JP6035965B2 - 電磁アクチュエータ - Google Patents
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Description
また、永久磁石は規制ピンと一体に移動するため、永久磁石を大型にすると可動部の重量が増え、コイルの電磁力がさらに要求されることとなる。
そこで本出願人は、上記課題を解決すべく、内燃機関のバルブリフト調整装置に適用され、コイルの通電方向を切り替えることにより2つの規制ピンの一方を択一的に作動させる電磁アクチュエータにおいて、コイルを大型にすることなく規制ピンの応答速度を向上させる電磁アクチュエータに係る発明を先に出願した(特願2012−169416)。
コイルが生成する電磁力は永久磁石による吸着力を低下させるために用いられ、規制ピンを作動させるのは、スプリングの付勢力である。これにより、コイルが生成する電磁力で直接規制ピンを駆動する構成に比べ、コイルを大型にすることなく、規制ピンの応答速度を向上させることができる。
規制ピンを最前進位置に保持する保持力は、スプリング力とフロント吸引力との合計によって得られるため、この構成により、フロント吸引力によるアシスト分だけスプリング力を小さくすることができる。すると、それに応じて、規制ピンの後退時にプランジャを後退方向に吸引する永久磁石の磁石吸着力を低減することができる。よって、永久磁石を小型にすることができる。
他方のプランジャの最前進位置で、フロント吸引部、他方のプランジャ、クロス伝達部、及び、最後退位置にある一方のプランジャが接触し、磁気経路を形成する。
第1プランジャ及び第2プランジャの両方が最後退位置にあるとき、スイッチング部材は、ヨークとプランジャとの間で磁束を伝達する。第1プランジャ又は第2プランジャが前進し、スイッチング部材の軸方向位置が非磁性筒部の範囲に含まれたとき、ヨークとプランジャとの間の磁束伝達が遮断される。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による電磁アクチュエータは、内燃機関の吸気バルブのリフト量を調整するバルブリフト調整装置に適用される。
図1〜図6に示すように、バルブリフト調整装置10は、カムシャフト11と共に回転するスライダ21に一体に設けられたカムによって、ローラ31、32及びスイングアーム33、34を介してリンクされた吸気バルブ91、92のリフト量を調整する。
図2等に示すように、カムシャフト11は、スライダ21が嵌合する部分の外面にスプライン外歯が形成されている。なお、図1等ではスプライン外歯の図示を省略している。
筒状のスライダ21は、内面に形成されたスプライン内歯がカムシャフト11のスプライン外歯と噛み合うことにより、カムシャフト11と共に回転しつつカムシャフト11に対し軸方向に相対移動可能に設けられている。すなわち、スライダ21は、カムシャフト11に鍔状に固定された2つのスライダリミッタ12、22の間を軸方向に往復移動可能に設けられている。
切替部20は、前段部15、移行部16、後段部17からなる第1係合溝14と、前段部25、移行部26、後段部27からなる第2係合溝24とが図1等において左右対称に形成されている。2つの係合溝14、24は、後段部17、27同士が重なり、図1等の視方向で「Y字」を呈するように形成されている。
第2係合溝24についても同様である。
電磁アクチュエータ40がカムシャフト11の回転タイミングに同期して第1規制ピン601を前進させ、第1係合溝14に係合させたとき、スライダ21は、カムシャフト11の回転に伴ってスライダリミッタ12側へ移動する。一方、電磁アクチュエータ40がカムシャフト11の回転タイミングに同期して第2規制ピン602を前進させ、第2係合溝24に係合させたとき、スライダ21は、カムシャフト11の回転に伴ってスライダリミッタ22側へ移動する。この詳しい動作に関しては後述する。
ローラ31、32は、小リフト用カム18、28及び大リフト用カム19、29と、スイングアーム33、34の中央部との間に介在されている。
図1、図2に示すように、スライダ21がスライダリミッタ22側にあるとき、ローラ31は、小リフト用カム18の偏心部の外周面に当接し、スイングアーム33を押し下げる。これにより、シリンダヘッド90の吸気バルブ91は、相対的に小さなリフト量L1だけ開弁する。また、ローラ32は、ローラ31と約180°ずれた位相で小リフト用カム28の偏心部の外周面に当接し、スイングアーム34を押し下げる。これにより、吸気バルブ92は、リフト量L1だけ開弁する。
以下、バルブリフト調整装置10のこの状態を「小リフト状態」という。これに対し、ローラ31が大リフト用カム19の偏心部の外周面に当接する状態を「大リフト状態」という。
第1規制ピン601が第1係合溝14に嵌合した状態でスライダ21がカムシャフト11と共に回転すると、第1規制ピン601の嵌合する溝の位置が前段部15から移行部16を経て後段部17に移るとともに、スライダ21は、図1に矢印X1で示すようにスライダリミッタ12側へ移動する。
また、位置P3を過ぎた回転位置では、後段部17の溝の深さが浅くなり、後段部17の底壁が電磁アクチュエータ40の第1規制ピン601を押し戻す。
第2規制ピン602が第2係合溝24に嵌合した状態でスライダ21がカムシャフト11と共に回転すると、第2規制ピン602の嵌合する溝の位置が前段部25から移行部26を経て後段部27に移るとともに、スライダ21は、図5に矢印X2で示すようにスライダリミッタ22側へ移動する。
具体的には、内燃機関の回転数や負荷に応じてバルブリフト量を調整することで、運転条件を適切に改善することができる。
図7〜図12に示すように、電磁アクチュエータ40は、2つの規制ピン601、602を並設しており、そのうちいずれか一方を「作動側規制ピン」として択一的に作動させる。なお、以下の説明では「作動側」を「オン側」、「非作動側」を「オフ側」ともいう。
ここで、3桁符号の末尾が「1」の部材同士が対応し、3桁符号の末尾が「2」の部材同士が対応する。以下、適宜、3桁符号末尾が「1」の部材の名称の前に「第1」を付け、3桁符号末尾が「2」の部材の名称の前に「第2」を付けて区別する。ただし、「421、422、491、492」については例外とする。
以下、静止部の構成について順に説明した後、可動部の構成について説明する。
本実施形態では、図8、図12に示すように、ヨーク41の径方向の断面形状は、ピン軸O1を中心とする半円と、ピン軸O2を中心とする半円とを共通の接線でつないだ長円形状を呈している。また、ヨーク41は、ピン軸O1とピン軸O2とを含む仮想平面Vに対して対称に形成される。なお、以下の説明で単に「断面形状」という場合、径方向の断面形状を意味し、また「断面積」という場合、径方向の断面積を意味するものとする。
ヨーク41の外筒部42は、後方に開口421が形成され、前方に底壁422が設けられる。底壁422には、規制ピン601、602の軸部611、612が挿通する。
ヨーク41の内筒部430は、図12に示すように、ボビン46の内側、且つプランジャ651、652の外側に設けられ、断面形状が長円形の筒状に形成されている。
露出内壁431、432、433は、プランジャ651、652が最後退位置から最前進位置まで移動する間、常にプランジャ651、652とオーバーラップする。ただし、露出内壁431、432、433とプランジャ651、652との間には、後述するスイッチング部材67の筒部673が嵌挿可能な空間Gpが形成される。空間Gpは、磁気的には、エアギャップとして磁気の伝達を抑制する。
すなわち、クロス伝達部434は、プランジャ651、652及びスイッチング部材67が組み付けられる前の状態では、ヨーク41の底壁422及び内筒部430から磁気的に隔離された状態にある。また、クロス伝達部434は、プランジャ651、652のいずれか一方が最後退位置から最前進位置まで移動する間、常にプランジャ651、652の互いに対向している側の外周部とオーバーラップする。
ホルダ45は非磁性体で形成され、ヨーク41内の後方であって、ボビン46とステータ44との間に支持される。ホルダ45は、図8に示すように、永久磁石501、502をそれぞれ収容する2つの収容部451、452が隔壁453を挟んで形成される。
軸方向のボビン46の後端面とステータ44との間は、Oリング491によってシールされる。径方向のボビン46の外壁とヨーク外筒部42の内壁との間は、Oリング492によってシールされる。
図8に示すように、本実施形態では永久磁石501、502の断面形状は円形である。永久磁石501、502の直径は、対応するプランジャ651、652の直径よりも大きく設定される。永久磁石501、502の磁石軸Q1、Q2は、仮想平面上において、ピン軸O1、O2の両外側に配置される。また、永久磁石501、502間の距離dmは、プランジャ651、652間の距離dpと同等に設定される。
図12に示すように、アダプタ551、552の後方の端面56は、永久磁石501、502の前方の端面53に当接し、或いは微小隙間を介して近接している。また、アダプタ551、552の前方の端面58には、非通電時、プランジャ651、652の後方の端面66が当接する。
また、仮にアダプタ551、552を設けない場合、永久磁石501、502がプランジャ651、652を吸引したとき、プランジャ651、652の衝突によって永久磁石501、502が割れ、アクチュエータが作動不能となるおそれがある。そこで間にアダプタ551、552を設けることで、プランジャ651、652が永久磁石501、502に吸着されるときの衝撃を緩和する。すなわち、アダプタ551、552は、「緩衝部材」としても機能する。
フランジ部71は、ヨーク41の前方の底壁422に接合されている。フランジ部71と底壁422との間は、Oリング493によってシールされる。
本体部72は、規制ピン601、602及びスプリング751、752を収容する収容穴721、722が形成されている。収容穴721、722は、ヨーク内筒部43のプランジャ穴431、432に連通する。ブッシュ731、732は、収容穴721、722に規制ピン601、602の鍔部631、632が収容された後、収容穴721、722の後方開口部に挿入される。また、収容穴721、722の穴底741、742には、摺動穴751、752が形成されている。
第1規制ピン601は、軸本体611に対し、第1プランジャ651に連結される連結部621、及び、第1スプリング751の座面を構成する鍔部631がピン軸O1上に同軸に形成されている。鍔部631は、例えば、軸本体611と別体のカラーを圧入して形成してもよく、或いは、軸本体611と一体で製作してもよい。
第1プランジャ651の外径は、第1規制ピン601の軸本体611の外径よりも大きく形成されており、この外径差による段差面が第1プランジャ651の前方端面665となっている。第1プランジャ651の前方端面665は、ヨーク底壁422のフロント吸引部425に対向しており、最前進位置で、フロント吸引部425に当接し、或いは微小隙間を介して近接する。
スイッチング部材67は、軟磁性体で断面形状が長円形の筒状に形成されており、筒部673の前端部には、内周側に突出する周縁部674が形成されている。
筒部673は、第1プランジャ651及び第2プランジャ652の互いに対向していない側の外周部に沿って設けられ、プランジャ651、652を包括して取り囲んでいる。周縁部674は、第1プランジャ651及び第2プランジャ652が最後退位置にあるとき、第1プランジャ651の前方端面665及び第2プランジャ652の前方端面666の両方の外縁に係合する。また、第1プランジャ651及び第2プランジャ652のいずれか一方が前進したとき、周縁部674は、前進したプランジャの前方端面の外縁に係合する。これにより、スイッチング部材67は、前進したプランジャに連動して前進する。
電源81は、接続配線84がコネクタ48に接続されることで、コイル47に駆動電流を供給する。
通電方向切替手段82は、電源81からコイル47へ供給される電流の通電の方向を切り替え、或いは通電を遮断する。
図13は、ゼロストロークS0付近でのプランジャが前進し始めるときの挙動を示す。図14は、ゼロストロークS0からフルストロークSfまでのストローク範囲全体にわたって規制ピン601、602及びプランジャ651、652に作用する力の関係を示し、特に最前進位置での規制ピンの保持力に係る特徴を示している。
図7に示す非通電時には、第1規制ピン601及び第2規制ピン602は、共に最後退位置に保持される。ここでは、第1規制ピン601を例として説明する。
図13に示すように、非通電時には、第1永久磁石501による磁石吸着力Fm0、及び第1スプリング751によるスプリング力Fspが第1プランジャ651に作用する。
ゼロストロークS0では磁石吸着力Fm0の絶対値がスプリング力Fspを上回るように設定されるため、第1プランジャ651は第1永久磁石501に吸着保持される。
これにより、第1規制ピン601及び第2規制ピン602の先端部641、642は、非通電時にいずれも最後退位置に維持され、バルブリフト調整装置10において係合溝14、24から離間する。
図9に示すようにコイル47に第1方向の電流を通電すると、コイル47は、第1永久磁石501の磁束Φm1と逆向きのコイル磁束Φsol1を生成する。すなわち、第1永久磁石501の磁束Φm1がS極からN極に向かって図の下向きに貫くのに対し、コイル磁束Φsol1は、第1永久磁石501を図の上向きに貫く。このように、第1方向の通電は、第1永久磁石501にとって、「磁石の磁束と逆方向のコイル磁束を発生させる通電」(以下、「逆方向通電」という。)となる。
このとき、スイッチング部材67は、第1プランジャ651の前進に連動して、スイッチングスプリング68の付勢力に抗して前進する。
フロント吸引部425とオフ側の第2永久磁石502との間の磁束伝達経路について、仮に、クロス伝達部434が無く、プランジャ651、652間で磁束が伝達されないとすると、「フロント吸引部425→ヨーク底壁422→ヨーク外筒部42→ステータ44→第2永久磁石502」というコイル47の外側を通る遠回りの経路となる。この場合、経路途中での磁気漏れが多く、第2永久磁石502の磁束Φm2はフロント吸引部425に有効に伝達されにくいと考えられる。
さらに、スイッチング部材67が第1プランジャ651に連動して前進したことによって、ヨーク内筒部430とプランジャ651、652との間の空間Gpが開放され、エアギャップを構成している。そのため、プランジャ651、652からヨーク内筒部430への磁束漏れも抑制されている。
これにより、第1規制ピン601の先端部641は、バルブリフト調整装置10の係合溝14に係合する。そして、カムシャフト11の回転によってスライダ21を図1の矢印X1の方向に移動させ、バルブリフト量をリフト量L1からリフト量L2に切り替える。
閾値ストロークSt未満の領域では第1永久磁石501の磁石吸着力Fm0の絶対値がスプリング力Fspを上回るため、第1プランジャ651は、第1アダプタ551に当接するまで後退方向に吸引される。
このとき、第1アダプタ551は、緩衝部材として第1プランジャ651が第1永久磁石501に直接衝突することを回避し、衝撃による第1永久磁石501の割れを防止することができる。
図10に示すように、コイル47に第2方向の電流を通電すると、コイル47は、第1永久磁石501の磁束Φm1と同じ向きであって第2永久磁石502の磁束Φm2と逆向きのコイル磁束Φsol2を生成する。すなわち、第2方向の通電は、第2永久磁石502にとって逆方向通電となる。したがって、第2方向通電時には、第1方向通電時とは逆に第2永久磁石502が減磁され、第2プランジャ652を吸引する磁石吸着力Fm0の絶対値が減少する。そして、第2スプリング752のスプリング力Fspによって第2規制ピン602が「作動側規制ピン」として作動する。
このとき、スイッチング部材67は、第2プランジャ652の前進に連動して、スイッチングスプリング68の付勢力に抗して前進する。
これにより、第2規制ピン602の先端部642は、バルブリフト調整装置10の係合溝24に係合する。そして、カムシャフト11の回転によってスライダ21を図5の矢印X2の方向に移動させ、バルブリフト量をリフト量L2からリフト量L1に切り替える。
一方、第1永久磁石501にとって第2方向の通電は同方向通電となるため、第1プランジャ651は、非通電時よりも大きな力で第1永久磁石501に吸着保持される。したがって、第1規制ピン601は、非通電時と同様に最後退位置に維持される。
本実施形態の電磁アクチュエータ40の効果について、比較例と対比しつつ説明する。
(1)本実施形態の電磁アクチュエータ40は、プランジャ651、652を後退方向に吸引する2つの永久磁石501、502が、磁極の向きが互いに反対となるように、静止部であるホルダ45に固定される。また、コイル47の通電方向を切り替えることで、2つの永久磁石501、502の一方に対して逆方向のコイル磁束を発生させ、吸着力を低下させる。そして、永久磁石501、502の吸着力が低下した側の規制ピン601、602をスプリング751、752の付勢力によって前進方向に作動させる。
図14(a)に示すように、後退方向の負の磁石吸着力Fm0*はストロークSdにてほぼ消失し、フルストロークSfでは0に漸近する。したがって、規制ピンを前進方向に付勢する力である「スプリング力Fsp*と磁石吸着力Fm0*との合力Fr*」もまた、フルストロークSfではスプリング力Fsp*に漸近する。
また、ゼロストロークS0での磁石吸着力Fm0を−K*とすると、オフ時保持力「−FhOFF」は(J*−K*)で表される。そのため、オフ時保持力「−FhOFF」の要求値を満足するためには、−K*の絶対値を、ある値以上に設定せざるを得ない。よって、永久磁石の大きさをある大きさ以上にする必要があり、永久磁石の小型化の可能性が制限されることとなる。
このクロス伝達部434を経由することにより、オン側のプランジャに対向するフロント吸引部とオフ側の永久磁石との間で、最短距離の磁気経路が形成されるため、永久磁石の磁束がフロント吸引部に有効に伝達される。よって、フロント吸引力Ffrを効率的に発生させることができる。
(ア)永久磁石及びホルダの形状、永久磁石及びプランジャの端面の面積の関係等は、上記実施形態の構成に限らない。また、アダプタを設けなくてもよい。
(イ)上記実施形態では、クロス伝達部434を設けることで、フロント吸引力の発生に有利となる。しかし、所望のフロント吸引力が得られる場合には、クロス伝達部を設けなくてもよい。
(オ)バルブリフト調整装置のカム、スライダ等の構成は、上記実施形態に例示したものに限らず、電磁アクチュエータの規制ピンの前進後退によって切替可能なものであればどのような構成であってもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
11 ・・・カムシャフト、 14、24 ・・・係合溝、
21 ・・・スライダ、
40 ・・・電磁アクチュエータ、 41 ・・・ヨーク、
425、426・・・フロント吸引部、
434・・・クロス伝達部、 47 ・・・コイル、
501、502 ・・・永久磁石、
601、602 ・・・規制ピン、 641、642 ・・・先端部、
651、652 ・・・プランジャ、 751、752 ・・・スプリング、
91、92 ・・・吸気バルブ。
Claims (3)
- 内燃機関の吸気バルブ(91、92)又は排気バルブのリフト量を調整するバルブリフト調整装置(10)に適用され、前記バルブリフト調整装置のカムシャフト(11)と共に回転しつつ前記カムシャフトに対し軸方向に相対移動可能なスライダ(21)に形成された係合溝(14、24)に2つの規制ピン(601、602)のうちいずれか一方である作動側規制ピンの先端部(641、642)を係合させるとき前記作動側規制ピンを前進させ、前記作動側規制ピンの先端部を前記係合溝から離間させるとき前記カムシャフトのトルクによって前記作動側規制ピンが押し戻される電磁アクチュエータ(40)であって、
前記係合溝に対し前進可能に並設される第1規制ピン(601)及び第2規制ピン(602)と、
軟磁性体で形成され、一方の端部に前記第1規制ピンが連結される第1プランジャ(651)、及び、一方の端部に前記第2規制ピンが連結される第2プランジャ(652)と、
前記第1プランジャ及び前記第2プランジャに対して静止した静止部に、磁極の向きが前記第1プランジャ及び前記第2プランジャの作動方向と平行であって互いに反対となるように固定され、前記第1プランジャを後退方向に吸引する第1永久磁石(501)、及び前記第2プランジャを後退方向に吸引する第2永久磁石(502)と、
通電方向を切り替えることで、前記第1永久磁石又は前記第2永久磁石の一方に対して逆方向の磁束を発生させ、対応する前記プランジャを吸引する吸着力を低下させるコイル(47)と、
前記第1規制ピン及び前記第2規制ピンを前進方向に付勢し、前記コイルへの通電によって前記永久磁石の吸着力が低下した側の前記規制ピンを付勢力によって前進方向に作動させる第1スプリング(751)及び第2スプリング(752)と、
軟磁性体で形成され、前記コイル、前記永久磁石、及び前記プランジャの間で磁気回路を構成し、前記プランジャの前記永久磁石と反対側の端部に対向するフロント吸引部(425、426)を有するヨーク(41)と、
前記プランジャの作動方向において、最後退位置にある一方の前記プランジャ、及び、最後退位置から最前進位置まで移動する他方の前記プランジャとオーバーラップし、前記プランジャ同士の間で磁束を伝達可能なクロス伝達部(434)と、
非磁性体で形成され、前記クロス伝達部と前記ヨークの前記フロント吸引部側の底壁(422)との間に設けられ、前記クロス伝達部と前記ヨークの前記底壁とを磁気的に隔離する非磁性柱部(454)と、
を備え、
前記規制ピンが前進したとき、前記ヨークの前記フロント吸引部が前記他方のプランジャを吸引することで、前記規制ピンを最前進位置に保持するフロント吸引力を発生し、
前記他方のプランジャの最前進位置で、前記フロント吸引部、前記他方のプランジャ、前記クロス伝達部、及び、最後退位置にある前記一方のプランジャが接触し、磁気経路を形成することを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 内燃機関の吸気バルブ(91、92)又は排気バルブのリフト量を調整するバルブリフト調整装置(10)に適用され、前記バルブリフト調整装置のカムシャフト(11)と共に回転しつつ前記カムシャフトに対し軸方向に相対移動可能なスライダ(21)に形成された係合溝(14、24)に2つの規制ピン(601、602)のうちいずれか一方である作動側規制ピンの先端部(641、642)を係合させるとき前記作動側規制ピンを前進させ、前記作動側規制ピンの先端部を前記係合溝から離間させるとき前記カムシャフトのトルクによって前記作動側規制ピンが押し戻される電磁アクチュエータ(40)であって、
前記係合溝に対し前進可能に並設される第1規制ピン(601)及び第2規制ピン(602)と、
軟磁性体で形成され、一方の端部に前記第1規制ピンが連結される第1プランジャ(651)、及び、一方の端部に前記第2規制ピンが連結される第2プランジャ(652)と、
前記第1プランジャ及び前記第2プランジャに対して静止した静止部に、磁極の向きが前記第1プランジャ及び前記第2プランジャの作動方向と平行であって互いに反対となるように固定され、前記第1プランジャを後退方向に吸引する第1永久磁石(501)、及び前記第2プランジャを後退方向に吸引する第2永久磁石(502)と、
通電方向を切り替えることで、前記第1永久磁石又は前記第2永久磁石の一方に対して逆方向の磁束を発生させ、対応する前記プランジャを吸引する吸着力を低下させるコイル(47)と、
前記第1規制ピン及び前記第2規制ピンを前進方向に付勢し、前記コイルへの通電によって前記永久磁石の吸着力が低下した側の前記規制ピンを付勢力によって前進方向に作動させる第1スプリング(751)及び第2スプリング(752)と、
軟磁性体で形成され、前記コイル、前記永久磁石、及び前記プランジャの間で磁気回路を構成し、前記プランジャの前記永久磁石と反対側の端部に対向するフロント吸引部(425、426)を有するヨーク(41)と、
軟磁性体で形成され、前記ヨークと前記プランジャとの間に設けられ、前記第1プランジャ又は前記第2プランジャのいずれか一方が前進したとき連動して前進するスイッチング部材(67)と、
非磁性体で筒状に形成され、前記スイッチング部材が所定ストローク前進したとき前記スイッチング部材の周囲に位置するように周設された非磁性筒部(455)と、
を備え、
前記規制ピンが前進したとき、前記ヨークの前記フロント吸引部が前記プランジャを吸引することで、前記規制ピンを最前進位置に保持するフロント吸引力を発生し、
前記第1プランジャ及び前記第2プランジャの両方が最後退位置にあるとき、前記スイッチング部材は、前記ヨークと前記プランジャとの間で磁束を伝達し、
前記第1プランジャ又は前記第2プランジャが前進し、前記スイッチング部材の軸方向位置が前記非磁性筒部の範囲に含まれたとき、前記ヨークと前記プランジャとの間の磁束伝達が遮断されることを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 前記プランジャの作動方向において、最後退位置にある一方の前記プランジャ、及び、最後退位置から最前進位置まで移動する他方の前記プランジャとオーバーラップし、前記プランジャ同士の間で磁束を伝達可能なクロス伝達部(434)を備えることを特徴とする請求項2に記載の電磁アクチュエータ。
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