JP4172819B2 - 中空糸状濾過膜 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、高い強度と優れた透水性能を有する異方性構造の中空糸状濾過膜に関する。
【背景技術】
【0002】
中空糸状膜は、精密濾過から限外濾過までの工業的用途に広く使われており、膜の素材としてポリエチレン、酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル等が用いられている。これらの素材からなる従来の中空糸状膜は、濾過性能の向上に注力して開発されたものであるため、中空糸状膜の破断強度や破断時の伸びが小さく、急激な温度変化や逆洗時の圧力変化により、しばしば中空糸状膜が破断することが指摘されている。この点を解決するため種々の試みがなされてきたが、一般的にはJP−A−59−228016に記載された発明に示唆されているように、製膜原液中のポリマー濃度を高くして、中空糸状膜全体のポリマー密度を上げる方法が考えられる。しかしながら、この方法では膜の強度が向上する反面、膜の孔径が小さくなるとともに膜の透水量が大幅に低下するため、強度と透水性能のバランスに優れた中空糸状膜は得られていない。
【0003】
一方、膜の透水性能を向上させるためには、膜の孔径を大きくする方法が一般的に行われるが、孔径の増大は一般に膜の分画性能と膜強度の低下を招く。
以上のように、従来技術では、強度、透水性能及び分画性能のバランスがとれた高性能の中空糸状膜は得られていなかった。例えば、JP−A−4−260424には、高強度でかつ透水性能に優れた膜の製法が提案されているが、この製法によって作られた膜は孔径が大きく、透水性能と分画性能とのバランスがとれていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、急激な温度変化や逆洗時の圧力変化に耐え得る高い強度を有し、かつ透水性と分画性のバランスに優れた性能を有する中空糸状膜を提供することにある。
本発明の他の目的は、高強度で、かつ分画性能と透水性能のバランスに優れた中空糸状膜の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の中空糸状濾過膜は、膜の内表面が最大径10〜30μmの太い幹を有する三次元網目構造からなり、膜の最小孔径層の平均孔径が0.01以上1μm未満であることを特徴とする。
また、本発明の中空糸状濾過膜の製造方法は、膜形成ポリマー、該ポリマーの溶剤及び特定の添加剤からなる製膜原液を、該ポリマーに対する良溶剤の高濃度水溶液からなる内部液とともに2重環状ノズルから吐出させ、エアギャップを通過させた後、凝固浴で凝固させることからなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の中空糸状濾過膜(以下単に膜ともいう)の構造を、その代表的な例について図面を用いて説明する。図1は膜の長さ方向に対して垂直な横断面の一部の拡大写真であり、図2は膜の内表面の拡大写真である。
本発明の膜は、内表面と外表面とを有する中空糸の形状を有しており、図1のように膜の一方の表面(例えば内表面)から他方の表面(例えば外表面)まで一体的に連続した網目構造からなる。膜内部の網目構造には、空洞を有する指状構造層や、ボイド層等のポリマーの欠落部分は存在しない。
【0007】
本発明の膜は、膜の外表面又は外表面の近傍に、層中に存在する孔の平均孔径が最も小さい層(以下、この層を最小孔径層という)を有し、かつ、最小孔径層以外の部分では孔の径が膜の内表面に向かうにつれて大きくなるという、孔径についての異方性を有する網目構造からなる。したがって、膜の内表面に存在する孔の平均孔径(以下、内表面の平均孔径という)は、膜の外表面に存在する孔の平均孔径(以下、外表面の平均孔径という)より大きい。
【0008】
膜の内表面には、図2に示すようなほぼ大きさの揃った、断面が円形状の孔が開口している。内表面の平均孔径は、5〜30μm、好ましくは15〜30μmである。平均孔径が5μm未満であると、膜の濾過抵抗が大きくなって透水性能が低下し、30μmを越えると膜の強度が低下する。
【0009】
本発明の膜の大きな特徴は、その内表面が、最大径10〜30μmの太い幹を有する三次元網目構造からなることである。ここでいう幹とは、本発明の膜の内表面に三次元的に連続した網目構造を形成する骨格を意味し、太い幹とは径の大きさが少なくとも10μmの幹をいう。本発明の膜では、膜の内表面、又は内表面とその近傍に、最大径が10〜30μmの範囲にある太い幹が存在する。最も太い幹の径が10μm未満であると、得られる膜の強度が充分でなく、30μmを越えると膜の透水性能が低下する傾向がある。幹、特に太い幹は、例えば図1においては、膜の断面の内表面側(右側)において、その断面を観察することができる。太い幹の断面には小さな細孔が見られるが、この断面をさらに拡大した写真が図3である。図3において、写真の右側が内表面側、左側が外表面側である。図3から、幹の内部が網状多孔質構造、いわゆるハニカム構造になっていることがわかる。図2は幹が三次元網目構造を形成している様子を示している。
【0010】
ハニカム構造の幹を有する膜は、同構造の幹を有しない膜に比べて、膜全体の空孔率が高いにもかかわらず強度の高い膜となる。本発明の膜においては、その素材がポリスルホンであれば65〜85%の空孔率を有し、空孔率の大きさに依存して、破断強度が40〜90kgf/cm2の範囲、破断伸度が50〜140%の範囲の値となる。
【0011】
膜の最小孔径層は、上述のように、膜の一方の表面から他方の表面までの間にある層であって、該層中に存在する孔の平均孔径が最も小さい層をいい、この層が膜の分画性能を決定する。本発明の膜は、外表面、又は外表面近傍に最小孔径層を有しており、膜の最小孔径層中に存在する孔の平均孔径(以下、最小孔径層の平均孔径という)は0.01μm以上1μm未満である。最小孔径層の平均孔径が0.01μm未満であると、膜の透水性能が低下する傾向にあり、1μm以上であると微粒子の除去性能が低下する傾向にある。好ましい最小孔径層の平均孔径は0.05μm以上1μm未満、さらに好ましくは0.05μm以上0.5μm以下である。
【0012】
本発明の中空糸状膜を構成する素材は、ポリスルホン系ポリマー及びポリエーテルイミド系ポリマーである。特に、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルイミドが好ましい。芳香族ポリスルホンとしてはビスフェノールA型ポリスルホンが特に好ましく用いられる。
【00013】
本発明の膜は、従来技術の膜について最小孔径層の平均孔径の値から期待されるよりも飛躍的に大きな透水量を示すという優れた効果を有している。一般的に、膜の透水量を大きくするためには最小孔径層の平均孔径も大きくせざるを得ないため、従来は分画分子量が小さく、かつ透水量が大きい、という性能を示す濾過膜は得られていなかった。これに対して、本発明の膜は、最小孔径層の平均孔径が0.01μm以上1μm未満という小さな値でありながら、その平均孔径が大きくなるにしたがって500〜100,000リットル/hr・m2・atm(25℃で測定)という大きな透水量の値を示すので、分画性能と透水性能のバランスに優れている。
【0014】
以下、本発明の中空糸状膜の製造方法の代表例について述べる。
本発明の中空糸状膜は、膜形成ポリマー、該ポリマーの溶剤、及び特定の添加剤から本質的になる製膜原液を、該ポリマーに対する良溶剤の高濃度水溶液からなる内部液とともに2重環状ノズルから吐出させ、エアギャップを通過させた後、凝固浴で凝固させることにより製造される。
【0015】
本発明の製造方法において用いられる膜形成ポリマーは、ポリスルホン系ポリマー又はポリエーテルイミド系ポリマーである。特に芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルイミドが、上述の構造を有する膜を作るのに適している。芳香族ポリスルホンとしてはビスフェノールA型ポリスルホンが特に好ましく用いられる。
【0016】
添加剤としてはポリビニルピロリドンが好ましく用いられる。これ以外の添加剤を用いたのでは、本発明の膜は得られにくい。
ポリマーの溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられるが、膜形成ポリマーがビスフェノールA型芳香族ポリスルホンであれば、N−メチル−2−ピロリドンが好ましく用いられる。
【0017】
製膜原液は、本質的に膜形成ポリマー、ポリビニルピロリドン等の特定の添加剤、ポリマーの溶剤からなる。製膜原液にその他の添加剤、例えば従来添加剤として知られている水や金属塩等を加えると、本発明の膜は得られにくい。
本発明で用いられる製膜原液のポリマー濃度は、該原液からの製膜が可能で、かつ得られた膜が膜としての性能を有するような濃度の範囲であれば特に制限されず、10〜35重量%、好ましくは10〜30重量%である。高い透水性能又は大きな分画分子量を達成するためには、ポリマー濃度は低い方がよく、10〜25重量%が好ましい。
【0018】
製膜原液中の添加剤(ポリビニルピロリドン)の量は、1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%であるが、用いるポリビニルピロリドンの分子量により最適濃度が決定される。使用されるポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、2,900〜1,100,000の範囲であることが好ましく、2,900〜110,000の範囲であることがより好ましい。
内部液は、中空糸状膜の中空部を形成させるために用いるものであり、膜形成ポリマーに対する良溶剤の高濃度水溶液からなる。例えば、膜形成ポリマーがビスフェノールA型芳香族ポリスルホンであれば、良溶剤はN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる溶剤が用いられる。
高濃度水溶液は、良溶剤を90重量%以上含有する水溶液であることが好ましい。良溶剤を93重量%以上含有する水溶液がより好ましい。良溶剤の含有量が90重量%未満では、膜の内表面近傍に剥離が生じる傾向がある。
【0019】
本発明の中空糸状濾過膜は、公知のチューブインオリフィス型の2重環状ノズルを用いて作製することができる。より具体的には、前述の製膜原液と内部液とをこの2重環状ノズルから同時に吐出させ、若干のエアギャップを通過させた後、凝固浴中に浸漬して凝固させることにより本発明の中空糸状膜を得ることができる。ここでいうエアギャップとは、ノズルと凝固浴との間の隙間を意味する。
エアギャップを円筒状の筒などで囲み、一定の温度と湿度を有する気体を一定の流量でこのエアギャップに流すと、より安定した状態で中空糸状膜を製造することができる。
【0020】
凝固浴としては、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;エーテル類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類などポリマーを溶解しない液体が用いられるが、水を用いることが好ましい。また、凝固浴にポリマーを溶解する溶剤を若干添加することにより凝固速度をコントロールすることも可能である。
凝固浴の温度は、−30℃〜90℃、好ましくは0℃〜90℃、さらに好ましくは0℃〜80℃である。凝固浴の温度が90℃を越えたり、又は−30℃未満であると、凝固浴中の中空糸状膜の表面の状態が安定しにくい。
製膜後、膜中に残存しているポリビニルピロリドンは、分解剤を用いて分解除去することにより取り除かれる。
【0021】
以下に本発明の具体例を示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。物性の測定方法は、下記の通りである。
なお、測定サンプルとして使用した中空糸状膜は、すべて十分に水を含浸させた状態のものを用いた。また、添加剤としてポリビニルピロリドンを用いて得られた膜は、2,000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液中に4時間浸漬した後、80℃の熱水で20時間洗浄して、ポリビニルピロリドンが実質的に存在しない状態の膜とした。
中空糸状膜の透水量は、25℃の限外濾過水を長さ50mmの中空糸状膜のサンプルの内表面から外表面へ透過させたときの、濾過水の量(リットル/hr・m2・atm、ただし25℃で測定)である。ただし、透水量の計算にあたり有効膜面積は内表面で換算した。
【0022】
膜の破断強度及び破断伸度は、(株)島津製作所製のオートグラフAGS−5Dを使用し、サンプルの長さ30mm、引っ張りスピード50mm/分で測定した。
破断強度は、中空糸状膜1本当たりの破断時の荷重を、引っ張る前の膜の断面積で割ることにより、kgf/cm2単位で求め、破断伸度(伸び)は、元の長さに対する破断に至るまでに伸びた長さの比(%)で表した。
分画性能は、0.2wt%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液中に0.137μmの粒径を有する均一なラテックス粒子が0.02体積%の濃度で懸濁するように調製した原液を、中空糸状膜に対して、入り圧と出圧との平均圧力差が0.5kgf/cm2となるように濾過した時の40分後の阻止率を示す。
最小孔径層の平均孔径は、ASTM F316−86に記載されているエアーフロー法により測定した。
【0023】
膜の空孔率は、十分に乾燥した中空糸状膜の糸束を約5cmの長さに切断し、その重量を測定し、この糸束を水中に30分間浸漬してから膜の中空部及び外表面に付着している余分な水を除去した後、微細孔に浸み込んだ水の重量を求め、それぞれの重量を体積に換算し、容積比を求め、次式により空孔率を算出した。
【0024】
【数1】
Figure 0004172819
【0025】
幹の大きさは、膜の断面の電子顕微鏡写真により測定し、幹の断面の径のうち最も長い値とした。
膜の内表面に存在する孔の大きさ及び幹の大きさは、電子顕微鏡写真により測定した。また、内表面の平均孔径は、下記式で示される。
【0026】
【数2】
Figure 0004172819
ここで
Figure 0004172819
は平均孔径、Diはi個目の孔の実測径、Dnはn個目の孔の実測径である。ただし、Di、Dnの実側径は、孔が円形に近い場合は、その直径で表し、孔が円形でない場合には、その孔と同一面積の円の直径で表す。
【0027】
例1(本発明)
ポリスルホン(AMOCO社製、P−3500)20重量%及び乾燥により含水率を0.3重量%以下とした重量平均分子量45,000のポリビニルピロリドン(BASF社製、K30)18重量%を、N−メチル−2−ピロリドン62重量%に溶解して均一な溶液とした。この溶液を60℃に保ち、N−メチル−2−ピロリドン95重量%と水5重量%との混合溶液からなる内部液とともに、紡口(2重環状ノズル 0.5mm−0 7mm−1.3mm)から吐出させ、60mmのエアギャップを通過させて70℃の水からなる凝固浴に浸漬させた。この時、紡口から凝固浴までを円筒状の筒で囲み、筒の中のエアギャップの湿度を100%、温度を45℃に制御した。紡速は20m/分に固定した。得られた中空糸状膜の内表面上、及び内表面から膜厚の20%深さまでの間には、網状多孔質の内部構造を有する太い幹が3次元的に連なった様子が電子顕微鏡下で観察された。この膜の構造と性能を表1に示す。なお、この膜の空孔率は75%であった。
【0028】
例2(本発明)
例1で使用したポリスルホンの代わりに膜形成ポリマーとしてポリエーテルイミド(GENERAL ELECTRIC社製、Ultem1010)を用いた以外は、例1と同様の操作を行い、中空糸状膜を得た。得られた中空糸状膜の構造及び性能を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0004172819
【0030】
例3(比較)
内部液としてN−メチル−2−ピロリドン60重量%と水40重量%との混合溶液を用いた以外は、例1と同様の操作を行い、中空糸状膜を得た。得られた中空糸状膜の構造及び性能を表2に示す。
【0031】
例4(比較)
例1で使用したN−メチル−2−ピロリドンの代わりに、ポリマーの溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミドを用い、内部液としてN,N−ジメチルアセトアミド95重量%と水5重量%との混合溶液を用いた以外は例1と同様の操作を行い、中空糸状膜を得た。得られた中空糸状膜の構造及び性能を表2に示す。
【0032】
例5(比較)
例1で使用したポリビニルピロリドンの代わりに、添加剤として乾燥により含水率を0.3重量%以下とした重量平均分子量36,000のポリエチレングリコール(MERCK社製、PEG35000)を用いた以外は、例1と同一の操作を行い、中空糸状膜を得た。得られた中空糸状膜の構造及び性能を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 0004172819
【0034】
例6(参考)
例1で使用した製膜原液をガラス板上に厚さ150μmに流延し、相対湿度100%、温度45℃、風速0.3m/secの風を5秒間流延面に当てた後、70℃の水中に該流延面を浸漬し凝固させて平膜を得た。得られた膜の断面を電子顕微鏡で観察したところ、膜は風を当てた流延面近傍が最も緻密で、もう一方の面に向かって粗となる異方性構造を有していたが、太い幹を有しない構造であった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の膜は、高い強度を持ち、かつ膜の最小孔径層の平均孔径が小さいにもかかわらず高透水性能を有するので、精密濾過の用途のうち、特に原子力発電所や火力発電所の復水処理の分野、飲料水などの上水、工程水の除濁分野、発酵及び食品の分野での使用に適している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の中空糸状濾過膜の一態様の横断面を示す電子顕微鏡写真(倍率350倍)である。
【図2】図1に示す中空糸状濾過膜の内表面を示す電子顕微鏡写真(倍率1,000倍)である。
【図3】図1に示す中空糸状濾過膜の内表面側に見られる太い幹の部分の断面を拡大した電子顕微鏡写真(倍率5,000倍)である。

Claims (6)

  1. 内表面が最大径10〜30μmの太い幹を有する三次元網目構造からなり、膜の最小孔径層の平均孔径が0.01μm以上1μm未満であり、膜形成ポリマーがポリスルホンまたはポリエーテルイミドである中空糸状濾過膜。
  2. 内表面の平均孔径が外表面の平均孔径よりも大きい請求項1記載の中空糸状濾過膜。
  3. 内表面の平均孔径が5〜30μmである請求項2記載の中空糸状濾過膜。
  4. 太い幹の内部が網状多孔質構造である請求項1記載の中空糸状濾過膜。
  5. 膜形成ポリマー、N−メチル−2−ピロリドン及びポリビニルピロリドンからなる製膜原液を、N−メチル−2−ピロリドンを90重量%以上含有する水溶液からなる内部液とともに2重環状ノズルから吐出させ、エアギャップを通過させた後、凝固浴で凝固させることからなり、該膜形成ポリマーが、ポリスルホン又はポリエーテルイミドである請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸濾過膜の製造方法。
  6. 前記エアギャップの雰囲気の湿度が100%である請求項5記載の中空糸濾過膜の製造方法。
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