以下、図面を参照して本発明の浴室空調装置及び浴室の実施の形態について説明する。
<浴室空調装置の構成例>
図1及び図2は本実施の形態の浴室空調装置の一例を示す構成図で、図1(a)は下面側から見た平面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。また、図2はフロントパネルを取り付けた状態の平面図である。
本実施の形態の浴室空調装置1は、空気を吸い込んで吹き出す循環・換気ファン部2と、循環・換気ファン部2が取り付けられる本体部3を備える。循環・換気ファン部2は給気手段の一例で、多翼の羽根車4と、羽根車4を回転駆動するファンモータ5と、風路を形成するファンケース6を備える。
本体部3は、下面が開口した鉄等の金属製のケースの内部に循環・換気ファン部2が取り付けられる。本体部3は、下面の形状が長方形であり、循環・換気ファン部2は、羽根車4が本体部3の長手方向の一方の側に偏って配置される。
ファンモータ5は、羽根車4の回転軸が鉛直方向となるように、ファンケース6に取り付けられる。
ファンケース6は、羽根車4の軸方向に沿った下面が開口してファン吸込口7が形成される。また、ファンケース6は、羽根車4の回転による空気の吹出方向を、本体部3の長手方向に沿った方向とした吹出風路8が形成される。
ここで、羽根車4の直径及びファンケース6の大きさは、本体部3の短手方向の長さに合わせて設定される。
浴室空調装置1は、吹出風路8と連通したファン吹出口9を、循環・換気ファン部2の下面に備える。ファン吹出口9は、羽根車4が回転駆動されることによる空気の吹出方向に沿った本体部3の長手方向の他方の側に形成され、本体部3の長手方向に沿った辺の長さより、本体部3の短手方向に沿った辺の長さを長くした長方形の開口である。
また、浴室空調装置1は、吹出風路8と連通した排気口10を、循環・換気ファン部2の側部に備える。排気口10は、羽根車4が回転駆動されることによる空気の吹出方向に沿った本体部3の長手方向の他方の側面に形成され、本体部3は、排気口10にダクトジョイント11が取り付けられる。
浴室空調装置1は、ファン吹出口9と排気口10との間で風路を切り替える風路切替ダンパ12を備える。風路切替ダンパ12は、ダンパモータ13の駆動力がカム13aを介して伝達され、軸12aを支点に回転して、ファン吹出口9と排気口10の開閉動作を行う。
循環・換気ファン部2は、風路切替ダンパ12の位置を、図1に実線で示すように排気口10を閉じる循環位置とすると、ファン吹出口9が開いて、ファン吸込口7からファン吹出口9へ連通した循環風路14aが形成される。
また、循環・換気ファン部2は、風路切替ダンパ12の位置を、図1に一点鎖線で示すようにファン吹出口9を閉じる換気位置とすると、排気口10が開いて、ファン吸込口7から排気口10へ連通した換気風路14bが形成される。
更に、循環・換気ファン部2は、風路切替ダンパ12の位置を、図1に二点鎖線で示す循環位置と換気位置の間の循環換気位置とすると、ファン吹出口9と排気口10の双方が開いて、循環風路14aと換気風路14bの双方が形成される。
浴室空調装置1は、循環・換気ファン部2のファン吹出口9にヒータ15を備える。ヒータ15は加熱手段の一例で、例えばPTCヒータで構成され、ヒータ15に通電されると、ヒータ15が加熱されることでファン吹出口9を通る空気が加熱され、ファン吹出口9から温風が吹き出す。
ここで、ヒータ15は、棒状のヒータ部材15aに長手方向に沿って多数のフィン15bが取り付けられた構成で、フィン15bが並ぶ方向を、ファン吹出口9の長手方向に沿った向きとしてファン吹出口9に取り付けられる。
また、ファン吹出口9の短手方向の幅は、2本のヒータ15が並べて取り付けられる長さを有し、本例では、2本のヒータ15がファン吹出口9の短手方向に並べて取り付けられる。なお、ヒータ15の本数は例えば電源電圧等に応じて設定され、1本のヒータ15が取り付けられる構成でも良い。
浴室空調装置1は、本体部3の下面にフロントパネル16を備える。フロントパネル16は、循環・換気ファン部2のファン吸込口7の下面を開口して吸込口グリル16aが形成されると共に、ファン吹出口9の下面を開口して吹出口グリル16bが形成される。
吹出口グリル16bは、ファン吹出口9と同様に、本体部3の短手方向に沿った辺の長さを長くした長方形の開口である。
浴室空調装置1は、吹出口グリル16bに電動ルーバ17Aを備える。
図3は電動ルーバ17Aの一例を示す斜視図である。電動ルーバ17Aは、吹出口グリル16b(ファン吹出口9)の短手方向に沿って延び、吹出口グリル16bの長手方向に沿って並列した複数枚の第1の整流板18aと、第1の整流板18aの向きを変える第1のルーバモータ19aと、各第1の整流板18aに駆動力を伝達する第1のリンク機構20aを備える。電動ルーバ17Aは、第1の整流板18a、第1のルーバモータ19a及び第1のリンク機構20aにより、第1の風向切替手段を構成する。
また、電動ルーバ17Aは、第1の整流板18aと直交する向きに配置される複数枚の第2の整流板18bと、第2の整流板18bの向きを変える第2のルーバモータ19bと、各第2の整流板18bに駆動力を伝達する第2のリンク機構20bを備える。電動ルーバ17Aは、第2の整流板18b、第2のルーバモータ19b及び第2のリンク機構20bにより、第2の風向切替手段を構成する。
各第1の整流板18aは、図示しない枠体等に軸21aを支点に回転自在に支持され、1枚の第1の整流板18aの軸21aに第1のルーバモータ19aの軸が連結されている。第1のルーバモータ19aはステッピングモータで構成され、第1の整流板18aの往復回転動作が可能である。
各第1の整流板18aは、第1のリンク機構20aを構成するリンクロッド22aで連結される。
これにより、第1のルーバモータ19aが回転駆動されると、複数枚の第1の整流板18aの中で、第1のルーバモータ19aの軸と連結された第1の整流板18aが軸21aを支点に回転すると共に、各第1の整流板18aがリンクロッド22aで連結されているので、各第1の整流板18aが軸21aを支点に回転する。
第2の整流板18bも、第1の整流板18aと同様の構成で駆動され、各第2の整流板18bは、図示しない枠体等に軸21bを支点に回転自在に支持され、1枚の第2の整流板18bの軸21bに第2のルーバモータ19bの軸が連結されている。第2のルーバモータ19bはステッピングモータで構成され、第2の整流板18bの往復回転動作が可能である。
各第2の整流板18bには、第2のリンク機構20bを構成するリンクレバー23bが取り付けられ、各リンクレバー23bがリンクロッド22bで連結される。
これにより、第2のルーバモータ19bが回転駆動されると、複数枚の第2の整流板18bの中で、第2のルーバモータ19bの軸と連結された第2の整流板18bが軸21bを支点に回転すると共に、各第2の整流板18bがリンクレバー23b及びリンクロッド22bで連結されているので、各第2の整流板18bが軸21bを支点に回転する。
<浴室空調装置の設置例>
図4は浴室空調装置1の設置例を示す浴室の構成図である。まず、本実施の形態の浴室空調装置1が設置される浴室51の構成について説明すると、浴室51は、浴槽52と洗い場53を備える。浴槽52は一般的に長方形であり、浴槽52と洗い場53は、浴槽52の短手方向に沿って並んでいる。
浴室51は、浴槽52の上部に物干し部材であるランドリパイプ54を備える。ランドリパイプ54は、浴槽52の長手方向に沿って延び、浴室51の対向する壁面パネル55に取り付けられる。なお、浴室51に設置されるランドリパイプ54の本数は、1本または2本程度であり、本例では、2本のランドリパイプ54が平行に配置される。
また、物干し部材であるランドリパイプは、洗濯物等の被乾燥物が乾燥できるようになっていれば、パイプ状の部材に限らず、紐状であっても良く、他のものであっても良い。
浴室空調装置1は、浴室51の天井パネル56に設置される。浴室51の天井パネル56には、浴室空調装置1の本体部3が取り付けられる開口部が形成され、浴室空調装置1は、例えば、本体部3が図示しないアンカーボルト等で浴室51の天井裏に吊り下げられる形態で、天井パネル56に取り付けられる。そして、浴室空調装置1は、本体部3の下面にフロントパネル16が取り付けられ、フロントパネル16の吸込口グリル16aと吹出口グリル16bが、浴室51内に面する。
なお、浴室51の天井パネル56に設置された浴室空調装置1は、本体部3のダクトジョイント11に排気ダクト57が取り付けられる。排気ダクト57は、浴室51が設置される図示しない建物の外壁に取り付けられる屋外グリル57aと接続され、浴室空調装置1は、排気ダクト57を介して屋外とつながっている。
次に、浴室空調装置1を設置する向きについて、図1〜図4を参照して説明する。浴室空調装置1は、上述したように、本体部3の下面の形状が長方形であり、本体部3の向きが、浴槽52の長手方向に沿う向きとして、浴槽52の上部に設置される。
これにより、浴室空調装置1は、吹出口グリル16bの向きが、ランドリパイプ54の長手方向及び浴槽52の長手方向に対して直交する向きとなる。
<浴室空調装置の制御機能例>
図5は本実施の形態の浴室空調装置1の制御系の一例を示す機能ブロック図である。
浴室空調装置1は、CPUやメモリ等で構成される制御部61に、操作部62と、図1〜図3で説明したファンモータ5と、ダンパモータ13と、ヒータ15と、第1のルーバモータ19a及び第2のルーバモータ19bが接続される。
制御部61は制御手段の一例で、図示しないメモリ等に格納されたプログラムに従って、例えば暖房運転モード、換気運転モード、乾燥運転モード及び涼風運転モードを実行する。これら運転モードは、入浴者等の利用者が操作部62を操作すること等により選択され、制御部61は、選択された運転モードを実行するプログラムに従いファンモータ5、ダンパモータ13、ヒータ15、第1のルーバモータ19a及び第2のルーバモータ19b等を制御する。
操作部62は、浴室空調装置1の本体部3と独立したリモートコントロール装置で、例えば浴室51に隣接した洗面所58の壁面等に取り付けられ、本体部3に実装される制御部61とは例えば電気ケーブルで接続される。
<電動ルーバの動作例>
図6及び図7は電動ルーバ17Aの動作例を示す説明図で、次に、浴室空調装置1の吹出口グリル16bに設置される電動ルーバ17Aの動作について説明する。
図6(a)に示すように、第1のルーバモータ19aが矢印a方向に回転駆動されると、第1のルーバモータ19aと連結された第1の整流板18aが軸21aを支点に矢印a方向に回転すると共に、各第1の整流板18aがリンクロッド22aで連結されているので、各第1の整流板18aが軸21aを支点に矢印a方向に回転する。
浴室空調装置1は、長方形の吹出口グリル16bの向きが、上述したようにランドリパイプ54に対して直交する向きで、第1の整流板18aは、吹出口グリル16bの短手方向に沿って延び、かつ吹出口グリル16bの長手方向に沿って並列している。
これにより、複数の第1の整流板18aが、それぞれ軸21aを支点に矢印a方向に回転すると、各第1の整流板18aは、図6(b)に示すように一の方向、本例では図4に示す浴室51の洗い場53方向に向く。
これに対して、第1のルーバモータ19aが矢印b方向に回転駆動されると、第1のルーバモータ19aと連結された第1の整流板18aが軸21aを支点に矢印b方向に回転すると共に、各第1の整流板18aが軸21aを支点に矢印b方向に回転する。これにより、各第1の整流板18aは、図6(c)に示すように他の方向、本例では図4に示す浴室51のランドリパイプ54(浴槽52)方向に向く。
ここで、本例では浴槽52と洗い場53との並び方向が第1の方向で、浴槽52及びランドリパイプ54の長手方向が第2の方向であり、第1の方向と第2の方向は異なる向きで、かつ、第1の方向と第2の方向は直交している。
図7(a)に示すように、第2のルーバモータ19bが矢印c方向に回転駆動されると、第2のルーバモータ19bと連結された第2の整流板18bが軸21bを支点に矢印c方向に回転すると共に、各第2の整流板18bがリンクレバー23b及びリンクロッド22bで連結されているので、各第2の整流板18bが軸21bを支点に矢印c方向に回転する。これにより、各第2の整流板18bは、図7(b)に示すように一の方向に向く。
これに対して、第2のルーバモータ19bが矢印d方向に回転駆動されると、第2のルーバモータ19bと連結された第2の整流板18bが軸21bを支点に矢印d方向に回転すると共に、各第2の整流板18bが軸21bを支点に矢印d方向に回転する。これにより、各第2の整流板18bは、図7(c)に示すように他の方向に向く。
第2の整流板18bは、上述したように、第1の整流板18aに対して直交しているので、第2の整流板18bは、吹出口グリル16bの長手方向に沿って延び、かつ吹出口グリル16bの短手方向に沿って並列している。
従って、第2のルーバモータ19bを所定の範囲で往復回転動作させると、第2の整流板18bは、図7(b)に示す一の方向と図7(c)に示す他の方向の間を往復し、本例では、図4に示す浴室51のランドリパイプ54に沿った第2の方向に沿って往復する。
<浴室空調装置の動作例>
次に、本実施の形態の浴室空調装置1の動作を各図を参照して説明する。浴室空調装置1の制御部61は、操作部62における操作で暖房運転モードが選択されると、ダンパモータ13を駆動して、風路切替ダンパ12を図1に実線で示す循環位置にする。
また、制御部61は、第1のルーバモータ19aを駆動して、第1の整流板18aの向きを図6(b)に示す一の方向とし、吹出口グリル16bからの送風方向を洗い場53方向にする。
そして、ファンモータ5を駆動して羽根車4を回転させると共に、ヒータ15に通電する。
浴室空調装置1は、羽根車4が回転すると、フロントパネル16の吸込口グリル16aから、浴室51の空気がファン吸込口7へと吸い込まれる。
暖房運転モードでは、風路切替ダンパ12が循環位置にあるので、ファンケース6では、ファン吸込口7からファン吹出口9へ連通した循環風路14aが形成されている。
これにより、羽根車4が回転することでファン吸込口7から吸い込まれた浴室51の空気は、循環風路14aによってファン吹出口9へと流れる。ヒータ15はファン吹出口9に備えられ、暖房運転モードではヒータ15に通電されているので、ファン吹出口9へと流れてヒータ15を通る空気はヒータ15によって加熱され、吹出口グリル16bから吹き出される。
そして、吹出口グリル16bでは、電動ルーバ17Aによって、第1の整流板18aの向きが、洗い場53方向を向いているので、図4に破線の矢印Hで示すように、吹出口グリル16bから洗い場53に向けて温風が吹き出される。
従って、暖房運転モードでは、浴室51内の空気を循環させながら浴室51内を暖房して、温度を上げることができる。また、暖房運転モードでは、温風の吹き出し方向が洗い場53方向であるので、洗い場53の床面を温めることができ、入浴者が浴室51に入った際に、足元が冷たく感じることを防ぐことができる。
浴室空調装置1の制御部61は、操作部62における操作で換気運転モードが選択されると、ダンパモータ13を駆動して、風路切替ダンパ12を図1に一点鎖線で示す換気位置にする。そして、ファンモータ5を駆動して羽根車4を回転させる。なお、換気運転モードでは、ヒータ15には通電しない。
浴室空調装置1は、羽根車4が回転すると、上述したように、フロントパネル16の吸込口グリル16aから、浴室51の空気がファン吸込口7へと吸い込まれる。
換気運転モードでは、風路切替ダンパ12が換気位置にあるので、ファンケース6では、ファン吸込口7から排気口10へ連通した換気風路14bが形成されている。
これにより、羽根車4が回転することでファン吸込口7から吸い込まれた浴室51の空気は、換気風路14bによって排気口9へと流れ、排気口9に取り付けられたダクトジョイント11を介して接続される排気ダクト57を通って屋外グリル57aから屋外へ排気される。また、浴室51内の空気が屋外に排出されることで、図4に示す浴室ドア59等に設けた空気取入口59aから、隣接する室内である洗面所58等の空気が吸い込まれる。
従って、換気運転モードでは、浴室51内の湯気や湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。なお、換気運転モードでは、風路切替ダンパ12を循環換気位置として、浴室51内の空気を循環させながら、換気を行っても良い。
浴室空調装置1の制御部61は、操作部62における操作で乾燥運転モードが選択されると、ダンパモータ13を駆動して、風路切替ダンパ12を図1に二点鎖線で示す循環換気位置にする。
また、制御部61は、第1のルーバモータ19aを駆動して、第1の整流板18aの向きを図6(c)に示す他の方向とし、吹出口グリル16bからの送風方向をランドリパイプ54方向にする。
更に、制御部61は、第2のルーバモータ19bを駆動して、第2の整流板18bの向きを、図7(b)に示す一の方向と図7(c)に示す他の方向の間で往復させ、吹出口グリル16bからの送風方向を、ランドリパイプ54に沿って往復させる。
そして、ファンモータ5を駆動して羽根車4を回転させると共に、ヒータ15に通電する。
浴室空調装置1は、羽根車4が回転すると、上述したように、フロントパネル16の吸込口グリル16aから、浴室51の空気がファン吸込口7へと吸い込まれる。
乾燥運転モードでは、風路切替ダンパ12が循環換気位置にあるので、ファンケース6では、ファン吸込口7からファン吹出口9へ連通した循環風路14aとファン吸込口7から排気口9へ連通した換気風路14bの双方が形成されている。
これにより、羽根車4が回転することでファン吸込口7から吸い込まれた浴室51の空気の一部は、循環風路14aによってファン吹出口9へと流れ、ヒータ15によって加熱されて、吹出口グリル16bから吹き出される。
そして、吹出口グリル16bでは、電動ルーバ17Aによって、第1の整流板18aの向きが、ランドリパイプ54方向を向いているので、図4(b)に実線の矢印Iで示すように、吹出口グリル16bからランドリパイプ54に向けて温風が吹き出される。
また、吹出口グリル16bの向きが、ランドリパイプ54に対して直交しているので、ランドリパイプ54に掛けられた洗濯物Sの幅W方向の全体に温風が吹き出される。
更に、吹出口グリル16では、電動ルーバ17Aによって、第2の整流板18bの向きが、ランドリパイプ54に沿って往復しているので、図4(a)に実線の矢印Jで示すように、吹出口グリル16bからランドリパイプ14に沿って広範囲に温風が吹き出される。
また、乾燥運転モードでは、羽根車4が回転することでファン吸込口7から吸い込まれた浴室51の空気の残部は、換気風路14bによって排気口9へと流れ、排気ダクト57を通って屋外グリル57aから屋外へ排気される。また、浴室51内の空気が屋外に排出されることで、浴室ドア59の空気取入口59a等から、洗面所58の空気が吸い込まれる。
従って、乾燥運転モードでは、浴室51内に温風を吹き出して、ランドリパイプ54に掛けられた洗濯物を乾燥させることができる。そして、電動ルーバ17Aによってランドリパイプ54に沿って温風が吹き出されるので、ランドリパイプ54のどの場所に掛けられた洗濯物に対しても温風を当てることができる。更に、吹出口グリル16bの向きが、ランドリパイプ54に対して直交しているので、ランドリパイプ54に掛けられた洗濯物の幅方向の全体に温風を当てることができると共に、図4に示すように2本のランドリパイプ54を設置した場合でも、各ランドリパイプ54に掛けられた洗濯物S全体に温風を当てることができる。よって、多くの洗濯物Sに温風が当たることで、乾燥時間を短縮することができる。
また、浴室51内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、洗濯物の乾燥を促進することができる。
浴室空調装置1の制御部61は、操作部62における操作で涼風運転モードが選択されると、ダンパモータ13を駆動して、風路切替ダンパ12を図1に二点鎖線で示す循環換気位置にする。
また、制御部61は、第1のルーバモータ19aを駆動して、第1の整流板18aの向きを図6(b)に示す一の方向とし、吹出口グリル16bからの送風方向を洗い場53方向にする。
そして、ファンモータ5を駆動して羽根車4を回転させる。なお、涼風運転モードでは、ヒータ15には通電しない。
浴室空調装置1は、羽根車4が回転すると、上述したように、フロントパネル16の吸込口グリル16aから、浴室51の空気がファン吸込口7へと吸い込まれる。
涼風運転モードでは、風路切替ダンパ12が循環換気位置にあるので、ファンケース6では、ファン吸込口7からファン吹出口9へ連通した循環風路14aとファン吸込口7から排気口9へ連通した換気風路14bの双方が形成されている。
これにより、羽根車4が回転することでファン吸込口7から吸い込まれた浴室51の空気の一部は、循環風路14aによってファン吹出口9へと流れる。涼風運転モードでは、ヒータ15に通電されないので、吹出口グリル16bから浴室51内の温度に応じた風(涼風)が吹き出される。
そして、吹出口グリル16bでは、電動ルーバ17Aによって、第1の整流板18aの向きが、洗い場53方向を向いているので、吹出口グリル16bから洗い場53に向けて涼風が吹き出される。
また、涼風運転モードでは、羽根車4が回転することでファン吸込口7から吸い込まれた浴室51の空気の残部は、換気風路14bによって排気口9へと流れ、排気ダクト57を通って屋外グリル57aから屋外へ排気される。また、浴室51内の空気が屋外に排出されることで、浴室ドア59の空気取入口59a等から、浴室51に隣接した洗面所58の空気が吸い込まれる。
従って、涼風運転モードでは、洗い場53に向けて涼風を吹き出すことで、洗い場53に居る入浴者に涼風を当てて、夏季等に扇風機として利用することができる。また、浴室51内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出することができる。
なお、涼風運転モードでは、風路切替ダンパ12を循環位置として、換気を行わずに浴室51内で循環させる空気で涼風の吹き出しを行っても良い。また、涼風運転モードでは、空気の吹き出し方向を浴槽52側としても良い。
さて、従来の浴室空調装置のように、吹出口グリルが横長の長方形であると、羽根車の直径及びファンケースの大きさは、本体部の短手方向の長さから、吹出口の設置スペースを差し引いて設定しなければならず、羽根車4の大径化が困難であった。
これに対して、本実施の形態の浴室空調装置1では、吹出口グリル16b(ファン吹出口9)を縦長の長方形として、本体部3の長手方向の他方の側に配置している。これにより、羽根車4の直径及びファンケース6の大きさを、本体部3の短手方向の長さに合わせて設定することができ、羽根車4の大径化を図ることが可能である。
従って、循環風量や換気風量を増加させることができるので、従来と同じ風量を得るためには、羽根車4の回転数を落とすことができ、静音化及び省電力化を図ることができる。
また、従来と比較して、運転音を上げることなく、風量を増やすこともできるので、運転モードに応じて風量を例えば標準風量と強風量に切り替えて、短時間での暖房や換気、乾燥等を行うことも可能である。
<電動ルーバの他の構成例>
図8は他の実施の形態の電動ルーバ17Bの一例を示す構成図で、図8(a)斜視図、図8(b)は正面図である。電動ルーバ17Bは第1の風向切替手段の一例で、吹出口グリル16bの短手方向に沿って延び、吹出口グリル16bの長手方向に沿って並列した複数枚の第1の整流板18aと、第1の整流板18aの向きを変える第1のルーバモータ19aと、各第1の整流板18aに駆動力を伝達する第1のリンク機構20aを備える。
また、電動ルーバ17は、第1の整流板18aと直交する向きに配置される複数枚の第2の整流板18cを備える。
各第1の整流板18aは、図示しない枠体等に軸21aを支点に回転自在に支持され、1枚の第1の整流板18aの軸21aに第1のルーバモータ19aの軸が連結されている。第1のルーバモータ19aはステッピングモータで構成され、第1の整流板18aの往復回転動作が可能である。
各第1の整流板18aは、第1のリンク機構20aを構成するリンクロッド22aで連結される。
これにより、第1のルーバモータ19aが回転駆動されると、複数枚の第1の整流板18aの中で、第1のルーバモータ19aの軸と連結された第1の整流板18aが軸21aを支点に回転すると共に、各第1の整流板18aがリンクロッド22aで連結されているので、各第1の整流板18aが軸21aを支点に回転する。
第2の整流板18cは、図示しない枠体等に軸21cを支点に回転自在に支持され、それぞれの第2の整流板18cは、軸21cを支点に手動で向きが調整可能である。なお、第2の整流板18cは、向きを固定としてもよい。第2の整流板18cの向きを固定とする場合は、空気の吹き出し方向が広がる方向となるように、図8(b)に示すように、各第2の整流板18cがハの字に広がる向きとすると良い。
<浴室空調装置の他の動作例>
次に、図8で説明した電動ルーバ17Bを備えた浴室空調装置1の暖房運転モードと乾燥運転モードの動作について、図4(b)等を参照して説明する。ここで、換気運転モードと涼風運転モードは、先に説明した動作例と同じである。
暖房運転モードでは、ダンパモータ13を駆動して、風路切替ダンパ12を図1に実線で示す循環位置とすると共に、第1のルーバモータ19aを駆動して、第1の整流板18aの向きを図6(b)に示す一の方向とし、吹出口グリル16bからの送風方向を洗い場53方向にする。
そして、ファンモータ5を駆動して羽根車4を回転させると共に、ヒータ15に通電する。
浴室空調装置1は、風路切替ダンパ12を循環位置として、羽根車4が回転すると、フロントパネル16の吸込口グリル16aから、浴室51の空気がファン吸込口7へと吸い込まれ、ファン吸込口7から吸い込まれた浴室51の空気は、循環風路14aによってファン吹出口9へと流れる。
暖房運転モードではヒータ15に通電されているので、ファン吹出口9へと流れてヒータ15を通る空気はヒータ15によって加熱され、吹出口グリル16bから吹き出される。
そして、吹出口グリル16bでは、電動ルーバ17Bによって、第1の整流板18aの向きが、洗い場53方向を向いているので、図4(b)に破線の矢印Hで示すように、吹出口グリル16bから洗い場53に向けて温風が吹き出される。
従って、暖房運転モードでは、浴室51内の空気を循環させながら浴室51内を暖房して、温度を上げることができる。また、暖房運転モードでは、温風の吹き出し方向が洗い場53方向であるので、洗い場53の床面を温めることができ、入浴者が浴室51に入った際に、足元が冷たく感じることを防ぐことができる。
乾燥運転モードでは、ダンパモータ13を駆動して、風路切替ダンパ12を図1に二点鎖線で示す循環換気位置とすると共に、第1のルーバモータ19aを駆動して、第1の整流板18aの向きを図6(c)に示す他の方向とし、吹出口グリル16bからの送風方向をランドリパイプ54方向にする。
そして、ファンモータ5を駆動して羽根車4を回転させると共に、ヒータ15に通電する。
浴室空調装置1は、風路切替ダンパ12を循環換気位置として、羽根車4が回転すると、フロントパネル16の吸込口グリル16aから、浴室51の空気がファン吸込口7へと吸い込まれ、ファン吸込口7から吸い込まれた浴室51の空気の一部は、循環風路14aによってファン吹出口9へと流れ、ヒータ15によって加熱されて、吹出口グリル16bから吹き出される。
そして、吹出口グリル16bでは、電動ルーバ17Bによって、第1の整流板18aの向きが、ランドリパイプ54方向を向いているので、図4(b)に実線の矢印Iで示すように、吹出口グリル16bからランドリパイプ54に向けて温風が吹き出される。
また、吹出口グリル16bの向きが、ランドリパイプ54に対して直交しているので、ランドリパイプ54に掛けられた洗濯物Sの幅W方向の全体に温風が吹き出される。
また、乾燥運転モードでは、羽根車4が回転することでファン吸込口7から吸い込まれた浴室51の空気の残部は、換気風路14bによって排気口9へと流れ、排気ダクト57を通って屋外グリル57aから屋外へ排気される。また、浴室51内の空気が屋外に排出されることで、図示しない浴室ドア等に設けた空気取入口から、隣接する洗面所等の空気が吸い込まれる。
従って、乾燥運転モードでは、浴室51内に温風を吹き出して、ランドリパイプ54に掛けられた洗濯物を乾燥させることができる。また、吹出口グリル16bの向きが、ランドリパイプ54に対して直交しているので、ランドリパイプ54に掛けられた洗濯物の幅方向の全体に温風を当てることができると共に、図4に示すように2本のランドリパイプ54を設置した場合でも、各ランドリパイプ54に掛けられた洗濯物S全体に温風を当てることができる。なお、電動ルーバ17Bにおいて、第2の整流板18cは、空気の吹き出し方向が広がる方向となるように向きを調整すれば、ランドリパイプ54に沿って温風が吹き出される。よって、多くの洗濯物Sに温風が当たることで、乾燥時間を短縮することができる。
また、浴室51内の空気の一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、洗濯物の乾燥を促進することができる。
<本実施の形態の浴室空調装置の変形例>
図9は本実施の形態の浴室空調装置の変形例を示す構成図である。上述した各実施の形態では、吹出口グリル16b(ファン吹出口9)に電動ルーバ17Aあるいは電動ルーバ17Bを備えて、空気の吹き出し方向を切り替える構成とした。
これに対して、図9に示す浴室空調装置1では、電動ルーバを用いずに、図4に示すように浴室51に取り付けられるランドリパイプ54の長手方向に沿って、複数方向に空気が吹き出すようにした固定ルーバ17Cを備えている。なお、図9では、固定ルーバ17C以外の構成は、図1で説明した浴室空調装置1と同じであるので、浴室空調装置1の全体の構成の説明は省略する。
固定ルーバ17Cは、吹出口グリル16bの長手方向に沿って延び、吹出口グリル16bの短手方向に沿って並列した複数枚の整流板18dを備える。複数枚の整流板18dの中で、中央付近に配置される整流板18dは、空気の吹き出し方向が鉛直方向となるように、鉛直下向きで配置される。また、左右に配置される整流板18dは、空気の吹き出し方向が広がるように、ハの字型に配置される。ここで、左右に配置される整流板18dは、空気の吹き出し方向が広がる方向に湾曲した形状としても良い。
なお、固定ルーバ17Cは、吹出口グリル16bの短手方向に沿って延び、吹出口グリル16bの長手方向に沿って並列した図示しない複数枚の整流板を備える。吹出口グリル16bの長手方向に沿った側の整流板は、空気の吹き出し方向が例えばランドリパイプ54方向を向くように、一方向に固定されている。
上述した構成の浴室空調装置1では、例えば乾燥運転モードを実行すると、吹出口グリル16bから、浴室空調装置1の直下の方向と、ランドリパイプ54の長手方向に沿った方向の複数方向に温風が吹き出す。
吹出口グリル16bの向きは、ランドリパイプ54に対して直交しているので、ランドリパイプ54に掛けられた洗濯物の幅方向の全体に温風を当てることができると共に、ランドリパイプ54の長手方向に沿って掛けられた多くの洗濯物に温風が当たることで、乾燥時間を短縮することができる。