JP2006150270A - 中空糸状半透膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的強度と透水性能を高いレベルでバランス良く具備する中空糸状半透膜の提供。
【解決手段】 中空糸状の組紐及び半透膜層を含む中空糸状半透膜であり、半透膜層が組紐の外表面側に形成され、その内部にボイド層を有しており、半透膜層の一部は組紐の中に埋設されて複合層を形成しており、かつ複合層の厚みが組紐厚みの40〜95%の範囲内である中空糸状半透膜。半透膜層がボイド層の外側に更にスキン層を有し、スキン層が平均孔径0.01〜5μmの範囲の空孔を有し、かつボイド層が10μm以上の径の空孔を有しているものが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機械的強度及び透水性能の良い中空糸状半透膜に関する。
中空糸状半透膜は、一般に紡糸原液(製膜溶液)となるポリマー溶液を二重紡糸口金から押し出した後、凝固・乾燥させることにより製造されるもので、食品分野、医薬品分野、電子工業分野、水処理分野等の各種分野において汎用されている。
中空糸状半透膜を比較的濁度の低い水処理分野に適用する場合は、例えば、所要数を束ねた中空糸状半透膜をケースハウジング内に収容し、膜モジュールとして利用されている。しかしながら、比較的濁度の高い水処理分野に適用する場合は、ケーシングフリーの膜モジュール(ケーシングを使用せず、中空糸膜が露出した状態の膜モジュール)として利用されている。
このようなケーシングフリーの膜モジュールの場合、1本の中空糸状半透膜は非常に細く、機械的強度の低いものであるため、使用を継続する間に中空糸状半透膜が破断し、水処理能力が低下するという問題がある。更に、機械的強度が低いため、激しいエアーバブリング洗浄や逆圧洗浄が行えず、処理能力を充分に回復することが困難であるという問題もある。
このような問題を解決するものとして、特許文献1、特許文献2には、組紐表面に半透膜層を形成することで中空糸状半透膜の機械的強度を高めた中空糸状半透膜が開示されている。
しかし、特許文献1に開示された中空糸状半透膜は、組紐に半透膜層が完全に埋設されているため、機械的強度は高くなるものの透水性能が低くなり、実施例によれば湿式紡糸法を適用しているため、乾燥に弱く、保管時の取り扱いが非常に煩雑となる。
また特許文献2に開示された中空糸状半透膜は、4層相構造からなる半透膜層が組紐には埋設されていないため、透水性能は高いものの機械的強度が低くなり、実施例によれば湿式紡糸法を適用しているため、乾燥に弱く、保管時の取り扱いが非常に煩雑となる。
特許文献3、4は、中空糸状の組紐の外表面に半透膜層を有し、組紐と半透膜層との間に組紐に半透膜層が入り込んだ複合層を有する中空糸状半透膜に関する発明であり、機械的強度と透水性能の両方が良いものである。
特開昭52−81076号公報 米国特許5,472,607号明細書 特開2003−311133号公報 特開2003−225542号公報
特許文献3では、組紐に半透膜層が入り込んだ複合層を有しているが、実施例では、半透膜層は透水速度が低いボイドレス構造であり、また組紐厚みに対する複合層の厚みは10%〜2%の範囲である。特許文献4では、高分子樹脂薄膜は10μm以下の孔径を有する透水速度の低いものであり、また薄膜の補強材料中での浸透距離が補強材の厚さの30%未満である。
本発明は、機械的強度と透水性能を高いレベルでバランス良く具備する中空糸状半透膜を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
中空糸状の組紐及び半透膜層を含む中空糸状半透膜であり、
半透膜層が組紐の外表面側に形成され、その内部にボイド層を有しており、
半透膜層の一部は組紐の中に埋設されて複合層を形成しており、かつ複合層の厚みが組紐厚みの40〜95%の範囲内である中空糸状半透膜を提供する。
本発明は、課題の他の解決手段として、
中空糸状の組紐及び半透膜層を含む中空糸状半透膜であり、
半透膜層が中空糸状半透膜の外側から順に外側スキン層、ボイド層、緻密層、内側スキン層の少なくとも4層構造を有し、
外側スキン層、ボイド層、緻密層は組紐の外表面に形成され、内側スキン層は組紐の内部に形成されており、かつ内側スキン層の厚みが組紐厚みの40〜95%の範囲内である中空糸状半透膜を提供する。
本発明の中空糸状半透膜は、所定厚み範囲の複合層を有しているため、機械的強度と透水性能を高いレベルでバランス良く具備している。
本発明の中空糸状半透膜は、中空糸状の組紐と半透膜層とからなるものであり半透膜層の構造、及び組紐と半透膜層が相互に関連して形成された層を有しているものであり、下記の2つの実施形態にすることができる。
(1)第1の実施形態
(a−1)中空糸状の組紐及び半透膜層を含む中空糸状半透膜であり、
(b−1)半透膜層が組紐の外表面側に形成され、その内部にボイド層を有しており、
(c−1)半透膜層の一部は組紐の中に埋設されて複合層を形成しており、
(d−1)かつ複合層の厚みが組紐厚みの40〜95%の範囲内である
中空糸状半透膜。
中空糸状の組紐は、半透膜層を支持することができ、かつ半透膜層の一部と複合層を形成できる多孔質構造を有するものであれば良い。
組紐は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル、セルロース、セルロースアセテート等の天然又は合成樹脂繊維、ステンレス、黄銅、銅等の金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維等からなるものを用いることができる。
組紐の内径及び外径は特に制限されるものではないが、取り扱い易さや製造技術上の問題から、内径が好ましくは0.2〜3.0mm、より好ましくは0.5〜2.0mmで、外径が好ましくは0.5〜5.0mm、より好ましくは1.0〜3.0mmのものを用いることができる。
半透膜層は、製膜能を有するポリマーから形成されたもので、ボイド層の外側に更にスキン層を有しているものが好ましい。
スキン層は、好ましくは平均孔径0.01〜5μm、より好ましくは0.02〜3μm、更に好ましくは0.05〜2μmの範囲の空孔を有している。
スキン層の厚みは、0.01〜0.15mmが好ましく、0.02〜0.10mmが特に好ましい。
ボイド層は、10μm以上の径の空孔を有しているものが好ましい。10μm以上の空孔とは、最大径が10μm以上であることを意味するもので、例えば、断面が楕円形の空孔であれば、長径が10μm以上であることを意味する。
ボイド層の厚みは、0.01〜0.5mmが好ましく、0.02〜0.3mmが特に好ましい。
複合層は、組紐の空隙に半透膜層の一部が入り込み、組紐と一体化されたものである。複合層の厚みが大きくなると機械的強度が向上し、複合層の厚みが小さくなると透水性能が向上するので、これらの性質を高いレベルで発揮させるため、半透膜層の層構造との関連において複合層の厚みを決定する。なお、組紐の間隙は、例えばフィラメントにより組紐を作製するとき、フィラメント間に存在する間隙と、フィラメント素材自体に存在する孔とを意味する。
複合層の厚みは、組紐厚みの40〜95%の範囲であり、好ましくは45〜93%、より好ましくは50〜90%の範囲である。
半透膜層は、製膜能を有するポリマー、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、ブチル酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロースエステル化合物、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロースエーテル化合物等のセルロース系材料、ポリスルホン系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルホルマール等から形成することができるが、これらの中でもセルロース系材料が好ましく、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、ブチル酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロースエステル化合物が特に好ましい。
半透膜層は、乾式法及び湿式法のいずれの方法で形成されたものでも良いが、乾燥雰囲気中における耐久性を高めるため、半乾式半湿式法(乾式相転換法)により形成されたものが好ましい。
(2)第2の実施形態
(a−2)中空糸状の組紐及び半透膜層を含む中空糸状半透膜であり、
(b−2)半透膜層が中空糸状半透膜の外側から順に外側スキン層、ボイド層、緻密層、内側スキン層の少なくとも4層構造を有し、
(c−2)外側スキン層、ボイド層、緻密層は組紐の外表面に形成され、内側スキン層は組紐の内部に形成されており、
(d−2)かつ内側スキン層の厚みが組紐厚みの40〜95%の範囲内である
中空糸状半透膜。
第2の実施形態の中空糸状半透膜は、構成要件(b−2)、(c−2)、(d−2)が異なるほかは、第1の実施形態と同じである。ここで構成要件(b−2)、(c−2)、(d−2)における内側スキン層は、第1の実施形態における複合層に相当するものである。
外側スキン層は、好ましくは平均孔径0.01〜5μm、より好ましくは0.02〜3μm、更に好ましくは0.05〜2μmの範囲の空孔を有している。
外側スキン層の厚みは、0.01〜0.15mmが好ましく、0.02〜0.10mmが特に好ましい。
ボイド層は、10μm以上の径の空孔を有しているものが好ましい。10μm以上の空孔とは、最大径が10μm以上であることを意味するもので、例えば、楕円形の空孔であれば、長径が10μm以上であることを意味する。
ボイド層の厚みは、0.01〜0.5mmが好ましく、0.02〜0.3mmが特に好ましい。
緻密層は、平均孔径は0.01〜5μmが好ましく、0.02〜3μmが特に好ましい。
緻密層の厚みは、0.01〜0.2mmが好ましく、0.02〜0.1mmが特に好ましい。
内側スキン層(複合層)は、好ましくは平均孔径0.01〜5μm、より好ましくは0.02〜3μm、更に好ましくは0.05〜2μmの範囲の空孔を有している。
内側スキン層の厚みは、組紐厚みの40〜95%の範囲であり、好ましくは45〜93%、より好ましくは50〜90%の範囲である。
本発明の中空糸状半透膜は、支持体となる組紐と複合層(内側スキン層)の作用により、高い機械的強度を有しており、組紐自体の強度、複合層の厚み等により、機械的強度を調整することができる。
次に、上記した中空糸状半透膜の製造に適した方法を説明する。下記の各工程からなる製造方法においては、通常、当業者により中空糸状半透膜の製造でなされる処理工程を追加することができる。
第1工程は、製膜溶液を中空糸状の組紐の表面に付着させる工程である。この工程の処理は、製膜溶液を入れた容器中に中空糸状の組紐を浸漬し、所要時間放置する方法、製膜溶液を入れた容器中に中空糸状の組紐を連続的に潜らせる方法、中空糸状の組紐の編組工程(組紐を編む工程)において、編まれている状態の組紐表面に製膜溶液を連続的に噴霧、噴射又は塗布する方法等を適用できる。製膜溶液中の製膜能を有するポリマーの濃度は、10〜30質量%が好ましい。
処理時間は、製膜溶液の種類及び濃度、組紐の密度、中空糸状半透膜の透水性能等に応じて、所望の厚みの半透膜層及び複合層が形成されるように調整する。特に組紐に対する複合層(内側スキン層)の厚みを所定割合の範囲内にする条件は、前記した各要件を変化させながら組み合わせることにより経験的に得ることができる。具体的には、各実施例に記載のものと同一の組紐及び同一の製膜溶液を用いる場合は、各実施例における複合層(内側スキン層)と半透膜の厚みを基準として、製膜溶液の濃度を増減したり、製膜溶液への浸漬時間を増減することで、複合層(内側スキン層)と半透膜の厚みを増減させることができる。
製膜溶液を調製するための溶媒は、半透膜層を形成するポリマーを溶解できるものであれば特に制限されず、1又は2以上の溶媒を併用することができる。溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンを挙げることができる。
また、製膜溶液には、製膜能を有するポリマーの非溶媒を添加することができ、非溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ケトン類を挙げることができる。非溶媒は、溶媒と非溶媒を合わせたものの0〜50質量%程度を使用することができる。
第2工程は、組紐の表面に付着した製膜溶液を凝固させる工程である。この工程の処理には、湿式法や乾式法等を適用できるが、瞬時に成形できる湿式法や半乾式湿式法が好ましい。
湿式法を適用する場合は、水等の凝固浴中に組紐を浸漬した後、乾燥する方法を適用できる。乾式法を適用する場合は、製膜溶液の濃度、溶媒の種類に応じて、1段処理するか、又は温度及び湿度条件を変化させて2段以上の処理をすることができる。処理温度及び湿度は、温度30〜200℃、好ましくは60〜150℃、相対湿度30〜95%、好ましくは60〜90%であり、処理時間は0.5〜60分間、好ましくは2〜30分間である。
本発明の中空糸状半透膜は、内圧式や外圧式の中空糸膜(中空糸膜モジュール)として、各種水処理に適用することができる。
(中空糸状半透膜の純水透水性試験)
中空糸膜(長さ1m)の片端を封じ、0.1 MPa の圧力下で純水をデッドエンド濾過し、単位時間、単位膜面積(外表面積換算)あたりに透過する純水量を測定した。
実施例1
セルロースアセテート(ダイセル化学工業社製、LT35)14質量%、ジメチルスルホキシド85質量%、塩化リチウム1質量%からなる製膜溶液を100℃に加温し、二重管ノズルの外側にギアポンプで圧送するとともに、二重管ノズルの内側に、内径1.0 mm、外径1.9 mm、厚み0.45 mmのテトロンスリーブ(繊維密度38目/インチ)を、10 m/分の速度にて走行させて、製膜溶液をテトロンスリーブ外表面側から塗布した。塗布されたテトロンスリーブは、走行中スリットを通過し、過剰塗布溶液の除去/真円度、偏肉度調整を行った後、50℃の水中で凝固/洗浄し、中空糸状半透膜を得た。
得られた中空糸状半透膜は、外径が2.0mm、内径0.9 mmであった。また、この中空糸状半透膜は、平均厚み0.47 mmの半透膜層が組紐の外表面及び内部に形成されていた。このうち、組紐内に形成されていた半透膜層(複合層)の平均厚みは、0.36 mm で、組紐外表面に形成されていた半透膜層の平均厚みは、0.11 mmであった。また、テトロンスリーブの平均厚みは製膜後、0.41 mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの88 %であった。
組紐外表面に形成されていた半透膜層は、平均厚みが0.11 mmであるが、外表面に平均孔径0.01μmの空孔からなる平均厚み0.04 mm程度のスキン層を有し、その内側には、14μmから0.10 mmまでの空孔(平均孔径0.05mm)を有した平均厚み0.05 mmのボイド層が確認された。さらにその内側には、平均厚み0.02 mm程度の緻密層が確認された。
一方、組紐内に形成されていた半透膜層は、ボイドが存在しない平均孔径0.05−0.5μmの空孔を有したスキン層であることが確認された。このように得られた中空糸状半透膜は、少なくとも、4層以上の多層構造を有していることが確認された。得られた中空糸状半透膜の純水透水速度は、729 L/m2/hrであった。
実施例2
セルロースアセテート(ダイセル化学工業社製、LT35)16質量%、ジメチルスルホキシド83質量%、塩化リチウム1質量%からなる製膜溶液を120℃に加温した以外は、実施例1と同じ条件にて行った。
得られた中空糸状半透膜は、外径が2.1mm、内径0.9 mmであった。また、この中空糸状半透膜は、平均厚み0.55 mmの半透膜層が組紐の外表面及び内部に形成されていた。このうち、組紐内に形成されていた半透膜層(複合層)の平均厚みは、0.25 mm で、組紐外表面に形成されていた半透膜層の平均厚みは、0.30 mmであった。また、テトロンスリーブの平均厚みは製膜後、0.40 mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの63%であった。
組紐外表面に形成されていた半透膜層は、平均厚みが0.30 mmであるが、外表面に平均孔径0.01μmの空孔からなる平均厚み0.05 mm程度のスキン層を有し、その内側には、10μmから0.30 mmまでの空孔(平均孔径0.20 mm)を有した平均厚み0.20 mmのボイド層が確認された。さらにその内側には、平均厚み0.05 mm程度の緻密層が確認された。
一方、組紐内に形成されていた半透膜層は、ボイドが存在しない平均孔径0.05−0.5μmの空孔を有したスキン層であることが確認された。このように得られた中空糸状半透膜は、少なくとも、4層以上の多層構造を有していることが確認された。得られた中空糸状半透膜の純水透水速度は、511 L/m2/hrであった。
実施例3
実施例1で使用した製膜溶液を80℃に加温し、上下2箇所にスリーブの通過穴の開いた容器中に充填するとともに、スリーブを1.5 m/分の速度で走行させた以外は実施例1と同じ条件にて行った。
得られた中空糸状半透膜は、外径が2.1mm、内径1.0 mmであった。また、この中空糸状半透膜は、平均厚み0.43 mmの半透膜層が組紐の外表面及び内部に形成されていた。このうち、組紐内に形成されていた半透膜層(複合層)の平均厚みは、0.28 mmで、組紐外表面に形成されていた半透膜層の平均厚みは、0.15 mmであった。テトロンスリーブの平均厚みは製膜後、0.40 mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの70%であった。
組紐外表面に形成されていた半透膜層は、平均厚みが0.15 mmであるが、外表面に平均孔径0.01μmの空孔からなる平均厚み0.05 mm程度のスキン層を有し、その内側には、13μmから0.10 mmまでの空孔(平均孔径0.05 mm)を有した平均厚み0.05 mmのボイド層が確認された。さらにその内側には、平均厚み0.05 mm程度の緻密層が確認された。
一方、組紐内に形成されていた半透膜層は、ボイドが存在しない平均孔径0.05−0.5μmの空孔を有したスキン層であることが確認された。このように得られた中空糸状半透膜は、少なくとも、4層以上の多層構造を有していることが確認された。得られた中空糸状半透膜の純水透水速度は、740 L/m2/hrであった。
実施例4
ポリエーテルスルホン(住友化学工業社製、5200P)20 質量%、ジメチルスルホキシド36質量%、ポリエチレングリコール(分子量200)44質量%からなる製膜溶液を40℃に加温したこと、塗布時のテトロンスリーブの走行速度を0.8 m/分にした以外は、実施例1と同じ条件にて行った。
得られた中空糸状半透膜は、外径が2.0 mm、内径1.0 mmであった。また、この中空糸状半透膜は、平均厚み0.45 mmの半透膜層が組紐の外表面及び内部に形成されていた。このうち、組紐内に形成されていた半透膜層(複合層)の平均厚みは、0.38 mmで、組紐外表面に形成されていた半透膜層の平均厚みは、0.07 mmであった。テトロンスリーブの平均厚みは製膜後、0.40 mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの95%であった。
組紐外表面に形成されていた半透膜層は、平均厚みが0.07 mmであるが、外表面に平均孔径0.01μmの空孔からなる平均厚み0.02 mm程度のスキン層を有し、その内側には、10μmから80μmまでの空孔(平均孔径0.04 mm)を有した平均厚み0.04 mmのボイド層が確認された。さらにその内側には、平均厚み0.01 mm程度の緻密層が確認された。
一方、組紐内に形成されていた半透膜層は、ボイドが存在しない平均孔径0.05−0.5μmの空孔を有したスキン層であることが確認された。このように得られた中空糸状半透膜は、少なくとも、4層以上の多層構造を有していることが確認された。得られた中空糸状半透膜の純水透水速度は、800 L/m2/hrであった。
比較例1
セルロースアセテート(ダイセル化学工業社製、LT35)13質量%、ジメチルスルホキシド86質量%、塩化リチウム1質量%からなる製膜溶液を90℃に加温し、上下2箇所にスリーブの通過穴の開いた容器中に充填するとともに、スリーブを0.38 m/分の速度で走行させた以外は実施例1と同じ条件にて行った。
得られた中空糸状半透膜は、外径が2.7mm、内径0.91mmであった。また、この中空糸状半透膜は、平均厚み0.85 mmの半透膜層が組紐の外表面及び内部に形成されていた。このうち、組紐内に形成されていた半透膜層、いわゆる複合層の平均厚みは、0.42 mmで、組紐外表面に形成されていた半透膜層の平均厚みは、0.42 mmであった。テトロンスリーブの平均厚みは製膜後、0.42 mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの100 %であった。
組紐外表面に形成されていた半透膜層は、平均厚みが0.42 mmであるが、外表面に平均孔径0.01μmの空孔からなる平均厚み0.15mm程度のスキン層を有し、その内側には、18μmから0.47 mmまでの空孔(平均孔径0.24 mm)を有した平均厚み0.27 mmのボイド層が確認された。さらにその内側には、平均厚み0.01 mm程度の緻密層が確認された。
一方、組紐内に形成されていた半透膜層は、ボイドが存在しない平均孔径0.05−0.5μmの空孔を有したスキン層であることが確認された。このように得られた中空糸状半透膜は、少なくとも、4層以上の多層構造を有していることが確認された。得られた中空糸状半透膜の純水透水速度は、220 L/m2/hrであった。
比較例2
セルロースアセテート(ダイセル化学工業社製、LT35)15質量%、ジメチルスルホキシド84質量%、塩化リチウム1質量%からなる製膜溶液を55℃に加温し、上下2箇所にスリーブの通過穴の開いた容器中に充填するとともに、スリーブを1.52 m/分の速度で走行させた以外は実施例1と同じ条件にて行った。
得られた中空糸状半透膜は、外径が1.89 mm、内径0.93 mmであった。また、この中空糸状半透膜は、平均厚み0.11 mmの半透膜層が組紐の外表面及び内部に形成されていた。このうち、組紐内に形成されていた半透膜層、いわゆる複合層の平均厚みは、0.02 mmで、組紐外表面に形成されていた半透膜層の平均厚みは、0.09 mmであった。テトロンスリーブの平均厚みは製膜後、0.43 mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの4 %であった。
組紐外表面に形成されていた半透膜層は、平均厚みが0.09 mmであるが、外表面に平均孔径0.01μmの空孔からなる平均厚み0.01 mm程度のスキン層を有し、その内側には、4μmから0.03 mmまでの空孔(平均孔径0.01mm)を有した平均厚み0.07 mmのボイド層が確認された。さらにその内側には、平均厚み0.01 mm程度の緻密層が確認された。
一方、組紐内に形成されていた半透膜層は、ボイドが存在しない平均孔径0.05−0.5μmの空孔を有したスキン層であることが確認された。このように得られた中空糸状半透膜は、少なくとも、4層以上の多層構造を有していることが確認された。得られた中空糸状半透膜の純水透水速度は、530 L/m2/hrであった。純水透水速度を測定している際にピンホールが出現した。
比較例3
先行文献(特開昭52-81076号公報)を参考に、ポリアクリロニトリル(ダイセル化学工業社製、DUY)15 質量%、DMSO 70 質量%、ポリエチレングリコール15質量%からなる製膜溶液を90℃に加温し、上下2箇所にスリーブの通過穴の開いた容器中に充填するとともに、スリーブを0.19m/分の速度で走行させた以外は実施例1と同じ条件にて行った。
得られた中空糸状半透膜は、外径が2.6 mm、内径0.93 mmであった。また、この中空糸状半透膜は、平均厚み0.86 mmの半透膜層が組紐の外表面及び内部に形成されていた。このうち、組紐内に形成されていた半透膜層、いわゆる複合層の平均厚みは、0.39 mmで、組紐外表面に形成されていた半透膜層の平均厚みは、0.47 mmであった。テトロンスリーブの平均厚みは製膜後、0.39 mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの100%であった。
組紐外表面に形成されていた半透膜層は、平均厚みが0.47 mmであるが、外表面に平均孔径0.01μmの空孔からなる平均厚み0.02 mm程度のスキン層を有し、その内側には、10μmから0.30 mmまでの空孔(平均孔径0.15mm)を有した平均厚み0.32 mmのボイド層が確認された。さらにその内側には、平均厚み0.13 mm程度の緻密層が確認された。得られた中空糸状半透膜の純水透水速度は、111 L/m2/hrであった。
比較例4
先行文献(米国特許5,472607号公報)を参考に、ポリビニリデンフロライド24質量%、N-メチルピロリドン67質量%、グリセリン6 質量%、ポリビニルピロリドン3 質量%からなる製膜溶液を50℃に加温し、上下2箇所にスリーブの通過穴の開いた容器中に充填するとともに、スリーブを0.19 m/分の速度で走行させた以外は実施例1と同じ条件にて行った。
得られた中空糸状半透膜は、外径が1.9 mm、内径0.88 mmであった。また、この中空糸状半透膜は、平均厚み0.23 mmの半透膜層が組紐の外表面及び内部に形成されていた。このうち、組紐内に形成されていた半透膜層、いわゆる複合層の平均厚みは、0.05 mmで、組紐外表面に形成されていた半透膜層の平均厚みは、0.18 mmであった。テトロンスリーブの平均厚みは製膜後、0.35 mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの14 %であった。
組紐外表面に形成されていた半透膜層は、平均厚みが0.18 mmであるが、外表面に平均孔径0.01μmの空孔からなるスキン層を有しているのみで、ボイド層は確認されなかった。得られた中空糸状半透膜の純水透水速度は、2766L/m2/hrであった。純水透水速度を測定している際にピンホールが多数出現した。
実施例1〜4では、複合層厚みが組紐厚みの40%〜95%であり、高い透水速度とピンホール等の膜欠陥が発現しにくい半透膜であることが分かる。一方、比較例1、3では、複合層厚みが組紐厚みの100%であるため、透水速度が低下する。比較例2、4では、複合層厚みが組紐厚みの10%以下であるため、透水速度は低下しないが、ピンホールが出現する。
実施例1で得た中空糸状半透膜の幅方向の断面写真。 比較例1で得た中空糸状半透膜の幅方向の断面写真。 比較例2で得た中空糸状半透膜の幅方向の断面写真。

Claims (5)

  1. 中空糸状の組紐及び半透膜層を含む中空糸状半透膜であり、
    半透膜層が組紐の外表面側に形成され、その内部にボイド層を有しており、
    半透膜層の一部は組紐の中に埋設されて複合層を形成しており、かつ複合層の厚みが組紐厚みの40〜95%の範囲内である中空糸状半透膜。
  2. 半透膜層がボイド層の外側に更にスキン層を有し、スキン層が平均孔径0.01〜5μmの範囲の空孔を有し、かつボイド層が10μm以上の径の空孔を有している請求項1記載の中空糸状半透膜。
  3. 中空糸状の組紐及び半透膜層を含む中空糸状半透膜であり、
    半透膜層が中空糸状半透膜の外側から順に外側スキン層、ボイド層、緻密層、内側スキン層の少なくとも4層構造を有し、
    外側スキン層、ボイド層、緻密層は組紐の外表面に形成され、内側スキン層は組紐の内部に形成されており、かつ内側スキン層の厚みが組紐厚みの40〜95%の範囲内である中空糸状半透膜。
  4. 外側スキン層が平均孔径0.01〜5μmの範囲の空孔を有し、かつボイド層が10μm以上の径の空孔を有している請求項3記載の中空糸状半透膜。
  5. 半透膜層がセルロース系材料からなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸状半透膜。



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