JP2005144205A - 中空糸膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内径が小さい中空糸膜を、凝固性の芯液を用いて低いノズルドラフト比で紡糸する際、中空糸膜内径の錘間差が発生を抑え、紡糸速度を高め、生産性を向上すること。
【解決手段】 チューブインオリフィスノズルを使用した中空糸膜の製造方法において、中空形成剤である芯液のノズル部吐出孔径が130μm未満であり、芯液供給部からノズル吐出部までの芯液流路の圧力損失が50kPa以上であり、かつ1つの芯液供給装置から複数のノズルに芯液を供給することにより課題を解決した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生産性の高い中空糸膜の製造方法に関する。より詳しくは、血液透析用中空糸膜などに用いられる、中空糸膜の内径が比較的小さく、ノズル吐出直後のドラフト比を低く抑える必要がある中空糸膜を、高い紡糸速度、省スペースで、かつ内径ムラを抑えて製造する方法に関する。
血液透析膜や限外ろ過膜に用いられる中空糸膜は、製膜溶液をノズルから吐出する際に、中空形成剤である芯液を製膜溶液の内側から同時に吐出して成型される。芯液は、目的とする中空糸膜によって、空気や非水溶性の溶液、水、水と溶剤の混合液などが用いられる。一部の血液透析膜や限外ろ過膜などの非対称中空糸膜は通常、芯液に水や水溶液など製膜溶液に対して凝固性を持つ液体を使用し、中空糸膜の内側にスキン層を形成させる。このような凝固性芯液を使用した内側にスキン層を持つ中空糸膜は、スキン層部分でのシャープな篩い分け性能を有し、中空糸膜の外側は多孔質な支持層を持つことから、膜抵抗が小さく高い透過性能を有する。
芯液に凝固性の液体を使用する場合、製膜溶液と芯液が接触して形成されたスキン層を保持するために、ノズルドラフトは極力下げる事が好ましい。乾湿式紡糸の場合、ノズルドラフトとはノズル吐出時の製膜溶液と芯液の吐出線速度と、エアギャップを通過して凝固浴に突入するときの中空糸状製膜溶液の走行線速度との比である。ノズルドラフト比が大きいと、ノズルから吐出された製膜溶液と芯液にエアギャップ間でテンションがかかり、吐出直後に形成されたスキン層が破壊されたり、スキン層中の細孔形状が変形したりすることがある。限外ろ過膜と比較すると、一般的に血液透析に使用される中空糸膜の内径は小さく200μm前後である。このような小さな内径の中空糸膜を、低いノズルドラフト比で製造する為には、ノズルのサイズを極めて小さくする事が必要である。ノズルドラフト比を1.0(すなわち、ノズル吐出線速度と、凝固浴に突入する線速度が等しい)にするためには、ノズルの製膜溶液吐出部の内径を、中空糸膜内径に合わせなければならない。すなわち、内径200μmの中空糸膜を得るためには、ノズルの製膜溶液吐出部内径を200μmとする。このため、芯液吐出部は、200μmの内部に形成しなければならず、芯液吐出孔径は、さらに小さくなり、130μm未満になってしまう。
定量性を確保するために、一般的に芯液の吐出は1つのノズルごとに回転式の定量ギアポンプを用い、ギアポンプの回転数を調節することにより、吐出量を制御することが多い。例えば、特許文献1には、紡糸ノズルに紡糸原液を供給する方式として、ノズル複数個につき1個のポンプにより紡糸原液を供給し、分配治具を用いて、各ノズルに均一に分配する方式を用いることが記載されている。粘度の高い紡糸原液について、このような方式を採用することは、ギアポンプなどの手段を用いれば、それほど高い困難性を有するものではない。しかし、血液透析膜など、内径が比較的小さい中空糸膜を低いノズルドラフト比で紡糸するためには、ノズルの芯液吐出孔径を小さくする必要があり、芯液吐出時の圧力損失が大きくなる。特に、生産性を上げるために紡糸速度を高めると、芯液吐出量を必然的に多くすることが必要になり、芯液吐出時の圧力損失がさらに大きくなり、ギアポンプの送液圧力が高まる。回転式のギアポンプは、水や水溶液など比較的粘度が低い流体を高い送液圧力で処理時、吐出効率を均一化することが困難である。特に芯液の供給圧力が50kPa以上の場合に複数のギアポンプを用いると、ギアポンプの吐出効率の個体差が要因で、中空糸膜の内径がノズル毎に異なることがあり問題である。
WO96/35504号公報
すなわち、内径が小さい中空糸膜を、凝固性の芯液を用いて低いノズルドラフト比で紡糸する際には、中空糸膜内径の錘間差が発生し易く、紡糸速度を高め生産性を向上することが困難であった。
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、高い紡糸速度で、中空糸膜内径の錘間差を抑えるための手段を課題とするものである。
本研究者らは、上記問題を解決するために、中空糸膜紡糸の際の、芯液供給方法を検討した結果、以下に示す紡糸方法を見出すにいたった。すなわち、本発明は中空糸膜の製造方法であって、
(1)チューブインオリフィスノズルを使用した中空糸膜の製造方法において、中空形成剤である芯液のノズル部吐出孔径が130μm未満であり、紡糸時の芯液供給部からノズル吐出部までの芯液流路の圧力損失が50kPa以上であり、かつ1つの芯液供給装置から複数のノズルに芯液を供給することを特徴とする中空糸膜の製造方法。
(2)芯液への加圧圧力を制御することで芯液の供給量を制御することを特徴とする(1)の中空糸膜の製造方法。
(3)芯液の供給タンクを複数持ち、タンク内の芯液残量が少なくなったときに、使用中のタンクと、次に使用するタンク内の圧力を均一にしてから芯液の供給タンクを切換ることにより、連続して芯液を供給して紡糸することを特徴とする(1)乃至(2)の中空糸膜の製造方法。
である。
本発明の中空糸膜の製造方法は、高い紡糸速度で、紡糸機台中の錘数が多い場合でも、中空糸膜内径の錘間差を抑える事が可能であり、高品質の中空糸膜を高い生産性で製造できる利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の紡糸方法は、チューブインオリフィスノズルを使用する中空糸膜の紡糸方法である。チューブインオリフィスノズルとは、製膜溶液を吐出する環状のスリット部と、そのスリット部の内側に芯液を吐出する孔を有し、環状スリットから製膜溶液を、その内側の芯液吐出孔から芯液を同時に吐出する事で、中空糸膜を形成するノズルである。芯液の吐出工程を有する如何なる素材、形状の中空糸膜の製造に応用することが可能であるが、中空糸内径が小さく、凝固性芯液を用い、低いノズルドラフト比で、高い紡糸速度の中空糸膜の製造に最適である。
本発明は、中空糸膜の製造において、芯液の吐出孔径が130μm未満であるときに好適に採用できる。芯液の吐出孔径が130μm以上の場合は、ノズル芯液吐出部分の圧力損失が小さく、従来のギアポンプによる錘毎の芯液供給方法でも、中空糸膜内径の錘間差を小さく抑える事が可能である。芯液の吐出孔径の下限は、紡糸する中空糸膜の内径に依存するが、吐出孔径が小さいと、芯液中に含まれる異物などの影響で吐出孔が詰まったり、吐出孔の加工精度が悪いと、ノズル間の圧力損失差が大きくなったりすることがあり、30μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。
本発明は、芯液の供給部からノズル吐出部までの芯液流路の圧力損失が50kPa以上のときに好適に採用できる。圧力損失が50kPa未満の場合は、従来のギアポンプによる錘毎の芯液供給方法でも、中空糸膜内径の錘間差を小さく抑える事が可能である。圧力損失の上限は、芯液吐出孔径や、芯液吐出量に依存するが、圧力損失が大きすぎると供給する芯液に圧力がかかりすぎ、芯液流路や芯液供給部の耐圧化が必要になることがあるので1MPa以下が好ましく、0.5MPa以下がより好ましい。
本発明は、1つの芯液供給装置から複数のノズルに芯液を供給することを特徴とする中空糸膜の製造方法である。1つの芯液供給装置から複数のノズルに芯液を供給する事で、従来の錘毎のギアポンプによる供給方法に比べ、芯液供給量の錘間差を小さく抑える事が可能であるとともに、ギアポンプ吐出効率の錘間差の影響、ギアポンプ吐出効率の経時的な低下およびその錘間差の影響を完全に排除できる。1つの装置から供給するノズルの本数が2本以上であれば、本発明の効果を得る事が可能であり、生産量、コストから供給ノズル本数を決定する事が出来るが、供給本数を多くしすぎると、1つの装置から全てのノズルに均一な圧力損失で芯液を供給する事が困難な場合があり、1000本程度を上限に設定する事が好ましい。また、紡糸機の錘数によって、適当な供給本数を決定することが好ましい。圧力損失は、芯液の吐出量、粘度、芯液吐出部孔径、芯液吐出部の流路長さに依存するので、紡糸する中空糸の内径や、紡糸速度、使用する芯液の種類、ノズルの構造により変化するが、一般的に内径200μmの中空糸を紡速50m/min以上で紡糸する場合に本発明は好適に採用できる。
本発明はさらに、吐出温度における芯液の粘度が3cP以下で比較的低粘度であるときに好適に採用できる。すなわち、粘度の高い芯液を用いる場合には、従来のギアポンプによる錘毎の芯液供給方法でも、錘毎のギアポンプの吐出効率差は小さく、内径の錘間差を小さく抑える事が可能である。
芯液の供給は、ギアポンプを使用することも可能であるが、吐出効率が経時的に低下する事があるので、芯液の加圧圧力制御を採用する事がより好ましい。圧力制御であれば、吐出効率の経時的な低下は発生せず、加える圧力を変えることで、中空糸膜の内径を簡単に制御することが出来好ましい。ただし、芯液吐出の圧力損失が50kPa以下の場合は、芯液吐出部の圧力損失が小さいので、芯液吐出に必要な加圧圧力値は小さくなり、中空糸内径を精度よくコントロールするために、芯液吐出量を微妙に変化させることが難しくなる事がある。
また、1つの芯液供給装置から複数のノズルに芯液を供給するため、本発明に使用するノズルに関しては、芯液吐出部分の加工精度を高めることが好ましい実施態様である。これは公知の方法である、芯液吐出部の孔径、芯液吐出加工部の長さを均一にする事や、各ノズルの芯液導入部の前に、均一に芯液を分配することで達成できる。
芯液を加圧する方法としては、芯液の供給タンクを空気や窒素などで加圧することが採用できるが、この場合、供給タンクが空になると、新たに芯液を注ぎ足し、その後に加圧することになり、供給タンクの容量によって連続して紡糸する時間が制限される事がある。そのため、本発明において、芯液の供給タンクを複数設置し、使用中の供給タンクの芯液が少なくなったときに、次に使用する供給タンクを同じ圧力で加圧しておき、切り替えることにより、紡糸を連続でき好ましい。空になったタンクは、他のタンクから芯液を供給している間に、濃度を調整した芯液を注ぎ足し、次に使用するまでに待機状態とする。このため、供給タンクは2台設置すれば、相互に使用と準備を繰り返す事で紡糸を連続することができるが、整備や清掃などの工程を付与する場合を考えて3台以上設置しても何ら問題はない。
本発明は、あらゆる素材、用途の中空糸膜の製造に好適に採用する事ができるが、中空糸膜の内径が小さく、凝固性芯液を使用し、ノズルドラフト比が低い中空糸膜の製造に最適である。
中空糸膜の内径は、100μm以上300μm以下で、特に200μm前後が好ましい。300μmを超える内径の中空糸膜の製造では、従来の芯液供給方法でも内径錘間差を小さく抑える事が可能である。また、内径が100μm未満の中空糸膜の製造では、芯液吐出部の孔径が50μm未満となることがあり、本発明を採用しても、低いノズルドラフト比で紡糸することは困難な場合がある。その場合は、ノズルドラフト比を高める事が必要になる。
芯液は、気体や製膜溶液に対して非凝固性あるいは凝固性の液体でもよいが、低いノズルドラフト比の採用が望ましい凝固性液体を使用した紡糸に最適である。
ノズルドラフト比は、0.5以上5.0以下が好ましい。ここでノズルドラフトとは、製膜溶液のノズル吐出線速度を(A)(すなわち、製膜溶液の吐出量÷製膜溶液吐出部の断面積)、凝固浴から中空糸膜として取り出すときの巻き出し速度を(B)としたときの(B/A)である。一般的に、ノズルから吐出された芯液や製膜溶液は、吐出直後に膨張する現象を示すので、ノズル吐出線速度と凝固浴導入線速度比が1.0未満の場合でも、エアギャップ間でたるみが発生せずに紡糸することが可能であるが、ノズルドラフト比が0.5未満の場合は、エアギャップ間でたるみが発生し、正常な紡糸が出来ない場合がある。また、ノズルドラフト比が5.0を超える場合は、凝固性芯液を使用すると、中空糸膜内側に形成したスキン層が破壊され、細孔形状が変形する事がある。そのため、ノズルドラフト比は0.8以上2.0以下が特に好ましい。
本発明は、中空糸膜の内径がおよそ200μmで、芯液に凝固性水溶液を用い、内側にスキン層を持つ非対称膜で、生産性を高めるために紡糸機の錘数が多く、紡糸速度が高い血液透析用の中空糸膜の製造方法として適している。このような中空糸膜の素材としては、酢酸セルロースやポリアクリロニトリル、ポリアミドなどがあるが、特にポリスルホン系樹脂とポリビニルピロリドンの混合溶液を製膜溶液とし、溶媒水溶液を芯液として用いるポリスルホン系血液透析用中空糸膜の製造において、本発明は最適に採用できる。
(中空糸の内径、外径、膜厚の測定)
中空糸膜の内径、外径および膜厚は、中空糸膜をスライドグラスの中央に開けられたφ3mmの孔に中空糸膜が抜け落ちない程度に適当本数通し、スライドグラスの上下面でカミソリによりカットし、中空糸膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon−12Aを用いて中空糸膜断面の短径、長径を測定することにより得られる。中空糸膜断面1個につき2方向の短径、長径を測定し、それぞれの算術平均値を中空糸膜断面1個の内径および外径とし、膜厚は(外径−内径)/2で算出した。50断面について同様に測定を行い、平均値を内径、膜厚とした。
(実施例1)
ポリエーテルスルホン(住友ケムテックス社製スミカエクセル5200P)20重量%、ポリビニルピロリドン(PVP)(BASF社製K−90)3.5重量%、ジメチルアセトアミド(DMAc)74重量%、水2.5重量%を混合溶解し、減圧脱泡して製膜溶液を得た。濃度54重量%のDMAc水溶液を芯液とした。芯液吐出部直径100μm、芯液吐出部長さ5mm、製膜溶液吐出用スリット内径200μm、外径300μmのチューブインオリフィス型のノズルを使用した。内容量100Lの耐圧容器(芯液タンク1)に芯液を入れ、120kPaの圧力で窒素により加圧し、芯液タンク下部より、100個のノズルに芯液を供給した。ノズルの温度は53℃、製膜溶液の吐出量は3.14mL/minであり、製膜溶液のノズル吐出線速度は79.9m/minと計算された。また、温度53℃における濃度54重量%のDMAc水溶液の粘度はおよそ0.5cPであった。
100個のノズルから吐出された中空糸膜は、SUS製板に囲まれた長さ80cmのノズルと凝固浴間の気体中を通過し、80℃、5重量%のDMAc水溶液からなる凝固浴に導き、その後、80m/minの速度で中空糸膜を引き出した。計算されるノズルドラフト比は1.00であった。次に、中空糸膜中の溶剤や可溶性のPVPを除去するため、80℃の水洗浴を通過させた。水洗浴槽を通過後、100本の中空糸膜を1つの糸条にまとめ巻き取った。
芯液タンクを2つ設置し、芯液の供給は、芯液タンク1および2の下部から配管でノズルにつながっており、三方コックにて、芯液タンク1および2の切換可能とした。芯液タンク1が空になる前に、芯液タンク2に前記芯液を入れ、120kPaで窒素により加圧し、芯液タンク1が空になる直前に三方コックを芯液タンク2に切り替えることにより、連続して紡糸が可能であった。
乾燥して得られた中空糸膜は、平均内径198μm、平均膜厚42μmであった。中空糸50本の内径、膜厚をランダムに測定し、最大値、最小値、標準偏差を求めた。内径の最大値は203μm、最小値は192μm、標準偏差は1.9μm、膜厚の最大値は43μm、最小値は40μm、標準偏差は0.3μmであった。
紡糸途中で、芯液タンクへの加圧圧力を125kPaに増加させたところ、乾燥して得られた中空糸膜の平均内径は205μmとなった。平均膜厚は変化無かった。大きな内径斑は認められなかった。
さらに、芯液タンクへの加圧圧力は115kPaに変更した所、乾燥後の中空糸膜平均圧力は191μmとなった。すなわち、芯液タンクへの加圧圧力を調節する事により、内径を調節できる事が分かった。
(比較例1)
芯液の供給に、1回転の吐出が0.2mLの定量ギアポンプを用いた。定量ギアポンプは、紡糸に供する前に予め5cPの粘度標準液を用い、ギアポンプ毎の吐出効率が±3%以内であることを確認した。ノズル毎に定量ギアポンプを使用し(すなわち、100台のギアポンプ)、内液吐出量を2.5mL/minとなるように、ギアポンプ回転数を合わせた。
実施例1と同様に紡糸し、乾燥して得られた中空糸膜の平均内径は187μmで、平均膜厚は44μmであった。中空糸50本の内径、膜厚をランダムに測定したところ、内径の最大値は199μm、最小値は122μmであり、標準偏差は18.7μmであった。膜厚の最大値は52μm、最小値は42μmで、標準偏差は3.8μmであった。平均値より極めて細い内径150μm以下の糸が散在し、内径の標準偏差が大きくなった。
本発明は、芯液吐出孔径が小さいノズルを使用する中空糸膜の紡糸において、高い紡糸速度で内径斑が少ない、高品質な中空糸膜の生産性を高める製造方法を提供するものであるが、低コストが要求される血液透析膜として使用される中空糸膜の製造方法として特に好適であり、産業界に寄与することが大である。

Claims (3)

  1. チューブインオリフィスノズルを使用した中空糸膜の製造方法において、中空形成剤である芯液のノズル部吐出孔径が130μm未満であり、紡糸時の芯液供給部からノズル吐出部までの芯液流路の圧力損失が50kPa以上であり、かつ1つの芯液供給装置から複数のノズルに芯液を供給することを特徴とする中空糸膜の製造方法。
  2. ノズルに芯液を供給する際、芯液への加圧圧力を制御することで芯液の供給量を制御することを特徴とする請求項1記載の中空糸膜の製造方法。
  3. 芯液の供給タンクを複数持ち、タンク内の芯液残量が少なくなったときに、使用中のタンクと、次に使用するタンク内の圧力を均一にしてから芯液の供給タンクを切換ることにより、連続して芯液を供給して紡糸することを特徴とする請求項1または2記載の中空糸膜の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008246402A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Toyobo Co Ltd 中空糸型血液浄化膜およびその製造方法
JP2011005431A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Toyobo Co Ltd 中空糸膜の紡糸方法
JP2013031841A (ja) * 2012-08-27 2013-02-14 Toyobo Co Ltd 多孔質中空糸膜の製造方法

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