JP6054683B2 - 水素分離体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、水素分離金属層におけるピンホールの発生を低減できる水素分離体の製造方法を提供することにある。
分とする金属粉末と、セラミックス粉末とを、混合してペースト状材料を作製する第1工程と、前記第1工程によって作製されたペースト状材料を用いて、焼結前の多孔質の支持体成形体の表面を覆うことによって、前記支持体成形体上に表面形成層を形成する第2工程と、前記第2工程によって形成された支持体成形体及び表面形成層を共焼成して焼結させることによって、内部に前記水素分離金属層を備えた前記多孔質体を作製する第3工程と、前記第3工程によって作製された多孔質体の水素分離金属層に対して、電解めっきによって、前記水素分離金属層を構成する金属を供給する第4工程と、を有することを特徴とする。
つまり、この内部給電方式の電解めっきでは、多孔質体の一方の側に電解液を供給するとともに、他方の側からめっき液を供給し、電解液を介してベース金属に電子を供給して電解めっきを行うので、従来の様に多孔質体の表面に表面膜を形成し、その表面膜に接点を設けたりクリッピングして給電する必要がない。そのため、表面膜が破損することがなく、よって、表面膜の破損によるガスリークの発生が無い。よって、純度の高い水素を得ることができる。
(6)本発明は、第6態様として、前記共焼成の焼成温度が、1400℃以上であることを特徴とする。
ここでは、共焼成の焼成温度を例示している。
<水素分離体の構成>
前記多孔質体は、全体又は一部が水素を含むガスの透過が可能な多孔質材料で構成されており、この材料としては、セラミックス粉末が用いられる。このセラミックスとしては、イットリア安定化ジルコニア、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリアおよびこれらの混合物などが挙げられる。
式の電解めっき)に用いられる金属としては、Pd、及び、Pd合金(即ちPdCu合金、PdAg合金、PdAu合金)となる金属が挙げられる。即ち、Ag、Cu、Au、Pdが挙げられる。
<電解めっきの構成>
前記電解液の電解質(溶質)としては、NaCl、KCl、NaBr、MgCl2、CaCl2、(CH3)4NClO4、(CH3)4NPF6等、溶媒へ溶解するものであれば使用できる。なお、この溶質としては、溶解度のより高く且つ電気伝導度のより高いものが好ましい。
前記めっき液及び液中金属化合物濃度としては、成膜したい被膜材質により適宜選択することができる。
銅(Cu)ならば、硫酸銅めっき液(硫酸銅濃度:60〜250g/L)、ピロリン酸銅めっき液(ピロリン酸銅濃度:65〜105g/L)、シアン化銅めっき液(シアン化銅濃度:20〜80g/L)を採用できる。
パラジウム(Pd)ならば、アンモニアアルカリ性パラジウムめっき液(パラジウム化合物濃度:5〜40g/L)を採用できる。
例えば、シアン系銀めっき液ならば10〜30℃、ノンシアン系銀めっき液ならば15〜35℃、硫酸銅めっき液ならば10〜30℃、ピロリン酸銅めっき液ならば50〜60℃、シアン化銅めっき液ならば40〜70℃、シアン化金めっき液ならば50〜70℃、酸性金めっき液ならば10〜60℃、パラジウムめっき液ならば10〜70℃である。
本実施例は、Pdセラミック混合ペーストを用いてPdからなる水素分離金属層を形成
して、水素分離体を製造するものである。
図1に示すように、本実施例における水素分離体1は、原料ガスから水素を分離する部材であり、先端側(同図上方)が閉塞されるとともに基端側(同図下方)が開放された試験管形状を有している。
また、前記図1に示す様に、前記緻密部5は、YSZからなる円筒形状のセラミックス体であり、ガスの透過ができない程度に十分に緻密化され、その強度は水素分離部3よりも大きくされている。
図4に示す様に、水素分離装置21は、水素分離体1と、水素分離体1の開放端側が挿入された筒状の取付金具23と、水素分離体1の外周面と取付金具23の内周面との間に配置された円筒形のシール部材25と、水素分離体1に外嵌されてシール部材25の先端側を押圧する円筒形の押圧金具27と、押圧金具27に外嵌されて取付金具23に螺合する筒状の固定金具29とを備えている。
そして、水素分離装置21の内部(詳しくは水素分離体1の中心孔7)には、内挿管45が配置され、この内挿管45によって、原料ガスが水素分離体1の内部に供給される。
<第1粉末充填工程>
本実施例では、図5(a)に示す様な型枠51を用いてプレス成形を行う。この型枠51の筒状のゴム型53の軸中心には、水素分離体1の外形に対応した円柱形の内部孔55が形成されており、この内部孔55の軸中心には、水素分離体1の中心孔7の形状に対応した円柱状(試験管形状)の中心ピン57が立設されている。これにより、略円筒形状の型枠孔59が形成されている。
<第2粉末充填工程>
次に、図5(b)に示す様に、同様に、ゴム型53の型枠孔59内において、緻密部形成部61の上に、多孔質支持体9を形成する材料として、造孔材として有機ビーズを48体積%添加したYSZ造粒粉を充填した。
<加圧工程>
次に、図5(c)に示す様に、ゴム型53の上部に、上部金型63を固定した。なお、上部金型63には、多孔質支持体9の先端に対応する形状の凹部65が形成されており、この凹部65が嵌め込まれることによって、多孔質支持体9と同様な形状の多孔質形成部67が作製される。
次に、ゴム型53より取り出した有底円筒形状成形体69を脱脂し、その後、1000℃にて仮焼成することにより、図6(a)に示す様に、仮焼成緻密部71と仮焼成多孔質支持体73とが一体となった、外径φ10mm×長さ300mmのセラミック仮焼成体75を得た。
<多孔質層形成工程>
次に、図6(b)に拡大して示す様に、Pd:YSZ=50:50(体積比)の材料を用いてPdYSZペーストを作製し、ディップコーティング法によって、セラミック仮焼成体75の仮焼成多孔質支持体73の外側表面全体を、PdYSZペーストで覆って、未焼成第1多孔質層77を形成した。
<焼成工程>
次に、未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成されたセラミック仮焼成体75を、1400℃で焼成(共焼成)することにより、本実施例の水素分離体1を得た。
<水素分離装置21の組付方法>
そして、前記図4に示す様に、水素分離体1に金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
次に、水素分離体1の開放端側を、押圧金具27の貫通孔、シール材25の貫通孔を通す様に挿入し、水素分離体1の端部を取付金具23に嵌めた。
d)次に、本実施例の水素分離装置21を用いて行った実験例について説明する。
e)本実施例では、PdYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層13に水
素分離金属層19を備えた水素分離体1を製造する。
なお、本実施例の水素分離体におけるセラミックの基本的な構造は、前記実施例1と同様であるので、以下では前記図3を用いて説明する。また、同様な部材等には、同様な番号を使用して説明する。
前記図3に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体91は、前記実施例1と同様に、試験管形状の多孔質支持体9と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層11とを備えており、この多孔質層11は、第1多孔質層13及び第2多孔質層15からなる。
本実施例では、前記実施例1と同様に、「第1粉末充填工程」、「第2粉末充填工程」、「加圧工程」、「仮焼成工程」、「多孔質層形成工程」、「焼成工程」によって、前記図3に示すような水素分離体91を得た。
そして、この水素分離体91に、前記実施例1と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
前記実施例1と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
d)本実施例では、PdAgYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層13に水素分離金属層93を備えた水素分離体91を製造する。
本実施例は、Pdセラミック混合ペーストを用いてPdからなる水素分離金属層を形成した後に、電解Pdめっきによって、更に水素分離金属層の厚みを増加させるものである。
図8(b)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体101は、前記実施例1と同様に、試験管形状の多孔質支持体103と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層105とを備えており、この多孔質層105は、第1多孔質層109及び外側の第2多孔質層111からなる。
b)次に、本実施例の水素分離体101の製造方法について説明する。
<焼成工程>
次に、前記実施例1と同様に、未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79を備えたセラミック仮焼成体75を、1400℃で焼成することにより、図8(a)に一部を拡大して示すセラミック焼結体121を得た。
つまり、未焼成第1多孔質層77中にPdが含まれているので、(その未焼成第1多孔質層77が焼成されてなる)第1多孔質層109は、自身の細孔123中に水素透過金属であるPdが充填された構造となっている。なお、Pdが充填されている部分が、水素分離金属層117のベース部分となる膜厚3μmのPd金属層113である。
<電解めっき工程>
次に、図9に内部給電方式のめっき装置124を示す様に、(内部にPd金属層113を含む)多孔質層105を備えた多孔質支持体103の中心孔107(従ってセラミック焼結体121の中心孔107)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
前記実施例1と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
d)本実施例では、PdYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層109にPd金属層113を備えたセラミック焼結体121を製造する。
本実施例は、Pdセラミック混合ペーストを用いてPd金属層を形成した後に、電解Agめっき行ってAgめっき金属層を形成し、その後PdとAgとの合金化を行ってPdA
g合金からなる水素分離金属層を形成するものである。
図10(c)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体131は、前記実施例3と同様に、試験管形状の多孔質支持体133と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層135とを備えており、この多孔質層135は、第1多孔質層139及び第2多孔質層141からなる。
b)次に、本実施例の水素分離体131の製造方法について説明する。
このセラミック焼結体145は、多孔質支持体133の表面を覆うように形成された第1多孔質層139及び第2多孔質層141からなる多孔質層135を備えている。
<電解めっき工程>
前記実施例3で使用したのと同様な内部給電方式のめっき装置124(図9参照)を用いて、図10(b)に示す様に、多孔質支持体133の中心孔137(従ってセラミック焼結体145の中心孔137)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
前記実施例3と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
d)本実施例では、PdYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層139にPd金属層149を備えたセラミック焼結体145を製造する。
なお、本実施例の水素分離体におけるセラミックの基本的な構造は、前記実施例4と同様であるので、以下では前記図10を用いて説明する。また、同様な部材等には、同様な番号を使用して説明する。
前記図10(c)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体161は、前記実施例4と同様に、試験管形状の多孔質支持体133と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層135とを備えており、この多孔質層135は、第1多孔質層139及び第2多孔質層141からなる。
b)次に、本実施例の水素分離体161の製造方法について説明する。
このセラミック焼結体145は、多孔質支持体133の表面を覆うように形成された第
1多孔質層139及び第2多孔質層141からなる多孔質層135を備えている。
<電解めっき工程>
前記実施例4で使用したのと同様な内部給電方式のめっき装置124(図9参照)を用いて、図10(b)に示す様に、多孔質支持体133の中心孔137(従ってセラミック焼結体145の中心孔137)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
これらの工程によって、水素分離体161が完成した。そして、この水素分離体161に、前記実施例4と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
前記実施例4と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
d)本実施例では、PdAgYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層139にPdAg合金層163を備えたセラミック焼結体145を製造する。
本実施例は、PdAgセラミック混合ペーストを用いてPdAg合金層を形成した後に、電解Pdめっき行ってPdめっき金属層を形成し、その後PdとAgとの合金化を行ってPdAg合金からなる水素分離金属層を形成するものである。
図11(c)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体171は、前記実施例5と同様に、試験管形状の多孔質支持体173と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層175とを備えており、この多孔質層175は、第1多孔質層179及び第2多孔質層181からなる。
b)次に、本実施例の水素分離体171の製造方法について説明する。
このセラミック焼結体185は、多孔質支持体173の表面を覆うように形成された第1多孔質層179及び第2多孔質層181からなる多孔質層175を備えている。
<電解めっき工程>
前記実施例5で使用したのと同様な内部給電方式のめっき装置124(図9参照)を用いて、図11(b)に示す様に、多孔質支持体173の中心孔177(従ってセラミック焼結体185の中心孔177)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
これらの工程によって、水素分離体171が完成した。そして、この水素分離体171に、前記実施例5と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
前記実施例5と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
d)本実施例では、PdAgYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層179にPdAg合金層189を備えたセラミック焼結体185を製造した。
なお、本実施例の水素分離体におけるセラミックの基本的な構造は、前記実施例6と同様であるので、以下では前記図11を用いて説明する。また、同様な部材等には、同様な番号を使用して説明する。
前記図11(c)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体201は、前記実施例6と同様に、試験管形状の多孔質支持体173と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層175とを備えており、この多孔質層175は、第1多孔質層179及び第2多孔質層181からなる。
b)次に、本実施例の水素分離体201の製造方法について説明する。
このセラミック焼結体185は、多孔質支持体173の表面を覆うように形成された第1多孔質層179及び第2多孔質層181からなる多孔質層175を備えている。
<電解めっき工程>
前記実施例6で使用したのと同様な内部給電方式のめっき装置124(図9参照)を用いて、図11(b)に示す様に、多孔質支持体173の中心孔177(従ってセラミック焼結体185の中心孔177)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
これらの工程によって、水素分離体201が完成した。そして、この水素分離体201に、前記実施例6と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
前記実施例6と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
d)本実施例では、AgYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層179にAg金属層203を備えたセラミック焼結体185を製造する。
(1)例えば、セラミック焼結体の外側に電解液を供給するとともに、内側に電解めっき液を供給し、内側(中心孔側)よりめっき金属を析出させてもよい。
(3)更に、電解めっきとしては、上述した内部給電方式の電解めっき以外に、通常の電解めっきを採用できる。この場合は、多孔質層内にペーストによって形成したPd金属層、PdAg合金層、又はAg金属層に対して、導通を取るようにクリップ等によって一方の電極を取り付け、通常の様に電解めっきを行うことができる。
(4)前記各実施例の水素分離体中(例えば多孔質支持体内など)に、都市ガス等の原料ガスを改質(例えば水蒸気改質)して、水素の多い水素リッチの改質ガスとする(Ni等の)改質触媒を加えてもよい。
9、103、133、173…多孔質支持体
11、105、135、175…多孔質層
13、109、139、179…第1多孔質層
15、111、141、181…第2多孔質層
19、93、117、143、183…水素分離金属層(水素透過膜)
20…多孔質体
21…水素分離装置
73…仮焼成多孔質支持体
75…セラミック仮焼成体
77…未焼成第1多孔質層
113、149…Pd金属層
115、195…Pdめっき金属層
121、145、185…セラミック焼結体
155…Agめっき金属層
163、189…PdAg合金層
203…Ag金属層
Claims (6)
- 多孔質体の内部に水素のみを選択して透過させる水素分離金属層を備えた水素分離体を製造する水素分離体の製造方法において、
水素分離金属であるPd、又は、該Pd及び該Pdと合金化して水素透過性を向上させる金属を主成分とする金属粉末と、セラミックス粉末とを、混合してペースト状材料を作製する第1工程と、
前記第1工程によって作製されたペースト状材料を用いて、焼結前の多孔質の支持体成形体の表面を覆うことによって、前記支持体成形体上に表面形成層を形成する第2工程と、
前記第2工程によって形成された支持体成形体及び表面形成層を共焼成して焼結させることによって、内部に前記水素分離金属層を備えた前記多孔質体を作製する第3工程と、
前記第3工程によって作製された多孔質体の水素分離金属層に対して、電解めっきによって、前記水素分離金属層を構成する金属を供給する第4工程と、
を有することを特徴とする水素分離体の製造方法。 - 前記電解めっきによって、前記水素分離金属層に対してPdと合金化して水素透過性を向上させる合金用金属を供給し、所定の合金化温度で加熱することによって、前記Pdと前記合金用金属とを合金化させることを特徴とする請求項1に記載の水素分離体の製造方法。
- 前記電解めっきでは、
前記水素分離金属層の一方の側に電解液を供給し、該電解液を介して、該電解液を供給した側より前記水素分離金属層の前記水素分離金属に電子を供給するとともに、前記水素分離金属層の他方の側にめっき液を供給することにより、前記水素分離金属層のめっき液供給側にめっき膜を成膜することを特徴とする請求項1又は2に記載の水素分離体の製造方法。 - 多孔質体の内部に水素のみを選択して透過させる水素分離金属層を備えた水素分離体を製造する水素分離体の製造方法において、
水素分離金属であるPdと合金化して水素透過性を向上させる金属を主成分とする金属粉末と、セラミックス粉末とを、混合してペースト状材料を作製する第1工程と、
前記第1工程によって作製されたペースト状材料を用いて、焼結前の多孔質の支持体成形体の表面を覆うことによって、前記支持体成形体上に表面形成層を形成する第2工程と、
前記第2工程によって形成された支持体成形体及び表面形成層を共焼成して焼結させることによって、内部に合金用金属層を備えた前記多孔質体を作製する第3工程と、
前記第3工程によって作製された多孔質体の合金用金属層に対して、電解めっきによって、前記Pdを供給する第4工程と、
前記第4工程にてPdが供給された合金用金属層を、所定の合金化温度で加熱することによって、前記Pdと前記合金用金属とを合金化させて水素分離金属層を形成する第5工程と、
を有することを特徴とする水素分離体の製造方法。 - 前記電解めっきでは、
前記合金用金属層の一方の側に電解液を供給し、該電解液を介して、該電解液を供給した側より前記合金用金属層の前記合金用金属に電子を供給するとともに、前記合金用金属層の他方の側にめっき液を供給することにより、前記合金用金属層のめっき液供給側にめっき膜を成膜することを特徴とする請求項4に記載の水素分離体の製造方法。 - 前記共焼成の焼成温度が、1400℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素分離体の製造方法。
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