JP2005205358A - 多孔質中空糸膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
小径で薄い中空糸膜や親水性を有する中空糸膜の簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】
可溶性繊維の周囲に多孔質膜を形成する製膜溶液を被覆して固化した後、前記可溶性繊維を溶解して多孔質中空糸膜を製造する。
【選択図】なし
小径で薄い中空糸膜や親水性を有する中空糸膜の簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】
可溶性繊維の周囲に多孔質膜を形成する製膜溶液を被覆して固化した後、前記可溶性繊維を溶解して多孔質中空糸膜を製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は親水性の多孔質中空糸膜を製造するにあたり好適に実施される多孔質中空糸膜の製造方法に関する。
近年、選択透過性を有する分離膜を用いた技術の発展はめざましく、医療用途、工業用途、水処理用途等で実用化されている。分離膜の形態としては、平膜と中空糸膜の2つに大別されるが、中空糸膜は、単位容積あたりに充填できる膜面積が大きくでき、単位体積当たりの濾過処理能力を高く出来るため、多く利用されている。中空糸膜の膜素材としては、セルロース系、ポリアクリロニトリル系、ポリオレフィン系等の様々な樹脂が使用されている。なかでも疎水性樹脂であるポリオレフィン重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等)は耐薬品性等耐久性に優れており、最近各用途に幅広く使用されている。
従来、中空糸膜は、ポリマー溶液と共に、中空部を形成するための気体もしくは液体を2重環状口金の芯部に流し込むことによって形成されている(特許文献1、特許文献2等)。しかしながら、ポリマー溶液と注入流体を同時に吐出することで曵糸性が変化する等の複雑な要因があり、さらに中空糸自体に支持体を有していないことが中空糸の薄膜化を困難にしていた。また、製膜溶液の粘度が数Pa・s以下と低い場合には、ポリマー溶液の固化が遅れ、糸切れ,注入流体漏れ等の製膜不良が発生しやすいという問題もあり、さらには上記の2重環状口金では185μm未満の外径を有する多孔質中空糸膜の形成は困難であった。
また、疎水性樹脂からなる分離膜は、乾燥させると透過性能が著しく低下することが知られている。このため、たとえば、以下のように、疎水性の分離膜に親水性を付与することによってこれを解決する試みがなされている。
(1)混合溶液法
ポリビニルピロリドンやポリビニルアルコール等の親水性樹脂を混合したポリマー原液を用いて製膜し、膜中に親水性樹脂を残存させる方法(特許文献1、2等)。
(2)膜表面改質法
製膜後に物理的または化学的処理を施して、膜表面に親水基を導入あるいは親水性樹脂をグラフトする方法(特許文献3、4等)。
(3)含浸法
製膜後、膜を親水性樹脂溶液中に浸漬することによって、膜中に親水性樹脂を残存させる方法(特許文献5、6等)。
(1)混合溶液法
ポリビニルピロリドンやポリビニルアルコール等の親水性樹脂を混合したポリマー原液を用いて製膜し、膜中に親水性樹脂を残存させる方法(特許文献1、2等)。
(2)膜表面改質法
製膜後に物理的または化学的処理を施して、膜表面に親水基を導入あるいは親水性樹脂をグラフトする方法(特許文献3、4等)。
(3)含浸法
製膜後、膜を親水性樹脂溶液中に浸漬することによって、膜中に親水性樹脂を残存させる方法(特許文献5、6等)。
しかしながら、(1)の方法では親水性樹脂の吸着性、汚染性等によって適用できないものがある場合や、膜素材の疎水性樹脂との相溶性に劣る親水性樹脂は使用できない、使用できても高コスト化が避けられない等多くの課題がある。(2)の方法は膜素材と反応させる薬品に安全上問題がある場合が多く、取扱いに注意を要する上、反応中に膜素材の分解や変質が起こる恐れがある。また、親水化工程が後処理であるため高コストである。(3)の方法は、膜を親水性樹脂溶液中に浸漬するために、大量の親水性樹脂溶液を必要とし、親水化過程も後処理であるため高コスト化に繋がる。
このため、従来技術では困難であった小径で薄い中空糸膜の簡便な製造方法や親水性を有する中空糸膜の簡便な製造方法が求められていた。
特開昭60−97001号公報
特開平2−115028号公報
特開昭60−87803号公報
特開昭62−45303号公報
特開昭61−268032号公報
特開昭63−229108号公報
本発明は、小径で薄い中空糸膜や親水性を有する中空糸膜の簡便な製造方法を提供することを特徴とするものである。
かかる本発明の目的は、下記構成により達成される。
(1)可溶性繊維の周囲に多孔質膜を形成する製膜溶液を被覆して固化した後、前記可溶性繊維を溶解または分解することを特徴とする多孔質中空糸膜の製造方法。
(2)外径が10〜3000μmの範囲内にある可溶性繊維を用いる、上記(1)に記載の多孔質中空糸膜の製造方法。
(3)粘度が0.01〜100Pa・sの範囲内にある製膜溶液を用いる、上記(1)または(2)に記載の多孔質中空糸膜の製造方法。
(4)親水性樹脂を含む可溶性繊維を用いる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質中空糸膜の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって製造された多孔質中空糸膜。
(6)外径が10μm以上180μm以下で、内径が5μm以上150μm未満であることを特徴とする多孔質中空糸膜。
(1)可溶性繊維の周囲に多孔質膜を形成する製膜溶液を被覆して固化した後、前記可溶性繊維を溶解または分解することを特徴とする多孔質中空糸膜の製造方法。
(2)外径が10〜3000μmの範囲内にある可溶性繊維を用いる、上記(1)に記載の多孔質中空糸膜の製造方法。
(3)粘度が0.01〜100Pa・sの範囲内にある製膜溶液を用いる、上記(1)または(2)に記載の多孔質中空糸膜の製造方法。
(4)親水性樹脂を含む可溶性繊維を用いる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質中空糸膜の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって製造された多孔質中空糸膜。
(6)外径が10μm以上180μm以下で、内径が5μm以上150μm未満であることを特徴とする多孔質中空糸膜。
本発明によれば、可溶性繊維の周囲に多孔質膜を形成する製膜溶液を被覆して固化した後、前記可溶性繊維を溶解するので、従来、製膜が困難であった薄膜な中空糸膜,小径な中空糸膜を容易に製膜することができ、また、容易に親水性を付与することもできる。
本発明は、可溶性繊維の周囲に多孔質膜を形成する製膜溶液を被覆して固化した後、可溶性繊維を溶解または分解することで多孔質中空糸膜を製造することを特徴とする。
本発明における可溶性繊維としては、ビニルモノマー、ポリアルキレングリコール、ポリ酢酸ビニル又はそのコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等から選ばれる1種以上の樹脂を含むものが挙げられる。また、その可溶性繊維の形態は、マルチフィラメント或いはモノフィラメントが使用可能であるが、溶解性等を考慮すると単糸が集束されたマルチフィラメントが好ましい。
多孔質膜を形成する製膜溶液としては、樹脂として従来から公知の膜形成用樹脂を含むものを用いる。かかる樹脂としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。また、溶媒としては1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等が例示できる。溶媒は多孔質膜を形成する樹脂を溶解するものであれば特に制限せず、2種類以上の混合液でも良い。しかしながら、可溶性繊維に対して良溶媒を用いる場合は、可溶性繊維に塗布されてから固化するまでの時間が長時間になると、可溶性繊維が溶解してしまうことがあるので、素早く固化させる必要がある。このような製膜溶液を、たとえば直径が10〜3000μmの範囲内の可溶性繊維の周囲に被覆し、目的外径を有するノズル等を通すことによって過剰な製膜溶液をかき落とし、固化させる。
次いで、本発明においては、芯部に相当する可溶性繊維を溶解することで多孔質中空糸膜を製造するが、可溶性繊維を溶解させる溶媒としては、製膜溶液に対して非溶媒又は貧溶媒で可溶性繊維を溶解するものであれば特に制限されず、用いる可溶性繊維や多孔質膜の樹脂によっても異なるが、水、アルコール、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどを例示できる。そして、可溶性繊維を溶解させる溶媒は、2種類以上の混合液でも良く、溶解温度は鞘部の膜構造に変化がなければ5℃〜98℃の範囲で可能である。また、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等の繊維を耐アルカリ性の多孔質膜形成製膜溶液でコートし凝固させた後、アルカリで加水分解させることによっても中空糸膜を形成することができる。
これにより、従来よりも薄膜,小径な中空糸膜を製造することが可能であり、さらには、従来より薄膜で濾過抵抗が小さく、小型で単位容積あたりの有効濾過膜面積がより大きい多孔質中空糸膜モジュールを得ることが可能となる。
また、本発明によれば可溶性繊維が支持体となるため、従来技術より低粘度の製膜溶液での製膜が可能である。具体的には、製膜溶液の粘度が0.01Pa・s〜100Pa・sの範囲であれば中空糸の形成が可能である。そして、低粘度の製膜溶液を用いることにより可溶性繊維への製膜溶液被覆時間が短縮され、より高速な製膜が可能となる。
さらに、本発明において親水性樹脂を含む可溶性繊維を用いれば、可溶性繊維の溶解または分解により、膜構造表面に可溶性繊維樹脂を残存させることができ、疎水性樹脂からなる多孔質中空糸膜の透水性能を向上することが可能となる。
<実施例1>
ポリビニルアルコールからなるφ0.21mmのマルチフィラメント(A)およびφ1.15mmのマルチフィラメント(B)のそれぞれの周囲に、40℃の製膜溶液(重量平均分子量28.4万のポリフッ化ビニリデンホモポリマー4重量%、重量平均分子量2万のポリエチレングリコール2重量%、水1重量%、N,N−ジメチルホルムアミド93重量%、粘度0.1Pa・s)を塗布し、マルチフィラメント(A)は内径0.3mm、マルチフィラメント(B)は1.5mmのガラス管を用いたノズルを通過させることで余分な製膜溶液をかき落とし、直ちに水からなる30℃の凝固浴中に浸漬し、製膜溶液を固化した。その後、芯部にあるポリビニルアルコール繊維を60℃水洗により溶解させて中空部を形成し、中空糸膜とした。
ポリビニルアルコールからなるφ0.21mmのマルチフィラメント(A)およびφ1.15mmのマルチフィラメント(B)のそれぞれの周囲に、40℃の製膜溶液(重量平均分子量28.4万のポリフッ化ビニリデンホモポリマー4重量%、重量平均分子量2万のポリエチレングリコール2重量%、水1重量%、N,N−ジメチルホルムアミド93重量%、粘度0.1Pa・s)を塗布し、マルチフィラメント(A)は内径0.3mm、マルチフィラメント(B)は1.5mmのガラス管を用いたノズルを通過させることで余分な製膜溶液をかき落とし、直ちに水からなる30℃の凝固浴中に浸漬し、製膜溶液を固化した。その後、芯部にあるポリビニルアルコール繊維を60℃水洗により溶解させて中空部を形成し、中空糸膜とした。
得られたポリフッ化ビニリデン中空糸膜は、Aが外径325μm、内径182μm、Bが外径1531μm、内径1097μmであった。また、50kPa、25℃における純水透過係数は、Aが1.05m3/m2・h、Bが0.67m3/m2・hであった。そして、これらの中空糸膜は乾燥と膨潤化を繰り返しても透水性はほとんど変化せず、恒久的な親水性が認められた。
<比較例1>
実施例1と同じ製膜溶液を、従来から公知の2重環状口金より、N,N−ジメチルホルムアミド96重量%溶液からなる内部凝固浴とともに空気中に押し出し、10cmの空気中走行後、30℃の水からなる外部凝固浴中に浸漬して凝固させた。しかしながら、ポリマー溶液が低粘度であるため中空糸形態の連続維持が困難であり、中空糸膜は得られなかった。
<実施例2>
ポリビニルアルコールからなるφ0.05mmのモノフィラメントを、40℃の製膜溶液(重量平均分子量28.4万のポリフッ化ビニリデンホモポリマー2重量%、重量平均分子量2万のポリエチレングリコール1重量%、水0.5重量%、N,N−ジメチルホルムアミド96.5重量%、粘度:0.06Pa・s)を塗布し、内径0.1mmのガラス管を用いたノズルを通過させることで余分な製膜溶液をかき落とし、直ちに水からなる30℃の凝固浴中に浸漬し、製膜溶液を固化した。その後、芯部にあるポリビニルアルコール繊維を60℃水洗により溶解させて中空部を形成し、中空糸膜とした。
<比較例1>
実施例1と同じ製膜溶液を、従来から公知の2重環状口金より、N,N−ジメチルホルムアミド96重量%溶液からなる内部凝固浴とともに空気中に押し出し、10cmの空気中走行後、30℃の水からなる外部凝固浴中に浸漬して凝固させた。しかしながら、ポリマー溶液が低粘度であるため中空糸形態の連続維持が困難であり、中空糸膜は得られなかった。
<実施例2>
ポリビニルアルコールからなるφ0.05mmのモノフィラメントを、40℃の製膜溶液(重量平均分子量28.4万のポリフッ化ビニリデンホモポリマー2重量%、重量平均分子量2万のポリエチレングリコール1重量%、水0.5重量%、N,N−ジメチルホルムアミド96.5重量%、粘度:0.06Pa・s)を塗布し、内径0.1mmのガラス管を用いたノズルを通過させることで余分な製膜溶液をかき落とし、直ちに水からなる30℃の凝固浴中に浸漬し、製膜溶液を固化した。その後、芯部にあるポリビニルアルコール繊維を60℃水洗により溶解させて中空部を形成し、中空糸膜とした。
得られたポリフッ化ビニリデン中空糸膜は、外径113μm、内径45μmであり、従来技術で得られる中空糸膜よりも薄膜で小径な中空糸膜であった。50kPa、25℃における純水透過係数は1.27m3/m2・hであった。そして、この中空糸膜は、乾燥と膨潤化を繰り返しても透水性はほとんど変化せず、恒久的な親水性が認められた。
<実施例3>
アクリロニトリル100モル%、極限粘度3.2の重合体をジメチルスルホキシド中で重合し、さらに希釈して重合体濃度13.0重量%の製膜溶液を得た。ポリビニルアルコールからなるφ1.15mmのマルチフィラメントにこの製膜溶液(温度70℃、粘度35Pa・s)を塗布し、内径1.5mmのガラス管を用いたノズルを通過させることで余分な製膜溶液をかき落とし、直ちに82重量%ジメチルスルホキシド溶液からなる30℃の凝固浴中に浸漬し、製膜溶液を固化した。その後、芯部にあるポリビニルアルコール繊維を50℃水洗により溶解させて中空部を形成し、中空糸膜とした。
<実施例3>
アクリロニトリル100モル%、極限粘度3.2の重合体をジメチルスルホキシド中で重合し、さらに希釈して重合体濃度13.0重量%の製膜溶液を得た。ポリビニルアルコールからなるφ1.15mmのマルチフィラメントにこの製膜溶液(温度70℃、粘度35Pa・s)を塗布し、内径1.5mmのガラス管を用いたノズルを通過させることで余分な製膜溶液をかき落とし、直ちに82重量%ジメチルスルホキシド溶液からなる30℃の凝固浴中に浸漬し、製膜溶液を固化した。その後、芯部にあるポリビニルアルコール繊維を50℃水洗により溶解させて中空部を形成し、中空糸膜とした。
得られたポリアクリロニトリル中空糸膜は、外径1561μm、内径1058μmであった。また50kPa、25℃における純水透過係数は、0.16m3/m2・hであった。そして、この中空糸膜は、乾燥と膨潤化を繰り返しても透水性はほとんど変化せず、恒久的な親水性が認められた。
<比較例2>
実施例2と同じ製膜溶液を、従来から公知の2重環状口金より、82重量%ジメチルスルホキシド溶液からなる内部凝固浴とともに空気中に押し出し、10cmの空気中走行後、82重量%ジメチルスルホキシド溶液からなる30℃外部凝固浴中に浸漬して凝固させ、中空糸膜を得た。
<比較例2>
実施例2と同じ製膜溶液を、従来から公知の2重環状口金より、82重量%ジメチルスルホキシド溶液からなる内部凝固浴とともに空気中に押し出し、10cmの空気中走行後、82重量%ジメチルスルホキシド溶液からなる30℃外部凝固浴中に浸漬して凝固させ、中空糸膜を得た。
得られたポリアクリロニトリル中空糸膜は、外径1375μm、内径327μmであった。また、50kPa、25℃における純水透過係数は0.14m3/m2・hであった。しかしながら、この膜を乾燥した後に再測定すると透水性はほとんどゼロであった。
<実施例4>
ポリエステルからなるφ0.8mmのマルチフィラメントを、100℃の製膜溶液(重量平均分子量41.5万のポリフッ化ビニリデンホモポリマー38重量%、N,N−ジメチルホルムアミド62重量%、粘度80Pa・s)を塗布し、内径2.5mmのガラス管を用いたノズルを通過させることで余分な製膜溶液をかき落とし、直ちに20重量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液からなる25℃の凝固浴中に浸漬し、製膜溶液を固化した。その後、水酸化ナトリウム溶液に浸漬することで芯部にあるポリエステル繊維を加水分解して中空部を形成し、中空糸膜とした。
<実施例4>
ポリエステルからなるφ0.8mmのマルチフィラメントを、100℃の製膜溶液(重量平均分子量41.5万のポリフッ化ビニリデンホモポリマー38重量%、N,N−ジメチルホルムアミド62重量%、粘度80Pa・s)を塗布し、内径2.5mmのガラス管を用いたノズルを通過させることで余分な製膜溶液をかき落とし、直ちに20重量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液からなる25℃の凝固浴中に浸漬し、製膜溶液を固化した。その後、水酸化ナトリウム溶液に浸漬することで芯部にあるポリエステル繊維を加水分解して中空部を形成し、中空糸膜とした。
得られたポリフッ化ビニリデン中空糸膜は外径2413μm、内径846μmであった。50kPa、25℃の純水透過係数は0.92m3/m2・hであった。また、この中空糸膜を乾燥後に再測定した結果、50kPa、25℃における純水透過係数は0.14m3/m2・hであった。
<比較例3>
実施例4と同じ製膜溶液を、従来から公知の2重環状口金より、96重量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液からなる内部凝固浴とともに空気中に押し出し、5cmの空気中走行後、20重量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液からなる25℃の凝固浴中に浸漬して凝固させ、中空糸膜を得た。
<比較例3>
実施例4と同じ製膜溶液を、従来から公知の2重環状口金より、96重量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液からなる内部凝固浴とともに空気中に押し出し、5cmの空気中走行後、20重量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液からなる25℃の凝固浴中に浸漬して凝固させ、中空糸膜を得た。
得られたポリフッ化ビニリデン中空糸膜は、外径2175μm、内径723μmであった。また、50kPa、25℃における純水透過係数は1.15m3/m2・hであった。しかしながら、この膜を乾燥した後に再測定すると透水性はほとんどゼロであった。
本発明は、たとえば水処理用途、医療用途、食品用途等に用いられる親水性の多孔質中空糸膜を製造するにあたり好適に利用することができる。
Claims (6)
- 可溶性繊維の周囲に多孔質膜を形成する製膜溶液を被覆して固化した後、前記可溶性繊維を溶解または分解することを特徴とする多孔質中空糸膜の製造方法。
- 外径が10〜3000μmの範囲内にある可溶性繊維を用いる、請求項1に記載の多孔質中空糸膜の製造方法。
- 粘度が0.01〜100Pa・sの範囲内にある製膜溶液を用いる、請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜の製造方法。
- 親水性樹脂を含む可溶性繊維を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質中空糸膜の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって製造された多孔質中空糸膜。
- 外径が10μm以上180μm以下で、内径が5μm以上150μm未満であることを特徴とする多孔質中空糸膜。
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JP2017159295A (ja) * | 2014-02-28 | 2017-09-14 | ポール・コーポレーションPall Corporation | 六角形の空隙を有する中空繊維膜 |
JP2017164743A (ja) * | 2014-02-28 | 2017-09-21 | ポール・コーポレーションPall Corporation | 六角形の空隙を有する荷電中空繊維膜 |
CN113828162A (zh) * | 2020-06-23 | 2021-12-24 | 三达膜科技(厦门)有限公司 | 一种可持续亲水改性聚偏氟乙烯中空膜的制备方法 |
-
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