JP2016225246A - 電極製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロボットハンドを用いることなく電極の位置を適切に調整でき、かつ電極への異物の残存を抑制できる電極製造装置を提供する。【解決手段】長尺の電極の母材11を搬送する第1の搬送部と、長尺の一方のセパレータ12を搬送する第2の搬送部3と、長尺の他方のセパレータ13を搬送する第3の搬送部4と、第1の搬送部2によって搬送される母材11を第1の搬送部2上の加工位置P1で切り出して電極14を形成する加工部5と、を備え、第2の搬送部3は、第1の搬送部2の上方に配置され、加工位置P1よりも後段側に設定されたピックアップ位置P2において一方のセパレータ12を介して電極14を吸着し、第3の搬送部4は、ピックアップ位置P2よりも後段側に設定された重ね合わせ位置P3において一方のセパレータ12及び電極14に他方のセパレータ13を重ね合わせる。【選択図】図1

Description

本発明は、電極製造装置に関する。
リチウムイオン二次電池等に用いられる電極製造装置として、例えば特許文献1に記載の装置がある。この従来の装置は、一方のセパレータ帯を他方のセパレータ帯と融着する融着位置に向けて供給する第1の搬送ユニットと、一方のセパレータ帯に対して所定の角度を持つように他方のセパレータ帯を融着位置に向けて供給する第2の搬送ユニットと、一方及び他方のセパレータ帯のそれぞれに対して所定の角度を持つように、これらのセパレータ帯間に電極板を供給する第3の搬送ユニットとを備えている。
特開2013−178951号公報
特許文献1に記載の電極製造装置では、電極を融着位置に供給する搬送ユニットに対して電極を断続的に供給する供給コンベアが設けられている。供給コンベア上に配置される電極は、電極製造装置のサイクルタイムに適した一定の間隔とされている。一般に、電極は、帯状の電極材料から個片状に切り出され、一旦マガジンに積層された後、マガジンごと次工程に搬送される。特許文献1に記載の電極製造装置では、例えば吸着パッドを備えたロボットハンドがマガジンから電極を取り出し、供給コンベア上に配置する。かかる構成によれば、供給コンベア上に任意の間隔で適切に電極を配置することが可能である。しかしながら、マガジンによる電極の搬送や、ロボットハンドによる電極の吸着・上下動作を伴うため、生産効率の面で改善の余地があった。
これに対し、帯状の電極材料から切り出された個片状の電極を供給コンベアに直接供給する手法も考えられる。しかしながら、切り出された直後の個片状の電極の間隔は、必ずしも次工程(例えばセパレータの融着工程)に適しているとは限られない。また、切り出された直後の電極の切断面には、活物質粒子などが剥離し易い状態で残存するという問題がある。そのため、電極を供給コンベアに直接供給すると、供給コンベアに落下した異物がセパレータの融着位置の近傍に搬送され、セパレータに付着・混入するおそれがある。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、ロボットハンドを用いることなく電極の位置を適切に調整でき、かつ電極への異物の残存を抑制できる電極製造装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明の一側面に係る電極製造装置は、長尺の電極の母材を搬送する第1の搬送部と、長尺の一方のセパレータを搬送する第2の搬送部と、長尺の他方のセパレータを搬送する第3の搬送部と、第1の搬送部によって搬送される母材を第1の搬送部上の加工位置で所定形状に切り出して電極を形成する加工部と、を備え、第2の搬送部は、第1の搬送部の上方に配置され、加工位置よりも後段側に設定されたピックアップ位置において一方のセパレータを介して第1の搬送部で搬送される電極を吸着し、第3の搬送部は、ピックアップ位置よりも後段側に設定された重ね合わせ位置において第2の搬送部で搬送される一方のセパレータ及び電極に他方のセパレータを重ね合わせる。
この電極製造装置では、第1の搬送部によって搬送される母材を第1の搬送部上の加工位置で所定形状に切り出して電極を形成する。また、この電極製造装置では、一方のセパレータを搬送する第2の搬送部が第1の搬送部の上方に配置され、第2の搬送部が一方のセパレータを介して第1の搬送部で搬送される電極を吸着してピックアップする。これにより、電極が第1の搬送部から第2の搬送部に移動することを利用し、各電極の位置を適切に調整できる。また、電極が第2の搬送部にピックアップされる一方で、加工部で発生した異物が第1の搬送部に残って分離されるため、第3の搬送部によって他方のセパレータが一方のセパレータ及び電極に重ね合される際に電極に異物が残存してしまうことが抑制される。
また、第2の搬送部による一方のセパレータ及び電極の搬送速度は、第1の搬送部による電極の搬送速度よりも大きくてもよい。この場合、第2の搬送部で搬送される電極の間隔が第1の搬送部で搬送される電極の間隔に比べて大きくなる。したがって、電極に一方のセパレータ及び他方のセパレータを重ねた後のセパレータの溶着領域を容易に形成できる。
また、ピックアップ位置から重ね合わせ位置までの領域において、第2の搬送部と第3の搬送部との間にスペースが設けられ、スペースには、第2の搬送部で搬送される電極を検査する検査部が配置されていてもよい。この場合、セパレータの重ね合わせを実施する直前の位置で、第2の搬送部にピックアップされた電極における異物の有無などを検査できる。
また、第1の搬送部は、ピックアップ位置の後段側に延長部分を更に有していてもよい。この場合、第1の搬送部の延長部分において電極から分離した異物を除去するための機構を配置できる。
また、第1の搬送部は、母材及び電極を吸着した状態でピックアップ位置まで搬送してもよい。この場合、加工位置での母材の位置ずれ及び加工後の電極の位置ずれをより確実に抑制できる。
本発明によれば、ロボットハンドを用いることなく電極の位置を適切に調整でき、かつ電極への異物の残存を抑制できる。
本発明に係る電極製造装置の一実施形態を示す概略側面図である。 加工部で母材から切り出される電極の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係る電極製造装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電極製造装置の一実施形態を示す概略側面図である。図1に示すように、電極製造装置1は、長尺の電極の母材11を搬送する第1の搬送部2と、長尺の一方のセパレータ12を搬送する第2の搬送部3と、長尺の他方のセパレータ13を搬送する第3の搬送部4と、母材11を所定の形状に切り出して電極14を形成する加工部5と、母材11及び電極14の状態を検査する検査部6とを備えている。この電極製造装置1は、リチウムイオン二次電池の製造ラインに組み込まれて使用される装置であり、セパレータ12,13で電極14を包み込んでなるセパレータ包み電極を製造する装置として構成されている。
電極14は、リチウムイオン二次電池に用いられる正極である。正極は、例えばアルミニウム箔からなる金属箔と、金属箔の両面に形成された正極活物質層とを有している。正極活物質層は、正極活物質とバインダとを含んで形成されている。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウム、硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとが含まれる。
また、セパレータ12,13は、例えば正極を包むことにより、リチウムイオン二次電池において正極と負極との間を電気的に絶縁する部材である。セパレータの形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。
第1の搬送部2及び第2の搬送部3は、例えば吸着ベルトコンベアによって構成されている。図1に示す構造では、第1の搬送部2及び第2の搬送部3は、エアの吸引を許容する複数の通気孔が配列されたベルトと、搬送領域に沿ってベルトの内側に配置され、エアを吸引する吸引ダクト(図1の破線部分)とを有している。第1の搬送部2及び第2の搬送部3は、吸引ダクトでエアを吸引することによって、ワークをベルトに密着させる。そして、ベルトをローラで周回させることによって、ベルト上のワークを所定の方向に吸着搬送する。なお、吸着ベルトコンベアについては、吸引ダクトを備えているものに限られず、ベルト自体に吸着機能を有するものなど、他の構成のものであってもよい。また、第1の搬送部2及び第2の搬送部3には、蛇行防止装置が取り付けられていることが好適である。
本実施形態では、第1の搬送部2は、略水平に配置されており、不図示の繰出部から繰り出される長尺のシート状の母材11を吸着搬送する。第1の搬送部2には、加工部5によって母材11の加工がなされる加工位置P1が設定されている。また、加工位置P1の後段側には、加工部5によって形成された電極14が第2の搬送部3によってピックアップされるピックアップ位置P2が設定されている。第1の搬送部2の吸引領域は、ピックアップ位置P2の手前側までとなっており、ピックアップ位置P2及びその後段側では、第1の搬送部2による吸着(空気の吸引)は行われないようになっている。さらに、第1の搬送部2は、ピックアップ位置P2の後段側に延長部分2Aを更に有している。延長部分2Aの長さは、特に制限はないが、例えば電極14の横幅より僅かに長い程度となっている。
また、本実施形態では、第2の搬送部3は、第1の搬送部2の上方に配置されており、不図示の繰出部から繰り出される長尺の一方のセパレータ12を、母材11と対向させた状態で母材11と同方向に搬送する。第2の搬送部3は、ピックアップ位置P2に近づくに従って第1の搬送部2との間の間隔が小さくなるように下方傾斜した搬送部分3Aと、ピックアップ位置P2から遠ざかるに従って第1の搬送部2との間の間隔が大きくなるように上方傾斜した搬送部分3Bとを有している。
このような構成により、第2の搬送部3は、ピックアップ位置P2において第1の搬送部2と最も近接した状態となっている。搬送部分3Bにおいて、ピックアップ位置P2の後段側には、第3の搬送部4によって搬送される長尺の他方のセパレータ13が一方のセパレータ12に重ね合される重ね合わせ位置P3が設定されている。また、第2の搬送部3による一方のセパレータ12及び電極14の搬送速度は、第1の搬送部2による電極14の搬送速度よりも大きくなっている。
第3の搬送部4は、例えば搬送ローラ15,16及び押さえローラ17を含んで構成されている。第3の搬送部4は、第1の搬送部2の延長部分2Aの先端から離間した位置で不図示の繰出部から繰り出される長尺の他方のセパレータ13を下方から上方に向けて略鉛直に搬送する。また、第3の搬送部4は、搬送ローラ15,16によって他方のセパレータ13を第2の搬送部3の搬送部分3B側に案内し、重ね合わせ位置P3に向けて搬送する。押さえローラ17は、重ね合わせ位置P3の後段側において、重ね合わせ位置P3の直後に配置されている。
加工部5は、例えばレーザ加工装置によって構成されている。加工部5は、加工位置P1において第1の搬送部2上に配置されたレーザヘッド18を有している。加工部5は、レーザヘッド18を走査することにより、母材11を所定の形状に切り出して電極14を形成する。なお、加工位置P1においては、加工部5からのレーザ光が第1の搬送部2のベルトに直接照射されないように、加工部5を第1の搬送部2のベルト間に位置させるか、加工用のステージを配置することが好適である。
図2は、加工部で母材から切り出される電極の一例を示す図である。同図に示す例では、電極14は、長方形状の本体部分14aと、本体部分14aにおける一縁側の一方の脇寄りに設けられた帯状のタブ14bとを有している。本体部分14aの表面には、タブ14b側の縁部を除く領域に活物質層14cが形成されている。なお、加工部5は、母材11を切断する装置であればよく、プレス加工装置などであってもよい。
検査部6は、図1に示すように、第1の撮像部19及び第2の撮像部20を含んで構成されている。第1の撮像部19及び第2の撮像部20は、例えばCCDカメラであり、撮像によって得られた画像データを不図示の画像解析装置に送信する。検査部6は、画像処理装置での画像データの解析結果に基づいて、ワークの異常の有無を検査する。本実施形態では、検査部6は、母材11及び電極14における傷等の有無及び異物の有無を検査する。
第1の撮像部19は、第1の搬送部2と第2の搬送部3の搬送部分3Aとの間のスペースS1において加工位置P1の前段側に配置され、第1の搬送部2によって搬送される加工前の母材11の一面側(ここでは上面側)を撮像する。第2の撮像部20は、第2の搬送部3と第3の搬送部4との間のスペースS2においてピックアップ位置P2から重ね合わせ位置P3までの領域内に配置され、第2の搬送部3によって搬送される電極14の他面側(ここでは下面側)を撮像する。
なお、図示しないが、重ね合わせ位置P3の後段側には、セパレータ12,13を溶着する溶着部、及び溶着後のセパレータ12,13を切断する切断部が設けられている。溶着部は、電極14の縁に沿ってセパレータ12,13を溶着し、電極14を包むセパレータ部分を形成する。また、切断部は、電極14を包むセパレータ部分を単位としてセパレータ12,13を幅方向に切断する。
続いて、上述した電極製造装置1の動作について説明する。
電極製造装置1が起動すると、図1に示すように、第1の搬送部2による母材11の搬送と、第2の搬送部3による一方のセパレータ12の搬送と、第3の搬送部4による他方のセパレータ13の搬送とが開始される。第1の搬送部2によって母材11が加工位置P1に向けて搬送されると、加工位置P1の前段側で検査部6の第1の撮像部19による母材11の上面側の撮像がなされる。第1の撮像部19で取得された母材11の上面側の画像データは、画像処理装置に送信され、傷等の有無及び異物の有無の検査が行われる。
第1の撮像部19で撮像が行われた後、加工位置P1において加工部5による母材11の切り出しが行われ、電極14が順次形成される。母材11から切り出された電極14は、第1の搬送部2によってピックアップ位置P2に向けて搬送される。ピックアップ位置P2では、第1の搬送部2によって電極14が搬送され、第2の搬送部3によって一方のセパレータ12が搬送される。第1の搬送部2による電極14の吸着は、ピックアップ位置P2において終了し、電極14は、一方のセパレータ12を介して第2の搬送部3に吸着される。
第2の搬送部3による電極14の吸着に際し、第2の搬送部3による一方のセパレータ12の搬送速度は、第1の搬送部2による電極14の搬送速度よりも大きくなっている。第1の搬送部2上では、隣り合う電極14,14間の間隔は、加工部5で形成される切断線の幅程度であり、電極14,14は、ほぼ連続した状態となっている。これに対し、第2の搬送部3に吸着された後の電極14,14間の間隔は、第1の搬送部2と第2の搬送部3との間の搬送速度差に基づいて広げられる。ここで形成された電極14,14間の領域は、後続の溶着部で形成されるセパレータ12,13の溶着領域となる。
また、上述したように、セパレータ12,13は、樹脂製の多孔質フィルム、織布、或いは不織布等によって形成されている。したがって、電極14は、一方のセパレータ12を通して空気の吸引を受けて一方のセパレータ12の下面側に保持される。このとき、電極14は、一定の面積を有しているため、第2の搬送部3からの空気の吸引によって一方のセパレータ12越しに第2の搬送部3に吸着される。一方、加工部5によって母材11から電極14が切り出される際には、異物Kが発生する場合がある。
本実施形態では、加工部5としてレーザ加工装置を用いているので、電極14の縁などに発生したドロスが剥離し、異物Kとなる。ドロスは、レーザによる母材11の切断時に母材11の一部が溶融・凝固したものである。また、加工部5としてプレス加工装置を用いる場合には、電極14の縁などに発生したバリ、又は切断面から剥離した活物質が異物Kとなる。バリは、プレスによる母材11の切断時に母材11の一部に微小な突起が生じたものである。異物Kは、電極14とは異なり、粉塵に近い状態であるため、第2の搬送部3による空気の吸引の影響を受けにくく、第2の搬送部3による電極14のピックアップの際に電極14から分離して第1の搬送部2上に残存する。
第1の搬送部2上に残存した異物Kは、第1の搬送部2の延長部分2Aの先端まで搬送された後、第1の搬送部2から落下させられる。異物Kの落下位置には、図1に示すように、収集箱21が配置され、落下した異物Kが収集される。異物Kがベルトに残ることをより確実に防止するため、延長部分2A上或いは第1の搬送部2の下方側にベルトの表面を清掃する清掃部を設けるようにしてもよい。
一方、第2の搬送部3によって一方のセパレータ12及び電極14が重ね合わせ位置P3に向けて搬送されると、重ね合わせ位置P3の前段側で検査部6の第2の撮像部20による電極14の下面側の撮像がなされる。第2の撮像部20で取得された電極14の下面側の画像データは、画像処理装置に送信され、傷等の有無及び異物の有無の検査が行われる。上述した第1の撮像部19は、母材11の上面側、すなわち、実質的に電極14の上面側を撮像し、第2の撮像部20は、電極14の下面側を撮像する。つまり、電極製造装置1では、電極14における一方のセパレータ12側を向く面及び他方のセパレータ13側を向く面の両面について、重ね合わせ位置P3に到達する前に異物Kの有無の検査が実行される。
検査部6において、母材11或いは電極14に傷や異物K等の異常があると判断された場合の処理には特に制限はないが、例えば電極製造装置1を停止させる処理、異常があった旨を報知手段等によって報知する処理などを実行してもよい。また、傷や異物Kの位置を検査部6に記憶し、セパレータ包み電極の形成後、異常がある電極を含むセパレータ包み電極を特定して除去するようにしてもよい。
重ね合わせ位置P3では、ピックアップ位置P2では、第2の搬送部3によって一方のセパレータ12及び電極14が搬送され、第3の搬送部4によって他方のセパレータ13が搬送される。重ね合わせ位置P3において、他方のセパレータ13が第2の搬送部3上の一方のセパレータ12及び電極14に重ね合され、押さえローラ17で押さえられながら後続の溶着部及び切断部に搬送される。溶着部において電極14の縁に沿ってセパレータ12,13が溶着され、電極14を包むセパレータ部分が形成される。また、切断部において、電極14を包むセパレータ部分を単位としてセパレータ12,13が幅方向に切断される。これにより、セパレータ12,13で電極14を包んでなるセパレータ包み電極が順次形成される。
以上説明したように、電極製造装置1では、第1の搬送部2によって搬送される母材11を第1の搬送部2上の加工位置P1で所定形状(図2参照)に切り出して電極14を形成する。また、電極製造装置1では、一方のセパレータ12を搬送する第2の搬送部3が第1の搬送部2の上方に配置され、第2の搬送部3が一方のセパレータ12を介して第1の搬送部2で搬送される電極14を吸着してピックアップする。これにより、電極14が第1の搬送部2から第2の搬送部3に移動することを利用し、ロボットハンドを用いることなく、各電極14の位置を適切に調整できる。また、電極14が第2の搬送部3にピックアップされる一方で、加工部5で発生した異物Kが第1の搬送部2に残って分離されるため、第3の搬送部4によって他方のセパレータ13が一方のセパレータ12及び電極14に重ね合される際に電極14に異物Kが残存してしまうことが抑制される。
また、電極製造装置1では、第2の搬送部3による一方のセパレータ12の搬送速度が第1の搬送部2による電極14の搬送速度よりも大きくなっている。これにより、第2の搬送部3で搬送される電極14,14の間隔が第1の搬送部2で搬送される電極14,14の間隔に比べて大きくなる。したがって、電極14に一方のセパレータ12及び他方のセパレータ13を重ねた後のセパレータ12,13の溶着領域を容易に形成できる。
また、電極製造装置1では、ピックアップ位置P2から重ね合わせ位置P3までの領域において、第2の搬送部3と第3の搬送部4との間にスペースS2が設けられ、第2の搬送部3で搬送される電極14を検査する検査部6として、第2の撮像部20がスペースS2に配置されている。この第2の撮像部20により、セパレータ12,13の重ね合わせを実施する直前の位置で、第2の搬送部3にピックアップされた電極14における異物Kの有無などを検査できる。
本実施形態では、第1の搬送部2と第2の搬送部3の搬送部分3Aとの間にスペースS1が設けられ、第1の搬送部2で搬送される母材11を検査する検査部6として、第1の撮像部19がスペースS1に配置されている。これにより、電極14における一方のセパレータ12側を向く面及び他方のセパレータ13側を向く面の両面について、重ね合わせ位置P3に到達する前に異物Kの有無の検査を実行できる。したがって、電極製造装置1で製造されるセパレータ包み電極に異物Kが混入してしまうことを一層確実に防止できる。
また、電極製造装置1では、第1の搬送部2において、ピックアップ位置P2の後段側に延長部分2Aが設けられている。このような延長部分2Aを設けることで、当該延長部分において電極14から分離した異物Kを除去するための機構(清掃部など)を配置できる。このような機構の配置により、周回する第1の搬送部2のベルトに異物Kが残存することを抑制でき、母材11への異物Kの混入を好適に防止できる。
また、電極製造装置1では、第1の搬送部2が母材11及び切断後の電極14を吸着した状態でピックアップ位置P2まで搬送する。ピックアップ位置まで吸着搬送を行うことにより、加工位置P1での母材11の位置ずれ及び加工後の電極14の位置ずれをより確実に抑制できる。すなわち、加工部5の加工精度に基づく精度で位置決めされた電極14は、切断後に位置ずれすることなく第1の搬送部2によって搬送される。第1の搬送部2による吸着は、ピックアップ位置P2では終了するので、第2の搬送部3による電極14のピックアップが阻害されることもない。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、第1の搬送部2がピックアップ位置P2まで母材11及び切断後の電極を吸着搬送しているが、第1の搬送部2は必ずしも吸着を行わなくてもよい。また、上記実施形態では、第1の搬送部2と第2の搬送部3の搬送部分3Aとの間のスペースS1に第1の撮像部19が配置され、第2の搬送部3と第3の搬送部4との間のスペースS2に第2の撮像部20が配置されているが、セパレータ12,13の重ね合わせの直前で電極14の状態を検査するという観点からは、第1の撮像部19を省略してもよい。
また、上記実施形態では、長尺の電極の母材11として、正極活物質層が形成されていない金属箔部分(未塗工部分)に予めタブが形成されたものを想定し、加工部で個片状の電極14を切り出しているが、これに限定されるものではない。例えば長尺の電極の母材として、タブが形成されていない帯状の母材を用い、加工部5の上流に別の加工部を設けてタブ形状を先に形成するようにしてもよい。この場合、正極活物質層が形成されている金属箔部分と、正極活物質層が形成されていない金属箔部分とでは、レーザの照射条件が異なるため、加工部ごとに異なるレーザを用いることが好ましい。
また、例えば長尺の電極の母材として、タブが形成されていない帯状の母材を用い、レーザによって個片状の電極を打ち抜いてもよい。この場合、打ち抜いた電極の周囲に母材の端材が生じるが、端材を電極と共に搬送し、ピックアップ位置P2よりも下流で端材を回収すればよい。さらに、個片状の電極を隣接させず、所定の間隔をもって打ち抜くようにしてもよい。打ち抜き直後の電極同士の間隔が広がり過ぎる場合には、第2の搬送部3の搬送速度を第1の搬送部2の搬送速度よりも遅くすることで、電極間の間隔を適切に調整することができる。
1…電極製造装置、2…第1の搬送部、2A…延長部分、3…第2の搬送部、4…第3の搬送部、5…加工部、6…検査部、11…母材、12…一方のセパレータ、13…他方のセパレータ、14…電極、P1…加工位置、P2…ピックアップ位置、P3…重ね合わせ位置、S2…スペース。

Claims (5)

  1. 長尺の電極の母材を搬送する第1の搬送部と、
    長尺の一方のセパレータを搬送する第2の搬送部と、
    長尺の他方のセパレータを搬送する第3の搬送部と、
    前記第1の搬送部によって搬送される前記母材を前記第1の搬送部上の加工位置で所定形状に切り出して電極を形成する加工部と、を備え、
    前記第2の搬送部は、前記第1の搬送部の上方に配置され、前記加工位置よりも後段側に設定されたピックアップ位置において前記一方のセパレータを介して前記第1の搬送部で搬送される前記電極を吸着し、
    前記第3の搬送部は、前記ピックアップ位置よりも後段側に設定された重ね合わせ位置において前記第2の搬送部で搬送される前記一方のセパレータ及び前記電極に前記他方のセパレータを重ね合わせる電極製造装置。
  2. 前記第2の搬送部による前記一方のセパレータ及び電極の搬送速度は、前記第1の搬送部による前記電極の搬送速度よりも大きい請求項1記載の電極製造装置。
  3. 前記ピックアップ位置から前記重ね合わせ位置までの領域において、前記第2の搬送部と前記第3の搬送部との間にスペースが設けられ、
    前記スペースには、前記第2の搬送部で搬送される前記電極を検査する検査部が配置されている請求項1又は2記載の電極製造装置。
  4. 前記第1の搬送部は、前記ピックアップ位置の後段側に延長部分を更に有している請求項1〜3のいずれか一項記載の電極製造装置。
  5. 前記第1の搬送部は、前記母材及び前記電極を吸着した状態で前記ピックアップ位置まで搬送する請求項1〜4のいずれか一項記載の電極製造装置。
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