JP6050009B2 - 取付部構造,取付部材及びエアバッグモジュール装備シート - Google Patents
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Description
特許文献1の発明によれば、力布をバックパッドの開口縁から空洞部の内側に夫々引き込み、空洞の内側でトリムコードの引掛けフックをモジュールカバーの掛止めピンに掛け止めるだけでよいため、力布をコンパクトにかつ簡単に組み付けられる。
そこで、本発明者らは、特願2011−260623号で、力布をエアバッグモジュール側に取付ける取付部材であって、エアバッグ展開時の回転が抑制されたものを提案した。
この取付部材は、取付部材自体をエアバッグモジュール側に取付ける連結部と、エアバッグモジュールの展開方法を案内する力布の端部を内部に保持する保持空間とを備えており、保持空間と連結部との位置関係が調整されることにより、エアバッグ展開時の取付部材の回転が抑制される。
また、特願2011−260623号で提案された取付部材では、保持空間内に力布の端部を保持するため、力布の引張力が掛かったときに、この引張力が伝達された力布の端部側が、保持空間の壁部を押圧し、保持空間の壁部が変形する恐れがあった。
更に、エアバッグモジュール周りのコンパクト化の要請のため、取付部材の更なるコンパクト化も望まれていた。
本発明の他の目的は、エアバッグモジュールの展開方向を案内する案内部材に引張力が掛かったときに、この引張力が伝達された案内部材の端部側からの押圧力により、取付部の保持空間の壁部が変形することが抑制された取付部構造,取付部材及びエアバッグモジュール装備シートを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、エアバッグモジュールの展開方向を案内する案内部材を被取付部に取付ける取付部分をコンパクトにすることが可能な取付部構造,取付部材及びエアバッグモジュール装備シートを提供することにある。
また、エアバッグモジュール装備シートのサイドフレームに案内部材の端部側を取付けたときに、案内部材の端部側がサイドフレーム側から外れることを抑制できる。
このように、第二の壁部は、第一延出部から更に保持空間の外側へ、第一の壁部の外壁面に沿って延出する第二延出部を備えているため、第一の壁部の外側面と第二延出部との間に、案内部材の通路となるスリットを形成できる。また、第二延出部が第一の壁部の外壁面に沿って延出するため、スリットをコンパクトに形成することができる。
このように構成しているため、第一延出部,第二延出部,第三延出部に亘って、スリットを形成することができる。また、第一延出部,第二延出部,第三延出部に亘って、第一の壁部を被覆するので、第一の壁部が、保持空間内からの圧力によって、外側に倒れて変形し、保持空間が広がることを抑制できる。また、第三延出部により、案内部材の撓みを抑制できる。
このように構成しているため、スリットの幅を一定に形成して、スリットをコンパクトに形成することができる。
案内部材に引張力が掛かったときに、保持空間に保持された案内部材の端部側から最も大きい押圧力を受ける部分が、第一の壁部である。第二延出部のうち、この押圧力を、第一の壁部を介して受ける部分が、他の部分よりも厚肉に形成されているため、第一の壁部が押圧力により外側に倒れて変形し、保持空間が広がることを効率的に抑制できる。
また、このように構成しているため、エアバッグモジュール装備シートのサイドフレームに案内部材の端部側を取付けたときに、案内部材の端部側がサイドフレーム側から外れることを抑制できる。
請求項6の発明によれば、案内部材に引張力が掛かったときに、保持空間に保持された案内部材の端部側から最も大きい押圧力を受ける部分が、第一の壁部である。第二延出部のうち、この押圧力を、第一の壁部を介して受ける部分が、他の部分よりも厚肉に形成されているため、第一の壁部が押圧力により外側に倒れて変形し、保持空間が広がることを効率的に抑制できる。
エアバッグモジュールとしては、車両前席のシートのサイドフレームやドアに設けられるサイドエアバッグのほか、ハンドルやインパネに設けられる運転席用,助手席用エアバッグ,ニーエアバッグや、車両のサイドウインドウ上部に設けられるサイドカーテンエアバッグ,後部座席のセンターコンソールに設けられる後席センターエアバッグ等、車両に設けられるあらゆるエアバッグモジュールを含む。
取付部は、被取付部に一体に形成されていてもよいし、被取付部と別体の取付部材に形成されていてもよい。
以下、本発明の一実施形態に係る取付部構造,取付部材及びエアバッグモジュール装備シートについて、図1〜図7を参照しながら説明する。
シートバックフレーム1は、図1,図2に示すように、左右に離間して配置され上下方向に延在するサイドフレーム10と、このサイドフレーム10の上端部を連結する上部フレーム21と、下端部を連結する下部フレーム22とにより枠状に構成されている。
上部フレーム21には、ピラー支持部23が設けられ、ピラー支持部23には、不図示のヘッドレストフレームが設けられる。ヘッドレストフレームの外側にクッション部材を設けることでヘッドレストS3が構成される。
サイドフレーム10には、エアバッグモジュール6が固定されている。
クッションパッド5には、図3に示すように、エアバッグモジュール6を格納するための空間7が形成されている。
トリムカバー4には、前面マチ部41と側面マチ部42との土手部において膨出した頂点に、破断部40が形成されている。破断部40は、前面マチ部41と側面マチ部42の端部を、通常の使い勝手に耐えられる強度を保ちつつ、エアバッグの膨張による引張力で裂断可能なように、相互に縫製されている。
力布32は、伸縮性の小さい布状素材からなり、エアバッグの膨張による応力を破断部40に伝達する役割を果たす。力布32は、特許請求の範囲の案内部材に対応する。
トリムプレート37は、硬質樹脂製からなる矩形の板体である。トリムプレート37は、力布32の取付部36の端末の形状を保持するために用いられる力布端末形状保持部材である。力布32の端末にトリムプレート37が固定されていることにより、力布32の端末を係止部55に差込む際の作業性が向上する。本実施形態では、力布32の取付部36にトリムプレート37を固定しているが、これに限定されるものではなく、トリムプレート37を用いずに、力布32の取付部36の端末を複数回折り返して縫製したものや、複数重に巻回して縫製したもの、複数重に巻回して縫製したものを一方向に押し潰したものを係止部55に挿入してもよい。
掛け止め部52には、幅広部51の前縁部12端部側に、取付部材50を前縁部12に掛け止めるための溝53が、幅広部51から連続して形成されている。溝53は、幅広部51と、幅広部51の根本の部分から分岐する延出部54との間の空間からなる。溝53は、前縁部12の端部を挟持している。
幅広部51には、トリムプレート37を内部に保持して係止する係止部55と、係止部55から引き出される力布32の通路となるスリット69の両壁面を形成する第一の壁部59,第二の壁部60を備えている。係止部55は、特許請求の範囲の保持空間に該当する。
なお、係止部55は、上端又は下端の一方、好ましくは上端のみが開放され、他方が閉塞されていてもよい。係止部55の上端が開放され、下端が閉塞された取付部材50は、左右のサイドフレーム10のいずれか一方のみに用いる場合に特に適している。係止部55の上端及び下端の双方が開放された取付部材50は、左右のサイドフレーム10の双方に用いる場合に特に適している。このとき、左右のうち一方のサイドフレーム10に用いるときに上端だった側は、他方のサイドフレーム10に用いるときに下端側となる。
また、平面55cに対向して、湾曲面55aから連続する第一の壁部59の内壁面59iを備えている。内壁面59iは、平面55cよりも短く形成されている。湾曲面55a,55b,平面55cによって形成される壁面が、係止部55を区画する側壁を構成している。
第一延出部64の外壁面64oは、取付部材50の前縁部12取付時に、サイドフレーム10の側板11の内壁面に当接する。
第二延出部65は、その内壁面65iが、第一の壁部59の外壁面59oに沿って略平行に延出している。
第二延出部65の第一延出部64逆側には、第二延出部65から屈曲して、更に係止部55の外側へ延出する第三延出部66が設けられている。第三延出部66は、第一の壁部59の根元部分59bを被覆している。
第二延出部65の内壁面65i及び第三延出部66の内壁面66iは、第一の壁部59の外壁面59oとの間に一定の間隔の隙間を備えており、この隙間がスリット69を構成している。
また、第二延出部65は、図7に示すように、第一延出部64及び第三延出部66よりも厚肉に形成されている。第二延出部65は、力布32に掛かる引っ張り力を受けてトリムプレート37が第一の壁部59を外側に押圧したときに、第一の壁部59の端部59eから力布32を介して第二延出部65が押圧力を受ける位置である。
また、サイドフレーム10の前縁部12への取付時、図7に示すように、第一延出部64は、サイドフレーム10の側板11に当接するため、トリムプレート37からの押圧力を側板11によっても受けることができることから、第二延出部64よりも薄く形成可能である。
取付部材50を介した力布32のサイドフレーム10への取付は、次の手順で行われる。
作業者はまず、力布32の取付部36を、トリムプレート37と取付部36の境界で一回折り曲げ、トリムプレート37と取付部36とを、トリムプレート37の幅分重ねる。
次いで、取付部材50の溝53を、サイドフレーム10の前縁部12の所定の位置に係止する。
以上の作業を、すべての取付部材50について行い、取付部材50を介した力布32のサイドフレーム10への取付を完了する。
S1 シートバック
S2 着座部
S3 ヘッドレスト
F シートフレーム
1 シートバックフレーム
2 着座フレーム
3 リクライニング機構
4 トリムカバー
5 クッションパッド
6 エアバッグモジュール
7 空間
10 サイドフレーム
11 側板
12 前縁部
13 後縁部
21 上部フレーム
22 下部フレーム
23 ピラー支持部
32 力布
33 係止部材
34 破断部側の辺
35 破断部逆側の辺
36 取付部
37 トリムプレート
40 破断部
41 前面マチ部
42 側面マチ部
42e 端辺
50 取付部材
51 幅広部
52 掛け止め部
53 溝
54 延出部
55 係止部
55a,55b 湾曲面
55c 平面
59 第一の壁部
59b 根元部分
59e 端部
59i,64i,65i,66i 内壁面
59o,64o 外壁面
60 第二の壁部
64 第一延出部
65 第二延出部
66 第三延出部
69 スリット
Claims (7)
- エアバッグモジュールの展開方向を案内する案内部材の端部側を被取付部に取付ける取付部の構造であって、
前記取付部は、前記案内部材の端部側を着脱可能に内部に保持する保持空間を備え、
前記保持空間は、平面と、該平面の一端に設けられた第一の湾曲面と、前記平面の他端に設けられた第二の湾曲面と、前記第一の湾曲面から連続して延長し、前記平面と略平行で、前記平面よりも短く形成された第一の壁部の内壁面と、前記第一の壁部の前記第一の湾曲部逆側の先端に隙間をもって対向しながら、前記第二の湾曲面から連続して延長する第二の壁部の内壁面と、に囲まれており、
前記第一の壁部と前記第二の壁部との間は、前記保持空間から前記取付部の外側面まで伸びて前記保持空間から引き出される前記案内部材の通路となるスリットを構成しており、
前記第二の壁部の内壁面のうち、前記第一の壁部の前記先端に対向する部分は、前記第一の壁部に対して、前記平面から遠ざかるに従って前記第一の壁部に近付く向きに、鈍角の角度を有して傾斜していることを特徴とする取付部構造。 - 請求項1記載の取付部構造を備えた取付部材であって、
前記被取付部は、前記エアバッグモジュールを装備するシートのサイドフレームであり、
前記取付部材は、前記サイドフレームとは別体からなり、前記取付部と、前記サイドフレームに係止される溝とを備え、
前記第二の壁部は、前記第一の壁部の前記先端に対向しながら、前記第一の壁部に対して傾斜して前記保持空間の外側へ延出する第一延出部を備えることを特徴とする取付部材。 - 前記第二の壁部は、前記第一延出部から更に前記保持空間の外側へ、前記第一の壁部の外壁面に沿って延出する第二延出部を備え、
該第二延出部の前記第一の壁部側の面は、前記第一延出部に対して角度を持っていることを特徴とする請求項2記載の取付部材。 - 前記第二の壁部は、前記第二延出部から更に前記第一延出部逆側へ、前記第一の壁部の根本部分を被覆して延出する第三延出部を備えることを特徴とする請求項3記載の取付部材。
- 前記第二延出部及び第三延出部は、前記第一の壁部の外壁との間に一定の隙間を備えていることを特徴とする請求項4記載の取付部材。
- 前記第二延出部は、前記保持空間内部から、押圧力を前記第一の壁部を介して受ける部分が、前記第二の壁部の他の部分よりも厚肉に形成されていることを特徴とする請求項3乃至5いずれか記載の取付部材。
- エアバッグを格納するエアバッグモジュールを装備したシートであって、
前記エアバッグモジュールの展開方向を案内する案内部材と、該案内部材の端部側が取付けられる取付部と、該取付部により前記案内部材の端部側が取付けられる被取付部と、を有し、
前記取付部は、前記案内部材の端部側を着脱可能に内部に保持する保持空間を備え、
前記保持空間は、平面と、該平面の一端に設けられた第一の湾曲面と、前記平面の他端に設けられた第二の湾曲面と、前記第一の湾曲面から連続して延長し、前記平面と略平行で、前記平面よりも短く形成された第一の壁部の内壁面と、前記第一の壁部の前記第一の湾曲部逆側の先端に隙間をもって対向しながら、前記第二の湾曲面から連続して延長する第二の壁部の内壁面と、に囲まれており、
前記第一の壁部と前記第二の壁部との間は、前記保持空間から前記取付部の外側面まで伸びて前記保持空間から引き出される前記案内部材の通路となるスリットを構成しており、
前記第二の壁部の内壁面のうち、前記第一の壁部の前記先端に対向する部分は、前記第一の壁部に対して、前記平面から遠ざかるに従って前記第一の壁部に近付く向きに、鈍角の角度を有して傾斜していることを特徴とするエアバッグモジュール装備シート。
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