JP2007245108A - 中空糸多孔質膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】 機械的強度と透水性能を高いレベルでバランス良く具備する中空糸多孔質膜の製造に適した製膜組成物の提供。
【解決手段】 下記(A)、(B)及び(C)成分を含有する製膜組成物。
(A)ポリスルホン、ポリエーテルスルホンから選ばれたポリマー成分10〜40質量%、
(B)N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドから選ばれる良溶剤20〜60質量%、
(C)グリコール類、ジオール類及びグリセリンから選ばれる貧溶剤10〜70質量%
【選択図】 なし
【解決手段】 下記(A)、(B)及び(C)成分を含有する製膜組成物。
(A)ポリスルホン、ポリエーテルスルホンから選ばれたポリマー成分10〜40質量%、
(B)N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドから選ばれる良溶剤20〜60質量%、
(C)グリコール類、ジオール類及びグリセリンから選ばれる貧溶剤10〜70質量%
【選択図】 なし
Description
本発明は、機械的強度及び透水性能の良い中空糸多孔質膜の製造に適した製膜組成物に関する。
中空糸多孔質膜は、一般に紡糸原液(製膜組成物)となるポリマー溶液を二重紡糸口金から押し出した後、凝固・乾燥させることにより製造されるもので、食品分野、医薬品分野、電子工業分野、水処理分野等の各種分野において汎用されている。
中空糸多孔質膜を比較的濁度の低い水処理分野に適用する場合は、例えば、所要数を束ねた中空糸多孔質膜をケースハウジング内に収容し、膜モジュールとして利用されている。しかしながら、比較的濁度の高い水処理分野に適用する場合は、ケーシングフリーの膜モジュール(ケーシングを使用せず、中空糸膜が露出した状態の膜モジュール)として利用されている。
このようなケーシングフリーの膜モジュールの場合、1本の中空糸多孔質膜は非常に細く、機械的強度の低いものであるため、使用を継続する間に中空糸多孔質膜が破断し、水処理能力が低下するという問題がある。更に、機械的強度が低いため、激しいエアーバブリング洗浄や逆圧洗浄が行えず、処理能力を充分に回復することが困難であるという問題もある。
このような問題を解決するものとして、特許文献1、特許文献2には、組紐表面に半透膜層を形成することで中空糸多孔質膜の機械的強度を高めた中空糸多孔質膜が開示されている。
しかし、特許文献1に開示された中空糸多孔質膜は、組紐に半透膜層が完全に埋設されているため、機械的強度は高くなるものの透水性能が低くなり、実施例によれば湿式紡糸法を適用しているため、乾燥に弱く、保管時の取り扱いが非常に煩雑となる。
また特許文献2に開示された中空糸多孔質膜は、4層相構造からなる半透膜層が組紐には埋設されていないため、透水性能は高いものの機械的強度が低くなり、ピンホールが発生し易い。実施例によれば湿式紡糸法を適用しているため、乾燥に弱く、保管時の取り扱いが非常に煩雑となる。
特許文献3、4は、中空糸状の組紐の外表面に半透膜層を有し、組紐と半透膜層との間に組紐に半透膜層が入り込んだ複合層を有する中空糸多孔質膜に関する発明であり、機械的強度と透水性能の両方が良いものである。特許文献4には、ボイドがなく、スキン/スポンジ構造の膜が開示されているが、スキン層を有しているため、機械的強度が低い。
特許文献5〜7には、セルロース誘導体からなる中空糸膜が開示されており、特許文献5は再生セルロースのスキンレス構造膜、特許文献6は酢酸セルロースのボイド構造膜、特許文献7は酢酸プロピオン酸セルロース又は酢酸酪酸セルロースを含むボイド構造膜が開示されている。
特開昭52−81076号公報
米国特許5,472,607号明細書
特開2003−311133号公報
特開2003−225542号公報
特開平1−266211号公報
特開平6−343842号公報
特開2002−306937号公報
本発明は、機械的強度と透水性能を高いレベルでバランス良く具備する中空糸多孔質膜の製造に適した製膜組成物を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、(A)ポリスルホン系ポリマーから選ばれたポリマー成分、(B)良溶剤、(C)水酸基を含む貧溶剤を含有する製膜組成物を提供する。
本発明は、課題の他の解決手段として、下記(A)、(B)及び(C)成分を含有する製膜組成物を提供する。
(A)ポリスルホン、ポリエーテルスルホンから選ばれたポリマー成分10〜40質量%、
(B)N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドから選ばれる良溶剤20〜60質量%、
(C)グリコール類、ジオール類及びグリセリンから選ばれる貧溶剤10〜70質量%
(B)N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドから選ばれる良溶剤20〜60質量%、
(C)グリコール類、ジオール類及びグリセリンから選ばれる貧溶剤10〜70質量%
本発明の製膜組成物を用いることにより、機械的強度と透水性能を高いレベルでバランス良く具備する中空糸多孔質膜を得ることができる。
<製膜組成物>
本発明の製膜組成物は、(A)ポリスルホン系ポリマー(好ましくはポリスルホン、ポリエーテルスルホン)から選ばれたポリマー成分、(B)良溶剤、(C)水酸基を含む貧溶剤を含有する溶液状のものである。
本発明の製膜組成物は、(A)ポリスルホン系ポリマー(好ましくはポリスルホン、ポリエーテルスルホン)から選ばれたポリマー成分、(B)良溶剤、(C)水酸基を含む貧溶剤を含有する溶液状のものである。
(A)のポリマー成分としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンから選ばれたものを用いることができる。製膜組成物中のポリマー成分の含有量は10〜40質量%が好ましく、13〜35質量%がより好ましく、15〜30質量%が更に好ましい。
(B)の良溶剤は、ポリマー成分を溶解できるものであれば特に限定されないが、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドが好ましい。製膜組成物中の良溶剤の含有量は20〜60質量%が好ましく、25〜50質量%がより好ましく、25〜40質量%が更に好ましい。
(C)の貧溶剤は、水酸基を有するものであり、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール等のジオール類、グリセリン等を用いることができる。製膜組成物中の貧溶剤の含有量は10〜70質量%が好ましく、15〜65質量%がより好ましく、20〜60質量%が更に好ましい。
本発明の製膜組成物は、本発明の課題を解決できる範囲内で、(A)〜(C)成分以外の公知の製膜用成分を含有することができる。
<中空糸多孔質膜の製造方法>
本発明の製膜組成物は、中空糸多孔質膜の製造用として適しており、特に基材として組紐を用いた中空糸多孔質膜の製造用として適している。
本発明の製膜組成物は、中空糸多孔質膜の製造用として適しており、特に基材として組紐を用いた中空糸多孔質膜の製造用として適している。
以下、本発明の製膜組成物を、基材としての組紐外表面側にスポンジ状の半透膜層を有し、かつ前記組紐と前記半透膜層の間で、前記半透膜層の一部は前記組紐中に埋設されて複合層となっている中空糸状多孔質膜の製造に用いた実施形態について説明する。
まず、第1工程として、製膜組成物を中空糸状の組紐の表面に付着させる工程の処理をする。
第1工程の処理としては、製膜組成物を入れた容器中に中空糸状の組紐を浸漬し、所要時間放置する方法、製膜組成物を入れた容器中に中空糸状の組紐を連続的に潜らせる方法、中空糸状の組紐の編組工程(組紐を編む工程)において、編まれている状態の組紐表面に製膜組成物を連続的に噴霧、噴射又は塗布する方法等を適用できる。
第1工程の処理時間は、製膜組成物の種類及び濃度、組紐の密度、中空糸状多孔質膜の透水性能等に応じて、所望の厚みの半透膜層(複合層を含む)が形成されるように調整する。組紐に対する複合層の厚みを所定割合の範囲内にする条件は、前記した各要件を変化させながら組み合わせることにより経験的に得ることができる。
具体的には、各実施例に記載のものと同一の組紐及び同一の製膜組成物を用いる場合は、各実施例における半透膜層(複合層を含む)の厚みを基準として、製膜組成物の濃度を増減したり、製膜組成物への浸漬時間を増減することで、半透膜層(複合層を含む)の厚みを増減させることができる。
組紐は、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル、セルロース、セルロースアセテート等の天然又は合成樹脂繊維、ステンレス、黄銅、銅等の金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維等からなるものを用いることができる。
組紐の内径及び外径は特に制限されるものではないが、取り扱い易さや製造技術上の問題から、内径が好ましくは0.2〜3.0mm、より好ましくは0.5〜2.0mmで、外径が好ましくは0.5〜5.0mm、より好ましくは1.0〜3.0mmのものを用いることができる。
第2工程は、組紐の表面に付着した製膜組成物を凝固させる工程である。この工程の処理には、湿式法や乾式法等を適用できるが、瞬時に成形できる湿式法や半乾式湿式法が好ましい。
湿式法を適用する場合は、水等の凝固浴中に組紐を浸漬した後、乾燥する方法を適用できる。乾式法を適用する場合は、製膜組成物の濃度、溶媒の種類に応じて、1段処理するか、又は温度及び湿度条件を変化させて2段以上の処理をすることができる。処理温度及び湿度は、温度30〜200℃、好ましくは60〜150℃、相対湿度30〜95%、好ましくは60〜90%であり、処理時間は0.5〜60分間、好ましくは2〜30分間である。
本発明の製膜組成物を用いて得られた中空糸状多孔質膜は、中空糸状の組紐と、前記中空糸状の組紐の外表面側に形成されたスポンジ状の半透膜層を有し、かつ前記組紐と前記スポンジ状の半透膜層の間で、前記スポンジ状の半透膜層の一部は前記組紐中に埋設されて複合層となっているものである。
複合層の厚みは組紐厚みの50〜95%の範囲内が好ましく、より好ましくは55〜95%、更に好ましくは60〜90%の範囲内である。
スポンジ状の半透膜層の外表面の平均孔径(do)は0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは0.08〜3μm、更に好ましくは0.1〜2.5μm、特に好ましくは0.2〜2μmである。
スポンジ状の半透膜層の外表面の平均孔径(do)とスポンジ状の半透膜層の内表面の平均孔径(di)は、do≦diの関係を満たしているものが好ましく、do<diのとき、di/doは1.5〜10の範囲が好ましく、2〜8の範囲がより好ましい。
スポンジ状の半透膜層(複合層を含まない)の厚みは、中空糸多孔質膜の全厚みの5〜50%の範囲が好ましく、より好ましくは10〜40%、更に好ましくは15〜35%の範囲である。
本発明の製膜組成物を用いて得られた中空糸多孔質膜は、外径が好ましくは1.5〜3.0mm、より好ましくは1.8〜2.5mmで、内径が好ましくは0.5〜1.5mm、より好ましくは0.7〜1.3mmである。
本発明の製膜組成物を用いて得られた中空糸多孔質膜は、有効長さ0.5m、圧力0.1MPaでの純水透過速度が400〜1000L/m2/hrのものであり、好ましくは400〜800L/m2/hrのものである。
本発明の製膜組成物を用いて得られた中空糸多孔質膜は、内圧式や外圧式の中空糸膜(中空糸膜モジュール)として、各種水処理に適用することができる。
(1)中空糸多孔質膜の純水透水性試験
長さ0.5mの中空糸多孔質膜の片端を封じ、0.1MPa の圧力下で純水を内圧にてデッドエンド濾過し、単位時間、単位膜面積(外表面積換算)あたりに透過する純水量を測定した。
長さ0.5mの中空糸多孔質膜の片端を封じ、0.1MPa の圧力下で純水を内圧にてデッドエンド濾過し、単位時間、単位膜面積(外表面積換算)あたりに透過する純水量を測定した。
(2)中空糸多孔質膜の通気試験
水中に浸漬した中空糸多孔質膜(長さ1m)の両端の内側にエアーを供給し、徐々に供給圧力を上昇させて行き、中空糸多孔質膜の外表面から最初にエアーが発生する圧力を測定した。この圧力は一般的にバブルポイントとして定義され、膜細孔径の算出に使用されているが、ピンホールを内在した膜等においては、バブルポイントよりも小さくなる。
水中に浸漬した中空糸多孔質膜(長さ1m)の両端の内側にエアーを供給し、徐々に供給圧力を上昇させて行き、中空糸多孔質膜の外表面から最初にエアーが発生する圧力を測定した。この圧力は一般的にバブルポイントとして定義され、膜細孔径の算出に使用されているが、ピンホールを内在した膜等においては、バブルポイントよりも小さくなる。
バブルポイントは、膜細孔径、膜と水との接触角、水の表面張力を用いて容易に算出できる。
実施例1
ポリエーテルスルホン(住友化学製)18質量%、N-メチルピロリドン(ナカライ化学(株))32質量%、ポリエチレングリコール(PEG−200,ナカライ化学(株))45質量%、ポリビニルピロリドン(PVPK-30,ナカライ化学(株))5質量%からなる製膜組成物を用いた。
ポリエーテルスルホン(住友化学製)18質量%、N-メチルピロリドン(ナカライ化学(株))32質量%、ポリエチレングリコール(PEG−200,ナカライ化学(株))45質量%、ポリビニルピロリドン(PVPK-30,ナカライ化学(株))5質量%からなる製膜組成物を用いた。
この製膜組成物を40℃に加温し、コーティング容器にギアポンプで圧送するとともに、コーティング容器の中央に、内径1.0mm、外径1.9mm、厚み0.45mmのテトロンスリーブ(組紐、繊維密度38目/インチ)を、1m/分の速度にて走行させて、テトロンスリーブ外表面側から製膜組成物を塗布した。塗布されたテトロンスリーブは、走行中スリットを通過し、過剰塗布溶液の除去/真円度、編肉度調整を行った後、30℃の水中で凝固/洗浄し、中空糸多孔質膜を得た。
得られた中空糸多孔質膜は、外径が2.1mm、内径1.0mmであった。また、この中空糸多孔質膜は、平均厚み0.48mmのスポンジ状の半透膜層が組紐の外表面及び組紐の内部に形成されていた。このうち、複合層の平均厚みは0.36mmで、スポンジ状の半透膜層(複合層を除く)の平均厚みは0.12mmであった。また、テトロンスリーブの平均厚みは、製膜後、0.40mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの90%であった。
半透膜層の外表面は平均孔径0.7μmの空孔を有する多孔質層であり、その内側には内表面に向かって多孔質層が連続的に形成されており、内表面は0.7μmの空孔を有する多孔質層であった。得られた中空糸多孔質膜の0.1MPa下での純水透過速度は、800L/m2/hr、エアー発生圧力は0.3MPaであった。
実施例2
ポリエーテルスルホン(住友化学製)20質量%、N-メチルピロリドン28質量%、ポリエチレングリコール47質量%、ポリビニルピロリドン5質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸状多孔質膜を得た。
ポリエーテルスルホン(住友化学製)20質量%、N-メチルピロリドン28質量%、ポリエチレングリコール47質量%、ポリビニルピロリドン5質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸状多孔質膜を得た。
得られた中空糸状多孔質膜は外径2.1mm、内径0.9mmであった。また、この中空糸多孔質膜は、平均厚み0.55mmのスポンジ状の半透膜層が組紐の外表面及び組紐の内部に形成されていた。このうち、複合層の平均厚みは0.34mmで、スポンジ状の半透膜層(複合層を除く)の平均厚みは0.21mmであった。また、テトロンスリーブの平均厚みは、製膜後、0.40mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの85%であった。
得られた中空糸多孔質膜の0.1MPa下での純水透過速度は、500L/m2/hr、エアー発生圧力は0.4MPaであった。
実施例3
ポリエーテルスルホン(住友化学製)18質量%、ジメチルスルホキシド(東レファインケミカル(株))37質量%、ポリエチレングリコール45質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸状多孔質膜を得た。
ポリエーテルスルホン(住友化学製)18質量%、ジメチルスルホキシド(東レファインケミカル(株))37質量%、ポリエチレングリコール45質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸状多孔質膜を得た。
得られた中空糸状多孔質膜は外径2.2mm、内径0.7mmであった。また、この中空糸多孔質膜は、平均厚み0.56mmのスポンジ状の半透膜層が組紐の外表面及び組紐の内部に形成されていた。このうち、複合層の平均厚みは0.36mmで、スポンジ状の半透膜層(複合層を除く)の平均厚みは0.20mmであった。また、テトロンスリーブの平均厚みは、製膜後、0.40mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの90%であった。
得られた中空糸状多孔質膜の0.1MPa下での純水透過速度は、620L/m2/hr、エアー発生圧力は0.2MPaであった。
実施例4
ポリエーテルスルホン(住友化学製)18質量%、ジメチルスルホキシド37質量%、ポリエチレングリコール40質量%、ポリビニルピロリドン5質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸膜を得た。
ポリエーテルスルホン(住友化学製)18質量%、ジメチルスルホキシド37質量%、ポリエチレングリコール40質量%、ポリビニルピロリドン5質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸膜を得た。
得られた中空糸状多孔質膜は外径2.0mm、内径0.9mmであった。また、この中空糸多孔質膜は、平均厚み0.50mmのスポンジ状の半透膜層が組紐の外表面及び組紐の内部に形成されていた。このうち、複合層の平均厚みは0.33mmで、スポンジ状の半透膜層(複合層を除く)の平均厚みは0.17mmであった。また、テトロンスリーブの平均厚みは、製膜後、0.40mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの83%であった。
得られた中空糸状多孔質膜の0.1MPa下での純水透過速度は、400L/m2/hr、エアー発生圧力は0.4MPaであった。
実施例5
ポリエーテルスルホン(住友化学製)20質量%、N-メチルピロリドン28質量%、トリエチレングリコール(ナカライ化学(株))52質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸状多孔質膜を得た。
ポリエーテルスルホン(住友化学製)20質量%、N-メチルピロリドン28質量%、トリエチレングリコール(ナカライ化学(株))52質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸状多孔質膜を得た。
得られた中空糸状多孔質膜は外径2.0mm、内径1.0mmであった。また、この中空糸多孔質膜は、平均厚み0.48mmのスポンジ状の半透膜層が組紐の外表面及び組紐の内部に形成されていた。このうち、複合層の平均厚みは0.36mmで、スポンジ状の半透膜層(複合層を除く)の平均厚みは0.12mmであった。また、テトロンスリーブの平均厚みは、製膜後、0.40mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの90%であった。
得られた中空糸状多孔質膜の0.1MPa下での純水透過速度は、500L/m2/hr、エアー発生圧力は0.3MPaであった。
実施例6
ポリエーテルスルホン(住友化学製)18質量%、N-メチルピロリドン37質量%、ポリエチレングリコール20質量%、2−ピロリドン25質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸状多孔質膜を得た。
ポリエーテルスルホン(住友化学製)18質量%、N-メチルピロリドン37質量%、ポリエチレングリコール20質量%、2−ピロリドン25質量%からなる製膜組成物を用い、実施例1と同様の方法にて、中空糸状多孔質膜を得た。
得られた中空糸状多孔質膜は外径2.0mm、内径1.0mmであった。また、この中空糸状多孔質膜は、平均厚み0.46mmのスポンジ状の半透膜層が組紐の外表面及び組紐の内部に形成されていた。このうち、複合層の平均厚みは0.36mmで、スポンジ状の半透膜層(複合層を除く)の平均厚みは0.10mmであった。また、テトロンスリーブの平均厚みは、製膜後、0.40mmであった。この結果、複合層厚みは組紐厚みの90%であった。
得られた中空糸状多孔質膜の0.1MPa下での純水透過速度は、520L/m2/hr、エアー発生圧力は0.1MPaであった。
本発明の製膜組成物を用いて得られた中空糸状多孔質膜は、外側から順に、スポンジ状の半透膜層(複合層を含む)、組紐を有しているものであるが、表1に示された結果は、更にスキン層やボイド層を有していないものであることに起因しているものと推測される。
なお、スキン層は、スポンジ状の半透膜層の平均孔径よりも小さな平均孔径を有する層であり、ボイド層は、スポンジ状の半透膜層の平均孔径の上限値よりも大きな孔径(例えば、10μm程度)のボイド(空孔)を1つ以上有する層である。よって、スポンジ状の半透膜層は、スキン層よりも平均孔径が大きく、ボイド層にあるようなボイドが存在しない層である。
Claims (5)
- (A)ポリスルホン系ポリマーから選ばれたポリマー成分、(B)良溶剤、(C)水酸基を含む貧溶剤を含有する製膜組成物。
- 下記(A)、(B)及び(C)成分を含有する製膜組成物。
(A)ポリスルホン、ポリエーテルスルホンから選ばれたポリマー成分10〜40質量%、
(B)N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドから選ばれる良溶剤20〜60質量%、
(C)グリコール類、ジオール類及びグリセリンから選ばれる貧溶剤10〜70質量% - 中空糸状多孔質膜の製膜用である、請求項1又は2記載の製膜組成物。
- 組紐外表面側に半透膜層を有する中空糸状多孔質膜の製造に用いる製膜組成物であり、前記半透膜層を形成するために用いる請求項1又は2記載の製膜組成物。
- 組紐外表面側に半透膜層を有し、かつ前記組紐と前記半透膜層の間で、前記半透膜層の一部は前記組紐中に埋設されて複合層となっている中空糸状多孔質膜の製造に用いる製膜組成物であり、前記半透膜層と前記複合層を形成するために用いる請求項1又は2記載の製膜組成物。
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