JP6054683B2 - 水素分離体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、水素分離体の製造方法に関し、特に、原料ガスから水素ガスを選択して分離することにより純度の高い水素ガスを得ることができる水素分離体の製造方法に関する。
従来、例えば燃料電池に供給する水素を製造するために、水蒸気改質ガス等の水素を含むガスから水素のみを選択的に取り出す水素分離体が開発されている。この水素分離体は、例えば円筒状のセラミック多孔質基体の表面などに、パラジウム(Pd)等からなる水素透過膜(以下水素分離金属層と記す)を形成したものである。
この種の水素分離体を製造する技術として、例えば下記特許文献1、2には、多孔質支持体表面に核形成処理を施した後に、酸処理によって表面の核を除去し、その後、無電解Pdめっき法によって水素分離金属層を形成することにより、多孔質充填型水素分離体を製造する方法が開示されている。
また、これとは別に、無電解めっき法を用いない方法として、下記特許文献3には、焼結体である多孔質支持体表面に、Pd超微粒子及びAg超微粒子を混合したペーストを塗布し、その後焼き付けを行って水素分離金属層を形成する方法が開示されている。
特開2005−13853号公報 特開2006−95521号公報 特開2001−145824号公報
しかしながら、前記特許文献1、2に記載のように、無電解めっき法によって水素分離金属層を形成する場合には、多孔質支持体の表面の欠陥(窪みや突起)に対するめっきの追従性が低く、その欠陥部分では細孔内にめっき金属が充填されない部分、即ちピンホールが発生するという問題があった。
また、前記特許文献3に記載のように、焼結した支持体上への焼き付けによって水素分離金属層を形成する場合には、焼結時における水素分離金属層の収縮が抑制されるので、水素分離金属層の緻密化が難しく、ピンホールのない水素分離金属層を形成することは容易ではないという問題があった。
また、このように水素分離金属層にピンホールがあると、ピンホール部分からガスがリークし、その結果、分離される水素の純度が低下するので、その改善が求められていた。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、水素分離金属層におけるピンホールの発生を低減できる水素分離体の製造方法を提供することにある。
(1)本発明は、第1態様として、多孔質体の内部に水素のみを選択して透過させる水素分離金属層を備えた水素分離体を製造する水素分離体の製造方法において、水素分離金属であるPd、又は、該Pd及び該Pdと合金化して水素透過性を向上させる金属を主成
分とする金属粉末と、セラミックス粉末とを、混合してペースト状材料を作製する第1工程と、前記第1工程によって作製されたペースト状材料を用いて、焼結前の多孔質の支持体成形体の表面を覆うことによって、前記支持体成形体上に表面形成層を形成する第2工程と、前記第2工程によって形成された支持体成形体及び表面形成層を共焼成して焼結させることによって、内部に前記水素分離金属層を備えた前記多孔質体を作製する第3工程と、前記第3工程によって作製された多孔質体の水素分離金属層に対して、電解めっきによって、前記水素分離金属層を構成する金属を供給する第4工程と、を有することを特徴とする。
本第1態様では、第1工程にて、「Pdを主成分とする金属粉末」、或いは、「Pd及びPdと合金化して水素透過性を向上させる金属(例えばAg)を主成分とする金属粉末」と、セラミックス粉末とを混合してペースト状材料を作製し、第2工程にて、このペースト状材料を用いて、(焼結前の)支持体成形体の表面に表面形成層を形成し、第3工程にて、支持体成形体及び表面形成層を共焼成して、内部に水素分離金属層を備えた多孔質体を作製する。更に、第4工程にて、多孔質体の水素分離金属層に対して、電解めっきによって、水素分離金属層を構成する金属を供給する。
つまり、本第1態様では、(焼結前の例えば仮焼成された)支持体形成体及び表面形成層を共焼成して焼結させるので、表面形成層には支持体の焼成による収縮作用が働く。よって、従来の焼き付け法に比べて、容易に水素分離金属層を緻密にすることができるので、ピンホールの少ない水素分離金属層を実現することができる。焼結後に表面形成層の形成を行うと欠陥となってしまう支持体表面においても、支持体成形体の時点では表面欠陥は顕在化していない。この支持体成形体に表面形成層を共焼結により形成することにより、表面形成層の欠陥の形成を抑制することができる。その結果、表面形成層に形成される水素分離金属層の欠陥、つまり、ガスのリークを低減できるので、分離される水素の純度を高めることができるという顕著な効果を奏する。
しかも、本第態様では、第3工程によって作製された水素分離金属層に対して、電解めっきによって(水素分離金属層を構成する)金属を供給するので、水素分離金属層を一層緻密にできる。これにより、ピンホールの発生を一層低減することができる。
)本発明は、第態様として、前記電解めっきによって、前記水素分離金属層に対してPdと合金化して水素透過性を向上させる合金用金属を供給し、所定の合金化温度で加熱することによって、前記Pdと前記合金用金属とを合金化させることを特徴とする。
本第態様では、Pdと合金用金属(例えばAg)とを合金化して水素分離金属層を形成するので、高い水素透過性を確保できるとともに、合金による特性を発揮できる。例えばPdAg合金の場合には、水素脆化を抑制できる。
)本発明は、第態様として、前記電解めっきでは、前記水素分離金属層の一方の側に電解液を供給し、該電解液を介して、該電解液を供給した側より前記水素分離金属層の前記水素分離金属に電子を供給するとともに、前記水素分離金属層の他方の側にめっき液を供給することにより、前記水素分離金属層のめっき液供給側にめっき膜を成膜することを特徴とする。
本第態様では、内部給電方式の電解めっきを行うので、従来の電解めっきに比べて、ガスリークを低減することができる。
つまり、この内部給電方式の電解めっきでは、多孔質体の一方の側に電解液を供給するとともに、他方の側からめっき液を供給し、電解液を介してベース金属に電子を供給して電解めっきを行うので、従来の様に多孔質体の表面に表面膜を形成し、その表面膜に接点を設けたりクリッピングして給電する必要がない。そのため、表面膜が破損することがなく、よって、表面膜の破損によるガスリークの発生が無い。よって、純度の高い水素を得ることができる。
また、従来、水素分離金属層の形成には無電解めっき法が用いられており、この無電解めっきは安定性に乏しいというデメリットが存在したが、本手法により、無電解めっき法を用いる必要が無くなり、作製工程がより安定化できるメリットもある。
更に、従来の電解めっきでは、表面膜を介して給電を行うので、表面膜近傍の水素分離金属層の厚みが他の部分より厚くなり、水素の透過性が低下するという問題があるが、内部給電方式では、水素分離金属層の厚みを均一にすることが可能であるので、水素透過性能を犠牲にする部分が存在しないという効果がある。
)本発明では、第態様として、多孔質体の内部に水素のみを選択して透過させる水素分離金属層を備えた水素分離体を製造する水素分離体の製造方法において、水素分離金属であるPdと合金化して水素透過性を向上させる金属を主成分とする金属粉末と、セラミックス粉末とを、混合してペースト状材料を作製する第1工程と、前記第1工程によって作製されたペースト状材料を用いて、焼結前の多孔質の支持体成形体の表面を覆うことによって、前記支持体成形体上に表面形成層を形成する第2工程と、前記第2工程によって形成された支持体成形体及び表面形成層を共焼成して焼結させることによって、内部に合金用金属層を備えた前記多孔質体を作製する第3工程と、前記第3工程によって作製された多孔質体の合金用金属層に対して、電解めっきによって、前記Pdを供給する第4工程と、前記第4工程にてPdが供給された合金用金属層を、所定の合金化温度で加熱することによって、前記Pdと前記合金用金属とを合金化させて水素分離金属層を形成する第5工程と、を有することを特徴とする。
本第態様では、第1工程にて、Pdと合金化して水素透過性を向上させる金属(例えばAg)を主成分とする金属粉末と、セラミックス粉末とを混合してペースト状材料を作製し、第2工程にて、このペースト状材料を用いて、(焼結前の)支持体成形体上に表面形成層を形成し、第3工程にて、支持体成形体及び表面形成層を共焼成して、内部に合金用金属層を備えた多孔質体を作製し、第4工程にて、多孔質体の合金用金属層に対して電解めっきによってPdを供給し、第5工程にて、Pdが供給された合金用金属層を合金化させて水素分離金属層を形成する。
つまり、本第態様では、(焼結前の例えば仮焼成された)支持体成形体及び表面形成層を共焼成して焼結させるので、焼結挙動を揃えることができる。よって、従来の焼き付け法に比べて、容易に水素分離金属層を緻密にすることができるので、ピンホールの少ない水素分離金属層を実現することができる。その結果、ガスのリークを低減できるので、分離される水素の純度を高めることができるという顕著な効果を奏する。
また、本第態様では、Pdと合金用金属(例えばAg)とを合金化して水素分離金属層を形成するので、高い水素透過性を確保できるとともに、合金による特性を発揮できる。例えばPdAg合金の場合には、水素脆化を抑制できる。
)本発明は、第態様として、前記電解めっきでは、前記合金用金属層の一方の側に電解液を供給し、該電解液を介して、該電解液を供給した側より前記合金用金属層の前記合金用金属に電子を供給するとともに、前記合金用金属層の他方の側にめっき液を供給することにより、前記合金用金属層のめっき液供給側にめっき膜を成膜することを特徴とする。
本第5態様では、内部給電方式の電解めっきを行うので、前記第3態様と同様な効果を奏する。
(6)本発明は、第6態様として、前記共焼成の焼成温度が、1400℃以上であることを特徴とする。
ここでは、共焼成の焼成温度を例示している。
実施例1における水素分離体を軸方向に沿って破断して示す断面図である。 実施例1における水素分離体の一部を軸方向に沿って破断し拡大して示す説明図である。 実施例1、2における水素分離体の一部を軸方向に沿って破断し更に拡大して模式的に示す説明図である。 実施例1における水素分離装置を軸方向に沿って破断して示す断面図である。 実施例1の水素分離体の製造方法のうち、セラミック焼成体の製造手順等を示す説明図である。 実施例1の水素分離体の製造方法のうち、多孔質層の製造手順等を示す説明図である。 実施例1における水素分離装置の水素分離試験を行うための試験装置を示す説明図である。 実施例3における水素分離体の一部を軸方向に沿って破断し、その水素分離体の製造方法を示す説明図である。 実施例3の水素分離体の製造方法のうち、内部給電方式の電解めっきを示す説明図である。 実施例4、5における水素分離体の一部を軸方向に沿って破断し、その水素分離体の製造方法を示す説明図である。 実施例6、7における水素分離体の一部を軸方向に沿って破断し、その水素分離体の製造方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<水素分離体の構成>
前記多孔質体は、全体又は一部が水素を含むガスの透過が可能な多孔質材料で構成されており、この材料としては、セラミックス粉末が用いられる。このセラミックスとしては、イットリア安定化ジルコニア、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリアおよびこれらの混合物などが挙げられる。
また、多孔質体の例えば軸方向端部などに、ガスの透過の無い緻密部を接合して水素分離体を構成してもよい。ここで、「ガス透過性の無い」とは、水素が分離される原料ガスの透過を防止できればよく、例えば相対密度70%以上の緻密さが挙げられる。
なお、前記緻密部を構成する材料としてはセラミックス粉末が用いられる。この緻密なセラミックスとしては、イットリア安定化ジルコニア、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリアおよびこれらの混合物などが挙げられる。
前記水素分離金属層を構成する材料としては、Pd、PdCu合金、PdAg合金、PdAu合金が挙げられる。従って、この水素分離金属層を形成するための金属粉末としては、Pd粉末、Cu粉末、Ag粉末、Au粉末、PdCu合金粉末、PdAg合金粉末、PdAu合金粉末が挙げられる。なお、Cu、Ag、Auは、単独で用いられるものではなく、水素透過性を有するPdと合金化して用いられる合金用金属である。
従って、前記ペースト状材料に用いられる金属、及び、電解めっき(例えば内部給電方
式の電解めっき)に用いられる金属としては、Pd、及び、Pd合金(即ちPdCu合金、PdAg合金、PdAu合金)となる金属が挙げられる。即ち、Ag、Cu、Au、Pdが挙げられる。
なお、水素脆化の抑制の点からは、Pd単体よりもPdAg合金が望ましい。また、(例えば450℃以上の)高温で使用される水素分離体の場合には、PdAg合金が望ましい。
<電解めっきの構成>
前記電解液の電解質(溶質)としては、NaCl、KCl、NaBr、MgCl2、CaCl2、(CH34NClO4、(CH34NPF6等、溶媒へ溶解するものであれば使用できる。なお、この溶質としては、溶解度のより高く且つ電気伝導度のより高いものが好ましい。
前記電解液の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ブタノン、エーテル、DMSO(Dimethyl sulfoxide)等、電解質を溶かすことができるものであれば使用できるが、電位窓が広いものが好ましい。
前記電解液の濃度(溶質の濃度)としては、例えば1mmol/L〜10mol/Lの範囲を採用できる。
前記めっき液及び液中金属化合物濃度としては、成膜したい被膜材質により適宜選択することができる。
例えば銀(Ag)ならば、シアン化銀めっき液(シアン化銀濃度:15〜30g/L)、ノンシアン系銀めっき液(銀化合物濃度:10〜40g/L)を採用できる。
銅(Cu)ならば、硫酸銅めっき液(硫酸銅濃度:60〜250g/L)、ピロリン酸銅めっき液(ピロリン酸銅濃度:65〜105g/L)、シアン化銅めっき液(シアン化銅濃度:20〜80g/L)を採用できる。
金(Au)ならば、シアン化金めっき液(シアン化金カリウム濃度:1〜12g/L)、酸性金めっき液(シアン化金カリウム濃度:1〜30g/L)を採用できる。
パラジウム(Pd)ならば、アンモニアアルカリ性パラジウムめっき液(パラジウム化合物濃度:5〜40g/L)を採用できる。
前記電解めっきの際の浴温度としては、例えば0〜70℃の範囲など、各めっき液に適した浴温度を取ればよい。
例えば、シアン系銀めっき液ならば10〜30℃、ノンシアン系銀めっき液ならば15〜35℃、硫酸銅めっき液ならば10〜30℃、ピロリン酸銅めっき液ならば50〜60℃、シアン化銅めっき液ならば40〜70℃、シアン化金めっき液ならば50〜70℃、酸性金めっき液ならば10〜60℃、パラジウムめっき液ならば10〜70℃である。
前記電解めっきの際の電流条件(電流密度)は、めっきする金属、所望の膜厚に合わせて適宜選択すればよい。例えば、銀ならば0.01〜3A/dm2、銅ならば0.01〜6A/dm2、金ならば0.01〜9A/dm2、パラジウムならば0.01〜9A/dm2の範囲が適当である。
以下では、原料ガスから水素を選択的に分離する水素分離体の製造方法の実施例について説明する。
本実施例は、Pdセラミック混合ペーストを用いてPdからなる水素分離金属層を形成
して、水素分離体を製造するものである。
a)まず、本実施例における水素分離体の構成について説明する。
図1に示すように、本実施例における水素分離体1は、原料ガスから水素を分離する部材であり、先端側(同図上方)が閉塞されるとともに基端側(同図下方)が開放された試験管形状を有している。
この水素分離体1の先端側には、主として多孔質セラミックからなり、水素を分離する機能を有する試験管状の水素分離部3が設けられ、その開放された基端側には、ガス透過性が無く且つ強度が高い緻密質セラミックからなる筒状の緻密部5が設けられている。以下、各構成について説明する。
前記水素分離部3は、その軸中心の中心孔7に導入された原料ガス(例えば天然ガスと水蒸気を触媒に接触させ生成した改質ガス)から、水素を選択的に分離して、水素分離部3の外周側に供給する部材である。
この水素分離部3は、図2に拡大して示す様に、一端が閉塞された試験管状の多孔質支持体9と、多孔質支持体9の外側表面を覆う多孔質層11とから、一体に構成されている。
このうち、多孔質支持体9は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる多孔質セラミックス製の支持体、即ち、通気性を有するとともに多孔質層11を支持する役割を有する支持体である。この多孔質支持体9は、気孔率は例えば40%であり、原料ガスを透過可能な構造を有している。
一方、多孔質層11は、YSZからなる多孔質セラミックス製の被覆層であり、同様に、原料ガスが透過可能な構造を有している。詳しくは、多孔質層11は、多孔質支持体9の外側表面を覆う第1多孔質層13と、第1多孔質層13の外側表面を覆う(少なくとも水素ガスが透過可能な)第2多孔質層15とから、一体に構成されている。
また、図3に更に拡大して示す様に、第1多孔質層13は、YSZからなる構造体16に多数の細孔17が形成されたものであり、この細孔17の内部には、水素透過性金属(本実施例ではPd)が充填されている。この水素透過性金属は、原料ガスから水素のみを選択して透過させることによって、原料ガスから水素を分離する金属である。
つまり、第1多孔質層13の内部において、Pdが充填されて多孔質支持体9の外側の全体を層状に覆う部分が、水素透過膜である水素分離金属層19である。この水素分離金属層19は、後述するように、第1多孔質13の形成時に同時に形成されるものである。
一方、第2多孔質層15は、水素分離金属層19の外側に広がっているので、外部から水素分離金属層19を損なうような汚染物質(例えばFe)が、水素分離金属層19に付着することを防止している。
なお、前記水素分離部3のうち、多孔質のセラミックスの構造部分、即ち多孔質支持体9及び多孔質層11のセラミックス部分を多孔質体20と称する。
また、前記図1に示す様に、前記緻密部5は、YSZからなる円筒形状のセラミックス体であり、ガスの透過ができない程度に十分に緻密化され、その強度は水素分離部3よりも大きくされている。
b)次に、前記水素分離体1を備えた水素分離装置について、簡単に説明する。
図4に示す様に、水素分離装置21は、水素分離体1と、水素分離体1の開放端側が挿入された筒状の取付金具23と、水素分離体1の外周面と取付金具23の内周面との間に配置された円筒形のシール部材25と、水素分離体1に外嵌されてシール部材25の先端側を押圧する円筒形の押圧金具27と、押圧金具27に外嵌されて取付金具23に螺合する筒状の固定金具29とを備えている。
前記取付金具23は、先端側筒状部31と鍔部33等を備えており、軸中心には、原料ガスの流路となる貫通孔(中空部)35が形成され、中空部35には、水素分離体1の基端側の端部が収容されている。前記固定金具29は、押圧板37と筒状部39とを備えている。前記押圧金具27は、取付金具23と水素分離体1との間の空間43内にて、シール部材25と隣接して配置されている。前記シール部材25は、膨張黒鉛からなり、空間43内にて押圧金具27と隣接して配置されている。
なお、ここでは、水素分離体1に取り付けられる、取付金具23、押圧金具27、固定金具29により金属継手40が構成されている。
そして、水素分離装置21の内部(詳しくは水素分離体1の中心孔7)には、内挿管45が配置され、この内挿管45によって、原料ガスが水素分離体1の内部に供給される。
よって、外部から内挿管45を介して水素分離体1内に供給された原料ガスは、水素分離部3にて水素が分離され、その水素は、水素分離部3の外周側に排出される。一方、分離されない残余のガス(オフガス)は、内挿管45の外周に沿って水素分離体1の基端側から外部に排出される。
なお、図4では、水素分離体1の内部に原料ガスを供給する例を述べたが、それとは逆に、内挿管45を使用せず、水素分離体1の外側に原料ガスを供給し、水素分離体1の内部から水素を取り出してもよい。
c)次に、本実施例の水素分離体1の製造方法について説明する。
<第1粉末充填工程>
本実施例では、図5(a)に示す様な型枠51を用いてプレス成形を行う。この型枠51の筒状のゴム型53の軸中心には、水素分離体1の外形に対応した円柱形の内部孔55が形成されており、この内部孔55の軸中心には、水素分離体1の中心孔7の形状に対応した円柱状(試験管形状)の中心ピン57が立設されている。これにより、略円筒形状の型枠孔59が形成されている。
従って、本実施例では、このゴム型53の型枠孔59内に、緻密部5を形成する材料として、YSZ造粒粉を充填し、円筒状の緻密部形成部61を作製した。
<第2粉末充填工程>
次に、図5(b)に示す様に、同様に、ゴム型53の型枠孔59内において、緻密部形成部61の上に、多孔質支持体9を形成する材料として、造孔材として有機ビーズを48体積%添加したYSZ造粒粉を充填した。
<加圧工程>
次に、図5(c)に示す様に、ゴム型53の上部に、上部金型63を固定した。なお、上部金型63には、多孔質支持体9の先端に対応する形状の凹部65が形成されており、この凹部65が嵌め込まれることによって、多孔質支持体9と同様な形状の多孔質形成部67が作製される。
そして、この状態でゴム型53の外周側より加圧してプレス成形することにより、図5(d)に示す様な、水素分離体1の形状に対応した有底円筒形状成形体69を作製した。<仮焼成工程>
次に、ゴム型53より取り出した有底円筒形状成形体69を脱脂し、その後、1000℃にて仮焼成することにより、図6(a)に示す様に、仮焼成緻密部71と仮焼成多孔質支持体73とが一体となった、外径φ10mm×長さ300mmのセラミック仮焼成体75を得た。
<多孔質層形成工程>
次に、図6(b)に拡大して示す様に、Pd:YSZ=50:50(体積比)の材料を用いてPdYSZペーストを作製し、ディップコーティング法によって、セラミック仮焼成体75の仮焼成多孔質支持体73の外側表面全体を、PdYSZペーストで覆って、未焼成第1多孔質層77を形成した。
次に、図6(c)に示す様に、YSZを用いてYSZペーストを作製し、ディップコーティング法によって、未焼成第1多孔質層77の外側表面全体を、YSZペーストで覆って、未焼成第2多孔質層79を形成した。
なお、仮焼成多孔質支持体73が本発明の支持体成形体に該当し、未焼成第1多孔質層77が本発明の表面形成層に該当する。
<焼成工程>
次に、未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成されたセラミック仮焼成体75を、1400℃で焼成(共焼成)することにより、本実施例の水素分離体1を得た。
なお、未焼成第1多孔質層77は、この焼成によって、前記図3に示す様に、YSZからなる多孔質の構造体16が形成されるとともに、この構造体16の細孔17内に水素透過性金属が詰まった構造となり、これによって、厚みが例えば5μmの水素分離金属層19が構成される。
<水素分離装置21の組付方法>
そして、前記図4に示す様に、水素分離体1に金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
具体的には、取付金具23に、シール材25、押圧金具27の順で内嵌した。
次に、水素分離体1の開放端側を、押圧金具27の貫通孔、シール材25の貫通孔を通す様に挿入し、水素分離体1の端部を取付金具23に嵌めた。
次に、水素分離体1の先端側より固定金具29を外嵌してねじ締めを行い、固定金具29により押圧金具27を締め付けて水素分離装置21を完成した。
d)次に、本実施例の水素分離装置21を用いて行った実験例について説明する。
図7に示す様に、本実施例の水素分離装置21を、筒状のステンレス製反応容器83に収容し、水素分離装置21の外周部(即ち水素分離体1の外側)に、温度550℃、圧力0.8MPaGの水素含有ガス(詳しくは水素を約25%含む天然ガスと水蒸気を原料とし、改質反応によって生成した水素含有ガス)を導入し、一方、水素分離体1の中心孔7の圧力を0.0MPaGとして、中心孔7に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
その結果、純度としては99.99%以上の水素が得られた。また、1000時間に渡る長時間の試験を行っても、水素純度の低下も無く、耐久性に優れていた。
e)本実施例では、PdYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層13に水
素分離金属層19を備えた水素分離体1を製造する。
これにより、未焼成第1多孔質層77、未焼成第2多孔質層79、セラミック仮焼成体75の焼結挙動を揃えることができる。よって、従来の焼き付け法に比べて、容易に水素分離金属層19を緻密にすることができるので、ピンホールの少ない水素分離金属層19を実現することができる。その結果、ガスのリークを低減できるので、分離される水素の純度を高めることができるという顕著な効果を奏する。
次に、実施例2の水素分離体の製造方法について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
なお、本実施例の水素分離体におけるセラミックの基本的な構造は、前記実施例1と同様であるので、以下では前記図3を用いて説明する。また、同様な部材等には、同様な番号を使用して説明する。
本実施例は、PdAgセラミック混合ペーストを用いてPdAg金属層を形成した後に、PdとAgとの合金化を行ってPdAg合金からなる水素分離金属層を形成するものである。
a)まず、本実施例の水素分離体の構成について説明する。
前記図3に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体91は、前記実施例1と同様に、試験管形状の多孔質支持体9と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層11とを備えており、この多孔質層11は、第1多孔質層13及び第2多孔質層15からなる。
特に本実施例では、第1多孔質層13の全体に、PdAg合金からなるPdAg合金層である水素分離金属層93が形成されている。なお、水素分離金属層93の厚みは5μmである。
b)次に、本実施例の水素分離体91の製造方法について説明する。
本実施例では、前記実施例1と同様に、「第1粉末充填工程」、「第2粉末充填工程」、「加圧工程」、「仮焼成工程」、「多孔質層形成工程」、「焼成工程」によって、前記図3に示すような水素分離体91を得た。
なお、「多孔質層形成工程」では、Pd:Ag:YSZ=35:15:50(体積比)の材料を用いてPdAgYSZペーストを作製した。
そして、この水素分離体91に、前記実施例1と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
c)次に、実験例について説明する。
前記実施例1と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
その結果、純度としては99.99%以上の水素が得られた。また、長時間(1000時間)の試験を行っても水素純度の低下も無く、耐久性に優れていた。
d)本実施例では、PdAgYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層13に水素分離金属層93を備えた水素分離体91を製造する。
従って、本実施例により、前記実施例1と同様に、容易に水素分離金属層93を緻密にすることができるので、ピンホールの少ない水素分離金属層93を実現することができる。
特に、本実施例では、水素分離金属層93はPdAgからなるので、水素脆化を低減できるという利点がある。
次に、実施例3の水素分離体の製造方法について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。なお、同様な部材等には、同様な番号を使用して説明する。
本実施例は、Pdセラミック混合ペーストを用いてPdからなる水素分離金属層を形成した後に、電解Pdめっきによって、更に水素分離金属層の厚みを増加させるものである。
a)まず、本実施例の水素分離体の構成について説明する。
図8(b)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体101は、前記実施例1と同様に、試験管形状の多孔質支持体103と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層105とを備えており、この多孔質層105は、第1多孔質層109及び外側の第2多孔質層111からなる。
特に本実施例では、第1多孔質層109に(Pdを含むペーストから形成された)Pd金属層113を備えるとともに、Pd金属層113の外側に、即ち第2多孔質層111内における中心孔107側(内側)に、電解Pdめっきによって形成されたPdめっき金属層115を備えている。
なお、Pd金属層113とPdめっき金属層115とは、互いに入り込んで一体となって水素分離金属層117が構成されている。
b)次に、本実施例の水素分離体101の製造方法について説明する。
本実施例では、前記実施例1と同様に、「第1粉末充填工程」、「第2粉末充填工程」、「加圧工程」、「仮焼成工程」、「多孔質層形成工程」によって、前記図6に示す様な未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79によって覆われたセラミック仮焼成体75を作製した。
<焼成工程>
次に、前記実施例1と同様に、未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79を備えたセラミック仮焼成体75を、1400℃で焼成することにより、図8(a)に一部を拡大して示すセラミック焼結体121を得た。
このセラミック焼結体121は、多孔質支持体103の表面を覆うように形成された第1多孔質層109及び第2多孔質層111からなる多孔質層105を備えている。
つまり、未焼成第1多孔質層77中にPdが含まれているので、(その未焼成第1多孔質層77が焼成されてなる)第1多孔質層109は、自身の細孔123中に水素透過金属であるPdが充填された構造となっている。なお、Pdが充填されている部分が、水素分離金属層117のベース部分となる膜厚3μmのPd金属層113である。
<電解めっき工程>
次に、図9に内部給電方式のめっき装置124を示す様に、(内部にPd金属層113を含む)多孔質層105を備えた多孔質支持体103の中心孔107(従ってセラミック焼結体121の中心孔107)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
また、NaCl電解液中に給電電極125を挿し込んだ後、前記セラミック焼結体121を、予め対極127の配置された浴温30℃の電解Pdめっき液(濃度10g/L)中にセットした。なお、電解Pdめっき液は、多孔質層105の外側に供給される。
そして、電流値(電流密度)0.5A/dm2にて定電流電解めっきを2.0分間実施し、第2多孔質層111の細孔129等においてpdを析出させ、Pd金属層113上にPdめっき膜である膜厚1.5μmのPdめっき金属層115を形成した。これにより、Pd金属層113とPdめっき金属層115とが一体となった水素分離金属層117が形成された。
なお、この電解Pdめっきでは、多孔質支持体103の内側の中心孔107に供給された(従って多孔質支持体103の細孔130に供給された)電解液を介して、Pd金属層113に電子が供給され、多孔質層105の外側に供給された電解Pdめっき液を介して、Pd金属層113の外側にめっき金属(ここではPd)が供給される。
これらの工程によって、前記図8(b)に示す様な水素分離体101が完成した。そして、この水素分離体101に、前記実施例1と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
c)次に、実験例について説明する。
前記実施例1と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
その結果、純度としては99.99%以上の水素が得られた。また、長時間(1000時間)の試験を行っても水素純度の低下も無く、耐久性に優れていた。
d)本実施例では、PdYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層109にPd金属層113を備えたセラミック焼結体121を製造する。
その後、内部給電方式の電解Pdめっきによって、Pd金属層113の外側にPdめっき金属層115を形成して水素分離金属層117とし、これにより水素分離体101を製造した。
従って、本実施例により、前記実施例1と同様に、容易に水素分離金属層117を緻密にすることができるので、ピンホールの少ない水素分離金属層117を実現することができる。
特に、本実施例では、内部給電方式の電解Pdめっきによって、Pdめっき金属層115を形成するので、水素分離金属層117の厚みが増加するとともに一層緻密になり、ピンホールを大きく低減できるという利点がある。
次に、実施例4の水素分離体の製造方法について説明するが、前記実施例3と同様な内容の説明は省略する。なお、同様な部材等には、同様な番号を使用して説明する。
本実施例は、Pdセラミック混合ペーストを用いてPd金属層を形成した後に、電解Agめっき行ってAgめっき金属層を形成し、その後PdとAgとの合金化を行ってPdA
g合金からなる水素分離金属層を形成するものである。
a)まず、本実施例の水素分離体の構成について説明する。
図10(c)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体131は、前記実施例3と同様に、試験管形状の多孔質支持体133と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層135とを備えており、この多孔質層135は、第1多孔質層139及び第2多孔質層141からなる。
特に本実施例では、第1多孔質層139の全体と、第2多孔質層141内の中心孔137側(内側)とに、PdAg合金からなる水素分離金属層143が形成されている。
b)次に、本実施例の水素分離体131の製造方法について説明する。
本実施例では、前記実施例3と同様に、「第1粉末充填工程」、「第2粉末充填工程」、「加圧工程」、「仮焼成工程」、「多孔質層形成工程」、「焼成工程」によって、図10(a)に示すように、セラミック焼結体145を得た。
なお、「多孔質層形成工程」では、Pd:YSZ=40:60(体積比)の材料を用いてPdYSZペーストを作製した。
このセラミック焼結体145は、多孔質支持体133の表面を覆うように形成された第1多孔質層139及び第2多孔質層141からなる多孔質層135を備えている。
このうち、第1多孔質層139の細孔147中にPdが充填されており、これによって、(後に水素分離金属層143の一部となる)膜厚3.0μmのPd金属層149が形成されている。
<電解めっき工程>
前記実施例3で使用したのと同様な内部給電方式のめっき装置124(図9参照)を用いて、図10(b)に示す様に、多孔質支持体133の中心孔137(従ってセラミック焼結体145の中心孔137)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
また、NaCl電解液中に給電電極125(図9参照)を挿し込んだ後、前記セラミック焼結体145を、予め対極127(図9参照)の配置された浴温30℃の電解Agめっき液(水溶液:濃度50g/L)中にセットした。
そして、電流値0.30A/dm2にて定電流電解めっきを2.0分間実施し、多孔質層135の細孔153において、Pd金属層149上に厚み1.0μmのAgめっき金属層155を形成した。
その後、窒素中750℃で熱処理を行い、Pd金属層149のPdとAgめっき金属層155のAgとを合金化し、前記図10(c)に示す様に、厚み4.0μmのPdAg合金からなる水素分離金属層143とした。
これらの工程によって、水素分離体131が完成した。そして、この水素分離体131に、前記実施例3と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
c)次に、実験例について説明する。
前記実施例3と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
その結果、純度としては99.99%以上の水素が得られた。また、長時間(1000時間)の試験を行っても水素純度の低下も無く、耐久性に優れていた。
d)本実施例では、PdYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層139にPd金属層149を備えたセラミック焼結体145を製造する。
その後、内部給電方式の電解Agめっきによって、Pd金属層149の外側にAgめっき金属層155を形成し、PdとAgとを合金化してPdAg合金からなる水素分離金属層143を作製し、これにより水素分離体131を製造した。
従って、本実施例により、前記実施例3と同様に、容易に水素分離金属層143を緻密にすることができるので、ピンホールの少ない水素分離金属層143を実現することができる。
特に、本実施例では、内部給電方式の電解Agめっきによって、Agめっき金属層155を形成した後に合金化して水素分離金属層143を作製するので、水素分離金属層143の厚みが増加するとともに一層緻密になる。よって、ピンホールを大きく低減できるとともに、水素脆化を低減できるという利点がある。
次に、実施例5の水素分離体の製造方法について説明するが、前記実施例4と同様な内容の説明は省略する。
なお、本実施例の水素分離体におけるセラミックの基本的な構造は、前記実施例4と同様であるので、以下では前記図10を用いて説明する。また、同様な部材等には、同様な番号を使用して説明する。
本実施例は、PdAgセラミック混合ペーストを用いてPdAg合金層を形成した後に、電解Agめっき行ってAgめっき金属層を形成し、その後PdとAgとの合金化を行ってPdAg合金からなる水素分離金属層を形成するものである。
a)まず、本実施例の水素分離体の構成について説明する。
前記図10(c)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体161は、前記実施例4と同様に、試験管形状の多孔質支持体133と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層135とを備えており、この多孔質層135は、第1多孔質層139及び第2多孔質層141からなる。
特に本実施例では、第1多孔質層139の全体と、第2多孔質層141内における中心孔137側(内側)に、PdAg合金からなる水素分離金属層143が形成されている。
b)次に、本実施例の水素分離体161の製造方法について説明する。
本実施例では、前記実施例4と同様に、「第1粉末充填工程」、「第2粉末充填工程」、「加圧工程」、「仮焼成工程」、「多孔質層形成工程」、「焼成工程」によって、図10(a)に示すように、セラミック焼結体145を得た。
なお、「多孔質層形成工程」では、Pd:Ag:YSZ=45:5:50(体積比)の材料を用いてPdAgYSZペーストを作製した。
このセラミック焼結体145は、多孔質支持体133の表面を覆うように形成された第
1多孔質層139及び第2多孔質層141からなる多孔質層135を備えている。
このうち、第1多孔質層139の細孔147中にPdAg合金が充填されており、これによって、(後に水素分離金属層143の一部となる)膜厚3.7μmのPdAg合金層163が形成されている。
<電解めっき工程>
前記実施例4で使用したのと同様な内部給電方式のめっき装置124(図9参照)を用いて、図10(b)に示す様に、多孔質支持体133の中心孔137(従ってセラミック焼結体145の中心孔137)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
また、NaCl電解液中に給電電極125(図9参照)を挿し込んだ後、前記セラミック焼結体145を、予め対極127(図9参照)の配置された浴温30℃の電解Agめっき液(水溶液:濃度50g/L)中にセットした。
そして、電流値0.30A/dm2にて定電流電解めっきを1.5分間実施し、多孔質層135の細孔153において、PdAg合金層163上に厚み0.8μmのAgめっき金属層155を形成した。
その後、窒素中750℃で熱処理を行い、PdとAgとを合金化し、前記図10(c)に示す様に、厚み4.5μmのPdAg合金からなる水素分離金属層143とした。
これらの工程によって、水素分離体161が完成した。そして、この水素分離体161に、前記実施例4と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
c)次に、実験例について説明する。
前記実施例4と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
その結果、純度としては99.99%以上の水素が得られた。また、長時間(1000時間)の試験を行っても水素純度の低下も無く、耐久性に優れていた。
d)本実施例では、PdAgYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層139にPdAg合金層163を備えたセラミック焼結体145を製造する。
その後、内部給電方式の電解Agめっきによって、PdAg合金層163の外側にAgめっき金属層155を形成し、PdとAgとを合金化してPdAg合金からなる水素分離金属層143を作製し、これにより水素分離体161を製造した。
従って、本実施例により、前記実施例4と同様に、容易に水素分離金属層143を緻密にすることができるので、ピンホールの少ない水素分離金属層143を実現することができる。
特に、本実施例では、内部給電方式の電解Agめっきによって、Agめっき金属層155を形成した後に合金化して水素分離金属層143を作製するので、水素分離金属層143の厚みが増加するとともに一層緻密になる。よって、ピンホールを大きく低減できるとともに、水素脆化を低減できるという利点がある。
次に、実施例6の水素分離体の製造方法について説明するが、前記実施例5と同様な内容の説明は省略する。なお、同様な部材等には、同様な番号を使用して説明する。
本実施例は、PdAgセラミック混合ペーストを用いてPdAg合金層を形成した後に、電解Pdめっき行ってPdめっき金属層を形成し、その後PdとAgとの合金化を行ってPdAg合金からなる水素分離金属層を形成するものである。
a)まず、本実施例の水素分離体の構成について説明する。
図11(c)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体171は、前記実施例5と同様に、試験管形状の多孔質支持体173と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層175とを備えており、この多孔質層175は、第1多孔質層179及び第2多孔質層181からなる。
特に本実施例では、第1多孔質層179の全体と第2多孔質層181内における中心孔177側(内側)とに、PdAg合金からなる水素分離金属層183が形成されている。
b)次に、本実施例の水素分離体171の製造方法について説明する。
本実施例では、前記実施例5と同様に、「第1粉末充填工程」、「第2粉末充填工程」、「加圧工程」、「仮焼成工程」、「多孔質層形成工程」、「焼成工程」によって、図11(a)に示すように、セラミック焼結体185を得た。
なお、「多孔質層形成工程」では、Pd:Ag:YSZ=20:15:65(体積比)の材料を用いてPdAgYSZペーストを作製した。
このセラミック焼結体185は、多孔質支持体173の表面を覆うように形成された第1多孔質層179及び第2多孔質層181からなる多孔質層175を備えている。
このうち、第1多孔質層179の細孔187中にPdAg合金が充填されており、これによって、(後に水素分離金属層183の一部となる)膜厚2.5μmのPdAg合金層189が形成されている。
<電解めっき工程>
前記実施例5で使用したのと同様な内部給電方式のめっき装置124(図9参照)を用いて、図11(b)に示す様に、多孔質支持体173の中心孔177(従ってセラミック焼結体185の中心孔177)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
また、NaCl電解液中に給電電極125(図9参照)を挿し込んだ後、前記セラミック焼結体185を、予め対極127(図9参照)の配置された浴温30℃の電解Pdめっき液(水溶液:濃度10g/L)中にセットした。
そして、電流値0.50A/dm2にて定電流電解めっきを2.0分間実施し、多孔質層175の細孔193において、PdAg合金層189上に厚み1.5μmのPdめっき金属層195を形成した。
その後、窒素中750℃で熱処理を行い、PdとAgとを合金化し、前記図11(c)に示す様に、厚み4.0μmのPdAg合金からなる水素分離金属層183とした。
これらの工程によって、水素分離体171が完成した。そして、この水素分離体171に、前記実施例5と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
c)次に、実験例について説明する。
前記実施例5と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
その結果、純度としては99.99%以上の水素が得られた。また、長時間(1000時間)の試験を行っても水素純度の低下も無く、耐久性に優れていた。
d)本実施例では、PdAgYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層179にPdAg合金層189を備えたセラミック焼結体185を製造した。
その後、内部給電方式の電解Pdめっきによって、PdAg合金層189の外側にPdめっき金属層195を形成し、PdとAgとを合金化してPdAg合金からなる水素分離金属層183を作製し、これにより水素分離体171を製造した。
従って、本実施例により、前記実施例5と同様に、容易に水素分離金属層183を緻密にすることができるので、ピンホールの少ない水素分離金属層183を実現することができる。
特に、本実施例では、内部給電方式の電解Pdめっきによって、Pdめっき金属層195を形成した後に合金化して水素分離金属層183を作製するので、水素分離金属層183の厚みが増加するとともに一層緻密になる。よって、ピンホールを大きく低減できるとともに、水素脆化を低減できるという利点がある。
次に、実施例7の水素分離体の製造方法について説明するが、前記実施例6と同様な内容の説明は省略する。
なお、本実施例の水素分離体におけるセラミックの基本的な構造は、前記実施例6と同様であるので、以下では前記図11を用いて説明する。また、同様な部材等には、同様な番号を使用して説明する。
本実施例は、Agセラミック混合ペーストを用いてAg金属層を形成した後に、電解Pdめっき行ってPdめっき金属層を形成し、その後PdとAgとの合金化を行ってPdAg合金からなる水素分離金属層を形成するものである。
a)まず、本実施例の水素分離体の構成について説明する。
前記図11(c)に要部を拡大して示す様に、本実施例の水素分離体201は、前記実施例6と同様に、試験管形状の多孔質支持体173と、その外側表面(同図右側)を覆う多孔質層175とを備えており、この多孔質層175は、第1多孔質層179及び第2多孔質層181からなる。
特に本実施例では、第1多孔質層179の全体と、第2多孔質層181内における中心孔177側(内側)に、PdAg合金からなる水素分離金属層183が形成されている。
b)次に、本実施例の水素分離体201の製造方法について説明する。
本実施例では、前記実施例6と同様に、「第1粉末充填工程」、「第2粉末充填工程」、「加圧工程」、「仮焼成工程」、「多孔質層形成工程」、「焼成工程」によって、図11(a)に示すように、セラミック焼結体185を得た。
なお、「多孔質層形成工程」では、Ag:YSZ=15:85(体積比)の材料を用いてAgYSZペーストを作製した。
このセラミック焼結体185は、多孔質支持体173の表面を覆うように形成された第1多孔質層179及び第2多孔質層181からなる多孔質層175を備えている。
このうち、第1多孔質層179の細孔187中にAgが充填されており、これによって、(後に水素分離金属層183の一部となる)膜厚2μmのAg金属層203が形成されている。
<電解めっき工程>
前記実施例6で使用したのと同様な内部給電方式のめっき装置124(図9参照)を用いて、図11(b)に示す様に、多孔質支持体173の中心孔177(従ってセラミック焼結体185の中心孔177)に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
また、NaCl電解液中に給電電極125(図9参照)を挿し込んだ後、前記セラミック焼結体185を、予め対極127(図9参照)の配置された浴温30℃の電解Pdめっき液(水溶液:濃度10g/L)中にセットした。
そして、電流値0.50A/dm2にて定電流電解めっきを4.0分間実施し、多孔質層175の細孔193において、Ag金属層203上に厚み3.0μmのPdめっき金属層195を形成した。
その後、窒素中750℃で熱処理を行い、PdとAgとを合金化し、前記図11(c)に示す様に、厚み5.0μmのPdAg合金からなる水素分離金属層183とした。
これらの工程によって、水素分離体201が完成した。そして、この水素分離体201に、前記実施例6と同様に(図4参照)、金属継手40等を取り付けて水素分離装置21とした。
c)次に、実験例について説明する。
前記実施例6と同様な実験装置(図7参照)を用い、同様な実験条件(温度、圧力)にて、本実施例の水素分離装置21の外周部に同様な水素含有ガスを導入し、円筒内に高純度水素を取り出す水素分離試験を行った。
その結果、純度としては99.99%以上の水素が得られた。また、長時間(1000時間)の試験を行っても水素純度の低下も無く、耐久性に優れていた。
d)本実施例では、AgYSZペーストを用いて、セラミック仮焼成体75の表面に未焼成第1多孔質層77を形成し、YSZペーストを用いて、未焼成第1多孔質層77の表面に未焼成第2多孔質層79を形成し、(この未焼成第1多孔質層77及び未焼成第2多孔質層79が形成された)セラミック仮焼成体75を共焼成して、第1多孔質層179にAg金属層203を備えたセラミック焼結体185を製造する。
その後、内部給電方式の電解Pdめっきによって、Ag金属層203の外側にPdめっき金属層195を形成し、PdとAgとを合金化してPdAg合金からなる水素分離金属層183を作製し、これにより水素分離体201を製造した。
従って、本実施例により、前記実施例6と同様に、容易に水素分離金属層183を緻密にすることができるので、ピンホールの少ない水素分離金属層183を実現することができる。
特に、本実施例では、内部給電方式の電解Pdめっきによって、Pdめっき金属層195を形成した後に合金化して水素分離金属層183を作製するので、水素分離金属層183の厚みが増加するとともに一層緻密になる。よって、ピンホールを大きく低減できるとともに、水素脆化を低減できるという利点がある。
尚、本発明は前記実施形態や実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、セラミック焼結体の外側に電解液を供給するとともに、内側に電解めっき液を供給し、内側(中心孔側)よりめっき金属を析出させてもよい。
(2)また、水素分離体の形状には特に限定はなく、有底円筒形状の水素分離体以外に、例えば平板状の水素分離体としてもよい。
(3)更に、電解めっきとしては、上述した内部給電方式の電解めっき以外に、通常の電解めっきを採用できる。この場合は、多孔質層内にペーストによって形成したPd金属層、PdAg合金層、又はAg金属層に対して、導通を取るようにクリップ等によって一方の電極を取り付け、通常の様に電解めっきを行うことができる。
つまり、(一方の電極が取り付けられた)金属層や合金層と他方の電極との間にめっき液を供給し、両電極間に電圧を印加することによって電解めっきを行うことができる。
(4)前記各実施例の水素分離体中(例えば多孔質支持体内など)に、都市ガス等の原料ガスを改質(例えば水蒸気改質)して、水素の多い水素リッチの改質ガスとする(Ni等の)改質触媒を加えてもよい。
1、91、101、131、161、171、201…水素分離体
9、103、133、173…多孔質支持体
11、105、135、175…多孔質層
13、109、139、179…第1多孔質層
15、111、141、181…第2多孔質層
19、93、117、143、183…水素分離金属層(水素透過膜)
20…多孔質体
21…水素分離装置
73…仮焼成多孔質支持体
75…セラミック仮焼成体
77…未焼成第1多孔質層
113、149…Pd金属層
115、195…Pdめっき金属層
121、145、185…セラミック焼結体
155…Agめっき金属層
163、189…PdAg合金層
203…Ag金属層

Claims (6)

  1. 多孔質体の内部に水素のみを選択して透過させる水素分離金属層を備えた水素分離体を製造する水素分離体の製造方法において、
    水素分離金属であるPd、又は、該Pd及び該Pdと合金化して水素透過性を向上させる金属を主成分とする金属粉末と、セラミックス粉末とを、混合してペースト状材料を作製する第1工程と、
    前記第1工程によって作製されたペースト状材料を用いて、焼結前の多孔質の支持体成形体の表面を覆うことによって、前記支持体成形体上に表面形成層を形成する第2工程と、
    前記第2工程によって形成された支持体成形体及び表面形成層を共焼成して焼結させることによって、内部に前記水素分離金属層を備えた前記多孔質体を作製する第3工程と、
    前記第3工程によって作製された多孔質体の水素分離金属層に対して、電解めっきによって、前記水素分離金属層を構成する金属を供給する第4工程と、
    を有することを特徴とする水素分離体の製造方法。
  2. 前記電解めっきによって、前記水素分離金属層に対してPdと合金化して水素透過性を向上させる合金用金属を供給し、所定の合金化温度で加熱することによって、前記Pdと前記合金用金属とを合金化させることを特徴とする請求項1に記載の水素分離体の製造方法。
  3. 前記電解めっきでは、
    前記水素分離金属層の一方の側に電解液を供給し、該電解液を介して、該電解液を供給した側より前記水素分離金属層の前記水素分離金属に電子を供給するとともに、前記水素分離金属層の他方の側にめっき液を供給することにより、前記水素分離金属層のめっき液供給側にめっき膜を成膜することを特徴とする請求項1又は2に記載の水素分離体の製造方法。
  4. 多孔質体の内部に水素のみを選択して透過させる水素分離金属層を備えた水素分離体を製造する水素分離体の製造方法において、
    水素分離金属であるPdと合金化して水素透過性を向上させる金属を主成分とする金属粉末と、セラミックス粉末とを、混合してペースト状材料を作製する第1工程と、
    前記第1工程によって作製されたペースト状材料を用いて、焼結前の多孔質の支持体成形体の表面を覆うことによって、前記支持体成形体上に表面形成層を形成する第2工程と、
    前記第2工程によって形成された支持体成形体及び表面形成層を共焼成して焼結させることによって、内部に合金用金属層を備えた前記多孔質体を作製する第3工程と、
    前記第3工程によって作製された多孔質体の合金用金属層に対して、電解めっきによって、前記Pdを供給する第4工程と、
    前記第4工程にてPdが供給された合金用金属層を、所定の合金化温度で加熱することによって、前記Pdと前記合金用金属とを合金化させて水素分離金属層を形成する第5工程と、
    を有することを特徴とする水素分離体の製造方法。
  5. 前記電解めっきでは、
    前記合金用金属層の一方の側に電解液を供給し、該電解液を介して、該電解液を供給した側より前記合金用金属層の前記合金用金属に電子を供給するとともに、前記合金用金属層の他方の側にめっき液を供給することにより、前記合金用金属層のめっき液供給側にめっき膜を成膜することを特徴とする請求項4に記載の水素分離体の製造方法。
  6. 前記共焼成の焼成温度が、1400℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素分離体の製造方法。
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