JP5796861B2 - 耐食性に優れたdlc膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents
耐食性に優れたdlc膜被覆部材およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5796861B2 JP5796861B2 JP2013207874A JP2013207874A JP5796861B2 JP 5796861 B2 JP5796861 B2 JP 5796861B2 JP 2013207874 A JP2013207874 A JP 2013207874A JP 2013207874 A JP2013207874 A JP 2013207874A JP 5796861 B2 JP5796861 B2 JP 5796861B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dlc film
- film
- substrate
- corrosion resistance
- dlc
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
(1)本発明では、基材の表面に、炭化水素系のガスを用いたプラズマCVD法などによって、炭素と水素とからなる微細な貫通気孔を有する厚膜(50μm程度)でアモルファス状を呈するDLC膜を対象とする。
(2)上記DLC膜としては、成膜原料の炭化水素系ガス中の炭素と水素の割合を制御することによって、炭素:87at%〜60at%、水素:13at%〜40at%の組成とすると共に、マイクロビッカース硬さ(HV)を700〜2800の範囲に収まるような比較的軟質の膜が好適である。
(3)さらに、このDLC膜は、成膜時の内部残留応力を1GPa以下にすることによって、50μmにも達するような厚膜の形成を可能とした。
(4)上記DLC膜を形成する方法としては、少なくとも表面部分については電気伝導性を有する基材に対して電気めっき法を適用する。従って、その基材として、プラスチックスやセラミックスなどの非電気伝導性の材料を基材とする場合には、その表面に予め、電気めっき法や化学めっき法、PVD法、CVD法、溶射法などによって、金属系またはサーメット系の電気伝導性の皮膜を施工する。
(5)そして、基材表面に形成した、厚膜で微細な貫通気孔を有する前記DLC膜を亜鉛めっき液中に浸漬し、基材を陰極として直流を通電することで、DLC膜の微細な貫通気孔の内部に浸入しためっき液から、亜鉛を基材の表面を起点として析出させ、この状態を維持することによって、めっき液から析出する亜鉛を成長させ、最終的には、DLC膜に存在するすべての貫通気孔を、該めっき液から析出した亜鉛を充填することによって、封孔するのである。
(1)基材の少なくとも表面層よりは電気化学的に卑で陰極防食作用を示す前記金属・合金が亜鉛およびその合金であること、
(2)前記DLC膜は、炭素:87〜60at%と水素:13〜40at%からなり、かつ厚さが1〜50μmであること、
(3)前記DLC膜は、成膜初期の残留応力が1Gpa以下のプラズマCVD法によって形成された膜であること、
(4)前記基材は、電気伝導性を有する金属材料もしくは非金属材料のいずれか、または非電気伝導性基材の上に形成された電気伝導性を有する溶射皮膜、PVD皮膜およびCVD皮膜のうちから選ばれるいずれか1種以上の1層以上のアンダーコート層を有するものによって構成されていること、
が、より好ましい解決手段になると考えられる。
(1)電気化学的手法(即ち、電気めっき法)によって、DLC膜中の貫通気孔内部に、基材の少なくとも表面部分よりは電気化学的に卑で陰極防食作用を示すめっき析出金属・合金(以下の説明は、「亜鉛」の例で述べる)を析出させてこれを充填することにより封孔することができるので、部材(基材)の耐食性を向上させることができる。
(2)めっき液から析出する前記金属・合金の成長は、該貫通気孔の孔内部のみにて起り、他のDLC膜部分には析出しないため、気孔部の形状に沿って成長するとともに、しかもその成長の起点は、基材の表面からに限定されるので、ほぼ完全な封孔処理が期待できる。
(3)本発明の方法は、炭素と水素を主成分とするDLC膜自体が有する耐摩耗性や耐食性、潤滑性などの基本特性は全く損なうことなく基材の耐食性等を向上させることができるDLC膜の利用分野の一層の拡大が期待される。
(4)基材表面にプラズマCVD法で被覆形成されたDLC膜、とくに厚膜のDLC膜中に存在する微細な貫通気孔の欠陥部の有無や、その存在割合を電気的手法によって、定量的に測定することが可能となり、DLC膜の耐食性を評価することができる。
(a)導入された炭素水素系ガスのイオン化(ラジカルと呼ばれる活性な中性粒子も存在する)が起こり、
(b)炭化水素系ガスから変化したイオンおよびラジカルは、負の電圧が印加された被処理体の面に衝撃的に衝突し、
(c)衝突時のエネルギーによって、結合エネルギーの小さいC−H間が切断され、その後、活性化されたCとHが重合反応を繰り返して高分子化し、炭素と水素を主成分とするアモルファス状の炭素・水素固形物を、基材の表面に気相析出する。
(a)イオン注入を重点的に行なう場合:10〜40kV
(b)イオン注入と成膜形成の両方を行なう場合:5〜20kV
(c)皮膜形成のみを行なう場合:数百V〜数kV(金属Tiの微粒子を共析させる条件)
(d)スパッタリングなどで重点的に行なう場合:数百V〜数kV(DLC膜の表面をArイオンや研削する条件)
(イ)常温(18℃)で気相状態のもの;
CH4、CH2CH2、C2H2、CH3CH2CH3、CH3CH2CH2CH3
(ロ)常温で液相状状態のもの;
C6H5CH3、C6H5CH2CH、C6H4(CH3)2、CH3(CH2)4CH3
気相状態の炭化水素ガスから析出するDLC微粒子の堆積層であるDLC膜の場合は、必然的に残留応力が発生する。こうした残留応力を内臓するDLC膜は、膜厚が大きくなればなるほどその残留応力も大きくなる。そして、最終的には、その残留応力が膜の密着強さよりも大きくなると、DLC膜が剥離するに至る。現在、DLC膜の被覆形成法として多くの種類の装置やプロセスが開発されているが、その適用条件の一つとして、DLC膜の残留応力によって決定され限界膜厚がある。
この点、本発明では、多くの水素(15〜40at%)を含有させることで、厚膜DLC頃がたとえ10μmを超えるような膜であったとしても、加熱処理を施すと、DLC膜と基材との熱膨張係数の差によって、膜に大きな熱応力が発生することになるので、この対策についての配慮が必要である。
従って、水素を多量に含むプラズマCVD法によるDLC膜であれば、厚膜であっても、また、その後に熱処理するような場合でも、これらにも十分に順応することが可能であることがわかる。
プラズマCVD法によって基材上に形成された前記DLC膜それ自体は、有機及び無機系の酸やアルカリ、海水、有機溶媒などにも反応せず、良好な耐食性を発揮するが、微細な多数の貫通気孔が存在することが判明した。
つまり、本発明において、充填封孔することが必要な貫通気孔の大きさとは、表2に示す結果から、電解研磨処理のような鏡面状態に研磨された基材上に形成された膜厚が1μm〜50μmの場合の前記R値は3×10−2〜2.6×10−5%程度の大きさのものが対象となる。本発明では、正に膜厚に応じたこのような大きさの貫通気孔を封孔することを目指すものである。
以下、貫通気孔を有するDLC膜に対し、前記導電性金属・合金を電気めっき処理、例えば、電気亜鉛めっき処理して、その貫通気孔を封孔する方法について説明する。この処理が可能となるDLC膜は、次に示す条件を有することが必要である。
(a)DLC膜を形成するため基材(少なくとも表面層)、およびめっき金属・合金が、電気伝導性を有すること。
(b)DLC膜に貫通気孔が存在し、その貫通気孔の内部に電気めっき液が浸入して気孔内部がめっき液によって充填できること。
(c)DLC膜自体は、電気抵抗値が大きく、非電気伝導性であること。
図3は電気伝導性の基材31の表面に形成された非電気伝導性のDLC膜32を亜鉛めっき液中に浸漬し、その基材31を陰極とすると共に、めっき金属(亜鉛)33を陽極として、直流を通電してめっきする方法である。例えば、めっき亜鉛の析出量は、基本的には通電電気量に略比例するが、本発明において、電流密度は、0.5A/dm2〜10A/dm2程度、好ましくは1A/dm2〜5A/dm2程度の直流電源を用い、温度20℃〜55℃程度の条件を採用することが好ましい。また。表4には、本発明において使用できる代表的な亜鉛めっき浴の組成例、表5は亜鉛合金めっき浴の組成例を示す。これらの合金めっき浴から析出する亜鉛合金は、何れも鉄鋼系基材より、電気化学的に碑であるため陰極防食作用を発揮する。
めっき液中の金属(Zn)イオン → 陰極面にて電子を放出して金属(Zn)として析出する。
(b)めっき液中の亜鉛濃度を高くして、貫通気孔の内部に浸入しためっき液からの析出亜鉛のみによって、気孔を充填し封孔できるようにする。
(c)めっき液を攪拌したり、超音波振動を付加することによって、めっき液の貫通気孔部への浸入を容易にするとともに、気孔外部のめっき液との交換を促すようにすること。
(d)さらに好ましくは、DLC膜自体の表面を先行特許文献23〜26に記載されているように親水性を付与し、めっき液の気孔内部への浸入を容易にすることも良い。
低残留応力のDLC膜を形成するための基材としては、炭素鋼、高・低合金鋼、ステンレス鋼、Al及びその合金、Ti及びその合金などの非鉄系金属・合金のほか、グラファイト、焼結炭素などが非金属の材料、あるいはプラスチック系の高分子材料、セラミックス材料などの電気伝導率の低い材料でもよいが、この場合、それらの表面に溶射法やPVD法、CVD法などによって金属皮膜やサーメット皮膜などの電気伝導性の皮膜を施すことが必要である。
この実施例では、Al基材の表面に形成したDLC膜の水素含有量と基材の曲げ変形に対する抵抗およびその後のDLC膜の耐食性の変化について調査した。
供試基材は、Al(JIS−H4000規定の1085)とし、この基材から、寸法:幅15mm×長さ70mm×厚さ1.8mmの試験片を作製した。
試験片の全面にわたって、DLC膜を1.5μmm厚さに形成した。このとき、DLC膜中の水素含有量を5at%〜50at%(残部は炭素)の範囲に制御したものを用いた。これらのDLC膜試験片に電気めっき法による貫通気孔内へのめっき析出亜鉛の充填による封孔処理を施こし、その耐食性の効果を無封孔処理のDLC膜と比較した。
DLC膜を形成した試験片を、90°の曲げ変形を与え、曲げ部のDLC膜の外観状況を20倍の拡大鏡で観察した。JI
S−Z2371に規定された塩水噴霧試験に供し、合計300時間の試験を行ったが、途中100時間ごとに、試験片の外観を観察し、腐食およびDLC膜の剥離などの有無を調査した。
試験結果を表6に示した。この表に示す結果から明らかなように、DLC膜の水素含有量が少なく、炭素含有量の多い試験片(No.l〜4)では、皮膜の硬さが大きく(HV:3000以上)また成膜時の残留応力値も高くなっていることもあって、90°曲げ試験後の皮膜は剥離したり、基材から浮き上がる現象が見られた。このような剥離現象が認められるDLC膜に対しては、亜鉛めっきによる貫通気孔の封孔処理の効果は認められない。
しかし、No.5試験片のようにDLC膜の剥離が軽微な場合には、100時間程度の腐食試験に対しては、亜鉛めっき処理による防食効果が認められた。
この実施例では、膜厚の異なるDLC膜に対する電気亜鉛めっき処理による貫通気孔部へのめっき析出亜鉛の封孔効果について調査した。
(1)供試基材と皮膜
a.供試基材として、腐食作用によって赤さびの発生しやすいSS400鋼(寸 法:幅30mm×長さ50mm×厚さ3.2mm)を用いた。
b.DLC膜:図1に示したプラズマCVD装置を用いて、基材の全表面に対して、0.5μm、1.0μm、3.0μm、8.0μm、15μm、20μm、30μm、50μmの厚みに形成したDLC膜を準備した。
c.上記、厚さの異なるDLC膜試験片について、電気めっき法によって、貫通気孔内に、めっき液から析出した亜鉛を充填した。
また、比較例の試験片として、無処理のSS400鋼試験片および成膜状態のDLC膜(貫通気孔部をそのままの状態にしたもの)を同条件で腐食試験に供した。
実施例1と同じ、JIS Z 2371に規定されている塩水噴霧試験方法によって、800時間の連続腐食試験を行い、試験後の各試験片の外観を目視にて、赤さびの発生の有無を調査した。
試験結果を表7に示した。この表に示す結果から明らかなように、長時間による塩水噴霧試験の結果、無処理のSS400鋼をはじめ、膜厚の小さいDLC膜では、多量の赤さびが発生していることが判明した。これらの赤さびは噴霧状態の塩水によって基材のSS400鋼が腐食され、その腐食生成物が、赤さび(Fe(OH)3、α・β・γ−FeOOH)となって顕在化したものである。一方、無処理DLC膜では、膜厚を15μmにしても、赤さびの発生が認められ、貫通気孔部から浸入する塩水の作用を完全に防止できる様子がうかがえる。
この実施例では、金属、焼結炭素およびプラスチックなどの基材表面に、各種の表面処理法によって、金属膜を形成した後、この金属膜上に形成したDLC膜に対して、本発明に係る亜鉛めっき法による貫通気孔の封孔処理を施したものの密着性を調査した。
a.供試基材として、SS400鋼(寸法:幅20mm×長さ30mm×厚さ1.8mm)焼結炭素(寸法:幅35mm×長さ50mm×厚さ5mm)プラスチックス(寸法:幅18mm×長さ50mm×厚さ2mm)を用い、それぞれの基材の表面に対して、所定の前処理を施した後、PVD法、CVD法、電気めっき法によって、金属膜を0.5〜1.5μmの厚さで形成された。
PVD法:Cr、Ta
CVD法:Cr
電気めっき法:Cr、Ni、Cu
b.DLC膜:実施例2と同じ方法によって、それぞれの基材上に形成された金属膜の表面にDLC膜を1μm、5μm、10μm、30μm、40μm、50μmの膜厚を形成した試験片を作成した。
c.前記、各試験片に対して、本発明に係る電気めっき法による貫通気孔の封孔処理を施したものを密着性調査用の皮膜とした。
電気亜鉛めっき処理後のDLC膜の密着性は、ISO 2050規定のスクラッチ試験方法を適用し、スクラッチ庇からの膜の剥離の有無およびその形状の変化から密着性の良否を判定した。
試験結果を表8に示した。この表に示す結果から明らかなように、基材質が金属質(No.1〜3)はもとより、非金属の焼結炭素(No.4、5)、有機高分子材料(No.6)であっても、それらの基材表面にCr、Taなどの皮膜を形成すると、PVD法、CVD法などのプロセスの影響を受けず、密着性に優れたDLC膜を被覆するにとどまらず、これらのDLC膜の貫通気孔の内部に電気めっき法によって、めっき析出亜鉛を充填・封孔する処理を行っても、DLC膜は良好な密着性を維持していることが確認された。
一方、電気めっき法によって、Ni皮膜(No.3)やCu皮膜(No.7)を施工した基材面に形成したDLC膜の密着性は低く、本発明の用途には、適していないことが判明した。
a.機械産業では、工作機械、織機、ポンプブロワーなどの回転機械、プラスチック炭素などのフィルムシート、繊維などの製造機、装置類、カメラ、光学機器、印刷機械装置。
b.電(気)機産業では、テレビ、ラジオ、洗濯機、冷蔵庫、冷暖房機などの家電製品をはじめ、パソコン、コピーなどの事務用機器、通信、受信用機器。
c.半導体産業では、Si、硝子などの精密研磨および加工装置。
d.バイオ、生物化学、医・薬学分野において要求される無菌および培養部材、化学プラント、石油化学、石油精製プラントなどに使用されている各種部材
以上の各種機械、装置、部材に要求されている機械的、電気的、化学的性能に応える皮膜として特に耐食性能を重複する分野で好適に使用できる。
2 静電チャック用基材
3 導体
4 高電圧パルス発生電源
5 プラズマ発生用電源
6 重畳装置
7a、7b バルブ
8 アース線
9 高電圧導入部
21 基材(石英)
22 DLC膜
31 基材の表面に導電性皮膜を被覆した基材
32 DLC膜
33 めっき金属
34 直流電源
41 基材
42 DLC膜
43 DLC膜に存在する貫通気孔
44 貫通気孔部に充填された亜鉛析出物
Claims (10)
- 基材と、その表面に形成されたDLC膜とからなる部材において、そのDLC膜は、貫通気孔率が2.6×10 −5 〜15×10 −1 %、かつこの膜中に存在する貫通気孔の内部が、電気めっき液から析出した基材の少なくとも表面層よりは電気化学的に卑で陰極防食作用を示す金属・合金によって充填され封孔されていることを特徴とする耐食性に優れたDLC膜被覆部材。
- 上記基材の少なくとも表面層よりも電気化学的に卑で、陰極防食作用を示す金属・合金が亜鉛およびその合金であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れたDLC膜被覆部材。
- 前記DLC膜は、炭素:87〜60at%と水素:13〜40at%からなり、かつ厚さが1〜50μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の耐食性に優れたDLC膜被覆部材。
- 前記DLC膜は、成膜初期の残留応力が1Gpa以下のプラズマCVD法によって形成された膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の耐食性に優れたDLC膜被覆部材。
- 前記基材は、電気伝導性を有する金属材料もしくは非金属材料のいずれか、または非電気伝導性基材の上に形成された電気伝導性を有する溶射皮膜、PVD皮膜およびCVD皮膜のうちから選ばれるいずれか1種以上の1層以上のアンダーコート層を有するものによって構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の耐食性に優れたDLC膜被覆部材。
- 前記DLC膜を形成するための反応容器内に、少なくとも表面層は電気伝導性を示す被処理基材を、該反応容器に対して相対的に負の電位となるように配設し、その容器内に炭化水素化合物ガスを導入すると共に、該基材には高周波電力と高電圧パルスを重畳印加して、該炭化水素化合物ガスプラズマを発生させることにより、上記被処理基材の表面に貫通気孔率が2.6×10 −5 〜15×10 −1 %の微細な貫通気孔を有するDLC膜を形成し、その後、このDLC膜を被覆した上記被処理基材を、該基材の少なくとも表面層よりは電気化学的に卑で陰極防食作用を示す金属・合金を含有するめっき液中に浸漬し、当該基材を陰極として直流を通電することで、DLC膜中に存在する貫通気孔内に、めっき液から析出した前記金属・合金を充填して封孔することを特徴とする耐食性に優れたDLC膜被覆部材の製造方法。
- 上記基材の少なくとも表面層よりも電気化学的に卑で、陰極防食作用を示す金属・合金は、亜鉛およびその合金であることを特徴とする請求項7に記載の耐食性に優れたDLC膜被覆部材の製造方法。
- 前記DLC膜は、炭素:87〜60at%と水素:13〜40at%からなり、かつ厚さが1〜50μmであることを特徴とする請求項6または7に記載の耐食性に優れたDLC膜被覆部材の製造方法。
- 前記DLC膜は、成膜初期の残留応力が1Gpa以下のプラズマCVD法によって形成された膜であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1に記載の耐食性に優れたDLC膜被覆部材の製造方法。
- 前記基材は、電気伝導性を有する金属材料もしくは非金属材料のいずれか、または非電気伝導性基材の上に形成された電気伝導性を有する溶射皮膜、めっき皮膜、PVD皮膜およびCVD皮膜のうちから選ばれるいずれか1種以上の1層以上のアンダーコート層を有するものによって構成されていることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1に記載の耐食性に優れたDLC膜被覆部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013207874A JP5796861B2 (ja) | 2013-10-03 | 2013-10-03 | 耐食性に優れたdlc膜被覆部材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013207874A JP5796861B2 (ja) | 2013-10-03 | 2013-10-03 | 耐食性に優れたdlc膜被覆部材およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015071808A JP2015071808A (ja) | 2015-04-16 |
JP5796861B2 true JP5796861B2 (ja) | 2015-10-21 |
Family
ID=53014371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013207874A Expired - Fee Related JP5796861B2 (ja) | 2013-10-03 | 2013-10-03 | 耐食性に優れたdlc膜被覆部材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5796861B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001157609A (ja) * | 1999-12-02 | 2001-06-12 | Tochigi Giken Kk | 歯ブラシ |
JP5194266B2 (ja) * | 2010-09-13 | 2013-05-08 | トーカロ株式会社 | サーメット皮膜の形成方法 |
-
2013
- 2013-10-03 JP JP2013207874A patent/JP5796861B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015071808A (ja) | 2015-04-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Xie et al. | Corrosion behavior of cold sprayed pure zinc coating on magnesium | |
Hryniewicz et al. | Magnetoelectropolishing for metal surface modification | |
Dikici et al. | Production of annealed cold-sprayed 316L stainless steel coatings for biomedical applications and their in-vitro corrosion response | |
Rajabalizadeh et al. | The effect of copper ion on microstructure, plating rate and anticorrosive performance of electroless Ni-P coating on AZ61 magnesium alloy | |
JP2007321194A (ja) | 耐食性溶射皮膜および溶射皮膜の封孔被覆方法 | |
Wei et al. | Corrosion and wear resistance of AZ31 Mg alloy treated by duplex process of magnetron sputtering and plasma electrolytic oxidation | |
JP5727569B2 (ja) | Dlc膜被覆部材の製造方法およびdlc膜被覆部材 | |
Zhang et al. | Corrosion behavior of electroless Ni-P/Ni-B coating on magnesium alloy AZ91D in NaCl environment | |
Zhang et al. | Effect of treatment time on a PEO‐coated AZ31 magnesium alloy | |
Oliveira et al. | Improved corrosion resistance of tool steel H13 by means of cadmium ion implantation and deposition | |
Mousavian et al. | The effect of anodizing electrolyte composition on electrochemical properties of anodized magnesium | |
JP4903104B2 (ja) | 半導体加工装置用部材 | |
JP2007327349A (ja) | 送液ポンプ用部材及びその製造方法 | |
JP5286528B2 (ja) | 半導体加工装置用部材の製造方法 | |
KR101208768B1 (ko) | 금속의 부식 저항성 향상을 위한 세라믹 코팅층 제조방법 및 그에 의한 금속의 세라믹 코팅층이 구비된 물품 | |
JP4990959B2 (ja) | 厚膜dlc被覆部材およびその製造方法 | |
JP5796861B2 (ja) | 耐食性に優れたdlc膜被覆部材およびその製造方法 | |
Singh et al. | Deposition and characterization of electroless Ni on fluoride free pretreated AZ91 magnesium alloy | |
Patel et al. | Corrosion behavior of Ti2N thin films in various corrosive environments | |
JP4599371B2 (ja) | アモルファス状炭素水素固形物皮膜被覆部材およびその製造方法 | |
Jędrusik et al. | Characterisation of oxide coatings produced on aluminum alloys by MAO and chemical methods | |
JP5194267B2 (ja) | 緻密表面層をもつサーメット皮膜の形成方法とサーメット皮膜被覆部材 | |
JP5245103B2 (ja) | 厚膜dlc被覆部材およびその製造方法 | |
JP5194266B2 (ja) | サーメット皮膜の形成方法 | |
Fedrizzi et al. | Corrosion protection of sintered metal parts by zinc coatings |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150113 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150311 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150813 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150813 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5796861 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |