換気ファン2Dの第1の吹出口21Dに対向した下面を開口して第1の吹出口グリル41Dが形成されると共に、第2の吹出口22Dに対向した下面を開口して第2の吹出口グリル42Dが形成される。
第2の吹出口グリル42Dは、第1の吹出口グリル41Dと並列する短手方向に沿って、第1の吹出口グリル41Dと反対側である本体部3Dの外側に向けて空気が吹き出されるように、整流板43Dが設けられる。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Dの動作について説明すると、乾燥運転モードでは、第1のダンパモータ61Dを駆動して、風路切替ダンパ6Dを図16に破線で示す循環換気位置にする。また、第2のダンパモータ71Dを駆動して、攪拌風路開閉ダンパ7Dを図16に破線で示す開位置にする。
浴室換気乾燥暖房機1Dは、乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Dを循環換気位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Dで第2の吹出口22Dを開くと、循環換気ファンモータ26Dを駆動して羽根車25Dを回転させると共に、ヒータ5に通電する。なお、本例でも、乾燥運転モードでの運転当初はヒータ5を非駆動として室温に応じた送風を吹き出し、所定の時間経過後、ヒータ5を駆動して温風を吹き出すようにしても良い。
乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Dが循環換気位置にあるので、羽根車25Dが回転することで、フロントパネル4Dの吸込口グリル40Dを通り循環換気吸込口20Dから吸い込まれた浴室の空気の一部は、第1の吹出口21D及び第2の吹出口22Dへと流れる。また、循環換気吸込口20Dから吸い込まれた浴室の空気の残部は、換気吹出口23Dへと流れて屋外へ排気される。
乾燥運転モードでは、第1の吹出口21Dに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Dの第1の吹出口グリル41Dから温風が吹き出される。
また、乾燥運転モードでは、攪拌風路開閉ダンパ7Dが第2の吹出口22Dを開いているので、第2の吹出口22Dにも空気が流れる。第2の吹出口22Dに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Dの第2の吹出口グリル42Dから、室温に応じた空気が吹き出される。
第2の吹出口グリル42Dから吹き出される空気は、第1の吹出口21D及び第2の吹出口22Dの配置及び大きさの関係から、第1の吹出口グリル41Dから吹き出される空気より風速が速い。また、第2の吹出口グリル42Dから吹き出される空気は、ヒータ5を通らないので、第1の吹出口グリル41Dから吹き出される空気より温度が低い。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Dでも、第2の吹出口グリル42Dから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
乾燥運転モードでは、浴室換気乾燥暖房機1Dの第1の吹出口グリル41Dから吹き出される空気は、ヒータ5で加熱されて温度が上げられ、相対湿度が下げられているので、第2の吹出口グリル42Dから吹き出される空気に比べ軽い。
このため、第1の吹出口グリル41Dから吹き出される空気に比べ重い第2の吹出口グリル42Dから吹き出される空気は、浴室の下層まで流れ、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができる。
これにより、第1の吹出口グリル41Dから吹き出される温風が、直接は当たりにくい位置の被乾燥物付近にも、空気の流れを生じさせることができる。従って、変形例の浴室換気乾燥暖房機1Dでも、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。
また、浴室内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、被乾燥物の乾燥を促進することができる。更に、異なる駆動源で風路切替ダンパ6Dと攪拌風路開閉ダンパ7Dを開閉することで、第1の吹出口21Dから温風を吹き出すタイミングと、第2の吹出口22Dから室内の空気を攪拌するための送風を吹き出すタイミングを変えることができる。
浴室換気乾燥暖房機1Dは、循環換気運転モードでは、第1のダンパモータ61Dを駆動して、風路切替ダンパ6Dを図16に破線で示す循環換気位置にする。また、第2のダンパモータ71Dを駆動して、攪拌風路開閉ダンパ7Dを図18に破線で示す開位置にする。
浴室換気乾燥暖房機1Dは、循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Dを循環換気位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Dで第2の吹出口22Dを開くと、ヒータ5を非駆動として、循環換気ファンモータ26Dを駆動して羽根車25Dを回転させる。
循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Dが循環換気位置にあるので、循環換気吸込口20Dから吸い込まれた浴室の空気の一部は、第1の吹出口21D及び第2の吹出口22Dへと流れる。また、循環換気吸込口20Dから吸い込まれた浴室の空気の残部は、換気吹出口23Dへと流れて屋外へ排気される。
循環換気運転モードでは、第1の吹出口21Dに流れる空気は、ヒータ5が非駆動であるので、フロントパネル4Dの第1の吹出口グリル41Dから、室温に応じた空気が吹き出される。
また、循環換気運転モードでも、攪拌風路開閉ダンパ7Dが第2の吹出口22Dを開いているので、第2の吹出口22Dにも空気が流れる。第2の吹出口22Dに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Dの第2の吹出口グリル42Dから、室温に応じた空気が吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Dでは、循環換気運転モードでも、第2の吹出口グリル42Dから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
これにより、循環換気運転モードでも、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができ、浴室内で、第1の吹出口グリル41Dから吹き出される空気が直接は当たりにくいような場所でも、空気の流れを生じさせることができる。
従って、浴室の各壁面、床面等の乾燥時間を短縮することができる。また、浴室内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、浴室の各壁面、床面等の乾燥を促進することができる。
浴室換気乾燥暖房機1Dは、暖房運転モードでは、第1のダンパモータ61Dを駆動して、風路切替ダンパ6Dを図16に実線で示す循環位置にする。また、第2のダンパモータ71Dを駆動して、攪拌風路開閉ダンパ7Dを図16に実線で示す閉位置にする。
浴室換気乾燥暖房機1Dは、暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Dを循環位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Dで第2の吹出口22Dを閉じると、ヒータ5に通電すると共に、循環換気ファンモータ26Dを駆動して羽根車25Dを回転させる。
暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Dが循環位置にあり、第2の吹出口22Dが攪拌風路開閉ダンパ7Dで閉じられているので、循環換気吸込口20Dから吸い込まれた浴室の空気の略全量が、第1の吹出口21Dへと流れる。
暖房運転モードでは、第1の吹出口21Dに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Dの第1の吹出口グリル41Dから温風が吹き出される。第2の吹出口22Dは、攪拌風路開閉ダンパ7Dで閉じられているので、暖房運転モードでは、ヒータ5を通らない空気は吹き出されない。
これにより、暖房運転モードでは、ヒータ5で温度が上げられていない空気が吹き出されて入浴者に当たることが防止され、入浴者が寒さを感じることを抑えることができる。
浴室換気乾燥暖房機1Dは、換気運転モードでは、第1のダンパモータ61Dを駆動して、風路切替ダンパ6Dを図16に一点鎖線で示す換気位置にする。また、第2のダンパモータ71Dを駆動して、攪拌風路開閉ダンパ7Dを図16に実線で示す閉位置にする。
浴室換気乾燥暖房機1Dは、換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Dを換気位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Dで第2の吹出口22Dを閉じると、ヒータ5非駆動として、循環換気ファンモータ26Dを駆動して羽根車25Dを回転させる。
換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Dが換気位置にあるので、循環換気吸込口20Dから吸い込まれた浴室の空気の略全量が換気吹出口23Dへと流れ、屋外へ排気される。従って、換気運転モードでは、浴室内の湯気や湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
(3)風路切替ダンパと攪拌風路開閉ダンパの機能を一体にした例
次に、第2の実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の他の変形例について説明する。上述した第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機では、風路切替ダンパと攪拌風路開閉ダンパを独立させた構成としたが、風路切替ダンパと攪拌風路開閉ダンパを一体に構成しても良い。
図17は、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の他の変形例を示す構成図である。第2の実施の形態の他の変形例の浴室換気乾燥暖房機1Eは、空気を吸い込んで吹き出す循環換気ファン2Eを有した本体部3Eが、図4に示す設置形態と同様に、フロントパネル4Eを露出させた形態で、浴室の天井に取り付けられる。
浴室換気乾燥暖房機1Eは、浴室内の空気が吸い込まれる循環換気吸込口20Eと、ヒータ5を有して温風が吹き出される第1の吹出口21Eと、浴室内の空気を攪拌する風を発生させる第2の吹出口22Eを備える。また、浴室換気乾燥暖房機1Eは、循環換気吸込口20Eから吸い込んだ空気を室外に排気する換気吹出口23Eを備える。
更に、浴室換気乾燥暖房機1Eは、第1の吹出口21E及び第2の吹出口22Eと、換気吹出口23Eとの間で風路を切り替えると共に、第2の吹出口22Eを開閉する風路開閉ダンパ6Eを備える。
循環換気ファン2Eは、多翼の羽根車25Eと、羽根車25Eを駆動する循環換気ファンモータ26Eと、風路を形成する循環換気ファンケース27Eを備える。
循環換気吸込口20Eは、羽根車25Eの回転軸に沿った下方に、ベルマウスと称される円形の開口を設けて構成される。第1の吹出口21Eは、循環換気ファンケース27Eによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Eの下面に設けて構成される。
第2の吹出口22Eは、循環換気ファンケース27Eによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Eの下面において、第1の吹出口21Eに対して循環換気吸込口20Eの反対側に設けて構成される。換気吹出口23Eは、本体部3Eの側面に設けられ、排気ダクトジョイント34Eが取り付けられる。
第1の吹出口21Eと第2の吹出口22Eは、第1の吹出口21Eから吹き出される空気の風量が多く、第2の吹出口22Eから吹き出される空気の風速が速くなるように、第1の吹出口21Eに対して第2の吹出口22Eの開口が小さく構成される。
風路開閉ダンパ6Eは、回転による開閉動作の軸60Eが設けられ、第1の吹出口21E及び第2の吹出口22Eと、換気吹出口23Eとの間で風路を切り替える風路切替部61Eと、第2の吹出口22Eに空気を送る攪拌風路形成部62Eを備える。
風路開閉ダンパ6Eは、図示しないダンパモータの駆動力が伝達されて、風路切替部61Eと攪拌風路形成部62Eが一体に回転し、風路切替部61Eで、第1の吹出口21E及び第2の吹出口22Eと、換気吹出口23Eとの開閉動作を行う。また、攪拌風路形成部62Eで、第2の吹出口22Eに空気が誘導される風路の形成を行う。
フロントパネル4Eは、循環換気ファン2Eの循環換気吸込口20Eと対向した下面を開口して吸込口グリル40Eが形成される。また、フロントパネル4Eは、循環換気ファン2Eの第1の吹出口21Eに対向した下面を開口して第1の吹出口グリル41Eが形成されると共に、第2の吹出口22Eに対向した下面を開口して第2の吹出口グリル42Eが形成される。
第2の吹出口グリル42Eは、第1の吹出口グリル41Eと並列する短手方向に沿って、第1の吹出口グリル41Eと反対側である本体部3Eの外側に向けて空気が吹き出されるように、整流板43Eが設けられる。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Eの動作について説明すると、乾燥運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eを図17に実線で示す循環換気位置にする。風路開閉ダンパ6Eを循環換気位置にすると、風路切替部61Eで第1の吹出口21E及び第2の吹出口22Eと換気吹出口23Eを開くと共に、攪拌風路形成部62Eで第2の吹出口22Eに空気が誘導される風路の形成を行う。
浴室換気乾燥暖房機1Eは、乾燥運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eを循環換気位置にすると、循環換気ファンモータ26Eを駆動して羽根車25Eを回転させると共に、ヒータ5に通電する。なお、本例でも、乾燥運転モードでの運転当初はヒータ5を非駆動として室温に応じた送風を吹き出し、所定の時間経過後、ヒータ5を駆動して温風を吹き出すようにしても良い。
乾燥運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eが循環換気位置にあるので、羽根車25Eが回転することで、フロントパネル4Eの吸込口グリル40Eを通り循環換気吸込口20Eから吸い込まれた浴室の空気の一部は、第1の吹出口21E及び第2の吹出口22Eへと流れる。また、循環換気吸込口20Eから吸い込まれた浴室の空気の残部は、換気吹出口23Eへと流れて屋外へ排気される。
乾燥運転モードでは、第1の吹出口21Eに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Eの第1の吹出口グリル41Eから温風が吹き出される。
また、乾燥運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eで第2の吹出口22Eを開き、攪拌風路形成部62Eで風路を形成しているので、第2の吹出口22Eにも空気が流れる。第2の吹出口22Eに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Eの第2の吹出口グリル42Eから、室温に応じた空気が吹き出される。
第2の吹出口グリル42Eから吹き出される空気は、第1の吹出口21E及び第2の吹出口22Eの配置及び大きさの関係から、第1の吹出口グリル41Eから吹き出される空気より風速が速い。また、第2の吹出口グリル42Eから吹き出される空気は、ヒータ5を通らないので、第1の吹出口グリル41Eから吹き出される空気より温度が低い。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Eでも、第2の吹出口グリル42Eから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
乾燥運転モードでは、浴室換気乾燥暖房機1Eの第1の吹出口グリル41Eから吹き出される空気は、ヒータ5で加熱されて温度が上げられ、相対湿度が下げられているので、第2の吹出口グリル42Eから吹き出される空気に比べ軽い。
このため、第1の吹出口グリル41Eから吹き出される空気に比べ重い第2の吹出口グリル42Eから吹き出される空気は、浴室の下層まで流れ、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができる。
これにより、第1の吹出口グリル41Eから吹き出される温風が、直接は当たりにくい位置の被乾燥物付近にも、空気の流れを生じさせることができる。従って、変形例の浴室換気乾燥暖房機1Eでも、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。
また、浴室内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、被乾燥物の乾燥を促進することができる。
浴室換気乾燥暖房機1Eは、循環換気運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eを図17に実線で示す循環換気位置にし、ヒータ5を非駆動として、循環換気ファンモータ26Eを駆動して羽根車25Eを回転させる。
循環換気運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eが循環換気位置にあるので、循環換気吸込口20Eから吸い込まれた浴室の空気の一部は、第1の吹出口21E及び第2の吹出口22Eへと流れる。また、循環換気吸込口20Eから吸い込まれた浴室の空気の残部は、換気吹出口23Eへと流れて屋外へ排気される。
循環換気運転モードでは、第1の吹出口21Eに流れる空気は、ヒータ5が非駆動であるので、フロントパネル4Eの第1の吹出口グリル41Eから、室温に応じた空気が吹き出される。
また、循環換気運転モードでも、風路開閉ダンパ6Eが第2の吹出口22Eを開いているので、第2の吹出口22Eにも空気が流れる。第2の吹出口22Eに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Eの第2の吹出口グリル42Eから、室温に応じた空気が吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Eでは、循環換気運転モードでも、第2の吹出口グリル42Eから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
これにより、循環換気運転モードでも、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができ、浴室内で、第1の吹出口グリル41Eから吹き出される空気が直接は当たりにくいような場所でも、空気の流れを生じさせることができる。
従って、浴室の各壁面、床面等の乾燥時間を短縮することができる。また、浴室内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、浴室の各壁面、床面等の乾燥を促進することができる。
浴室換気乾燥暖房機1Eは、暖房運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eを図17に破線で示す循環位置にする。風路開閉ダンパ6Eを循環位置にすると、風路切替部61Eで換気吹出口23Eを閉じる。また、第2の吹出口22Eも風路切替部61Eで閉じる。
浴室換気乾燥暖房機1Eは、暖房運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eを循環位置にすると、ヒータ5に通電すると共に、循環換気ファンモータ26Eを駆動して羽根車25Eを回転させる。
暖房運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eが循環位置にあり、換気吹出口23Eと第2の吹出口22Eが閉じられているので、循環換気吸込口20Eから吸い込まれた浴室の空気の略全量が、第1の吹出口21Eへと流れる。
暖房運転モードでは、第1の吹出口21Eに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Eの第1の吹出口グリル41Eから温風が吹き出される。第2の吹出口22Eは、風路開閉ダンパ7Eで閉じられているので、暖房運転モードでは、ヒータ5を通らない空気は吹き出されない。
これにより、暖房運転モードでは、ヒータ5で温度が上げられていない空気が吹き出されて入浴者に当たることが防止され、入浴者が寒さを感じることを抑えることができる。
浴室換気乾燥暖房機1Eは、換気運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eを図17に一点鎖線で示す換気位置にする。風路開閉ダンパ6Eを換気位置にすると、風路切替部61Eで換気吹出口23Eを開き、第1の吹出口21E及び第2の吹出口22Eを閉じる。
浴室換気乾燥暖房機1Eは、換気運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eを換気位置にすると、ヒータ5非駆動として、循環換気ファンモータ26Eを駆動して羽根車25Eを回転させる。
換気運転モードでは、風路開閉ダンパ6Eが換気位置にあるので、循環換気吸込口20Eから吸い込まれた浴室の空気の略全量が換気吹出口23Eへと流れ、屋外へ排気される。従って、換気運転モードでは、浴室内の湯気や湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
(4)攪拌風路開閉ダンパで風向を切り替える例
次に、第2の実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の別の変形例について説明する。上述した第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機では、攪拌風路開閉ダンパで第2の吹出口を開閉する構成としたが、攪拌風路開閉ダンパで風向も切り替えられる構成しても良い。
図18は、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の別の変形例を示す構成図である。第2の実施の形態の別の変形例の浴室換気乾燥暖房機1Fは、空気を吸い込んで吹き出す循環換気ファン2Fを有した本体部3Fが、図4に示す設置形態と同様に、フロントパネル4Fを露出させた形態で、浴室の天井に取り付けられる。
浴室換気乾燥暖房機1Fは、浴室内の空気が吸い込まれる循環換気吸込口20Fと、ヒータ5を有して温風が吹き出される第1の吹出口21Fと、浴室内の空気を攪拌する風を発生させる第2の吹出口22Fを備える。また、浴室換気乾燥暖房機1Fは、循環換気吸込口20Fから吸い込んだ空気を室外に排気する換気吹出口23Fを備える。
更に、浴室換気乾燥暖房機1Fは、第1の吹出口21F及び第2の吹出口22Fと、換気吹出口23Fとの間で風路を切り替える風路切替ダンパ6Fを備える。また、浴室換気乾燥暖房機1Fは、第2の吹出口22Fを開閉すると共に、風向を切り替える攪拌風路開閉ダンパ7Fを備える。
循環換気ファン2Fは、多翼の羽根車25Fと、羽根車25Fを駆動する循環換気ファンモータ26Fと、風路を形成する循環換気ファンケース27Fを備える。
循環換気吸込口20Fは、羽根車25Fの回転軸に沿った下方に、ベルマウスと称される円形の開口を設けて構成される。第1の吹出口21Fは、循環換気ファンケース27Fによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Fの下面に設けて構成される。
第2の吹出口22Fは、循環換気ファンケース27Fによる空気の吹出方向に沿った辺を短辺とした長方形の開口を、吹出風路28Fの下面において、第1の吹出口21Fに対して循環換気吸込口20Fの反対側に設けて構成される。換気吹出口23Fは、本体部3Fの側面に設けられ、排気ダクトジョイント34Fが取り付けられる。
第1の吹出口21Fと第2の吹出口22Fは、第1の吹出口21Fから吹き出される空気の風量が多く、第2の吹出口22Fから吹き出される空気の風速が速くなるように、第1の吹出口21Fに対して第2の吹出口22Fの開口が小さく構成される。
風路切替ダンパ6Fは風路開閉手段の一例で、回転による開閉動作の軸60Fが設けられ、図示しないダンパモータの駆動力が伝達されて、第1の吹出口21F及び第2の吹出口22Fと、換気吹出口23Fとの開閉動作を行う。
攪拌風路開閉ダンパ7Fは開閉手段の一例で、回転による開閉動作の軸70Fが設けられ、図示しないダンパモータの駆動力が伝達されて、第2の吹出口22Fの開閉動作と、風向切替動作を行う。
フロントパネル4Fは、循環換気ファン2Fの循環換気吸込口20Fと対向した下面を開口して吸込口グリル40Fが形成される。また、フロントパネル4Fは、循環換気ファン2Fの第1の吹出口21Fに対向した下面を開口して第1の吹出口グリル41Fが形成されると共に、第2の吹出口22Fに対向した下面を開口して第2の吹出口グリル42Fが形成される。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Fの動作について説明すると、乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Fを図18に実線で示す循環換気位置にする。また、攪拌風路開閉ダンパ7Fを図18に実線で示す開位置にする。ここで、開位置にある攪拌風路開閉ダンパ7Fは、例えば、矢印Fで示す範囲で開度が調整可能であり、浴室の広さ、ランドリパイプの位置、本数等の条件に応じて、風向が切り替えられる。
浴室換気乾燥暖房機1Fは、乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Fを循環換気位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Fで第2の吹出口22Fを開くと、循環換気ファンモータ26Fを駆動して羽根車25Fを回転させると共に、ヒータ5に通電する。なお、本例でも、乾燥運転モードでの運転当初はヒータ5を非駆動として室温に応じた送風を吹き出し、所定の時間経過後、ヒータ5を駆動して温風を吹き出すようにしても良い。
乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ6Fが循環換気位置にあるので、羽根車25Fが回転することで、フロントパネル4Fの吸込口グリル40Fを通り循環換気吸込口20Fから吸い込まれた浴室の空気の一部は、第1の吹出口21F及び第2の吹出口22Fへと流れる。また、循環換気吸込口20Fから吸い込まれた浴室の空気の残部は、換気吹出口23Fへと流れて屋外へ排気される。
乾燥運転モードでは、第1の吹出口21Fに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Fの第1の吹出口グリル41Fから温風が吹き出される。
また、乾燥運転モードでは、攪拌風路開閉ダンパ7Fが第2の吹出口22Fを開いているので、第2の吹出口22Fにも空気が流れる。第2の吹出口22Fに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Fの第2の吹出口グリル42Fから、室温に応じた空気が、攪拌風路開閉ダンパ7Fの開度に応じた方向に吹き出される。
第2の吹出口グリル42Fから吹き出される空気は、第1の吹出口21F及び第2の吹出口22Fの配置及び大きさの関係から、第1の吹出口グリル41Fから吹き出される空気より風速が速い。また、第2の吹出口グリル42Fから吹き出される空気は、ヒータ5を通らないので、第1の吹出口グリル41Fから吹き出される空気より温度が低い。
これにより、浴室換気乾燥暖房機1Fでも、第2の吹出口グリル42Fから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
乾燥運転モードでは、浴室換気乾燥暖房機1Fの第1の吹出口グリル41Fから吹き出される空気は、ヒータ5で加熱されて温度が上げられ、相対湿度が下げられているので、第2の吹出口グリル42Fから吹き出される空気に比べ軽い。
このため、第1の吹出口グリル41Fから吹き出される空気に比べ重い第2の吹出口グリル42Fから吹き出される空気は、浴室の下層まで流れ、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができる。また、第2の吹出口グリル42Fから吹き出される空気の風向を切り替えることで、浴室の広さ等に応じて、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができる。
これにより、第1の吹出口グリル41Fから吹き出される温風が、直接は当たりにくい位置の被乾燥物付近にも、空気の流れを生じさせることができる。従って、変形例の浴室換気乾燥暖房機1Fでも、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。
また、浴室内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、被乾燥物の乾燥を促進することができる。
浴室換気乾燥暖房機1Fは、循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Fを図18に実線で示す循環換気位置にする。また、攪拌風路開閉ダンパ7Fを図18に実線で示す開位置にする。循環換気運転モードでも、攪拌風路開閉ダンパ7Fの開度によって風向が切り替えられる。
浴室換気乾燥暖房機1Fは、循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Fを循環換気位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Fで第2の吹出口22Fを開くと、ヒータ5を非駆動として、循環換気ファンモータ26Fを駆動して羽根車25Fを回転させる。
循環換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Fが循環換気位置にあるので、循環換気吸込口20Fから吸い込まれた浴室の空気の一部は、第1の吹出口21F及び第2の吹出口22Fへと流れる。また、循環換気吸込口20Fから吸い込まれた浴室の空気の残部は、換気吹出口23Fへと流れて屋外へ排気される。
循環換気運転モードでは、第1の吹出口21Fに流れる空気は、ヒータ5が非駆動であるので、フロントパネル4Fの第1の吹出口グリル41Fから、室温に応じた空気が吹き出される。
また、循環換気運転モードでも、攪拌風路開閉ダンパ7Fが第2の吹出口22Fを開いているので、第2の吹出口22Fにも空気が流れる。第2の吹出口22Fに流れる空気は、ヒータ5を通らないので、フロントパネル4Fの第2の吹出口グリル42Fから、室温に応じた空気が吹き出される。
浴室換気乾燥暖房機1Fでは、循環換気運転モードでも、第2の吹出口グリル42Fから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
これにより、循環換気運転モードでも、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができ、浴室内で、第1の吹出口グリル41Fから吹き出される空気が直接は当たりにくいような場所でも、空気の流れを生じさせることができる。
従って、浴室の各壁面、床面等の乾燥時間を短縮することができる。また、浴室内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、浴室の各壁面、床面等の乾燥を促進することができる。
浴室換気乾燥暖房機1Fは、暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Fを図18に破線で示す循環位置にする。また、攪拌風路開閉ダンパ7Fを図18に破線で示す閉位置にする。
浴室換気乾燥暖房機1Fは、暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Fを循環位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Fで第2の吹出口22Fを閉じると、ヒータ5に通電すると共に、循環換気ファンモータ26Fを駆動して羽根車25Fを回転させる。
暖房運転モードでは、風路切替ダンパ6Fが循環位置にあり、第2の吹出口22Fが攪拌風路開閉ダンパ7Fで閉じられているので、循環換気吸込口20Fから吸い込まれた浴室の空気の略全量が、第1の吹出口21Fへと流れる。
暖房運転モードでは、第1の吹出口21Fに流れる空気は、ヒータ5によって加熱されることで、フロントパネル4Fの第1の吹出口グリル41Fから温風が吹き出される。第2の吹出口22Fは、攪拌風路開閉ダンパ7Fで閉じられているので、暖房運転モードでは、ヒータ5を通らない空気は吹き出されない。
これにより、暖房運転モードでは、ヒータ5で温度が上げられていない空気が吹き出されて入浴者に当たることが防止され、入浴者が寒さを感じることを抑えることができる。
浴室換気乾燥暖房機1Fは、換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Fを図18に一点鎖線で示す換気位置にする。また、攪拌風路開閉ダンパ7Fを図18に破線で示す閉位置にする。
浴室換気乾燥暖房機1Fは、換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Fを換気位置にすると共に、攪拌風路開閉ダンパ7Fで第2の吹出口22Fを閉じると、ヒータ5非駆動として、循環換気ファンモータ26Fを駆動して羽根車25Fを回転させる。
換気運転モードでは、風路切替ダンパ6Fが換気位置にあるので、循環換気吸込口20Fから吸い込まれた浴室の空気の略全量が換気吹出口23Fへと流れ、屋外へ排気される。従って、換気運転モードでは、浴室内の湯気や湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
(5)空気の吸込方向の変形例
図19は、各実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の変形例を示す斜視図である。以下の例では、第2の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機1Bに適用した例として説明するが、他の実施の形態の浴室換気乾燥暖房機に適用しても良い。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Gは、循環換気ファン2Bで循環換気吸込口20Bから吸い込まれる空気を、フロントパネル4Gの側方から吸い込むようにした構成である。ここで、本体部3Bの構成は、第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
フロントパネル4Gは、循環換気ファン2Bの第2の吹出口22Bの長手方向の辺に沿った辺を除く3辺の何れか、あるいは3辺の全ての側面に、開口を設けて吸込口グリル40Gが形成される。
フロントパネル4Gは、第2の実施の形態と同様に、循環換気ファン2Bの第1の吹出口21Bに対向した下面を開口して第1の吹出口グリル41Gが形成されると共に、第2の吹出口22Bに対向した下面を開口して第2の吹出口グリル42Gが形成される。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Gでも、吸込口グリル40Gから吸い込まれる空気と、第2の吹出口グリル42Gから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
これにより、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができ、乾燥運転モードでは、第1の吹出口グリル41Gから吹き出される温風が、直接は当たりにくい位置にある被乾燥物付近にも、空気の流れを生じさせることができる。従って、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Gでは、フロントパネル4Gの側面に吸込口グリル40Gを備えることで、浴室内に面したフロントパネル4Gの下面に、空気が吸い込まれる開口が設けられておらず、フロントパネルの下面に設けた構成では比較的大きな面積を占める吸込口グリルが、フロントパネルの下面に露出しないので、外観性を向上させることができる。
(6)空気の吸込方向と吹出方向の変形例
図20は、各実施の形態の浴室換気乾燥暖房機の他の変形例を示す斜視図である。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Hは、循環換気ファン2Bで循環換気吸込口20Bから吸い込まれる空気を、フロントパネル4Hの側方から吸い込むと共に、第2の吹出口22Bから吹き出される空気を、フロントパネル4Hの側方から吹き出すようにした構成である。
フロントパネル4Hは、循環換気ファン2Bの第2の吹出口22Bの長手方向の辺に沿った辺を除く3辺の何れか、あるいは3辺の全ての側面に、開口を設けて吸込口グリル40Hが形成される。
フロントパネル4Hは、第2の実施の形態と同様に、循環換気ファン2Bの第1の吹出口21Bに対向した下面を開口して第1の吹出口グリル41Hが形成される。また、フロントパネル4Hは、第2の吹出口22Bの長手方向の辺に沿った辺の側面に、開口を設けて第2の吹出口グリル42Hが形成される。
第2の吹出口グリル42Hは、循環換気ファン2Bの第1の吹出口21Bと仕切り部材24Hで仕切られて第2の吹出口22Bと連通し、フロントパネル4Hの側面から、側方に向けて空気が吹き出される。
他の変形例の浴室換気乾燥暖房機1Hでも、吸込口グリル40Hから吸い込まれる空気と、第2の吹出口グリル42Hから吹き出される風速の速い空気によって、浴室の一方の壁面に沿って下方に向かい、浴室の下層付近を他方の壁面に向かい、他方の壁面に沿って上方に向かう空気の流れを発生させることができる。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Hでは、フロントパネル4Hの側面の第2の吹出口グリル42Hから、側方に向けて空気が吹き出されるので、浴室の一方の壁面に向けてより多くの風量の空気を吹き出すことができる。
これにより、浴室内の全体に、空気を攪拌する風の流れを生じさせることができ、乾燥運転モードでは、第1の吹出口グリル41Hから吹き出される温風が、直接は当たりにくい位置にある被乾燥物付近にも、空気の流れを生じさせることができる。従って、被乾燥物の水分が蒸発しやすくなり、被乾燥物の乾燥に要するエネルギーを低減させることができる。
変形例の浴室換気乾燥暖房機1Hでは、フロントパネル4Hの側面に吸込口グリル40Hと第2の吹出口グリル42Hを備えることで、浴室内に面したフロントパネル4Hの下面に露出する開口を、第1の吹出口グリル41Hのみにすることができ、外観性をより向上させることができる。