JP5691770B2 - 車両シート用エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
エアバッグ装置の組付けは、予め力布130の一端部131が縫合された表皮171を、シートフレーム120及びクッションパッド161から成るシート構造体の外表面に被せながら、力布130の他端部132をシートフレーム120に固定して行われる。力布130の他端部132には、金属製の固定金具140が設けられ、その固定金具140は、シートフレーム120に溶接固定されたスタッドボルト121を固定金具140の取付孔141に貫通させて取付けられ、その後ナット150で締結してシートフレーム120に固定される。
エアバッグの展開力を表皮171の縫合部172に効率的に伝達するためには、力布130が余長を持たないようにすることが望ましい。そのため力布130を含む表皮171がシート構造体に被せられた状態で力布130に余長が生じないように力布130の一端部131と他端部132との間の長さを始めから短くすることも検討されている。
本発明は、このような問題に鑑み、力布の一端部と他端部との間の経路長が、力布の他端部をシートフレームのスタッドボルトのような固定突起に固定し終わる前に比べて固定し終わった後で短くなるのを抑制することにより、力布がシート構造体に被せられた状態における余長を抑制しながら、力布の他端部をシートフレームの固定突起に固定する際の作業性を改善することを課題とする。
第1発明によれば、力布の他端部をシートフレームの固定突起に固定し終わったときに、それ以前に比べて力布の一端部と他端部との間の経路長が短くなるのを抑制するので、力布がシート構造体に被せられた状態で力布に余長が生じることが抑制され、しかも余長を少なくするために力布を予め短めに設定する必要はなくなり、力布の他端部をシートフレームの固定突起に固定する際の作業性を改善することができる。
第2発明によれば、力布の他端部が固定突起に固定されたときの力布の経路上に凸部を設けるのみの簡単な構成によって、上記第1発明と同様の作用効果を達成することができる。
第3発明によれば、力布の他端部をシートフレームの固定突起に固定し終わったときに、それ以前に比べて力布の一端部と他端部との間の経路長が等しいか、それ以上となるので、力布がシート構造体に被せられた状態で力布に余長が生じることはなく、しかも余長を少なくするために力布を予め短めに設定する必要はなくなり、力布の他端部をシートフレームの固定突起に固定する際の作業性を改善することができる。
上記経路長を長くした場合は、力布の他端部をシートフレームの固定突起に固定する前の経路長は力布の長さより短いこととなり、上記作業性は更に改善できる。
第4発明によれば、シートフレームを屈曲するのみで凸部を形成できるので、更に簡単な構成によって上記第1又は第3発明と同様の作用効果を達成することができる。
図1において、1はシートバック、2はシートクッションを示し、シートバック1のシート構造体を成すシートフレーム20の右外側部にはエアバッグモジュール10が固定されている。図1において、4は左右のシートフレーム20の上部を連結するパイプフレームであり、3はそのパイプフレーム4の上部に取付けられたヘッドレストである。
図4は、力布30の他端部32の固定金具40がスタッドボルト21の先端部に位置して、ナット50によって締結される前の状態を示し、図5は固定金具40の取付孔41がスタッドボルト21に嵌め込まれ、ナット50によって締結された状態を示す。
シートフレーム20の内側端付近で力布30が配置される側には、シートフレーム20を屈曲させて凸部22が形成されており、力布30はその両端部間が凸部22の上に乗るように配置されている。
そのため、図4のように固定金具40が固定される前の状態における力布30の両端部間の経路長L3と、図5のように固定金具40が締結された後の状態における力布30の両端部間の経路長L4とは等しくなり、固定金具40の取付孔41にスタッドボルト21を嵌め込む作業に必要な長さに力布30を設定しても、固定金具40をスタッドボルト21に締結した後の力布30の長さに余長が生じることはなく、余長を少なくするために力布30を予め短めに設定する必要はなくなり、力布30の他端部32をシートフレーム20のスタッドボルト21に固定する際の作業性を改善することができる。
このとき、L1<L2となるようにすれば、上記作業性は更に改善されることは明らかである。そのために、例えば凸部22はそのままで、スタッドボルト21をその先端が凸部22側となるように傾斜させて配置することが考えられる。
図中、63は、クッションパッド61を成すウレタンパッドの内面側に設けられたバッキング材としてのタフネルであり、クッションパッド61がシートフレーム20やエアバッグモジュール10の外表面と接触したときに異音を発するのを防止すると共に、クッションパッド61が損傷を受けないように補強している。また、64は、エアバッグモジュール10に対応して、そのクッションパッド61の内表面に形成された溝であり、エアバッグ展開時にクッションパッド61が破断し易いようにしている。
図6の実施形態の場合も、図4、5の実施形態の場合と同様に、力布80の他端部をシートフレーム20のスタッドボルト21に固定し終わったときに、それ以前に比べて力布80の一端部と他端部との間の経路長が短くなるのが抑制される。そのため、力布80がシート構造体に被せられた状態で力布80に余長が生じることが抑制され、しかも余長を少なくするために力布80を予め短めに設定する必要はなくなり、力布80の他端部をシートフレーム20のスタッドボルト21に固定する際の作業性を改善することができる。
1.力布がシーソーのように揺動する部材(以下、シーソー部材という)上に配置され、力布の他端部をシートフレームのスタッドボルトに固定し終わる前に比べて固定された後の力布の両端部間の経路長が等しいか、長くなるようにシーソー部材の傾きを変化させる構成としても良い。この場合、シーソー部材が本発明の経路長調整手段に相当する。
2.スタッドボルトの固定中心軸を力布の設置側に傾斜させて、力布の他端部の固定金具をスタッドボルトに固定し終わる前に比べて固定された後の力布の両端部間の経路長が等しいか、長くなる構成としても良い。この場合、スタッドボルトを傾斜させる構成が本発明の経路長調整手段に相当する。
3.凸部を持った部材(以下、凸部材という)をシートフレームとは別に設け、その凸部材をシートフレーム上に溶接して固定することにより、シートフレームを屈曲して凸部を形成したのと同様の構成を実現することもできる。この場合には、シートフレームとして凸部を持った特別なものとする必要がなく、製造コストを抑制することができる。
20 シートフレーム
21 スタッドボルト(固定突起)
22 凸部
30 力布
40 固定金具
41 取付孔
50 ナット
61 クッションパッド
71 表皮
Claims (2)
- エアバッグモジュールを被う表皮の縫合部に表皮と共に力布の一端部が縫合され、力布の他端部はその他端部に形成された取付孔がシートフレームの固定突起に挿入されて固定され、固定突起はその先端部が力布の一端部から離れる方向に伸びて成る車両シート用エアバッグ装置において、力布の両端部間の経路長が、力布の他端部をシートフレームの固定突起に固定し終わる前に比べて固定し終わった後で短くなるのを抑制する経路長調整手段を有し、前記経路長調整手段は、固定突起を固定するシートフレーム上にあり、力布の他端部が固定突起に固定されたときの力布の経路上に設けられた凸部であり、前記凸部は、力布の他端部が固定突起の先端部に位置する状態における、力布と凸部との接触部のうち力布の他端部寄りの所定位置と固定突起の先端部との距離は、力布の他端部が固定突起に締結される位置である固定突起の根元部との距離と等しいか、それ以上となるように凸部及び固定突起が配置されていることを特徴とする車両シート用エアバッグ装置。
- 請求項1において、前記凸部はシートフレームの一部が屈曲して形成されていることを特徴とする車両シート用エアバッグ装置。
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