JP6027857B2 - フッ素樹脂製部品の製造方法およびフッ素樹脂製部品 - Google Patents
フッ素樹脂製部品の製造方法およびフッ素樹脂製部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6027857B2 JP6027857B2 JP2012249136A JP2012249136A JP6027857B2 JP 6027857 B2 JP6027857 B2 JP 6027857B2 JP 2012249136 A JP2012249136 A JP 2012249136A JP 2012249136 A JP2012249136 A JP 2012249136A JP 6027857 B2 JP6027857 B2 JP 6027857B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluororesin
- electrode
- modified
- modification
- base material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
このため、薬液による前処理を代替する表面処理が研究されてきた。
このような表面処理に関連する技術として、例えば、特許文献1には、フッ素樹脂製基材に接着剤を塗布する場合において、フッ素樹脂を主成分とする成型物に、1.5Pa〜25Paの圧力下で高周波電源出力200W〜500W、処理時間15分間〜30分間のプラズマ照射処理を行う表面改質技術が提案されている。
本発明者が、特許文献1に提案された技術に基づいて塗料の塗布性能を調べる実験を行ったところ、特許文献1に記載の条件では表面状態の化学的変化が見られず、充分な塗料密着力を得ることができなかった。
また、万一、特許文献1に記載の条件で良好な塗料密着力が得られたとしても、特許文献1では、プラズマ照射処理を最低でも15分間行う必要があるため、製造時間が長くなってしまうという問題がある。
合成樹脂を含む塗布剤を前記改質表面の少なくとも一部に塗布して硬化させて塗布剤層を形成する塗布剤層形成工程と、を備え、前記表面改質工程では、前記粒子を前記改質表面に0.5at%〜50at%含有させる方法とする。
前記塗布剤層と接する前記基材の表面の一部に、1種類以上の金属元素を含む金属もしくは合金、前記金属元素の酸化物、または前記金属元素の窒化物の粒子が分散されており、前記塗布剤層と接する前記基材の表面に前記粒子が0.5at%〜50at%含有されている構成とする。
まず、本発明の実施形態のフッ素樹脂製部品について説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態のフッ素樹脂製部品の製造方法で製造されたフッ素樹脂製部品の構成を示す模式的な正面図である。図1(b)、(c)は、図1(a)におけるA−A断面図、およびB−B断面図である。
このような医療用チューブ1は、フッ素樹脂製であるため、生体組織に接触して用いることができ、生体組織に対するすべり性が良好となる。このため、例えば、造影チューブや高周波ナイフの管状部など、患者の体腔に挿入して用いる用途に使用することができる。
好適なフッ素樹脂の種類としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)などの例を挙げることができる。
また、例えば、造影チューブに好適な形状の一例としては、内径2.5mm、外径3.5mm、長さ300mmのようなチューブ形状を挙げることができる。
改質表面S1は、後述する表面改質工程を行うことにより、チューブ本体2の外表面を表面改質した部位であり、具体的には、不活性ガスによるプラズマ処理を施しつつ、1種類以上の金属元素を含む改質材料を粒子化し、チューブ本体2の外表面に向けて飛散させる処理を施して、チューブ本体2の表面を改質して得られた表面である。このため、改質表面S1には、前記1種類以上の金属元素を含む金属もしくは合金、前記金属元素の酸化物、または前記金属元素の窒化物を含む粒子が分散されている。
ここで、金属の粒子は、金属原子でもよいし、複数の金属原子が金属結合した金属微粒子であってもよい。
また、粒子が分散されているという意味は、例えば、直径1mmの円状領域において、表面におけるスパッタ粒子の比率が100%未満であり、チューブ本体2の表面の一部が露出されている状態を意味する。このような状態は、例えば、電子顕微鏡による観察や、X線光電子分光法(XPS)の測定などによって、検証することができる。
また、他にも、例えば、マグネシウム(Mg)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)なども好適に用いることができる。
上記のように、本明細書では、「金属元素」を単体として金属の性質を示す元素の総称という広義の意味に用いている。例えば、半金属に分類される場合もあるSiは、金属元素に含める。
また、粒子が、酸化物や窒化物の場合、粒子が改質表面S1に分散された時点で酸化物や窒化物になっていればよく、例えば、改質材料に金属もしくは合金を用いて、チューブ本体2の表面に到着する間またはチューブ本体2の表面に到着した時点で、粒子が化学反応を起こして、酸化物や窒化物になったものでもよい。改質材料自体は、金属もしくは合金で構成されていると、スパッタ効率がよいため、改質材料をスパッタして粒子を飛散させる場合に、後述する表面改質工程の処理効率上、好ましい。
特に医療用途に好適となる酸化物、窒化物としては、Ti、Alの酸化物、窒化物などなどを挙げることができる。
塗料層3の材質としては、周知のマーキング塗料を適宜採用することができるが、本実施形態では、一例として、青色のフェノール樹脂を主成分とする塗料を採用している。
図2(a)は、本発明の実施形態のフッ素樹脂製部品の製造方法に用いる表面処理装置の概略構成を示す縦断面図である。図2(b)は、図2(a)におけるC−C断面図である。図3(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の実施形態のフッ素樹脂製部品の製造方法の工程説明図である。
なお、以下の本実施形態の説明では、具体例を挙げて説明する場合、特に断わらない限り、一例として、チューブ本体2が、内径2.5mm、外径3.5mm、長さ300mmの形状を有するPTFE製のチューブであり、改質表面S1に含まれるスパッタ粒子が、Alの場合の例で説明する。この具体例に対応する実施例を、以下、実施例1と称する。
なお、本実施形態の実施例1では、改質材料を粒子化し飛散させる処理は、改質材料を物理的にスパッタすることにより行うため、以下の説明では、簡単のため、「スパッタ処理」と称する。ただし、後述するように、本実施形態の「スパッタ処理」は、基材の表面に粒子を集積させて粒子による層膜の形成を行う処理とは異なる。
また、この「スパッタ処理」により、改質材料から飛散する粒子をスパッタ粒子と称する。また、本実施形態の実施例1では、改質表面S1に到達した粒子は、酸化も窒化もされないため、改質表面S1に含まれる粒子もスパッタ粒子と称する。
表面処理装置10の概略構成は、真空チャンバー11、高周波電源15(プラズマ発生電源)、ガス供給部16、および排気部17を備える。
真空チャンバー11は、処理対象のチューブ本体2を内部に保持して、内部に低圧の不活性ガス雰囲気を形成するものである。
真空チャンバー11の内部には、下方側に改質材料電極12(改質材料、第1電極部)、上方側に上部電極14(第2電極部)が互いに対向して配置され、改質材料電極12の外周側で改質材料電極12を跨ぐように固定治具13が配置されている。
本実施形態では、改質材料電極12は、高周波電圧を印加することで、上部電極14とともに真空チャンバー11に充填された不活性ガスによるプラズマを形成する電極であるとともに、電極間に形成されたプラズマによりスパッタされる改質材料を兼ねている。
このため、改質材料電極12は、改質表面S1を形成するためのスパッタ粒子が発生しうる材質で構成される。例えば、実施例1では、Al板を採用している。
固定治具13におけるチューブ本体2の保持高さは、改質材料電極12からのスパッタ粒子が効率的にチューブ本体2に到達する高さに設定する。実施例1では、改質材料電極12に対するチューブ本体2の保持高さは10mmとしている。
固定治具13の材質は、プラズマと反応せず、プラズマによってスパッタされない絶縁体で構成されている。
高周波電源15の周波数、出力は、改質表面S1におけるスパッタ粒子の目標分布量に応じて適宜設定すればよいが、実施例1に用いる場合、周波数が13.56MHz、出力が100W〜1000W程度の高周波電力を供給できればよい。
不活性ガスの種類としては、例えば、Arガス、Neガス、Xeガスなどが好適である。実施例1では、比較的安価なArガスを採用している。
また、本発明における不活性ガスとは必ずしも単独ガスである必要はなく、混合ガス等でも良い。さらに、必ずしも不活性ガス100%の雰囲気である必要はなく、50%以下の酸素ガス、窒素ガス等の反応性ガスを混入し、改質材料粒子の酸化、窒化を積極的に図ることも可能である。反応性ガスの割合が50%を超えると改質材料自体の酸化や窒化が促進されすぎてスパッタ率が極端に遅くなるため望ましくない。反応性ガスの割合は、スパッタ率と改質効果のバランスを考慮すると30%以下とすることがより望ましい。
まず、図2(a)、(b)に示すように、真空チャンバー11内に配置された固定治具13上に、チューブ本体2をセットする。このとき、図3(a)に示すように、チューブ本体2の外周面である基材表面2aは、PTFEの成形面からなり、化学的には不活性である。このため、塗料を塗布しても、基材表面2aの化学変化が生じないため、良好な密着性が得られない状態である。
真空チャンバー11内の圧力が安定した後、高周波電源15によりチャンバー内に高電圧を印加し、主として上部電極14と改質材料電極12との間の空間にArガスプラズマを発生させ、一定時間かけてプラズマ処理を行う。実施例1では、13.56MHz、出力200Wで30秒間処理した。
これにより、基材表面2aは、Arガスプラズマにより表面改質されるため、基材表面2aはその一部が活性化して活性表面2A(図3(b)参照)が形成されていく。
ただし、活性表面2Aの下半領域におけるスパッタ粒子Tは、時間経過とともに増大するため、長時間プラズマ処理を継続すると、下半領域の活性表面2A全体が、スパッタ粒子Tによって完全に覆われ、スパッタ粒子Tの薄膜層が形成されてしまう。本実施形態では、高周波電源15の出力および出力時間を調整して、処理電力と処理時間を規制することにより、活性表面2A上にスパッタ粒子Tが分散する状態を形成する。
好適な分散状態は、チューブ本体2およびスパッタ粒子Tの材質や、塗料層3を形成する塗料の材質によっても異なるため、塗料層3に必要な密着強度に応じて、予め実験を行うなどして決めることができる。
例えば、実施例1の上記の処理電力および処理時間で形成された改質表面S1では、Alの比率が、7.7at%となり、スパッタ粒子TであるAlが分散されていた。
また、処理対象の形状によっては処理にバラツキが生じることも考えられるため、複雑な形状を処理する場合には、フッ素樹脂表面上のスパッタ粒子Tは1at%以上であることが望ましく、処理条件としては圧力20Pa〜50Pa、高周波電力200W以上、1処理面あたり処理時間5秒以上であることが望ましい。
また、フッ素樹脂製部品を形成するための基材が、例えば、チューブやフィルムなど、熱変形を起こしやすい形態である場合には、熱の影響を少なくするために処理電力を600W以下にするか、処理時間を60秒以内のいずれか、もしくは両方の範囲内にすることが望ましい。
以上で、表面改質工程が終了する。
そこで、真空チャンバー11を大気開放して、処理が終了したチューブ本体2を真空チャンバー11から取り出す。
このように本実施形態では、チューブ本体2の基材表面2aを半周分ずつ表面改質することにより、全周に改質表面S1を形成する。以下、初めに形成される半周分の表面を先行処理表面、次に形成される残りの半周分の表面を後行処理表面と称する。
本実施形態では、図3(d)に示すように、フェノール樹脂を主成分とする塗料(塗布剤)を、チューブ本体2の軸方向に沿って一定幅で全周に塗布して、未硬化の塗料層3を形成する。また、同様な未硬化の塗料層3を軸方向に一定の距離をあけて複数形成する。
次に、このようなチューブ本体2を、80℃のオーブン中に配置して、30分間乾燥させて、塗料層3を硬化させる。
以上で、塗布剤層形成工程が終了する。
このようにして、医療用チューブ1が製造される。
実験例Iでは、上記実施例1において、高周波電源15による処理電力を100W〜1000Wの範囲で変え、処理時間を3秒〜600秒の範囲で変えて、上記表面改質工程と同様にして改質表面S1を有するチューブ本体2のサンプルを形成した。そして、各サンプルの改質表面S1のAlの比率をXPSで測定した。また、各サンプルに上記塗布剤層形成工程と同様にして、塗料層3を形成した後、塗料層3の剥離強度を評価した。
なお、本実験例の処理時間は、先行処理表面、後行処理表面で同一であり、上記の処理時間は、片面あたりの処理時間を示す(後掲の表1、2も同じ)。このため、表面改質工程の全体としては、上記の2倍の処理時間がかかっている。
実験例IIは、上記実施形態の製造方法の表面改質工程において、スパッタ処理が行われないようにして、比較例のチューブ本体を形成し、このチューブ本体に、上記実施形態と同様にして塗布剤層形成工程を行った。
図10は、比較例のフッ素樹脂製部品の製造方法に用いた表面処理装置の概略構成を示す模式的な斜視図、および模式的なK−K断面図である。
表面処理装置100は、表面処理装置10の真空チャンバー11、改質材料電極12、上部電極14、固定治具13に代えて、合成石英製真空チャンバー101、合成石英製真空チャンバー101の外側に密着して上下方向に互いに対向する電極102、103、チューブ本体2を合成石英製真空チャンバー101の内部に保持する固定治具13と同様の材質からなる固定治具104を備える。
表面処理装置100は、表面処理装置10と同様、高周波電源15、ガス供給部16、排気部17を備えるため、表面処理装置10と同様のプラズマ処理を行うことができる。ただし、チューブ本体2の近傍には、改質材料となる金属部材等が配置されていないため、プラズマ処理とともにスパッタが起こることはない。
このような先行処理表面において走査型電子顕微鏡(SEM)による観察(以下、SEM観察と称する)を行ったところ、サンプル表面が荒れており、スパッタ粒子Tが存在しない部位では、表面層の剥離が観察された。
そこで、処理時間10秒で処理電力を代えてチューブ本体2の片面のみにプラズマ処理を行って、サンプル表面を比較観察したところ、処理電力400Wからサンプル表面の荒れが発生し、処理電力、処理時間の増大とともに、サンプル表面の荒れや剥離が増大することが分かった。
先行処理表面は、後行処理表面の表面改質が行われる間、Arガスプラズマに暴露される。真空チャンバー11内では、チューブ本体2よりも上部電極14寄りの位置に形成されるプラズマ発生空間から改質材料電極12に向かうArイオンの流れが常に形成される。このため、プラズマに長時間曝されていると、表面に一旦付着したAlに、プラズマ中のArイオンが繰り返し衝突する結果、Alが表面から離脱したり、サンプル表面の表面層が剥離するのと一緒に剥落したりしていると考えられる。
なお、このようなArイオンの衝突は、主として上部電極14の方から改質材料電極12に向かう方向において発生する。このため、改質材料電極12に対向する表面におけるイオン衝突の影響は、対向しない表面に比べると小さい。
したがって、先行処理表面のスパッタ粒子Tの比率を好適な範囲に維持するためには、先行処理表面が改質材料電極12に対向しない間のプラズマ処理の影響を低減できる処理時間、処理電力を設定することが必要である。
また、剥離したサンプルを観察すると、Alの比率が50at%を越えている部位と、Alの比率が0.5at%未満の部位との両方で、剥離が起こっていた。
また、1000W、60秒の条件では、チューブ本体2の変形が発生していた。これは、処理中の温度上昇の影響によると熱変形と思われる。
処理電力600Wでは、600秒処理を行っても熱変形は生じていないため、変形を防止するには、処理電力を600Wと1000Wとの間に設定するとともに、処理時間を60秒と600秒との間に設定すればよいことが分かる。
また、表4によれば、実験例IIでは、処理時間3秒から600秒の範囲でいずれも塗料が剥離しており、良好な剥離強度が得られていないことが分かる。
したがって、Arガスプラズマによるプラズマ処理のみでは、良好な剥離強度を得ることができないのに対して、本実施形態のスパッタ粒子Tが分散された改質表面S1では、短時間の処理であっても良好な剥離強度が得られることが分かる。
プラズマにさらされた基材表面2aは、プラズマ中のイオンの衝突などにより、脱フッ素や官能基の置換などが発生し、一部が活性化して活性表面2Aが形成される。同時にAl電極である改質材料電極12の表面がスパッタされ、Al原子が飛散、Al原子のまま、もしくはその酸化物、窒化物となって基材表面2aに付着する。
このうち、活性表面2Aに到達したAl原子、もしくはその酸化物あるいは窒化物は、活性表面2Aが活性化されているため、強固に密着する。さらに、塗料中の樹脂成分は、このような改質表面S1において、Al原子と密着する結合と、樹脂成分とフッ素が脱離した樹脂表面との直接結合とによって、改質表面S1と結合される。このため、これらの2種類の結合が相俟って塗料とフッ素樹脂とが強固に密着する。
例えば、実施例1のより好適な処理条件としては、処理時間としては片面あたり60秒以下が好ましい。処理電力は400W以下が好ましい。
また、本実施形態では、プラズマ処理と同時にスパッタ処理を行うことにより、プラズマ処理のみではなしえない表面改質を格段に短時間で実現することができる。
ただし、塗料層3は、改質表面S1上であれば、どの位置に形成してもよく、形状も全周にわたる帯状の形状には限定されない。例えば、周方向において途切れた帯状の形状や、帯状以外の適宜の模様、図柄、記号、文字などであってもよい。
また、本実施形態では、改質表面S1を全周にわたって形成しているため、塗料層3の塗布領域に合わせて、改質表面S1を部分的に形成する場合に比べると、塗布剤層形成工程において塗布手段に対するチューブ本体2の位置決めが容易となり、作業効率を向上することができる。
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
図4(a)は、本発明の実施形態の第1変形例のフッ素樹脂製部品の製造方法で製造されたフッ素樹脂製部品の構成を示す模式的な正面図である。図4(b)、(c)、(d)は、図4(a)におけるD−D断面図、E−E断面図、およびF−F断面図である。図5(a)は、本発明の実施形態の第1変形例のフッ素樹脂製部品の製造方法に用いる表面処理装置の概略構成を示す縦断面図である。図5(b)は、図5(a)におけるH−H断面図である。
改質表面S2は、上記実施形態において改質表面S1が改質材料電極12よりもやや広い範囲に形成され、両端部の一部を除いて略チューブ本体2の全体に形成されていたのに対して、より狭い範囲に選択的に形成されている。
本変形例では、改質表面S2は、一例として、チューブ本体2を軸方向に3等分したうちの中央の領域Gに形成されている。
また、図4(a)、(c)に示すように、塗料層3は、この改質表面S2上において、軸方向に離間した2箇所に、上記実施形態と同様にして形成されている。
このため、図4(a)、(b)に示すように、領域Gにおいて各塗料層3の間の領域では、医療用チューブ20の最外面が改質表面S2になっている。
また、チューブ本体2において領域G外には、図4(d)に示すように、改質表面S2は形成されていない。
実施例2では、領域Gは、チューブ本体2の軸方向の中央部に幅100mmにわたって形成されている。
本変形例の製造方法は、上記実施形態と同様に、表面改質工程と、塗布剤層形成工程とを備える。本変形例の表面改質工程は、上記実施形態の表面処理装置10に代えて、表面処理装置30を用いて行うことができる。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
下部電極32は、高周波電圧を印加することで、上部電極14とともに真空チャンバー11に充填された不活性ガスによるプラズマを形成する電極であり、固定治具13上に保持された各チューブ本体2の領域Gを含む矩形状の処理エリアJを下方側から覆う大きさを有している。
下部電極32の材質としては、例えば、上記実施形態の改質材料電極12と同様の材質を採用することができるが、本変形例では、改質表面S2のスパッタ粒子Tの主成分は、改質材料部材31から発生させるため、下部電極32の材質としては、改質材料部材31の材質に比べてスパッタレートが小さい材質を採用することが可能である。
本変形例では、一例として、Ti製の電極を採用している。
改質材料部材31の大きさおよび配置位置は、改質材料部材31からスパッタされるスパッタ粒子Tが到達する処理範囲が、処理エリアJに重なるように大きさおよび配置位置を設定する。
また、改質材料部材31の材質は、上記実施形態と同様のArガスプラズマによって、改質表面S2を形成するための主成分のスパッタ粒子Tが発生する材質で構成される。
具体的には、実施例2の場合、改質材料部材31は、幅10mm×長さ30mm×厚さ1mmのAu板を採用している。
このとき、改質材料部材31の配置位置と、改質材料部材31とチューブ本体2との間の距離は、スパッタ粒子Tが処理エリアJ内のチューブ本体2の表面に到達する位置に配置する。
例えば、改質材料部材31は、チューブ本体2の下方であって、平面視(図5(b)参照)の位置が、チューブ本体2の軸方向に沿う方向では処理エリアJの中央部、かつチューブ本体2と直交する方向では処理エリアJを横断する位置となるように配置する。
改質材料部材31とチューブ本体2との間の距離は、処理エリアJの大きさなどにもよるため特に制限はない。ただし、改質材料部材31からのスパッタ粒子Tが効率良くチューブ本体2に到達するためには、改質材料部材31とチューブ本体2との間の距離は、200mm以下であることが好ましく、さらに材料の効率的な使用や処理時間の短縮といった観点からは50mm以下とすることが望ましい。
実施例2の処理エリアJ、改質材料部材31の条件では、チューブ本体2の高さは改質材料部材31から10mmの高さに配置している。
このプラズマ処理では、上記実施形態とスパッタ粒子Tの金属元素が異なるのみで、同様にして、基材表面2aが活性化されるとともに、チューブ本体2の下半領域の活性表面にスパッタ粒子Tが分散して付着し、改質表面S2が形成されていく。
このとき、下部電極32および改質材料部材31は、いずれもスパッタされるため、スパッタ粒子Tには、Ti原子と、Au原子とが含まれることになる。ただし、TiとAuとでは、Auの方が2倍以上のスパッタレートを有するため、改質表面S2に含まれるスパッタ粒子Tの比率は、Tiに比べてAuの方が大きくなる。
以上で、本変形例の表面改質工程が終了する。
このようにして、医療用チューブ20が製造される。
すなわち、表面改質工程が終了したチューブ本体2の表面を、XPSによって測定したところ、スパッタ粒子Tの比率は、Tiが0.9at%、Auが3.6at%であった。このため、上記実施形態で説明した好適な範囲の比率のスパッタ粒子Tが分散して付着しており、改質表面S2が形成されていることが確かめられた。
また、塗布剤層形成工程後、医療用チューブ20の塗料層3に対して、上述の剥離強度評価を行ったところ、塗料の剥離は見られなかった。
また、実施例2に用いた、TiやAuは生体適合性に優れた材料であるため、医療用材料に特に適している。その他医療用途に適した材料としては、Au、Ti以外にもPt、あるいは合金では、ステンレス組成であるもの、Ti合金組成であるもの、Co−Cr合金組成であるものが好適である。また、酸化物、窒化物では、Tiの酸化物、窒化物、Alの酸化物、窒化物が好適である。
また、本変形例では、改質材料部材31に比べて、下部電極32の消耗が少ないため、電極交換作業等、メンテナンスに要する時間も低減することができる。
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。
図6(a)は、本発明の実施形態の第2変形例のフッ素樹脂製部品の製造方法で製造されたフッ素樹脂製部品の構成を示す模式的な正面図である。図6(b)、(c)は、図6(a)におけるM−M断面図、およびN−N断面図である。図7(a)は、本発明の実施形態の第2変形例のフッ素樹脂製部品の製造方法に用いる表面処理装置の概略構成を示す縦断面図である。図7(b)は、図7(a)におけるQ−Q断面図である。
このため、領域Pを除くチューブ本体2の最外面におけるスパッタ粒子Tの比率は、0at%以上0.5at%未満である。
例えば、図6(a)に示すように、塗料層43は、改質表面S3上において、軸方向に離間した2箇所に、上記実施形態と同様にして形成されている。
本変形例の製造方法は、上記実施形態と略同様の、表面改質工程と、塗布剤層形成工程とを備える。本変形例の表面改質工程は、上記実施形態の表面処理装置10を用いて行うことも可能であるが、実施例3では、一例として、図7(a)、(b)に示す表面処理装置50を用いて行っている。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
このとき、被処理面である領域Pの全体が改質材料電極12の方に向くようにチューブ本体2を配置する。チューブ本体2の配置高さは、上記実施例1と同様、改質材料電極12から10mmの高さとしている。
これにより、実施例1と同様に基材表面2aがプラズマ処理されて活性化されるとともに、チューブ本体2の下半領域である領域Pの活性表面にスパッタ粒子Tが分散して付着し、改質表面S3が形成されていく。
本変形例では、上部電極14に代えて真空チャンバー11の内面部11aが第2電極部になっているため、プラズマ発生空間の分布が、上記第1の実施形態とは多少異なる。ただし、第2電極部とチューブ本体2との間に形成されるプラズマ発生空間からArイオンが改質材料電極12に向かうことは同じであるため、チューブ本体2のうち改質材料電極12の方に向いた表面にはArイオンが直接的に照射されることはない。
以上で、本変形例の表面改質工程が終了する。
本変形例の塗布材層形成工程では、塗料層43の形状に合わせて、領域P上のみに、塗料層43を形成する点のみが上記実施形態と異なる。
このようにして、医療用チューブ40が製造される。
実験例IIIでは、上記実施例3において、高周波電源15による処理電力を100W〜1000Wの範囲で変え、処理時間を3秒〜1200秒の範囲で変えて、本変形例の表面改質工程と同様にして改質表面S3を有するチューブ本体2のサンプルを形成した。そして、各サンプルの改質表面S3のAlの比率をXPSで測定した。また、各サンプルに本変形例の塗布剤層形成工程と同様にして、塗料層43を形成した後、塗料層43の剥離強度を、上記実施形態の実験例Iと同様にして評価した。
表5から分かるように、領域Pのサンプル表面におけるAlの比率の大きさは、処理電力が大きいほど大きく、また処理時間が長いほど大きくなっている。したがって、処理電力、処理時間を組み合わせることで、チューブ本体2の領域PにおけるAlの比率の調整が可能であることが分かる。
なお、領域Pのサンプル表面においてSEM観察を行ったところ、サンプル表面の剥離は観察されなかった。
また、処理時間1200秒では熱変形は見られたものの、処理時間180秒から1200秒の条件でも、塗料層43の剥離は発生しなかった。
これは、実験例IIIでは、チューブ本体2を裏返して表面改質を行うことがないため、改質表面S3の形成後にさらにArイオンが照射されることがなく、改質表面S3の劣化が進行しなかったためと考えられる。
これにより、塗料層43を領域Pのみに形成すればよい場合に、薬液処理を用いることなく塗料を良好に密着させることができるとともに、スパッタ粒子Tを用いた表面改質を行わない従来技術に比べて製造時間を短縮することができる。
また、本変形例では、領域P以外の領域を表面改質しなくてよいため、上記実施形態における片面あたりの処理時間で表面改質を行うことが可能である。ただし、本変形例では、表6と表2を対比すれば分かるように、処理時間が長くなっても、形成された改質表面S3が劣化しにくい。このため、処理時間自体は、上記実施形態の片面あたりの処理時間よりも長くすることが可能である。したがって、処理時間にバラツキの許容範囲が広がり、処理時間の管理が容易となる。
次に、本実施形態の第3変形例について説明する。
図8(a)は、本発明の実施形態の第3変形例のフッ素樹脂製部品の製造方法に用いる表面処理装置の概略構成を示す縦断面図である。図8(b)は、図8(a)におけるU−U断面図である。図9(a)、(b)は、図8(a)におけるR−R断面図である。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
遮蔽部材61は、Arガスプラズマにおいてプラズマ発生空間から改質材料電極12に向かうArイオンI(イオン)を部分的に遮蔽するために設けられた部材であり、固定治具13に支持されたチューブ本体2における改質材料電極12と反対側の表面を覆うように配置されている。
本変形例の遮蔽部材61は、固定治具13の上端部に係止される一対の取付部61bの間に、チューブ本体2の長手方向に沿って延びる複数の遮蔽部61aが、チューブ本体2の配列方向に間を開けて配置された、平面視平行格子状の部材である。
各遮蔽部61aは、チューブ本体2の短手幅以上の短手幅を有する矩形板状に設けられ、図9(a)に示すように、チューブ本体2の上方において改質材料電極12に平行に配置されている。
このため、隣り合う遮蔽部61aの間には開口部61cが形成されている。改質材料電極12は、チューブ本体2の短手幅よりも広幅であるため、開口部61cの下方には、改質材料電極12が位置している。
このとき、各チューブ本体2は、固定治具13の内側では、遮蔽部材61の遮蔽部61aの下方に隠れる位置に配置される。
遮蔽部61aの配置高さは、チューブ本体2に向かうArイオンIがチューブ本体2の上半領域W(図9(a)参照)に照射されにくいような適宜高さに設定する。
ただし、開口部61cが狭くなると、ArイオンIが改質材料電極12に到達しにくくなり、スパッタ粒子Tが減ったり、発生したスパッタ粒子Tがチューブ本体2の下半領域V(図9(a)参照)に到達しにくくなったりする。
このため、遮蔽部61aは、なるべくチューブ本体2の上端部に近づけて配置し、遮蔽部61aの短手幅をチューブ本体2の短手幅と同程度とすることが好ましい。
このため、遮蔽部材61の短手方向の端部における基材表面2aとの隙間は、2mm以下とすることが好ましい。
侵入したArイオンIは、チューブ本体2の基材表面2aに到達した場合には、基材表面2aを活性化して活性表面2Aを形成する。また、改質材料電極12に到達したArイオンIは、上記実施形態と同様にスパッタ粒子Tを発生させる。スパッタ粒子Tは、チューブ本体2の下半領域Vに到達して、領域Vに改質表面S1を形成する。
ただし、本変形例では、チューブ本体2の直上は、遮蔽部61aに覆われているため、が、チューブ本体2の直上に照射されたArイオンIは、直接的には、チューブ本体2の上半領域Wには到達しない。
このため、上半領域Wに到達するArイオンIは、改質材料電極12に反射するなどして、運動エネルギーが低下しているため、ArイオンIが到達しても、表面が劣化するほど高速に衝突することはない。
このため、下半領域Vに配置された後行処理表面には改質表面S1が形成される。
一方、改質表面S1を形成済みの先行処理表面は、遮蔽部61aによって運動エネルギーの大きなArイオンIの直接的な照射を受けることないため、ArイオンIによる改質表面S1の劣化が抑制される。
以上で、本変形例の表面改質工程が終了する。
次に、上記実施形態と全く同様にして塗布剤層形成工程を行うことにより、医療用チューブ1を製造することができる。
また、ArイオンIによる上半領域Wの表面の荒れや、改質済みの改質表面S1の劣化がほとんど発生しないため、スパッタ粒子Tを効率よく付着させることができる。
例えば、上記実施形態では、運動エネルギーが高いArイオンIに起因する劣化が考えられるため、予め部分的な劣化を見越して、先行処理表面に目標の比率よりも多めにスパッタ粒子Tを分散させることが考えられる。
しかし、本変形例では、このような劣化を想定しなくてもよいため、先行処理表面にはスパッタ粒子Tの本来の目標の比率になるように、表面改質処理を行えばよい。このため、劣化を見越した処理を行う場合に比べて処理時間を短縮できる。
ただし、第1改質工程および第2改質工程において、前記基材を挟んで前記第1電極部と反対側に、前記基材の表面を覆う遮蔽部材を配置した状態で前記改質表面を形成する点が上記実施形態と異なる。
例えば、図8(a)、(b)に示すように、遮蔽部材61に代えて、遮蔽部材62を採用することが可能である。
遮蔽部材62は、図9(b)に示すように、遮蔽部61aに代えて、チューブ本体2と略同心円(同心円を含む)をなす円弧状に湾曲された板状の遮蔽部62aを備えたものである。
遮蔽部材62によれば、遮蔽部62aとチューブ本体2との間の隙間を略一定保つことができるため、遮蔽部材61に比べて、遮蔽部62aの短手方向の端部とチューブ本体2の基材表面2aとの間の隙間を低減することができる。この場合、遮蔽部材61の場合に比べて、遮蔽部62aと基材表面2aとの間にArイオンIがより侵入しにくくなる。
また、遮蔽部62aの短手幅をチューブ本体2の短手幅に略一致させても、ArイオンIの侵入を防止できるため、改質表面S1を劣化させることなく開口部61cをより広くとることができる。
また、フッ素樹脂製部品の形状は、チューブには限定されない。例えば、中実の線状部材、棒状部材でもよく、平板状、湾曲板状の板部材やシート部材でもよい。また、適宜の立体形状に形成された成形品でもよい。
また、塗布剤層は、フッ素樹脂表面に密着させる合成樹脂を含む層であればよく、着色の有無は問わず、塗料にも限定されない。例えば、塗布剤層は、接着剤や、接着剤を含む樹脂材料でもよい。
このような遮蔽部材は、例えば、金属や合成樹脂によって形成することができる。
合成樹脂によって形成する場合には、遮蔽部材を形成する樹脂材料を基材表面2aに塗布後に硬化させることにより形成してもよい。
このような合成樹脂塗布による遮蔽部材は、先行処理表面の表面改質が終了したら除去することができる。このため、合成樹脂塗布による遮蔽部材の材料は、表面改質工程を行う間のみ基材表面2aに密着するような密着強度が低い合成樹脂を採用することが可能である。
また、合成樹脂塗布による遮蔽部材は、初めの表面改質処理によるArイオンIの照射によってエッチングされるように、合成樹脂の層厚を調整しておけば、遮蔽部材を除去する工程は省略できるため、より好ましい。
例えば、第2変形例に用いた表面処理装置50は、上記実施形態や他の変形例のフッ素樹脂製部品の製造方法にも同様に用いることができる。
2 チューブ本体(基材)
2A 活性表面
2a 基材表面
3、43 塗料層(塗布剤層)
10、30、50、60 表面処理装置
11a 内面部(第2電極部)
12 改質材料電極(改質材料、第1電極部)
15 高周波電源
16 ガス供給部
17 排気部
31 改質材料部材(改質材料、第1電極部)
32 下部電極(改質材料)
61、62 遮蔽部材
I Arイオン(イオン)
P 領域(被処理面)
S1、S2、S3 改質表面
T スパッタ粒子(粒子)
Claims (6)
- フッ素樹脂製の基材の表面に、不活性ガスによるプラズマ処理を施しつつ、1種類以上の金属元素を含む改質材料を粒子化し前記基材の表面に向けて飛散させることにより、前記基材の表面に、前記金属元素を含む金属もしくは合金、前記金属元素の酸化物、または前記金属元素の窒化物を含む粒子が分散された改質表面を形成する表面改質工程と、
合成樹脂を含む塗布剤を前記改質表面の少なくとも一部に塗布して硬化させて塗布剤層を形成する塗布剤層形成工程と、
を備え、
前記表面改質工程では、前記粒子を前記改質表面に0.5at%〜50at%含有させる
ことを特徴とするフッ素樹脂製部品の製造方法。 - 前記表面改質工程では、
前記改質材料を配した第1電極部と、該第1電極部から離間して配置された第2電極部との間に前記基材を配置し、前記第1電極部および前記第2電極部の間に不活性ガスを供給するとともに前記第1電極部および前記第2電極部に直流電源、交流電源、または高周波電源からなるプラズマ発生電源から電力を供給して前記第1電極部と前記第2電極部との間にプラズマを発生させて、前記第2電極部の方から前記第1電極部に向かうイオンの流れを形成することにより、前記改質材料を粒子化し、
前記基材の表面のうち前記第1電極部の前記改質材料の方に向いている部位を被処理面として、前記改質材料の粒子を飛散させる
ことを特徴とする請求項1に記載のフッ素樹脂製部品の製造方法。 - 前記表面改質工程では、
前記基材を挟んで前記第1電極部と反対側に、前記基材の表面を覆う遮蔽部材を配置した状態で前記改質表面を形成する
ことを特徴とする請求項2に記載のフッ素樹脂製部品の製造方法。 - 前記1種類以上の金属元素が、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)のうち少なくとも1種類を含む
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ素樹脂製部品の製造方法。 - フッ素樹脂製の基材と、該基材の少なくとも一部の表面を覆う合成樹脂を含む塗布剤層とを有するフッ素樹脂製部品であって、
前記塗布剤層と接する前記基材の表面の一部に、1種類以上の金属元素を含む金属もしくは合金、前記金属元素の酸化物、または前記金属元素の窒化物の粒子が分散されており、
前記塗布剤層と接する前記基材の表面に前記粒子が0.5at%〜50at%含有されている
ことを特徴とするフッ素樹脂製部品。 - 前記1種類以上の金属元素が、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)のうち少なくとも1種類を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のフッ素樹脂製部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012249136A JP6027857B2 (ja) | 2011-11-29 | 2012-11-13 | フッ素樹脂製部品の製造方法およびフッ素樹脂製部品 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011260033 | 2011-11-29 | ||
JP2011260033 | 2011-11-29 | ||
JP2012249136A JP6027857B2 (ja) | 2011-11-29 | 2012-11-13 | フッ素樹脂製部品の製造方法およびフッ素樹脂製部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013136233A JP2013136233A (ja) | 2013-07-11 |
JP6027857B2 true JP6027857B2 (ja) | 2016-11-16 |
Family
ID=48912403
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012249136A Active JP6027857B2 (ja) | 2011-11-29 | 2012-11-13 | フッ素樹脂製部品の製造方法およびフッ素樹脂製部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6027857B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05318553A (ja) * | 1992-05-26 | 1993-12-03 | Daikin Ind Ltd | チューブ状積層体およびその製造法 |
JP4155031B2 (ja) * | 2002-03-15 | 2008-09-24 | 株式会社豊田中央研究所 | 基材の表面改質方法及び改質された基材、並びに装置 |
JP4905129B2 (ja) * | 2004-02-26 | 2012-03-28 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | ナノ粒子付着基板の製造方法 |
JP4646580B2 (ja) * | 2004-09-02 | 2011-03-09 | 住友電気工業株式会社 | 複合フィルムの製造方法及び樹脂フィルムの表面改質方法 |
JP4510121B2 (ja) * | 2007-12-19 | 2010-07-21 | 小島プレス工業株式会社 | スパッタリング装置及びスパッタリングによる被膜の形成方法 |
JP5153495B2 (ja) * | 2008-07-14 | 2013-02-27 | オリンパス株式会社 | マーキング部付きフッ素樹脂チューブの製造方法 |
JP2011026530A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-10 | Olympus Corp | 樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法 |
-
2012
- 2012-11-13 JP JP2012249136A patent/JP6027857B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013136233A (ja) | 2013-07-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2300357C (en) | Method of mass manufacturing coated electrosurgical electrodes | |
JP7035068B2 (ja) | 燃料電池用バイポーラプレートの製造方法 | |
JP2009263529A (ja) | フッ素樹脂系成形物の表面改質方法 | |
EP3202350B1 (en) | Energy device for surgical operations | |
JP2014154557A (ja) | プラズマ触媒化学反応装置 | |
JP2019110022A (ja) | 信号伝送用ケーブル | |
KR20100064400A (ko) | 면도기 면도날의 박막 증착 방법 | |
JP6027857B2 (ja) | フッ素樹脂製部品の製造方法およびフッ素樹脂製部品 | |
JP2006314729A (ja) | 安全で鍼治療効果の優れた通電治療用絶縁鍼。 | |
JP2010168605A (ja) | 水濡れ性に優れた銅箔及びその製造方法 | |
JP7179575B2 (ja) | 高周波処置に用いられる医療機器用電極および医療機器 | |
JP2012021223A (ja) | プラズマ処理装置及びコンタクトプローブの表面改質方法 | |
Sun et al. | Characteristics and in vitro biological assessment of (Ti, O, N)/Ti composite coating formed on NiTi shape memory alloy | |
JP7350480B2 (ja) | 成膜方法、成膜製品及び表面プラズモンセンサ、バイオ計測機器用部品の製造方法 | |
KR101701440B1 (ko) | 플라즈마 하이브리드 코팅장치를 이용한 식기류 제조방법 | |
JP4461627B2 (ja) | アクチュエータ及びその製造方法 | |
JP6112232B2 (ja) | X線管 | |
JP7146213B2 (ja) | 導電膜形成方法、および配線基板の製造方法 | |
KR101559006B1 (ko) | 임플란트 픽스쳐 코팅방법 | |
KR101134476B1 (ko) | 자동차용 와이퍼 블레이드 및 이의 제조 방법 | |
JP5245103B2 (ja) | 厚膜dlc被覆部材およびその製造方法 | |
EP2835269A1 (en) | A precursor plate for the manufacture of an intaglio printing plate, a method of manufacturing the precursor plate and use of the precursor plate | |
JP2005340400A (ja) | ワイヤーボンディング用キャピラリー | |
WO2002085237A2 (en) | Diamond-like coating, method of its plating and dental bur with the said diamond-like coating | |
JP2008231520A (ja) | アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150806 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160527 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160531 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160701 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20160704 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161017 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6027857 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |