JP6063308B2 - 自動車用メータの立体意匠部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用メータの立体意匠部構造に関する。
自動車用メータには、文字板の視認性を高めるために工夫のなされたものがある(例えば特許文献1参照)。
この種の技術として、図5及び図6に示すように、文字板501を照明するために文字板501の下面に配置したプリズム(導光体)503に立体意匠部として突起状の立体目盛505a,505bを設け、文字板501に設けた貫通孔507より立体目盛505a,505bを突出させ、立体目盛505a,505bに導光させた光によって視認性を良好にする自動車用メータの立体目盛構造(立体意匠部構造)が知られている。
プリズム503は、メータケース509に収容され、立体目盛505a,505bはメータの半径方向外側が装飾リング511によって覆われる。文字板501の裏側には、文字板全体及び立体目盛505a,505bを照明する白色光の図示しない光源が配置される。即ち、文字板501全体を照明する照明用原色光513と、立体目盛505a,505bを照明する照明用原色光513とは、同じ白色光となっている。
そして、この種の立体目盛構造において、回転計のレッドゾーン等の処理の場合、立体目盛505aから出射される光を赤色に着色した着色光515とするため、プリズム503の裏面の赤色光必要部分(即ち、立体目盛505aの裏面側部分)に、図6に示すように、赤色印刷517をベタ塗りで設けることが行われる。また、文字板501の表面には、昼間も赤色に視認できるように、貫通孔507同士の間に別の補助目盛519a,519bを赤色に印刷する。なお、プリズム503に導光されて赤色印刷517に反射される着色光515は、拡散面等によって反射面の法線に対して異なる角度で反射されるように構成されている。
特開2010−78442号公報
しかしながら、上記した従来の立体目盛構造の場合、文字板501全体を照射する白色の直接光である照明用原色光513が、プリズム503の裏面に設けた赤色印刷517に反射されずに出射され、レッドゾーンの赤としたい立体目盛505aから視認されてしまうという問題があった。また、文字板501に昼間も赤色に視認できるように、文字板501における貫通孔507同士の間の表面に別の補助目盛519a,519bを赤色印刷した場合、夜間照明時には、この赤色印刷517に対応した領域の補助目盛519aと、赤色印刷517に対応しない領域の補助目盛519bとの透過光に色目の差がついてしまうという問題もあった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、安価な構造で見た目のよい表示とすることができる自動車用メータの立体意匠構造を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 文字板と、前記文字板の裏側に配設されて基端側より光源からの光が入射される導光体と、前記導光体の先端側に突設されて前記文字板に穿設された貫通孔より突出する立体意匠部と、前記文字板と反対側となる前記導光体の導光体裏面において前記立体意匠部を包囲して形成される凹形状部と、前記導光体裏面において前記立体意匠部を包囲するように前記凹形状部を含んで施される色印刷と、を備えることを特徴とする自動車用メータの立体意匠構造。
上記(1)の構成の自動車用メータの立体意匠部構造によれば、立体意匠部に対応する導光体裏面には、立体目盛を包囲して凹形状部が形成され、この凹形状部を含んで立体目盛を包囲するように色印刷が施されることにより、導光体裏面から導光体の内部に向かって色印刷が起立壁状に突出するように形成される。
そこで、導光体の基端側では起立壁状となった色印刷が起立遮蔽部となって、従来は色印刷に反射されずに立体意匠部から出射されていた光源からの直接光が遮光される。これにより、反射光である着色光に光源からの直接光が混ざることが抑制され、色印刷により近い色の光だけが立体意匠部から出射されるようになり、簡単な構造で、視認性のよい表示となる。また、文字板側から立体意匠部を見たときに、従来は目視された直接光の原色反射領域が、起立遮蔽部による目隠し効果によって見えなくなり、見た目のよい表示となる。
更に、導光体の先端側では起立壁状となった色印刷が起立着色部となって、従来は迷光となって立体意匠部から出射させることのできなかった直接光を、着色光として出射させることが可能となる。
なお、上記凹形状部は、立体意匠部を包囲するように環状の掘り溝に形成することが、導光体の導光路断面積を小さくしない理由で好ましいが、この掘り溝に囲まれる内側の全てを凹ませた凹部として形成してもよい。この場合、導光体裏面側から見た場合の凹部の底面に色印刷が施されるので、色印刷がメータケースから離間され、色印刷を擦れ等の経年劣化から保護できる。
(2) 上記(1)の構成の自動車用メータの立体意匠部構造であって、複数の前記立体意匠部が突出され前記貫通孔同士の間の前記文字板の表面には、色印刷された補助意匠が設けられることを特徴とする自動車用メータの立体目盛構造。
上記(2)の構成の自動車用メータの立体意匠部構造によれば、複数の立体意匠部が突出される貫通孔同士の間の文字板の表面に、色印刷された補助意匠が設けられる構造であっても、夜間照明時における補助意匠への導光体裏面に施された色印刷の影響を最小限に留めることができ、複数の補助意匠における色目の差が抑制され、見た目のよい表示とすることができる。
(3) 上記(1)または(2)の構成の自動車用メータの立体意匠部構造であって、前記光源が、前記文字板の全体を照明する他の光源と同色の照明用原色光を出射することを特徴とする自動車用メータの立体目盛構造。
上記(3)の構成の自動車用メータの立体意匠部構造によれば、文字板の全体を照明する光源と、立体意匠部を照明する光源とが、同色の照明用原色光を出射する光源となり、部品の共通化が図れ、安価な構造にできる。
本発明に係る自動車用メータの立体意匠部構造によれば、安価な構造で見た目のよい表示とすることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の一実施形態に係る立体意匠部構造を有する自動車用メータの正面図である。 図1に示した自動車用メータのA−A断面図である。 図2に示した文字板及び導光体の要部斜視図である。 図2の要部拡大図である。 従来の自動車用メータにおける立体目盛構造の要部拡大断面図である。 図5に示した文字板及び導光体の斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る立体意匠部構造である立体目盛構造は、自動車用メータであるコンビネーションメータ11に好適に用いることができる。コンビネーションメータ11は、例えば車両の図示しないインストルメントパネルに取り付けられる。コンビネーションメータ11には、図1に示すように、車両の速度を指示する速度計13と、液晶板15(LCD)を用いた液晶表示装置のマルチ表示部17と、ターンL表示部19と、ターンR表示部21と、エンジンの回転数を表示する回転計23と、シフトインジケータ25と、TRIPノブ27と、シートベルト非着用やヘッドランプ消し忘れ用等のウォーニングランプ29と、が設けられている。
これら速度計13、マルチ表示部17、ターンL表示部19、ターンR表示部21、回転計23、シフトインジケータ25、TRIPノブ27は、コンビネーションメータ11のメータケース31に収容されている。回転計23の文字板49には、所定回転数以上の表示部分に、着色された補助意匠である補助目盛33(図3参照)を有するレッドゾーン(警告領域)35が設けられている。メータケース31の正面には見返し37が取り付けられ、見返し37はメータケース31に収容された光源39、電子部品41が実装される配線基板43や、指針45の駆動部47などを隠す。また、メータケース31の正面側には表ガラスが取り付けられている。
文字板49は、遮光性の樹脂材料、或いは、透光性の樹脂材料、例えば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などから形成することができる。この場合、非透光部分には不透光性着色層が設けられる。文字板49の表面側で移動する指針45は、透光性の樹脂材料などから構成され、導光構造、反射構造を有していてもよい。
図2に示すように、回転計23の文字板49の裏側には、導光体であるプリズム51が配設され、プリズム51には基端側より光源39からの光が入射する。本実施形態において、配線基板43には、複数の光源39が実装される。これら光源39は、白色の直接光である照明用原色光53(図4参照)を出射する。
光源39は、例えば発光ダイオードよりなり、配線基板43に実装されている制御部より電圧が印加されることで駆動される。光源39は、指針45を発光表示させるとともに文字板49の表示面の一部を間接的に照明する。光源39は、プリズム51の基端側の入射部55に近接して配置される。光源39と文字板49との間、プリズム51とメータケース31との間には、樹脂材料より形成される光拡散シートが設けられていてもよい。光拡散シートは、光源39からの光を均一にして文字板49やプリズム51に照射し、輝度ムラを抑制することができる。
プリズム51の先端側には、立体意匠部である立体目盛57a,57bが一体となって突設される。立体目盛57a,57bは、メータの半径方向外側が装飾リング59によって覆われる。立体目盛57aは、文字板49のレッドゾーン35に穿設された貫通孔61より突出して指針45に指し示される。本実施形態において、立体目盛57aは、レッドゾーン35に複数が設けられ、突出した立体目盛57a同士の間の文字板49には補助目盛33が設けられている(図3参照)。補助目盛33は、色印刷である例えば赤色で印刷が施される。なお、立体目盛57bは、文字板49のレッドゾーン35以外に穿設された貫通孔61より突出して指針45に指し示される。これら立体目盛57a,57bは、図4に示すように、段部を有する台形板で階段状に形成されるが、この形状に限定されない。
文字板49と反対側となるプリズム51の導光体裏面63には、凹形状部65が形成される。凹形状部65は、図3に示すように、環状の掘り溝となって立体目盛57aを包囲して形成される。
さらに、導光体裏面63のレッドゾーン35には、色印刷である例えば赤色印刷67が施され、図4に示すように、赤色印刷67は立体目盛57aを包囲して凹形状部65を含んで施されている。
次に、上記構成を有する立体目盛構造の作用を説明する。
本実施形態に係るコンビネーションメータ11の立体目盛構造によれば、立体目盛57aの導光体裏面63には、立体目盛57aを包囲して凹形状部65が形成され、この凹形状部65を含んで立体目盛57aを包囲するように赤色印刷67が施されることにより、図4に示したように、導光体裏面63からプリズム51の内部に向かって赤色印刷67が起立壁状に突出するように形成される。
そこで、プリズム51の基端側では起立壁状となった赤色印刷67が起立遮蔽部69となって、従来は赤色印刷67に反射されずに立体目盛57aから出射されていた光源39からの直接光である照明用原色光53が遮光される。これにより、反射光である着色光71に光源39からの直接光である照明用原色光53が混ざることが抑制され、赤色印刷67により近い色の光だけが立体目盛57aから出射されるようになり、簡単な構造で、視認性のよい表示となる。
また、文字板49側(乗員側)から立体目盛57aを見たときに、従来は目視された照明用原色光53の原色反射領域73が、起立遮蔽部69による目隠し効果によって見えなくなり、見た目のよい表示となる。
更に、プリズム51の先端側では起立壁状となった赤色印刷67が起立着色部75となって、従来は迷光となって立体目盛57aから出射させることのできなかった照明用原色光53を、着色光71として出射させることが可能となる。
なお、本実施形態の凹形状部65は、立体目盛57aを包囲するように環状の掘り溝に形成することが、プリズム51の導光路断面積を小さくしない理由で好ましいが、この掘り溝に囲まれる内側の全てを凹ませた凹部として形成してもよい。この場合、導光体裏面63側から見た場合の凹部の底面に赤色印刷67が施されるので、赤色印刷67がメータケース31から離間され、赤色印刷67を擦れ等の経年劣化から保護できる。
また、本実施形態に係るコンビネーションメータ11の立体目盛構造では、複数の立体目盛57aが突出される貫通孔61同士の間の文字板49の表面に、赤色印刷67が施された補助目盛33が設けられる構造であっても、夜間照明時における補助目盛33への導光体裏面63に施された赤色印刷67の影響を最小限に留めることができ、複数の補助目盛33における色目の差が抑制され、見た目のよい表示とすることができる。
更に、本実施形態に係るコンビネーションメータ11の立体目盛構造では、文字板49の全体を照明する光源39と、立体目盛57aを照明する光源39とが、同色の照明用原色光53を出射する光源となり、部品の共通化が図れ、安価な構造にできる。
なお、上記実施形態では、立体意匠部構造が回転計23のレッドゾーン35へ適用される場合を例としたが、本発明の立体意匠部は、エコ表示等のグリーンゾーン、電気駆動力とエンジン駆動力比率の表示部位等、その他の色が異なる立体意匠部へ適合してもよく、上記同様の作用、効果を奏するものである。また、本発明の補助意匠は、上記補助目盛33に限るものではなく、立体意匠部と異なる別の色のものに適用してもよい。
従って、本実施形態に係るコンビネーションメータ11の立体目盛構造によれば、安価な構造で見た目のよい表示とすることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
11…コンビネーションメータ(自動車用メータ)
33…補助目盛(補助意匠)
39…光源
45…指針
49…文字板
51…プリズム(導光体)
53…照明用原色光
57a…立体目盛(立体意匠部)
57b…立体目盛
61…貫通孔
63…導光体裏面
65…凹形状部
67…赤色印刷(色印刷)

Claims (3)

  1. 文字板と、
    前記文字板の裏側に配設されて基端側より光源からの光が入射される導光体と、
    前記導光体の先端側に突設されて前記文字板に穿設された貫通孔より突出する立体意匠部と、
    前記文字板と反対側となる前記導光体の導光体裏面において前記立体意匠部を包囲して形成される凹形状部と、
    前記導光体裏面において前記立体意匠部を包囲するように前記凹形状部を含んで施される色印刷と、
    を備えることを特徴とする自動車用メータの立体意匠部構造。
  2. 請求項1に記載の自動車用メータの立体意匠部構造であって、
    複数の前記立体意匠部が突出され前記貫通孔同士の間の前記文字板の表面には、色印刷された補助意匠が設けられることを特徴とする自動車用メータの立体目盛構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の自動車用メータの立体意匠部構造であって、
    前記光源が、前記文字板の全体を照明する他の光源と同色の照明用原色光を出射することを特徴とする自動車用メータの立体目盛構造。
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