JP2008246402A - 中空糸型血液浄化膜およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、内径が150〜300μm、膜厚が5〜30μmである中空糸型血液浄化膜であって、該中空糸型血液浄化膜1本の降伏強力が8.5MPa以上14.5MPa以下、該中空糸型血液浄化膜を内挿したモジュールを用いて測定した5%ウシアルブミン水溶液によるアルブミン篩い係数をSCalb(A)、ウシ全血によるアルブミン篩い係数をSCalb(B)とした時、SCalb(A)/SCalb(B)<2.5であることを特徴とする中空糸型血液浄化膜である。
【選択図】なし
Description
0.03≦SCalb(B)/SCalb(A)≦0.4
すなわち、
2.5≦SCalb(A)/SCalb(B)≦33.33
であることが要件のひとつとして記載されている。
(1)内径が150〜300μm、膜厚が5〜30μmである中空糸型血液浄化膜であって、該中空糸型血液浄化膜1本の降伏強力が8.5MPa以上14.5MPa以下、該中空糸型血液浄化膜を内挿したモジュールを用いて測定した5%ウシアルブミン水溶液によるアルブミン篩い係数をSCalb(A)、ウシ全血によるアルブミン篩い係数をSCalb(B)とした時、SCalb(A)/SCalb(B)<2.5であることを特徴とする中空糸型血液浄化膜。
(2)該中空糸型血液浄化膜の内外両表面を1万倍の倍率で観察した際に、実質的に細孔が観察されないことを特徴とする(1)に記載の中空糸型血液浄化膜。
(3)セルロース誘導体からなることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の中空糸型血液浄化膜。
(4)(1)〜(3)いずれか記載の中空糸型血液浄化膜を乾湿式紡糸法により製造する際、紡糸原液吐出口外径Dcmの紡糸口金より紡糸原液を吐出し、少なくとも紡糸口金から鉛直下方25×Dcm離れた位置の雰囲気温度を20℃以下に冷却することを特徴とする中空糸型血液浄化膜の製造方法。
(5)該Dの範囲が0.01〜0.2cmであることを特徴とする(4)に記載の中空糸型血液浄化膜の製造方法。
(6)乾式部長さが0.1〜100cmであることを特徴とする(4)または(5)に記載の中空糸型血液浄化膜の製造方法。
SCalb=2×Cf/(Ci+Co) [1]
これらを改善するためには、内面の平滑化である。従来、内液として紡糸溶液に不活性な流体を使用する製膜方法では、内面からの凝固よりも外面からの凝固がやや支配的で、微妙な外表面緻密、内表面開孔構造であったが、本発明ではノズルと凝固浴との間に設けられた乾式部(エアギャップ部、AG部)で紡糸原液を冷却することにより、内外両表面からの拮抗した凝固が進行し、内面にも比較的緻密な構造が形成され、結果として平滑な血液接触面が得られる。
また、中空糸膜の内径は150〜300μmであることが好ましい。内径が小さすぎると、中空糸膜中空部を流れる血液の圧力損失が大きくなるため、溶血の恐れがある。また、内径が大きすぎると、中空糸膜中空部を流れる血液のせん断速度が小さくなるため、濾過に伴い血液のタンパク質が膜の内面に堆積しやすくなる。中空糸膜中空部を流れる血液の圧力損失やせん断速度が適度な範囲となる、より好ましい内径は150〜250μmである。
実際に中空糸膜を製造するにあたっては、ノズルの紡糸原液吐出口径をD[cm]とした時、紡糸口金から25×Dcmだけ離れた領域での雰囲気温度が20℃以下の条件下で、乾湿式紡糸することが好ましい。紡糸口金から紡糸原液を吐出すると、紡糸原液中の溶媒の蒸発や冷却により相分離の初期段階であるポリマー核の生成および成長が開始される。この段階で冷却しすぎると、核の成長が十分なされず、膜構造が緻密化しやすい。したがって、ポリマー核の成長が十分なされた後に、冷却するとか、凝固槽にて脱溶媒するなど、段階的に膜構造を固定していくことにより、ポリマーの絡み合いを強固にしつつ、制御された細孔構造を得ることが可能となると考えている。このようにすることで、素材高分子の配向を抑制しながらも十分な生産性を確保することができる。冷却部位がこれよりもノズルに近い、あるいは温度が低い場合には、紡糸原液との温度ギャップが大きいため、紡糸原液が急激に冷却されるなどして糸切れしやすく、生産性が低下する問題も生じ易い。冷却部位がこれよりもノズルから遠い、あるいは温度が高い場合には、エアギャップ部分での凝固が不十分となり、凝固浴槽内で糸切れしやすくなるとか、糸質の欠陥が発生しやすくなる。
凝固浴の温度は凝固速度のコントロールのため10℃以上50℃以下が好ましい。さらには20℃以上40℃以下が好ましい。凝固浴には、必要に応じてグリセリンやエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの非溶媒、また酸化防止剤などの添加剤を加えることもできる。
これらにより、洗浄工程で洗浄液の抵抗を低減できるため中空糸膜の伸びを最小限に抑えることができ、洗浄工程で中空糸膜の伸び量を吸収する必要がなくなり、洗浄工程では実質的に無延伸とすることが可能となった。
透析器の血液出口部回路(圧力測定点よりも出口側)を鉗子で挟んで封止した。37℃に保温した純水を加圧タンクに入れ、レギュレーターにより圧力を制御しながら、37℃恒温槽で保温した透析器の血液流路側へ純水を送り、透析液側から流出した濾液量を測定した。膜間圧力差(TMP)は
TMP=(Pi+Po)/2
とする。ここでPiは透析器入り口側圧力、Poは透析器出口側圧力である。TMPを4点変化させ濾過流量を測定し、それらの関係の傾きから透水性(mL/hr/mmHg)を算出した。このときTMPと濾過流量の相関係数は0.999以上でなくてはならない。また回路による圧力損失誤差を少なくするために、TMPは100mmHg以下の範囲で測定する。中空糸膜の透水性は膜面積と透析器の透水性から算出する。
UFR(H)=UFR(D)/A
ここでUFR(H)は中空糸膜の透水性(mL/m2/hr/mmHg)、UFR(D)は透析器の透水性(mL/hr/mmHg)、Aは透析器の膜面積(m2)である。
透析器の膜面積は中空糸膜の内径基準として求める。
A=n×π×d×L
ここで、nは透析器内の中空糸膜本数、πは円周率、dは中空糸膜の内径(m)、Lは透析器内の中空糸膜の有効長(m)である。
1時間以上純水に浸漬した中空糸膜束を900rpmの回転数で5分間遠心脱液し、重量を測定する。その後、乾燥機中で絶乾し重量を測定する(Mp)。
Wt(空孔に詰まっている水の重量)=遠心後の糸束の重量−Mp
空孔率(Vt)%=Wt/(Wt+Mp/ポリマー密度)×100
東洋ボールドウイン社製テンシロンUTMIIを用いて、引っ張り速度100mm/min、チャック間距離100mmで測定した。
クエン酸を添加し、凝固を抑制した牛血液をヘマトクリット25〜30%、タンパク濃度6〜7g/dlに調製し、37℃で血液浄化器に200mL/minで送液し、一定の流速(Qf:ml/min)で血液をろ過する。このとき、ろ液は血液に戻し、循環系とする。15分毎に濾過流速を測定し、血液浄化器のろ液を採取する。ろ液に含有するタンパクの濃度を測定する。血漿中のタンパク濃度の測定は、体外診断用のキット(マイクロTP−テストワコー、和光純薬工業社)を用いて行う。2時間までのデータをもとに、下の式から平均タンパクリーク量を求め、3L除水換算時のタンパクリーク量(TPL)を算出する。
積算濾過量(ml)=t1(min)×Ct1(ml/min)+(t2-t1)(min)×Ct2(ml/min)+(t3-t2)(min)×Ct3(ml/min)・・・・(t120-tn)(min)×C120min(ml/min)
t:測定時間(min)
C:濾過流速(ml/min)
ろ液のタンパク濃度=a×Ln(積算濾過量)+b
各測定点におけるろ液のタンパク濃度とLn(積算濾過量)からa、bを求める。
TPL(平均)=-a+b+a×Ln(積算濾過量×2)
TPL(3L除水換算)(g)=TPL(平均)×30/1000
血液性能の再現性や性能安定性の評価には3L除水換算のTPL値を指標とした。TPL経時変化率(%)は15分後と2時間後のTPL値より求めた。TPL経時変化率は85%以上が好ましい。
中空糸膜断面のサンプルは以下のようにして得ることができる。測定には中空形成材を洗浄、除去した後、中空糸膜を乾燥させた形態で観察することが好ましい。乾燥方法は問わないが、乾燥により著しく形態が変化する場合には中空形成材を洗浄、除去したのち、純水で完全に置換した後、湿潤状態で形態を観察することが好ましい。中空糸膜の内径、外径および膜厚は、中空糸膜をスライドグラスの中央に開けられたφ3mmの孔に中空糸膜が抜け落ちない程度に適当本数通し、スライドグラスの上下面でカミソリによりカットし、中空糸膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon-V-12Aを用いて中空糸膜断面の短径、長径を測定することにより得られる。中空糸膜断面1個につき2方向の短径、長径を測定し、それぞれの算術平均値を中空糸膜断面1個の内径および外径とし、膜厚は(外径−内径)/2で算出した。5断面について同様に測定を行い、平均値を内径、膜厚とした。
MOD断面のスライス(5mm)を顕微鏡にて観察する。それぞれの長径と短径から短径/長径の比が1/3以下となるものを潰れとする。
中空糸膜100本の断面を200倍の投影機で観察する。一視野中、最も膜厚差がある一本の糸断面について、最も厚い部分と最も薄い部分の厚さを測定する。
偏肉度=最薄部/最厚部
偏肉度=1で膜厚が完璧に均一となる。
膜面積1.5m2(中空糸膜内径基準)の血液浄化器に、総タンパク質濃度7.0±0.5g/dLに調整し、37℃に保温したACD 添加牛血漿を血液側流量200mL/minで流し、市販透析液を500mL/min 、ろ過流量15mL/minで流す。血液浄化器出口血漿はろ過流量分のACD 添加生理食塩水と共に、元の血漿の入ったビーカーに戻すリサイクル回路とする。牛血漿にはヒトβ2MGを0.05〜0.1mg/L の濃度になるように添加する。透析開始から5min間隔で20min間、血液入口、出口、透析液出口中のβ2MG濃度を測定する。クリアランスは以下の式で計算する。
CL(β2MG)=200×[(200×CBi)−(185×CBo)]/(200×CBi)
ここで、CBi :血液入口部濃度、CBo :血液出口部濃度である。
また、以下の式で計算される%MBEが±50%を超える場合はデータとして採用しない。
%MBE=100×(MB−MD)/MD
ここでMB:(200×CBi)−(185×CBo)、MD:515×CDoである。
(1)SCalb(A)
ウシアルブミンを5重量/容量%でPBS(リン酸緩衝)溶液に溶解した液を使用し、37℃の条件下で1.5m2の膜面積(中空糸膜内径基準)を有するモジュールを使用して、アルブミン溶液の流量を200mL/min、濾過流量を15mL/minの条件で測定した際の篩い係数を意味する。この際、アルブミンの灌流および濾過開始から30minを経過した時点で、モジュール流入液のアルブミン濃度(Ci)、モジュール流出液のアルブミン濃度(Co)、濾液のアルブミン濃度(Cf)とから、次式[1]によってふるい係数を算出する。
SCalb=2×Cf/(Ci+Co) [1]
(2)SCalb(B)
タンパク濃度6.5±0.5g/dL、ヘマトクリット30±3%のウシ全血を使用し、37℃の条件下で1.5m2の膜面積を有するモジュールを使用して、ウシ全血の流量を200mL/min、濾過流量を15mL/minの条件で測定した際の篩い係数を意味する。この際、アルブミンの灌流および濾過開始から30minを経過した時点で、上記SCalb(A)と同様に算出する。
膜面積1.5m2のモジュールの透析液側を生理食塩水で満たし、健康人から採取したヘパリン加血200mlを血液バッグに詰め、血液バッグとモジュールをチューブで連結し、37℃で血液流速100ml/min、1時間循環する。循環開始前と循環60分との血液をサンプリングし、白血球数、血小板数を測定する。測定した値はヘマトクリットの値で補正する。
補正値=測定値(60分)×ヘマトクリット(0分)/ヘマトクリット(60分)
補正値から白血球と血小板の変化率を算出する。
変化率=補正値(60分)/循環開始前値×100
60分循環終了後、生理食塩水で返血し、残血している中空糸膜の本数を数え、以下の基準で判定した。
3本以下:○
4〜10本:△
11本以上:×
評価する中空糸膜の内表面を露出させたものを試料とした。原子間力顕微鏡SPI3800にて形態観察をした。この時の観察モードはDFMモード、スキャナーはFS-20A、カンチレバーはDF-3、観測視野は3μm四方である。PV値は膜表面の凹凸を測定した際の基準点に対する全測定点の凹凸の最大値と最小値の差であり、Ra値は基準点に対する全測定点の凹凸の算術平均を表す。
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)17.5質量%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびトリエチレングリコール(TEG)を7対3の割合で均一に溶解し、ついで製膜溶液の脱泡を行った。得られた製膜溶液を10μm、5μmの2段の焼結フィルターに順に通した後、105℃に加温したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤として予め脱気処理した流動パラフィンとともに同時に吐出し、紡糸管により外気と遮断された57mmの乾式部を通過後、32℃の15質量%NMP/TEG(7/3)水溶液中で凝固させ、50℃の洗浄槽を経た後、65℃、65質量%のグリセリン浴に通過させ、ドライヤーで乾燥し、紡糸速度75m/minで巻き上げた。NZ直下から25mmの位置からAG管内の温度は20℃とした。ノズルの外径は1000μmであった。
得られた中空糸膜の内径は199.5μm、膜厚は15.2μm、偏肉度は0.75であった。
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)18.0質量%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびトリエチレングリコール(TEG)を7対3の割合で均一に溶解し、ついで製膜溶液の脱泡を行った。得られた製膜溶液を10μm、5μmの2段の焼結フィルターに順に通した後、105℃に加温したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤として予め脱気処理した流動パラフィンとともに同時に吐出し、紡糸管により外気と遮断され、12℃に調整された57mmの乾式部を通過後、32℃の15質量%NMP/TEG(7/3)水溶液中で凝固させ、50℃の洗浄槽を経た後、65℃、65質量%のグリセリン浴に通過させ、ドライヤーで乾燥し、紡糸速度75m/minで巻き上げた。NZ直下から25mmの位置からAG管内の温度を10℃とした。ノズルの外径は1000μmであった。
得られた中空糸膜の内径は198.5μm、膜厚は15.6μm、偏肉度は0.77であった。
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)17.5質量%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびトリエチレングリコール(TEG)を7対3の割合で均一に溶解し、ついで製膜溶液の脱泡を行った。得られた製膜溶液を10μm、5μmの2段の焼結フィルターに順に通した後、105℃に加温したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤として予め脱気処理した流動パラフィンとともに同時に吐出し、紡糸管により外気と遮断され、12℃に調整された57mmの乾式部を通過後、32℃の15質量%NMP/TEG(7/3)水溶液中で凝固させ、50℃の洗浄槽を経た後、65℃、65質量%のグリセリン浴に通過させ、ドライヤーで乾燥し、紡糸速度75m/minで巻き上げた。NZ直下から100mmの位置からAG管内の温度を20℃とした。ノズルの外径は1000μmであった。
得られた中空糸膜の内径は199.5μm、膜厚は15.7μm、偏肉度は0.76であった。
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)17.5質量%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびトリエチレングリコール(TEG)を7対3の割合で均一に溶解し、ついで製膜溶液の脱泡を行った。得られた製膜溶液を10μm、5μmの2段の焼結フィルターに順に通した後、105℃に加温したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤として予め脱気処理した流動パラフィンとともに同時に吐出し、紡糸管により外気と遮断され、12℃に調整された57mmの乾式部を通過後、32℃の15質量%NMP/TEG(7/3)水溶液中で凝固させ、50℃の洗浄槽を経た後、65℃、65質量%のグリセリン浴に通過させ、ドライヤーで乾燥し、紡糸速度75m/minで巻き上げた。NZ直下から25mmの位置からAG管内の温度を20℃とした。ノズルの外径は300μmであった。
得られた中空糸膜の内径は199.6μm、膜厚は15.3μm、偏肉度は0.79であった。
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)17.5質量%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびトリエチレングリコール(TEG)を7対3の割合で均一に溶解し、ついで製膜溶液の脱泡を行った。得られた製膜溶液を10μm、5μmの2段の焼結フィルターに順に通した後、105℃に加温したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤として予め脱気処理した流動パラフィンとともに同時に吐出し、紡糸管により外気と遮断され、12℃に調整された57mmの乾式部を通過後、32℃の15質量%NMP/TEG(7/3)水溶液中で凝固させ、50℃の洗浄槽を経た後、65℃、65質量%のグリセリン浴に通過させ、ドライヤーで乾燥し、紡糸速度75m/minで巻き上げた。NZ直下から25mmの位置からAG管内の温度を40℃とした。ノズルの外径は1000μmであった。
得られた中空糸膜の内径は199.5μm、膜厚は15.2μm、偏肉度は0.78であった。
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)17.5質量%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびトリエチレングリコール(TEG)を7対3の割合で均一に溶解し、ついで製膜溶液の脱泡を行った。得られた製膜溶液を10μm、5μmの2段の焼結フィルターに順に通した後、105℃に加温したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤として予め脱気処理した流動パラフィンとともに同時に吐出し、紡糸管により外気と遮断され、12℃に調整された57mmの乾式部を通過後、32℃の15質量%NMP/TEG(7/3)水溶液中で凝固させ、50℃の洗浄槽を経た後、65℃、65質量%のグリセリン浴に通過させ、ドライヤーで乾燥し、紡糸速度75m/minで巻き上げた。NZ直下から5mmの位置からAG管内の温度を20℃とした。ノズルの外径は1000μmであった。
得られた中空糸膜の内径は200.6μm、膜厚は15.8μm、偏肉度は0.65であった。
ポリスルホン(アモコ社製P-1700)17質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製K-60)5質量%、DMAc68質量%、水5質量%を50℃で溶解し、ついで製膜溶液の脱泡を行った。得られた製膜溶液を15μm、15μmの2段のフィルターに通した後、40℃に加温したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤として減圧脱気された35質量%DMAc水溶液と同時に吐出し、紡糸管により外気と遮断された600mmのエアギャップ部を通過後、50℃の水中で凝固させた。凝固浴から引き揚げられた中空糸膜は85℃の水洗槽を45秒間通過させ溶媒と過剰の親水性高分子を除去した後巻き上げた。該中空糸膜約10,000本の束を純水に浸漬し、121℃×1時間オートクレーブにて洗浄処理を行った。洗浄後の中空糸膜束を45℃の窒素気流中で乾燥した。得られた中空糸膜の内径は201.2μm、膜厚は43.8μmであった。
NZ直下から25mm の位置からAG管内の温度を0℃とした。ノズルの外径は300μmであった。
得られた中空糸膜の内径は201.2μm、膜厚は30.5μm、偏肉度は0.71であった。
Claims (6)
- 内径が150〜300μm、膜厚が5〜30μmである中空糸型血液浄化膜であって、該中空糸型血液浄化膜1本の降伏強力が8.5MPa以上14.5MPa以下、該中空糸型血液浄化膜を内挿したモジュールを用いて測定した5%ウシアルブミン水溶液によるアルブミン篩い係数をSCalb(A)、ウシ全血によるアルブミン篩い係数をSCalb(B)とした時、SCalb(A)/SCalb(B)<2.5であることを特徴とする中空糸型血液浄化膜。
- 該中空糸型血液浄化膜の内外両表面を1万倍の倍率で観察した際に、実質的に細孔が観察されないことを特徴とする請求項1に記載の中空糸型血液浄化膜。
- セルロース誘導体からなることを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸型血液浄化膜。
- 請求項1〜3いずれか記載の中空糸型血液浄化膜を乾湿式紡糸法により製造する際、紡糸原液吐出口外径Dcmの紡糸口金より紡糸原液を吐出し、少なくとも紡糸口金から鉛直下方25×Dcm離れた位置の雰囲気温度を20℃以下に冷却することを特徴とする中空糸型血液浄化膜の製造方法。
- 該Dの範囲が0.01〜0.2cmであることを特徴とする請求項4に記載の中空糸型血液浄化膜の製造方法。
- 乾式部長さが0.1〜100cmであることを特徴とする請求項4または5に記載の中空糸型血液浄化膜の製造方法。
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