JP5109083B2 - チューブインオリフィス型ノズルの検査方法および中空糸膜の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本願発明は以下のものである。
(1)本発明は、中空糸膜製造用のチューブインオリフィス型ノズルの検査方法であって、該ノズルの外側環状部に25℃での粘度0.89cP以上1011cP以下の流体を、室温にて線速度0.1m/s以上5.0m/s以下で吐出した際に、該ノズルから吐出された流体の曲がりがノズルの中心軸に対して角度12度未満のものを良品として選別するチューブインオリフィス型ノズルの検査方法である。
(2)また、ノズルの外側環状部の幅が50μm以上400μm以下であることを特徴とするチューブインオリフィス型ノズルの検査方法である。
(3)また、ノズルの外側環状部の外径が200μm以上3000μm以下であることを特徴とするチューブインオリフィス型ノズルの検査方法である。
(4)また、流体が、水、低級アルコール、脂肪族炭化水素、製膜原液の調製に用いる溶剤および非溶剤から選ばれる1種以上であるチューブインオリフィス型ノズルの検査方法である。
(5)また、鉛直上向きまたは下向きに固定されたノズルから流体を吐出して曲がりを測定することを特徴とするチューブインオリフィス型ノズルの検査方法である。
(6)さらに、選別された複数本のチューブインオリフィス型ノズルの外側環状部から紡糸原液を吐出し、内管より中空形成剤を吐出し、凝固、水洗することを特徴とする中空糸膜の製造方法である。
ノズルの軸方向に対して流体に曲がりが生じるということは、吐出孔内部で流体の流速にばらつきが生じているか、または視覚的に判別できない程度の環状部の偏心や閾部の曲がりがあるためである。このようなノズルを中空糸膜の紡糸に使用すると、流速が大きい部分で膜厚が大きくなり、流速が小さい部分で膜厚が小さくなる傾向にある。それによって偏肉度の低下を引き起こすことにつながる。したがって、ノズルから吐出された流体の曲がりはノズルの中心軸方向に対して、小さいほうが好ましい。
例えば、中空糸膜を血液浄化用に用いる場合、血液浄化用の中空糸膜は一般的に膜厚が10〜50μm程度と薄く、偏肉度が大きすぎると必要な強度が得られないとか、膜性能の偏りが生じるなどの問題が生じることがある。また、このような中空糸膜は血液浄化器作製時に中空糸膜が折れたり切れたりして血液浄化器作製の歩留まりを低下させたり、血液浄化器を作製できたとしても臨床使用中に中空糸膜が破れ血液が漏出するとか、膜厚の薄い部分から有用タンパクが漏れるなどの問題を引き起こす可能性がある。したがって、中空糸膜の偏肉度は高い方がよく、0.75以上がより好ましく、0.85以上がさらに好ましく、0.90以上がさらにより好ましい。
本発明者らが偏肉度と流体曲がりとの関係について調べたところ、図1に示すように、流体曲がりがほぼ12度未満であれば、中空糸膜の偏肉度が概ね0.65以上の範囲に入ることを突き止めたものである。
さらに、製膜溶液には、酸化防止剤や微孔形成剤、ポリビニルピロリドンなどの親水化剤を必要に応じて加えることができる。
本発明においては、選別されたノズルを使用し、中空糸膜の膜厚の偏りを抑制しているため、膜厚全体を通してグリセリンの含浸が均一になされるという副次効果も得られる。
本発明においては、選別されたノズルを使用し、中空糸膜の膜厚の偏りを抑制しているため、乾燥工程における乾燥斑を抑えることができるとか、収縮斑を抑えることができるなど品質面、性能面に与える悪影響を排除できる。
中空糸膜断面のサンプルは以下のようにして得る事ができる。測定には中空形成剤を洗浄、除去した後、中空糸膜を乾燥させた状態で観察する。乾燥方法は特に問わないが、乾燥により著しく形態が変化する場合には中空形成剤を洗浄、除去した後、純水に置換し、湿潤状態で観察を行う。中空糸膜を厚さ2mmのスライドガラスの中央に開けられたφ1mmの孔に適当数通し、スライドガラス上下面で剃刀によりカットし、中空部を露出させた断面サンプルを得る。得られたサンプルは投影機(Nikon-12A)を用いて、視野内の任意の5サンプルを無作為に抽出し、各中空糸膜断面内側の短径と長径をそれぞれ測定し、その算術平均値を中空糸膜1個の内径とした。さらに5サンプルの平均値をもって中空糸膜内径とした。
中空糸膜内径、膜厚の測定方法の項に記載したのと同様のサンプルを用い、中空糸膜100本の断面を200倍の投影機で観察する。一視野中、最も膜厚差がある一本の中空糸膜断面について、最も厚い部分と最も薄い部分の厚さを測定する。
偏肉度=最薄部/最厚部
偏肉度=1で膜厚が完璧に均一となる。
ノズルを検査装置に吐出口が上向きになるように設置し、ノズル検査用流体として「粘度0.89cP(25℃)の純水」を用い、室温で「スリット幅50μm」、「外径1000μm」のノズルより「吐出線速度1.1m/s」で吐出した。下から上方向に吐出を行い、ノズルの中心軸方向に対する曲がりの角度を測定した。このノズル検査法で「曲がりの角度が12度以下」のノズルを使用し、製膜原液として、セルローストリアセテート(ダイセル化学工業社製)18.5質量%、N‐メチル‐2‐ピロリドン(三菱化学社製)57.05質量%、トリエチレングリコール(三井化学社製)24.45質量%を180℃にて混合溶解させたものを用い、これを焼結フィルターに通した後、紡糸用口金から垂直下方に向け吐出した。同時に内側の管には流動パラフィンを芯液として供給し、エアギャップ部を通過させた後、凝固浴に浸漬した。凝固浴から引き出された中空糸膜を、引き続き水洗槽に導き過剰の溶媒、非溶媒を洗浄した後、グリセリン処理槽、乾燥工程を経てボビンに巻き取った。こうして得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は16μmであった。偏肉度の測定結果ほかを表1にまとめた。
実施例1と同様の検査方法で、「粘度0.89cP(25℃)の純水」を用い、「スリット幅50μm」、「外径1000μm」のノズルより「吐出線速度1.1m/s」で吐出し、「曲がりの角度が12度超」のノズルのみを用いて紡糸した。得られた中空糸膜の断面検査の結果を表1に示した。
実施例1と同様の検査方法で、「粘度0.89cP(25℃)の純水」を用い、「スリット幅400μm」、「外径2500μm」のノズルより「吐出線速度1.1m/s」で吐出し「曲がりの角度が12度以下」であるノズルのみを用いて紡糸した。得られた中空糸の断面検査の結果を表1に示した。
実施例1と同様の検査方法で、「粘度0.89cP(25℃)の純水」を用い、「スリット幅400μm」、「外径2500μm」のノズルより「吐出線速度1.1m/s」で吐出し、「曲がりの角度が12度超」であるノズルのみを用いて紡糸した。得られた中空糸の断面検査の結果を表1に示した。
実施例1と同様の検査方法で、「粘度1011cP(25℃)のグリセリン」を用い、「スリット幅100μm」、「外径1000μm」のノズルより「吐出線速度1.1m/s」で吐出し、「曲がりの角度が12度以下」であるノズルのみを用いて紡糸した。得られた中空糸の断面検査の結果を表1に示した。
実施例1と同様の検査方法で、「粘度1011cP(25℃)のグリセリン」を用い、「スリット幅100μm」、「外径1000μm」のノズルより「吐出線速度1.1m/s」で吐出し、「曲がりの角度が12度超」であるノズルのみを用いて紡糸した。得られた中空糸の断面検査の結果を表1に示した。
実施例1と同様の検査方法で、「粘度0.89cP(25℃)の純水」を用い、「スリット幅100μm」、「外径1000μm」のノズルより「吐出線速度5.0m/s」で吐出し、「曲がりの角度が12度以下」であるノズルのみを用いて紡糸した。得られた中空糸の断面検査の結果を表1に示した。
実施例1と同様の検査方法で、「粘度0.89cP(25℃)の純水」を用い、「スリット幅100μm」、「外径1000μm」のノズルより「吐出線速度5.0m/s」で吐出し、「曲がりの角度が12度超」であるノズルのみを用いて紡糸した。得られた中空糸の断面検査の結果を表1に示した。
Claims (6)
- 中空糸膜製造用のチューブインオリフィス型ノズルの検査方法であって、該ノズルの外側環状部に25℃での粘度0.89cP以上1011cP以下の流体を、室温にて線速度0.1m/s以上5.0m/s以下で吐出した際に、該ノズルから吐出された流体の曲がりがノズルの中心軸に対して角度12度未満のものを良品として選別するチューブインオリフィス型ノズルの検査方法。
- ノズルの外側環状部の幅が50μm以上400μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のチューブインオリフィス型ノズルの検査方法。
- ノズルの外側環状部の外径が200μm以上3000μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のチューブインオリフィス型ノズルの検査方法。
- 流体が、水、低級アルコール、脂肪族炭化水素、製膜原液の調製に用いる溶剤および非溶剤から選ばれる1種以上である請求項1〜3いずれかに記載のチューブインオリフィス型ノズルの検査方法。
- 鉛直上向きまたは下向きに固定されたノズルから流体を吐出して曲がりを測定することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のチューブインオリフィス型ノズルの検査方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載された方法により選別された複数本のチューブインオリフィス型ノズルの外側環状部から紡糸原液を吐出し、内管より中空形成剤を吐出し、凝固、水洗することを特徴とする中空糸膜の製造方法。
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