JP6047212B2 - 強化中空繊維膜およびそれを調製するための方法 - Google Patents

強化中空繊維膜およびそれを調製するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、分離膜の分野に関し、特に強化中空繊維膜およびそれを調製するための方法に関する。
セルロースアセテート(CA)は、現在最も広く使用されている膜材料である。セルロースアセテートは、低コスト、優れた膜形成特性、良好な生体適合性、および低いタンパク質吸着等の利点を有するが、機械的強度は低い。現在、セルロースアセテートを調製するための方法には、主に、溶液紡糸法および溶融紡糸法の2つの方法がある。溶液紡糸法により調製された膜の固体含量はより低く、得られるセルロースアセテート中空繊維膜の機械的強度はより低い。しかしながら、溶融紡糸法により調製されたセルロースアセテート中空繊維膜の強度は、ある程度まで改善されるものの、膜の分離精度が低く、紡糸のエネルギー消費が大きく、プロセスが複雑であり、制御条件が厳しい。したがって、これらの2つの方法により調製されたセルロースアセテート中空繊維膜は、膜分離技術の用途における要件に完全には適合することができない。
現在、水処理において、膜バイオリアクター(MBR)が広く使用されている。MBRへの中空繊維膜の応用には、エアレーション外乱(aeration disturbance)等の操作条件における信頼性を確保するために、膜が優れた機械的特性を有することが必要である。したがって、高強度中空繊維膜の調製への傾向が見られる。MBR用に開発されたインナーライナー強化中空繊維膜は、主に、強化材および分離層で構成され、同時に、高い分離精度および高強度の利点を有する。分離層の膜形成原理は、非溶媒誘起相分離(NIPS)法と同一である。特許US5472607、US7267872B2等は、中空管状編組強化中空繊維膜を調製するための方法を提供する。現在、不均一強化ポリフッ化ビニリデン(PVDF)中空繊維膜が、MBR技術と共に廃水処理において次第に適用されてきている。しかしながら、そのような中空繊維膜は、分離層および編組における異なる材料に起因して多孔質膜および強化繊維が熱力学的に不適合性であるため、実用においては分離層が編組から容易に剥離され、放流水質が大きく影響を受け、膜の耐用期間が大幅に制限されるという問題を有する。そのような不均一強化法を使用することにより調製される高強度セルロースアセテート中空繊維膜もまた、分離層が編組から容易に剥離するという問題を有する。
現在、強化中空繊維膜の界面結合強度を改善するための多くの方法がある。特許US4061821において、管状編組は支持として使用されず、その代わりに中空繊維膜内に完全に埋め込まれている。そのような複合膜は、膜の増加した厚さに起因する、および膜を通過する流体流動抵抗の増加に起因する、大幅に低減された水透過性の欠点を有する。特許CN100393397Cは、中空繊維膜がキャスト溶液を用いた紡糸法により生成され、次いで合成フィラメントが膜の外側に網状に編みこまれ、次いで同じキャスト溶液中に浸漬され、凝固浴に誘導され、そこで編組網強化中空繊維膜が形成される方法を提供する。編組網は、その機械的特性を改善するために、中空繊維膜の壁内に埋め込まれる。しかしながら、その使用中、強化材の過剰な膨張変形が、膜の分離層に対する回復不可能な物理的損傷を引き起こし、膜分離システムの故障をもたらす可能性がある。特許US7165682B2は、中空編組上にまず接着剤がコーティングされ、その上にコーティングがなされる方法を提供する。接着剤は、分離層と強化材との間の界面結合強度を改善するように機能する。しかしながら、この方法は、層間の適合性の点で問題を有しており、遷移層がゲル化した後に平滑表面が形成され得、分離層と遷移層との間の結合強度はまだ満足に足る程改善され得ない。特許CN102580577Bは、得られる強化ポリアクリロニトリル(PAN)中空繊維膜が良好な機械的性能およびより高い界面結合強度の両方を有するように、ポリアクリロニトリル中空編組管をポリアクリロニトリル中空繊維膜の強化材として使用する、均一強化法を提案している。上述の方法において、均一強化法は、界面結合の問題を効果的に解決するだけでなく、プロセスを単純化し、操作を便利にし、生成効率を高くする。
均一強化法の利点に基づき、特許CN104001428Aは、均一強化セルロースアセテート中空繊維膜を調製するための方法を開示している。この方法において、セルロースアセテート管状編組は、セルロースアセテート溶液でコーティングされ、凝固浴に誘導されて、そこで均一強化セルロースアセテート中空繊維膜が形成される。しかしながら、本発明においては、キャスト溶液中に使用される溶媒が強化材の良好な溶媒でもあるため、強化材はこのようにしてキャスト溶液中に完全に溶解し得る。製造中、強化材中の繊維はキャスト溶液により膨潤して互いに付着し、それにより、膜透過性を低減する高密度領域を形成する。したがって、均一強化法も不均一強化法も、界面結合強度および透過性に関する強化セルロースアセテート中空繊維膜の要件を同時に満たすことができない。
本発明の目的は、強化中空繊維膜を調製するための方法を提供することである。この方法は、不均一強化膜の界面結合強度が低く、均一強化膜内に高密度領域が容易に形成されるという2つの技術的問題の両方を解決する。
本発明の別の目的は、層間に高密度層がないことにより高い界面結合強度、高い透過物流束を有し、MBRにおける使用に好適である強化中空繊維膜を提供することである。
態様において、本発明は、強化中空繊維膜を調製するための方法であって、
1)強化材を調製するステップであり、二次元編組技術を用いて、中空管状編組が複合フィラメントを使用することにより形成され、中空管状編組は1〜3mmの外径を有し、中空管状編組は中空繊維膜の強化材として使用され、
複合フィラメントは、セルロースアセテートフィラメントおよび合成繊維フィラメントを0.5〜4:1の総繊度の比で二重にすることにより生成され、合成繊維フィラメントは、ポリエステルフィラメント、ポリアミドフィラメント、ポリプロピレンフィラメントおよびポリアクリロニトリルフィラメントのうちの任意の1つであるステップと、
2)分離層のキャスト溶液を調製するステップであり、分離層のキャスト溶液は、非溶媒誘起相分離法におけるキャスト溶液配合方法に従って、膜形成ポリマーとしてセルロースアセテートを用いて配合されるステップと、
3)強化中空繊維膜を調製するステップであり、ステップ2)において得られた分離層のキャスト溶液は、ステップ1)において得られた中空管状編組の表面上に、同心円コーティング技術(concentric circles coating technique)によって20〜80℃でコーティング装置により一様にコーティングされ、1〜50cmの空隙に通過させられ、次いでワイヤガイドローラーの引き出し下で5〜50℃の凝固浴中に浸漬され、それにより強化中空繊維膜が得られるステップと
を含む方法を提供する。
調整することによって得られた強化中空繊維膜は、好ましくは、1.2〜3.5mmの外径、20〜80MPaの引張強度、0.5〜2MPaの破裂強度、および50〜300L/(m 2 ・時)の純水透過流束を有する。
好ましくは、上記調製方法は、4)強化中空繊維膜をアニールするステップであり、ステップ3)において得られた強化中空繊維膜は、緩和状態において、50℃〜90℃の水浴中に0.5〜60分間浸漬されるステップをさらに含む。
好ましくは、ステップ2)における分離層のキャスト溶液は、6〜20質量%のセルロースアセテート、2〜30質量%の添加剤、および50〜92質量%の溶媒を、機械的撹拌下、30〜90℃で2〜5時間ブレンドし、脱気することにより調製される。
好ましくは、添加剤は、水、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、Tween(登録商標)、およびホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1つを含み、溶媒は、セルロースアセテートの良好な溶媒である。
好ましくは、溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、アセトン、氷酢酸、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される少なくとも1つを含む。
好ましくは、セルロースアセテートのアセチル含量は、38〜41.5%であり、セルロースアセテートの分子量は、30,000〜100,000である。
好ましくは、ステップ3)における凝固浴は、純水またはステップ2)における分離層のキャスト溶液の配合に使用される溶媒の水溶液を含み、使用される溶媒の濃度は、60質量%以下である。
好ましくは、ワイヤガイドローラーの巻き取り速度は、0.5〜5m/分である。
先行技術と比較して、本発明の調製方法は、均一強化法および不均一強化法を組み合わせ、すなわち、強化材は、キャスト溶液中の膜形成材料と同じ物質(セルロースアセテート)およびキャスト溶液中の膜形成材料とは異なる物質(合成ポリマー)の両方を含有する。中空管状編組および分離層中のセルロースアセテートの間の共溶媒および区別されない適合性が存在し、合成繊維は、キャスト溶液中での編組の膨潤または溶解の程度を低減する。前者は、調製された強化中空繊維膜に良好な界面結合状態を持たせ、一方後者は、良好な透過性を維持させる。さらに、本発明の調製方法は、プロセスが単純であり、制御が容易であり、工業生産に好適である。一方、調製された強化中空繊維膜は、例えば精密濾過、限外濾過、ナノ濾過等の多くの態様に適用可能であり、その適用範囲は極めて広い。
本発明により提供される強化中空繊維膜を調製するための方法において使用される装置の図である。 本発明の実施例1において調製された強化中空繊維膜の断面の写真である。 本発明の実施例1において調製された強化中空繊維膜の断面の部分拡大写真である。
本発明の技術的解決法を、添付する図面および例と併せて以下で詳細に説明する。
「フィラメント」という用語は、本明細書において使用される場合、「複数のモノフィラメントを有するマルチフィラメント」を意味する。
(実施例1)
強化中空繊維膜を調製するための方法は、
(1)300D/60Fセルロースアセテートフィラメントおよび150D/60Fポリアクリロニトリルフィラメントを二重にするステップであり、次いでそこから16スピンドル2D編組機により、1.5mmの外径を有する中空管状編組が強化材として生成されるステップと、
(2)14質量%(質量分率)のセルロースアセテート(39.8%のアセチル含量、60,000の分子量)、20質量%のポリエチレングリコール2000および2質量%の水を、64質量%のN,N−ジメチルアセトアミドにブレンドし、それらを70℃で4時間撹拌によって溶解し、それにより、脱気のために静置した後にセルロースアセテート溶液を得るステップと、
(3)図1に示されるように、ステップ2)において得られたセルロースアセテート溶液を、ステップ1)において得られた中空管状編組の表面上に、同心円技術によって70℃でコーティング装置により一様にコーティングし、次いで、ワイヤガイドローラーの引き出し下で10cmの空隙に通過させ、次いで25℃の水中に浸漬し、それにより強化中空繊維膜を得るステップであり、ワイヤガイドローラーの巻き取り速度は1m/分であるステップと
を含む。
得られた強化中空繊維膜の外径は、デジタル顕微鏡により測定され、その引張強度は、電気機械的試験機(Yangzhou Jing Bo Test Machinery社製のモデル番号:JBDL−200N)により測定され(100mmの把持範囲、および100mm/分の引張速度)、その破裂強度は、自動毛細管流動ポロメーター(Porous Materials社製のモデル番号:CFP−1100−A)により測定され、その純水透過流束および阻止は、OSMO Inspector 2(Porometer社(香港)製のモデル番号:Hydra MF/UF)により0.1MPaの外側供給圧力下で測定される。測定によれば、得られた強化中空繊維膜の外径は1.8mmであり、その引張強度は33.8MPaであり、その破裂強度は0.65MPaであり、純水透過流束は0.1MPaで198.5L/(m2・時)であり、1g/Lウシ血清アルブミンに対する阻止は、97.2%である。
図1は、1−中空管状編組、2−テンスレーター(tenslator)、3−キャスト溶液、4−循環水、5−凝固浴、6−洗浄浴、7−引き出しローラー、8−強化中空繊維膜を示し、洗浄浴6は、残留溶媒もしくは水溶性添加剤をさらに洗浄するように、または膜を湿潤状態に維持するように機能する。また、膜は、洗浄浴の非存在下で浄水中に直接保存され得ることも可能である。テンスレーター2は、既存のコーティング装置の一部であり、その機能は、編組を直線に沿って維持して、その自由落下および屈曲を防止することである。本発明において、これに対する特別な制限はない。
図2および3は、実施例1において最終的に調製された強化中空繊維膜の断面の形態図を示す。図2および3から、強化中空繊維膜が、編組強化材および分離層で構成され、分離層および編組強化材は、互いにしっかりと結合されていることが認められ得る。さらに、高密度領域「a」(膨潤したアセテート繊維)および非高密度領域「b」(膨潤していない合成繊維)が、分離層と強化材との間の界面に交互に配置されている。膜の透過性に対するこの非閉鎖高密度領域の影響は、大幅に低減される。一方、2種類の繊維が互いに組み合わされて強化材として編組され、したがって、アセテート繊維の膨潤にもかかわらず、そのそばの合成繊維が、膜透過性に対する膨潤の悪影響を大きく制限する。
(実施例2)
強化中空繊維膜を調製するための方法は、
(1)450D/90Fセルロースアセテートフィラメントを167D/96Fポリエステルフィラメントで二重にし、次いでそれを、強化材として、2D編組機の16スピンドルにより、2.0mmの外径を有する中空管状編組にするステップと、
(2)8質量%のセルロースアセテート(39.8%のアセチル含量、80,000の分子量)、4質量%のポリビニルピロリドンK30および2質量%のTween 80を、86質量%のジメチルスルホキシドにブレンドし、それらを70℃で3時間撹拌によって溶解し、それにより、脱気のために静置した後にセルロースアセテート溶液を得るステップと、
(3)図1に示されるように、ステップ2)において得られたセルロースアセテート溶液を、ステップ1)において得られた中空管状編組の表面上に、同心円技術によって60℃でコーティング装置により一様にコーティングし、次いで、ワイヤガイドローラーの引き出し下で15cmの空隙に通過させ、次いで25℃の水中に浸漬し、それにより強化中空繊維膜を得るステップであり、ワイヤガイドローラーの巻き取り速度は1.5m/分であるステップと
を含む。
実施例2において調製された強化中空繊維膜の特性を、実施例1に記載のものと同じ測定法を用いることにより試験した。測定によれば、得られた強化中空繊維膜の外径は2.4mmであり、その引張強度は58.5MPaであり、その破裂強度は0.57MPaであり、純水透過流束は0.1MPaで245.8L/(m2・時)であり、1g/Lウシ血清アルブミンに対する阻止は、85.1%である。
(実施例3)
強化中空繊維膜を調製するための方法は、
(1)300D/60Fセルロースアセテートフィラメントおよび128D/36Fポリプロピレンフィラメントを二重にするステップであり、次いでそこから16スピンドル2D編組機により、1.6mmの外径を有する中空管状編組が強化材として生成されるステップと、
(2)10質量%のセルロースアセテート(38.5%のアセチル含量、60,000の分子量)、および10質量%のポリエチレングリコール6000を、80質量%のN,N−ジメチルホルムアミドにブレンドし、それらを70℃で3時間撹拌によって溶解し、それにより、脱気のために静置した後にセルロースアセテート溶液を得るステップと、
(3)図1に示されるように、ステップ2)において得られたセルロースアセテート溶液を、ステップ1)において得られた中空管状編組の表面上に、同心円技術によって60℃でコーティング装置により一様にコーティングし、次いで、ワイヤガイドローラーの引き出し下で20cmの空隙に通過させ、次いで30℃の水中に浸漬し、それにより強化中空繊維膜を得るステップであり、ワイヤガイドローラーの巻き取り速度は2m/分であるステップと
を含む。
実施例3において調製された強化中空繊維膜の特性を、実施例1に記載のものと同じ測定法を用いることにより測定した。測定によれば、得られた強化中空繊維膜の外径は1.9mmであり、その引張強度は51.2MPaであり、その破裂強度は0.61MPaであり、純水透過流束は0.1MPaで216.4L/(m2・時)であり、1g/Lウシ血清アルブミンに対する阻止は、89.5%である。
(実施例4)
強化中空繊維膜を調製するための方法は、
(1)300D/60Fセルロースアセテートフィラメントおよび150D/60Fポリアクリロニトリルフィラメントを二重にするステップであり、次いでそこから16スピンドル2D編組機により、1.6mmの外径を有する中空管状編組が強化材として生成されるステップと、
(2)9質量%のセルロースアセテート(38.5%のアセチル含量および60,000の分子量)、および15質量%のポリエチレングリコール6000を、76質量%のジメチルスルホキシドにブレンドして、それらを70℃で3時間攪拌によって溶解し、それにより、脱気のために静置した後にセルロースアセテート溶液を得るステップと、
(3)図1に示されるように、ステップ2)において得られたセルロースアセテート溶液を、ステップ1)で得られた中空管状編組の表面上に、同心円技術によって60℃でコーティング装置により一様にコーティングし、次いで、ワイヤガイドローラーの引き出し下で10cmの空隙に通過させ、次いで25℃の水中に浸漬し、それにより強化中空繊維膜を得るステップであり、ワイヤガイドローラーの巻き取り速度は1.5m/分であるステップと
を含む。
実施例4において調製された強化中空繊維膜の特性を、実施例1に記載のものと同じ測定法を用いることにより測定した。測定によれば、得られた強化中空繊維膜の外径は1.9mmであり、その引張強度は26.1MPaであり、その破裂強度は0.58MPaであり、純水透過流束は0.1MPaで282.5L/(m2・時)であり、1g/Lウシ血清アルブミンに対する阻止は、72.5%である。
(実施例5)
強化中空繊維膜を調製するための方法は、
(1)300D/60Fセルロースアセテートフィラメントおよび128D/36Fポリプロピレンフィラメントを二重にするステップであり、次いでそこから16スピンドル2D編組機により、1.7mmの外径を有する中空管状編組が強化材として生成されるステップと、
(2)18質量%のセルロースアセテート(38.5%のアセチル含量および60,000の分子量)、および5質量%のポリエチレングリコール2000を、77質量%の氷酢酸にブレンドして、それらを70℃で3時間攪拌によって溶解し、それにより、脱気のために静置した後にセルロースアセテート溶液を得るステップと、
(3)図1に示されるように、ステップ2)において得られたセルロースアセテート溶液を、
ステップ1)で得られた中空管状編組の表面上に、同心円技術によって70℃でコーティング装置により一様にコーティングし、次いで、ワイヤガイドローラーの引き出し下で15cmの空隙に通過させ、次いで25℃の水中に浸漬し、それにより強化中空繊維膜を得るステップであり、ワイヤガイドローラーの巻き取り速度は1m/分であるステップと
を含む。
実施例5において調製された強化中空繊維膜の特性を、実施例1に記載のものと同じ測定法を用いることにより測定した。測定によれば、得られた強化中空繊維膜の外径は2.0mmであり、その引張強度は67.2MPaであり、その破裂強度は0.83MPaであり、純水透過流束は0.1MPaで68.3L/(m2・時)であり、1g/Lウシ血清アルブミンに対する阻止は、93.5%である。
(比較例1)
強化中空繊維膜を、実施例1と同様の様式で調製したが、但しステップ(1)を以下のように変更した:450D/180Fポリアクリロニトリルフィラメントを使用して、16スピンドル2D編組機により、1.6mmの外径を有する中空管状編組を強化材として生成する。残りのステップは、実施例1と同じであった。強化材において使用されたフィラメントの化学組成は、分離層において使用された膜形成材料とは完全に異なるため、この比較例において使用された強化法は、「不均一強化」法である。この強化法の主な問題は、低い適合性に起因する強化材と分離層との間の低い界面結合状態である。
(比較例2)
強化中空繊維膜を、実施例1と同様の様式で調製したが、但しステップ(1)を以下のように変更した:450D/90Fセルロースアセテートフィラメントを使用して、16スピンドル2D編組機により、1.5mmの外径を有する中空管状編組を強化材として生成する。残りのステップは、実施例1と同じである。強化材において使用されたフィラメントの化学組成は、分離層において使用された膜形成材料と完全に同一であるため、この比較例において使用された強化法は、「均一強化」法である。この強化法の主な問題は、強化材中のセルロースアセテート繊維がキャスト溶液により容易に膨潤し得、したがってそれらが互いに付着して高密度領域を形成し、それにより水透過性を低減することである。
比較例1および2において得られた強化中空繊維膜の性能を評価した。測定方法は、実施例1に記載のものと同じであった。実施例1〜5ならびに比較例1および2の測定結果を、以下の表1に列挙した。
表1における性能の比較から、比較例1(不均一強化法)において調製された強化中空繊維膜の破裂強度は、実施例1〜5において調製された強化中空繊維膜の破裂強度よりも大幅に低いことが認められ得る。実施例1〜5において調製された強化中空繊維膜の純水透過流束と比較して、比較例2(均一強化法)において調製された強化中空繊維膜の純水透過流束は、著しく低い。したがって、本発明の調製方法は、得られる強化中空繊維膜が良好な界面結合状態を有するだけでなく、良好な透過性も維持するように、均一強化法および不均一強化法の組合せを使用する。
1 中空管状編組
2 テンスレーター
3 キャスト溶液
4 循環水
5 凝固浴
6 洗浄浴
7 引き出しローラー
8 強化中空繊維膜

Claims (9)

  1. 化中空繊維膜を調製するための方法であって、
    1)強化材を調製するステップであり、複合フィラメントを使用して、二次元編組技術を用いることにより1〜3mmの外径を有する中空管状編組が生成され、中空管状編組は、中空繊維膜の強化材として使用され、
    複合フィラメントは、セルロースアセテートフィラメントおよび合成繊維フィラメントを、合成繊維フィラメントは、ポリエステルフィラメント、ポリアミドフィラメント、ポリプロピレンフィラメントおよびポリアクリロニトリルフィラメントのうちの任意の1つであるステップと、
    2)分離層のキャスト溶液を調製するステップであり、分離層のキャスト溶液は、非溶媒誘起相分離法におけるキャスト溶液配合方法に従って、膜形成ポリマーとしてセルロースアセテートを使用して配合されるステップと、
    3)強化中空繊維膜を調製するステップであり、ステップ2)において得られた分離層のキャスト溶液を、ステップ1)において得られた中空管状編組の表面上に、同心円コーティング技術によって20〜80℃でコーティング装置により一様にコーティングし、1〜50cmの空隙に通過させ、次いでワイヤガイドローラーの引き出し下で5〜50℃の凝固浴中に浸漬し、それにより強化中空繊維膜を得るステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 強化中空繊維膜をアニールするステップであり、緩和状態にあるステップ3)において得られた強化中空繊維膜は、50℃〜90℃の水浴中に0.5〜60分間浸漬されるステップであるステップ4)をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
  3. ステップ2)における分離層のキャスト溶液が、6〜20質量%のセルロースアセテート、2〜30質量%の添加剤、および50〜92質量%の溶媒を、機械的撹拌下、30〜90℃で2〜5時間ブレンドし、脱気することにより調製されることを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
  4. 添加剤が、水、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、Tween(登録商標)、およびホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1つを含み、溶媒が、セルロースアセテートの良好な溶媒であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  5. 溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、アセトン、氷酢酸、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
  6. セルロースアセテート中のアセチル含量が、38〜41.5%であり、セルロースアセテートの分子量が、30,000〜100,000であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. ステップ3)における凝固浴が、純水またはステップ2)における分離層のキャスト溶液の配合に使用される溶媒の水溶液を含み、使用される溶媒の濃度は、60質量%以下であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  8. ワイヤガイドローラーの巻き取り速度が、0.5〜5m/分であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  9. 調製することによって得られた強化中空繊維膜が1.2〜3.5mmの外径、20〜80MPaの引張強度、0.5〜2MPaの破裂強度、および50〜300L/(m 2 ・時)の純水透過流束を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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