JP5077962B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は、車両用シートに関する。詳しくは、着座部となるシート本体のクッションパッドの背裏部にエアバッグユニットが配設された車両用シートに関する。
従来、車両用シートにおいて、車両の側突時にエアバッグを膨張展開させて乗員を受け止めることにより、乗員を衝突から保護するエアバッグユニットが設けられたものが知られている。ここで、下記特許文献1には、上記したエアバッグユニットが、シートバックのアウター側の側部箇所に内装されて設けられた構成が開示されている。この開示では、シートバックのクッションパッドの背裏側箇所にエアバッグユニットが設けられており、同エアバッグユニットが設けられたクッションパッドの表側面部には、エアバッグの膨張展開経路となる貫通した孔が縦長状に空けられて形成されている。
そして、このクッションパッドの表側面部に被覆される布製の表皮カバーは、そのエアバッグの膨張展開によって破断する継ぎ目の縫合ライン(バーストライン)が、上記したクッションパッドに貫通形成された孔上に沿って配置されるように張設されている。そして、この表皮カバーの継ぎ目の近傍部には、エアバッグ膨張展開初期における表皮カバーの伸びを抑制して表皮カバーを所定の縫合部(バーストライン)から確実に開裂させる機能をもつ力布が縫合されている。
この力布は、ナイロン等の丈夫な素材が面状に織り込まれて形成されている。そして、この力布は、一端が表皮カバーの縫合された各端部に縫合されるように二枚設けられており、それぞれの他端がエアバッグユニットを包み込むようにシートバックの骨格フレームの背裏側にまわし込まれて互いに縫合されることで袋状に形成されて設けられている。詳しくは、各力布は、表皮カバーの継ぎ目の各端部との縫合部から、上述したクッションパッドに貫通形成された孔内に通し込まれて設けられている。
特開平10−152013号公報
しかし、上記開示の従来技術では、各力布に共縫いされた表皮カバーが、各力布の張力によってクッションパッドの孔内に引き込まれることにより、シートバックの形状が一部凹んだ状態となって見栄えが損なわれてしまうことがある。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、表皮カバーが力布(伸張率の低い布)の張力によってクッションパッドの孔内に引き込まれるのを防止又は抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートは次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、シートバックのクッションパッドの背裏部にエアバッグユニットが配設された車両用シートである。クッションパッドの表面部には、その背裏部に配設されたエアバッグユニットから膨張展開するエアバッグの展開経路となる貫通孔が形成されている。クッションパッドの表面部には、面状の表皮カバーが張設されている。表皮カバーは、そのエアバッグの展開圧により押圧されて破断する継ぎ目の縫合ラインが貫通孔の開口領域或いはその周辺領域に配置されている。表皮カバーの継ぎ目の縫合された端部には、表皮カバーの背裏部に配されて機能する表皮カバーよりも伸び難い布が縫合されて結合されている。この布は、クッションパッドに形成された貫通孔の孔内に通されて、エアバッグユニットの周囲を覆うように敷設されて、エアバッグユニットが固定された骨格フレームに係止されるようになっている。そして、上記した布は、その端部に縫合された表皮カバーを、クッションパッドの貫通孔内に引き込まないように弛んだ状態で設けられている。
この第1の発明によれば、表皮カバーの背裏部に配されて機能する布は、クッションパッドの貫通孔内に通されて、弛んだ状態で骨格フレームに係止されるように設けられている。したがって、表皮カバーが布の張力によってクッションパッドの孔内に引き込まれるのを防止又は抑制することができる。
次に、第2の発明は、上述した第1の発明において、クッションパッドは、その背裏面の一部がエアバッグユニットに押し当てられてエアバッグユニットとの間に布を押し挟んだ状態となる構成となっている。布は、その表皮カバーと縫合された端部から、クッションパッドとエアバッグユニットとに押し挟まれる押し挟まれ部までの第1領域部と、押し挟まれ部から骨格フレームに係止された端部までの第2領域部とがそれぞれ弛んだ状態に保たれる。
この第2の発明によれば、布は、クッションパッドの背裏面とエアバッグユニットとによって押し挟まれ部が押し挟まれることにより、その表皮カバーとの縫合端部から押し挟まれ部までの第1領域部と、押し挟まれ部から骨格フレームに係止された端部までの第2領域部とが、それぞれ弛んだ状態に保持される。したがって、シートバックに乗員の背凭れ荷重がかけられても、第1領域部と第2領域部とがそれぞれ弛んで設けられているために、第1領域部を緊張させにくくすることができ、この第1領域部の先に結合された表皮カバーをその張力によってクッションパッドの孔内に引き込まれるのを防止又は抑制することができる。また、クッションパッドが布の第1領域部や第2領域部の張力によってその撓み変形が阻止されることがなくなるため、良好なクッション性を維持することができる。
次に、第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、クッションパッドの背裏部には、クッションパッドのクッション部よりも硬質な面状の硬質層が積層されて形成されている。硬質層は、クッションパッドが乗員の着座荷重を受けて押し動かされても、エアバッグユニットに押し当てられてその移動が規制されるようになっている。
この第3の発明によれば、クッションパッドが乗員の着座荷重を受けて押し動かされる移動は、その背裏面に積層された面状の硬質層がエアバッグユニットに押し当てられることで規制される。このように、クッションパッドのエアバッグユニットに当てられる部位の移動を規制できるようにしたことにより、クッションパッドの撓み変形の進行を、布にテンションがかけられる前の状態にとどめることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シート1の構成について、図1〜図5を用いて説明する。ここで、図1に示されるように、本実施例の車両用シート1は、背凭れとなるシートバック2と着座部となるシートクッション3とを有して構成されている。この車両用シート1は、右ハンドル車の運転席シートとして配設されており、シートクッション3のインナー側となる着座乗員から見て左側、図示では向かって右側となる側部に、図示しないシートベルト装置の留め具となるバックル5が配設されている。
また、シートバック2のアウター側となる着座乗員から見て右側、図示では向かって左側となる側部には、車両の側突時にエアバッグ4Bを膨張展開させて、乗員を受け止めて衝突から保護する公知のエアバッグユニット4が内装されている。このエアバッグユニット4は、シートバック2の骨格部(バックフレーム2A)に固定されて設けられており、車両の側突発生時に、乗員を保護できるように、エアバッグ4Bをシートバック2のクッションパッド2B(図2参照)や表皮カバー2Cを突き抜けて前方側へ膨出させられるようになっている。
そして、このエアバッグ4Bの膨張展開により、エアバッグ4Bは、乗員のアウター側の側面部を覆った状態に広げられ、乗員と車両側部との間にエアバッグ4Bを介在させて乗員を側突から保護するようになっている。以下、上記したシートバック2及びエアバッグユニット4の構成について詳しく説明していく。先ず、図2を参照して、シートバック2の構成について説明する。
このシートバック2は、その骨格を成す枠状のバックフレーム2Aと、乗員の背凭れ荷重を軟らかく受け止めるクッション体となるクッションパッド2Bと、クッションパッド2Bの外周部を覆う表皮カバー2Cと、が組み付けられて構成されている。詳しくは、バックフレーム2Aは、長板状の鋼板部材よりなる左右一対のサイドフレームAa,Aaと、これらサイドフレームAa,Aaの上端部間に架け渡されてこれらに剛結合された円鋼管部材よりなるアッパフレームAbと、両サイドフレームAa,Aaの下端部間に架け渡されてこれらに剛結合された長板状の鋼板部材よりなる補強板Acとによって構成されている。
上記したアッパフレームAbは、その所々が折り曲げられて形成されており、その横幅方向の中央部に、乗員の頭受けとなるヘッドレストを構成する骨格枠が上方側に山折りされたかたちで形成されている。そして、上記のように枠組みされたバックフレーム2Aの枠間には、後述するクッションパッド2Bの中央部2Tを背裏面側から支える複数の支持ワイヤAd・・が縦横に張設されて固定されている。ここで、バックフレーム2Aが本発明の骨格フレームに相当する。
そして、図示向かって左側(アウター側)のサイドフレームAaの外側面部には、前述したエアバッグユニット4が一体的に固定されて設けられている。ここで、エアバッグユニット4は、図3に示されるように、サイドフレームAaの外側面部に一体的に結合固定された樹脂ケース4Aと、この樹脂ケース4A内に収められたインフレータ4C及びエアバッグ4Bと、を有した公知の構成となっている。このエアバッグユニット4は、図示しない加速度センサによって車両の運転席外側部(アウター側の側部)への衝突(側突)が検知されると、エアバッグ4Bを展開させる旨の展開信号がインフレータ4Cの図示しない点火部に供給されて点火部が点火する仕組みとなっている。
そして、上記した点火部が点火することにより、インフレータ4C内の燃焼促進剤が高速燃焼して、エアバッグ4B内に多量のガスが瞬時に供給されてエアバッグ4Bが膨張展開する。これにより、エアバッグ4Bは、シートバック2の前方側(図示上方側)に向かって膨張展開し、その展開圧によって、その前面側(図示上面側)にある樹脂ケース4Aの蓋部At(図示上面部)を、この蓋部Atが折り曲げ形成された図示左側の折曲部をヒンジ点として回転させるかたちで押し退けて、同前面側の開口を押し広げながら前方側に膨出していくようになっている。
そして、上記した樹脂ケース4Aの蓋部Atを押し退けながら膨張展開したエアバッグ4Bは、その前方側に配されたクッションパッド2Bや表皮カバー2Cを突き抜けて、シートバック2の前方側へと膨出するようになっている。詳しくは、エアバッグ4Bは、クッションパッド2Bに形成された貫通孔Baを通って前方側へ膨張展開していき、更に貫通孔Baの表層部を覆っている表皮カバー2Cの継ぎ目の縫合部Ccをその展開圧によって破断させて前方側へと膨出するようになっている。
次に、図2に戻って、クッションパッド2Bについて説明する。このクッションパッド2Bは、ポリウレタン樹脂の発泡成形体によって形成されている。このクッションパッド2Bは、乗員の背凭れ荷重を受け止める中央部2Tの両サイド部に、クッション形状が前方側に張り出したサイドサポート部2R,2Lを有し、更に、中央部2Tの上方部には、頭部を受け止めるヘッドレストのクッション部を形成するヘッドレスト部2Hを有した形状に形成されている。
上記構成のクッションパッド2Bは、バックフレーム2Aに組み付けられることにより、その中央部2Tが前述した複数の支持ワイヤAd・・の前面部に組み付けられ、ヘッドレスト部2Hが前述したアッパフレームAbの山折りされた枠部の前面部に組み付けられ、各サイドサポート部2R,2Lが前述した各サイドフレームAa,Aaの前面部と外側面部とに跨って組み付けられた状態となる。そして、図示左方側(アウター側)のサイドサポート部2Rの背裏部には、前述したエアバッグユニット4が配置された配置状態となる(図3参照)。
ここで、図3に示されるように、上記したクッションパッド2Bのアウター側のサイドサポート部2Rの表面部、詳しくは、サイドサポート部2Rの前面部の図示右側端部近傍の縁部には、上記したエアバッグユニット4が配設された背裏部に向けてスリット状に貫通した縦長状の貫通孔Baが形成されている。この貫通孔Baは、上記したエアバッグ4Bの展開経路を構成するものであり、高さ方向に長尺状に形成されたエアバッグ4Bの展開経路を構成するべく、高さ方向に長尺な縦長形状に形成されている。
ここで、上記したサイドサポート部2Rの背面部は、前述したサイドフレームAaやエアバッグユニット4の樹脂ケース4Aの前面部や側面部を前面側から囲い込むように曲げ返された形状に形成されている。ここで、樹脂ケース4Aは、その前面部分がサイドフレームAaよりも前方側に突出した状態で、サイドフレームAaに結合固定されている。そして、上記したサイドサポート部2Rの背面部は、エアバッグユニット4の樹脂ケース4Aの図示左上側の角部に押し当てられる部位が、同角部との干渉を抑えるために部分的に凹み込んだ形状に形成されている。
そして、この凹み込んだ部位を含むサイドサポート部2Rの背面部には、クッションパッド2Bとの一体成形による含浸により硬化して形成された厚物の不織布から成る硬質層Bbが積層されて形成されている。ここで、硬質層Bbを構成する厚物の不織布としては、例えば、三井化学株式会社製のタフネル(登録商標)を適用することができる。これにより、サイドサポート部2Rは、上記した硬質層Bbが樹脂ケース4Aの角部に押し当てられるようになっている。
これにより、硬質層Bbが樹脂ケース4Aの角部に押し当てられた押圧荷重が、硬質層Bbにおいて広く分散されてサイドサポート部2Rにかけられることとなり、サイドサポート部2Rの局所的な凹み変形を伴うことなく、この押圧荷重が広い範囲で受け止められるようになっている。したがって、クッションパッド2Bに凭れ掛かった乗員も、樹脂ケース4Aの角部との当接による異物感を感じにくくなるため、着座感を損なわないようにすることができる。
次に、図2に戻って、表皮カバー2Cについて説明する。この表皮カバー2Cは、上記したクッションパッド2Bの表面部全体を覆い被せた状態に組み付けられる大きさ形状に縫製されて形成されている。そして、表皮カバー2Cは、そのクッションパッド2Bの中央部2T、図示右側(インナー側)のサイドサポート部2R及びヘッドレスト部2Hにそれぞれ覆い被されるセンター表皮部Caが、クッションパッド2Bに一体的に接着成形されて組み付けられている。
しかし、表皮カバー2Cは、その図示左側(アウター側)のサイドサポート部2Rに覆い被されるサイド表皮部Cbだけが、同サイドサポート部2Rには接着されておらず、図3に示されるように、サイドサポート部2Rに前面側から覆い被された後、その後方側にまわし込まれた縁部が、引張バネCsによって後方側に引張り込まれた状態となってサイドサポート部2Rの表面部に張設されている。ここで、上記したセンター表皮部Caとサイド表皮部Cbとが縫合された継ぎ目の縫合部Ccは、その縫合ラインが前述したクッションパッド2Bのサイドサポート部2Rに形成された貫通孔Baの延びる縦長状の孔形状に沿って、この貫通孔Baの開口部に臨んで形成されている。
上記した継ぎ目の縫合部Ccは、エアバッグ4Bが膨張展開することにより、この展開圧によって押圧されて破断して、エアバッグ4Bの展開経路を形成する機能部となっている。そして、この表皮カバー2Cの継ぎ目の縫合部Ccには、表皮カバー2Cの背裏部に配置されて機能する可撓性面状のインナー側力布2Dとアウター側力布2Eとが縫合されて配設されている。これらインナー側力布2Dやアウター側力布2Eは、表皮カバー2Cよりも伸び難い公知のナイロン等の頑丈な素材からなる織物によって形成されている。ここで、インナー側力布2Dが本発明の布に相当する。
前者のインナー側力布2Dは、図4に示されるように、シートバック2の高さ方向に長尺状に形成されており、エアバッグ4B(図1参照)の高さ方向の展開形状全体を覆うことのできる大きさ形状に形成されている。このインナー側力布2Dは、図3に示されるように、その前方側(図示上方側)の縁部が、センター表皮部Caの継ぎ目となる端部と縫合されて一体的に結合されている。
詳しくは、上記したセンター表皮部Caの継ぎ目の端部は、内側に折り返されて形成されており、この折り返された空間部にインナー側力布2Dの端部が挟み込まれた状態で、同折り返し部が厚さ方向に貫通してひとまとめに縫合されることにより、センター表皮部Caの端部とインナー側力布2Dの端部とが一体的に結合されている。ここで、センター表皮部Caは、上記したクッションパッド2Bのサイドサポート部2Rの貫通孔Baから図示左方側に離間した途中箇所までが、クッションパッド2Bと一体的に接着成形されており、そこから先は、接着されずに自由端となって形成されている。
そして、上記したインナー側力布2Dは、上記したセンター表皮部Caの端部との縫合部から、クッションパッド2Bの貫通孔Baの孔内を通ってクッションパッド2Bの背裏側へと通されて、その後方側(図示下方側)の縁部が、バックフレーム2Aに一体的に固定設置された付設フレームAeに掛着されて係止されている。このインナー側力布2Dの付設フレームAeへの掛着は、インナー側力布2Dの後縁部に折り返して縫合形成されたリング状の空間部内に付設フレームAeが挿し通されて行われている。
これにより、インナー側力布2Dは、バックフレーム2AのサイドフレームAaの内側を通って、エアバッグユニット4の樹脂ケース4Aの図示左方側の側面部を広く覆った状態となって敷設されている。ここで、インナー側力布2Dは、上記したセンター表皮部Caの端部と縫合された縁部と、付設フレームAeに掛着された縁部と、の間の面形状が、弛んだ状態となって敷設されている。具体的には、インナー側力布2Dは、上記した両縁部間の帯長が、同縁部間のクッションパッド2Bの背裏面形状の周長よりも長く形成されており、クッションパッド2Bの背裏部が当てられた状態においても、その弛んだ敷設状態を維持できるようになっている。
ここで、インナー側力布2Dは、クッションパッド2Bの背裏部に形成された硬質層Bbが樹脂ケース4Aの角部に押し当てられていることにより、その途中の押し挟まれ部Daが、硬質層Bbと樹脂ケース4Aの角部とによって押し挟まれた状態となっている。そして、これにより、インナー側力布2Dは、上記したセンター表皮部Caの端部と縫合された縁部から押し挟まれ部Daまでの第1領域部Dbと、この押し挟まれ部Daから先の付設フレームAeに掛着された縁部までの第2領域部Dcとが、それぞれ弛んだ状態となるように保持されている。
したがって、上記のように付設されたインナー側力布2Dは、通常時は、第1領域部Dbと第2領域部Dcとがそれぞれ弛んだ状態に保たれているために、その前方側の縁部に縫合された表皮カバー2Cのセンター表皮部Caやサイド表皮部Cbを、その張力によってクッションパッド2Bの貫通孔Baの孔内に引き込むようなことにならないようになっている。また、インナー側力布2Dは、クッションパッド2Bが乗員の背凭れ荷重によって押圧された時にも、第2領域部Dcの弛みによって緊張しない状態に保たれるようになっており、クッションパッド2Bの撓み変形を阻害しないようになっている。したがって、クッションパッド2Bの良好なクッション性を維持することができる。
また、クッションパッド2Bは、その背裏面に積層された面状の硬質層Bbが樹脂ケース4Aの角部に押し当てられることで、同部位が乗員の着座荷重を受けて押し動かされる移動が規制されるようになっている。このように、クッションパッド2Bのエアバッグユニット4に当てられる部位の移動を規制できるようにしたことにより、クッションパッド2Bの撓み変形の進行を、インナー側力布2Dにテンションがかからない状態にとどめることができる。
次に、アウター側力布2Eは、図5に示されるように、シートバック2の高さ方向の二箇所に敷設されており、それぞれ、前後方向に長尺となる帯形状に形成されている。このアウター側力布2Eは、図3に示されるように、その前方側(図示上方側)の縁部が、サイド表皮部Cbの継ぎ目となる端部と縫合されて一体的に結合されている。詳しくは、上記したサイド表皮部Cbの継ぎ目の端部は、内側に折り返されて形成されており、この折り返された空間部にアウター側力布2Eの端部が挟み込まれた状態で、同折り返し部が厚さ方向に貫通してひとまとめに縫合されることにより、サイド表皮部Cbの端部とアウター側力布2Eの端部とが一体的に結合されている。
ここで、サイド表皮部Cbは、上記した折り返し部の曲げ返し部分が、前述したサイド表皮部Cbの折り返し部の曲げ返し部分と縫合されることにより、前述したエアバッグ4Bの膨張展開時に破断する継ぎ目の縫合部Ccが形成されている。そして、上記したアウター側力布2Eは、上記したサイド表皮部Cbの端部との縫合部から、クッションパッド2Bの図示右外側の表層部(外周部)を通ってクッションパッド2Bの背裏側へと通されて、その後方側(図示下方側)の縁部が、バックフレーム2Aに一体的に固定設置された付設フレームAeに掛着されて係止されている。
このアウター側力布2Eの付設フレームAeへの掛着は、アウター側力布2Eの後縁部に折り返して縫合形成されたリング状の空間部内に付設フレームAeが挿し通されて行われている。ここで、アウター側力布2Eは、上記したサイド表皮部Cbの端部と縫合された縁部と、付設フレームAeに掛着された縁部と、の間の面形状が、弛んだ状態となって敷設されている。具体的には、アウター側力布2Eは、上記した両縁部間の帯長が、同縁部間のクッションパッド2Bの外周部形状の周長よりも長く形成されていることにより、その弛んだ敷設状態を維持できるようになっている。
以上、本発明の実施形態を一つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。例えば、表皮カバー2Cがクッションパッド2Bと一体的に接着されて形成されたものを示したが、表皮カバー2Cが別体に被せ付けられる構成となっているものであってもよい。また、表皮カバー2Cのセンター表皮部Caとサイド表皮部Cbとの継ぎ目の縫合部Ccが、クッションパッド2Bに形成された貫通孔Baの開口部に臨んで配置されたものを示したが、エアバッグ4Bの膨張展開時にその展開圧を受けて破断する位置に配置されていればよく、貫通孔Baの周辺領域に配置されていてもよい。
また、クッションパッド2Bの背裏部に硬質層Bbが形成され、この硬質層Bbがエアバッグユニット4の樹脂ケース4Aに当接した状態となって設けられた構成を示したが、クッションパッド2Bは、樹脂ケース4Aから離間した状態で設けられる構成であってもよい。但し、この場合には、インナー側力布2D(布)の第1領域部Dbと第2領域部Dcとをそれぞれ弛ませた状態に保持できるようにするために、上記実施例で示した押し挟まれ部Daに相当する途中部位を、樹脂ケース4Aに係止させるなどして保持しておくことが好ましい。
また、インナー側力布2D(布)の後縁部が付設フレームAeに掛着されて係止された構成を示したが、付設フレームAeへの係止は、例えば、インナー側力布2D(布)の後縁部が付設フレームAeやサイドフレームの背裏側にまわし込まれてアウター側力布2Eの後縁部と縫合されることによって行われていてもよい。このような構成によっても、エアバッグ4Bの膨張展開時に、インナー側力布2Dが付設フレームAeから外れないように付設フレームAeに係止させておくことができる。
また、エアバッグユニット4がシートクッション3に内装されて設けられるものであってもよい。この場合には、シートクッション3が、上記実施例で示したシートバック構造のように、表皮カバーに布が縫合されて弛んだ状態で設けられる構成となる。
実施例1の車両用シートの概略構成を表した斜視図である。 車両用シートの分解斜視図である。 図1のIII-III線拡大断面図である。 インナー側力布の敷設位置を表した車両用シートの側面図である。 アウター側力布の敷設位置を表した車両用シートの側面図である。
符号の説明
1 車両用シート
2 シートバック
2A バックフレーム(骨格フレーム)
Aa サイドフレーム
Ab アッパフレーム
Ac 補強板
Ad 支持ワイヤ
Ae 付設フレーム(骨格)
2B クッションパッド
Ba 貫通孔
Bb 硬質層
2T 中央部
2R サイドサポート部
2L サイドサポート部
2H ヘッドレスト部
2C 表皮カバー
Ca センター表皮部
Cb サイド表皮部
Cs 引張バネ
Cc 継ぎ目の縫合部
2D インナー側力布(布)
Da 押し挟まれ部
Db 第1領域部
Dc 第2領域部
2E アウター側力布
3 シートクッション
4 エアバッグユニット
4A 樹脂ケース
At 蓋部
4B エアバッグ
4C インフレータ
5 バックル

Claims (1)

  1. シートバックのクッションパッドの背裏部にエアバッグユニットが配設された車両用シートであって、
    前記クッションパッドの表面部にはその背裏部に配設されたエアバッグユニットから膨張展開するエアバッグの展開経路となる貫通孔が形成されており、該クッションパッドの表面部には面状の表皮カバーが張設されており、該表皮カバーはその前記エアバッグの展開圧により押圧されて破断する継ぎ目の縫合ラインが前記貫通孔の開口領域或いはその周辺領域に配置されており、該表皮カバーの継ぎ目の縫合された端部には該表皮カバーの背裏部に配されて機能する該表皮カバーよりも伸び難い布が縫合されて結合されており、該布は前記クッションパッドに形成された貫通孔の孔内に通されて前記エアバッグユニットの周囲を覆うように敷設されて該エアバッグユニットが固定された骨格フレームに係止されるようになっており、該布はその端部に縫合された表皮カバーを前記クッションパッドの貫通孔内に引き込まないように弛んだ状態で設けられており、
    前記クッションパッドはその背裏面の一部が前記エアバッグユニットに押し当てられて該エアバッグユニットとの間に前記布を押し挟んだ状態となる構成となっており、該布はその前記表皮カバーと縫合された端部から前記クッションパッドと前記エアバッグユニットとに押し挟まれる押し挟まれ部までの第1領域部と該押し挟まれ部から前記骨格フレームに係止された端部までの第2領域部とがそれぞれ弛んだ状態に保たれるようになっており、
    前記クッションパッドの背裏部には該クッションパッドのクッション部よりも硬質な面状の硬質層が積層されて形成されており、該硬質層は前記クッションパッドが乗員の着座荷重を受けて押し動かされても前記エアバッグユニットと前記骨格フレームとにそれぞれ前記布の延設方向の異なる位置で押し当てられてその移動が規制されるようになっていることを特徴とする車両用シート。
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