JP2019190720A - 親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィンと熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィンと熱交換器およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィンと熱交換器およびその製造方法の提供を目的とする。【解決手段】本形態の熱交換器用アルミニウムフィンは、チューブに対しろう付けされるアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンであって、表面と裏面の少なくとも一方にろう付け前にシリカ(SiO2)を含む親水性塗膜を有し、ろう付け前に形成された前記シリカよりも熱交換効率に優れた金属シリコン(Si)を含む親水性皮膜がろう付け後に形成されることを特徴とする。本形態の熱交換器用アルミニウムフィンにおいて、前記親水性皮膜に、ケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムが含まれていることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィンと熱交換器およびその製造方法に関する。
扁平多穴管、フィン及びヘッダーパイプを主構成要素とし、これらをろう付けすることにより構成されるアルミニウム合金製熱交換器が知られている。
そして、この種の熱交換器を製造するため、ろう付け用のSi粉末と、フッ化物系フラックスに加え、樹脂と溶剤からなるバインダーとの混合物とした粉末ろう組成物が提供されている。また、前記粉末ろう組成物を表裏面に塗布した扁平多穴管とフィン及びヘッダーパイプとをろう付けすることによって、安価に熱交換器を製造する方法が提案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
特開平7−227695号公報 特開2004−330233号公報
特許文献1および特許文献2に記載の粉末ろう組成物、熱交換器を用いることにより、扁平多穴管からなるチューブとフィンとのろう付け接合部に選択腐食を発生することがなく、信頼性の高い、工業上実用性の高い熱交換器が得られている。
従来、粉末ろう組成物を扁平多穴管に塗布する場合、その表裏面にバーコーターやロールコーターなどの塗布装置を用いて塗布することが一般的である。これは、フィンに接触する部分が扁平管の表裏面であること、これら塗布装置によりろう付け組成物を目的のスピードで均一塗布できること、大量生産に好適であることなどによる。
ところで、熱交換器には、更なる小型化、軽量化が進められており、ろう付け部分の信頼性の向上などに加え、チューブを流れる冷媒とフィンとの間で良好な熱交換効率を発揮できることなどが要求される。
熱交換器において良好な熱交換効率を得るための1つの問題点として、並列配置した複数のフィン間の隙間に水滴などが付着すると、隙間が水滴で閉塞され、熱交換効率が低下する問題がある。従来から、水滴によるフィン間の隙間の閉塞を防止するために、フィンに親水性皮膜を形成しているが、熱交換器においては、フィンに親水性皮膜を設けた上でフィンによる放熱効果が阻害されないような構造を提供する必要がある。
また、親水性皮膜は数〜十数μm程度の膜厚のシリカ(SiO)を主成分とする無機酸化物で構成されているため、アルミニウム(純アルミニウムAlの熱伝導率:237W/m・K)と比較してシリカを主成分とする親水性皮膜の熱伝導率は大幅に低い(シリカSiOの熱伝導率:1.38W/m・K)ことから、フィンから外気(大気)への熱の伝達を阻害されて熱交換器全体としての熱交換性能が十分に発揮されないことが懸念される。
本願発明は、これらの事情に鑑みなされたもので、ろう付け部分の信頼性向上と親水性と放熱性(熱伝導性)が良好な熱交換器用アルミニウムフィンと、それを用いた熱交換効率に優れた熱交換器およびその製造方法の提供を目的とする。
(1)本形態の熱交換器用アルミニウムフィンは、チューブに対しろう付けされるアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンであって、表面と裏面の少なくとも一方にろう付け前にシリカ(SiO)を含む親水性塗膜を有し、ろう付け前に形成された前記シリカよりも熱交換効率に優れた金属シリコン(Si)を含む親水性皮膜がろう付け後に形成されることを特徴とする。
(2)本形態の熱交換器用アルミニウムフィンにおいて、前記金属シリコンを含み、ケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムを主な成分とする親水性皮膜であることが好ましい。
(3)本形態の熱交換器用チューブにおいて、前記チューブがその内部に複数の流路を設けた押出多穴管からなることが好ましい。
(4)本形態の熱交換器は、チューブに対しアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンがろう付けされた熱交換器であって、前記アルミニウムフィンの表面と裏面の少なくとも一方にSiを含む親水性皮膜が形成されたことを特徴とする。
(5)本形態の熱交換器において、前記親水性皮膜に、金属シリコンと、ケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムを主な成分として含まれていることが好ましい。
(6)本形態の熱交換器において、前記チューブがその内部に複数の流路を設けた押出多穴管からなることが好ましい。
(7)本形態の熱交換器の製造方法は、表面と裏面の少なくとも一方にSi粉末とフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にアルカリ金属(Li、Na、K)のケイ酸塩を含む水ガラスからなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコンを生成させることを特徴とする。
(8)本形態の熱交換器の製造方法は、表面と裏面の少なくとも一方にフッ化物系フラックスとバインダ―を含むろう付組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にアルカリ金属(Li、Na、K)のケイ酸塩を含む水ガラスからなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコンを生成させることを特徴とする。
(9)本形態の熱交換器の製造方法は、表面と裏面の少なくとも一方にSi粉末とフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にシリカ粉末及び、又はシリカアルコキシドの加水分解物からなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコンを生成させることを特徴とする。
(10)本形態の熱交換器の製造方法は、表面と裏面の少なくとも一方にフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にシリカ粉末及び、又はシリカアルコキシドの加水分解物からなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコンを生成させることを特徴とする。
(11)本形態の熱交換器の製造方法において、前記親水性塗膜中に前記金属シリコンに加えてケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムを含む親水性皮膜とすることが好ましい。
(12)本形態の熱交換器の製造方法において、前記ろう付け組成物層としてSi粉末:1〜5g/m、Zn含有フラックス:3.0〜20g/m、バインダー:0.2〜8.3g/mを含むろう付け組成物層を用いることが好ましい。
本形態に係る熱交換器用アルミニウムフィンであるならば、チューブに対しろう付けされるアルミニウムフィンであって、表面と裏面の少なくとも一方に金属シリコンを含む親水性皮膜を形成し、金属シリコンが示す良好な熱伝導率(熱伝導率:160W/m・K)を利用し、熱伝導性に優れるとともに、親水性皮膜を設けることによってフィン間の隙間を水滴が閉塞する問題を解消し、熱交換効率が低下しないアルミニウムフィンを提供できる。
本形態に係る熱交換器は、アルミニウムフィンの表面と裏面の少なくとも一方に金属シリコンを含む親水性皮膜を形成し、金属シリコンが示す良好な熱伝導性を利用し、熱伝導性に優れるとともに、親水性皮膜を設けることによってフィン間の隙間を水滴が閉塞する問題を解消し、熱交換効率が低下しない熱交換器を提供できる。
本形態に係る熱交換器の製造方法によれば、Si粉末とフラックスとバインダーを含むろう付け組成物を塗布したチューブと水ガラスの親水性塗膜を備えたフィンとを不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において加熱してろう付けし、親水性塗膜中に金属シリコン(Si)を生成させるので、熱伝導性に優れた親水性皮膜を備えたフィンを有する熱交換器を提供できる。また、親水性皮膜を設けることによってフィン間の隙間を水滴が閉塞する問題を解消し、熱交換効率が低下しない熱交換器を提供できる。
第1実施形態の熱交換器用アルミニウムフィンを備えた熱交換器の一例を示す斜視図である。 同熱交換器におけるチューブとフィンの接合部を示す部分断面図である。 図1に示す熱交換器においてろう付けする前の状態を示す部分断面図である。 図1に示す熱交換器においてろう付け後の状態を示す部分断面図である。 ろう付け時に金属シリコンが生成されるメカニズムについて説明するもので、(A)はろう付け前の親水性塗膜を示す説明図、(B)はろう付け時にろうおよびフラックスから発生するガス成分(フッ素とカリウムなど)が親水性塗膜の表面に拡散する様子を示す説明図、(C)は親水性塗膜の表面に拡散した前記ガス成分とろう付け時にフッ化物が生成される状態を示す説明図、(D)は金属シリコンとシリカ、アルミナ及びそれらの複合酸化物およびフッ化アルミニウムが生成された親水性皮膜を示す説明図である。 親水性皮膜のXPS分析結果の一例を示すもので、(A)はろう付け前の親水性皮膜のXPS分析結果を示すグラフ、(B)はろう付け後の親水性皮膜のXPS分析結果を示すグラフである。 ろう付け後の親水性皮膜におけるXRD分析結果を示すグラフである。 ろう付け後の親水性皮膜におけるSEM断面観察図及び各元素をマッピングした断面観察図である。 親水性皮膜のシリカ中に金属シリコンが析出した場合の熱伝導率向上効果とアルミナを含むシリカ複合酸化物とフッ化アルミニウム中に金属シリコンが析出した場合の熱伝導率向上効果を対比して示すグラフである。
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際のチューブや熱交換器と同じであるとは限らない。
「第1実施形態」
図1に示す第1実施形態の熱交換器11は、ルームエアコンディショナーの室内・室外機用の熱交換器、あるいは、HVAC(Heating Ventilating Air Conditioning)用の室外機、自動車用の熱交換器などの用途に使用されるオールアルミニウム熱交換器である。
図1は複数のチューブ22をヘッダ管14にろう付けにより接合し、複数のチューブ22を複数のフィン13にろう付けにより接合して構成された熱交換器11の全体構造を示す。
この形態の熱交換器11は、左右に離間し平行に立設配置された一対のヘッダ管14と、一対のヘッダ管14の間に上下に相互に間隔を保って水平に、かつ、ヘッダ管14に対してほぼ直角に接合された複数本のチューブ本体12からなるチューブ22と、チューブ本体12の表面12aまたは裏面12bにろう付けされ、外気に熱を放散するための複数枚のフィン13とを備えている。
左右一対のヘッダ管14のうち一方の上端部には、ヘッダ管14を介しチューブ22に冷媒を供給する供給管18Aが接続されている。また、他方のヘッダ管14の下端部には、チューブ22を経由した冷媒を回収する回収管18Bが接続されている。チューブ本体12、フィン13、ヘッダ管14、供給管18A、回収管18Bは、いずれもアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されている。
図2に示すようにチューブ本体12は、幅広の表面壁12Aと裏面壁12Bとそれらの左右両端側を個々に接続した背の低い側面壁12C、12Cとチューブ本体12の内部を複数の流路12Dに仕切る複数の隔壁12Eとから構成されている。この例において複数の流路12Dはいずれも矩形状の類似断面形状に形成され、図2に示す例においてはチューブ本体内に26個の流路12Dが形成されている。
なお、図1に示すチューブ本体12は1つの例であって、各部の幅、厚さ、扁平度(幅と厚さの比率)、流路12Dの形状や個数はいずれも任意に設定することができる。
換言すると、チューブ本体12は、幅の広い平坦な表面(上面)12a及び裏面(下面)12bと、それらの両端側を個々に接続する平坦な短側面12c、12cとを有する偏平型に形成されている。
なお、短側面12cの形状は特に制限されるものではなく、湾曲面や複数の傾斜面からなる形状であっても良い。
図2は、チューブ22の長さ方向に直交する面に沿って横断面をとった熱交換器11の部分断面図である。図2に示すように、チューブ22を構成するチューブ本体12の内部には幅方向に沿って並ぶ複数(本実施形態では26個)の冷媒流路12Dが形成されている。また、図3に示すようにフィン13には、チューブ22の断面形状に対応する形状のスリット状の孔部19が、上下に所定の間隔をあけて複数個々に水平に形成されている。これらの孔部19は図2に示すようにフィン13の左側端部から右側端部近くまで形成され、孔部19の最奥部はフィン13の右側端部より若干手前側に位置されている。
これらの孔部19には、それぞれチューブ22が嵌合され、個々のチューブ22にろう付けにより複数のフィン13が固定されている。フィン13に形成された孔部19の長さ(図2に示す水平長さ)はフィン13の幅よりも若干短く、この孔部19に挿入されているチューブ22の幅(図2に示す水平長さ)は孔部12の長さより若干長く形成されている。このため、チューブ22の幅方向一側の短側面12cは孔部19の最奥部まで挿入され、ろう付けされているが、チューブ22の他側の短側面12cは孔部19から若干外側に突出されている。
図3、図4は、図1、図2に示す熱交換器11において、チューブ22の長さ方向に沿って縦断面をとった部分断面図であり、図3はろう付け前の状態を示し、図4はろう付け後の状態を示す。フィン13は、チューブ22の長さ方向に沿って(図3、図4の左右方向に沿って)複数枚、並列配置され、個々の孔部19にチューブ22が挿通されている。
複数のフィン13は、一定の間隔をおいて相互に平行に並列配置されている。フィン13は、孔部19の周縁部に沿ってフィン13の厚さ方向一側に屈曲した屈曲部20を有している。屈曲部20は、例えば、バーリング加工などの加工法により形成される。
図3、図4に示すようにチューブ22とフィン13は、一定間隔に並べた複数のフィン13をチューブ22が串刺し貫通するように配置され、フィン13とチューブ22が個々にろう付けにより固定されている。
図3に示すろう付け前の状態において、フィン13の孔部19に形成された屈曲部20とチューブ22の表面または裏面との隙間は10μm以下程度に形成されている。この隙間が大きすぎる場合は、後述するろう付け工程において溶融したろうの回り込み量が不足し、ろう付け不良を引き起こすおそれがある。
本実施形態のフィン13は、図2に示すように孔部19に対しチューブ22を貫通させているが、孔部19に代えてフィン13の幅方向両端側に到達しない水平長さのスリット状の貫通孔を設け、これらの貫通孔にチューブ22を通した構成としても良い。この構成の場合、図2に示す状態に対比すると、貫通孔の内側にのみチューブ22が存在し、チューブ22の幅方向一端側がフィン13の外側には突出しない構成となる。
以上説明の如くフィン13に対するチューブ22の貫通位置に特に制限はなく、フィン13とチューブ22のろう付けにより良好な熱伝導性を確保できる接合位置や接合形状であれば良い。
以下、熱交換器11の主な構成要素についてより詳細に説明する。
<<フィンとその構成材料>>
図3、図4に拡大して示すようにフィン13は、板状の基材3と、基材3の表面3a及び裏面3bに被覆された親水性塗膜1a、親水性皮膜1を有していることが好ましい。
フィン13の基材3は、JIS1050系などの純アルミニウム系あるいはJIS3003系のアルミニウム合金を主体とした合金からなる。また、基材3は、JIS3003系のアルミニウム合金に質量%で数%程度のZnを添加したアルミニウム合金からなるものであっても良い。一例を挙げるならば、質量%で、Zn:0.3〜5.0%、Mn:0.5〜2.0%、Fe:1.0%以下、Si:1.5%以下を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金などからなる。
なお、本明細書において添加元素の範囲を0.3〜5.0%のように「〜」を用いて表記した場合、特に注記しない限り、その上限と下限を含む範囲とする。よって、0.3〜5.0%は0.3%以上5.0%以下の範囲を意味する。
フィン13の基材3は、前記アルミニウム合金を常法により溶製し、熱間圧延工程、冷間圧延工程、プレス工程などを経て加工される。なお、基材3の製造方法は、本発明において特に限定されるものではなく、既知の製法を適宜採用することができる。
ろう付け後のフィン13の表裏面に形成されている親水性皮膜1は、ろう付け前にフィン13に塗布しておいたプリコートタイプの親水性塗膜1aをろう付け熱処理後も残留させて親水性皮膜1としたものである。
ろう付け前に塗布しておいた親水性塗膜1aは、水ガラス(NaO−SiO)の塗膜あるいは水ガラスに10質量%以下程度のアクリル樹脂や界面活性剤を混合した塗膜を用いることができる。
<<ヘッダー管の構成材料>>
ヘッダー管14を構成するアルミニウム合金は、Al−Mn系をベースとしたアルミニウム合金が好ましい。例えば、Mn:0.05〜1.50%を含有することが好ましく、他の元素として、Cu:0.05〜0.8%、Zr:0.05〜0.15%を含有することができる。
<<チューブの構成>>
図3に示すように、ろう付け前のチューブ本体12の表面12aと裏面12bには、ろう付け組成物層15を有している。
チューブ本体12を構成するアルミニウム合金は、熱交換器用のチューブに適用されるアルミニウム合金であれば特に制限はない。一例として、質量%で、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜1.5%、Cu:0.1%未満を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金などからなる。チューブ本体12は、これらのアルミニウム合金を押出することにより作製されたものである。
<<ろう付け組成物層15の構成材料>>
図3に示すろう付け前のチューブ本体12に形成されているろう付け組成物層15は、少なくともフィン3がろう付け接合される部分に対応し塗布された塗膜である。
ろう付け組成物層15は、一例として、Si粉末:1.0〜5.0g/mと、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF):3.0〜20.0g/mと、バインダー(例えば、アクリル系樹脂):0.5〜8.3g/mからなるろう付用塗膜であることが好ましい。なお、これらの成分に対し適切な量の溶剤を配合することでろう付け液状組成物が構成される。
以下、ろう付け組成物層15を構成するろう付け組成物の構成材料について説明する。
<Si粉末>
Si粉末は、チューブ本体12を構成するAlとろう付け時に反応し、フィン3とチューブ本体12を接合するろうを形成するが、ろう付け時にZn含有フラックスとSi粉末が溶融してろう液となる。
このろう液にフラックス中のZnが均一に拡散し、チューブ本体12の表面と裏面に均一に広がる。液相であるろう液内でのZnの拡散速度は固相内の拡散速度より著しく大きいので、これによりチューブ表面と裏面に均一なZn拡散がなされ、チューブ表面と裏面の面方向のZn濃度がほぼ均一となる。また、チューブ本体12の表面から深さ方向への拡散について見ると、SiはAlと共晶となって融点を下げるので、チューブ本体12の表面では共晶組成となった状態にZnが拡散しチューブ本体12の表面側と裏面側に所定厚さのZn溶融拡散層が生成する。このZn溶融拡散層が犠牲陽極層となるので、チューブ本体12の表面側と裏面側のろう付け部分の耐食性を向上できる。
<Si粉末塗布量:1.0〜5.0g/m
Si粉末の塗布量が1.0g/m未満であると、ろう形成が不十分となるおそれがあり、塗布量が5.0g/mを超えると、チューブ本体12の溶融量が増加してチューブ本体12の肉厚が減少して、好ましくない。このため、主ろう付け組成物層15におけるSi粉末の含有量は1.0〜5.0g/mとすることが好ましい。
<Si粉末粒度:最大粒径:D(99):30μm以下>
Si粉末の粒度がD(99)において30μm以下であれば、均一なZn溶融拡散層を形成することが可能である反面、30μmを超えると、局部的に深いエロージョンが生成し、均一なZn溶融拡散層を形成できなくなるおそれがある。このため、Si粉末の粒度は、最大粒径D(99)において30μm以下が好ましい。なお、D(99)とは、体積割合で小さい粒から累積し、全体の99%となる粒の粒径のことである。これらの値は、いずれもレーザ光散乱法で測定することができる。
<Zn含有フラックス、非Zn含有フラックス>
Zn含有フラックスは、ろう付けに際し、チューブ本体12の表面側と裏面側にZn溶融拡散層を形成し、耐孔食性を向上させる効果がある。また、ろう付け時にチューブ3の外面の酸化膜を破壊し、ろうの広がり、ぬれを促進してろう付け性を向上させる作用を奏する。このZn含有フラックスは、Znを含まないフラックスに比べ活性度が高いので、比較的微細なSi粉末を用いても良好なろう付け性が得られる。Zn含有フラックスは、KZnF、ZnF、ZnClのうち、1種または2種以上を用いることができる。Zn含有フラックスに対し、非Zn含有フラックスを添加しても良い。
非Zn含有フラックスとしてフッ化物系フラックスあるいはフルオロアルミン酸カリウム系のフラックスはKAlFを主成分とするフラックスであり、添加物を加えた種々の組成が知られている。KAlF+KAlFなる組成のもの、Cs(x)(y)(z)などを例示できる。他に、LiF、KF、CaF、AlF、KSiF等のフッ化物を添加したフッ化物系フラックス(例えば、フルオロアルミン酸カリウム系のフラックス)を用いることもできる。Znフラックスに加えてフッ化物系フラックス(例えばフルオロアルミン酸カリウム系のフラックス)を添加することでろう付け性向上に寄与する。
<フラックス塗布量:3.0〜20g/m
Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量が3.0g/m未満であると、熱交換器11とした場合の電位差が低くなり、犠牲効果が発揮されないおそれがある。また、チューブ本体12の表面酸化皮膜の破壊除去が不十分なためにろう付け不良を招くおそれがある。一方、塗布量が20mを超えると、フィレットにおけるZn濃縮が顕著になり、電位差が過大となり、腐食速度が増加し、Zn溶融拡散層の存在によるチューブ本体12の防食効果が短時間になるおそれがある。このため、Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量を3.0〜20g/mとすることが好ましい。Zn含有フッ化物系フラックスは、一例としてKZnFを用いることができる。前述の非Zn含有フラックスは、Zn含有フラックスに加えて添加することができる。
<バインダー塗布量:0.2〜8.3g/m
ろう付け組成物層15には、Si粉末、Zn含有フッ化物系フラックスに加えてバインダー(高分子材料)を含むことができる。バインダーの一例として、アクリル系樹脂を挙げることができる。
バインダーはZn溶融拡散層の形成に必要なSi粉末とZn含有フラックスをチューブ33の表面と裏面に固着する作用があるが、バインダーの塗布量が0.2g/cm未満であると、ろう付け時にSi粉末やZnフラックスがチューブ本体12から脱落し、均一なZn溶融拡散層が形成されないおそれがある。一方、バインダーの塗布量が8.3g/cmを超えると、バインダー残渣によりろう付け性が低下し、均一なZn溶融拡散層が形成されないおそれがある。このため、バインダーの塗布量は、0.2〜8.3g/mとすることが好ましい。なお、バインダーは、通常、ろう付けの際の加熱により蒸散する。
Si粉末、フラックス及びバインダーからなるろう付け組成物層15の形成方法は、本実施形態において特に限定されるものではなく、スプレー法、シャワー法、フローコータ法、ロールコータ法、刷毛塗り法、浸漬法、静電塗布法などの適宜の方法によって行うことができる。
図1、図2に示す熱交換器11を組み立てる場合、複数のフィン13を隣接配置した状態で全ての孔部19に図2に示す如く上下に並ぶ8本のチューブ体12を挿入し、図1に示す形状に近い形に組み立てる。
図3は、チューブ本体12をフィン13の孔部19に挿入した状態の縦断面を示すが、チューブ本体12のろう付け組成物層15は、フィン13の屈曲部20のチューブ本体12と対向する部分(対向面20a)とチューブ本体12の間に位置する。主ろう付け組成物層15は、600℃前後の加熱(ろう付け加熱)後に冷却されることで、対向面20aとチューブ本体12との間に満たされた状態で固化し、図4に示すようにフィレット15Aを形成してフィン13とチューブ本体12を接合する。
ろう付け組成物層15は、フィン13と当接する領域に、即ち、チューブ本体12の表面12aと裏面12bに形成されている。また、ろう付け前のろう付け組成物層15に含まれていたSiとZnがろう付け温度でチューブ本体12側に拡散し、チューブ本体12の表裏面の表層部にSiとZnを含む犠牲陽極層を形成する。
<<ろう付け組成物層の形成方法>>
チューブ本体12に対し、ろう付け組成物層15を形成する方法について以下に説明する。
Si粉末、フラックス、バインダーからなるろう付け組成物層15の形成方法は、本実施形態において特に限定されるものではない。Si粉末、フラックス、バインダーに溶剤を添加してろう付け液状組成物とした塗料を以下の方法により塗布し、乾燥すればよい。
塗布は、スプレー法、シャワー法、フローコータ法、ロールコータ法、刷毛塗り法、浸漬法、静電塗布法などの適宜の方法によって塗布することができる。これらの方法により必要な塗布量でチューブ本体12の表面12aと裏面12bの必要な範囲にろう付け組成物層15を形成することができる。
例えば、チューブ本体12の表面12aと裏面12bにおいてそれらのほぼ全面にろう付け組成物層15を形成することができる。
ろう付けは、ろう付け組成物層15の融点以上の温度、例えば580〜620℃に加熱炉において数分間程度加熱することで実施できる。ろう付けの際、加熱炉の内部に窒素ガスなどの不活性ガスを満たし、2〜3分などの数分間加熱後、加熱炉に収容したまま常温まで冷却することで行う。
加熱によって、ろう付け組成物層15が溶融し、ろう液となる。このろう液は、チューブ本体12とフィン13の屈曲部20との間の隙間に流れ、これらの隙間を満たす。
続いて、冷却することで、図4に示すように、ろう液が固化し、フィレット15Aが形成される。これらのフィレット15Aにより、チューブ本体12とフィン13とが接合される。
ろう付け組成物層15が溶融した部分ではろう付けによってフラックス中のSiとZnが拡散し、チューブ本体12の表裏面にZn溶融拡散層(犠牲陽極層)が形成される。
また、フィン13の表裏面に形成されていた親水性塗膜1aは、ろう付け時の加熱と以下に説明する各成分の反応により親水性皮膜1となる。
ろう付けは上述の如く580〜620℃の温度範囲に加熱する処理であり、不活性ガス雰囲気に調整した加熱炉にて行うが、上述の範囲の高温度に加熱することで、ろう付け組成物層15に含まれているフラックス、バインダーに含まれる成分の一部が気化し、フィン13の表裏面の周囲に存在することとなる。
例えば、図5に示すようにAlを主成分とする基材3の表面に水ガラス(NaO−SiO)を主成分とする親水性塗膜1aが形成されている場合、ろう付け時に、ろう付け組成物層15から発生したK、FやSiFなどの成分を含むガスが図5(B)に示すように周囲に存在すると考えられる。
そうすると、加熱炉においてろう付け温度に加熱している間、あるいは、加熱後常温まで冷却する間に、親水性塗膜1aがこれらの成分を含むガスに晒される結果、水ガラスのSiO粒子に対し、図5(C)に示すようにK、FやSiFなどの成分が反応し、KSiFあるいはK1−3AlF4−6などが生成されると考えられる。
そして、更に反応が進むと、図5(D)に示すように、親水性塗膜1aの内部にフッ化アルミニウム(AlF)、アルミナ及びシリカとアルミナの複合酸化物が生成するとともに、金属シリコン(Si)が生成する。従って、ろう付け後、親水性塗膜1aは、アルミナを含むシリカ複合酸化物(Al・SiO)と金属シリコン(Si)とシリカ(SiO)とフッ化アルミニウム(AlF)などを含む親水性皮膜1となる。
親水性皮膜1に金属シリコン(Si)、アルミナを含むシリカ複合酸化物(Al・SiO)とフッ化アルミニウム(AlF)などが生成されることは、後述する実施例に示す試験結果において確認されている。
図5(A)〜図5(D)に示す状態において、図5(C)から図5(D)に至る反応機構については、例えば、以下の反応式で説明することができる。4Al+3KSiF→3Si+AlF+KAlF
上述の金属シリコンを含む親水性皮膜1は、金属シリコンの熱伝導性が優れていることから良好な熱伝導性を示す。このため、親水性皮膜1を被覆したフィン13は良好な熱伝導性を示すので、このフィン13を複数有する熱交換器11は良好な熱交換特性を発揮する。
また、親水性皮膜1を備えたフィン13を複数備え、フィン間の隙間が数mm程度あるいはそれより小さい隙間に形成された熱交換器11であっても、フィン間の隙間に水滴が詰まり難く、その隙間を閉塞するおそれが少なくなる。このため、結露水や雨水等の水滴によるフィン間隙間の閉塞を生じ難い、熱交換効率の低下し難い熱交換器11を提供できる。
本実施形態の構造によれば、ろう付け組成物層15を備えた複数本のチューブ22と複数枚のフィン13を組み合わせてろう付けすることにより熱交換器11を構成できる。
この場合、チューブ本体12の表裏面側に設けたろう付け組成物層15により、チューブ本体12の表裏面側にフィン13を確実にろう付けできる。このため、チューブ本体12の全体をフィン13に対し十分な接合強度で確実にろう付け接合できる。即ち、熱交換器11において高品質なろう付け接合ができる。
前述のろう付け組成物層15を用いてろう付けするならば、チューブ12の表面側と裏面側に対し必要量のZnを拡散させることができ、チューブ12の表面側と裏面側に犠牲陽極層を形成することができる。犠牲陽極層の生成部分は孔食ではなく面食として腐食進行するので、チューブ12に腐食による貫通孔が生じ難い構造を提供できる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<<サンプルの作製>>
Si:0.4−1.0質量%、Mn:1.0−2.0質量%、Zn:1.0−3.5質量%を含み、残部不可避不純物とAlからなるアルミニウム合金の板材からなるフィン(縦100mm×横20mm×厚さ0.1mm)を10枚用意した。
これらフィンにスリット状の孔部(幅1.6mm、長さ18mm)を25列、一定間隔で形成し、これらの孔部に以下に説明する押出材からなる扁平多穴管(チューブ)を嵌合し、熱交換器ミニコア体を作製した。なお、各フィンの表裏面には水ガラス(NaO−SiO)からなる塗布厚150mg/mの親水性塗膜を形成したものを用いた。
扁平多穴管は、Si:0.3−0.5質量%、Mn:0.2−0.4質量%を含み、残部不可避不純物とAlからなるアルミニウム合金の押出材を用いた。この扁平多穴管は、幅17mm、厚さ1.5mm、表裏面と短側面との境界部分にラウンド型のコーナー部を有する。
扁平多穴管の表面と裏面にバーコーターを用いてSi粉末:3g/m、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF):6g/m、バインダーとしてのアクリル系樹脂:1g/mを溶剤に分散させたろう付け液状組成物を塗布し、180℃にて5分間乾燥させてろう付け組成物層を形成した。
前記のように並列配置したフィンに形成されている孔部に対しろう付け組成物層を被覆したろう付け用チューブを嵌合し、熱交換器ミニコア体を組み立てた。
組み立てた熱交換器ミニコア体を窒素ガス雰囲気としたろう付け炉において600℃に3分間加熱し、その後常温までろう付け炉において冷却し、ろう付けすることにより熱交換器を得た。
ろう付け前の熱交換器ミニコア体とろう付け後の熱交換器について、それぞれのフィン表面に形成されている親水性塗膜と親水性皮膜についてXPS(X線光電子分光法)により光電子のエネルギー測定により元素分析した結果を図6(A)と図6(B)に示す。
図6(A)はろう付け前の親水性塗膜の測定結果について示すが、最表面から深さ約0.2μmの膜厚範囲において、OとSiとAlとCとNaの分布がわかる。図6(B)はろう付け後の親水性皮膜の測定結果について示すが、図6(A)との比較から、ろう付けにより、SiとAlについては深さ方向で分布の均一化がなされていることがわかった。また、親水性皮膜においてろう付け前には検出されなかったFとKが検出された。
これらの元素はろう付け前の親水性塗膜には含まれておらず、ろう付け炉の雰囲気中にも含まれていないことから、扁平管の上下両面に塗布したろう付け組成物層から発生した元素であると推定できる。
図7はろう付け後の親水性皮膜について、XRD(X線回折法)により表面分析を行った結果を示す。この表面分析結果において、Alのピークの他に、NaAlO、Al・SiO、AlF、Siのそれぞれの回折ピークが検出された。
これらのことから、ろう付け後の親水性皮膜中には、NaAlO、Al・SiO、AlFがそれぞれ生成されていると推定される。
図8はろう付け後の親水性皮膜について、SEM(電子顕微鏡)による断面観察及び各元素についてマッピングした結果を示す。
図8に示すようにろう付け後の親水性皮膜では、皮膜全体に亘って、AlまたはAlFが分布していることが分かる。更に、皮膜中にSiが局在化している箇所があることが分かる。
上記、これらの分析結果を総合すると、ろう付け工程において想定される、図5(C)〜図5(D)に至る状態において、ろう材・フラックス成分の分解生成物であるF(フッ素)やK(カリウム)と、親水性塗膜のシリカ成分やアルミ基材が反応して、最終的に親水性皮膜中に局在化したシリコンと皮膜全体に亘ってフッ化アルミニウムやアルミナを含むシリカ複合酸化物が形成されたと考えられる。推測される反応機構として、例えば、「4Al+3KSiF→3Si+AlF+KAlF」の化学式で表される反応などが熱力学的には可能である。
図9は親水性皮膜に金属シリコン(Si)が生成されると仮定し、ろう付け前の親水性塗膜(母材をSiOと仮定)とろう付け後の親水性皮膜(母材をAl−SiO、AlFと仮定)を想定した場合、両膜における熱伝導率(λ:[W/m・K])について計算した結果のグラフを示す。図9において横軸は皮膜中に生成したSiの体積分率を示し、縦軸が熱伝導率(λ:[W/m・K])を示す。また、この計算ではBraggemanの関係式を用いて熱伝導率(λ)を計算した。Siの熱伝導率は148W/m・K、SiOの熱伝導率は1.4W/m・K、Al−SiOの熱伝導率は5W/m・Kとして計算している。
また、先の分析結果から、親水性皮膜中に生成している金属シリコン(Si)は約10体積%であることがわかっている。
図9において線分aがろう付け後の親水性皮膜の計算結果を示し、線分bがろう付け前の親水性塗膜の計算結果を示す。
母材がSiOからなると仮定した場合、母材の熱伝導率は1.4W/m・Kであるのに対し、母材中に10体積%のSiが生成したと仮定すると、線分bで示すように熱伝導率は約3W/m・Kとなる。母材がAl−SiOとAlFからなると仮定した場合、母材中に10体積%のSiが生成したと仮定すると、線分aが示すように熱伝導率は約7W/m・Kと見積もることができる。
即ち、母材がSiOからなると仮定し、Siが生成していないオリジナル状態(ろう付け前の親水性皮膜)に比較し、Siが10体積%生成するのみで、熱伝導率は約2倍に向上する。また、ろう付け前の親水性皮膜に対し、母材がAl−SiOとAlFからなる母材に変化し、Siが10体積%生成すると、オリジナル状態に対し熱伝導率は約5倍に向上することがわかる。
このような結果から、アルミニウムフィンに形成した上述の組成の親水性皮膜であるならば、ろう付け後に母材がAl−SiOとAlFを含む母材となり、その上に金属シリコン(Si)が生成することで、熱電伝導性の優れた親水性皮膜を生成できることがわかる。即ち、熱伝導率に優れたフィンを複数有する熱交換効率の良好な熱交換器を提供できることがわかる。
以下の表1は、アルミニウムフィンに形成した親水性皮膜について、金属シリコン(Si)の生成量による熱伝導率向上効果を比較した結果を示す。
表1に示す比較からわかるように、アルミニウムフィンに上述の組成の親水性塗膜を形成し、ろう付けにより5〜20体積%の金属シリコン(Si)を含む親水性皮膜とすることにより、比較例として表示したろう付け前の親水性塗膜に対し、熱伝導率を54〜63%増加できることがわかる。
1…親水性皮膜、1a…親水性塗膜、3…芯材、3a…表面、3b…裏面、11…熱交換器、12…チューブ本体、12a…表面(上面)、12b…裏面(下面)、12c…短側面、12D…流路、12E…隔壁、13…フィン、14…ヘッダ管、15…ろう付け組成物層、19…孔部、20…折曲部、22…ろう付け用チューブ。
<<ろう付け組成物層15の構成材料>>
図3に示すろう付け前のチューブ本体12に形成されているろう付け組成物層15は、少なくともフィン3がろう付け接合される部分に対応し塗布された塗膜である。
ろう付け組成物層15は、一例として、Si粉末:1.0〜5.0g/mと、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF):3.0〜20.0g/mと、バインダー(例えば、アクリル系樹脂):0.5〜8.3g/mからなるろう付用塗膜であることが好ましい。なお、これらの成分に対し適切な量の溶剤を配合することでろう付け液状組成物が構成される。
以下、ろう付け組成物層15を構成するろう付け組成物の構成材料について説明する。
<Si粉末>
Si粉末は、チューブ本体12を構成するAlとろう付け時に反応し、フィン3とチューブ本体12を接合するろうを形成するが、ろう付け時にZn含有フラックスとSi粉末が溶融してろう液となる。
このろう液にフラックス中のZnが均一に拡散し、チューブ本体12の表面と裏面に均一に広がる。液相であるろう液内でのZnの拡散速度は固相内の拡散速度より著しく大きいので、これによりチューブ表面と裏面に均一なZn拡散がなされ、チューブ表面と裏面の面方向のZn濃度がほぼ均一となる。また、チューブ本体12の表面から深さ方向への拡散について見ると、SiはAlと共晶となって融点を下げるので、チューブ本体12の表面では共晶組成となった状態にZnが拡散しチューブ本体12の表面側と裏面側に所定厚さのZn溶融拡散層が生成する。このZn溶融拡散層が犠牲陽極層となるので、チューブ本体12の表面側と裏面側のろう付け部分の耐食性を向上できる。
<Zn含有フラックス、非Zn含有フラックス>
Zn含有フラックスは、ろう付けに際し、チューブ本体12の表面側と裏面側にZn溶融拡散層を形成し、耐孔食性を向上させる効果がある。また、ろう付け時にチューブ22およびフィン13の外面の酸化膜を破壊し、ろうの広がり、ぬれを促進してろう付け性を向上させる作用を奏する。このZn含有フラックスは、Znを含まないフラックスに比べ活性度が高いので、比較的微細なSi粉末を用いても良好なろう付け性が得られる。Zn含有フラックスは、KZnF、ZnF、ZnClのうち、1種または2種以上を用いることができる。Zn含有フラックスに対し、非Zn含有フラックスを添加しても良い。
<フラックス塗布量:3.0〜20g/m
Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量が3.0g/m未満であると、熱交換器11とした場合の電位差が低くなり、犠牲効果が発揮されないおそれがある。また、チューブ本体12の表面酸化皮膜の破壊除去が不十分なためにろう付け不良を招くおそれがある。
一方、塗布量が20g/を超えると、フィレットにおけるZn濃縮が顕著になり、電位差が過大となり、腐食速度が増加し、Zn溶融拡散層の存在によるチューブ本体12の防食効果が短時間になるおそれがある。このため、Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量を3.0〜20g/mとすることが好ましい。Zn含有フッ化物系フラックスは、一例としてKZnFを用いることができる。前述の非Zn含有フラックスは、Zn含有フラックスに加えて添加することができる。
<バインダー塗布量:0.2〜8.3g/m
ろう付け組成物層15には、Si粉末、Zn含有フッ化物系フラックスに加えてバインダー(高分子材料)を含むことができる。バインダーの一例として、アクリル系樹脂を挙げることができる。
バインダーはZn溶融拡散層の形成に必要なSi粉末とZn含有フラックスをチューブ22の表面と裏面に固着する作用があるが、バインダーの塗布量が0.2g/ 未満であると、ろう付け時にSi粉末やZnフラックスがチューブ本体12から脱落し、均一なZn溶融拡散層が形成されないおそれがある。一方、バインダーの塗布量が8.3g/ を超えると、バインダー残渣によりろう付け性が低下し、均一なZn溶融拡散層が形成されないおそれがある。このため、バインダーの塗布量は、0.2〜8.3g/mとすることが好ましい。なお、バインダーは、通常、ろう付けの際の加熱により蒸散する。

Claims (12)

  1. チューブに対しろう付けされるアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンであって、表面と裏面の少なくとも一方にろう付け前にシリカ(SiO)を含む親水性塗膜を有し、ろう付け前に形成された前記シリカよりも熱交換効率に優れた金属シリコン(Si)を含む親水性皮膜がろう付け後に形成されることを特徴とする親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン。
  2. 前記金属シリコン(Si)を含む親水性皮膜が、ケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン。
  3. 前記チューブがその内部に複数の流路を設けた押出多穴管からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン。
  4. チューブに対しアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンがろう付けされた熱交換器であって、前記アルミニウムフィンの表面と裏面の少なくとも一方に金属シリコン(Si)を含む親水性皮膜が形成されたことを特徴とする熱交換器。
  5. 前記親水性皮膜に、金属シリコン(Si)、ケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムが含まれていることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
  6. 前記チューブがその内部に複数の流路を設けた押出多穴管からなることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の熱交換器。
  7. 表面と裏面の少なくとも一方にSi粉末とフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にアルカリ金属(Li、Na、K)のケイ酸塩を含む水ガラスからなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、
    前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコン(Si)を生成させて親水性皮膜を形成することを特徴とする熱交換器の製造方法。
  8. 表面と裏面の少なくとも一方にフッ化物系フラックスとバインダ―を含むろう付組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にアルカリ金属(Li、Na、K)のケイ酸塩を含む水ガラスからなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、
    前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコン(Si)を生成させることを特徴とする熱交換器の製造方法。
  9. 表面と裏面の少なくとも一方にSi粉末とフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にシリカ粉末及び、又はシリカアルコキシドの加水分解物からなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、
    前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコン(Si)を生成させることを特徴とする熱交換器の製造方法。
  10. 表面と裏面の少なくとも一方にフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にシリカ粉末及び、又はシリカアルコキシドの加水分解物からなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、
    前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコン(Si)を生成させることを特徴とする熱交換器の製造方法。
  11. 前記親水性塗膜中に前記金属シリコン(Si)に加えてケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムを生成させて親水性皮膜を形成することを特徴とする請求項9に記載の熱交換器の製造方法。
  12. 前記ろう付け組成物層としてSi粉末:1〜5g/m、Zn含有フラックス:3.0〜20g/m、バインダー:0.2〜8.3g/mを含むろう付け組成物層を用いることを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法。
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