JP6030300B2 - プレコートフィン材を使用した熱交換器の製造方法および熱交換器 - Google Patents
プレコートフィン材を使用した熱交換器の製造方法および熱交換器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6030300B2 JP6030300B2 JP2011288407A JP2011288407A JP6030300B2 JP 6030300 B2 JP6030300 B2 JP 6030300B2 JP 2011288407 A JP2011288407 A JP 2011288407A JP 2011288407 A JP2011288407 A JP 2011288407A JP 6030300 B2 JP6030300 B2 JP 6030300B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- brazing
- fin
- heat exchanger
- silicate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
また、アルミニウム押出材を用いてフィンを構成する場合、フィン間隔を小さくして小型化、軽量化を図ると、表面張力によりフィンの隙間に雨水などを保水してしまうため、フィンの濡れ性を改善し、フィンからの排水性を確保する必要が生じる。
このような背景から、アルミニウム製のフィン材の表面に親水基を備えた有機皮膜を塗布し、この塗膜を乾燥定着させて親水性皮膜とする技術が採用されている。
しかし、ろう付け構造の熱交換器は、ろう付け時に600℃前後の温度に加熱されるので、有機皮膜を予めろう付け前に塗布することはできないと考えられている。600℃に加熱されると有機皮膜は焼失するか変質するためである。このため一般に、チューブやフィンを熱交換器の形状に組み立て、ろう付けして熱交換器の形状とした後、親水性樹脂液に浸漬して全体に親水性皮膜を形成するという、いわゆるポストコートにより親水性皮膜の形成がなされている。
従って、オールアルミニウム熱交換器においては、熱交換器として必要な耐食性を確保し、親水性を確保した上に、量産時の製造手間を省き、廃液処理などの問題も生じない量産技術の開発が望まれている。
前記ろう材組成物を用いた場合、Si粉末を溶融させてろう液を構成し、ろう液の拡散とともにZnも拡散させ、Zn拡散層を形成することで、押出チューブ表面の電位を低く、内部で高い電位とする電位勾配を形成して、耐孔食性を向上させたチューブを提案できる。
本発明者は、このろう材組成物を用いてろう付けする技術を応用し、表面に親水性皮膜を備えたフィンにチューブをろう付けして構成される熱交換器への応用が可能であるか検討し、本願発明に至った。
本願発明は、これらの背景に鑑み、本願発明は、ポストコートではなく、プレコートによりフィンに親水性を付与でき、フィン間に雨水などを保水するおそれが少ないフィンを備え、更に、ろう付け後のチューブの耐食性も良好とした熱交換器を提供することを目的とする。
フィン材にろう材を有しないものを用いることが必要であるので、ろう材を有するチューブには一般的なブレージングシートを用いてもよい。
本発明に係る熱交換器の製造方法において、前記基材に前記ケイ酸塩を主成分とする塗膜の下地処理として耐食性処理を施すことができる。
本発明に係る熱交換器の製造方法において、前記チューブの外面に塗布されたSiとZnを含むろう付け用塗膜をろう付け時の熱により溶融させて前記ろう材を形成することができる。
本発明に係る熱交換器において、前記ろう材にSiとZnが含まれ、前記犠牲陽極層に前記ろう材からの拡散Siと拡散Znが含まれたことが好ましい。
本発明に係る熱交換器において、前記フィン表面の接触角が30゜以下であることが好ましい。
また、本発明に係るオールアルミニウム熱交換器に設けられたチューブであるならば、犠牲陽極層がチューブに対し付与する防食効果により、耐食寿命に優れた熱交換器を提供できる。更に、プレコートによりフィンの表面に形成したケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムのいずれかを含む皮膜が優れた親水性を発揮する。
図1は、本発明に係るオールアルミニウム熱交換器の一実施形態を示すもので、この形態の熱交換器100は、左右に離間し平行に配置されたヘッダーパイプ1、2と、これらのヘッダーパイプ1、2の間に相互に間隔を保って平行に、かつ、ヘッダーパイプ1、2に対してほぼ直角に接合された複数の扁平状のチューブ3と、各チューブ3にろう付けされた波形のフィン4を主体として構成されている。ヘッダーパイプ1、2、チューブ3及びフィン4は、後述するアルミニウム合金から構成されている。
より詳細には、ヘッダーパイプ1、2の相対向する側面に図2または図3に示すようにスリット6が各パイプの長さ方向に定間隔で複数形成され、これらヘッダーパイプ1、2の相対向するスリット6にチューブ3の各端部を挿通してヘッダーパイプ1、2間にチューブ3が架設され、ろう付けされている。また、ヘッダーパイプ1、2間に所定間隔で架設された複数のチューブ3の表裏面側に各々波型のフィン4が配置され、これらのフィン4がチューブ3の表面側あるいは裏面側にろう付けされている。
本実施形態の熱交換器100は、ルームエアコンディショナーの室内・室外機用の熱交換器、あるいは、HVAC(Heating Ventilating Air Conditioning)用の室外機、エコキュート室外機用の熱交換器、自動車用の熱交換器などの用途に使用されるオールアルミニウム熱交換器である。
更に、フィン4は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材4aの表面に、以下に説明する親水性皮膜4bが被覆されている。
親水性皮膜4bは、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウムなどのケイ酸塩を主体とする皮膜からなり、後述するろう付け処理の前に、塗布された塗膜が乾燥されて親水性皮膜として構成されたものである。親水性皮膜4bの具体例として、水ガラス(NaxSiO2)の塗膜、水ガラスにアクリル樹脂を混合した塗膜であって、後述するろう付け処理を経た後に残留する親水性皮膜を例示できる。
ろう付け前のチューブ3には、フィン材4Aが接合される表面と裏面に、Si粉末:1.0〜5.0g/m2と、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF3):3.0〜10.0g/m2と、バインダ(例えば、アクリル系樹脂):0.5〜3.5g/m2からなる配合組成のろう付け用塗膜(ろう材塗膜)7が図4に示す如くチューブ3の表面の大部分と裏面の大部分を覆うように形成されている。
<Si粉末>
Si粉末は、チューブ3を構成するAlと反応し、フィン4とチューブ3を接合するろうを形成するが、ろう付け時にZn含有フラックスとSi粉末が溶融してろう液となる。このろう液にフラックス中のZnが均一に拡散し、チューブ3の表面に均一に広がる。液相であるろう液内でのZnの拡散速度は固相内の拡散速度より著しく大きいので、これにより均一なZn拡散がなされ、チューブ3表面の面方向のZn濃度がほぼ均一となる。また、チューブ3の表面から深さ方向への拡散について見ると、SiはAlと共晶となって融点を下げるので、チューブ3の表面では共晶組成となった状態にZnが拡散しチューブ3の表面に所定厚さの犠牲陽極層3aが生成する。この犠牲陽極層3aの生成によりチューブ3の耐食性を向上できる。
Si粉末の塗布量が1.0g/m2未満であると、ろう形成が不十分となるおそれがあり、均一な犠牲陽極層が形成されなくなるおそれがある一方、塗布量が5.0g/m2を超えると、犠牲陽極層表面に貴なカソード層が形成され、犠牲陽極層の効果が短時間となるおそれがある。このため、塗膜におけるSi粉末の含有量は1.0〜5.0g/m2とすることが好ましい。
<Si粉末粒度:最大粒径:D(99):20μm以下>
<Si粉末粒度:平均粒径:D(50):1〜10μm>
Si粉末の粒度がD(99)において20μm以下であれば、均一な犠牲陽極層を形成することが可能である反面、20μmを超えると、局部的に深いエロージョンが生成し、均一な犠牲陽極層を形成できなくなるおそれがある。このため、Si粉末の粒度は、最大粒径D(99)において20μm以下が好ましい。Si粉末の粒度が平均粒径(D50)において1〜10μmの範囲内であれば、均一な犠牲陽極層を形成することができる。しかし、1μm未満であると、ろう形成が不十分となるおそれがあり、均一な犠牲陽極層が形成されなくなるおそれがある。一方、10μmを超えると、ろう形成が点在し、均一な犠牲陽極層が形成されないおそれがある。このため、Si粉末の粒度は、(D50)において1〜10μmとするのが好ましい。なお、D(99)とは、体積割合で小さい粒から累積し、全体の99%となる粒の粒径のことである。また、(D50)とは、体積割合で小さい粒から累積し、全体の50%となる粒の粒径のことである。これらの値は、いずれもレーザ光散乱法で測定することができる。
Zn含有フッ化物系フラックスは、ろう付けに際し、チューブ3の表面に犠牲陽極層の電位を適正に卑とするZnを拡散させた犠牲陽極層3aを形成する効果がある。また、ろう付け時にチューブ3の表面の酸化物を除去し、ろうの広がり、ぬれを促進してろう付け性を向上させる作用を有する。
<フラックス塗布量:3.0〜10.0g/m2>
Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量が3.0g/m2未満であると、電位差が低くなり、犠牲効果が発揮されないおそれがある。また、被ろう付け材(チューブ3)の表面酸化皮膜の破壊除去が不十分なためにろう付け不良を招くおそれがある。一方、塗布量が10.0g/m2を超えると、電位差が過大となり、腐食速度が増加し、犠牲陽極層3aの存在による防食効果が短時間になるおそれがある。このため、Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量を3.0〜10.0g/m2とすることが好ましい。Zn含有フッ化物系フラックスは、一例としてKZnF3を用いることができる。
ろう付け用塗膜7には、Si粉末、Zn含有フッ化物系フラックスに加えてバインダを含む。バインダの例としては、好適にはアクリル系樹脂を挙げることができる。
バインダは犠牲陽極層3aの形成に必要なSi粉末とZn含有フラックスをチューブ3の表面または裏面に固着する作用があるが、バインダの塗布量が0.5g/cm2未満であると、ろう付け時にSi粉末やZnフラックスがチューブ3から脱落し、均一な犠牲陽極層3aが形成されないおそれがある。一方、バインダの塗布量が3.5g/cm2を超えると、バインダ残渣によりろう付け性が低下し、均一な犠牲陽極層3aが形成されないおそれがある。このため、バインダの塗布量は、0.5〜3.5g/m2とすることが好ましい。なお、バインダは、通常、ろう付けの際の加熱により蒸散する。
フィン4は、JIS1050系などの純アルミニウム系あるいはJIS3003系のアルミニウム合金を主体とした合金からなる。また、JIS3003系のアルミニウム合金に質量%で2%程度のZnを添加したアルミニウム合金からフィン4を形成しても良い。
フィン4は、上記組成を有するアルミニウム合金を常法により溶製し、熱間圧延工程、冷間圧延工程などを経て、波形形状に加工される。なお、フィン4の製造方法は、本発明としては特に限定されるものではなく、既知の製法を適宜採用することができる。
塗膜4bを形成する方法は、ロールコートなどで塗膜を形成し、オーブンで乾燥させるなど、種々の塗膜形成方法を適宜採用することができる。
ろう付け前の塗膜4bの付着量は、50〜3000mg/m2の範囲であることが好ましい。塗膜4bの付着量が少なすぎると、親水性が不足となり、付着量が多すぎると、フィン4とチューブ3との間に存在する皮膜量が多すぎてろう付け性が低下する。
ヘッダーパイプ1は、図2、図3に示すように、芯材層11と、芯材の外周側に設けられた犠牲材層12と、芯材の内周側に設けられたろう材層13とからなる3層構造をなしている。
芯材層11の外周側に犠牲材層12を設けることにより、フィン4による防食効果に加えてヘッダーパイプ1による防食効果も得られるため、ヘッダーパイプ1近傍のチューブ3の犠牲防食効果をより高めることができる。
例えば、Mn:0.05〜1.50%を含有することが好ましく、他の元素として、Cu:0.05〜0.8%、Zr:0.05〜0.15%を含有することができる。
芯材層11の外周側に設けられる犠牲材層12は、一例としてZn:0.60〜1.20%、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金から構成される。犠牲材層12は、クラッド圧延により芯材層11と一体化されている。
図2は、フィン材4Aとの接合面にろう付け用塗膜7を塗布したチューブ3を使用し、ヘッダーパイプ1、2、チューブ3及びフィン材4Aを組み立てた状態を示す熱交換器組立体101の部分拡大図である。図2は加熱ろう付けする前の状態を示している。図2に示す熱交換器組立体101において、チューブ3はその両端をヘッダーパイプ1、1に設けたスリット6に挿入されている。
図2に示すように組み立てられたヘッダーパイプ1、2、チューブ3及びフィン材4Aからなる熱交換器組立体101をろう材の融点以上の温度に加熱すると、図3に示すように、ろう付け用塗膜7とろう材層13が溶けてヘッダーパイプ1とチューブ3、チューブ3とフィン材4Aが各々接合され、図1と図3に示す構造の熱交換器100が得られる。この時、ヘッダーパイプ1の内周面のろう材層13は溶融してスリット6近傍に流れ、フィレット8を形成してヘッダーパイプ1とチューブ3とが接合される。また、チューブ3の表面と裏面のろう付け用塗膜7は溶融して毛管力によりフィン材4Aの近傍に流れ、フィレット9を形成してチューブ3とフィン材4Aが接合される。
また、ろう付け時にフィン材4A表面の塗膜4bが親水性皮膜として残留され、フィン4が形成される。
ろう付けのための加熱温度は、上述したように、ろう材の融点以上であるが、上述した組成からなるろう材の場合、580〜615℃に加熱され、1〜10分程度保持される。
より詳細には、図5に示す如くチューブ3の表面にSi粉末20とZn含有フラックス粉末21とバインダ(図示略)が塗布されている場合、全体を加熱するとバインダが初めに溶融し、次いで570℃を超えた温度域においてZn含有フラックスが溶融し図6に示す如く融液22となってチューブ3の表裏面に広がり、Znがチューブ3の表面に矢印に示す如く拡散を開始する。そして、この温度域を超えるとSi粉末20を構成するSiが融液22を介してチューブ3側に図7に示す如く拡散する。
この後、580〜615℃のろう付け温度を所定時間保持することで図7に示す如くSiがAlと共晶組成となってAl−Si共晶領域が生成された後、この領域がチューブ3の全域に広がる。
前述の如く得られた熱交換器100によれば、チューブ3の表面に厚さ30〜150μmの電位がほぼ一定な犠牲陽極層3aが形成されているので、チューブ3の表面表層部あるいは裏面表層部からチューブ3の内部にかけて最外面の高濃度Znの領域と、犠牲陽極層3aとの電位差が小さい領域が、チューブ3の深さ方向と面方向にいずれも存在するので、この領域aの腐食速度が遅くなる結果、チューブ3の犠牲陽極層3aを早期に消耗してしまうことがなくなり、チューブ3の耐食寿命を長くすることができる効果がある。
融液22がチューブ3の表裏面に拡がり、フィン材4Aとの当接部分にフィレット9が生成される位置において、フィン材4Aの表裏面に存在しているケイ酸塩を主成分とする塗膜は除去され、一部はフィレット9中に残る。
また、JIS1050組成の複数の板材に対し、リン酸クロメート処理(付着量20 mg/m2)を施した(実施例10を除く。)。
次に、偏平状の熱交換器用アルミニウム合金チューブの表面と裏面にろう材組成物をロール塗布し、乾燥させた。ろう材組成物は、Si粉末(D(99)粒度10μm)3gと、フラックス(KZnF3:D(50)粒度2.0μm)6g、及び、アクリル系樹脂バインダ1g、溶剤としてのイソプロピルアルコール16gの混合物からなる溶液を試験に供した。
また、これらの熱交換器試験体を用いて以下に説明するろう付け性評価試験、耐熱試験後、水洗後接触角測定試験と耐熱試験後耐食性評価試験を行った。
ろう付接合された各フィンを、チューブからフィンをはぎ取り、チューブ表面に残存するフィン接合部跡を観察した。そして、未接合箇所(ろう付を行ったが接合部跡が残らなかった箇所)の数をカウントし、下記式に基づいて接合率を求めた。フィン接合部は100個測定した結果である。
接合率=(全接合箇所の数−未接合箇所の数/全接合箇所の数)×100(%)
全接合箇所の数:ろう付を行った全箇所数
未接合箇所の数:ろう付を行ったが接合部跡が残らなかった箇所の数
<耐熱試験後、水洗後接触角測定>
600℃×10分のろう付け後、流水に24時間浸漬し、フィン表面の接触角を測定した。接触角が30°以下であれば合格とする。
<耐熱試験後耐食性>
600℃×10分のろう付け後、得られた各熱交換器試験体について、JIS Z 2301に基づいて240時間の塩水噴霧試験(SST)を行ない、腐食状況をRN(レイティングナンバー)で評価した。
以上の結果を以下の表1に記載する。
表1に示す結果から、いずれの実施例の試験体のフィンであってもろう付け性については問題がなく、良好なろう付け性能を得ることができた。
表1に示す結果から、いずれの実施例の試験体のフィンであっても接触角は30゜以下になり、優れた親水性が得られた。従って、プレコートによりケイ酸塩の親水性塗膜を形成したフィンに対し、ろう付け後においても満足な親水性を得ることができた。
実施例8の試験体は塗膜付着量が少ない試験体であるが、接触角がやや高く、実施例9の試験体は塗膜付着量が多すぎる試験体であるが、ろう付け性がやや低下した。ケイ酸塩の塗膜が厚すぎる場合は、フィンとチューブの間の間隔が大きくなるので、溶融したろうがフィンとチューブの間を完全に埋めきれなかったことが原因と思われる。
Claims (8)
- 内部に冷媒流路を有するチューブと、該チューブの外面にろう付けされたフィンとを備え、前記チューブとフィンがアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなり、ろう材を有するチューブと、ろう材を有さないフィンとをろう付けする熱交換器の製造方法であって、
前記フィンがアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる基材の表面に親水性を有するケイ酸塩を主成分とする塗膜からなる親水性皮膜を形成したプレコートフィン材からなり、前記塗膜として10質量%以下のアクリル樹脂、界面活性剤を含み残部ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムのいずれかの組成を有する塗膜を用い、
前記塗膜を形成したフィン材と前記チューブを組み付け、580〜615℃に加熱することでろう付けすることを特徴とするろう付け性と親水性に優れ、プレコートフィン材を使用した熱交換器の製造方法。 - 前記ケイ酸塩を主成分とする塗膜の付着量を50〜3000mg/m2の範囲とし、ろう付け後のフィン表面の接触角を30゜以下とすることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
- 前記基材に前記ケイ酸塩を主成分とする塗膜の下地処理として耐食性処理を施すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器の製造方法。
- 前記チューブの外面に塗布されたSiとZnを含むろう付け用塗膜をろう付け時の熱により溶融させて前記ろう材を形成することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法。
- ろう付け前に前記チューブの外面に、Si粉末とZn含有フラックスを含むろう付け用塗膜を形成し、ろう付け時の熱によりSiとZnをチューブ内に拡散させて該チューブの表面に犠牲陽極層を形成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法。
- 内部に冷媒流路を有するチューブと、該チューブの外面にろう付け部を介し接合されたフィンとを備え、前記チューブとフィンがアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなり、ろう材を有するチューブと、ろう材を有さないフィンとが接合された熱交換器であって、
前記チューブの外面にSiとZnを含む厚さ30〜150μmの犠牲陽極層を有し、前記チューブと前記フィンのろう付け部分が前記ろう材の溶融凝固物からなるフィレットにより構成され、前記フィンが表裏面に親水性を有するケイ酸塩を主成分とする親水性皮膜を形成したプレコートフィン材からなり、前記フィンの表裏面において前記フィレットに接する部分に親水性皮膜が無く、前記フィンに前記フィレットが一体化され、前記親水性皮膜がケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムのいずれかを含む皮膜であることを特徴とする熱交換器。 - 前記ろう材にSiとZnが含まれ、前記犠牲陽極層に前記ろう材からの拡散Siと拡散Znが含まれたことを特徴とする請求項6に記載の熱交換器。
- 前記フィン表面の接触角が30゜以下であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011288407A JP6030300B2 (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | プレコートフィン材を使用した熱交換器の製造方法および熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011288407A JP6030300B2 (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | プレコートフィン材を使用した熱交換器の製造方法および熱交換器 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016205275A Division JP6319917B2 (ja) | 2016-10-19 | 2016-10-19 | プレコートフィン材を使用した熱交換器の製造方法および熱交換器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013137153A JP2013137153A (ja) | 2013-07-11 |
JP6030300B2 true JP6030300B2 (ja) | 2016-11-24 |
Family
ID=48913014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011288407A Active JP6030300B2 (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | プレコートフィン材を使用した熱交換器の製造方法および熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6030300B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109439027A (zh) * | 2018-09-26 | 2019-03-08 | 中国兵器科学研究院宁波分院 | 一种提高铝基热管理材料抗腐蚀性能的涂料及方法 |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6529749B2 (ja) * | 2014-11-26 | 2019-06-12 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 |
JP6530178B2 (ja) * | 2014-11-26 | 2019-06-12 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 |
CN107110624B (zh) * | 2015-01-07 | 2021-04-30 | 三菱电机株式会社 | 制冷剂分配器、其制造方法、其制造装置 |
JP2017036895A (ja) * | 2015-08-12 | 2017-02-16 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器用アルミニウム合金チューブ |
JP2017180961A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 株式会社Uacj | 親水性皮膜及びそれを用いた熱交換器用フィン並びに熱交換器 |
JP7096638B2 (ja) * | 2016-09-12 | 2022-07-06 | 株式会社Uacj | プレコートフィン及びこれを用いた熱交換器 |
JP2018044694A (ja) * | 2016-09-12 | 2018-03-22 | 株式会社Uacj | プレコートフィン材及びこれを用いた熱交換器 |
WO2019019096A1 (zh) * | 2017-07-27 | 2019-01-31 | 太仓陶氏电气有限公司 | 一种耐低温防盐雾焊接散热器的焊接工艺 |
JP7209487B2 (ja) * | 2017-11-24 | 2023-01-20 | Maアルミニウム株式会社 | ろう付け処理後の親水性に優れるアルミニウムフィン及び熱交換器とその製造方法 |
WO2019102915A1 (ja) * | 2017-11-24 | 2019-05-31 | 三菱アルミニウム株式会社 | ろう付け処理後の親水性に優れるアルミニウムフィン及び熱交換器とその製造方法 |
JP6776405B2 (ja) * | 2019-05-16 | 2020-10-28 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 |
WO2021215512A1 (ja) * | 2020-04-22 | 2021-10-28 | 三菱マテリアル株式会社 | 親水性塗料組成物、アルミニウム部材、アルミニウム板材、アルミニウムチューブ、および熱交換器 |
Family Cites Families (29)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5348177B2 (ja) * | 1974-06-10 | 1978-12-27 | ||
JPS601558B2 (ja) * | 1981-12-19 | 1985-01-16 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換媒体製造法 |
JPS58126989A (ja) * | 1982-01-25 | 1983-07-28 | Showa Alum Corp | 噴霧容器入り熱交換器親水性付与液 |
JPS61261483A (ja) * | 1985-05-14 | 1986-11-19 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 熱交換器用アルミニウムフイン材 |
JPS62104638A (ja) * | 1985-11-01 | 1987-05-15 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 熱交換器用フインの製造方法 |
JPS62235477A (ja) * | 1986-04-03 | 1987-10-15 | Showa Alum Corp | アルミニウムの親水性皮膜形成剤 |
JPH0718017B2 (ja) * | 1987-03-27 | 1995-03-01 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換媒体材の製造方法 |
JPH02150695A (ja) * | 1988-12-02 | 1990-06-08 | Showa Alum Corp | アルミニウムフィン付き熱交換器 |
US5012862A (en) * | 1990-09-12 | 1991-05-07 | Jw Aluminum Company | Hydrophilic fins for a heat exchanger |
JPH05125555A (ja) * | 1991-11-06 | 1993-05-21 | Furukawa Alum Co Ltd | プレス成形性に優れたプレコートフイン材 |
JP3227618B2 (ja) * | 1992-07-24 | 2001-11-12 | 昭和電工株式会社 | 熱交換器用プレコート・フィン材の製造法 |
JPH07127985A (ja) * | 1993-11-04 | 1995-05-19 | Toshiba Corp | 熱交換器およびその製造方法 |
JPH07268243A (ja) * | 1994-03-31 | 1995-10-17 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 熱交換器用プレコートフィン材及びその製造方法 |
JPH07303983A (ja) * | 1994-05-02 | 1995-11-21 | Nippon Light Metal Co Ltd | 非腐食性フラックスろう付用アルミニウム合金材およびろう付け方法 |
JP2000256868A (ja) * | 1999-03-08 | 2000-09-19 | Nippon Light Metal Co Ltd | 熱交換器用プレコートフィン材 |
JP4577634B2 (ja) * | 2000-09-07 | 2010-11-10 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出チューブ |
JP4088887B2 (ja) * | 2002-06-17 | 2008-05-21 | 株式会社デンソー | 水系アルミニウムろう付け用組成物、及びろう付け方法 |
JP2004042482A (ja) * | 2002-07-12 | 2004-02-12 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 熱交換器用アルミニウム材料およびそれを用いた熱交換器 |
JP2004293916A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Furukawa Sky Kk | 熱交換器フィン用アルミニウム塗装材の製造方法 |
JP4413526B2 (ja) * | 2003-05-06 | 2010-02-10 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器用チューブ |
JP2009082971A (ja) * | 2007-10-02 | 2009-04-23 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 耐食性が良好なアルミニウム合金製熱交換器の継手及びそれを用いた熱交換器、並びにそれらの製造方法 |
CN101676667B (zh) * | 2008-09-02 | 2015-08-19 | 康奈可关精株式会社 | 铝合金制热交换器及其制造方法 |
JP5675092B2 (ja) * | 2009-12-28 | 2015-02-25 | 三菱アルミニウム株式会社 | 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金チューブ及びそれを用いた熱交換器 |
JP5417160B2 (ja) * | 2009-12-28 | 2014-02-12 | 三菱アルミニウム株式会社 | 耐食性に優れる粉末ろう組成物及びそれを用いてなる熱交換器用アルミニウム合金チューブ及び熱交換器 |
JP5534583B2 (ja) * | 2010-01-07 | 2014-07-02 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金製熱交換器のろう付接合方法およびヘッダプレート材 |
JP5658227B2 (ja) * | 2010-03-02 | 2015-01-21 | 三菱アルミニウム株式会社 | アルミニウム合金製熱交換器 |
US20110240280A1 (en) * | 2010-03-31 | 2011-10-06 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | Aluminum alloy brazing sheet and heat exchanger |
JP2011220554A (ja) * | 2010-04-05 | 2011-11-04 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | フィン・アンド・チューブ型熱交換器用伝熱管及びそれを用いたフィン・アンド・チューブ型熱交換器並びにその製造方法 |
JP5710946B2 (ja) * | 2010-11-25 | 2015-04-30 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器用偏平管および熱交換器 |
-
2011
- 2011-12-28 JP JP2011288407A patent/JP6030300B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109439027A (zh) * | 2018-09-26 | 2019-03-08 | 中国兵器科学研究院宁波分院 | 一种提高铝基热管理材料抗腐蚀性能的涂料及方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013137153A (ja) | 2013-07-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6030300B2 (ja) | プレコートフィン材を使用した熱交換器の製造方法および熱交換器 | |
JP6253212B2 (ja) | 熱交換器組立体構成用チューブ | |
JP6530178B2 (ja) | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 | |
JP5675092B2 (ja) | 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金チューブ及びそれを用いた熱交換器 | |
JP5115963B2 (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材および耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器の製造方法 | |
JP5906113B2 (ja) | 熱交換器用押出伝熱管と熱交換器および熱交換器用押出伝熱管の製造方法 | |
JP6468620B2 (ja) | ろう付け用混合組成物塗料 | |
JP5710946B2 (ja) | 熱交換器用偏平管および熱交換器 | |
JP5334086B2 (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム製熱交器およびその製造方法 | |
JP6529749B2 (ja) | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 | |
JP2019190720A (ja) | 親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィンと熱交換器およびその製造方法 | |
JP2019190725A (ja) | ろう付熱交換器用プレコートフィン材と熱交換器 | |
JP6952568B2 (ja) | 湯水洗親水性塗膜を備えたアルミニウムフィンと湯水洗親水性塗膜およびアルミニウムフィンの製造方法と熱交換器 | |
JP6319917B2 (ja) | プレコートフィン材を使用した熱交換器の製造方法および熱交換器 | |
JP7209487B2 (ja) | ろう付け処理後の親水性に優れるアルミニウムフィン及び熱交換器とその製造方法 | |
JP4411803B2 (ja) | アルミニウム熱交換器のろう付け方法およびアルミニウム部材ろう付け用溶液 | |
JP6983699B2 (ja) | ろう付け用混合組成物塗料 | |
WO2019102915A1 (ja) | ろう付け処理後の親水性に優れるアルミニウムフィン及び熱交換器とその製造方法 | |
JP6776405B2 (ja) | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 | |
JP2003225760A (ja) | アルミニウム熱交換器の製造方法 | |
JP2019152360A (ja) | 親水性塗膜を備えたアルミニウムフィンと熱交換器 | |
JP2022103470A (ja) | 親水性皮膜とプレコートフィン材および熱交換器 | |
JP2022024371A (ja) | フラックス塗料、塗膜、熱交換器用アルミニウムチューブ、および熱交換器 | |
JP2019060522A (ja) | 熱交換器の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141030 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150715 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150728 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150928 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160202 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160404 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160920 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161020 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6030300 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |