JP2008231520A - アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents

アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属部材と非金属部材(部品)とが混在しているような被処理体(製品)の表面に、とくに金属部材表面にアモルファス状炭素水素固形物皮膜を均等かつ均質に、高い密着力で被成し、部材の耐食性を向上させる技術を提案する。
【解決手段】少なくとも表面に金属部材と非金属部材とが混在した状態の被処理体に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を被覆してなる部材であって、この部材の金属部材部分は、その表面が、変質層が除去されると共に、Ra:0.2μm、Rz:1.0μm以下の表面粗さに仕上げられ、かつこの部分には、前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜下に部材金属の不動態薄膜が形成されていること。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気伝導性のないプラスチック、ゴム、ガラスおよびセラミックなどの部品が取付けられた金属部材、例えば半導体加工装置用部材の全面に、アモルファス状炭素水素固形物(炭素と水素を主成分とするアモルファス状ダイヤモンドライク・カーボン)の薄膜(以下、単に「DLC膜」とも言う)が全面に被覆形成されてなる部材およびその製造方法に関する。
近年、炭素と水素を主成分とする炭化水素ガスを成膜材料として用いた硬質膜の被覆処理法が実用化され、多くの産業分野において利用されている。この炭素と水素を主成分とする硬質膜は、アモルファスながらダイヤモンド構造(SP3構造)とグラファイト構造(SP2)構造とが混在しており、「DLC膜」と呼ばれている。
このDLC膜は、一般に硬質で低い摩擦係数を有することから、開発当初より耐摩耗性を必要とする切削工具類や、摺動、回転部材の表面に施工され、最近では、多くの産業分野で用いられている。
たとえば、このDLC膜は、炭素と水素の主成分としているため、酸、アルカリおよびハロゲン化合物に対して卓越した耐食性を発揮し、半導体加工装置用部材の耐食性の向上や、酸や純水による洗浄に対する良好な汚染物質の除去機能を備えた皮膜として利用されている(特許文献1〜7)。
また、このDLC膜構造にFを結合させてCF基およびCF基を付与することにより、一段と高い潤滑性と親水性を与えることができることも開示(特許文献8〜15)され、これらの技術は、磁気ディスクや医療用器材の分野で利用されている。さらに、DLC膜の優れた滑り特性は、樹脂形成用金型の表面処理のために利用されている(特許文献16、17)。
また、このDLC膜を形成する方法についても精力的な研究が行われ、現在では、イオン化蒸着法、アークイオンプレーティング法、高周波・高電圧パルス重畳型成膜法、プラズマブースター法、プラズマCVD法など、多くの形成技術が開発されている。
こうしたDLC膜を形成する場合、一般に、複雑な形状を有する被処理体の全面にわたって均等かつ均質な膜を形成することが要求される。このような要求に応えるために高周波・高電圧パルス重畳型プラズマCVD装置(以下、単にプラズマCVD装置と略記)が開発されている。この装置は、排気した反応容器内に、被処理体を保持するとともに炭化水素系ガスを導入し、基材に対して高周波電力と高電圧パルスとを重畳印加して、導入炭化水素系ガスのプラズマを発生させると同時に、該被処理体を負の電位にすることによって、プラズマ中の正イオンを被処理体表面に吸着・成長させる装置であり、この装置によれば、複雑な形状の被処理体に対して比較的均等なDLC膜を形成することができる。
特開平9−313926号公報 特開2002−110655号公報 特開2003−133149号公報 特開2000−262989号公報 特開2000−70884号公報 特開2000−265945号公報 特開2003−209086号公報 特開平11−158361号公報 特開平11−330066号公報 特開09−044841号公報 特開平10−068083号公報 特開平10−198953号公報 特開2000−096233号公報 特開2003−310744号公報 特開2003−217845号公報 特開2004−130775号公報 特開2004−315876号公報
本発明は、金属部材の少なくともその表面に、ゴムやプラスチック、セラミックスなどの非金属部材が配設されている被処理体の全面に、従来のプラズマCVD装置を用いてアモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成する際の、下記の課題を解決しようとするものである。
(1)少なくとも表面に金属部材と、ゴムやプラスチックなどの非金属部材とが混在した状態の被処理体表面に、従来のプラズマCVD装置を用いてアモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成した場合、金属部材の表面を被覆したアモルファス状炭素水素固形物皮膜の膜質が悪く、期待するような性能が得られない。即ち、電気伝導性を有する金属部材の表面に、非電気伝導性のゴムやプラスチック部品を取り付けてなる被処理体全面にアモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成すると、非電気伝導性部品の周辺の金属部材面に形成されるアモルファス状炭素水素固形物皮膜は、多孔質となるため耐食性が低く、さらに密着性にも乏しく、とくに、形状の複雑な被処理体への均等かつ均質な成膜ができない。
(2)上記のようなアモルファス状炭素水素固形物皮膜を有する被処理体を、腐食性環境下で使用すると、アモルファス状炭素水素固形物皮膜の気孔を通って腐食成分が内部に進入し、金属部材が腐食して赤さびや孔食が発生すると共に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜が早期に剥離するため、アモルファス状炭素水素固形物皮膜が有する優れた耐食性、耐摩耗性などの特徴を発揮させることができない。
そこで、本発明の目的は、金属部材と非金属部材(部品)とが混在しているような被処理体(製品)の表面に対して、該アモルファス状皮膜を被覆するに際し、とくに金属部材表面にアモルファス状炭素水素固形物皮膜を均等かつ均質に、高い密着力で被成し、部材の耐食性を向上させる技術を提案することにある。
従来技術が抱えている課題を解決することができる技術の確立を目標として鋭意研究した結果、下記の構成を要旨とする本発明を開発した。即ち、本発明は、少なくとも表面に金属部材と非金属部材とが混在した状態の被処理体に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を被覆してなる部材であって、この部材の金属部材部分は、その表面が、変質層が除去されると共に、Ra:0.2μm、Rz:1.0μm以下の表面粗さに仕上げられ、かつこの部分には、前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜下に部材金属の不動態薄膜(以下、単に「金属の不動態薄膜」と言う)が形成されていることを特徴とするアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材である。
また、本発明は、少なくとも表面に金属部材と非金属部材とが混在した状態の被処理体に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を被成する際に、その固形物皮膜の形成するのに先立ち、前記被処理体表面の金属部材部分の表面から変質層を除去し、かつその表面の粗度をRa:0.2μm以下、Rz:1.0μm以下の鏡面とし、その後、該金属部材の表面に酸化物を主成分とする金属の不動態薄膜を形成することからなる前処理を、行うことを特徴とするアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法である。
なお、本発明においては、下記の構成を備えることが、より効果的で具体的な解決手段を与えることになる。
すなわち、前記金属の不動態薄膜は、酸またはアルカリ浸漬法、化学研磨法および電解研磨法のうちから選ばれるいずれか1種類以上の方法によって形成された酸化物を主成分とする厚さ1μm未満の薄膜であること、前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、金属の不動態薄膜が被覆された被処理体を保持した反応容器内に、炭化水素系ガスを導入すると同時に、その被処理体に対し高周波電力と高電圧パルスとを重畳印加して導入炭化水素系ガスのプラズマを発生させると同時に、該被処理体を負の電位にすることによって、気相析出させたアモルファス状炭素水素固形物を、前記金属の不動態薄膜表面に吸着・成長させることにより形成したものであること、前記金属部材は、炭素鋼、ステンレス鋼、AlおよびTiのうちから選ばれるいずれか1種の電気伝導性を有する金属・合金であること、前記非金属部材は、ゴム、プラスチック、セラミックス焼結体、ガラスおよびセラミック溶射皮膜のうちから選ばれるいずれか1種以上の非電気伝導性の部材であること、前記アモファス状炭素水素固形物皮膜は、炭素含有量72〜88原子%、水素含有量12〜28原子%のナノオーダの固体粒子からなり、1.0〜10μmの範囲の厚さを有する層であること、前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、表面粗さがRa:0.06μm以下、Rz:0.1μm以下であること、および前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、硬さHv:500〜2300、電気抵抗率が1012Ωcm未満の特性を有することが好ましい。
本発明によれば、少なくとも部材の表面に、電気伝導性の金属部材と非電気伝導性の非金属部材とが混在し一体になっているような被処理体部材の、その表面全体に、耐食性と密着性等に優れたアモルファス状炭素水素固形物皮膜を被覆してなる部材を得ることができる。
また、本発明によれば、被処理体の一部に非電気伝導性部材が存在することに起因して生じるアモルファス状炭素水素固形物皮膜の性能低下を防ぐことができるので、プラズマCVD法の特徴、すなわち、形状の複雑な被処理体への均等かつ均質な固形物皮膜の形成が可能で、アモルファス状炭素水素固形物皮膜の新しい工業分野への利用拡大が期待できる。
さらに、本発明を採用することにより、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成する時間の短縮等、生産性の向上や生産コストの低減を図ることができる。
まず、以下、少なくとも部材の表面に本発明において特徴的なアモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成する方法について説明する。このアモルファス状炭素水素固形物皮膜は、高周波・高電圧パルス重畳型プラズマCVD装置(以下、単に「プラズマCVD装置」と略す)によって形成するが、この装置の概略と特徴を説明し、次いで、少なくとも表面に金属部材と非金属部材とが混在するような被処理体の表面に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成する場合の手段について説明する。
図1は、プラズマCVD装置の略線図である。プラズマCVD装置は、主として、接地された反応容器1と、この反応容器1内に高電圧パルスを印加するための高電圧パルス発生電源4、被処理部材2の周囲に炭化水素系ガスプラズマを発生させるためのプラズマ発生用電源5が配設されているほか、導体3および被処理体2に高電圧パルスおよび高周波電圧の両方を同時に印加するための重畳装置6が、高電圧パルス発生電源4とプラズマ発生用電源5との間に介装配置されている。なお、導体3および被処理体2は、高電圧導入部9を介して重畳装置6に接続されている。
このプラズマCVD装置は、反応容器1内に成膜用の有機系ガスを導入するためのガス導入装置(図示せず)および、反応容器1を真空引きする真空装置(図示せず)が、それぞれバルブ7aおよび7bを介して反応容器1に接続される。
このプラズマCVD装置を用いて、被処理体の表面にアモルファス状炭素水素固形物皮膜を成膜させるには、まず、被処理体2を反応容器1内の所定位置に設置し、真空装置を稼動させて該反応容器1内の空気を排出して脱気した後、ガス導入装置によって有機系ガスを該反応容器1内に導入する。
次いで、プラズマ発生用電源5からの高周波電力を被処理体2に印加する。なお、反応容器1は、アース線8によって電気的に中性状態にあるため、被処理体2は、相対的に負の電位を有することになる。このため、印加によって発生する有機系導入ガスのプラズマ中のプラスイオンは、負に帯電した被処理体2のまわりに発生することになる。
そして、高電圧パルス発生装置4からの高電圧パルス(負の高電圧パルス)を被処理体2に印加すると、有機系導入ガスプラズマ中のプラスイオンは、該被処理体2の表面に誘引吸着される。このような処理によって、被処理体2の表面に、アモルファス状炭素水素固形物が成長し、保護膜が形成される。すなわち、反応容器1内では、最終的には炭素と水素を主成分とするアモルファス状炭素水素固形物が、被処理体2のまわりに気相析出し、該処理体2の表層部・気孔内に侵入ないし該表面を被覆するようにして皮膜形成するものと考えられる。
発明者らは、上記プラズマCVD装置により、被処理体表面に形成されるアモルファス状炭素水素固形物の層は、以下の(a)〜(d)のプロセスを経て形成されるものと推測している。
(a)導入された炭化水素ガスのイオン化(ラジカルと呼ばれる中性な粒子も存在する)が起こり、
(b)炭化水素ガスから変化したイオンおよびラジカルは、負の電圧が印加された被処理体2の表面に衝撃的に衝突し、
(c)衝突時のエネルギーによって、結合エネルギーの小さいC−H間が切断され、その後、活性化されたCとHとが重合反応を繰り返して高分子化し、炭素と水素を主成分とするアモルファス状の炭素水素固形物が気相析出し、
(d)そして、上記(c)の反応が、被処理体2上で起こると、被処理体2表面に、アモルファス状炭素水素固形物の堆積層からなる皮膜が形成されることになる。
なお、この装置では、高電圧パルス発生電源4の出力電力を、下記(a)〜(d)のように変化させることによって、被処理体2に対して金属等のイオン注入を実施することもできる。
(a)イオン注入を重点的に行う場合:10〜40kV
(b)イオン注入と皮膜形成の両方を行う場合:5〜20kV
(c)皮膜形成のみを行う場合:数百V〜数kV
(d)スパッタリングなどで重点的に行う場合:数百V〜数kV
また、前記高電圧パルス発生源4では、
パルス幅:1μsec〜10msec
パルス数:1〜複数回のパルスを繰り返すことも可能である。
また、プラズマ発生用電源5の高周波電力の出力周波数は、数十kHzから数GHzの範囲で変化させることができる。
このプラズマCVD処理装置の反応容器1内に導入させる成膜用有機系ガスとしては、以下の(イ)〜(ハ)に示すような炭素と水素からなる炭化水素系ガス、およびこれにBやSi、O、Clなどが添加されたものが好適に用いられる。
(イ)常温(18℃)で気相状態のもの
CH、CHCH、C、CHCHCH、CHCHCHCH
(ロ)常温で液層状態のもの
CH、CCHCH、C(CH、CH(CHCH、C12、CCl
(ハ)有機Si化合物(液相)
(CO)Si、(CHO)Si、[(CH)4Si]
上記の反応容器1内への導入ガスは、常温で気相状態のものは、そのままの状態で反応容器1内に導入できるが、液相状態の化合物はこれを加熱してガス化させ、そのガス(蒸気)を反応容器1内へ供給する。有機Si化合物を用いてアモルファス状炭素水素固形物の皮膜を形成すると、皮膜中にSiが混入することがあるが、Siは炭素と強く結合するとともに、アモルファス状炭素水素固形物の表面を疎水性から親水性に変えるが、本発明の目的の妨げとなることはない。
このような高周波電圧と高電圧パルスとを重畳するプラズマCVD法による処理では、反応容器1内において、被処理体2は、負の電位(負電圧)に印加された状態にあるため、プラズマによって励起されてプラスに帯電した炭化水素系ガスのイオンやラジカルが、雲状ないし霧状となって被処理体2の全面を覆うように発生し、そして、その被処理体2表面において炭素と水素を主成分とするアモルファス状の微小固体粒子が放電析出を繰り返し、被処理体2の表面に膜状となって堆積する。したがって、たとえ被処理体2が図2に示すようなT字形等、複雑な形状をしていたとしても、必要な部分にのみに、アモルファス炭素水素の固形物を吸着(負電位を持たない部分には吸着作用が生じない)させることができる。このように、プラズマCVD法は、たとえ被処理体2の形状が複雑であったとしても、被処理体2を負の電位にすることにより、どの部分にも均等に成膜できるという特徴がある。
しかしながら、上述した処理方法であっても、金属部材と非金属部材とが混在しているような被処理体2に対し、前記プラズマCVD法を適用し、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成させる場合、次に示すような問題点がある。それは、金属部材と非金属部材とが混在しているような部材、部品、例えば、金属部材に非金属部材として、パッキング機能を有するプラスチックあるいはゴム部品が組み込まれたものや、電気絶縁を目的としてプラスチック、ガラスあるいはセラミック焼結体が組み込まれたもの、あるいは耐摩耗性の向上を目的としてセラミック焼結体などが組み込まれているようなものの場合、次のような問題点がある。
発明者らの研究によると、プラスチックなどの非金属部材は、ガスプラズマ中のプラスイオンの影響を受けないため、非金属部材に炭化水素系のガスプラズマが接触することのみによってアモルファス状炭素水素固形物皮膜が生成することがわかった。そのため、非金属部材表面に形成されるアモルファス状炭素水素固形物皮膜は、非金属部材と接触する炭化水素系ガスプラズマの濃淡によって膜厚が決まり、不均等となることが多い。とくに、被処理体の形状が複雑な場合、膜厚が必然的に不均等になるとともに、電気エネルギーの作用が期待できないため、密着力も弱いものとなってしまう。
つまり、非金属部材を取り付けた金属部材の表面に、プラズマCVD法によってアモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成しようとすると、アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、非金属部材の影響をうけて膜厚が不均等になりやすく、しかも、膜質も多孔質で密着性の低いものになるため、金属部材の部分が腐食され易く、この傾向は、とくに非金属部材近傍の金属部材の部分において顕著となる。
このことは、SS400鋼からなる金属部材上にプラスチック部品を取り付けた部材に、プラズマCVD法によってアモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成し、これを塩水噴霧試験(JIS Z2371規定)すると、プラスチック部品から離れた位置のある金属部材の表面では、皮膜が健全な状態を維持しているのに対し、プラスチック部品周囲の金属部材面では赤さびが発生することから明らかになった。したがって、金属部材であっても、非金属部材が一体となって混在すると、その影響を受け、プラスチック部品周辺に形成されるアモルファス状炭素水素固形物皮膜は、多孔質で耐食性に乏しいものとなり、健全なアモルファス状炭素水素固形物皮膜を維持できないことがわかった。なお、プラスチックに代えてセラミックス焼結体、セラミック溶射皮膜、ゴム、ガラスなどを取り付けた場合にも同様の現象があらわれる。
そこで、発明者らは、プラズマCVD法によってアモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成する際に問題となる、上述した課題を解決するべく研究した結果、アモルファス状炭素水素固形物皮膜の形成に先駆けて被処理体外表面に対し、次に示すような前処理を施すことが有効であるとの知見を得た。
(1)被処理体の金属部材部分の表面に主として機械加工によって生成する変質層(ベイルビー層)を除去し、その表面をRa:0.2μm以下、Rz:1.0μm以下の鏡面とする。
(2)その後、上記鏡面に対して、化学的または電気化学的処理によって金属の酸化物を主成分とする薄膜(金属の不動態薄膜)を予め形成する。
この金属の不動態薄膜の具体的な形成方法は、
(I)化学的処理としては、金属部材の部分を、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、重クロム酸などを含む酸化性の水溶液中に浸漬して、金属部材成分のCrやNi、Ti、Mo、Al、Siなどの各種酸化物(複合酸化物、水和物などを含む)を生成させる。
(II)電気化学的処理としては、金属部材の部分を硫酸、リン酸、クロム酸、過塩素酸などの水溶液中で該金属部材を陽極として電解し、その表面を微視的に溶解しつつ、金属部材成分のCrやNi、Ti、Mo、Al、Siなどの各種酸化物(複合酸化物、水和物などを含む)からなる不動態薄膜を生成させることによる。
なお、前記不動態薄膜とは、JIS Z0103規定の防錆用語によれば、標準電極電位列において卑でありながら、電気化学的に貴な金属であるような挙動を示す状態と説明され、化学反応によって生成したものであり、金属部材と比較して優れた耐食性を発揮する性質をもっている。この不動態薄膜は、金属部材部分の表面を機械的研磨加工することによって生成する変質層(ベイルビー層)上に生成させることもできるが、変質層自体が、非晶質であるうえ、機械加工によって格子欠陥の多い状態にあるため、変質層は除去しておくことが好ましい。また、金属の不動態薄膜の形成に先立ち、金属部材部分の表面粗さをRa:0.2μm以下、Rz:1.0μm以下にするのは、不動態薄膜との密着性を向上させると共に、不純物の付着を抑制するためである。
金属部材上に生成させた金属の不動態薄膜の有無は、目視はもとより光学顕微鏡によっても明確な判断は困難であるが、ステンレス鋼のアノード分極曲線測定法(JIS G0579規定)を利用して、腐食電位(自然電極電位ともいう)を測定することによって判定することができる(測定条件:25℃、3.5%NaCl 飽和甘こう電極基準)。表1に各種金属部材の腐食電位を示す。
Figure 2008231520
電気めっき、化学めっきおよび蒸着などの表面処理の分野においては、一般に、成膜に先立って基材表面を脱脂、酸、アルカリ洗浄などすることにより、油脂類やさびスケール類を除去して活性な金属面を露出させる前処理が行われている。ただし、機械加工された金属部材の表面では、切削による加工層が必ず存在する。この加工層には、結晶の破壊や塑性変形を伴う場合が多く、また、研磨仕上げした表面では、ベイルビー層が生成する。このベイルビー層の表面は、電気めっき膜や化学めっき膜の付着が容易なものの、本発明に係るDLC膜の施工には大きな障害となることを発見した。すなわち、本発明では、DLC膜の形成に先駆けて基材金属の表面に金属の不動態薄膜を形成することを前提にしているが、基材表面にベイルビー層が存在すると、その上に良好な不動態薄膜を生成させることができないことがわかった。この原因は、ベイルビー層の大部分が非晶質であるうえ、格子欠陥が多いためであり、この表面に不動態薄膜を形成すると、ベイルビー層の影響を受けて、欠陥の多い不動態薄膜となるためと考えられる。そのため、本発明では、上記の表面処理の分野で一般に行われている前処理に加えて、金属表面に生成した非晶質の変質層(ベイルビー層)を#1000程度の研磨剤を用いて、緩やかに研磨して除去するとともに、突起部を除いてRa:0.2μm以下、Rz:1.0μm以下の鏡面とする。次いで、その表面に化学的および電気化学的手法によって金属部材部分の表面に酸化物を主成分とする金属の不動態薄膜を形成する。このことにより、部材表面には、不動態薄膜の優れた耐食性およびアモルファス状炭素水素固形物皮膜の優れた密着力によって、腐食成分による金属部材部分の侵食を抑制すると共に、非金属部材周辺におけるアモルファス状炭素水素固形物皮膜の性能低下を防ぐことができるところに大きな特徴がある。
また、本発明で対象としている金属部材は、不動態薄膜の生成が可能な炭素鋼、含Cr鋼、各種ステンレス鋼(たとえばJIS G4304、G4305)、Al、Tiおよびこれらの合金(たとえばJIS H4600規定のチタンおよびチタン合金)などである。
ただし、NiおよびCr、Moを含まないNi合金、CuおよびCr、Moを含まないCu合金は、その表面に不動態薄膜を生成させることができるものの、アモルファス状炭素水素固形物皮膜との結合が弱いため好適材料とは言えない。しかし、これらの金属材料であっても、その表面にCrめっき膜等を被覆したものは、アモルファス状炭素水素固形物皮膜と良好な結合力を発揮させることができる。
また、本発明において非金属部材とは、下記のような物質を指すものである。
(1)ゴム類:天然ゴム、合成ゴム(ブタジエンゴム、プチルゴム、ニトリルゴム、クロロブレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなど)
(2)プラスチック類:熱可塑性プラスチック(メタクリル、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリスチレン、ボリカーボネイト)
(3)セラミック類:酸化物(TiOAlCrAl・MgOなど)
窒化物(TiN、VN、NbN、AlN、CrN、Siなど)
ほう化物(TiB、ZrB、HfB、W、NbB、CrBなど)
けい化物(TiSi、MoSi、ZrSi、SrSiなど)
炭化物(TiC、VC、TaC、WC、NbC、ZrC、Cr
なお、セラミック類は、焼結体、PVD法、CVD法、溶射法などによって生産された部品や皮膜であってもよい。
本発明において、金属部材表面に形成する金属の不動態薄膜は、1μm未満の薄膜であっても、それ自体が耐食性を有するためアモルファス状炭素水素固形物皮膜中の気孔から侵入した腐食性成分による金属部材の腐食を防ぐことができると共に、金属部材はもとよりアモルファス状炭素水素固形物皮膜との密着力に優れるため、金属部材に変形や曲げを与えても剥離することがない。そのため、金属部材に非金属部材であるゴムやプラスチック部品等を取り付けた被処理体全面に、一度にアモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成しても、従来技術によって成膜したアモルファス状炭素水素固形物皮膜のような耐食性の低い被覆部が発生することがない。
また、本発明においては、アモルファス状炭素水素固形物皮膜の厚さは1〜10μmの範囲であることが好ましい。本発明に係る炭素含有量72〜88原子%、水素含有量12〜28原子%のアモルファス状炭素水素固形物皮膜は、内部応力値が小さいため、最高膜厚80μmまで形成することができるが、本発明では、膜厚が10μmを超えると、曲げ加工した際に、皮膜にクラックが発生しやすく、その部分から腐食が生しやすくなり、一方、膜厚が1μmより薄い場合は、腐食性の強い環境では十分な効果は得られないためである。
また、アモルファス状炭素水素固形物皮膜の炭素含有量は、72〜88原子%、水素12〜28原子%とすることが好ましい。この皮膜中の炭素と水素の含有量は、反応容器1内に導入される有機系ガスの種類を変化させることによって制御することができる。例えば、有機系ガス成分のC/H比が大きいほど、形成されるアモルファス状炭素水素固形物皮膜中の炭素含有量は高くなるが、この場合、得られる皮膜の硬さが高く、かつ電気抵抗率が高くなるため、耐摩耗性は向上するものの、延性に乏しく内部応力が大きくなる他、多数の微小気孔も生じやすくなる。従って、アモルファス状炭素水素固形物中の炭素含有量が高い場合、耐食性に優れるものの、環境の腐食成分が微小気孔から侵入し、被処理体に達してこれを腐食させることによって、皮膜の剥離が生じやすいという問題がある。
一方、水素含有量が多い場合には、熱的および機械的な曲げ変形に対する抵抗力が大きくなり、耐食性が向上し、皮膜の剥離も起こり難くなるが、水素含有量が多くなりすぎると、炭素含有量が相対的に少なくなり、比較的軟質で耐摩耗性が低下してしまううえ、成膜が困難となる。
従って、本発明では、成膜用の有機系ガス中のC/H比を小さくして、アモルファス状炭素水素固形物皮膜中の水素含有量を多くすることにより、曲げ変形に対する抵抗力が大きくし、生成した皮膜の剥離も起こり難くする。このように、水素含有量を多くしたアモルファス状炭素水素固形物皮膜は、硬さHVが500〜2300、電気抵抗率が1012Ωcm未満の特性を示すようになり、これらの値は、一般のDLCに比較すると極めて低い物性値と言えるものである。このような理由により、アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、炭素含有量:72〜88原子%、水素含有量:12〜28原子%とした。好ましくは、炭素含有量:81〜85原子%、水素含有量:15〜19原子%がよい。
本発明において部材表面に被成する前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜の特徴についてまとめると、以下のとおりである。
a.アモルファス状炭素水素固形物皮膜の主成分は、炭素と水素から構成されている。従って、水素、各種の酸、アルカリ、有機溶剤にも冒されず、化学的に安定である。
b.炭素水素系ガスのプラズマ活性分解反応によって生成する、炭素と水素を主成分とするアモルファス状微小固体粒子(ナノオーダの超微粒子で、1×10-9m程度以下の大きさである)の集合体は、各粒子および粒子堆積層がアモルファス状態を呈しているため、欠陥のできやすい粒界というものがなく、緻密で優れた密着性を有し、剥離することがない。
c.アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、Ra:0.06μm以下、Rz:0.1μm以下の鏡面で、耐摩耗性に優れ、異物が付着しにくい。
d.アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、成膜時に有機系ガス(炭化水素ガス)中にN2やSiを共存させて、成膜後にその表面にSiを注入するなどの方法によって、親油性(疎水性)、親水性のいずれにも制御することができるため、界面特性が重要視される産業分野への展開が可能である。
e.アモルファス状炭素水素固形物皮膜の水素含有量が12〜28原子%と多いため、分解時にC、H、HOなどの気体となるものが多く、環境汚染原のパーティクルが発生しにくい。
(実施例1)
この実施例では、炭素鋼(SS400鋼)から採取した試験片(寸法:幅15mm×長さ100mm×厚さ1.8mm)の表面を、下記の各種表面加工法によって処理した後、不動態処理(前処理)を行い、さらに全面にアモルファス状炭素水素固形物皮膜(以下、DLC膜と言う。)を形成させた後、以下の方法で耐食性を調査した。
(1)試験片表面の加工方法
試験片表面の加工法として(i)グラインダー研磨、(ii)試験片切断用カッターによる加工、(iii)グラインダー加工面をパフ研磨、(iv)エメリー研磨紙(#120)による研磨、(v)エメリー研磨紙(#1000)による研磨、(vi)化学研磨法による研磨(30%HNOと25%HCl混合水溶液中に浸漬)、(vii)電解研磨法による鏡面仕上げ、を用いて試験片を加工し、その表面粗さを測定した。
(2)不動態薄膜の形成方法
3.5%HSO中にCrO3を35wt%となるように添加した水溶液を、80℃に加熱し、この中に試験片を5分間浸漬することによって、その表面に不動態薄膜を形成させた。
(3)DLC膜の厚さ
プラズマCVD法を用いて、膜厚0.5、1.0、5.0、10.0、15.0μmのDLC膜を形成させた。なお、それぞれの膜厚には±3%程度のばらつきがあった。
(4)腐食試験法
DLC膜を形成した試験片を、塩水噴霧試験方法(JIS Z2371規定)に従い、24時間の噴霧試験を行い、赤錆の発生状況等を観察することによって、DLC膜の耐食性を評価した。
(5)試験結果
試験結果を表2に示した。この結果から、DLC膜の耐食性は、部材表面の加工法に起因する表面粗さの影響を受けやすく、表面粗さの大きい試験片上に形成されたDLC膜(No.1〜4)は、耐食性に乏しいことがわかった。なお、DLC膜の膜厚が15.0μmである試験片には、赤錆の発生は認められなかった。また、これらの表面粗さの大きい試験片No.1およびNo.2の表面には、機械加工に起因する変質層の存在が確認され、試験片No.3およびNo.4の表面では、表面加工時に生成したベイルビー層の存在が確認された。
これに対し、微粉の研削粒子を塗布したエメリー研磨(No.5)および化学研磨(No.6)、電解研磨(No.7)によって、表面をRa:0.2μm未満、Rz:1μm未満のとした試験片上に形成したDLC膜では、膜厚が1.0〜15.0μmの場合には、赤錆の発生はなく、良好な耐食性を示したが、膜厚が0.5μmの場合には、No.5〜7の試験片のいずれも、わずかながら赤錆の発生が見られた。この結果から、膜厚が0.5μm程度のDLC膜では、微小な欠陥が残存して、基材を完全に保護できないことがうかがえる。
Figure 2008231520
(実施例2)
この実施例では、実施例1において比較的良好な耐食性を発揮した試験片、すなわちNo.5のエメリー研磨(#1000)を緩やかに行ってベイルビー層を除去した試験片、およびNo.7の電解研磨による金属部材表面の溶解と不動態処理した試験片に対して、DLC膜を形成した後、試験片を90°に折り曲げ、その曲げ部におけるDLC膜の耐食性を塩水噴霧試験方法により評価した。
表3は、評価結果を要約したものである。実施例1(表1)の試験片において、DLC膜の膜厚が15.0μmの場合には、いずれも赤錆の発生が認められなかったが、エメリー研磨#1000の加工処理において、DLC膜の膜厚が15.0μm(No.3)の場合に90°の曲げ加工を行うと、曲げ部からの多量の赤さびの発生が観察された。
この原因は、曲げ加工によってDLC膜に何らかのクラックが発生し、この部分から内部に侵入した塩水によって、SS400鋼が腐食したものと思われる。ただし、DLC膜の膜厚が1μm〜10μmの範囲であれば、同条件で曲げ加工を行っても、曲げ部からの赤さびの発生は観察されず、期待するような耐食性を発揮することが確認された。
Figure 2008231520
(実施例3)
この実施例では、SUS304鋼試験片(寸法:幅15mm×長さ100mm×厚さ1.2mm)の全面に、次に示すようにしてDLC膜を形成した。
(1)前処理法:硫酸(60%)、リン酸(70%)の混合水溶液にCrOを25g/Lの割合で添加した電解質中で、試験片を陽極として85℃の条件で電解研磨を行うことにより、試験片の表面を電気化学的に研磨・平滑化(Ra:0.09μm、Rz:0.98μm)するとともに、不動態薄膜を生成させた。試験片を陽極として電解研磨を行うと、試験片表面が、酸素ガスを多量に発生しながら溶解する。このため、電解中や電解後に試験片を引き上げる際、電解液と接触した試験片表面は、電解液中のCrO3硫酸によって酸化され、不動態薄膜が生成されることになる。
(2)DLC膜の厚さ:プラズマCVD法を用いて、膜厚0.5、1.0、5.0、10.0、15.0μmのDLC膜を形成させた。
(3)試験片の曲げ加工:DLC膜を形成した試験片を、90°に曲げ加工し、外側に曲げられたDLC膜について評価した。
(4)腐食試験方法と条件:この実施例では、耐食合金製のオートクレーブ中にDLC膜試験片をセットした後、Fガスを150℃の状態で分圧が200hPaとなるように導入し、100hの腐食試験をおこなった。
(5)腐食試験結果
腐食試験結果を表4に示した。この結果から明らかなように、前処理を行っていない(不動態薄膜を形成していない)DLC膜試験片(No.3、4)では、曲げ加工を行わない場合には、膜厚が5.0μm以上あれば、赤さびの発生はわずかしか観察されなかったが、試験片に曲げ加工を行うと、DLC膜の膜厚に関係なく、全ての試験片に赤さびが発生するとともに、DLC膜そのものが試験片から完全に剥離しているのが観察された。
これに対し、前処理(不動態薄膜処理)を施したDLC膜付試験片(No.1、2)では、曲げ加工しない場合、DLC膜厚が1.0μm以上であれば赤さびの発生は認められず、また曲げ加工をしても、赤さびの発生は僅かであることが分かった。
これらの結果から、SUS304鋼部材の表面を、前処理として電解研磨により鏡面にするとともに、不動態薄膜を形成させることにより、DLC膜に多少の気孔や、曲げ加工によるクラックが発生したとしても、DLC膜の防食作用を補い得ることが伺えた。
Figure 2008231520

(実施例4)
この実施例では、SS400鋼板(寸法:幅35mm×長さ90mm×厚さ1.8mm)にゴム(寸法10×10×8mm)、プラスチック(寸法:10×10×8mmのエポキシ樹脂)およびAl焼結体(寸法10×10×8mm)を、それぞれ有機質接着剤で取り付けた試験片を作成し、プラズマCVD法によって鋼板表面に10μm厚のDLC膜を形成させた。なお、試験片表面には、DLC膜の形成に先立ち、実施例1の前処理法と同じ方法で不動態薄膜を形成した。
その後、この試験片を塩水噴霧試験(JIS Z2371規定)に10h連続して行い、その際のSS400鋼板の外観変化を調査した。なお比較例として、前処理を行わない試験片を用いた。
図3は、本実施例に用いた試験片の概要を示したものである。図3(a)は試験片の断面図、また図3(b)は試験片を上から見た状態を示すものである。ここで31はSS400鋼板、32は合成ゴム、33はプラスチック、34はAl焼結体を示す。各試験片を塩水噴霧試験した結果について、比較例の試験片を図3(c)に、本発明の適合例の試験片を図3(d)に示した。ここで35は赤さびの発生領域を示す。
図3(c)の比較例の試験片では、非金属部材であるゴム、プラスチック、Al焼結体との接触部周辺に赤さびが発生し、非金属部材と離れた場所には、赤錆の発生は見られず、健全な状態を維持していた。この結果より、非金属部材が存在するとその周辺部に形成されるDLC膜の性能が劣化することが判明した。
これに対し、図3(d)のSS400の表面に、あらかじめ不動態薄膜を形成した適合例の試験片においては、非金属部材周辺においても赤さびが発生することが無く、不動態薄膜がDLC膜の耐食性劣化を補っていることが判明した。
(実施例5)
この実施例では、SUS304鋼板(寸法:幅35mm×長さ90mm×厚さ1.2mm)に実施例4と同じ要領で、合成ゴム、プラスチックおよびAl焼結体を取り付けた試験片を作成し、試験片上にプラズマCVD法によってDLC膜を10μm厚に形成させた。なお、試験片は、SUS304鋼板に対して、実施例2のNo.7およびNo.8と同じ条件で電解研磨法を適用して表面を研磨した後、不動態薄膜を生成させたものと、比較例として不動態薄膜を形成しないものを準備し、耐食合金製のオートクレーブ中に本発明および比較例のDLC膜試験片をセットした後、F2ガスを150℃の状態で分圧が200hPaとなるように導入し、100hの腐食試験をおこなった。
その結果を図4に示す。図4(b)の比較例の試験片(不動態薄膜なし)では、非金属部材の取付け部の周辺にFガスの腐食作用によって、点食状の赤さびが発生するのが確認されたのに対し、図4(a)の本発明の前処理を施した試験片においては、赤さびの発生は認められず、不動態薄膜による耐食性の維持効果が認められた。なお、図4における41はSUS304鋼板、42は合成ゴム、43はプラスチック、44はAl焼結体、45は点食状に発生した赤さびである。
(実施例6)
この実施例では、SUS304鋼板(寸法:幅35mm×長さ90mm×厚さ1.2mm)の試験片を用いて、その試験片上に非金属部材として、ガラス板、溶射皮膜(99%Al、98%Al)を、実施例4と同じ要領でそれぞれ配設した。なお、試験片は、SUS304鋼板に対して、実施例2と同じ条件で電解研磨法を適用して表面を研磨すると共に、不動態薄膜を生成させたものと、比較例として不動態薄膜を形成しないものを準備し、その後、SUS304鋼板全面にDLC膜を被覆し、F2ガスによる腐食試験を実施した。
試験結果を図5に示す。DLC膜の被覆に先駆けて不動態薄膜を生成させた試験片には、赤さびの発生は認められなかった(図5(a))が、比較例の試験片(不動態薄膜なし)(図5(b))では、ガラス板や溶射皮膜の周辺部点状の赤さびが発生し、非金属部材の存在が金属部材上に形成されるDLC膜の耐食性に影響を与えていることが確認された。なお、図5における51はSUS304鋼板、52はガラス板、53は99%Al溶射皮膜、54は98%Al溶射皮膜、55は点食状に発生した赤さびである。
(実施例7)
この実施例では、アルミニウム合金(JIS H4000規定の2024合金)の試験片(寸法:幅10mm×長さ60mm×厚さ1.2mm)を作成した後、次に示すようにしてDLC膜を形成させた。
(1)前処理方法:10%NaCrOにNaOHを5g/lの割合で添加した水溶液中に50℃の条件で20分間浸漬させた。試験片の表面粗さは、Ra:0.08〜0.14μm、Rz:0.95〜0.98μmであった。その後、図6に示すように、アルミ合金試験片61の片面にガラス板62とAl溶射皮膜63を配設した。
(2)DLC膜の厚さ:プラズマCVD法を用い膜厚0.5、1.0、5.0、10.0のDLC膜を形成させた。
(3)試験片の曲げ加工:DLC膜を形成した試験片の中央を基点として90°に曲げ加工を行った。
(4)腐食試験法と条件:500ppmのF2ガスを含む雰囲気中で150℃×50hの腐食試験を行った。
(5)試験結果
2ガスによる腐食試験結果を表5に示した。この結果から明らかなように、比較例のDLC膜形成試験片(No.9〜16)では、曲げ加工の有無を問わず、またDLC膜の膜厚が0.5〜10.0μmの場合すべてに、何らかの腐食が生じ、DLC膜の剥離が観察された。特に、曲げ加工を与えた試験片(No.9、11、13、15)では、50hの腐食試験によって全てのDLC膜が完全に剥離した。
これに対し、前処理を施した試験片(No.1〜8)では、DLC膜が薄い場合(No.1、2)に効果が無いものの、膜厚が1.0μm以上あれば、曲げ加工を行ってもDLC膜の剥離は認められず、良好な耐食性を発揮した。
なお、金属部材としてAl合金基材を用いたものは、F2ガスに曝してもSUS304鋼を基材として用いたもののような赤さびは発生せず、外観から基材の腐食発生を確認することは困難であった。DLC膜の剥離は、DLC膜の気孔から侵入したF2ガスによって基材のAl合金が腐食された結果、DLC膜との結合力がなくなったことによるものと考えられる。
Figure 2008231520
(実施例8)
この実施例では、チタン合金(JIS H4600規定の60種)の試験片(寸法:幅10mm×長さ60mm×厚さ0.9mm)を作成した後、次に示すようにして前処理とDLCを形成させた。
(1)前処理方法:25%HNOにCrOを5%になるように添加した。水溶液中で45℃、30分間浸漬させた。試験片の表面粗さは、Ra:0.08〜0.14μm、Rz:0.96〜0.98μmであった。
(2)DLC膜の厚さ:プラズマCVD法を用いて、膜厚0.5、1.0、5.0、10.0μmのDLC膜を試験片の全面に被覆した。なお、DLC膜の形成に先駆けて、試験片上にガラス板、Al23溶射皮膜を実施例7(図6)と同じ要領で配設した。
(3)試験片の曲げ加工:DLC膜を形成した試験片の金属部を基点として90°に曲げ加工を行った。
(4)腐食試験条件:100℃のFガス中で50hの腐食試験を行った。
(5)試験結果:HFガスによる腐食試験結果を表6に示した。この試験結果から明らかなように、比較例のDLC膜形成試験片(No.9〜16)では、曲げ加工の有無を問わず、またDLC膜の膜厚が0.5〜10.0μmの場合すべてに何らかの腐食が発生し、DLC膜の剥離が観察された。とくに、曲げ加工を与えた試験片(No.9、11、13、15)のDLC膜は、完全に剥離していた。これに対し、前処理を施した試験片(No.1〜8)では、DLC膜が薄い場合(No.1、2)に効果はないものの、膜厚が1.0μm以上あれば曲げ加工を行ってもDLC膜の剥離は認められず、良好な耐食性を発揮した。
Figure 2008231520
本発明の技術は、デポシールド、バッフルプレート、フォーカスリング、インシュレータリング、シールドリング、ベローズカバー、電極などの半導体加工装置用部材として用いられる。その他、本発明は、Si薄膜やSi薄膜の加工品などの搬送用部材の表面処理としても好適である。また、液晶デバイスなどのプラズマ処理容器内部材、部品に対しても適用が可能である。さらに、本発明は、鏡面研磨した溶射皮膜製品への用途、具体的には印刷用ロール、フィルム用ロール、感光紙用ロールおよびその付属部材などへの表面被覆技術としても有効である。
プラズマCVD処理装置の略線図ある。 T形試験片に、アモルファス状炭素水素固形物膜を形成した例を示す略線図である。 SS400鋼板基材上に非金属部材を配設した試験片であり、(a)試験片断面図、(b)腐食試験前の試験片の平面図、(c)腐食試験後の比較試験片の平面図、(d)腐食試験後の適合試験片の平面図である。 SUS304鋼板基材上に非金属部材を配設した試験片の、Fガスによる腐食試験後の平面図であり、(a)不動態薄膜有り、(b)不動態薄膜無し、試験片を示す。 SUS304鋼板基材上に非金属部材を配設した試験片の、Fガスによる腐食試験後の平面図であり、(a)不動態薄膜有り、(b)不動態薄膜無し、試験片を示す。 アルミニウム2024合金板基材上に非金属部材を配設した試験片の平面図を示す。
符号の説明
1 反応容器
2 被処理体
3 導体
4 高圧パルス発生装置
5 プラズマ発生装置
6 重畳装置
7a、7b バルブ
8 接地
9 高電圧導入部
21 鋼製基材
22 成膜表面
23 アモルファス状炭素水素固形物
31 SS400鋼板
32、42 合成ゴム
33、43 プラスチック
34、44 Al焼結体
35 赤さび発生領域
41、51 SUS304鋼板
45、55 赤さび
52、62 ガラス板
53、54、63 Al溶射皮膜
61 アルミ2024合金

Claims (16)

  1. 少なくとも表面に金属部材と非金属部材とが混在した状態の被処理体に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を被覆してなる部材であって、この部材の金属部材部分は、その表面が、変質層が除去されると共に、Ra:0.2μm、Rz:1.0μm以下の表面粗さに仕上げられ、かつこの部分には、前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜下に部材金属の不動態薄膜が形成されていることを特徴とするアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
  2. 前記不動態薄膜は、酸またはアルカリ浸漬法、化学研磨法および電解研磨法のうちから選ばれるいずれか1種類以上の方法によって形成された酸化物を主成分とする厚さ1μm未満の薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
  3. 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、不動態薄膜が被覆された被処理体を保持した反応容器内に、炭化水素系ガスを導入すると同時に、その被処理体に対し高周波電力と高電圧パルスとを重畳印加して導入炭化水素系ガスのプラズマを発生させると同時に、該被処理体を負の電位にすることによって、気相析出させたアモルファス状炭素水素固形物を、前記不動態薄膜表面に吸着・成長させることにより形成したものであることを特徴とする請求項1または2に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
  4. 前記金属部材は、炭素鋼、ステンレス鋼、AlおよびTiのうちから選ばれるいずれか1種の電気伝導性を有する金属・合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
  5. 前記非金属部材は、ゴム、プラスチック、セラミックス焼結体、ガラスおよびセラミック溶射皮膜のうちから選ばれるいずれか1種以上の非電気伝導性の部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
  6. 前記アモファス状炭素水素固形物皮膜は、炭素含有量72〜88原子%、水素含有量12〜28原子%のナノオーダの固体粒子からなり、1.0〜10μmの範囲の厚さを有する層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
  7. 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、表面粗さがRa:0.06μm以下、Rz:0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
  8. 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、硬さHv:500〜2300、電気抵抗率が1012Ωcm未満の特性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
  9. 少なくとも表面に金属部材と非金属部材とが混在した状態の被処理体に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を被成する際に、その固形物皮膜の形成するのに先立ち、
    前記被処理体表面の金属部材部分の表面から変質層を除去し、かつその表面の粗度をRa:0.2μm以下、Rz:1.0μm以下の鏡面とし、その後、該金属部材の表面に酸化物を主成分とする部材金属の不動態薄膜を形成することからなる前処理を、
    行うことを特徴とするアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
  10. 前記不動態薄膜は、酸またはアルカリ浸漬法、化学研磨法および電解研磨法のうちから選ばれるいずれか1種類以上の方法によって形成された、酸化物を主成分とする厚さ1μm未満の薄膜であることを特徴とする請求項9に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
  11. 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、不動態薄膜が被覆された被処理体を保持した反応容器内に、炭化水素系ガスを導入すると同時に、その被処理体に対し高周波電力と高電圧パルスとを重畳印加して導入炭化水素系ガスのプラズマを発生させると同時に、該被処理体を負の電位にすることによって、気相析出させたアモルファス状炭素水素固形物を、前記不動態薄膜表面に吸着・成長させることにより形成したものであることを特徴とする請求項9または10に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
  12. 前記金属部材は、炭素鋼、ステンレス鋼、AlおよびTiのうちから選ばれるいずれか1種の電気伝導性を有する金属・合金であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
  13. 前記非金属部材は、ゴム、プラスチック、セラミックス焼結体、ガラスおよびセラミック溶射皮膜のうちから選ばれるいずれか1種以上の非電気伝導性の部材であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
  14. 前記アモファス状炭素水素固形物皮膜は、炭素含有量72〜88原子%、水素含有量12〜28原子%のナノオーダの固体粒子からなり、1.0〜10μmの範囲の厚さを有する層であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
  15. 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、表面粗さがRa:0.06μm以下、Rz:0.1μm以下であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
  16. 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、硬さHv:500〜2300、電気抵抗率が1012Ωcm未満の特性を有することを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
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