JP2011005431A - 中空糸膜の紡糸方法 - Google Patents

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剛 寶子山
Masanori Kobayashi
正典 小林
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Abstract

【課題】 多錘紡糸における中空糸形成流体吐出までの圧力損出やタンク液面変動による中空糸膜内径の錘間差変動への影響を抑制した中空糸膜紡糸方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、紡糸原液をチューブインオリフィスノズルの外側環状部より吐出し、中空部形成用流体を中心孔より吐出し、空走部を経て凝固浴に導いて凝固させる中空糸膜の紡糸方法において、中空部形成用流体を複数のノズルに分配するように中空部形成用流体の供給装置から紡糸用ノズルまでの経路中に分岐部を設け、該分岐部とノズルの間に抵抗部を設け、該抵抗部の圧力損失がノズル圧力に対して5倍以上50倍以下であることを特徴とする中空糸膜の紡糸方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は中空糸膜の紡糸方法に関する。より詳しくは、複数のノズルから吐出された中空糸膜の内径の錘間差が抑えられた中空糸膜を、低コストで生産できる紡糸方法に関する。
中空糸膜は、その構造上の特徴から、膜モジュール体積あたりの膜面積が大きいこと、耐ファウリング性に優れること、スケールアップが容易であることから、逆浸透膜、限外濾過膜、精密ろ過膜、血液透析膜など多くの用途に利用されている。
中空糸膜の製造は、中空部形成用流体をノズルの中心孔より吐出し、紡糸原液を外側環状部より吐出することにより製造されている。このとき、吐出ノズルとして、多くの場合、チューブインオリフィスノズルが用いられる。このチューブインオリフィスノズルは、ノズル中心部に中空部形成用流体吐出用の孔があり、その外側にドーナツ状の紡糸原液吐出向けの環状部を有する。
中空糸膜の内径は、中空部形成用流体の吐出量と紡糸速度、ノズルドラフト等に依存しており、連続した紡糸生産中に、内径を上げ下げする場合には、中空部形成用流体の吐出量を調節する。また、複数の紡糸ノズルを有する紡糸機を用いて、中空糸膜を紡糸する際には、一つの紡糸ノズルに対して、一つの中空部形成用流体吐出装置を用いるのが一般的である。
紡糸ノズルの加工精度の問題から、紡糸原液の吐出状態や、中空部形成用流体の吐出時の圧力損失は、個々のノズルによって異なるため、一つの吐出装置から複数のノズルに中空部形成用流体を均等に送流することは困難である。
このような課題に対して、従来技術として、特許文献1には、流体ラインにある一定の圧力損失を設け、加圧することで一定の流量の中空部形成用流体を複数の紡糸ノズルに送液する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、複数の中空部形成用流体用タンクを設ける必要があり、片方から別のタンクに送液を切り替える際に、衝撃が中空部形成用流体に加えられることから、ノズル直下で糸切れが発生することがある。さらに、タンク内の液体量によって、液面の高さが変動し、その結果、水頭圧差が発生して送液量が変動し中空糸内径が経時的に変動する問題がある。
また、紡糸ノズルの中空部形成用流体吐出口の圧力損失を大きくすることにより、中空部形成用流体の吐出量を錘ごとに一定に保つ技術が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この方法は、内径が大きい中空糸膜を製造するにあたって、ノズルの外側環状部から紡糸原液を吐出すると同時に、中心孔から中空部形成用流体として凝固性溶液を用いる技術であって、内径が比較的小さく、また中空部形成用流体に非凝固性の流体を使用する場合には、効果が認められない。また、ノズルの中空部形成用流体吐出出口の圧力損失を大きくすることは、それだけ吐出出口径を小さくしなければならないことを意味し、そのため中空部形成用流体吐出部の詰まりが生じやすく、吐出不良や得られる中空糸膜の品質低下が発生しやすくなるという問題もある。
また、複数の錘からなる紡糸ノズルを組み立てるに当たって、一定圧力で流体を供給したときに吐出流量が一定範囲になるものを選別する技術が提案されている(特許文献3)が、一定範囲外のノズルは使用から除外されてしまい、ノズル作製費がかさんでしまう欠点がある。
さらに、紡糸原液に対して不活性な中空部形成用流体を用いる場合、ノズルの中空部形成用流体吐出出口の圧力損失を一定にしても、吐出後の紡糸原液を一定形状に保つための保持圧力がノズルごとに異なるため、複数のノズル間において中空糸膜の内径ムラが発生することがある。
以上のことから、一つの中空部形成用流体供給装置から、複数の紡糸ノズルに中空部形成用流体を供給するための、有効な方法はいまだ見出されていない。
特開2005−144205号公報 特開2005−232629号公報 特開2001−254221号公報
本発明は上記従来の問題点を解決するために、中空部形成用流体を吐出するまでの圧力損失やタンク液面変動による糸切れ、中空糸膜内径の変動を抑制した中空糸膜の紡糸方法を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するために、複数の紡糸ノズルに中空部形成用流体を供給する際の、供給量のばらつき原因について詳細に検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
1)紡糸原液をチューブインオリフィスノズルの外側環状部より吐出し、中空部形成用流体を中心孔より吐出し、空走部を経て凝固浴に導いて凝固させる中空糸膜の紡糸方法において、中空部形成用流体を複数のノズルに分配するように中空部形成用流体の供給装置から紡糸用ノズルまでの経路中に分岐部を設け、該分岐部とノズルの間に抵抗部を設け、該抵抗部の圧力損失がノズル圧力に対して5倍以上50倍以下であることを特徴とする中空糸膜の紡糸方法である。
2)前記複数の抵抗部の圧力損失が±10%以内である中空糸膜の紡糸方法である。
3)前記抵抗部がステンレス製またはポリテトラフルオロエチレン製のチューブである中空糸膜の紡糸方法である。
4)前記供給装置がギアポンプまたはマスフローコントローラーである中空糸膜の紡糸方法である。
5)中空部形成用流体が紡糸原液に対して不活性な液体または気体である中空糸膜の紡糸方法である。
6)中空部形成用流体が、流動パラフィンもしくは窒素ガスである中空糸膜の紡糸方法である。
本発明の中空糸膜の紡糸方法は、一つの供給装置から複数の紡糸ノズルに中空部形成用流体を均一に送液でき、複数のノズル間において内径が均一な中空糸膜を、低コストで生産できる。
本発明は、中空部形成用流体を一つの供給装置から分岐部を設け、複数の紡糸用ノズルに送流する紡糸方法である。本発明において、中空部形成用流体の供給装置としては、中空部形成用流体が液体の場合は、定量ギアポンプや定圧ポンプなどが挙げられる。また、気体の場合は、マスフローコントローラーや定圧発生装置、あるいはレギュレーターにて調圧する方法などが挙げられるが、気体や液体を一定流量や一定圧力で送液できるものであれば、特に限定されるものではない。
本発明は、中空部形成用流体の供給装置から複数の紡糸用ノズルの間に、中空部形成用流体のノズル吐出抵抗に対して、5倍以上50倍以下の均一な抵抗がかかるような抵抗部を設ける中空糸膜の紡糸方法である。中空部形成用流体の吐出抵抗は、ノズルの流路圧損と、吐出時に紡糸原液を一定形状に保つための保持圧力の和と考えられる。これまでの技術では、主にノズルの流路圧損を一定に揃えることに主眼が置かれていたが、本発明者が詳細に検討した結果、紡糸原液に対して不活性な中空部形成用流体を用いる場合には、中空部形成用流体の吐出抵抗は、ノズルの流路圧損よりも、上記保持圧力の影響を強く受けることが分かった。
本発明において、前記抵抗部における圧力は、ノズル吐出圧力に対して5倍以上であることが好ましい。ここで、ノズル吐出圧力は、前記したように、紡糸原液と中空部形成用流体を吐出し、実際に紡糸されているときの吐出圧力である。吐出圧力のノズルごとのばらつきによって、この倍数の最適値は求めることができるが、ばらつきが20%以内である場合には、5倍とすることで、ばらつきを1/5以下とすることができ、実質的に中空糸内径のばらつきが無視できる、すなわち品質および性能に与える影響が軽微な範囲内とすることができる。この倍数が小さいと、中空部形成用流体分配の均一度が下がることがあるので、5倍以上が好ましく、6倍以上がより好ましく、7倍以上がさらに好ましい。
本発明の目的から、倍数の上限は特に限定されないことは明らかであるが、あえて言及すれば、倍数をあまり大きくとっても、中空部形成用流体分配の均一度は向上せず、また送液圧力があまりに高すぎると、例えば、粘度の低い液体を定量ギアポンプで送液する場合に、吐出効率が低下することがあるので、この倍数は50倍以下が好ましく、40倍以下がより好ましく、30倍以下がさらに好ましい。各抵抗部における圧力のばらつきは10%以内に調整するのが好ましく、8%以内がより好ましく、6%以内がさらに好ましい。
複数のノズルから吐出された中空糸膜の内径のバラツキが大きくなると、そのような中空糸膜を合糸してモジュールを作製した場合に、被処理液の中空糸膜への流入斑が発生し、すなわち流れ易い中空糸膜への過剰な圧力負荷により膜破損の原因や、流れ難い所への滞留による目詰まりやろ過効率の低下の原因となることがある。したがって、中空糸膜の平均内径のばらつきは12%以内が好ましく、10%以内がより好ましく、8%以内がさらに好ましい。
本発明の均一な抵抗部としては、流体に対して均一な圧力損失を与えられるものであれば特に限定されないが、長さを調節したキャピラリーチューブやマイクロチューブ、開度の調節できるデジタルニードルバルブ、厚みを調節できるオリフィスプレート、流体供給部とノズルの間に均一なヘッド差を設けることなどを上げることができ、取扱い性や入手のしやすさから、キャピラリーチューブやマイクロチューブが好ましい。
なお、本発明において、均一な抵抗部として狭小部を設ける場合には、中空部形成用流体中のゴミや異物により、詰まりが発生しないように、供給装置の前後や、分岐部前後に異物除去用のフィルターやメッシュなどを設けることが好ましい。
本発明の均一な抵抗部の素材としては、錆びたり中空部形成用流体によって腐食を受けない素材が好ましく、流体の種類にもよるが、ステンレス、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレン等が上げられる。
本発明は中空部形成用流体が紡糸原液に対して不活性であることを特徴とする。不活性とは、紡糸原液を凝固も溶解もしない流体であり、不活性な液体としてはノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピルなど、不活性な気体としては窒素、アルゴンなどを用いることが可能で、特に限定されるものではないが、より望ましい中空部形成用流体としては、取扱い性と安全性に優れる流動パラフィンや窒素が上げられる。
このように紡糸原液に対して不活性な中空部形成用流体を用いると、ノズル吐出時には紡糸原液は凝固せず、凝固浴に進入するまでのエアギャップ部分で十分な延伸を付与することができるので均一で高い糸強度を有する中空糸膜が得られるが、ノズル吐出時に紡糸原液を支えるための保持圧力が、ノズル吐出口の圧力損失より大きくなる。現在の技術ではノズル加工精度を高めること自体難しく、ノズル吐出後の上記保持圧力を各ノズル間で均一に保つことは極めて困難であり、本発明を適用することにより改善の効果は顕著である。
中空部形成用流体として紡糸原液に対して活性のある液体を用いると、ノズル吐出直後に、中空糸膜内側から瞬時に凝固してしまうため、上記保持圧力はノズル毎に大きく変わることはなく、本発明を適用しなくても、中空糸膜内径をほぼ均一に保つことができる。
ノズルとしてチューブインオリフィスノズルが使用される。このノズルは中心部に中空部形成用流体の吐出口があり、その外側にドーナツ状の紡糸原液吐出用の環状部を有する。環状部の径が大きくなると、中空糸膜の真円形成が難しくなるため、外径3000μm以下が好ましく、外径2000μm以下がより好ましく、外径1200μm以下がさらに好ましい。また、加工精度の問題から、300μm以上が好ましく、400μm以上がより好ましく、500μm以上がさらに好ましい。環状部の幅は加工精度の問題もあり30μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、70μm以上がさらに好ましい。また、均一な膜厚を安定して紡糸するためには1000μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましく、500μmがさらに好ましい。中空部形成用流体の吐出口のL/D(長さ/直径)は、内径形状を安定させるためには、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.5以上がさらに好ましい。また、ノズルの圧力負荷を少なくするためには45以下が好ましく、40以下がより好ましく、35以下がさらに好ましい。中空部形成用流体の吐出口径は、真円度の高い中空糸膜を安定して紡糸するために2000μm以下が好ましく、1500μm以下が好ましく、1000μm以下がさらに好ましい。また、紡糸原液の吐出孔とのバランスを考慮すると100μm以上が好ましく、200μmがより好ましく、400μm以上がさらに好ましい。
本発明において、エアギャップ部分での紡糸原液のノズルドラフト比は5〜30の間とすることが好ましい。ここでいうノズルドラフト比とは、紡糸原液の吐出線速度と、凝固浴から糸をテイクアップするときの引取り速度の比である。ノズルドラフト比が小さいと、上記保持圧力は小さくなり、本発明を適用しなくても中空糸膜内径を均一に保つことができるので、本発明の適用にはノズルドラフト比は5以上が好ましく、6以上がより好ましく、7以上がさらに好ましい。一方、ノズルドラフト比が大きいと、本発明の目的と関係なく、エアギャップ部の張力が大きくなり、その結果糸切れが発生することがあり、30以下が好ましく、25以下がより好ましく、20以下がさらに好ましい。
中空部形成用流体として紡糸原液に対して不活性な流体を使用する場合に、エアギャップ長が長すぎると、可紡性が悪くなるとか、中空糸膜長さ方向における内径斑が発生しやすくなるなどの問題があるため、200mm以下が好ましく、100mm以下がより好ましく、50mm以下がさらに好ましい。またエアギャップ長が短くなると、凝固浴液面の揺れの影響を受け易くなるとか、短距離でドラフトを受けることになり糸切れが多くなることがあるため、3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましく、8mm以上がさらに好ましい。
本発明の中空糸膜の紡糸方法は、例えば、以下のように実施することができる。
ポリマーおよび該ポリマーに対する溶媒、非溶媒を溶解して紡糸原液を調製し、得られた紡糸原液をチューブインオリフィスノズルの外側環状部から吐出すると同時に中心孔より中空部形成用流体を吐出する。ノズルから吐出された紡糸原液は、空中走行部(エアギャップ)を通過させた後、凝固液に浸漬させ凝固、相分離を行なわせる、いわゆる乾湿式紡糸法を用いるのが好ましい。得られた中空糸膜は、過剰の溶媒、非溶媒等を除去するために洗浄工程を経た後、中空糸膜に親水化剤や孔径保持剤を含浸させるための液体槽に浸漬させる。このようにして得られた湿潤中空糸膜をドライヤーに通して乾燥し、ボビンにチーズ状に巻き取る。
本発明において、中空糸膜の素材は、溶媒に溶解し、乾湿式紡糸できるものであれば特に制限はなく、セルロース、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリマーが好適に用いられる。中でも、酢酸セルロースや三酢酸セルロースなどのセルロースアセテート系ポリマーや、ポリスルホンやポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系ポリマーは細孔径を調節しやすく、強度も比較的高いのでより好ましく用いられる。紡糸原液中のポリマー濃度は、用いるポリマーの種類や目的とする中空糸膜の性能、物性、品質により適宜設定する必要があるが、セルロースアセテート系ポリマーを用いる場合には15〜30重量%、ポリスルホン系ポリマーを用いる場合には20〜50重量%が好ましい。
セルロースアセテート系ポリマーやポリスルホン系ポリマーに対する溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられるが、セルロース系ポリマーやポリスルホン系ポリマーの凝固および相分離のコントロールのしやすさ、作業安全性、廃棄処理の観点からN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミドを用いるのが好ましい。
また、紡糸原液に非溶媒を添加する場合には、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が好ましく用いられ、ポリエチレングリコールとしては分子量200、400のものを用いるのが、室温で液体であり取り扱い性に優れる点より好ましい。
さらに、製膜溶液には、公知の酸化防止剤や微孔形成剤などの添加剤を必要に応じて加えることができる。
紡糸原液中の溶媒/非溶媒比は紡糸原液の安定性が高まることや均質膜構造を得やすいことなどから97/3〜40/60とするのが好ましい。90/10〜50/50がより好ましく、80/20〜60/40がさらに好ましい。
本発明において用いる中空部形成用流体としては、ポリマーに対して不活性な液体および気体を用いることができる。不活性な液体としては流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピルなど、不活性な気体としては窒素、アルゴンなどを用いることが可能である。不活性な液体および気体を用いると得られる中空糸膜は均質構造となりやすい。グリセリン等の孔径保持剤を含有する中空糸膜の場合、細孔からの孔径保持剤の脱落防止の観点から均質構造の中空糸膜とするのが好ましく、本発明においては中空部形成用流体として流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、窒素を用いるのが好ましい。
エアギャップを通過した紡糸原液は、凝固液槽に浸漬し、凝固および相分離を進行させる。ここで凝固液としては、紡糸原液の調製に用いた溶媒および非溶媒と水との混合液を用いるのが好ましい。凝固液組成により、得られる中空糸膜の構造、特性が変化するため、溶媒、非溶媒、水の混合比率は目的とする膜構造、膜特性にあわせて試行錯誤により決定する必要がある。本発明において、凝固液の調製に用いる溶媒、非溶媒は、紡糸原液の調製に用いたものと同じものを使用することが好ましく、さらに紡糸時の経時的な組成変化を抑制するため紡糸原液中の溶媒、非溶媒比と同じにするのが好ましい。
洗浄工程は、中空糸膜製造に用いた溶媒、非溶媒等を除去するためのものであり、洗浄装置の構成や用いる洗浄液については特に限定されるものではない。洗浄液については、溶媒、非溶媒と相溶性のあるものであればよく、水、アルコールなどを用いることが可能であり、本発明においては洗浄液として、温水を用いるのが好ましい。
洗浄終了後、乾燥状態の中空糸膜を得る際には、引き続き中空糸膜細孔に孔径保持剤等を含浸させるための工程に導かれる。本発明においては、孔径保持剤としてグリセリンを用いるのが好ましい。グリセリンは医薬品や化粧料の用途として用いられる安全性の高い物質であるが、室温における粘度が高いため、原液のままでは孔径保持剤として使用するのは困難である。したがって、本発明においてはグリセリンを水に溶解したものを100℃以下に加熱した後、中空糸膜と接触させることにより細孔内に含浸するようにしている。溶液中のグリセリン濃度や温度は、中空糸膜の細孔の大きさや数、分布状態によって適宜設定する必要があるが、例えば15〜90重量%のグリセリン水溶液を30〜80℃に加熱した後、中空糸膜と接触させる(中空糸膜細孔内に含浸させる)のが好ましい。グリセリン濃度が低過ぎると、中空糸膜細孔内への含浸性は高まるが乾燥によって細孔が収縮するため、所期の膜特性を得られない可能性がある。したがって、グリセリン濃度は18重量%以上がより好ましく、21重量%以上がさらに好ましい。また、グリセリン濃度が高過ぎると、細孔径の保持効果は高まるが、粘度が高まるため細孔内への含浸性が低下することがある。また、グリセリン水溶液の粘度を低下させるためには温度を上げれば良いが、そうするとグリセリン自体が熱酸化されたり、中空糸膜にダメージを与える可能性がある。したがって、グリセリン濃度は87重量%以下がより好ましく、84重量%以下がさらに好ましい。
このようにして得られた中空糸膜は、次に乾燥工程にて乾燥される。乾燥温度は40〜120℃が好ましい。ここで、中空糸膜を乾燥させる目的としては、中空糸膜に含まれる水を蒸発させて中空糸膜の軽量化を行うだけでなく、モジュール組立て性の確保(ポッティング剤が水と反応し接着不良を起こすことを防ぐ)、グリセリンの脱落防止(余剰の水を蒸発させることによりグリセリンの流動性を低下させる)、膜構造の固定化(その後の温度変化による細孔の拡大縮小を防ぐ)などが挙げられる。乾燥温度が低過ぎると瞬時に水を蒸発させることができず、グリセリンの脱落を招くことがある。したがって、乾燥温度は45℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。また、乾燥温度が高過ぎると、グリセリンが熱酸化を起こすことがある。したがって、乾燥温度は115℃以下がより好ましく、110℃以下がさらに好ましい。
本発明において、中空糸膜の内径は50μm以上300μm以下が好ましい。本発明は、このような内径を有する中空糸膜の製造に特に適している。中空糸膜の内径を小さくすることにより、被処理液が流れる際の圧力損失が大きくなり、モジュール内の内部濾過を促進することができる。しかし、中空糸膜の内径が50μmより小さくなると、被処理液の圧力損失が大きくなりすぎて、被処理液を流すことが困難になることがある。したがって、中空糸膜の内径は60μm以上がより好ましく、70μm以上がさらに好ましい。また、中空糸膜内径が300μmより大きいと、必要な膜面積を得るための中空糸膜本数が多くなり、モジュールのサイズが大きくなり、中空糸膜タイプのメリットを損なうことが有る。したがって、中空糸膜の内径は290μm以下がより好ましく、280μm以下がさらに好ましい。
本発明の方法により得られる中空糸膜の膜構造は、均質構造であることが好ましいことは前記したとおりである。本発明において、膜構造が均質であるとは、SEM(走査電子顕微鏡)で膜断面を1000倍程度で観察した際に、支持層、スキン層など膜断面構造に不均一性が観察されず、また、ボイドやピンホール等も観察されないことを言う。
また、疎水性が比較的強いセルロースアセテート系ポリマーやポリスルホン系ポリマーを素材としているため、中空糸膜を濡らした場合にも、膜厚や中空糸膜内径、中空糸膜外径はほとんど変化しない。
本発明の方法により得られる中空糸膜は、血液透析のほか、血液透析濾過、持続的血液透析、持続的血液透析濾過などの血液浄化用途や水処理用途に好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(中空糸膜内径の測定方法)
ここで、中空糸膜断面のサンプルは以下のようにして得ることができる。紡糸後の中空糸膜を厚さ2mmのスライドガラスの中央に開けられたφ1mmの孔に適当数通し、スライドガラス上下面で剃刀によりカットし、中空部を露出させた断面サンプルを得る。得られたサンプルは投影機(Nikon−12A)を用いて、視野内の任意の10サンプルを無作為に抽出し、各中空糸膜断面内側の短径と長径をそれぞれ測定し、その算術平均値を中空糸膜1個の内径とした。さらに10サンプルの平均値をもってそれぞれ中空糸膜内径とした。
平均内径は、上記測定した15錘分の結果(n1、・・・・・、n15)の平均を平均内径とした。
平均内径(μm)=(n1+・・・・・+n15)/15
平均錘間差は、各15錘について上記測定した中空糸膜内径より算出した。
平均錘間差(R)={(平均内径−n1)^2+・・・・・+(平均内径−n15)^2}^(1/2)
(ノズル圧力測定方法)
紡糸ノズルの内液吐出口先端にチューブを差し込み、圧力計(長野計器株式会社製、ブルドン管型圧力計0〜1kPa)を設置して圧力を測定した。
(実施例1)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温して、0.7cc/minにて外径1000μm、環状部幅が100μmのチューブインオリフィスノズルの外側環状部から吐出し、中心孔より中空部形成用流体である窒素を同時に吐出し、20mmのエアギャップを通過させ、20℃のN−メチルピロリドン/モノエチレングリコール/水=25/10/65からなる凝固液中で凝固させた。中空部形成用流体の吐出口のL/Dは2.2、紡糸速度70m/minにおけるドラフト比は28.3であった。中空部形成用流体として用いた窒素はボンベの下流に設置したマスフローコントローラーにて流量を調整し、エアフィルターを通過した後、15錘に分岐し、それぞれ内径200μmのステンレス製チューブにて各ノズルに分配した。この時、全てのチューブの圧力が2000±20Paになるように各チューブの長さを調整した。このようにして紡糸原液と中空部形成用流体を各ノズルより吐出した際のノズル圧力は200〜300Paであった。水洗し溶媒を除去した後、30重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は195μm、平均錘間差R=11.5μmであった。
(実施例2)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温し、2.7cc/minにて外径1000μm、環状部幅が100μmのチューブインオリフィスノズルから中空部形成用流体である流動パラフィン(松本油脂製薬社)と同時に吐出し、45mmのエアギャップを通過させ、15℃のN−メチルピロリドン、モノエチレングリコール、水から成る40%の凝固液中で凝固させた。中空部形成用流体の吐出口のL/Dは2.2、紡糸速度70m/minにおけるドラフト比は15.3であった。流動パラフィンは5μmの焼結フィルターを経て1つのギアポンプから、内径300μmのテフロン(登録商標)製チューブ15本を圧力3000±30Paに調整して用いた。この時、ノズル圧力は300〜400Paであった。水洗し溶媒を除去した後40重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は195μm、平均錘間差R=7.0μmであった。
(実施例3)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温し、10cc/minにて外径1000μm、環状部幅が100μmのチューブインオリフィスノズルから中空部形成用流体である流動パラフィン(松本油脂製薬社)と同時に吐出し、エアギャップを通過させ、35℃のN−メチルピロリドン、モノエチレングリコール、水から成る40%の凝固液中で凝固させた。中空部形成用流体の吐出口のL/Dは2.2、紡糸速度70m/minにおけるドラフト比は19.8であった。流動パラフィンは5μmの焼結フィルターを経て1つのギアポンプから、内径300μmのテフロン(登録商標)製チューブ15本を圧力9000±90Paに調整して用いた。この時、ノズル圧力は200〜300Paであった。水洗し溶媒を除去した後40重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は203μm、平均錘間差R=8.5μmであった。
(実施例4)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温し、10cc/minにて外径2500μm、環状部幅が500μmのチューブインオリフィスノズルから中空部形成用流体である流動パラフィン(松本油脂製薬社)と同時に吐出し、エアギャップを通過させ、35℃のN−メチルピロリドン、モノエチレングリコール、水から成る40%の凝固液中で凝固させた。中空部形成用流体の吐出口のL/Dは1.6、紡糸速度70m/minにおけるドラフト比は28.8であった。流動パラフィンは5μmの焼結フィルターを経て1つのギアポンプから、内径300μmのテフロン(登録商標)製チューブ15本を圧力3000±30Paに調整して用いた。この時、ノズル圧力は200〜300Paであった。水洗し溶媒を除去した後40重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は201μm、平均錘間差R=10.0μmであった。
(実施例5)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温し、2.5cc/minにて外径400μm、環状部幅が70μmのチューブインオリフィスノズルから中空部形成用流体である流動パラフィン(松本油脂製薬社)と同時に吐出し、エアギャップを通過させ、35℃のN−メチルピロリドン、モノエチレングリコール、水から成る40%の凝固液中で凝固させた。中空部形成用流体の吐出口のL/Dは2.8、紡糸速度70m/minにおけるドラフト比は5.4であった。流動パラフィンは5μmの焼結フィルターを経て1つのギアポンプから、内径300μmのテフロン(登録商標)製チューブ15本を圧力3000±30Paに調整して用いた。この時、ノズル圧力は200〜300Paであった。水洗し溶媒を除去した後40重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は199μm、平均錘間差R=9.0μmであった。
(実施例6)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温し、2.7cc/minにて外径1000μm、環状部幅が100μmのチューブインオリフィスノズルから中空部形成用流体である流動パラフィン(松本油脂製薬社)と同時に吐出し、45mmのエアギャップを通過させ、15℃のN−メチルピロリドン、モノエチレングリコール、水から成る40%の凝固液中で凝固させた。中空部形成用流体の吐出口のL/Dは2.2、紡糸速度70m/minにおけるドラフト比は15.1であった。流動パラフィンは5μmの焼結フィルターを経て1つのギアポンプから、内径300μmのテフロン(登録商標)製チューブ15本を圧力3000±30Paに調整して用いた。この時、ノズル圧力は300〜400Paであった。水洗し溶媒を除去した後40重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は280μm、平均錘間差R=7.6μmであった。
(実施例7)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温し、2.7cc/minにて外径1000μm、環状部幅が100μmのチューブインオリフィスノズルから中空部形成用流体である流動パラフィン(松本油脂製薬社)と同時に吐出し、45mmのエアギャップを通過させ、15℃のN−メチルピロリドン、モノエチレングリコール、水から成る40%の凝固液中で凝固させた。中空部形成用流体の吐出口のL/Dは2.2、紡糸速度70m/minにおけるドラフト比は15.1であった。流動パラフィンは5μmの焼結フィルターを経て1つのギアポンプから、内径250μmのテフロン(登録商標)製チューブ15本を圧力3000±20Paに調整して用いた。この時、ノズル圧力は300〜400Paであった。水洗し溶媒を除去した後40重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は295μm、平均錘間差R=6.2μmであった。
(比較例1)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温し、チューブインオリフィスノズルから中空部形成用流体である窒素と同時に吐出し、エアギャップを通過させ、20℃のN−メチルピロリドン、モノエチレングリコール、水から成る35%の凝固液中で凝固させた。窒素供給を1台のマスフローコントローラーからエアフィルターを経由して15錘に分岐した。水洗し溶媒を除去した後30重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は195μm、平均錘間差R=30μmであった。
(比較例2)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温し、チューブインオリフィスノズルから中空部形成用流体である流動パラフィンと同時に吐出し、エアギャップを通過させ、15℃のN−メチルピロリドン、モノエチレングリコール、水から成る40%の凝固液中で凝固させた。流動パラフィンは5μmの焼結フィルターを経て1つのギアポンプから、テフロン(登録商標)チューブにて15錘に分岐した。水洗し溶媒を除去した後40重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は196μm、平均錘間差R=25.7μmであった。
(比較例3)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)23重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社)55重量%、モノエチレングリコール(三井化学社)22重量%を130℃で溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を150℃に昇温し、チューブインオリフィスノズルから中空部形成用流体である流動パラフィンと同時に吐出し、エアギャップを通過させ、15℃のN−メチルピロリドン、モノエチレングリコール、水から成る40%の凝固液中で凝固させた。流動パラフィンは5μmの焼結フィルターを経て1つのギアポンプから、内径250μmのテフロン(登録商標)製チューブ15本を圧力500±70Paに調整して用いた。この時、ノズル圧力は200〜400Paであった。水洗し溶媒を除去した後40重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の内径は195μm、平均錘間差R=16.5μmであった。
(比較例4)
比較例2と同じ製膜条件において、抵抗部の圧力を20〜30kPaとした。水洗し溶媒を除去した後45重量%のグリセリン水溶液中を通過させドライヤーで乾燥し巻き上げた。得られた中空糸膜の平均錘間差はR=8.3μmとバラツキは少ないものの、内径は178μmと目標とする内径より小さくなってしまった。
Figure 2011005431
本発明は、一つの中空部形成用流体の供給装置から複数の紡糸ノズルに中空部形成用流体(芯液)を送液する際に、ノズルの流路圧損と吐出時の保持圧力の和で表される吐出抵抗が複数の紡糸ノズルにおいて略均一になるような配慮をしているので、内径が均一な中空糸膜を低コストで生産することができ、産業界に寄与することが大である。

Claims (6)

  1. 紡糸原液をチューブインオリフィスノズルの外側環状部より吐出し、中空部形成用流体を中心孔より吐出し、空走部を経て凝固浴に導いて凝固させる中空糸膜の紡糸方法において、中空部形成用流体を複数のノズルに分配するように中空部形成用流体の供給装置から紡糸用ノズルまでの経路中に分岐部を設け、該分岐部とノズルの間に抵抗部を設け、該抵抗部の圧力損失がノズル圧力に対して5倍以上50倍以下であることを特徴とする中空糸膜の紡糸方法。
  2. 前記複数の抵抗部の圧力損失が±10%以内であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜の紡糸方法。
  3. 前記抵抗部がステンレス製またはポリテトラフルオロエチレン製のチューブであることを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜の紡糸方法。
  4. 前記供給装置がギアポンプまたはマスフローコントローラーであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の中空糸膜の紡糸方法。
  5. 中空部形成用流体が紡糸原液に対して不活性な液体または気体であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の中空糸膜の紡糸方法。
  6. 中空部形成用流体が、流動パラフィンもしくは窒素ガスであることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の中空糸膜の紡糸方法。
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