JP6046065B2 - 分離回収装置及びそれを用いた部品の取出方法 - Google Patents

分離回収装置及びそれを用いた部品の取出方法 Download PDF

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Description

本発明は、分離回収装置及びそれを用いた部品の取出方法に関し、更に詳しくは、平板状の板材から、レーザー加工された部品を連続して分離回収できる分離回収装置及びそれを用いた部品の取出方法に関する。
板材を切断する方法として、レーザー加工が注目されている。
レーザー加工においては、レーザー光を用いてその動きをプログラム制御することにより、精密に板材を所望の形状に切断することができ、且つバリが発生しにくいという利点がある。
そして、レーザー加工された部品は、様々な方法で取り出される。
部品の取出方法としては、例えば、レーザー切断機構によって製品と周辺残材とに溶断し、周辺残材は、載置部の周辺から自重により落下して容器によって回収され、被加工脆性板から切り出された製品は、ロボットアームによって吸着保持され、搬出用コンベアに移送し、搬出用コンベアによって搬送する取出方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、レーザー切断装置の下流側に配設され、且つ、切断済みの部品である製品部品及びスクラップ部品を分離して回収する分離回収装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。かかる分離回収装置は、搬送手段と、搬送手段により搬送される移載部材と、移載部材に設けられ且つ製品部品を吸着するための吸着手段と、該移載部材に設けられ且つスクラップ部品を下方に押圧するための押圧手段と、吸着手段の吸着・解除を制御する制御手段と、を備えている。
特開2007−319893号公報 特許第4705139号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の取出方法及び上記特許文献2記載の分離回収装置においては、部品を連続して取り出すには必ずしも効率が良いとはいえない。特に、板材を、部品と該部品の内側に位置する内部切断片と部品の縁側に位置する縁部切断片とに分ける場合は、取出すこと自体が困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、板材を、部品と、該部品の内側に位置する内部切断片と、部品の縁側に位置する縁部切断片とに分け、その間の部品を効率良く連続して取り出すことができる分離回収装置及びそれを用いた部品の取出方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、平板状の板材をレーザー光で切断するレーザーブランキング装置と、縁部切断片をスクラップシュートに落下させる第1搬送コンベアと、内部切断片を取り出し除去するロボットと、を備えることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、(1)平板状の板材をレーザー光で切断し、部品、該部品の内側に孤立して位置する内部切断片、及び、該部品の縁側に開放されて位置する縁部切断片、に分割するレーザーブランキング装置と、部品、内部切断片及び縁部切断片を搬送しながら、縁部切断片をスクラップシュートに落下させる第1搬送コンベアと、該第1搬送コンベア上の内部切断片を取り出し除去するロボットと、部品を搬送する第2搬送コンベアと、第1搬送コンベアと第2搬送コンベアとの間に、内部切断片を落下させることができるスクラップ分離コンベアを更に備え、該スクラップ分離コンベアが独立に部品の搬送方向と垂直に移動可能な複数のエンドレスベルトにより構成されており、該スクラップ分離コンベアから第2搬送コンベアに部品が受け渡される分離回収装置に存する。







本発明は、(2)第2搬送コンベアが、部品を下面に磁着させる第1電磁コンベアと、該第1電磁コンベアから受け渡され部品を下面に磁着させる第2電磁コンベアとからなり、第1電磁コンベアが連続運転で部品を搬送するものであり、第2電磁コンベアが間欠運転で部品を搬送するものである上記(1)記載の分離回収装置に存する。
本発明は、(3)第2電磁コンベアから所定の位置で落下させた部品を載置するための載置台を更に備える上記(2)記載の分離回収装置に存する。
本発明は、()内部切断片が、別部品と、残余片とに切断されており、ロボットが、別部品と、残余片とを把持し、残余片をスクラップシュートに落下させると共に、別部品を回収する上記(1)〜()のいずれか1つに記載の分離回収装置に存する。
本発明は、()レーザーブランキング装置と、第1搬送コンベアとの間に、部品を洗浄するための洗浄機を更に備える上記(1)〜()のいずれか1つに記載の分離回収装置に存する。
本発明は、()レーザーブランキング装置が、板材にレーザー光を照射するレーザーノズルと、レーザーノズルの下方に設けられた一対の上流側支持ローラ及び下流側支持ローラと、上流側支持ローラ及び下流側支持ローラの下方に設けられた引込ローラと、上流側支持ローラ、下流側支持ローラ及び引込ローラに案内され、板材を搬送するためのエンドレスコンベアと、を備え、レーザーノズルを移動させながら、該レーザーノズルからレーザー光を板材に向けて照射すると共に、上流側支持ローラ、下流側支持ローラ及び引込ローラをレーザーノズルの移動に追従させる上記(1)〜()のいずれか1つに記載の分離回収装置に存する。
本発明は、()エンドレスコンベアの上方には、エンドレスコンベアの進行方向に直交するようにX軸レールが取り付けられており、エンドレスコンベアの左右両端には、エンドレスコンベアの進行方向に沿ってY軸レールが取り付けられており、レーザーノズルがX軸レールに案内されて移動可能となっており、X軸レールがY軸レールに案内されて移動可能となっている上記()記載の分離回収装置に存する。
本発明は、()上流側支持ローラ及び下流側支持ローラの間には、スパッタ受け箱が設置されている上記()又は()に記載の分離回収装置に存する。
本発明は、()上記(1)〜()のいずれか1つに記載の分離回収装置を用い、平板状の板材からレーザー加工された部品を取り出す部品の取出方法であって、板材を、レーザー光で切断し、部品、該部品の内側に孤立して位置する内部切断片及び部品の縁側に開放されて位置する縁部切断片に分割するレーザー加工工程と、部品、内部切断片及び縁部切断片を搬送する第1搬送工程と、部品を搬送しながら縁部切断片を落下させる落下工程と、部品を搬送しながら内部切断片をロボットで除去する除去工程と、部品を搬送する第2搬送工程と、を備え、レーザー加工工程、第1搬送工程及び落下工程が、連続運転で行われる部品の取出方法に存する。
本発明は、(10)部品を落下させ積層させるパイリング工程を更に備える上記()記載の部品の取出方法に存する。
本発明は、(11)板材を搬送しながらレーザー加工工程が行われる上記()又は(10)に記載の部品の取出方法に存する。














本発明の分離回収装置は、平板状の板材をレーザー光で切断するレーザーブランキング装置を備えるので、平板状の板材を、所望の形状の部品、内部切断片及び縁部切断片に切断することができる。
そして、第1搬送コンベアが縁部切断片をスクラップシュートに落下させ、ロボットが内部切断片を取り出し除去することにより、部品を効率良く連続して取り出すことが可能となる。
本発明の分離回収装置においては、第2搬送コンベアが第1電磁コンベア及び第2電磁コンベアからなる場合、例えば、第1搬送コンベアから受け渡される部品を第1電磁コンベアにおいて連続運転で搬送すると共に搬送速度を調整し、当該第1電磁コンベアから受け渡される部品を第2電磁コンベアにおいて間欠運転で搬送することができる。すなわち、第1電磁コンベアが搬送速度を調整することにより、第1搬送コンベアが連続運転で搬送する部品の速度を一定に保ちつつ、第2電磁コンベアにおいて間欠運転で部品を搬送することが可能となる。これにより、搬送される部品を所望の位置で正確且つ安全に搬出することができる。
また、このとき、分離回収装置が、第2電磁コンベアから所定の位置で落下させた部品を載置するための載置台を更に備えると、載置台の上に部品を積層することで、スタックとして部品を搬出しやすくなる。
本発明の分離回収装置において、第1搬送コンベアと第2搬送コンベアとの間に、スクラップ分離コンベアを更に備えると、例えば、ロボットが内部切断片を取り出すことができなかった場合や内部切断片が小さくロボットが把持できない場合等に、当該内部切断片をスクラップ分離コンベアで落下させることができる。
本発明の分離回収装置においては、レーザーブランキング装置により、内部切断片を、更に、別部品と、残余片とに切断することができる。これにより、板材の不要部分を極力少なくすると共に、効率よく別部品を得ることができる。
このとき、ロボットが、別部品と、残余片とを把持し、残余片をスクラップシュートに落下させると共に、別部品を回収するようにすることで、当該別部品を効率よく回収することができる。
本発明の分離回収装置においては、レーザーブランキング装置と、第1搬送コンベアとの間に、部品を洗浄するための洗浄機を更に備えると、部品や内部切断片に付着した油等によりロボットが把持できない等のトラブルの発生を抑制することができる。
また、このとき、レーザー切断時に発生するヒュームやスパッタ等の不純物も除去できるので、後工程におけるプレス成型時に当該不純物によるキズが発生することを防止することができる。
本発明の分離回収装置においては、レーザーブランキング装置が、板材にレーザー光を照射するレーザーノズルと、レーザーノズルの下方に設けられた一対の上流側支持ローラ及び下流側支持ローラと、上流側支持ローラ及び下流側支持ローラの下方に設けられた引込ローラと、上流側支持ローラ、下流側支持ローラ及び引込ローラに案内され、板材を搬送するためのエンドレスコンベアと、を備えるので、レーザーノズルの下方の上流側支持ローラ及び下流側支持ローラ間に十分な空間を形成することができる。これにより、レーザーノズルでレーザー加工を行っても、レーザー加工が行われる板材の直下が一定の空間となるので、エンドレスコンベアがレーザー光によって損傷することを防止することができる。なお、かかる空間は任意の位置に形成することができるので、加工位置が制限されない。
また、レーザーノズルを移動させながら、該レーザーノズルからレーザー光を板材に向けて照射すると共に、上流側支持ローラ、下流側支持ローラ及び引込ローラをレーザーノズルの移動に追従させるようになっているので、レーザーノズル自体を前後に大きく移動させてレーザー加工を行うことができる。すなわち、レーザー加工が可能な領域を大きく広げることができ、これにより板材の搬送速度をあげることも可能となる。
本発明の分離回収装置においては、レーザーブランキング装置のエンドレスコンベアの上方には、エンドレスコンベアの進行方向に直交するようにX軸レールが取り付けられており、エンドレスコンベアの左右両端には、エンドレスコンベアの進行方向に沿ってY軸レールが取り付けられており、レーザーノズルがX軸レールに案内されて移動可能となっており、X軸レールがY軸レールに案内されて移動可能となっているので、これらを組合せて駆使することにより、レーザーノズルを、前後方向、左右方向、斜め方向、曲線方向等、あらゆる方向に移動させることが可能となる。これにより、搬送される板材に対し、複雑な形状にレーザー加工を行うこともできる。
本発明の分離回収装置においては、レーザーブランキング装置の上流側支持ローラ及び下流側支持ローラの間には、スパッタ受け箱が設置されているので、レーザー加工の際に発生するスパッタを回収することも可能となる。
本発明の部品の取出方法においては、上述した分離回収装置を用い、レーザー加工工程、第1搬送工程、落下工程、除去工程及び第2搬送工程を連続運転で行うことにより、板材を、部品と該部品の内側に位置する内部切断片と部品の縁側に位置する縁部切断片とに分けた場合であっても、部品を効率良く連続して取り出すことができる。
また、パイリング工程を更に備えることにより、部品を積層したスタックとして搬出することができる。
このとき、板材を搬送しながらレーザー加工工程を行うことにより、生産効率をより向上させることができ、設備もよりコンパクトにすることができる。
図1は、本実施形態に係る分離回収装置を模式的に示す側面図である。 図2は、本実施形態に係る分離回収装置のレーザーブランキング装置を模式的に示す側面図である。 図3は、本実施形態に係る分離回収装置のレーザーブランキング装置を概略的に示す斜視図である。 図4は、本実施形態に係る分離回収装置の第1搬送コンベアを模式的に示す上面図である。 図5は、本実施形態に係る分離回収装置のロボットを概略的に示す斜視図である。 図6は、本実施形態に係る分離回収装置のスクラップ分離コンベアを模式的に示す上面図である。 図7は、本実施形態に係る部品の取出方法を示すフローチャートである。 図8(a)は、本実施形態に係る部品の取出方法を説明するための説明図である。 図8(b)は、本実施形態に係る部品の取出方法を説明するための説明図である。 図8(c)は、本実施形態に係る部品の取出方法を説明するための説明図である。 図8(d)は、本実施形態に係る部品の取出方法を説明するための説明図である。 図8(e)は、本実施形態に係る部品の取出方法を説明するための説明図である。 図8(f)は、本実施形態に係る部品の取出方法を説明するための説明図である。 図9(a)は、本実施形態に係る部品の取出方法における板材の分離方法を説明するための概念図であり、図9(b)は、他の実施形態に係る部品の取出方法における板材の分離方法を説明するための概念図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本実施形態に係る分離回収装置を模式的に示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る分離回収装置100は、レーザーブランキング装置10と、第1搬送コンベア20と、ロボット30と、スクラップ分離コンベア60と、第1電磁コンベア41及び第2電磁コンベア42からなる第2搬送コンベア40と、載置台50とを備える。
分離回収装置100においては、レーザーブランキング装置10により、平板状の板材が所望の形状の部品に切断され、当該部品を搬送しながら、不要部分である内部切断片及び縁部切断片が、第1搬送コンベア20、ロボット30又はスクラップ分離コンベア60により除去される。
このため、分離回収装置100によれば、部品のみを効率良く連続して取り出すことができる。
レーザーブランキング装置10は、平板状の板材を搬送させながら、レーザーノズルから照射されるレーザー光で切断し、所望の形状の部品、該部品の内側に孤立して位置する内部切断片、及び、該部品の縁側に開放されて位置する縁部切断片、に分割する装置である。このため、レーザーブランキング装置10は、切断効率が高く、生産性に優れる。
ここで、レーザー光の種類としては、特に限定されないが、例えば、固体レーザー、液体レーザー、ガスレーザー、半導体レーザー、自由電子レーザー、金属蒸気レーザー、化学レーザー等を用いることができる。
また、板材としては、鉄、アルミニウム、チタン、マグネシウム等の金属だけでなく、レーザー光で切断されるものであれば、ガラス、セラミックス、樹脂、これらの複合材等であってもよい。
図2は、本実施形態に係る分離回収装置のレーザーブランキング装置を模式的に示す側面図である。
図2に示すように、レーザーブランキング装置10は、板材Xにレーザー光を照射するレーザーノズル11と、レーザーノズル11の周辺に位置し、レーザー加工時の板材Xの振動を抑制するための振動防止手段5と、レーザーノズル11の下方に設けられた一対の上流側支持ローラ11a及び下流側支持ローラ11bと、上流側支持ローラ11a及び下流側支持ローラ11bの下方に設けられた引込ローラ11cと、上流側支持ローラ11a、下流側支持ローラ11b及び引込ローラ11cに案内され、板材を搬送するためのエンドレスコンベア12と、エンドレスコンベア12の張力を調整するための張力調整ローラ13aと、上流側支持ローラ11a及び下流側支持ローラ11bの間の空間Sに設置されたスパッタ受け箱14とを備える。
また、レーザーブランキング装置10においては、エンドレスコンベア12が、複数の案内ローラ13、上流側支持ローラ11a、下流側支持ローラ11b及び引込ローラ11cによって案内されるようになっている。
レーザーブランキング装置10においては、板材Xがエンドレスコンベア12により上流側から下流側に搬送され、当該エンドレスコンベア12上にて、レーザーノズル11を用いてレーザー加工が施される。このとき、レーザーノズル11を移動させながら、該レーザーノズル11からレーザー光を板材Xに向けて照射すると共に、上流側支持ローラ11a、下流側支持ローラ11b及び引込ローラ11cをレーザーノズル11の移動に追従させる。これにより、レーザーノズル11自体を前後に大きく移動させてレーザー加工を行うことができる。すなわち、レーザー加工が可能な領域を大きく広げることができ、これにより板材の搬送速度をあげることも可能となる。
また、レーザーノズル11でレーザー加工を行っても、レーザー加工が行われる板材Xの直下が一定の空間Sとなっているので、エンドレスコンベア12がレーザー光によって損傷することを防止することができる。なお、かかる空間は任意の位置に形成することができるので、加工位置が制限されない。
レーザーブランキング装置10においては、レーザーノズル11の周りを囲むように振動防止手段5が取り付けられている。
また、振動防止手段5は、板材に接圧を与えており、レーザー加工時のブランク材の振動を抑制するようになっている。
さらに、振動防止手段5は、レーザーノズル11が取り付けられているフレームに固定され、レーザーノズル11と共に水平方向に移動するようになっている。
レーザーブランキング装置10のレーザーノズル11において、レーザーノズル11は前後、左右、斜めのあらゆる方向に移動できる特徴があるが、このようにレーザーノズル11の周囲に振動防止手段5を設けることにより、全ての方向に対しても振動を抑制でき、レーザー加工が正確に行える利点がある。
なお、かかる振動防止手段5としては、特に限定されないが、接圧ブラシ等が挙げられる。
レーザーブランキング装置10においては、上流側支持ローラ11a、下流側支持ローラ11b及び引込ローラ11cにより形成された空間Sに、スパッタ受け箱14が設置される。すなわち、スパッタ受け箱14は、レーザーノズル11と、エンドレスコンベア12との間の空間Sに配置される。
スパッタ受け箱14は、エンドレスコンベア12の進行方向に直交する方向(すなわちエンドレスベルト12を横断する方向)に延びた箱状となっており、レーザー加工の際に発生するスパッタを回収可能となっている。
図3は、本実施形態に係る分離回収装置のレーザーブランキング装置を概略的に示す斜視図である。なお、図3は、板材1を省略して示している。
図3に示すように、レーザーブランキング装置10において、エンドレスコンベア12の上方には、エンドレスコンベア12の進行方向に直交するようにX軸レール15aが取り付けられており、レーザーノズル11がX軸レール15aに案内されて移動可能となっている。
また、エンドレスコンベア12の左右両端には、エンドレスコンベア12の進行方向に沿って一対のY軸レール15bが取り付けられており、X軸レール15aがY軸レール15bに案内されて移動可能となっている。
このため、レーザーブランキング装置10においては、これらの移動を組合せてプログラム制御することにより、搬送される板材を、前後方向、左右方向、斜め方向、曲線方向等、あらゆる方向にレーザー加工を行うことが可能となる。
図4は、本実施形態に係る分離回収装置の第1搬送コンベアを模式的に示す上面図である。
図4に示すように、第1搬送コンベア20は、複数のエンドレスベルト21からなる。
また、第1搬送コンベア20の両側には、スクラップシュートPが設けられている。
第1搬送コンベアにおいては、図示しない部品、内部切断片及び縁部切断片が、複数のエンドレスベルト21の上に載置された状態で、当該エンドレスベルト21の回動によって、搬送されるようになっている。
このとき、第1搬送コンベア20の幅(部品の搬送方向Yに垂直な方向の幅)は、板材の幅(部品の搬送方向Yに垂直な方向の幅)より狭くなっている。このため、レーザーブランキング装置で切断された部品、内部切断片及び縁部切断片のうち、縁側に位置する縁部切断片は、第1搬送コンベア20の両側で、スクラップシュートPに落下するようになっている。
図5は、本実施形態に係る分離回収装置のロボットを概略的に示す斜視図である。
図5に示すように、ロボット30は、アーム式のものが好適に用いられる。
ロボット30は、第1搬送コンベア20で落下除去されない内部切断片をアーム31で把持し取り出すことが可能となっている。
ここで、ロボット30のアーム31には、複数のバキュームカップ32が取り付けられている。
これらのバキュームカップ32は、それぞれ独立して吸引保持可能となっている。これにより、内部切断片が、別部品と、残余片とに切断分離されている場合、別部品と、残余片とを同時に把持し、別部品を把持したバキュームカップ32と、残余片を把持したバキュームカップ32との吸引のON/OFFを調整することにより、残余片をスクラップシュートPに落下させ、別部品のみを搬送回収することが可能となっている。
したがって、この場合、不要部分である内部切断片から、別部品を取り出すことも可能となるので、板材の不要部分を極力少なくすると共に、効率よく別部品を得ることができる。
図6は、本実施形態に係る分離回収装置のスクラップ分離コンベアを模式的に示す上面図である。
図6に示すように、スクラップ分離コンベア60は、複数のエンドレスベルト61からなる。
また、スクラップ分離コンベア60の下側には、図示しないスクラップシュートが設けられている。
スクラップ分離コンベア60においては、部品及び内部切断片が、複数のエンドレスベルト61の上に載置された状態で、当該エンドレスベルト61の回動によって、搬送されるようになっている。
なお、スクラップ分離コンベア60の幅(部品の搬送方向に垂直な方向の幅)は、部品の幅(部品の搬送方向に垂直な方向の幅)以上となっているので、部品は落下しない。
スクラップ分離コンベア60において、複数のエンドレスベルト61は、それぞれ独立に、部品の搬送方向Yとは垂直な方向に移動可能となっている。
したがって、例えば、上述したロボットが内部切断片を取り出すことができなかった場合や内部切断片が小さ過ぎてロボットが把持できない場合等に、当該内部切断片を、エンドレスベルト61を移動させ隣り合うエンドレスベルト61間にスペースを設けることにより、図示しないスクラップシュートに落下させ除去することができるようになっている。
図1に戻り、スクラップ分離コンベア60の上方には、CCDカメラ62が設けられている。
したがって、スクラップ分離コンベア60上において、部品の位置や内部切断片が残存していないかをCCDカメラで確認することができる。
第2搬送コンベア40は、スクラップ分離コンベア60から受け渡された部品を下面に磁着させて搬送する第1電磁コンベア41と、該第1電磁コンベア41から受け渡され部品を下面に磁着させて搬送する第2電磁コンベア42とからなる。このため、磁力のON/OFFを調整することにより、所望の位置で部品を落下回収することができる。
載置台50は、第2電磁コンベアから所定の位置で落下させた部品を載置する台であり、例えば、公知のコンベア、パレット、リフター等が適宜用いられる。
載置台50を設けることにより、載置台50の上に部品を積層することで、スタックとして部品を搬出しやすくなる。
洗浄機70は、レーザーブランキング装置10と、第1搬送コンベア20との間に設置され、部品を洗浄する装置である。
洗浄機70を設けることにより、部品や内部切断片に付着した油等を除去することができる。これにより、不純物の影響で、ロボットが内部切断片を把持できない等のトラブルの発生を抑制することができる。
また、レーザー切断時に発生するヒュームやスパッタ等の不純物も除去できるので、後工程におけるプレス成型時に当該不純物によるキズが発生することを防止することができる。
次に、本実施形態に係る部品の取出方法について説明する。
本実施形態に係る部品の取出方法は、上述した分離回収装置100が用いられ、平板状の板材からレーザー加工された部品と、別部品とを取り出す部品の取出方法である。
図7は、本実施形態に係る部品の取出方法を示すフローチャートである。
図7に示すように、本実施形態に係る部品の取出方法は、レーザー加工工程S1と、第1搬送工程S2と、落下工程S3と、除去工程S4と、第2搬送工程S5と、パイリング工程S6と、を備える。
部品の取出方法によれば、板材を、部品と該部品の内側に位置する内部切断片と部品の縁側に位置する縁部切断片とに分けた場合であっても、部品を効率良く連続して取り出すことができる。
図8(a)〜図8(f)は、本実施形態に係る部品の取出方法を説明するための説明図である。
図8(a)に示すように、レーザー加工工程S1においては、板材が、レーザーブランキング装置10のレーザー光で切断され、部品X1、該部品X1の内側に孤立して位置する内部切断片X2及び部品X1の縁側に開放されて位置する縁部切断片X3に分割される。
また、内部切断片X2は、別部品X21と、該別部品X21の周縁に位置する残余片X22とに分割される(図9参照)。
なお、レーザー加工工程S1においては、上述したレーザーブランキング装置10が用いられるので、板材を搬送しながら、前後方向、左右方向、斜め方向、曲線方向等、あらゆる方向にレーザー加工が行われる。これにより、生産効率がより向上する。
そして、レーザー加工により分断された部品X1、内部切断片X2(別部品X21及び残余片X22)及び縁部切断片X3は、洗浄機70で洗浄される。
次に、図8(b)に示すように、第1搬送工程S2においては、第1搬送コンベア20により、部品X1、内部切断片X2及び縁部切断片X3が搬送される。
そして、落下工程S3において、部品X1を搬送しながら縁部切断片X3を落下させる。すなわち、上述したように、第1搬送コンベア20の幅が、板材の幅より狭くなっているので、板材Xの両側に位置する縁部切断片X3は、スクラップシュートPに落下除去される。
次に、図8(c)に示すように、除去工程S4において、部品X1を搬送しながら内部切断片X2をロボット30で除去する。
このとき、内部切断片X2が、別部品X21と、残余片X22とに切断分離されているので、別部品X21と、残余片X22とがロボット30により同時に把持され、残余片X22のみをスクラップシュートPに落下させる。
そして、図8(d)に示すように、別部品X21のみをロボット30で更に搬送し、別部品用載置台51に載置することにより、本来不要部分である内部切断片X2から、必要な別部品X21を分離回収することができる。
なお、別部品用載置台51は、上述した載置台50と同様に、例えば、公知のコンベア、パレット、リフター等が適宜用いられる。
次に、図8(e)に示すように、内部切断片X2及び縁部切断片X3が除去された部品X1は、スクラップ分離コンベア60により搬送される。
なお、必要に応じて、スクラップ分離コンベア60のエンドレスベルト61を幅方向に移動させることにより、内部切断片をスクラップシュートに落下させることができる。
そして、第2搬送工程S5において、部品X1は、スクラップ分離コンベア60上から第1電磁コンベア41(第2搬送コンベア40)の下面に磁着させるように受け渡され、更に、第1電磁コンベア41から第2電磁コンベア42に受け渡されることにより、搬送される。
ここで、第1電磁コンベア41は、連続運転で部品を搬送するものとなっており、第2電磁コンベア42は、間欠運転で部品を搬送するものとなっている。
すなわち、第1電磁コンベア41は、レーザーブランキング装置10からスクラップ分離コンベア60まで一定速度で連続搬送される部品を、下面に磁着させて、その速度よりも速い速度で搬送する。これにより、隣り合う部品間にスペースを設けることができるので、第2電磁コンベア42は、第1電磁コンベア41から受け渡された部品を間欠運転で搬送することが可能となる。
したがって、第2搬送コンベア40においては、第1電磁コンベア41が搬送速度を調整することにより、第1搬送コンベア41が連続運転で搬送する部品の速度と、第2電磁コンベア42によって部品を回収する速度とを対応させて一定に保つことができる。その結果、搬送される部品を所望の位置で正確且つ安全に搬出することが可能となる。
次に、図8(f)に示すように、パイリング工程において、搬送された部品X1が載置台50に対応する位置に到達したところで、第2電磁コンベア42の磁力をOFFにし落下させ、下方の載置台40上に積層させる。これにより、部品X1を積層したスタックとして搬出することができる。
本実施形態に係る部品X1の取出方法においては、レーザー加工工程S1、第1搬送工程S2及び落下工程S3が、連続運転で行われるので、板材を、部品と、該部品の内側に位置する内部切断片と、部品の縁側に位置する縁部切断片とに分け、その中の部品を効率良く連続して取り出すことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態に係る分離回収装置100は、スクラップ分離コンベア60を備えているが、必ずしも必須ではない。
また、第2搬送コンベア40が第1電磁コンベア41及び第2電磁コンベア42からなっているが、この組み合わせに限定されない。
本実施形態に係る分離回収装置100においては、内部切断片を、別部品と、残余片とに切断し、別部品をも取り出しているが、必ずしも別部品を別途取り出す必要はない。
図9(a)は、本実施形態に係る部品の取出方法における板材の分離方法を説明するための概念図であり、図9(b)は、他の実施形態に係る部品の取出方法における板材の分離方法を説明するための概念図である。
図9(a)に示すように、本実施形態に係る部品の取出方法においては、単位ユニットX0における内部切断片X2を、レーザーブランキング装置で、別部品X21と、残余片X22とに切断している。
そして、内部切断片X2を取り出した後、残余片X22を除去し、別部品X21を回収している。
しかし、図9(b)に示すように、内部切断片は、別部品と、残余片とに切断されていなくてもよい。他の実施形態に係る部品の取出方法においては、単位ユニットX0から、内部切断片X2及び縁部切断片X3を除去することにより、部品X1が得られる。
本実施形態に係る分離回収装置100においては、図1や図8に示すように、レーザーブランキング装置10、洗浄機70、第1搬送コンベア20、スクラップ分離コンベア60及び第2搬送コンベア40が、この順序で一列に配列され、ロボット30が第1搬送コンベア20の両側に配置されているが、これらの配列やロボットの配置位置は、これに限定されない。
例えば、製品を取り出した後、スクラップを分離したり、洗浄を行ってもよい。
本発明は、平板状の板材から、レーザー加工された部品を連続して分離回収できる分離回収装置である。部品は、例えば、プレス成形することにより、自動車の部品として使用することができる。
5・・・振動防止手段
10・・・レーザーブランキング装置
11・・・レーザーノズル
11a・・・上流側支持ローラ
11b・・・下流側支持ローラ
11c・・・引込ローラ
12・・・エンドレスコンベア
13・・・案内ローラ
13a・・・張力調整ローラ
14・・・スパッタ受け箱
15a・・・X軸レール
15b・・・Y軸レール
20・・・第1搬送コンベア
21・・・エンドレスベルト
30・・・ロボット
31・・・アーム
32・・・バキュームカップ
40・・・第2搬送コンベア
41・・・第1電磁コンベア
42・・・第2電磁コンベア
50・・・載置台
60・・・スクラップ分離コンベア
100・・・分離回収装置
P・・・スクラップシュート
S・・・空間
S1・・・レーザー加工工程
S2・・・第1搬送工程
S3・・・落下工程
S4・・・除去工程
S5・・・第2搬送工程
S6・・・パイリング工程
X・・・板材
X0・・・単位ユニット
X1・・・部品
X2・・・内部切断片
X21・・・別部品
X22・・・残余片
X3・・・縁部切断片
Y・・・部品の搬送方向

Claims (11)

  1. 平板状の板材をレーザー光で切断し、部品、該部品の内側に孤立して位置する内部切断片、及び、該部品の縁側に開放されて位置する縁部切断片、に分割するレーザーブランキング装置と、
    前記部品、前記内部切断片及び前記縁部切断片を搬送しながら、前記縁部切断片をスクラップシュートに落下させる第1搬送コンベアと、
    該第1搬送コンベア上の前記内部切断片を取り出し除去するロボットと、
    前記部品を搬送する第2搬送コンベアと、
    前記第1搬送コンベアと前記第2搬送コンベアとの間に、前記内部切断片を落下させることができるスクラップ分離コンベアを更に備え、
    該スクラップ分離コンベアが独立に部品の搬送方向と垂直に移動可能な複数のエンドレスベルトにより構成されており、
    該スクラップ分離コンベアから前記第2搬送コンベアに前記部品が受け渡される分離回収装置。
  2. 前記第2搬送コンベアが、前記部品を下面に磁着させる第1電磁コンベアと、該第1電磁コンベアから受け渡され前記部品を下面に磁着させる第2電磁コンベアとからなり、
    前記第1電磁コンベアが連続運転で前記部品を搬送するものであり、
    前記第2電磁コンベアが間欠運転で前記部品を搬送するものである請求項1記載の分離回収装置。
  3. 前記第2電磁コンベアから所定の位置で落下させた前記部品を載置するための載置台を更に備える請求項2記載の分離回収装置。
  4. 前記内部切断片が、別部品と、残余片とに切断されており、
    前記ロボットが、前記別部品と、前記残余片とを把持し、前記残余片を前記スクラップシュートに落下させると共に、前記別部品を回収する請求項1〜3のいずれか1項に記載の分離回収装置。
  5. 前記レーザーブランキング装置と、前記第1搬送コンベアとの間に、前記部品を洗浄するための洗浄機を更に備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の分離回収装置。
  6. 前記レーザーブランキング装置が、
    前記板材にレーザー光を照射するレーザーノズルと、
    前記レーザーノズルの下方に設けられた一対の上流側支持ローラ及び下流側支持ローラと、
    前記上流側支持ローラ及び前記下流側支持ローラの下方に設けられた引込ローラと、
    前記上流側支持ローラ、前記下流側支持ローラ及び前記引込ローラに案内され、前記板材を搬送するためのエンドレスコンベアと、
    を備え、
    前記レーザーノズルを移動させながら、該レーザーノズルからレーザー光を前記板材に向けて照射すると共に、前記上流側支持ローラ、前記下流側支持ローラ及び前記引込ローラを前記レーザーノズルの移動に追従させる請求項1〜5のいずれか1項に記載の分離回収装置。
  7. 前記エンドレスコンベアの上方には、前記エンドレスコンベアの進行方向に直交するようにX軸レールが取り付けられており、
    前記エンドレスコンベアの左右両端には、前記エンドレスコンベアの進行方向に沿ってY軸レールが取り付けられており、
    前記レーザーノズルが前記X軸レールに案内されて移動可能となっており、
    前記X軸レールが前記Y軸レールに案内されて移動可能となっている請求項6記載の分離回収装置。
  8. 前記上流側支持ローラ及び前記下流側支持ローラの間には、スパッタ受け箱が設置されている請求項6又は7に記載の分離回収装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の分離回収装置を用い、平板状の板材からレーザー加工された部品を取り出す部品の取出方法であって、
    前記板材を、レーザー光で切断し、部品、該部品の内側に孤立して位置する内部切断片及び前記部品の縁側に開放されて位置する縁部切断片に分割するレーザー加工工程と、
    前記部品、前記内部切断片及び前記縁部切断片を搬送する第1搬送工程と、
    前記部品を搬送しながら前記縁部切断片を落下させる落下工程と、
    前記部品を搬送しながら前記内部切断片をロボットで除去する除去工程と、
    前記部品を搬送する第2搬送工程と、
    を備え、
    前記レーザー加工工程、前記第1搬送工程及び前記落下工程が、連続運転で行われる部品の取出方法。
  10. 前記部品を落下させ積層させるパイリング工程を更に備える請求項9記載の部品の取出方法。
  11. 前記板材を搬送しながら前記レーザー加工工程が行われる請求項9又は10に記載の部品の取出方法。
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