JP7131950B2 - ろう付熱交換器用プレコートフィン材と熱交換器 - Google Patents

ろう付熱交換器用プレコートフィン材と熱交換器 Download PDF

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Description

本発明は、ろう付熱交換器用プレコートフィン材と熱交換器に関する。
扁平多穴管、フィン及びヘッダーパイプを主構成要素とし、これらをろう付けすることにより構成されるアルミニウム合金製熱交換器が知られている。
そして、この種の熱交換器を製造するため、ろう付け用のSi粉末と、フッ化物系フラックスに加え、樹脂と溶剤からなるバインダーとの混合物とした粉末ろう組成物が提供されている。また、前記粉末ろう組成物を表裏面に塗布した扁平多穴管とフィン及びヘッダーパイプとをろう付けすることによって、安価に熱交換器を製造する方法が提案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
特開平7-227695号公報 特開2004-330233号公報
特許文献1および特許文献2に記載の粉末ろう組成物、熱交換器を用いることにより、扁平多穴管からなるチューブとフィンとのろう付け接合部に選択腐食を発生することがなく、信頼性の高い、工業上実用性の高い熱交換器が得られている。
上述の粉末ろう組成物を扁平多穴管に塗布する場合、扁平多穴管においてフィンに接する部分が表面もしくは裏面のため、表面もしくは裏面に粉末ろう組成物を塗布している。
扁平多穴管の表裏面に粉末ろう組成物を塗布することにより、粉末ろう組成物に含まれる成分の一部がろう付け時に扁平多穴管の表面側もしくは裏面側に拡散し、犠牲陽極層を形成する。この犠牲陽極層の存在により、犠牲防食効果を得ることができ、ろう付け部分の選択腐食を抑制できる。
従来、粉末ろう組成物を扁平多穴管に塗布する場合、その表裏面にバーコーターやロールコーターなどの塗布装置を用いて塗布することが一般的である。これは、フィンに接触する部分が扁平管の表裏面であること、これら塗布装置によりろう付け組成物を目的のスピードで均一塗布できること、大量生産に好適であることなどによる。
ところで、熱交換器には、更なる小型化、軽量化が進められており、ろう付け部分の信頼性の向上対策などに加え、チューブを流れる冷媒とフィンとの間で良好な熱交換効率を発揮できることなどが要求される。
熱交換器において良好な熱交換効率を得るための1つの問題点として、並列配置した複数のフィン間の隙間に水滴などが付着すると、隙間が水滴で閉塞され、熱交換効率が低下する問題がある。従来から、水滴によるフィン間の隙間の閉塞を防止するために、フィンに親水性皮膜を形成している。
フィンと伝熱管を拡管接合させる熱交換器では上記のように親水性皮膜を形成させることが一般的であるが、伝熱管とフィンをろう付け接合させる熱交換器において、プレコートフィンに水ガラス系の無機塗料を用いた場合、ろう付け熱処理後の親水性をある程度確保できるが、水ガラス系の無機塗料では、ろう付け時の加熱によりフィン表面の無機塗料に変色を生じ、熱交換器に外観上の不具合を生じる問題がある。
本願発明は、これらの事情に鑑みなされたもので、フィン表面の変色の問題を解決できるとともに、ろう付け部分の信頼性向上と熱交換効率の優れたろう付熱交換器用プレコートフィン材とそれを用いた熱交換器の提供を目的とする。
(1)本形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材は、ケイ酸塩100質量部に対し、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、水酸化チタンおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有し、580℃~620℃加熱後の色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲であることを特徴とする。
(2)先に記載のろう付熱交換器用プレコートフィン材において、Si粉末:1.0~5.0g/m と、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF ):3.0~20.0g/m と、バインダー:0.5~8.3g/m からなるろう付用塗膜が形成されたチューブ本体に組み合わされてろう付される熱交換器用プレコートフィン材であることが好ましい。
(3)本形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材は、ケイ酸塩100質量部に対し、酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有し、580℃~620℃加熱後の色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲であることを特徴とする。
(4)本形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材において、Si粉末:1.0~5.0g/m と、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF ):3.0~20.0g/m と、バインダー:0.5~8.3g/m からなるろう付用塗膜が形成されたチューブ本体に組み合わされてろう付される熱交換器用プレコートフィン材であることが好ましい。
(5)本形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材は、ケイ酸塩100質量部に対し、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、水酸化チタンおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上と、酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有し、580℃~620℃加熱後の色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲であることを特徴とする。
(6)本形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材において、Si粉末:1.0~5.0g/m と、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF ):3.0~20.0g/m と、バインダー:0.5~8.3g/m からなるろう付用塗膜が形成されたチューブ本体に組み合わされてろう付される熱交換器用プレコートフィン材であることが好ましい。
)本形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材において、前記塗膜が50mg/m以上1500mg/m以下の範囲で表面と裏面の少なくとも一方に塗布された構成を採用できる。
)本形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材において、前記塗膜が塗布された前記表面または裏面のアルミニウム素地が10%以上90%以下露出されている構成を採用できる。
)本形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材において、前記ケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムのうち、1 種又は2 種以上であることが好ましい。
(10)本形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材は、チューブに対しろう付され、前記チューブとともに熱交換器を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを構成するためのプレコートフィン材であって、前記アルミニウムフィンが、ケイ酸塩100質量部に対し、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、水酸化アルミニウムおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有するプレコートフィン材からなり、前記ろう付け後の塗膜について色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲であることを特徴とする。
11)本形態の熱交換器は、チューブに対しアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンがろう付けされた熱交換器であって、前記アルミニウムフィンが、ケイ酸塩100質量部に対し、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、水酸化アルミニウムおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有し、前記ろう付け後の塗膜について色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲であることを特徴とする。
12)本形態の熱交換器において、前記チューブがその内部に複数の流路を設けた押出多穴管からなることが好ましい。
本形態に係る熱交換器用プレコートフィン材であるならば、ろう付け熱処理を経た後であっても変色が少なく、アルミニウム素地の表面美観を損なわないプレコートフィン材を提供できる。また、本形態に係るプレコートフィン材は、親水性皮膜を設けることによってフィン間の隙間を水滴が閉塞する問題を解消し、熱交換効率が低下しない熱交換器を得ることができるプレコートフィン材を提供できる。
本形態に係る熱交換器によれば、ろう付けを経た状態でアルミニウム素地の色調を損なわない親水性皮膜を備えたアルミニウムフィン材を有する熱交換器を提供できる。また、親水性皮膜を設けることによってアルミニウムフィン間の隙間を水滴が閉塞する問題を解消し、熱交換効率が低下しない熱交換器を提供できる。
第1実施形態のろう付熱交換器用プレコートフィン材からなるアルミニウムフィンを備えた熱交換器の一例を示す斜視図である。 同熱交換器におけるチューブとフィンの接合部を示す部分断面図である。 図1に示す熱交換器においてろう付けする前の状態を示す部分断面図である。 図1に示す熱交換器においてろう付け後の状態を示す部分断面図である。 ろう付け時に金属シリコンが生成されるメカニズムについて説明するもので、(A)はろう付け前の親水性塗膜を示す説明図、(B)はろう付け時にろうおよびフラックスから発生するガス成分(フッ素とカリウムなど)が親水性塗膜の表面に拡散する様子を示す説明図、(C)は親水性塗膜の表面に拡散した前記ガス成分とろう付け時にフッ化物が生成される状態を示す説明図、(D)は金属シリコンとシリカ、アルミナ及びそれらの複合酸化物およびフッ化アルミニウムが生成された親水性皮膜を示す説明図である。 親水性皮膜のXPS分析結果の一例を示すもので、(A)はろう付け前の親水性皮膜のXPS分析結果を示すグラフ、(B)はろう付け後の親水性皮膜のXPS分析結果を示すグラフである。 ろう付け後の親水性皮膜におけるXRD分析結果を示すグラフである。 ろう付け後の親水性皮膜におけるSEM断面観察図及び各元素をマッピングした断面観察図である。
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際のフィンやチューブ及び熱交換器と同じであるとは限らない。
「第1実施形態」
図1に示す第1実施形態の熱交換器11は、ルームエアコンディショナーの室内・室外機用の熱交換器、あるいは、HVAC(Heating Ventilating Air Conditioning)用の室外機、自動車用の熱交換器などの用途に使用されるオールアルミニウム熱交換器である。
図1は複数のチューブ22をヘッダ管14にろう付けにより接合し、複数のチューブ22を複数のフィン13にろう付けにより接合して構成された熱交換器11の全体構造を示す。
この形態の熱交換器11は、左右に離間し平行に立設配置された一対のヘッダ管14と、一対のヘッダ管14の間に上下に相互に間隔を保って水平に、かつ、ヘッダ管14に対してほぼ直角に接合された複数本のチューブ本体12からなるチューブ22と、チューブ本体12の表面12aまたは裏面12bにろう付けされ、外気に熱を放散するための複数枚のフィン13とを備えている。
左右一対のヘッダ管14のうち一方の上端部には、ヘッダ管14を介しチューブ22に冷媒を供給する供給管18Aが接続されている。また、他方のヘッダ管14の下端部には、チューブ22を経由した冷媒を回収する回収管18Bが接続されている。チューブ本体12、フィン13、ヘッダ管14、供給管18A、回収管18Bは、いずれもアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されている。
図2に示すようにチューブ本体12は、幅広の表面壁12Aと裏面壁12Bとそれらの左右両端側を個々に接続した背の低い側面壁12C、12Cとチューブ本体12の内部を複数の流路12Dに仕切る複数の隔壁12Eとから構成されている。この例において複数の流路12Dはいずれも矩形状の類似断面形状に形成され、図2に示す例においてはチューブ本体内に26個の流路12Dが形成されている。
なお、図1に示すチューブ本体12は1つの例であって、各部の幅、厚さ、扁平度(幅と厚さの比率)、流路12Dの形状や個数はいずれも任意に設定することができる。
換言すると、チューブ本体12は、幅の広い平坦な表面(上面)12a及び裏面(下面)12bと、それらの両端側を個々に接続する平坦な短側面12c、12cとを有する偏平型に形成されている。
なお、短側面12cの形状は特に制限されるものではなく、湾曲面や複数の傾斜面からなる形状であっても良い。
図2は、チューブ22の長さ方向に直交する面に沿って横断面をとった熱交換器11の部分断面図である。図2に示すようにチューブ本体12の内部には幅方向に沿って26個の冷媒流路12Dが形成されている。また、図3に示すようにフィン13には、チューブ22の断面形状に対応する形状のスリット状の孔部19が、上下に所定の間隔をあけて複数個々に水平に形成されている。これらの孔部19は図2に示すようにフィン13の左側端部から右側端部近くまで形成され、孔部19の最奥部はフィン13の右側端部より若干手前側に位置されている。
これらの孔部19には、それぞれチューブ22が嵌合され、個々のチューブ22にろう付けにより複数のフィン13が固定されている。フィン13に形成された孔部19の長さ(図2に示す水平長さ)はフィン13の幅よりも若干短く、この孔部19に挿入されているチューブ22の幅(図2に示す水平長さ)は孔部12の長さより若干長く形成されている。このため、チューブ22の幅方向一側の短側面12cは孔部19の最奥部まで挿入され、ろう付けされているが、チューブ22の他側の短側面12cは孔部19から若干外側に突出されている。
図3、図4は、図1、図2に示す熱交換器11において、チューブ22の長さ方向に沿って縦断面をとった部分断面図であり、図3はろう付け前の状態を示し、図4はろう付け後の状態を示す。フィン13は、チューブ22の長さ方向に沿って(図3、図4の左右方向に沿って)複数枚、並列配置され、個々の孔部19にチューブ22が挿通されている。
複数のフィン13は、一定の間隔をおいて相互に平行に並列配置されている。フィン13は、孔部19の周縁部に沿ってフィン13の厚さ方向一側に屈曲した屈曲部20を有している。屈曲部20は、例えば、バーリング加工などの加工法により形成される。
図3、図4に示すようにチューブ22とフィン13は、一定間隔に並べた複数のフィン13をチューブ22が串刺し貫通するように配置され、フィン13とチューブ22が個々にろう付けにより固定されている。
図3に示すろう付け前の状態において、フィン13の孔部19に形成された屈曲部20とチューブ22の表面または裏面との隙間は10μm以下程度に形成されている。この隙間が大きすぎる場合は、後述するろう付け工程において溶融したろうの回り込み量が不足し、ろう付け不良を引き起こすおそれがある。
本実施形態のフィン13は、図2に示すように孔部19に対しチューブ22を貫通させているが、孔部19に代えてフィン13の幅方向両端側に到達しない水平長さのスリット状の貫通孔を設け、これらの貫通孔にチューブ22を通した構成としても良い。この構成の場合、図2に示す状態に対比すると、貫通孔の内側にのみチューブ22が存在し、チューブ22の幅方向一端側がフィン13の外側には突出しない構成となる。
以上説明の如くフィン13に対するチューブ22の貫通位置に特に制限はなく、フィン13とチューブ22のろう付けにより良好な熱伝導性を確保できる接合位置や接合形状であれば良い。
以下、熱交換器11の主な構成要素についてより詳細に説明する。
<<フィンとその構成材料>>
図3、図4に拡大して示すようにフィン13は、板状の基材3と、基材3の表面3a及び裏面3bに被覆された親水性塗膜1a、親水性皮膜1を有していることが好ましい。
フィン13の基材3は、JIS1050系などの純アルミニウム系あるいはJIS3003系のアルミニウム合金を主体とした合金からなる。また、基材3は、JIS3003系のアルミニウム合金に質量%で数%程度のZnを添加したアルミニウム合金からなるものであっても良い。一例を挙げるならば、質量%で、Zn:0.3~5.0%、Mn:0.5~2.0%、Fe:1.0%以下、Si:1.5%以下を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金などからなる。
なお、本明細書において添加元素の範囲を0.3~5.0%のように「~」を用いて表記した場合、特に注記しない限り、その上限と下限を含む範囲とする。よって、0.3~5.0%は0.3%以上5.0%以下の範囲を意味する。
フィン13の基材3は、前記アルミニウム合金を常法により溶製し、熱間圧延工程、冷間圧延工程、プレス工程などを経て加工される。なお、基材3の製造方法は、本発明において特に限定されるものではなく、既知の製法を適宜採用することができる。
ろう付け後のフィン13の表裏面に形成されている親水性皮膜1は、ろう付け前にフィン13に塗布しておいたプレコートタイプの親水性塗膜1aをろう付け熱処理後も残留させて親水性皮膜1としたものである。
ろう付け前に塗布しておいた親水性塗膜1aは、水ガラス(NaO-SiO)等のケイ酸塩の塗膜あるいは水ガラス等のケイ酸塩に10質量%以下程度のアクリル樹脂や界面活性剤を混合した塗膜を用いることができる。アクリル樹脂を水ガラスと混合することにより、アルミ素地が露出した凹凸塗膜が得られる。
また、この親水性塗膜1aは、主成分であるケイ酸塩100質量部に対し、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、水酸化アルミニウムおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上を添加物として50~500質量部含む塗膜であることが好ましい。
親水性塗膜1aに添加する上述の添加物について、ケイ酸塩100質量部に対し上述の添加物を50質量部未満にすると、ろう付け時の変色防止効果が不足し、後述するSiの生成により茶褐色に近い色に変色するようになる。上述の添加物について500質量部を超える量添加すると親水性皮膜1の親水性を損なうこととなる。
前記ケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムのうち、1種又は2種以上であることが好ましい。
前記親水性塗膜1aは塗膜量50mg/m以上、1500mg/m以下の範囲でフィン13の表面と裏面の少なくとも一方に塗布されていることが好ましい。
親水性塗膜1aの塗膜量が50mg/m未満の場合、親水性が不足し、親水性塗膜1aの塗膜量が500mg/mを超える場合、ろう付け接合率が低下する。
前記親水性塗膜1aが塗布されたフィン材において、前記表面または裏面のアルミニウム素地が5μm角面内において10%以上90%以下露出されていることが好ましい。
親水性塗膜1aは、上述の塗布量、アクリル樹脂を添加した場合、ろう付け処理を経た後、主成分のケイ酸塩が粒子状に多数繋がって空孔を多数有する親水性皮膜1となる。図4では単層膜のように簡略化して描いているが、図5に示すように詳細にはろう付け加熱後のガラス化されたケイ酸塩の粒子の堆積物であり、この堆積物の一部粒子が抜けて多数の空孔が生成され、芯材3を構成するアルミニウム素地の一部を露出させる皮膜となる。なお、親水性塗膜1aに含有されている酸化物は粉末粒子として添加されるので、ケイ酸塩の粒子の堆積物の間に存在してランダム分散される形態となる。以上説明のようにケイ酸塩粒子が加熱されてガラス粒子化される結果、良好な親水性を発現する。
以上説明の空孔を多数有する親水性皮膜1に覆われている芯材3において、5μm角面内のアルミニウム素地の露出面積が10%未満では犠牲防食効果の低下につながり、チューブ22に孔食を生じるおそれがあり、5μm角面内のアルミニウム素地の露出面積が90%を超える露出面積では親水性不良となるおそれがある。
5μm角面内のアルミニウム素地の露出面積については、一例として、顕微鏡により5000倍程度に拡大して親水性皮膜表面の観察写真を得、観察写真上に区画される5μm×5μmの観察領域において露出面積を計測すればよい。例えば、フィン13の5箇所程度の位置で複数の観察写真を撮影し、露出面積の平均をとって露出面積を決定することが好ましい。
<<ヘッダー管の構成材料>>
ヘッダー管14を構成するアルミニウム合金は、Al-Mn系をベースとしたアルミニウム合金が好ましい。例えば、Mn:0.05~1.50%を含有することが好ましく、他の元素として、Cu:0.05~0.8%、Zr:0.05~0.15%を含有することができる。
<<チューブの構成>>
図3に示すように、ろう付け前のチューブ本体12の表面12aと裏面12bには、ろう付け組成物層15を有している。
チューブ本体12を構成するアルミニウム合金は、熱交換器用のチューブに適用されるアルミニウム合金であれば特に制限はない。一例として、質量%で、Si:0.05~1.0%、Mn:0.1~1.5%、Cu:0.1%未満を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金などからなる。チューブ本体12は、これらのアルミニウム合金を押出することにより作製されたものである。
<<ろう付け組成物層15の構成材料>>
図3に示すろう付け前のチューブ本体12に形成されているろう付け組成物層15は、少なくともフィン3がろう付け接合される部分に対応し塗布された塗膜である。
ろう付け組成物層15は、一例として、Si粉末:1.0~5.0g/mと、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF):3.0~20.0g/mと、バインダー(例えば、アクリル系樹脂):0.5~8.3g/mからなるろう付用塗膜であることが好ましい。なお、これらの成分に対し適切な量の溶剤を配合することでろう付け液状組成物が構成される。
以下、ろう付け組成物層15を構成するろう付け組成物の構成材料について説明する。
<Si粉末>
Si粉末は、チューブ本体12を構成するAlとろう付け時に反応し、フィン3とチューブ本体12を接合するろうを形成するが、ろう付け時にZn含有フラックスとSi粉末が溶融してろう液となる。
このろう液にフラックス中のZnが均一に拡散し、チューブ本体12の表面と裏面に均一に広がる。液相であるろう液内でのZnの拡散速度は固相内の拡散速度より著しく大きいので、これによりチューブ表面と裏面に均一なZn拡散がなされ、チューブ表面と裏面の面方向のZn濃度がほぼ均一となる。また、チューブ本体12の表面から深さ方向への拡散について見ると、SiはAlと共晶となって融点を下げるので、チューブ本体12の表面では共晶組成となった状態にZnが拡散しチューブ本体12の表面側と裏面側に所定厚さのZn溶融拡散層が生成する。このZn溶融拡散層が犠牲陽極層となるので、チューブ本体12の表面側と裏面側のろう付け部分の耐食性を向上できる。
<Si粉末塗布量:1.0~5.0g/m
Si粉末の塗布量が1.0g/m未満であると、ろう形成が不十分となるおそれがあり、塗布量が5.0g/mを超えると、チューブ本体12の溶融量が増加してチューブ本体12の肉厚が減少して、好ましくない。このため、主ろう付け組成物層15におけるSi粉末の含有量は1.0~5.0g/mとすることが好ましい。
<Si粉末粒度:最大粒径:D(99):30μm以下>
Si粉末の粒度がD(99)において30μm以下であれば、均一なZn溶融拡散層を形成することが可能である反面、30μmを超えると、局部的に深いエロージョンが生成し、均一なZn溶融拡散層を形成できなくなるおそれがある。このため、Si粉末の粒度は、最大粒径D(99)において30μm以下が好ましい。なお、D(99)とは、体積割合で小さい粒から累積し、全体の99%となる粒の粒径のことである。これらの値は、いずれもレーザ光散乱法で測定することができる。
<Zn含有フラックス、非Zn含有フラックス>
Zn含有フラックスは、ろう付けに際し、チューブ本体12の表面側と裏面側にZn溶融拡散層を形成し、耐孔食性を向上させる効果がある。また、ろう付け時にチューブ22およびフィン13の外面の酸化膜を破壊し、ろうの広がり、ぬれを促進してろう付け性を向上させる作用を奏する。このZn含有フラックスは、Znを含まないフラックスに比べ活性度が高いので、比較的微細なSi粉末を用いても良好なろう付け性が得られる。Zn含有フラックスは、KZnF、ZnF、ZnClのうち、1種または2種以上を用いることができる。Zn含有フラックスに対し、非Zn含有フラックスを添加しても良い。
非Zn含有フラックスとしてフッ化物系フラックスあるいはフルオロアルミン酸カリウム系のフラックスはKAlFを主成分とするフラックスであり、添加物を加えた種々の組成が知られている。KAlF+KAlFなる組成のもの、Cs(x)(y)(z)などを例示できる。他に、LiF、KF、CaF、AlF、KSiF等のフッ化物を添加したフッ化物系フラックス(例えば、フルオロアルミン酸カリウム系のフラックス)を用いることもできる。Znフラックスに加えてフッ化物系フラックス(例えばフルオロアルミン酸カリウム系のフラックス)を添加することでろう付け性向上に寄与する。
<フラックス塗布量:3.0~20g/m
Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量が3.0g/m未満であると、熱交換器11とした場合の電位差が低くなり、犠牲効果が発揮されないおそれがある。また、チューブ本体12の表面酸化皮膜の破壊除去が不十分なためにろう付け不良を招くおそれがある。一方、塗布量が20mを超えると、フィレットにおけるZn濃縮が顕著になり、電位差が過大となり、腐食速度が増加し、Zn溶融拡散層の存在によるチューブ本体12の防食効果が短時間になるおそれがある。このため、Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量を3.0~20g/mとすることが好ましい。Zn含有フッ化物系フラックスは、一例としてKZnFを用いることができる。前述の非Zn含有フラックスは、Zn含有フラックスに加えて添加することができる。
<バインダー塗布量:0.2~8.3g/m
ろう付け組成物層15には、Si粉末、Zn含有フッ化物系フラックスに加えてバインダー(高分子材料)を含むことができる。バインダーの一例として、アクリル系樹脂を挙げることができる。
バインダーはZn溶融拡散層の形成に必要なSi粉末とZn含有フラックスをチューブ22の表面と裏面に固着する作用があるが、バインダーの塗布量が0.2g/ 未満であると、ろう付け時にSi粉末やZnフラックスがチューブ本体12から脱落し、均一なZn溶融拡散層が形成されないおそれがある。一方、バインダーの塗布量が8.3g/ を超えると、バインダー残渣によりろう付け性が低下し、均一なZn溶融拡散層が形成されないおそれがある。このため、バインダーの塗布量は、0.2~8.3g/mとすることが好ましい。なお、バインダーは、通常、ろう付けの際の加熱により蒸散する。

Si粉末、フラックス及びバインダーからなるろう付け組成物層15の形成方法は、本実施形態において特に限定されるものではなく、スプレー法、シャワー法、フローコータ法、ロールコータ法、刷毛塗り法、浸漬法、静電塗布法などの適宜の方法によって行うことができる。
図1、図2に示す熱交換器11を組み立てる場合、複数のフィン13を隣接配置した状態で全ての孔部19に図2に示す如く上下に並ぶ8本のチューブ体12を挿入し、図1に示す形状に近い形に組み立てる。
図3は、チューブ本体12をフィン13の孔部19に挿入した状態の縦断面を示すが、チューブ本体12のろう付け組成物層15は、フィン13の屈曲部20のチューブ本体12と対向する部分(対向面20a)とチューブ本体12の間に位置する。主ろう付け組成物層15は、600℃前後の加熱(ろう付け加熱)後に冷却されることで、対向面20aとチューブ本体12との間に満たされた状態で固化し、図4に示すようにフィレット15Aを形成してフィン13とチューブ本体12を接合する。
ろう付け組成物層15は、フィン13と当接する領域に、即ち、チューブ本体12の表面12aと裏面12bに形成されている。また、ろう付け前のろう付け組成物層15に含まれていたSiとZnがろう付け温度でチューブ本体12側に拡散し、チューブ本体12の表裏面の表層部にSiとZnを含む犠牲陽極層を形成する。
<<ろう付け組成物層の形成方法>>
チューブ本体12に対し、ろう付け組成物層15を形成する方法について以下に説明する。
Si粉末、フラックス、バインダーからなるろう付け組成物層15の形成方法は、本実施形態において特に限定されるものではない。Si粉末、フラックス、バインダーに溶剤を添加してろう付け液状組成物とした塗料を以下の方法により塗布し、乾燥すればよい。
塗布は、スプレー法、シャワー法、フローコータ法、ロールコータ法、刷毛塗り法、浸漬法、静電塗布法などの適宜の方法によって塗布することができる。これらの方法により必要な塗布量でチューブ本体12の表面12aと裏面12bの必要な範囲にろう付け組成物層15を形成することができる。
例えば、チューブ本体12の表面12aと裏面12bにおいてそれらのほぼ全面にろう付け組成物層15を形成することができる。
ろう付けは、ろう付け組成物層15の融点以上の温度、例えば580~620℃に加熱炉において数分間程度加熱することで実施できる。ろう付けの際、加熱炉の内部に窒素ガスなどの不活性ガスを満たし、2~3分などの数分間加熱後、加熱炉に収容したまま常温まで冷却することで行う。
加熱によって、ろう付け組成物層15が溶融し、ろう液となる。このろう液は、チューブ本体12とフィン13の屈曲部20との間の隙間に流れ、これらの隙間を満たす。
続いて、冷却することで、図4に示すように、ろう液が固化し、フィレット15Aが形成される。これらのフィレット15Aにより、チューブ本体12とフィン13とが接合される。
ろう付け組成物層15が溶融した部分ではろう付けによってフラックス中のSiとZnが拡散し、チューブ本体12の表裏面にZn溶融拡散層(犠牲陽極層)が形成される。
また、フィン13の表裏面に形成されていた親水性塗膜1aは、ろう付け時の加熱と以下に説明する各成分の反応により親水性皮膜1となる。
ろう付けは上述の如く580~620℃の温度範囲に加熱する処理であり、不活性ガス雰囲気に調整した加熱炉にて行うが、上述の範囲の高温度に加熱することで、ろう付け組成物層15に含まれているフラックス、バインダーに含まれる成分の一部が気化し、フィン13の表裏面の周囲に存在することとなる。
例えば、図5に示すようにAlを主成分とする基材3の表面に水ガラス(NaO-SiO)などのケイ酸塩を主成分とする親水性塗膜1aが形成されている場合、ろう付け時に、ろう付け組成物層15から発生したK、FやSiFなどの成分を含むガスが図5(B)に示すように周囲に存在すると考えられる。
ここで、親水性塗膜1aに酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、水酸化アルミニウムおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上を含んでいない場合、以下に説明する反応機構により金属シリコン(Si)が生成する。
加熱炉においてろう付け温度に加熱している間、あるいは、加熱後常温まで冷却する間に、親水性塗膜1aがこれらの成分を含むガスに晒される結果、水ガラスのSiO粒子に対し、図5(C)に示すようにK、FやSiFなどの成分が反応し、KSiFあるいはK1-3AlF4-6などが生成されると考えられる。
そして、更に反応が進むと、図5(D)に示すように、親水性塗膜1aの内部にフッ化アルミニウム(AlF)、アルミナ及びシリカとアルミナの複合酸化物が生成するとともに、金属シリコン(Si)が生成する。従って、ろう付け後、親水性塗膜1aは、アルミナを含むシリカ複合酸化物(Al・SiO)と金属シリコン(Si)とシリカ(SiO)とフッ化アルミニウム(AlF)などを含む親水性皮膜1となる。
この反応機構の場合に親水性皮膜1に金属シリコン(Si)、アルミナを含むシリカ複合酸化物(Al・SiO)とフッ化アルミニウム(AlF)などが生成されることは、後述する実施例に示す試験結果において確認されている。
図5(A)~図5(D)に示す状態において、図5(C)から図5(D)に至る反応機構については、例えば、以下の反応式で説明することができる。
4Al+3KSiF→3Si+AlF+KAlF
そして、この金属シリコン(Si)が生成すると、親水性皮膜1は茶褐色を呈し、フィン13の基材3を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金の銀白色の色調を著しく損なうこととなる。
そこで本発明者は、上述の反応機構において、反応の初期段階においてSiO+6K+6F→2KSiF+2KOの化学式で示される反応が生じ、中間生成物としてフッ化物が生成し、この後、金属シリコン(Si)が生成すると推定した。
この反応機構に基づき金属シリコン(Si)を生成しないようにするためには、2KSiFの生成を抑制すれば良いと考え、そのためには、反応機構の中にSiOよりも還元され易い物質を添加することが有効であると推定した。
このため、本形態では、親水性塗膜1aに、SiOよりも還元され易い物質として、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、水酸化アルミニウムおよび水酸化ジルコニウムのうちいずれかを添加する。
これら添加物を含む親水性塗膜1aであれば、ろう付け時に加熱された場合、金属シリコン(Si)の生成を抑制できるので、ろう付け処理後であっても、親水性皮膜1の変色の度合いは低くなり、アルミニウム本来の銀白色の色調を損なうことのない親水性皮膜1を得ることができる。
また、親水性皮膜1を備えたフィン13を複数備え、フィン間の隙間が数mm程度あるいはそれより小さい隙間に形成された熱交換器11であっても、フィン間の隙間に水滴が詰まり難く、その隙間を閉塞するおそれが少なくなる。このため、結露水や雨水等の水滴によるフィン間隙間の閉塞を生じ難い、熱交換効率の低下し難い熱交換器11を提供できる。
本実施形態の構造によれば、ろう付け組成物層15を備えた複数本のチューブ22と複数枚のフィン13を組み合わせてろう付けすることにより熱交換器11を構成できる。
この場合、チューブ本体12の表裏面側に設けたろう付け組成物層15により、チューブ本体12の表裏面側にフィン13を確実にろう付けできる。このため、チューブ本体12の全体をフィン13に対し十分な接合強度で確実にろう付け接合できる。即ち、熱交換器11において高品質なろう付け接合ができる。
前述のろう付け組成物層15を用いてろう付けするならば、チューブ12の表面側と裏面側に対し必要量のZnを拡散させることができ、チューブ12の表面側と裏面側に犠牲陽極層を形成することができる。犠牲陽極層の生成部分は孔食ではなく面食として腐食進行するので、チューブ12に腐食による貫通孔が生じ難い構造を提供できる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<<サンプルの作製>>
Si:0.4~0.6質量%、Mn:1.0~2.0質量%、Zn:2.5~3.5質量%を含み、残部不可避不純物とAlからなるアルミニウム合金の板状の基材の両面に以下の表1に示す種類、皮膜量の親水性皮膜をバーコーター法で塗布し、乾燥し、更に水洗いすることで親水性皮膜付きのアルミニウムフィン材を形成した。
幾つかのサンプルは、親水性皮膜の形成に用いた塗料にアクリル樹脂を表1に示す重量混合比で混合した。このアクリル樹脂は、乾燥後の水洗いにより大部分が除去される。これにより、親水性皮膜が形成された基材に露出部が形成される。
なお、表1に記載したケイ酸塩比50~500%の酸化物とは、用いたケイ酸塩100質量部に対し添加した酸化物の質量部を示す。
後述する表1に示す如く、酸化物として、実施例1~18は酸化亜鉛を用い、実施例19は酸化チタンを用い、実施例20は酸化アルミニウムを用い、実施例21は酸化ジルコニウムを用い、実施例22はオルトチタン酸テトライソプロピルを用い、実施例23はアルミニウムイソプロポキシドを用い、実施例24は炭酸亜鉛を用い、実施例25は炭酸アルミニウムを用い、実施例26は水酸化亜鉛を用いた。
また、酸化物として、実施例27は水酸化チタンを用い、実施例28水酸化アルミニウムを用い、実施例29は水酸化ジルコニウムを用いた。
酸化物として、比較例1~12は酸化亜鉛を用いた。
次に、Si:0.3質量%~0.5質量%、Mn:0.2質量%~0.4質量%、残部不可避不純物とAlからなるチューブ用アルミニウム合金を溶製し、この合金を横断面形状(肉厚0.26mm×幅17.0mm×全体厚1.5mm)であって、熱交換器用アルミニウム合金の扁平チューブとした。
さらに、この扁平チューブの表面、裏面、並びに第2の側面にろう材層を形成した。ろう材層は、Si粉末(D(99)粒度10μm)3gと、フラックス(KZnF:D(50)粒度2.0μm)6g、及び、アクリル系樹脂バインダ1g、溶剤としてのイソプロピルアルコール16gの混合物からなる溶液をロール塗布し、乾燥させることで形成した。
次に、前記扁平チューブと各種フィンを1段組み立て、仮のミニコア試験体を構成し、これらの試験体を窒素雰囲気の炉内に600℃×3分保持する条件でろう付けを行った。このろう付けにより、ろう付け皮膜が形成されていたチューブの表面及び裏面に、犠牲陽極層が形成されるとともに、親水性皮膜を備えたフィンがろう付けされたので、これらを熱交換器試験体として後述する試験に供した。
なお、これら熱交換器試験体による各種試験に先立ち、酸化物を含まない従来例の親水性皮膜として水ガラス(NaO-SiO)を500mg/mの塗布量で塗布したフィンを用い、他の条件は同等として熱交換器試験体を試作し、この熱交換器試験体についてろう付け後の親水性皮膜の分析を行った。
まず、XPS(X線光電子分光法)により光電子のエネルギー測定により元素分析した結果を図6(A)と図6(B)に示す。
図6(A)はろう付け前の親水性塗膜の測定結果について示すが、最表面から深さ約0.2μmの膜厚範囲において、OとSiとAlとCとNaの分布がわかる。図6(B)はろう付け後の親水性皮膜の測定結果について示すが、図6(A)との比較から、ろう付けにより、SiとAlについては深さ方向で分布の均一化がなされていることがわかった。また、親水性皮膜においてろう付け前には検出されなかったFとKが検出された。
これらの元素はろう付け前の親水性塗膜には含まれておらず、ろう付け炉の雰囲気中にも含まれていないことから、扁平管の上下両面に塗布したろう付け組成物層から発生した元素であると推定できる。
図7はろう付け後の親水性皮膜について、XRD(X線回折法)により表面分析を行った結果を示す。この表面分析結果において、Alのピークの他に、NaAlO、Al・SiO、AlF、Siのそれぞれの回折ピークが検出された。
これらのことから、ろう付け後の親水性皮膜中には、NaAlO、Al・SiO、AlFがそれぞれ生成されていると推定される。
図8はろう付け後の親水性皮膜について、SEM(電子顕微鏡)による断面観察及び各元素についてマッピングした結果を示す。
図8に示すようにろう付け後の親水性皮膜では、皮膜全体に亘って、AlまたはAlFが分布していることが分かる。更に、皮膜中にSiが局在化している箇所があることが分かる。
上記、これらの分析結果を総合すると、ろう付け工程において想定される、図5(C)~図5(D)に至る状態において、ろう材・フラックス成分の分解生成物であるF(フッ素)やK(カリウム)と、親水性塗膜のシリカ成分やアルミ基材が反応して、最終的に親水性皮膜中に局在化したシリコンと皮膜全体に亘ってフッ化アルミニウムやアルミナを含むシリカ複合酸化物が形成されたと考えられる。推測される反応機構としては、例えば、「4Al+3KSiF→3Si+AlF+KAlF」の化学式で表される反応などが熱力学的には可能である。
上述の如く試作した熱交換器試験体を用いて以下に説明するろう付け評価、親水性評価、並びに耐食性評価を行った。
<親水性評価(水洗後接触角測定)>
熱交換器試験体を600℃×3分のろう付け後、流水に24時間浸漬し、フィン表面の接触角を測定した。接触角が30°以下であれば合格とした。
<ろう付け性評価>
ろう付接合された熱交換器試験体の複数のろう付け箇所を目視評価し、接合が不十分(未接合)である箇所を数えた。1つのサンプルに対して、100か所の接合部を確認して、95か所以上(95%以上)が正常に接合されているものを合格とした。
<耐食性評価>
600℃×3分のろう付け後、得られた各熱交換器試験体について、ASTM G85-A3で規定されているSWAAT試験を実施し、チューブに貫通孔が確認されるまでの日数を評価した。200日以上であれば合格とした。
<変色評価>
ろう付け後にフィンの変色した部位を色差計で測定し、色差値Labのb値が-3~+12以下であれば合格とした。
以上の試験結果について以下の表1、表2にまとめて示す。
Figure 0007131950000001
Figure 0007131950000002
表1に示すようにケイ酸塩比酸化物の添加量として、50質量部以上500質量部以下の範囲の実施例1~実施例5の試料は、親水性と耐食性とろう付け性に優れている上に、変色も少ないという優れた特徴を有していた。
これらに対し、酸化物添加量の少ない比較例1、2の試料は変色を生じ、酸化物添加量の多すぎた比較例3、4の試料は親水性に劣り、変色も生じる結果となった。
このことから、添加する酸化物はケイ酸塩100質量部に対し50~500質量部の範囲が望ましいことがわかる。
これは、ケイ酸塩を主体とする親水性塗膜に酸化物を添加しない場合に、上述の説明の「4Al+3KSiF→3Si+AlF+KAlF」の化学式で表される反応が多く発生し、金属シリコン(Si)が生成する。しかし、前述の酸化物を親水性塗膜に適量添加していれば、金属シリコン(Si)を生成する反応機構を抑制できる結果、親水性と耐食性とろう付け性に優れている上に、変色も少ない親水性皮膜を形成できることに起因すると考えられる。
次に、塗膜量を変量した実施例6~実施例11の試料がいずれの特性においても優れているのに対し、塗膜量の少ない比較例5、6の試料は親水性に劣り、塗膜量の多い比較例7の試料はろう付け性に劣る結果となった。
このことから、親水性塗膜の塗膜量を50mg/m~1500mg/mの範囲とすることが望ましいことがわかる。
比較例8、9の試料は、5μm角面内のアルミニウム素地露出面積が少ない試料、比較例10は5μm角面内のアルミニウム素地露出面積が多すぎる試料である。比較例8、9の試料は耐食性に問題を生じ、比較例10の試料は親水性に問題を生じた。
実施例12~実施例16の試料が5μm角面内のアルミニウム素地露出面積10~90%であり、いずれの特性においても優れている。このことから、5μm角面内のアルミニウム素地露出面積について10%以上90%以下の範囲が望ましいことがわかる。
表1の実施例17の試料はケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムの代わりに、ケイ酸リチウムあるいはケイ酸カリウムを主体とする親水性塗膜を用いた試料であるが、酸化物添加量、塗膜量、5μm角面内のアルミニウム露出面積が適正範囲であるため、親水性と耐食性とろう付け性に優れている上に、変色も少ないという優れた特徴を有していた。
比較例11、12の試料はケイ酸塩の代わりに、アクリル樹脂、ポリビニルアルコールを主体とする親水性塗膜であるが、酸化物添加量、塗膜量を適正範囲としても、親水性とろう付け性に劣り、変色も生じるという結果となった。
以上の試験結果から、親水性塗膜の主成分をケイ酸塩とした上に、金属シリコン(Si)の反応生成機構を抑制する酸化物として、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上の化合物をケイ酸塩100質量部に対し50~500質量部含む塗膜を有する親水性塗膜を用いることが重要であることがわかる。
なお、Siの反応生成機構の抑制という面から見れば、酸化亜鉛の他に、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、水酸化アルミニウムおよび水酸化ジルコニウムのうちいずれかを添加することでも同等の作用効果を得ることができると推定できる。
表2に示す実施例19~29は、実施例4に示す酸化亜鉛の代替物質としてこれらの物質を用いた実施例である。
表2に示す実施例19~29の試料において、いずれの試料であっても親水性と耐食性とろう付け性に優れた結果を得ることができ、変色も少ないという結果を得ることができた。
1…親水性皮膜、1a…親水性塗膜、3…芯材、3a…表面、3b…裏面、11…熱交換器、12…チューブ本体、12A…表面壁、12a…表面(上面)、12B…裏面壁、12b…裏面(下面)、12C…側面壁、12c…短側面、12D…流路、12E…隔壁、13…フィン、14…ヘッダ管、15…ろう付け組成物層、19…孔部、20…折曲部、22…ろう付け用チューブ。

Claims (12)

  1. ケイ酸塩100質量部に対し、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、水酸化チタンおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有し、580℃~620℃加熱後の色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲であることを特徴とするろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  2. Si粉末:1.0~5.0g/m と、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF ):3.0~20.0g/m と、バインダー:0.5~8.3g/m からなるろう付用塗膜が形成されたチューブ本体に組み合わされてろう付される熱交換器用プレコートフィン材であることを特徴とする請求項1に記載のろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  3. ケイ酸塩100質量部に対し、酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有し、580℃~620℃加熱後の色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲であることを特徴とするろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  4. Si粉末:1.0~5.0g/m と、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF ):3.0~20.0g/m と、バインダー:0.5~8.3g/m からなるろう付用塗膜が形成されたチューブ本体に組み合わされてろう付される熱交換器用プレコートフィン材であることを特徴とする請求項3に記載のろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  5. ケイ酸塩100質量部に対し、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、水酸化チタンおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上と、酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有し、580℃~620℃加熱後の色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲であることを特徴とするろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  6. Si粉末:1.0~5.0g/m と、Zn含有フッ化物系フラックス(KZnF ):3.0~20.0g/m と、バインダー:0.5~8.3g/m からなるろう付用塗膜が形成されたチューブ本体に組み合わされてろう付される熱交換器用プレコートフィン材であることを特徴とする請求項5に記載のろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  7. 前記塗膜が50mg/m以上1500mg/m以下の範囲で表面と裏面の少なくとも一方に塗布された請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  8. 前記塗膜が塗布された前記表面または裏面のアルミニウム素地が10%以上90%以下露出されている請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  9. 前記ケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムのうち、1種又は2種以上である請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  10. チューブに対しろう付され、前記チューブとともに熱交換器を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンを構成するためのろう付熱交換器用プレコートフィン材であって、
    前記アルミニウムフィンが、ケイ酸塩100質量部に対し、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、水酸化アルミニウムおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有するプレコートフィン材からなり、
    前記ろう付け後の塗膜について色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲であるろう付熱交換器用プレコートフィン材。
  11. チューブに対しアルミニウムまたはアルミニウム合金製のアルミニウムフィンがろう付けされた熱交換器であって、
    前記アルミニウムフィンが、ケイ酸塩100質量部に対し、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、アルミニウムイソプロポキシド、炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、水酸化アルミニウムおよび水酸化ジルコニウムのうち、1種又は2種以上を50質量部以上500質量部以下含む塗膜を表面と裏面の少なくとも一方に有するプレコートフィン材からなり、
    前記ろう付け後の塗膜について色差計にて測定されるb値が-3~+12の範囲である熱交換器。
  12. 前記チューブがその内部に複数の流路を設けた押出多穴管からなる請求項11に記載の熱交換器。
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