JP3594946B2 - 高性能精密濾過膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、異方性構造の精密濾過膜であって、特に、高い強度と優れた透水性能を有し、且つ内圧濾過において目詰まりが少ない精密濾過膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
中空糸状膜は、精密濾過から限外濾過までの工業的用途に広く使われており、膜の素材としてポリエチレン、酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル等が用いられている。これらの素材からなる従来の中空糸状膜は、濾過性能の向上に注力して開発されたものであるため、中空糸状膜の破断強度や破断時の伸びが小さく、急激な温度変化や逆洗時の圧力変化により、しばしば中空糸状膜が破断することが指摘されている。
【0003】
この点を解決するため種々の試みがなされてきたが、一般的には特許文献1に記載された発明に示唆されているように、製膜原液中のポリマー濃度を高くして、中空糸状膜全体のポリマー密度を上げる方法が考えられる。しかしながら、この方法では膜の強度が向上する反面、膜の孔径が小さくなるとともに膜の透水量が大幅に低下するため、強度と透水性能のバランスに優れた中空糸状膜は得られていない。
【0004】
一方、膜の透水性能を向上させるためには、膜の孔径を大きくする方法が一般的に行なわれるが、孔径の増大は一般に膜の分画性能と膜強度の低下を招く。
以上のように、従来技術では、強度、透水性能及び分画性能のバランスがとれた高性能の中空糸状膜は得られていなかった。例えば、特許文献2には、高強度でかつ透水性能に優れた膜の製法が提案されているが、この製法によって作られた膜は孔径が大きく、透水性能と分画性能とのバランスがとれていない。
【0005】
特許文献3には、膜の外表面から内部に向かって孔径が連続的に小さくなり内部の最小孔径を経て再び連続的に孔径が大きくなり内表面に開孔する中空糸状精密濾過膜が開示されている。しかしながら、この構造の膜を用いて膜の中空部側(内表面側)から液体等を濾過した場合、急激な目詰まりを起こし長時間安定的に濾過を行なうことができない。
【0006】
【特許文献1】
特開昭59−228016号公報
【特許文献2】
特開平4−260424号公報
【特許文献3】
特開平2−102722号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高い強度と優れた透水性能を有する異方性構造の精密濾過膜であって、特に内圧濾過において目詰まりが少ない優れた精密濾過膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の如く、膜の中空部側から液体等を濾過(以下「内圧濾過」ともいう)した場合、目詰まりが少なく、透水性能に優れた精密濾過膜はこれまでなかった。何故ならば、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなる傾斜構造の膜の膜内表面に、膜強度を高く維持したまま、0.01μm以上の(精密濾過領域の)孔を開口させることは、特にポリスルホン等の疎水性ポリマーでは従来不可能であったからである。
【0009】
そこで本発明者は、目詰まりを防止するため、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなる傾斜構造について鋭意研究を進めた結果、特定の製造方法により上記課題が解決できる膜が得られることを見出し、本発明に至ったものである。
【0010】
すなわち本発明は、
(1)膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造からなり、内圧濾過における阻止径が0.015〜1μmであることを特徴とする中空糸状精密濾過膜、
(2)膜の外表面に平均孔径が1μm以上の円形状あるいは楕円形状の孔を有することを特徴とする(1)に記載の中空糸状精密濾過膜、
(3)膜の外表面の開孔率が10%以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の中空糸状精密濾過膜、
(4)膜の破断強度が50kgf/cm2以上であることを特徴とする(1)〜(3)に記載の中空糸状精密濾過膜、
(5)膜の内径に対する膜厚の比率が0.15〜0.4であることを特徴とする(1)〜(4)に記載の中空糸状精密濾過膜、
(6)膜の外径が500μm以下であることを特徴とする(1)〜(5)に記載の中空糸状精密濾過膜、
(7)芳香族ポリスルホンとポリビニルピロリドンからなり、膜内表面におけるポリビニルピロリドンの濃度が20〜45重量%であることを特徴とする(1)〜(6)に記載の中空糸状精密濾過膜、および
(8)水に不溶であるポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする(1)〜(7)に記載の中空糸状精密濾過膜、
に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の中空糸状精密濾過膜(以下単に「膜」又は「中空糸状膜」ともいう)の構成について説明する。
本発明の中空糸精密濾過膜は、河川水、湖沼水、地下水、海水等の天然水からの除濁、微生物の除去、及び無菌水の作成等の上水道分野、電着塗料溶液からの塗料回収分野、電子工業向け超純水製造分野、医薬・発酵及び食品の分野での使用など広範囲の応用が可能である。
【0012】
本発明の中空糸状膜は、膜の一方の表面から他方の表面まで、例えば内表面から外表面まで、一体的に連続した構造からなっている。膜の一方の表面から他方の表面までの間、すなわち膜内部は、網目の大きさ(孔)が10μm以下の網目構造からなっており、かつ、大きさが10μmを超えるポリマーの欠損部位(巨大空孔又はボイド)を含まない。この構造を、本発明ではスポンジ構造という。
【0013】
膜内部の網目構造の孔は、膜の長さ方向に対して垂直な断面において、膜の外表面から内表面(又は内表面部位)に向かってその孔径が連続的に小さくなる傾斜構造を有する。すなわち、中空糸状膜の長さ方向にのびる中心軸を同心とするいくつかの円筒状の面を考える場合、それぞれの面の孔の平均孔径は、膜の外表面から内表面(又は内表面部位)に近づくにつれて連続的に小さくなっている。
【0014】
本発明の膜の代表的な例について、図面を用いてさらに詳細に説明する。
図1は、中空糸状膜の長さ方向に対して垂直な断面(一部)の電子顕微鏡写真である。さらに図2は、膜内表面の様子を示す電子顕微鏡写真であり、図3は、膜の外表面の様子を示す電子顕微鏡写真である。
【0015】
この膜は、図1に示されるように、膜の内表面に近づくに従って、平均孔径が次第に連続的に小さくなるという傾斜構造、すなわち孔径についての異方性を有する網目構造からなっている。膜内表面は緻密な構造となっているが、本発明の膜は従来より知られているような明確なスキン層は持っていない。図2には、緻密な内表面の様子が示されている。これに対し、図3からわかるように、外表面上には、円形状あるいは楕円形状の孔が観察される。
【0016】
膜の内表面に開口する孔は、円形状、楕円形状、網目状又はスリット状であることが好ましく、外表面の孔の形状は、円形状又は楕円形状であることが好ましい。
【0017】
膜の外表面に開口する孔の平均孔径は1μm以上、好ましくは2μm以上30μm以下である。1μmより小さい孔であると膜同士の固着による成型不良を起こすことから好ましくない。
【0018】
さらに、膜同士の固着を抑えるには、外表面の孔の開口率も重要である。本発明でいう開口率は、乾燥膜の外表面の電子顕微鏡写真を画像解析して数値化することにより求められる。本発明でいう開口率とは、取り込んだ画像の面積に対する開孔部孔面積の総和の百分率と定義され、下記の式(1)で与えられる。なお、10ピクセル以下はノイズとみなして計数から除外した。
開孔率(%)=(開孔部の孔面積の総和/取り込んだ画像の面積)×100 (1)
【0019】
開孔率は膜同士の固着への寄与に大きく関与し、開孔率が小さいと隣接する膜同士の接触面積が増えて固着が起こり、ひどい場合は、束全体が棒状に固着することさえある。このため、開孔率は10%以上を確保する必要がある。しかし、開孔率を不必要に大きくすると、今度は膜の長軸方向へのしなり、すなわち、腰の強さが損なわれる結果、成型時に接着部での膜流れによる成型不良が多発する。従って腰の強さを損なわないために開孔率は60%を上限とすることが好ましい。
【0020】
膜の表面に開口した孔の形状や大きさ等は、電子顕微鏡を用いて観察、測定することができる。
また、内表面及び外表面に開口した孔の平均孔径Dとは、下記の式(2)で示される値である。
D=[{(Di 2)2+……+(Dn 2)2}/{Di 2+……+Dn 2}]1/2 (2)
ここでDは平均孔径、Diはi個目の孔の実測径、Dnはn個目の孔の実測径である。ただし、Di、Dnの実測径は、孔が円形に近い場合は、その直径で表し、孔が円形でない場合には,その孔と同一面積の円の直径で表す。
【0021】
膜の透水性能を向上させるために、膜の内表面に孔を開口させることが好ましい。この場合、どのような大きさの孔を開口させるかは、使用する目的(用途)により選択されるが、膜の内表面に開口させる孔の大きさ(孔径)は、膜の濾過性能を確保する大きさ、すなわち濾過により阻止しようとする物質の径よりも小さい孔径でなければならない。膜内表面に開口する孔の平均孔径は、0.01μm〜1μm、好ましくは0.05μm〜0.5μmである。孔径が0.01μmより小さいと透水性能が低いため好ましくなく、1μmを超えると膜の破断伸度が低下するため実用的でない。
しかしながら、膜内表面の孔径が0.01μmよりも小さい場合やスリット状の孔であると、孔径の大きさを測定しても誤差が大きくなり意味をなさない。故に、本発明では内圧濾過時の阻止径を用いて膜内表面の孔径の指標とし、本発明の膜は、内圧濾過における阻止径が0.015〜1μmである。
【0022】
本発明における内圧濾過における阻止径とは、以下の方法により決定される。1)0.2重量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液中に、粒径の精度が±4%以内のポリスチレン系のラテックス粒子を0.02体積%の濃度で懸濁するように調整した原液を、両端を接着剤で固定した有効長180mmの糸束(内表面積換算で110±10cm2になるように膜本数を揃えたもの)に対して、入り圧と出圧との平均圧力を0.5kgf/cm2、流体線速=1cm/秒のクロスフローの条件で内圧濾過を行い、40分後の濾液と元液の濃度の阻止率を求める。この時、阻止率に経時変化がないことが必要であり、20分後、40分後、及び60分後の各々の阻止率の絶対値の偏差が±10%以内でなければならない。得られた濾液と元液の濃度は、紫外分光光度計により280nmの波長にて測定し、下記の式(3)に代入して阻止率を算出する。2)次に、該阻止率が90%以上となる1)で用いたラテックス粒子の最小粒径を膜の阻止径とする。
阻止率(%)={1−(濾液の吸光度)/(元液の吸光度)}×100(3)
【0023】
また、本発明の膜は、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなる傾斜構造で、且つ膜内表面に0.01μm以上の大孔径を有するにも関らず、膜の破断強度は、50kgf/cm2以上、さらには60kgf/cm2以上である。膜の破断強度が50kgf/cm2未満ではリーク等が多発し、実用的でない。本発明でいう破断強度とは、中空糸状膜1本当たりの破断時の荷重(kgf)を引っ張る前の膜の断面積(cm2)で割ることにより求められる。
【0024】
本発明の中空糸状膜を構成する素材としては、たとえばポリスルホン系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリメタクリル酸系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、ポリエーテルイミド系ポリマー、及び酢酸セルロース系ポリマー等が挙げられる。中でも芳香族ポリスルホンは、その熱安定性、耐酸、耐アルカリ性および機械的強度に優れるが、疎水性であるため河川水、湖沼水、地下水、海水等の天然水からの除濁、微生物の除去や電着塗料溶液からの塗料回収分野及び医薬・発酵等の一般工業分野においても目詰まりし易いことが問題であった。製膜原液に親水性ポリマーを添加して製膜することにより一般工業分野での使用を可能にし、さらに医療分野においても血液適合性を向上できることから好ましく用いられる。芳香族ポリスルホンとしては、ビスフェノールA型ポリスルホンが特に好ましく用いられる。
中空糸状膜を構成する素材が芳香族ポリスルホンである場合、親水性ポリマーとしてはポリビニルピロリドンが最も好ましい。
【0025】
以上から、本発明の膜は、芳香族ポリスルホンとポリビニルピロリドンからなることが最も好ましい。ポリビニルピロリドンは親水性ポリマーの中でも特に毒性が低いことから好ましく用いられる。さらに本発明の精密濾過膜は、内圧濾過によって用いられることから、濾過しようとする液が接触する膜内表面におけるポリビニルピロリドンの濃度が20〜45重量%であることが好ましい。濾過しようとする液が血液等の場合、膜の血液適合性に重要な因子は、血液が接する膜内表面の親水性であり、ポリビニルピロリドン(以下単に「PVP」ともいう)を含有するポリスルホン系膜では、膜内表面のPVP濃度が重要である。膜内表面のPVP濃度が低すぎると膜内表面が疎水性を示し、血漿タンパク質が吸着しやすく、血液の凝固も起こりやすい。すなわち、膜の血液適合性不良となる。逆に膜内表面のPVP濃度が高すぎると、PVPの血液系への溶出量が増加し好ましくない結果を与える。従って、血液、血漿、血清を内圧濾過する場合のPVPの濃度は、20〜45重量%の範囲であり、好ましくは25〜40重量%である。
【0026】
本発明で用いられる芳香族ポリスルホンとしては、下記の式(4)、または式(5)で示される繰り返し単位を有するものが挙げられる。なお、式中のArはパラ位での2置換のフェニル基を示し、重合度や分子量については特に限定しない。
−O−Ar−C(CH3)2−Ar−O−Ar−SO2−Ar− (4)
−O−Ar−SO2−Ar− (5)
【0027】
ポリビニルピロリドンは高分子量のものほど膜への親水化効果が高いため、高分子量のものほど少量で十分な効果が発揮できることから、本発明においては重量平均分子量900,000以上のポリビニルピロリドンが使用される。900,000より小さい重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンを用いて膜への親水化効果を付与するためには大量のポリビニルピロリドンを膜中に残存させる必要があるが、このために膜からの溶出物が増加することになる。また、逆に溶出物を下げるために900,000より小さい重量平均分子量のポリビニルピロリドンの膜中での残存量を少なくすると親水化効果が不十分となってしまい、その結果、血液、血漿等の濾過を行なった場合濾過速度の経時的低下をきたし十分な効果を発揮できない。
【0028】
膜内表面のPVP濃度は、エックス線光量子スペクトル(X−ray Photoelectron spectroscopy、以下XPS)によって決定される。すなわち、膜内表面のXPSの測定は、試料を両面テープ上に並べた後、カッターで繊維軸方向に切開し、膜の内側が表になるように押し広げた後、通常の方法で測定する。すなわち、C1s、O1s、N1s、S2pスペクトルの面積強度から、装置付属の相対感度係数を用いて窒素の表面濃度(窒素原子濃度)とイオウの表面濃度(イオウ原子濃度)から求めた濃度をいうものであり、ポリスルホン系ポリマーが(4)式の構造であるときには(6)式により計算で求めることができる。
PVP濃度(重量%)=C1M1×100/(C1M1+C2M2) (6)
ここで、C1:窒素原子濃度(%)
C2:イオウ原子濃度(%)
M1:PVPの繰り返しユニットの分子量(111)
M2:ポリスルホン系ポリマーの繰り返しユニットの分子量(442)
【0029】
さらに、本発明の膜は、水に不溶であるPVPを有する。膜中のPVP全てが水に可溶であると膜からの溶出量が多いため好ましくなく、PVP全てが水に不溶であると血液、血漿等の濾過時において膜内表面(又は内表面部位)の膨潤性が悪いために優れた分離性能を発現しない。故に、本発明の膜は、水に不溶であるPVPを適度に含むことから優れた膜性能を有する。
【0030】
以下、本発明の中空糸状膜の製造方法の代表例について述べる。
本発明の中空糸状膜は、製膜原液と内部液を2重環状ノズルから吐出させた後、エアギャップを通過させてから凝固浴で凝固させる中空糸状膜の製造方法において、
a)製膜原液が、膜形成ポリマー、該ポリマーの溶剤、及び親水性ポリマーからなり、膜形成ポリマーに対する親水性ポリマーの比率が20〜60重量%、
b)内部液が水と少なくとも1種類以上の溶剤からなり、水の含有量が35〜55重量%、
c)ノズル部での製膜原液の温度が50℃以上、
d)凝固浴温度が85〜100℃、
且つ
e)紡速に対するエアギャップの比率が0.01〜0.1m/(m/分)
である製造方法により造ることが可能である。
【0031】
本発明の中空糸状膜は、膜形成ポリマー、該ポリマーの溶剤、及び親水性ポリマーからなる添加剤から本質的になる製膜原液を、該ポリマーに対する良溶剤の特定濃度の水溶液からなる内部液とともに2重環状ノズルから吐出させ、エアギャップを通過させた後、凝固浴で凝固させることにより製造される。
【0032】
本発明の製造方法において用いられる膜形成ポリマーは、湿式製膜により膜を形成することができるポリマーであればよく、例えばポリスルホン系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリメタクリル酸系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、ポリエーテルイミド系ポリマー及び酢酸セルロース系ポリマー等が挙げられる。中でも芳香族ポリスルホンは、その熱安定性、耐酸、耐アルカリ性に加え、製膜原液に親水化剤を添加して製膜することにより、血液適合性が向上することから好ましく用いられる。芳香族ポリスルホンとしては、ビスフェノールA型ポリスルホンが特に好ましく用いられる。
【0033】
添加剤は、溶剤と相溶性があり、膜形成ポリマーを溶解しない親水性ポリマーが用いられる。膜形成ポリマーがポリスルホン系ポリマーであれば、添加剤としてはポリビニルピロリドンが好ましく用いられる。膜形成ポリマーが芳香族ポリスルホンの場合、ポリビニルピロリドン以外の添加剤を用いたのでは本発明の膜は得られにくい。
【0034】
ポリマーの溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の溶剤が挙げられるが、膜形成ポリマーがポリスルホン系ポリマーの場合、N−メチル−2−ピロリドン(以下単に「NMP」ともいう)が好ましい。NMPは、ポリスルホン系ポリマーに対して最も溶解力の高い溶剤である。例えば、他の良溶剤であるN,N−ジメチルアセトアミドと比較して室温で約1.5倍の溶解力を有する。膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなる傾斜構造において膜内表面に0.01μm以上の大孔径を開口させるには、内部液中の非溶剤により液液相分離が誘発されてから相分離(凝固)が終了するまでの時間、即ち粒子成長時間を長くする必要がある。ポリスルホン系ポリマーにおいては、非常に高い溶解力を有するNMPを用いることによってこの粒子成長時間をどの溶剤を用いるよりも長くすることが可能である。さらに、NMPはポリスルホン系ポリマーにおいて最良溶剤であることから、製膜原液中のポリスルホン系ポリマーの分子鎖同士の絡み合いが良く、結果的に高強度の膜を得ることが可能である。以上の理由から、膜形成ポリマーがポリスルホン系ポリマーの場合、NMP以外の溶剤を用いたのでは本発明の膜は得られにくい。
【0035】
製膜原液は、本質的に膜形成ポリマー、ポリビニルピロリドン等の特定の添加剤、N−メチル−2−ピロリドン等の特定のポリマーの溶剤からなる。製膜原液にその他の添加剤、例えば従来添加剤として知られている水や金属塩等を加えると、本発明の膜は得られにくい。
【0036】
本発明で用いられる製膜原液のポリマー濃度は、該原液からの製膜が可能で、かつ得られた膜が膜としての性能を有するような濃度の範囲であれば特に制限されず、10〜35重量%、好ましくは10〜30重量%である。高い透水性能又は大きな分画分子量を達成するためには、ポリマー濃度は低い方がよく、10〜25重量%が好ましい。
【0037】
さらに重要なことは製膜原液中の添加剤(親水性ポリマー)の量であり、ポリマーに対する添加剤の混和比率が20〜60重量%、好ましくは27〜60重量%である。ポリマーに対する添加剤の混和比率が20重量%未満では膜内表面の平均孔径が0.01μm未満となる傾向にあり、60重量%を超えると製膜原液の粘性が高くなり製膜時の可紡性が悪くなる傾向にあるため好ましくない。
【0038】
さらに製膜原液の温度が重要であり、ノズルでの吐出時の製膜原液の温度は50℃以上、好ましくは60〜100℃である。50℃未満であると製膜時の可紡性が悪い傾向にある。
【0039】
内部液は、中空糸状膜の中空部を形成させるために用いるものであり、水と少なくとも1種類以上の膜形成ポリマーに対する良溶剤からなる。水の含有量は、35〜55重量%であることが好ましい。水の含有量が35重量%未満では製膜時の可紡性が悪く、55重量%を超えると膜内表面の平均孔径が0.01未満となる傾向にある。
【0040】
エアギャップとは、ノズルと凝固浴との間の隙間を意味する。本発明の膜を得るには紡速(m/分)に対するエアギャップ(m)の比率が極めて重要である。何故ならば本発明の膜構造は、内部液中の非溶剤が製膜原液と接触することによって該製膜原液の内表面部位から外表面部位側へと経時的に相分離が誘発され、さらに該製膜原液が凝固浴に入るまでに膜内表面部位から外表面部位までの相分離が完了しなければ、得られないからである。
【0041】
紡速に対するエアギャップの比率は、0.01〜0.1m/(m/分)であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.05m/(m/分)である。紡速に対するエアギャップの比率が0.01m/(m/分)未満では、本発明の構造と性能を有する膜を得ることが難しく、0.1m/(m/分)を超える比率では、膜へのテンションが高いことからエアギャップ部で膜切れを多発し製造しにくい傾向にあり好ましくない。
【0042】
ここで、紡速とはノズルから内部液とともに吐出した製膜原液がエアギャップを通過して凝固浴にて凝固した膜が巻き取られる中空糸状膜の一連の製造工程において、該工程中に延伸操作が無い時の巻き取り速度を意味する。また、エアギャップを円筒状の筒などで囲み、一定の温度と湿度を有する気体を一定の流量でこのエアギャップに流すと、より安定した状態で中空糸状膜を製造することができる。
【0043】
凝固浴としては、例えば水;メタノール、エタノール等のアルコール類;エーテル類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類などポリマーを溶解しない液体が用いられるが、水が好ましい。また、凝固浴にポリマーを溶解する溶剤を若干添加することにより凝固速度等をコントロールすることも可能である。
【0044】
凝固浴の温度は、85〜100℃、好ましくは90〜100℃である。凝固浴の温度が85℃未満では膜内表面の平均孔径が0.01μm未満となる傾向にあり、100℃以上では製膜時に糸切れ等を多発し好ましくない。
【0045】
さらに、本発明の膜を得るためには凝固後の膜の内径に対する膜厚の比率が0.15〜0.4、好ましくは0.2〜0.3である。膜の内径に対する膜厚の比率が0.15未満では膜の絶対強度が弱くなる傾向にある。また、該比率が0.4を超えると本発明の様な膜の外表面から内表面(又は内表面部位)に向かって孔径が小さくなる傾斜構造は得られにくい傾向にある。何故ならば、内部液中の非溶剤量に対する製膜原液中の溶剤量の割合が多いために、内部液中の非溶剤量のみでは凝固浴に入るまでに製膜原液の膜内表面部位から外表面部位までの相分離を完了できないためである。
【0046】
また、膜の外径は500μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下である。膜の外径が大きくなるとモジュール内の膜面積(充填量)を低下せざるを得ないため、結果として単位時間当たりの処理能力が劣り、好ましくない。逆に膜の外径を大きくしてモジュール内の膜面積(充填量)を同一にするにはモジュール容器を大きくせざるを得ず、結果としてコストアップとなり好ましくない。特に、医療用途で使用されるモジュールは患者の医療費負担を軽減するため高価な大型モジュールにすることは避ける必要がある。以上の処理能力とコストの関係から膜の外径は500μm以下であることが好ましい。
【0047】
さらに、本発明の膜は乾燥させることも可能であり、乾燥に際しては、グリセリン等の保湿剤を含浸させなくても良い。
また、膜に電子線及びγ線等の放射線を照射することにより、膜中のPVPの一部を水に不溶化できることから、膜からの溶出量を低減することが可能である。放射線の照射は、モジュール化前又はモジュール化後のどちらでも良い。また、膜中の全PVPを不溶化してしまうと、膜の膨潤性が悪くなるため分離性能が悪くなり好ましくない。
【0048】
本発明でいう水に不溶であるPVPとは、膜中の全PVP量から水に可溶であるPVP量を差し引いたものである。膜中の全PVP量は、窒素及びイオウの元素分析により容易に算出することができる。
また、水に可溶であるPVP量は、以下の方法により求めることができる。
例えば、膜形成ポリマーがポリスルホン系ポリマーの場合、膜をN−メチル−2−ピロリドンで完全に溶解した後、得られたポリマー溶液に水を添加して膜形成ポリマーを完全に沈殿させる。さらに該ポリマー溶液を静置した後、上澄み液中のPVP量を液体クロマトグラフィーで定量することにより水に可溶であるPVPを定量することができる。
【0049】
【実施例】
以下にこの発明の実施例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
各測定方法は、下記のとおりである。
なお、測定サンプルとして使用した中空糸状膜は、すべて十分に水を含浸させた状態のものを用いた。
【0050】
(透水量の測定)
両端を接着剤で固定した有効長180mmの糸束(内表面積換算で110±10cm2になるように膜本数を揃えたミニモジュール)の内表面から外表面に透過させ、その量をmL(ミリリットル)/(m2・hr・mmHg)で表した。ただし、有効膜面積は内表面換算した。
【0051】
(破断強度の測定)
膜強度は、(株)島津製作所製のオートグラフAGS−5Dを使用し、サンプル長さ20mm、引張りスピード300mm/分で測定した。
【0052】
(阻止径の測定)
阻止径は、
【0020】に記載したとおりの方法で測定されるが、測定には、0.0147μm(Magsphere社製、ポリスチレン系ポリマー、0.0147μm)、0.028μm(Magsphere社製、ポリスチレン系ポリマー、0.028μm)、0.037μm(Magsphere社製、ポリスチレン系ポリマー、0.037μm)、0.062μm(Seradyn社製、ポリスチレン系ポリマー、0.062μm)、0.088μm(Seradyn社製、ポリスチレン系ポリマー、0.088μm)及び0.102μm(Seradyn社製、ポリスチレン系ポリマー、0.102μm)のラテックス粒子(それぞれの粒径精度(±4%))を使用した。
【0053】
【実施例1】
(製膜及び残溶剤の除去)
ポリスルホン(Amoco Engineering Polymers社製P−1700)20.0重量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製 K90、重量平均分子量1,200,000)4.4重量%を、N−メチル−2−ピロリドン75.6重量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は22.0重量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N−メチル−2−ピロリドン54重量%と水46重量%の混合溶液からなる内部液(水の含有量が46重量%)とともに、紡口(2重環状ノズル 0.1mm−0.2mm−0.3mm、ノズル温度60℃、ノズル部での製膜原液の温度60℃)から吐出させ、0.96mのエアギャップを通過させて95±1℃の水からなる凝固浴へ浸漬した。
この時、紡口から凝固浴までを円筒状の筒で囲み、外気が入らないように密閉した。紡速は、80m/分に固定した。ここで、紡速に対するエアギャップの比率は、0.012m/(m/分)であった。
巻き取った糸束を切断後、糸束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去した。さらに、2.5Mradのγ線を照射することにより膜中のPVPの一部を不溶化した。
【0054】
得られた膜を電子顕微鏡にて観察したところ、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造であることが明らかとなった。図1〜3には、本実施例によって得られた膜の電子顕微鏡写真を示した。その他の膜構造及び膜性能等を表1に示す。膜の破断強度は50kgf/cm2以上と高い強度を示し、さらに1,000mL/m2・hr・mmHg以上の優れた透水性能を有する精密濾過膜であることが明らかとなった。さらに、平均粒径0.062μmのラテックス粒子の内圧濾過においても急激な目詰まりがなく長時間安定した濾液量を維持した。
【0055】
【実施例2】
製膜原液中のポリビニルピロリドンを10重量%、N−メチル−2−ピロリドンを70重量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。この時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は50.0重量%であった。得られた膜を電子顕微鏡にて観察したところ、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造であることが明らかとなった。その他の膜構造及び膜性能等を表1に示す。膜の破断強度は50kgf/cm2以上と高い強度を示し、さらに1,000mL/m2・hr・mmHg以上の優れた透水性能を有する精密濾過膜であることが明らかとなった。さらに、阻止径測定に使用した平均粒径0.037μmのラテックス粒子の内圧濾過においても急激な目詰まりがなく長時間安定した濾液量を維持した。
【0056】
【実施例3】
N−メチル−2−ピロリドン63重量%と水37重量%の混合溶液からなる内部液(水の含有量が37重量%)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行った。得られた膜を電子顕微鏡にて観察したところ、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造であることが明らかとなった。その他の膜構造及び膜性能等を表1に示す。膜の破断強度は50kgf/cm2以上と高い強度を示し、さらに1,000mL/m2・hr・mmHg以上の優れた透水性能を有する精密濾過膜であることが明らかとなった。さらに、阻止径測定に使用した平均粒径0.102μmのラテックス粒子の内圧濾過においても急激な目詰まりがなく長時間安定した濾液量を維持した。
【0057】
【実施例4】
N−メチル−2−ピロリドン46重量%と水54重量%の混合溶液からなる内部液(水の含有量が54重量%)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行った。得られた膜を電子顕微鏡にて観察したところ、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造であることが明らかとなった。その他の膜構造及び膜性能等を表1に示す。膜の破断強度は60kgf/cm2以上と高い強度を示し、さらに1,000mL/m2・hr・mmHg以上の優れた透水性能を有する精密濾過膜であることが明らかとなった。さらに、阻止径測定に使用した平均粒径0.028μmのラテックス粒子の内圧濾過においても急激な目詰まりがなく長時間安定した濾液量を維持した。
【0058】
【実施例5】
製膜原液中のポリビニルピロリドンを6.6重量%、N−メチル−2−ピロリドンを73.4重量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。この時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は33.0重量%であった。得られた膜を電子顕微鏡にて観察したところ、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造であることが明らかとなった。その他の膜構造及び膜性能等を表1に示す。膜の破断強度は50kgf/cm2以上と高い強度を示し、さらに1,000mL/m2・hr・mmHg以上の優れた透水性能を有する精密濾過膜であることが明らかとなった。さらに、阻止径測定に使用した平均粒径0.088μmのラテックス粒子の内圧濾過においても急激な目詰まりがなく長時間安定した濾液量を維持した。
【0059】
【比較例1】
製膜原液中のポリビニルピロリドンを3.4重量%、N−メチル−2−ピロリドンを76.6重量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。この時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は17.0重量%であった。得られた膜を電子顕微鏡にて観察したところ、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造であることが明らかとなった。その他の膜構造及び膜性能等を表2に示す。0.0147μmのラテックス粒子の阻止率が初期から100%を示したことから、この膜の阻止径は0.0147μm未満であることが明らかとなった。
【0060】
【比較例2】
実施例1で使用したポリスルホン20重量%、ポリビニルピロリドンを13重量%、およびN−メチル−2−ピロリドンを67重量%を溶解しようとした均一な溶液にすることができなかった。
【0061】
【比較例3】
N−メチル−2−ピロリドン43重量%と水57重量%の混合溶液からなる内部液(水の含有量が57重量%)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行った。得られた膜を電子顕微鏡にて観察したところ、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造であることが明らかとなった。その他の膜構造及び膜性能等を表2に示す。0.0147μmのラテックス粒子の阻止率が初期から100%を示したことから、この膜の阻止径は0.0147μm未満であることが明らかとなった。
【0062】
【比較例4】
N−メチル−2−ピロリドン67重量%と水33重量%の混合溶液からなる内部液(水の含有量が33重量%)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行ったが、糸切れが多発し紡糸できなかった。
【0063】
【比較例5】
製膜原液の温度を45℃、ノズル温度を45℃(ノズル部での製膜原液の温度45℃)にした以外は、実施例2と同様な操作を行ったが、糸切れが多発し紡糸できなかった。
【0064】
【比較例6】
溶剤をN−メチル−2−ピロリドンからN,N−ジメチルアセトアミドにした以外は実施例1と同様な操作を行った。得られた膜を電子顕微鏡にて観察したところ、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造であることが明らかとなった。その他の膜構造及び膜性能等を表2に示す。0.0147μmのラテックス粒子の阻止率が初期から100%を示したことから、この膜の阻止径は0.0147μm未満であることが明らかとなった。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】
本発明の膜は、高い強度と優れた透水性能を有する異方性構造の精密濾過膜であって、特に内圧濾過において目詰まりが少ない優れた精密濾過膜であることから医薬用途、医療用途、及び一般工業用途に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空糸状膜の長さ方向に対して垂直な断面の電子顕微鏡写真である(倍率1,500倍)。
【図2】本発明の膜内表面の電子顕微鏡写真である(倍率10,000倍)。
【図3】本発明の膜外表面の電子顕微鏡写真である(倍率10,000倍)。
Claims (3)
- 芳香族ポリスルホンとポリビニルピロリドンからなり、膜内表面におけるポリビニルピロリドンの濃度が20〜45重量%であって、膜の外表面から内表面に向かって孔径が連続的に小さくなるスポンジ構造からなり、該外表面に平均孔径が1μm以上の円形状あるいは楕円形状の孔を開孔率10〜18.6%で有し、膜の破断強度が69kgf/cm2以上で、内圧濾過における阻止径が0.015〜1μm、さらに水に不溶であるポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする中空糸状精密濾過膜。
- 膜の内径に対する膜厚の比率が0.15〜0.4であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸状精密濾過膜。
- 膜の外径が500μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸状精密濾過膜。
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