JP2008231520A - アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents
アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008231520A JP2008231520A JP2007073919A JP2007073919A JP2008231520A JP 2008231520 A JP2008231520 A JP 2008231520A JP 2007073919 A JP2007073919 A JP 2007073919A JP 2007073919 A JP2007073919 A JP 2007073919A JP 2008231520 A JP2008231520 A JP 2008231520A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amorphous carbon
- film
- carbon hydrogen
- solid film
- hydrogen solid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
【解決手段】少なくとも表面に金属部材と非金属部材とが混在した状態の被処理体に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を被覆してなる部材であって、この部材の金属部材部分は、その表面が、変質層が除去されると共に、Ra:0.2μm、Rz:1.0μm以下の表面粗さに仕上げられ、かつこの部分には、前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜下に部材金属の不動態薄膜が形成されていること。
【選択図】なし
Description
すなわち、前記金属の不動態薄膜は、酸またはアルカリ浸漬法、化学研磨法および電解研磨法のうちから選ばれるいずれか1種類以上の方法によって形成された酸化物を主成分とする厚さ1μm未満の薄膜であること、前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、金属の不動態薄膜が被覆された被処理体を保持した反応容器内に、炭化水素系ガスを導入すると同時に、その被処理体に対し高周波電力と高電圧パルスとを重畳印加して導入炭化水素系ガスのプラズマを発生させると同時に、該被処理体を負の電位にすることによって、気相析出させたアモルファス状炭素水素固形物を、前記金属の不動態薄膜表面に吸着・成長させることにより形成したものであること、前記金属部材は、炭素鋼、ステンレス鋼、AlおよびTiのうちから選ばれるいずれか1種の電気伝導性を有する金属・合金であること、前記非金属部材は、ゴム、プラスチック、セラミックス焼結体、ガラスおよびセラミック溶射皮膜のうちから選ばれるいずれか1種以上の非電気伝導性の部材であること、前記アモファス状炭素水素固形物皮膜は、炭素含有量72〜88原子%、水素含有量12〜28原子%のナノオーダの固体粒子からなり、1.0〜10μmの範囲の厚さを有する層であること、前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、表面粗さがRa:0.06μm以下、Rz:0.1μm以下であること、および前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、硬さHv:500〜2300、電気抵抗率が1012Ωcm未満の特性を有することが好ましい。
また、本発明によれば、被処理体の一部に非電気伝導性部材が存在することに起因して生じるアモルファス状炭素水素固形物皮膜の性能低下を防ぐことができるので、プラズマCVD法の特徴、すなわち、形状の複雑な被処理体への均等かつ均質な固形物皮膜の形成が可能で、アモルファス状炭素水素固形物皮膜の新しい工業分野への利用拡大が期待できる。
さらに、本発明を採用することにより、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を形成する時間の短縮等、生産性の向上や生産コストの低減を図ることができる。
(a)導入された炭化水素ガスのイオン化(ラジカルと呼ばれる中性な粒子も存在する)が起こり、
(b)炭化水素ガスから変化したイオンおよびラジカルは、負の電圧が印加された被処理体2の表面に衝撃的に衝突し、
(c)衝突時のエネルギーによって、結合エネルギーの小さいC−H間が切断され、その後、活性化されたCとHとが重合反応を繰り返して高分子化し、炭素と水素を主成分とするアモルファス状の炭素水素固形物が気相析出し、
(d)そして、上記(c)の反応が、被処理体2上で起こると、被処理体2表面に、アモルファス状炭素水素固形物の堆積層からなる皮膜が形成されることになる。
(a)イオン注入を重点的に行う場合:10〜40kV
(b)イオン注入と皮膜形成の両方を行う場合:5〜20kV
(c)皮膜形成のみを行う場合:数百V〜数kV
(d)スパッタリングなどで重点的に行う場合:数百V〜数kV
パルス幅:1μsec〜10msec
パルス数:1〜複数回のパルスを繰り返すことも可能である。
また、プラズマ発生用電源5の高周波電力の出力周波数は、数十kHzから数GHzの範囲で変化させることができる。
(イ)常温(18℃)で気相状態のもの
CH4、CH2CH2、C2H2、CH3CH2CH3、CH3CH2CH2CH3
(ロ)常温で液層状態のもの
C6H5CH3、C6H5CH2CH、C6H4(CH3)2、CH3(CH2)4CH3、C6H12、C6H5Cl
(ハ)有機Si化合物(液相)
(C2H5O)4Si、(CH3O)4Si、[(CH3)4Si]2O
(1)被処理体の金属部材部分の表面に主として機械加工によって生成する変質層(ベイルビー層)を除去し、その表面をRa:0.2μm以下、Rz:1.0μm以下の鏡面とする。
(2)その後、上記鏡面に対して、化学的または電気化学的処理によって金属の酸化物を主成分とする薄膜(金属の不動態薄膜)を予め形成する。
この金属の不動態薄膜の具体的な形成方法は、
(I)化学的処理としては、金属部材の部分を、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、重クロム酸などを含む酸化性の水溶液中に浸漬して、金属部材成分のCrやNi、Ti、Mo、Al、Siなどの各種酸化物(複合酸化物、水和物などを含む)を生成させる。
(II)電気化学的処理としては、金属部材の部分を硫酸、リン酸、クロム酸、過塩素酸などの水溶液中で該金属部材を陽極として電解し、その表面を微視的に溶解しつつ、金属部材成分のCrやNi、Ti、Mo、Al、Siなどの各種酸化物(複合酸化物、水和物などを含む)からなる不動態薄膜を生成させることによる。
(1)ゴム類:天然ゴム、合成ゴム(ブタジエンゴム、プチルゴム、ニトリルゴム、クロロブレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなど)
(2)プラスチック類:熱可塑性プラスチック(メタクリル、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリスチレン、ボリカーボネイト)
(3)セラミック類:酸化物(TiO2Al2O3Y2O3Cr2O3Al2O3・MgOなど)
窒化物(TiN、VN、NbN、AlN、CrN、Si3N4など)
ほう化物(TiB2、ZrB2、HfB2、W2B5、NbB2、CrB2など)
けい化物(TiSi、MoSi、ZrSi、SrSiなど)
炭化物(TiC、VC、TaC、WC、NbC、ZrC、Cr3C2)
a.アモルファス状炭素水素固形物皮膜の主成分は、炭素と水素から構成されている。従って、水素、各種の酸、アルカリ、有機溶剤にも冒されず、化学的に安定である。
b.炭素水素系ガスのプラズマ活性分解反応によって生成する、炭素と水素を主成分とするアモルファス状微小固体粒子(ナノオーダの超微粒子で、1×10-9m程度以下の大きさである)の集合体は、各粒子および粒子堆積層がアモルファス状態を呈しているため、欠陥のできやすい粒界というものがなく、緻密で優れた密着性を有し、剥離することがない。
c.アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、Ra:0.06μm以下、Rz:0.1μm以下の鏡面で、耐摩耗性に優れ、異物が付着しにくい。
d.アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、成膜時に有機系ガス(炭化水素ガス)中にN2やSiを共存させて、成膜後にその表面にSiを注入するなどの方法によって、親油性(疎水性)、親水性のいずれにも制御することができるため、界面特性が重要視される産業分野への展開が可能である。
e.アモルファス状炭素水素固形物皮膜の水素含有量が12〜28原子%と多いため、分解時にCmHn、H2、H2Oなどの気体となるものが多く、環境汚染原のパーティクルが発生しにくい。
この実施例では、炭素鋼(SS400鋼)から採取した試験片(寸法:幅15mm×長さ100mm×厚さ1.8mm)の表面を、下記の各種表面加工法によって処理した後、不動態処理(前処理)を行い、さらに全面にアモルファス状炭素水素固形物皮膜(以下、DLC膜と言う。)を形成させた後、以下の方法で耐食性を調査した。
(1)試験片表面の加工方法
試験片表面の加工法として(i)グラインダー研磨、(ii)試験片切断用カッターによる加工、(iii)グラインダー加工面をパフ研磨、(iv)エメリー研磨紙(#120)による研磨、(v)エメリー研磨紙(#1000)による研磨、(vi)化学研磨法による研磨(30%HNO3と25%HCl混合水溶液中に浸漬)、(vii)電解研磨法による鏡面仕上げ、を用いて試験片を加工し、その表面粗さを測定した。
(2)不動態薄膜の形成方法
3.5%H2SO4中にCrO3を35wt%となるように添加した水溶液を、80℃に加熱し、この中に試験片を5分間浸漬することによって、その表面に不動態薄膜を形成させた。
(3)DLC膜の厚さ
プラズマCVD法を用いて、膜厚0.5、1.0、5.0、10.0、15.0μmのDLC膜を形成させた。なお、それぞれの膜厚には±3%程度のばらつきがあった。
(4)腐食試験法
DLC膜を形成した試験片を、塩水噴霧試験方法(JIS Z2371規定)に従い、24時間の噴霧試験を行い、赤錆の発生状況等を観察することによって、DLC膜の耐食性を評価した。
(5)試験結果
試験結果を表2に示した。この結果から、DLC膜の耐食性は、部材表面の加工法に起因する表面粗さの影響を受けやすく、表面粗さの大きい試験片上に形成されたDLC膜(No.1〜4)は、耐食性に乏しいことがわかった。なお、DLC膜の膜厚が15.0μmである試験片には、赤錆の発生は認められなかった。また、これらの表面粗さの大きい試験片No.1およびNo.2の表面には、機械加工に起因する変質層の存在が確認され、試験片No.3およびNo.4の表面では、表面加工時に生成したベイルビー層の存在が確認された。
この実施例では、実施例1において比較的良好な耐食性を発揮した試験片、すなわちNo.5のエメリー研磨(#1000)を緩やかに行ってベイルビー層を除去した試験片、およびNo.7の電解研磨による金属部材表面の溶解と不動態処理した試験片に対して、DLC膜を形成した後、試験片を90°に折り曲げ、その曲げ部におけるDLC膜の耐食性を塩水噴霧試験方法により評価した。
この実施例では、SUS304鋼試験片(寸法:幅15mm×長さ100mm×厚さ1.2mm)の全面に、次に示すようにしてDLC膜を形成した。
(1)前処理法:硫酸(60%)、リン酸(70%)の混合水溶液にCrO3を25g/Lの割合で添加した電解質中で、試験片を陽極として85℃の条件で電解研磨を行うことにより、試験片の表面を電気化学的に研磨・平滑化(Ra:0.09μm、Rz:0.98μm)するとともに、不動態薄膜を生成させた。試験片を陽極として電解研磨を行うと、試験片表面が、酸素ガスを多量に発生しながら溶解する。このため、電解中や電解後に試験片を引き上げる際、電解液と接触した試験片表面は、電解液中のCrO3硫酸によって酸化され、不動態薄膜が生成されることになる。
(2)DLC膜の厚さ:プラズマCVD法を用いて、膜厚0.5、1.0、5.0、10.0、15.0μmのDLC膜を形成させた。
(3)試験片の曲げ加工:DLC膜を形成した試験片を、90°に曲げ加工し、外側に曲げられたDLC膜について評価した。
(4)腐食試験方法と条件:この実施例では、耐食合金製のオートクレーブ中にDLC膜試験片をセットした後、Fガスを150℃の状態で分圧が200hPaとなるように導入し、100hの腐食試験をおこなった。
(5)腐食試験結果
腐食試験結果を表4に示した。この結果から明らかなように、前処理を行っていない(不動態薄膜を形成していない)DLC膜試験片(No.3、4)では、曲げ加工を行わない場合には、膜厚が5.0μm以上あれば、赤さびの発生はわずかしか観察されなかったが、試験片に曲げ加工を行うと、DLC膜の膜厚に関係なく、全ての試験片に赤さびが発生するとともに、DLC膜そのものが試験片から完全に剥離しているのが観察された。
これらの結果から、SUS304鋼部材の表面を、前処理として電解研磨により鏡面にするとともに、不動態薄膜を形成させることにより、DLC膜に多少の気孔や、曲げ加工によるクラックが発生したとしても、DLC膜の防食作用を補い得ることが伺えた。
この実施例では、SS400鋼板(寸法:幅35mm×長さ90mm×厚さ1.8mm)にゴム(寸法10×10×8mm)、プラスチック(寸法:10×10×8mmのエポキシ樹脂)およびAl2O3焼結体(寸法10×10×8mm)を、それぞれ有機質接着剤で取り付けた試験片を作成し、プラズマCVD法によって鋼板表面に10μm厚のDLC膜を形成させた。なお、試験片表面には、DLC膜の形成に先立ち、実施例1の前処理法と同じ方法で不動態薄膜を形成した。
この実施例では、SUS304鋼板(寸法:幅35mm×長さ90mm×厚さ1.2mm)に実施例4と同じ要領で、合成ゴム、プラスチックおよびAl2O3焼結体を取り付けた試験片を作成し、試験片上にプラズマCVD法によってDLC膜を10μm厚に形成させた。なお、試験片は、SUS304鋼板に対して、実施例2のNo.7およびNo.8と同じ条件で電解研磨法を適用して表面を研磨した後、不動態薄膜を生成させたものと、比較例として不動態薄膜を形成しないものを準備し、耐食合金製のオートクレーブ中に本発明および比較例のDLC膜試験片をセットした後、F2ガスを150℃の状態で分圧が200hPaとなるように導入し、100hの腐食試験をおこなった。
この実施例では、SUS304鋼板(寸法:幅35mm×長さ90mm×厚さ1.2mm)の試験片を用いて、その試験片上に非金属部材として、ガラス板、溶射皮膜(99%Al2O3、98%Al2O3)を、実施例4と同じ要領でそれぞれ配設した。なお、試験片は、SUS304鋼板に対して、実施例2と同じ条件で電解研磨法を適用して表面を研磨すると共に、不動態薄膜を生成させたものと、比較例として不動態薄膜を形成しないものを準備し、その後、SUS304鋼板全面にDLC膜を被覆し、F2ガスによる腐食試験を実施した。
この実施例では、アルミニウム合金(JIS H4000規定の2024合金)の試験片(寸法:幅10mm×長さ60mm×厚さ1.2mm)を作成した後、次に示すようにしてDLC膜を形成させた。
(1)前処理方法:10%NaCrO4にNaOHを5g/lの割合で添加した水溶液中に50℃の条件で20分間浸漬させた。試験片の表面粗さは、Ra:0.08〜0.14μm、Rz:0.95〜0.98μmであった。その後、図6に示すように、アルミ合金試験片61の片面にガラス板62とAl2O3溶射皮膜63を配設した。
(2)DLC膜の厚さ:プラズマCVD法を用い膜厚0.5、1.0、5.0、10.0のDLC膜を形成させた。
(3)試験片の曲げ加工:DLC膜を形成した試験片の中央を基点として90°に曲げ加工を行った。
(4)腐食試験法と条件:500ppmのF2ガスを含む雰囲気中で150℃×50hの腐食試験を行った。
(5)試験結果
F2ガスによる腐食試験結果を表5に示した。この結果から明らかなように、比較例のDLC膜形成試験片(No.9〜16)では、曲げ加工の有無を問わず、またDLC膜の膜厚が0.5〜10.0μmの場合すべてに、何らかの腐食が生じ、DLC膜の剥離が観察された。特に、曲げ加工を与えた試験片(No.9、11、13、15)では、50hの腐食試験によって全てのDLC膜が完全に剥離した。
この実施例では、チタン合金(JIS H4600規定の60種)の試験片(寸法:幅10mm×長さ60mm×厚さ0.9mm)を作成した後、次に示すようにして前処理とDLCを形成させた。
(1)前処理方法:25%HNO3にCrO3を5%になるように添加した。水溶液中で45℃、30分間浸漬させた。試験片の表面粗さは、Ra:0.08〜0.14μm、Rz:0.96〜0.98μmであった。
(2)DLC膜の厚さ:プラズマCVD法を用いて、膜厚0.5、1.0、5.0、10.0μmのDLC膜を試験片の全面に被覆した。なお、DLC膜の形成に先駆けて、試験片上にガラス板、Al2O3溶射皮膜を実施例7(図6)と同じ要領で配設した。
(3)試験片の曲げ加工:DLC膜を形成した試験片の金属部を基点として90°に曲げ加工を行った。
(4)腐食試験条件:100℃のF2ガス中で50hの腐食試験を行った。
(5)試験結果:HFガスによる腐食試験結果を表6に示した。この試験結果から明らかなように、比較例のDLC膜形成試験片(No.9〜16)では、曲げ加工の有無を問わず、またDLC膜の膜厚が0.5〜10.0μmの場合すべてに何らかの腐食が発生し、DLC膜の剥離が観察された。とくに、曲げ加工を与えた試験片(No.9、11、13、15)のDLC膜は、完全に剥離していた。これに対し、前処理を施した試験片(No.1〜8)では、DLC膜が薄い場合(No.1、2)に効果はないものの、膜厚が1.0μm以上あれば曲げ加工を行ってもDLC膜の剥離は認められず、良好な耐食性を発揮した。
2 被処理体
3 導体
4 高圧パルス発生装置
5 プラズマ発生装置
6 重畳装置
7a、7b バルブ
8 接地
9 高電圧導入部
21 鋼製基材
22 成膜表面
23 アモルファス状炭素水素固形物
31 SS400鋼板
32、42 合成ゴム
33、43 プラスチック
34、44 Al2O3焼結体
35 赤さび発生領域
41、51 SUS304鋼板
45、55 赤さび
52、62 ガラス板
53、54、63 Al2O3溶射皮膜
61 アルミ2024合金
Claims (16)
- 少なくとも表面に金属部材と非金属部材とが混在した状態の被処理体に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を被覆してなる部材であって、この部材の金属部材部分は、その表面が、変質層が除去されると共に、Ra:0.2μm、Rz:1.0μm以下の表面粗さに仕上げられ、かつこの部分には、前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜下に部材金属の不動態薄膜が形成されていることを特徴とするアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
- 前記不動態薄膜は、酸またはアルカリ浸漬法、化学研磨法および電解研磨法のうちから選ばれるいずれか1種類以上の方法によって形成された酸化物を主成分とする厚さ1μm未満の薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
- 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、不動態薄膜が被覆された被処理体を保持した反応容器内に、炭化水素系ガスを導入すると同時に、その被処理体に対し高周波電力と高電圧パルスとを重畳印加して導入炭化水素系ガスのプラズマを発生させると同時に、該被処理体を負の電位にすることによって、気相析出させたアモルファス状炭素水素固形物を、前記不動態薄膜表面に吸着・成長させることにより形成したものであることを特徴とする請求項1または2に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
- 前記金属部材は、炭素鋼、ステンレス鋼、AlおよびTiのうちから選ばれるいずれか1種の電気伝導性を有する金属・合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
- 前記非金属部材は、ゴム、プラスチック、セラミックス焼結体、ガラスおよびセラミック溶射皮膜のうちから選ばれるいずれか1種以上の非電気伝導性の部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
- 前記アモファス状炭素水素固形物皮膜は、炭素含有量72〜88原子%、水素含有量12〜28原子%のナノオーダの固体粒子からなり、1.0〜10μmの範囲の厚さを有する層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
- 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、表面粗さがRa:0.06μm以下、Rz:0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
- 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、硬さHv:500〜2300、電気抵抗率が1012Ωcm未満の特性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材。
- 少なくとも表面に金属部材と非金属部材とが混在した状態の被処理体に、アモルファス状炭素水素固形物皮膜を被成する際に、その固形物皮膜の形成するのに先立ち、
前記被処理体表面の金属部材部分の表面から変質層を除去し、かつその表面の粗度をRa:0.2μm以下、Rz:1.0μm以下の鏡面とし、その後、該金属部材の表面に酸化物を主成分とする部材金属の不動態薄膜を形成することからなる前処理を、
行うことを特徴とするアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。 - 前記不動態薄膜は、酸またはアルカリ浸漬法、化学研磨法および電解研磨法のうちから選ばれるいずれか1種類以上の方法によって形成された、酸化物を主成分とする厚さ1μm未満の薄膜であることを特徴とする請求項9に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、不動態薄膜が被覆された被処理体を保持した反応容器内に、炭化水素系ガスを導入すると同時に、その被処理体に対し高周波電力と高電圧パルスとを重畳印加して導入炭化水素系ガスのプラズマを発生させると同時に、該被処理体を負の電位にすることによって、気相析出させたアモルファス状炭素水素固形物を、前記不動態薄膜表面に吸着・成長させることにより形成したものであることを特徴とする請求項9または10に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記金属部材は、炭素鋼、ステンレス鋼、AlおよびTiのうちから選ばれるいずれか1種の電気伝導性を有する金属・合金であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記非金属部材は、ゴム、プラスチック、セラミックス焼結体、ガラスおよびセラミック溶射皮膜のうちから選ばれるいずれか1種以上の非電気伝導性の部材であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記アモファス状炭素水素固形物皮膜は、炭素含有量72〜88原子%、水素含有量12〜28原子%のナノオーダの固体粒子からなり、1.0〜10μmの範囲の厚さを有する層であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、表面粗さがRa:0.06μm以下、Rz:0.1μm以下であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記アモルファス状炭素水素固形物皮膜は、硬さHv:500〜2300、電気抵抗率が1012Ωcm未満の特性を有することを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載のアモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007073919A JP4599371B2 (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007073919A JP4599371B2 (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008231520A true JP2008231520A (ja) | 2008-10-02 |
JP4599371B2 JP4599371B2 (ja) | 2010-12-15 |
Family
ID=39904676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007073919A Active JP4599371B2 (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4599371B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012014507A1 (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-02 | 株式会社田中 | チタン金属製耐摩耗性部材 |
JP2015191884A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-02 | 株式会社島津製作所 | 紫外線照射装置及びこれを備えた分析装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4990959B2 (ja) * | 2009-12-14 | 2012-08-01 | トーカロ株式会社 | 厚膜dlc被覆部材およびその製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1143770A (ja) * | 1997-05-28 | 1999-02-16 | Tanaka:Kk | チタン金属へのガラス状カーボンの被覆方法 |
JP2000096233A (ja) * | 1998-06-20 | 2000-04-04 | Nissin Electric Co Ltd | 炭素膜及びその形成方法並びに炭素膜被覆物品及びその製造方法 |
-
2007
- 2007-03-22 JP JP2007073919A patent/JP4599371B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1143770A (ja) * | 1997-05-28 | 1999-02-16 | Tanaka:Kk | チタン金属へのガラス状カーボンの被覆方法 |
JP2000096233A (ja) * | 1998-06-20 | 2000-04-04 | Nissin Electric Co Ltd | 炭素膜及びその形成方法並びに炭素膜被覆物品及びその製造方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012014507A1 (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-02 | 株式会社田中 | チタン金属製耐摩耗性部材 |
JP2012031459A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Tanaka:Kk | チタン金属製耐摩耗性部材 |
US9376742B2 (en) | 2010-07-29 | 2016-06-28 | Tanaka Limited | Wear-resistant member made of titanium metal |
JP2015191884A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-02 | 株式会社島津製作所 | 紫外線照射装置及びこれを備えた分析装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4599371B2 (ja) | 2010-12-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6783863B2 (en) | Plasma processing container internal member and production method thereof | |
JP4796464B2 (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム合金部材 | |
RU2360032C1 (ru) | Способ получения износостойких сверхтвердых покрытий | |
JP4563966B2 (ja) | 半導体加工装置用部材およびその製造方法 | |
JP4327177B2 (ja) | 耐食性溶射皮膜および溶射皮膜の封孔被覆方法 | |
Gallo et al. | Electrostatically confined plasma in segmented hollow cathode geometries for surface engineering | |
JP4599371B2 (ja) | アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 | |
JP2006052435A (ja) | 半導体加工装置用部材及びその製造方法 | |
CN1029995C (zh) | 钛基基质耐用镀层沉积法及由此得到的部件 | |
JP2007327349A (ja) | 送液ポンプ用部材及びその製造方法 | |
TWI534926B (zh) | Semiconductor processing device and manufacturing method thereof | |
JP4990959B2 (ja) | 厚膜dlc被覆部材およびその製造方法 | |
JP2012004871A (ja) | 超音波ホーン | |
JP5286528B2 (ja) | 半導体加工装置用部材の製造方法 | |
JP5614873B2 (ja) | 半導体加工装置用部材およびその製造方法 | |
JP2007327350A (ja) | 真空ポンプ用部材及びその製造方法 | |
JP5727569B2 (ja) | Dlc膜被覆部材の製造方法およびdlc膜被覆部材 | |
JP6083889B2 (ja) | アモルファスカーボン膜被覆部材 | |
JP5245103B2 (ja) | 厚膜dlc被覆部材およびその製造方法 | |
JP4858507B2 (ja) | 被研磨物保持用キャリア | |
JP5082114B2 (ja) | 被研磨物保持用キャリアの製造方法 | |
JP2010070809A (ja) | 表面処理Zn系めっき鋼板の製造方法 | |
JP5205606B2 (ja) | Dlc膜被覆部材およびその製造方法 | |
JP5796861B2 (ja) | 耐食性に優れたdlc膜被覆部材およびその製造方法 | |
JP2010070808A (ja) | 表面処理冷延鋼板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090731 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100525 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100723 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100921 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100927 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4599371 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |