JP7030605B2 - 親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィンと熱交換器およびその製造方法 - Google Patents
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Description
そして、この種の熱交換器を製造するため、ろう付け用のSi粉末と、フッ化物系フラックスに加え、樹脂と溶剤からなるバインダーとの混合物とした粉末ろう組成物が提供されている。また、前記粉末ろう組成物を表裏面に塗布した扁平多穴管とフィン及びヘッダーパイプとをろう付けすることによって、安価に熱交換器を製造する方法が提案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
熱交換器において良好な熱交換効率を得るための1つの問題点として、並列配置した複数のフィン間の隙間に水滴などが付着すると、隙間が水滴で閉塞され、熱交換効率が低下する問題がある。従来から、水滴によるフィン間の隙間の閉塞を防止するために、フィンに親水性皮膜を形成しているが、熱交換器においては、フィンに親水性皮膜を設けた上でフィンによる放熱効果が阻害されないような構造を提供する必要がある。
また、親水性皮膜は数~十数μm程度の膜厚のシリカ(SiO2)を主成分とする無機酸化物で構成されているため、アルミニウム(純アルミニウムAlの熱伝導率:237W/m・K)と比較してシリカを主成分とする親水性皮膜の熱伝導率は大幅に低い(シリカSiO2の熱伝導率:1.38W/m・K)ことから、フィンから外気(大気)への熱の伝達を阻害されて熱交換器全体としての熱交換性能が十分に発揮されないことが懸念される。
(3)本形態の熱交換器用チューブにおいて、前記チューブがその内部に複数の流路を設けた押出多穴管からなることが好ましい。
(5)本形態の熱交換器において、前記親水性皮膜に、金属シリコンと、ケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムを主な成分として含まれていることが好ましい。
(8)本形態の熱交換器の製造方法は、表面と裏面の少なくとも一方にフッ化物系フラックスとバインダ―を含むろう付組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にアルカリ金属(Li、Na、K)のケイ酸塩を含む水ガラスからなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコンを生成させることを特徴とする。
(9)本形態の熱交換器の製造方法は、表面と裏面の少なくとも一方にSi粉末とフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にシリカ粉末及び、又はシリカアルコキシドの加水分解物からなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコンを生成させることを特徴とする。
(10)本形態の熱交換器の製造方法は、表面と裏面の少なくとも一方にフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にシリカ粉末及び、又はシリカアルコキシドの加水分解物からなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコンを生成させることを特徴とする。
(12)本形態の熱交換器の製造方法において、前記ろう付け組成物層としてSi粉末:1~5g/m2、Zn含有フラックス:3.0~20g/m2、バインダー:0.2~8.3g/m2を含むろう付け組成物層を用いることが好ましい。
図1に示す第1実施形態の熱交換器11は、ルームエアコンディショナーの室内・室外機用の熱交換器、あるいは、HVAC(Heating Ventilating Air Conditioning)用の室外機、自動車用の熱交換器などの用途に使用されるオールアルミニウム熱交換器である。
この形態の熱交換器11は、左右に離間し平行に立設配置された一対のヘッダ管14と、一対のヘッダ管14の間に上下に相互に間隔を保って水平に、かつ、ヘッダ管14に対してほぼ直角に接合された複数本のチューブ本体12からなるチューブ22と、チューブ本体12の表面12aまたは裏面12bにろう付けされ、外気に熱を放散するための複数枚のフィン13とを備えている。
なお、図1に示すチューブ本体12は1つの例であって、各部の幅、厚さ、扁平度(幅と厚さの比率)、流路12Dの形状や個数はいずれも任意に設定することができる。
なお、短側面12cの形状は特に制限されるものではなく、湾曲面や複数の傾斜面からなる形状であっても良い。
複数のフィン13は、一定の間隔をおいて相互に平行に並列配置されている。フィン13は、孔部19の周縁部に沿ってフィン13の厚さ方向一側に屈曲した屈曲部20を有している。屈曲部20は、例えば、バーリング加工などの加工法により形成される。
図3に示すろう付け前の状態において、フィン13の孔部19に形成された屈曲部20とチューブ22の表面または裏面との隙間は10μm以下程度に形成されている。この隙間が大きすぎる場合は、後述するろう付け工程において溶融したろうの回り込み量が不足し、ろう付け不良を引き起こすおそれがある。
以上説明の如くフィン13に対するチューブ22の貫通位置に特に制限はなく、フィン13とチューブ22のろう付けにより良好な熱伝導性を確保できる接合位置や接合形状であれば良い。
<<フィンとその構成材料>>
図3、図4に拡大して示すようにフィン13は、板状の基材3と、基材3の表面3a及び裏面3bに被覆された親水性塗膜1a、親水性皮膜1を有していることが好ましい。
フィン13の基材3は、JIS1050系などの純アルミニウム系あるいはJIS3003系のアルミニウム合金を主体とした合金からなる。また、基材3は、JIS3003系のアルミニウム合金に質量%で数%程度のZnを添加したアルミニウム合金からなるものであっても良い。一例を挙げるならば、質量%で、Zn:0.3~5.0%、Mn:0.5~2.0%、Fe:1.0%以下、Si:1.5%以下を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金などからなる。
フィン13の基材3は、前記アルミニウム合金を常法により溶製し、熱間圧延工程、冷間圧延工程、プレス工程などを経て加工される。なお、基材3の製造方法は、本発明において特に限定されるものではなく、既知の製法を適宜採用することができる。
ろう付け前に塗布しておいた親水性塗膜1aは、水ガラス(Na2O-SiO2)の塗膜あるいは水ガラスに10質量%以下程度のアクリル樹脂や界面活性剤を混合した塗膜を用いることができる。
ヘッダー管14を構成するアルミニウム合金は、Al-Mn系をベースとしたアルミニウム合金が好ましい。例えば、Mn:0.05~1.50%を含有することが好ましく、他の元素として、Cu:0.05~0.8%、Zr:0.05~0.15%を含有することができる。
図3に示すように、ろう付け前のチューブ本体12の表面12aと裏面12bには、ろう付け組成物層15を有している。
チューブ本体12を構成するアルミニウム合金は、熱交換器用のチューブに適用されるアルミニウム合金であれば特に制限はない。一例として、質量%で、Si:0.05~1.0%、Mn:0.1~1.5%、Cu:0.1%未満を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金などからなる。チューブ本体12は、これらのアルミニウム合金を押出することにより作製されたものである。
図3に示すろう付け前のチューブ本体12に形成されているろう付け組成物層15は、少なくともフィン13がろう付け接合される部分に対応し塗布された塗膜である。
ろう付け組成物層15は、一例として、Si粉末:1.0~5.0g/m2と、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF3):3.0~20.0g/m2と、バインダー(例えば、アクリル系樹脂):0.5~8.3g/m2からなるろう付用塗膜であることが好ましい。なお、これらの成分に対し適切な量の溶剤を配合することでろう付け液状組成物が構成される。
<Si粉末>
Si粉末は、チューブ本体12を構成するAlとろう付け時に反応し、フィン13とチューブ本体12を接合するろうを形成するが、ろう付け時にZn含有フラックスとSi粉末が溶融してろう液となる。
このろう液にフラックス中のZnが均一に拡散し、チューブ本体12の表面と裏面に均一に広がる。液相であるろう液内でのZnの拡散速度は固相内の拡散速度より著しく大きいので、これによりチューブ表面と裏面に均一なZn拡散がなされ、チューブ表面と裏面の面方向のZn濃度がほぼ均一となる。また、チューブ本体12の表面から深さ方向への拡散について見ると、SiはAlと共晶となって融点を下げるので、チューブ本体12の表面では共晶組成となった状態にZnが拡散しチューブ本体12の表面側と裏面側に所定厚さのZn溶融拡散層が生成する。このZn溶融拡散層が犠牲陽極層となるので、チューブ本体12の表面側と裏面側のろう付け部分の耐食性を向上できる。
Si粉末の塗布量が1.0g/m2未満であると、ろう形成が不十分となるおそれがあり、塗布量が5.0g/m2を超えると、チューブ本体12の溶融量が増加してチューブ本体12の肉厚が減少して、好ましくない。このため、主ろう付け組成物層15におけるSi粉末の含有量は1.0~5.0g/m2とすることが好ましい。
<Si粉末粒度:最大粒径:D(99):30μm以下>
Si粉末の粒度がD(99)において30μm以下であれば、均一なZn溶融拡散層を形成することが可能である反面、30μmを超えると、局部的に深いエロージョンが生成し、均一なZn溶融拡散層を形成できなくなるおそれがある。このため、Si粉末の粒度は、最大粒径D(99)において30μm以下が好ましい。なお、D(99)とは、体積割合で小さい粒から累積し、全体の99%となる粒の粒径のことである。これらの値は、いずれもレーザ光散乱法で測定することができる。
Zn含有フラックスは、ろう付けに際し、チューブ本体12の表面側と裏面側にZn溶融拡散層を形成し、耐孔食性を向上させる効果がある。また、ろう付け時にチューブ22およびフィン13の外面の酸化膜を破壊し、ろうの広がり、ぬれを促進してろう付け性を向上させる作用を奏する。このZn含有フラックスは、Znを含まないフラックスに比べ活性度が高いので、比較的微細なSi粉末を用いても良好なろう付け性が得られる。Zn含有フラックスは、KZnF3、ZnF2、ZnCl2のうち、1種または2種以上を用いることができる。Zn含有フラックスに対し、非Zn含有フラックスを添加しても良い。
Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量が3.0g/m2未満であると、熱交換器11とした場合の電位差が低くなり、犠牲効果が発揮されないおそれがある。また、チューブ本体12の表面酸化皮膜の破壊除去が不十分なためにろう付け不良を招くおそれがある。
一方、塗布量が20g/m2を超えると、フィレットにおけるZn濃縮が顕著になり、電位差が過大となり、腐食速度が増加し、Zn溶融拡散層の存在によるチューブ本体12の防食効果が短時間になるおそれがある。このため、Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量を3.0~20g/m2とすることが好ましい。Zn含有フッ化物系フラックスは、一例としてKZnF3を用いることができる。前述の非Zn含有フラックスは、Zn含有フラックスに加えて添加することができる。
ろう付け組成物層15には、Si粉末、Zn含有フッ化物系フラックスに加えてバインダー(高分子材料)を含むことができる。バインダーの一例として、アクリル系樹脂を挙げることができる。
バインダーはZn溶融拡散層の形成に必要なSi粉末とZn含有フラックスをチューブ22の表面と裏面に固着する作用があるが、バインダーの塗布量が0.2g/m 2未満であると、ろう付け時にSi粉末やZnフラックスがチューブ本体12から脱落し、均一なZn溶融拡散層が形成されないおそれがある。一方、バインダーの塗布量が8.3g/m 2を超えると、バインダー残渣によりろう付け性が低下し、均一なZn溶融拡散層が形成されないおそれがある。このため、バインダーの塗布量は、0.2~8.3g/m2とすることが好ましい。なお、バインダーは、通常、ろう付けの際の加熱により蒸散する。
チューブ本体12に対し、ろう付け組成物層15を形成する方法について以下に説明する。
Si粉末、フラックス、バインダーからなるろう付け組成物層15の形成方法は、本実施形態において特に限定されるものではない。Si粉末、フラックス、バインダーに溶剤を添加してろう付け液状組成物とした塗料を以下の方法により塗布し、乾燥すればよい。
塗布は、スプレー法、シャワー法、フローコータ法、ロールコータ法、刷毛塗り法、浸漬法、静電塗布法などの適宜の方法によって塗布することができる。これらの方法により必要な塗布量でチューブ本体12の表面12aと裏面12bの必要な範囲にろう付け組成物層15を形成することができる。
例えば、チューブ本体12の表面12aと裏面12bにおいてそれらのほぼ全面にろう付け組成物層15を形成することができる。
加熱によって、ろう付け組成物層15が溶融し、ろう液となる。このろう液は、チューブ本体12とフィン13の屈曲部20との間の隙間に流れ、これらの隙間を満たす。
ろう付け組成物層15が溶融した部分ではろう付けによってフラックス中のSiとZnが拡散し、チューブ本体12の表裏面にZn溶融拡散層(犠牲陽極層)が形成される。
ろう付けは上述の如く580~620℃の温度範囲に加熱する処理であり、不活性ガス雰囲気に調整した加熱炉にて行うが、上述の範囲の高温度に加熱することで、ろう付け組成物層15に含まれているフラックス、バインダーに含まれる成分の一部が気化し、フィン13の表裏面の周囲に存在することとなる。
そうすると、加熱炉においてろう付け温度に加熱している間、あるいは、加熱後常温まで冷却する間に、親水性塗膜1aがこれらの成分を含むガスに晒される結果、水ガラスのSiO2粒子に対し、図5(C)に示すようにK、FやSiF4などの成分が反応し、K2SiF6あるいはK1-3AlF4-6などが生成されると考えられる。
図5(A)~図5(D)に示す状態において、図5(C)から図5(D)に至る反応機構については、例えば、以下の反応式で説明することができる。4Al+3K2SiF6→3Si+AlF3+K3AlF6
また、親水性皮膜1を備えたフィン13を複数備え、フィン間の隙間が数mm程度あるいはそれより小さい隙間に形成された熱交換器11であっても、フィン間の隙間に水滴が詰まり難く、その隙間を閉塞するおそれが少なくなる。このため、結露水や雨水等の水滴によるフィン間隙間の閉塞を生じ難い、熱交換効率の低下し難い熱交換器11を提供できる。
この場合、チューブ本体12の表裏面側に設けたろう付け組成物層15により、チューブ本体12の表裏面側にフィン13を確実にろう付けできる。このため、チューブ本体12の全体をフィン13に対し十分な接合強度で確実にろう付け接合できる。即ち、熱交換器11において高品質なろう付け接合ができる。
<<サンプルの作製>>
Si:0.4-1.0質量%、Mn:1.0-2.0質量%、Zn:1.0-3.5質量%を含み、残部不可避不純物とAlからなるアルミニウム合金の板材からなるフィン(縦100mm×横20mm×厚さ0.1mm)を10枚用意した。
これらフィンにスリット状の孔部(幅1.6mm、長さ18mm)を25列、一定間隔で形成し、これらの孔部に以下に説明する押出材からなる扁平多穴管(チューブ)を嵌合し、熱交換器ミニコア体を作製した。なお、各フィンの表裏面には水ガラス(Na2O-SiO2)からなる塗布厚150mg/m2の親水性塗膜を形成したものを用いた。
前記のように並列配置したフィンに形成されている孔部に対しろう付け組成物層を被覆したろう付け用チューブを嵌合し、熱交換器ミニコア体を組み立てた。
ろう付け前の熱交換器ミニコア体とろう付け後の熱交換器について、それぞれのフィン表面に形成されている親水性塗膜と親水性皮膜についてXPS(X線光電子分光法)により光電子のエネルギー測定により元素分析した結果を図6(A)と図6(B)に示す。
これらの元素はろう付け前の親水性塗膜には含まれておらず、ろう付け炉の雰囲気中にも含まれていないことから、扁平管の上下両面に塗布したろう付け組成物層から発生した元素であると推定できる。
これらのことから、ろう付け後の親水性皮膜中には、NaAlO2、Al2O3・SiO2、AlF3がそれぞれ生成されていると推定される。
図8に示すようにろう付け後の親水性皮膜では、皮膜全体に亘って、Al2O3またはAlF3が分布していることが分かる。更に、皮膜中にSiが局在化している箇所があることが分かる。
また、先の分析結果から、親水性皮膜中に生成している金属シリコン(Si)は約10体積%であることがわかっている。
母材がSiO2からなると仮定した場合、母材の熱伝導率は1.4W/m・Kであるのに対し、母材中に10体積%のSiが生成したと仮定すると、線分bで示すように熱伝導率は約3W/m・Kとなる。母材がAl2O3-SiO2とAlF3からなると仮定した場合、母材中に10体積%のSiが生成したと仮定すると、線分aが示すように熱伝導率は約7W/m・Kと見積もることができる。
このような結果から、アルミニウムフィンに形成した上述の組成の親水性皮膜であるならば、ろう付け後に母材がAl2O3-SiO2とAlF3を含む母材となり、その上に金属シリコン(Si)が生成することで、熱電伝導性の優れた親水性皮膜を生成できることがわかる。即ち、熱伝導率に優れたフィンを複数有する熱交換効率の良好な熱交換器を提供できることがわかる。
Claims (12)
- チューブに対しろう付けされるアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンであって、表面と裏面の少なくとも一方にろう付け前にシリカ(SiO2)を含む親水性塗膜を有し、ろう付け前に形成された前記シリカよりも熱交換効率に優れた金属シリコン(Si)を含む親水性皮膜がろう付け後に形成されることを特徴とする親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン。
- 前記金属シリコン(Si)を含む親水性皮膜が、ケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン。
- 前記チューブがその内部に複数の流路を設けた押出多穴管からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン。
- チューブに対しアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンがろう付けされた熱交換器であって、前記アルミニウムフィンの表面と裏面の少なくとも一方に金属シリコン(Si)を含む親水性皮膜が形成されたことを特徴とする熱交換器。
- 前記親水性皮膜に、金属シリコン(Si)、ケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムが含まれていることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
- 前記チューブがその内部に複数の流路を設けた押出多穴管からなることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の熱交換器。
- 表面と裏面の少なくとも一方にSi粉末とフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にアルカリ金属(Li、Na、K)のケイ酸塩を含む水ガラスからなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、
前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコン(Si)を生成させて親水性皮膜を形成することを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 表面と裏面の少なくとも一方にフッ化物系フラックスとバインダ―を含むろう付組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にアルカリ金属(Li、Na、K)のケイ酸塩を含む水ガラスからなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、
前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコン(Si)を生成させることを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 表面と裏面の少なくとも一方にSi粉末とフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にシリカ粉末及び、又はシリカアルコキシドの加水分解物からなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、
前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコン(Si)を生成させることを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 表面と裏面の少なくとも一方にフッ化物系フラックスとバインダーを含むろう付け組成物層を形成したチューブと、表面と裏面の少なくとも一方にシリカ粉末及び、又はシリカアルコキシドの加水分解物からなる親水性塗膜を形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを用い、
前記チューブの表面と裏面の少なくとも一方に前記チューブと前記ろう付け組成物層に接するように前記フィンを配置した後、不活性ガス雰囲気としたろう付け炉において前記ろう付け組成物層が溶融する温度に加熱した後、冷却することにより、前記親水性塗膜中に金属シリコン(Si)を生成させることを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 前記親水性塗膜中に前記金属シリコン(Si)に加えてケイ酸塩、シリカとアルミン酸塩、アルミナ及びそれらの複合物、フッ化アルミニウムを生成させて親水性皮膜を形成することを特徴とする請求項9に記載の熱交換器の製造方法。
- 前記ろう付け組成物層としてSi粉末:1~5g/m2、Zn含有フラックス:3.0~20g/m2、バインダー:0.2~8.3g/m2を含むろう付け組成物層を用いることを特徴とする請求項7~請求項11のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法。
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