JP7146213B2 - 導電膜形成方法、および配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
絶縁体の表面へのシード層の形成方法として、絶縁体の表面にエッチング処理等で微小な凹凸を形成し、そこにパラジウム等の触媒を添加したうえで、無電解めっきを行うことが知られている(特許文献1)。
一方、樹脂に対して金属膜を成膜する際に、プラズマ処理により樹脂の表面に金属との密着性を高めるための化合物層を形成し、その化合物層の上に金属膜を形成する成膜方法および成膜装置も提案されている(特許文献2)。
特許文献3には、放電のための2つの電極の外部に処理対象物を配置するプラズマ発生装置も提案されている。
また、特許文献2に開示されるような成膜方法および成膜装置は、プラズマにより樹脂の表面に樹脂および金属との密着性が良好な化合物層を形成するものであり、樹脂とは化学的な性質が異なるガラス等の無機材料に対して適用することは困難である。さらに、ガラス等の無機材料はプラズマの照射による急激または局所的な温度変化に弱いという問題もある。
一方、特許文献3に開示されるプラズマ処理装置は、処理対象物の温度上昇を押さえることはできるが、処理対象物を大気圧下に配置して処理を行うものであり、高処理能力の処理を行うことは困難である。
第2の態様の配線基板の製造方法は、基板を用意すること、前記基板に第1の態様の導電膜形成方法により導電膜を形成すること、とを含む。
図1から図3を参照して、実施形態の導電膜形成方法の概要を説明する。
図1は、ガラス等の無機材料を含む処理対象物50に対する、プラズマ処理工程およびシード層の成膜処理工程を説明する図である。
処理対象物50は、一例として無アルカリガラス、ソーダガラス、または石英ガラスからなる基板であり、おもて面50cと裏面50dをつなぐ貫通孔50hが複数形成されている。
なお、貫通孔50hの少なくとも一部は、おもて面50cまたは裏面50dのみに形成され、おもて面50cと裏面50dを貫通しない非貫通孔であっても良い。また、おもて面50cまたは裏面50dに、溝が形成されていても良い。
次に、処理対象物50を反転させ、図4(b)に示すとおり、裏面50dをプラズマ処理する。酸素ラジカル(O*)は、処理対象物50のおもて面50cおよび裏面50dのみでなく、貫通孔50hの内側面にも照射され、これらの部分を活性化する。
後述するとおり、この成膜工程においては、処理対象物50に形成されている貫通孔50hの内側面にも、金属を成膜することができる。
プラズマ処理および成膜処理における、おもて面50cと裏面50dの処理順は、それぞれ上述の順とは逆であっても良い。
また、貫通孔50hの直径は、おもて面50cおよび裏面50d付近において20μmから50μmとし、おもて面50cと裏面50dとの中間部分においては、15μmから20μmとする。すなわち、おもて面50cおよび裏面50d付近では内径が大きく、内部では内径を相対的に小さくすることが好ましい。
また、形成するシード層51c、51dの材料としては、銅に限らず、銅を含む合金や、ニッケル、アルミニウム、クロム等の他の金属およびそれらを含む合金であっても良い。
図2(a)は、この電解めっきの工程を表す図であり、シード層付処理対象物60は電解めっき装置45の電解液46中に浸され、シード層51c、51dの表面には、電源47に接続されている導線49aが接続されている。電解液46中には、対向電極48が設置されており、対向電極48には、電源47に接続されている導線49bが接続されている。
なお、めっき工程に際しても、事前にシード層51c、51dの表面の一部をマスクキングすることにより、シード層51c、51dの表面に部分的にめっきを施すこともできる。
処理対象物50のおもて面50c、裏面50dの少なくとも一部には、銅めっき膜(金属膜)52c、52dが施され、複数の貫通孔50hの少なくとも一部にもめっきにより銅52eが充填されている。なお、図2(b)では、シード層51c、51dは図示を省略している。
なお、このめっき工程は、上述の電解めっきに限らず、無電解めっきにより行うこともできる。あるいは、めっきでなく、蒸着等のドライ成膜プロセスにより行うこともできる。
図3(a)は、中間製品70を熱処理している状態を示す。
熱処理炉61は、その内部にヒータ63a、63bを備え、ヒータ63a、63bは加熱電源62からの電力により加熱される。ヒータ63a、63bからの熱により、中間製品70は加熱され、熱処理される。
熱処理に際し、金属膜52c、52dおよびシード層51c、51dの熱酸化を防止するために、熱処理炉61に対して配管64から窒素等の不活性ガスを供給しても良い。熱処理炉61内の気体は、配管65から排気される。
なお、この熱処理による加熱は、ガラス等の無機材料を含む処理対象物50が変形および破損しない程度の温度上昇速度に設定する。
上述の方法により形成された導電膜は、ガラスなどの無機材料からなる処理対象物50との間で強固な密着性を有し、その密着強度は、一例として5N/cm程度以上となる。
上記の方法により導電膜(金属膜52c、52d)が形成された処理対象物50に対して、その導電膜(金属膜52c、52d)の一部をパターニングして除去することにより、処理対象物50を、除去されずに残留した導電膜(金属膜52c、52d)を配線層として有する配線基板とすることができる。
これにより、図3(c)に示すとおり、配線基板90が完成する。
本実施形態により製造された配線基板90は、例えば、インターポーザとして、半導体集積回路の高密度実装のための配線基板として使用することができる。
以下、図4から図6を参照して、本実施形態のうちの、プラズマ処理工程と成膜工程について説明する。
図4は、本実施形態のプラズマ処理工程と成膜工程に使用する成膜装置を示す。
成膜装置100は耐圧構造の耐圧チャンバ1を備え、耐圧チャンバ1の内部には、隔壁4により隔てられたプラズマ処理室2および成膜処理室3を備えている。隔壁4には、プラズマ処理室2および成膜処理室3をつなぐ開口部5が設けられ、開口部5は、開閉扉6により開閉可能となっている。開口部5と開閉扉6は、プラズマ処理室2と成膜処理室3との間を開閉する開閉機構成を構成している。
成膜装置100はさらに制御装置7を備えている。
高密度プラズマ電極12として、一例として、ホローカソード12を用いることができる。
また、プラズマ処理室2には、減圧用配管26を介して第1減圧ポンプ25が接続されており、減圧機構としての第1減圧ポンプ25および減圧用配管26により、プラズマ処理室2の内部を減圧することができる。
第1減圧ポンプ25は、制御装置7からの制御信号S3によって制御される。
ホローカソード12は、通常のホローカソードと同様に、金属等の導体からなる平板12bを有し、その面内には、多数の中空部(貫通孔)12aが形成されている。図5では、中空部12aは、正方格子上およびそれを構成する各正方形の中心上に配置されるものとしたが、中空部12aの配列は任意で良い。
ホローカソード12は電力供給線20を介してプラズマ用電源19と接続されている。プラズマ用電源19は、たとえば、RF周波数(例えば13.56MHz)の交流電圧(主に負電圧)を発生するものが採用される。一方、対極14は接地配線21により接地されている。
スパッタ電極33またはその電極部31は、処理対象物50b上に成膜する膜の材料を供給する成膜源と解釈することもできる。
成膜装置100はさらに、成膜処理室3内にアルゴン等の不活性ガスを供給する不活性ガス供給管41と、不活性ガス供給管41に接続されている不活性ガス供給器38と、不活性ガス供給器38から供給される不活性ガスの流量を調節して成膜処理室3内の圧力を制御する制御弁39とを備えている。図4の例では、制御弁39は不活性ガス供給器38に設けられている。制御弁39の開度の調整は、制御装置7からの制御信号S6によって制御される。不活性ガス供給器38には、例えば工場配管40を介して不活性ガスが供給されるが、ガスボンベから供給されるものとしても良い。
以下、図4および図6を参照して導電膜形成方法の実施形態のうちのプラズマ処理工程について説明する。
プラズマ処理を行う際には、導電膜を形成すべき処理対象物50aは不図示の搬入機構によりプラズマ処理室2内に搬入されて第1保持機構23に保持される。すなわち、処理対象物50aは、耐圧チャンバ1内のプラズマ処理室2に設置されている上述のプラズマ発生源15に対し、ホローカソード12から対極14とは反対側に距離dだけ離れた位置に配置される。
プラズマ処理室2内に処理対象物50aを搬入する際には、プラズマ処理室2と成膜処理室3の間の開閉扉6は閉じておく。
なお、プラズマ処理室2に、上述のように不図示のロードロック室および搬入機構が設けられている場合には、このプラズマ処理室2内の減圧は、上述の処理対象物の配置よりも、前に行われることになる。
プラズマ発生源15におけるプラズマの形成方法について説明する。制御装置7が制御弁18に制御信号S1を送ることにより、反応ガス供給器17から反応ガス供給管16を介してプラズマ発生源15内の密閉空間22に所定の圧力の反応ガスを供給する。反応ガスとして、例えば酸素を使用するが、窒素を使用することもできる。そして、制御装置7がプラズマ用電源19に制御信号S2を送ることにより、ホローカソード12にはプラズマ用電源19により電力供給線20を介してRF周波数(例えば13.56MHz)の交流直流の電圧(主に負電圧)が印加される。一方、対極14は接地配線21により接地電位とされている。これにより、ホローカソード12と対極14の間で放電を発生させ、放電により生じた電子が反応ガスをプラズマ化する。
なお、従来のホローカソードと同様に、本実施形態においても、プラズマ化は特にホローカソード12に設けられた中空部12a内で発生しやすい。
また、反応ガスとの衝突などにより、プラズマの一部は、プラズマ(帯電状態)から活性化状態(ラジカル状態)に変化している。よって、処理対象物50aは、反応ガスのプラズマのみではなく、活性化状態(ラジカル状態)の反応ガスにも晒されることになる。本明細書では、プラズマ状態の反応ガスと、活性化状態(ラジカル状態)の反応ガスを、高反応性化された反応ガスと呼ぶ。また、プラズマ状態の反応ガスまたはラジカル状態の反応ガスにより、処理対象物50aの表面を活性化することをプラズマ処理と呼ぶ。
しかし、成膜装置100に設けられたプラズマ処理装置では、プラズマ発生源15と処理対象物50aの間の空間を減圧するため、プラズマ発生源15で発生したプラズマが必要以上に気体分子(反応ガスの分子)と衝突することを防ぎ、高反応性化された反応ガスの濃度の低下を防止できる。
図6(a)は、プラズマ発生源15内の反応ガスの圧力Pの時間変化を示す図であり、図6(b)は、ホローカソード12に印加する電力Eの時間変化を示す図である。
上述のように第1プラズマ状態が形成された後、時刻t1において制御装置7は制御弁18に、開度を開き(大きくし)プラズマ発生源15内の反応ガスの圧力Pを上述の第1圧力P1より高い第2圧力P2に設定する制御信号S1を送る。同時に、制御装置7は、プラズマ用電源19にホローカソード12に印加する電力Eを、上述の第1出力E1より低い第2出力E2に低下させる制御信号S2を送る。
なお、プラズマ発生源15内にプラズマが形成されていない状態では、この第2圧力P2および第2出力E2の条件では、第2圧力P2が高過ぎるために放電が発生せず、プラズマ発生源15内に新たにプラズマが形成されることはない。しかし、既に第1プラズマ状態が形成されており、プラズマ発生源15内にプラズマおよび電子が存在するため、高い第2圧力P2の下でも放電を持続でき、高密度の第2プラズマ状態を形成することができる。
上記の第1プラズマ状態および第2プラズマ状態で生成されたプラズマ状態の反応ガスおよび活性化状態(ラジカル状態)の反応ガスからなる高反応性化された反応ガスに処理対象物50aを晒すことにより、処理対象物50aのプラズマ処理を行う。
そして、時刻t3において制御装置7は、プラズマ発生源15内への反応ガスの供給を停止または供給量の削減を行うとともに、ホローカソード12への電力の印加を中止し、プラズマ処理を終了する。
あるいは、おもて面50cに対して、上述の時刻t1から時刻t3までの処理を行った後に、第1保持機構23により処理対象物50aのおもて面50cと裏面50dとを反転させ、再度、時刻t1から時刻t3までの処理を行っても良い。
また、上記の第2圧力P2は、例えば、1Pa以上、100Pa以下の圧力であることが好ましい。1Paより低圧であると、プラズマの濃度が薄くなり高い処理能力を発揮することが難しくなる。一方、100Paより高圧であると、放電を維持することが難しくなる。
第1出力E1が2W/cm2より小さいと、プラズマ発生源15内で放電を発生させプラズマを形成することが困難になる。一方、第1出力E1が5W/cm2より大きいと、プラズマ発生源15内で異常放電が発生する恐れがある。
第2出力E2が0.5W/cm2より小さいと、プラズマ発生源15内での放電およびプラズマ形成を維持することが困難になる。一方、第1出力E1が2W/cm2より大きいと、プラズマ発生源15内で異常放電が発生する恐れがある。
第2プラズマ状態は、第1プラズマ状態よりも、高い濃度の高反応性化された反応ガスを生成することができるので、第2プラズマ状態を長くすることで、より効率の良い、すなわち生産性の高い成膜方法を実現できる。
プラズマ処理が終了した処理対象物50aは、プラズマ処理室2内に設けられている搬送機構30によりプラズマ処理室2内の第1保持機構23から、大気に晒されることなく成膜処理室3内の第2保持機構35に搬送される。この搬送に先立って、制御装置7が第2減圧ポンプ36に制御信号S4を送ることにより成膜処理室3内を減圧しておく。この搬送時には開閉扉6は開かれ、この搬送の終了後には開閉扉6は閉じられる。
処理対象物50aは、成膜処理室3内の第2保持機構35に保持される。搬送され、成膜処理室3内の第2保持機構35に保持された処理対象物50aを、処理対象物50bと呼ぶ。
不活性ガス供給器38から不活性ガス供給管41を介して成膜処理室3内にアルゴン等の不活性ガスを供給するとともに、スパッタ用電源34からスパッタ電極33に電力を供給することで、処理対象物50bに対する成膜(スパッタリング)を行う。
スパッタリングに際して、スパッタ用電源34からスパッタ電極33に10kW以上、より好ましくは30kW以上の電力が供給される。この電力により成膜処理室3内のスパッタ電極33近傍の不活性ガスがイオン化され、スパッタ電極33の電場により加速されターゲット材料32に衝突し、ターゲット材料32を構成する銅または他の金属の原子が成膜処理室3内に放出され、処理対象物50b上に堆積する。
成膜処理室3内の圧力が0.5Pa以下では、ターゲット材料32から放出される際の金属原子を十分に散乱させることが難しく、10Pa程度以上では、成膜処理室3内の不純物の濃度が高くなり膜の質が低下する恐れがある。
なお、上記の実施形態においては、共に耐圧チャンバ1内にあって隔壁4で仕切られているプラズマ処理室2および成膜処理室3において、それぞれプラズマ処理と成膜処理(スパッタリング)を行うとしたが、各処理を行う場所はこれに限られるものではない。
あるいは、プラズマ処理と成膜処理とを別々の耐圧チャンバ内で行うこともできる。この場合には、プラズマ処理室2でプラズマ処理した処理対象物50aを、大気に晒すことなく成膜処理室3に搬送するために、プラズマ処理室2と成膜処理室3の間に、減圧可能または不活性ガスにガス置換可能な搬送路を設けることが望ましい。
また、プラズマ処理と成膜処理との間の相互のコンタミネーションを最小限とすることができるので、成膜される膜の品質を一層向上することができる。
また、成膜する金属材料としては、銅、ニッケル、クロム、白金、金、パラジウム、チタン、クロム合金、ステンレス合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル合金、チタン合金、銅合金、タンタル、タンタル合金、銀、銀合金、錫、錫合金、金、金合金、プラチナ合金、パラジウム合金、シリコン、シリコン合金、コバルト、コバルト合金、ニオブ、ニオブ合金、インジウム、インジウム合金、タングステン、タングステン合金、の少なくとも1つを含む金属材料を用いることができる。
図7は、熱処理における金属酸化膜56の形成を説明する図である。図7(a)は中間製品70のおもて面に形成されたシード層51c、および銅めっき膜(金属膜)52cの熱処理前の状態を示し、図7(b)は熱処理後の状態を示す、部分拡大図である。
一方、境界層55aに含まれていた酸素の一部は、シード層51c中の金属原子と反応により境界層55aから失われるため、境界層55aの厚さは熱処理により減少する。以下、熱処理後の境界層55を、第2層55とも呼ぶ。
なお、中間製品70の裏面50dに形成されたシード層51dの熱処理の前後での変化も、上述のおもて面50cに形成されたシード層51cの場合と同様である。
一例として、シード層51c、51dは、銅、ニッケル、クロム、チタン、クロム合金、ステンレス合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン合金、銅合金、タンタル、タンタル合金、錫、錫合金、シリコン、シリコン合金、ニオブ、ニオブ合金、インジウム、インジウム合金、タングステン、タングステン合金、の少なくとも1つを含む金属材料で成膜することが好ましい。
また、強力な密着力を得るためには、第2層55の厚さT55は、2nm以上であることがさらに好ましい。一方、プラズマ処理に要する時間を考慮すると、第2層55の厚さT55は、5nm以下であることがさらに好ましい。
(1)以上の導電膜形成方法の実施形態は、耐圧チャンバ1内に設置されている、高密度プラズマ電極12および高密度プラズマ電極12に対向して配置されている対極14を含むプラズマ発生源15に対し、高密度プラズマ電極12から対極14とは反対側に離れた位置に、処理対象物50を配置すること、耐圧チャンバ1内を減圧すること、プラズマ発生源15に反応ガスを供給してプラズマ状態を形成すること、処理対象物50aをプラズマ発生源15において高反応性化された反応ガスに晒すこと、反応ガスに晒した処理対象物50を大気に晒すことなく、処理対象物50の表面の少なくとも一部にシード層51c、51dを成膜すること、処理対象物50に成膜されたシード層51c、51dの表面の少なくとも一部に、無電解めっき、電解めっき、またはドライ成膜プロセスにより金属膜52c、52dを形成すること、シード層51c、51dおよび金属膜52c、52dが形成された処理対象物(中間製品)70を熱処理すること、とを含む。
このような構成としたので、成膜の前処理として行なうプラズマ処理においては処理対象物50が急激に、または局所的に高温化することを防止しつつその表面を活性化することができ、成膜処理においては、処理対象物50の表面に処理対象物50との密着性の高いシード層51c、51dを形成することができる。そして、金属膜52c、52d形成後の熱処理により、処理対象物50とシード層51c、51dと金属膜52c、52dとの密着性をさらに向上することができ、密着性が高く剥離しにくい導電層を形成することができる。
(3)反応ガスとして酸素、アルゴン、ヘリウム、水素、フッ素、またはアミンを含有する化合物の少なくとも1つを含むガスを用いることにより、プラズマ処理により処理対象物50の表面を一層活性化し、より密着性の高い導電層を形成することができる。
(4)プラズマ発生源15におけるプラズマ状態の形成に、プラズマ発生源15に第1圧力の反応ガスを供給し第1出力の電力を印加して第1プラズマ状態を形成すること、第1プラズマ状態が形成されたプラズマ発生源15に、第1圧力より高い第2圧力の反応ガスを供給し第1出力の電力より低い第2出力の電力を印加して第2プラズマ状態を形成すること、とを含ませることで、より高い密度のプラズマを形成し、プラズマ処理の処理時間を短縮し、処理能力を一層向上することができる。
(6)(5)において、スパッタリングを、耐圧チャンバ内の気圧を0.5Pa以上、10Pa以下として行うことにより、凹凸形状を有する処理対象物50に対しても、均一な導電層を形成することができる。
(8)以上の配線基板の製造方法の実施形態は、基板を用意すること、基板に、導電膜形成方法の実施形態により導電膜を形成すること、とを含む。
このような構成により、ガラス等の無機材料からなる基板に対して密着性の高い配線層を有する配線基板を実現することができる。
日本国特許出願2018年第106445号(2018年6月1日出願)
日本国特許出願2018年第167359号(2018年9月6日出願)
Claims (6)
- 耐圧チャンバ内に設置されている、高密度プラズマ電極および前記高密度プラズマ電極に対向して配置されている対極を含むプラズマ発生源に対し、前記高密度プラズマ電極から前記対極とは反対側に離れた位置に、処理対象物を配置すること、
前記耐圧チャンバ内を減圧すること、
前記プラズマ発生源に反応ガスを供給してプラズマ状態を形成すること、
前記処理対象物を、前記プラズマ発生源において高反応性化された前記反応ガスに晒すこと、
前記反応ガスに晒した前記処理対象物を大気に晒すことなく、前記処理対象物の表面の少なくとも一部にシード層を成膜すること、
前記処理対象物に成膜された前記シード層の表面の少なくとも一部に、無電解めっき、電解めっき、またはドライ成膜プロセスにより金属膜を形成すること、
前記シード層および前記金属膜が形成された前記処理対象物を熱処理すること、とを含み、
前記プラズマ発生源における前記プラズマ状態の形成は、
前記プラズマ発生源に、第1圧力の反応ガスを供給し、第1出力の電力を印加して、第1プラズマ状態を形成すること、
前記第1プラズマ状態が形成された前記プラズマ発生源に、前記第1圧力より高い第2圧力の反応ガスを供給し、前記第1出力の電力より低い第2出力の電力を印加して、第2プラズマ状態を形成すること、を含む、導電膜形成方法。 - 請求項1に記載の導電膜形成方法において、
前記第1圧力は、0.1Pa以上、50Pa以下の圧力であり、
前記第2圧力は、1Pa以上、100Pa以下の圧力である、導電膜形成方法。 - 請求項1に記載の導電膜形成方法において、
前記高密度プラズマ電極は、ホローカソードであり、
前記第1出力は、ホローカソードの単位面積当たり、2から5W/cm2であり、
前記第2出力は、ホローカソードの単位面積当たり、0.5から2W/cm2である導電膜形成方法。 - 請求項1に記載の導電膜形成方法において、
前記第2プラズマ状態の継続時間は、前記第1プラズマ状態の継続時間の10倍以上である、導電膜形成方法。 - 耐圧チャンバ内に設置されている、高密度プラズマ電極および前記高密度プラズマ電極に対向して配置されている対極を含むプラズマ発生源に対し、前記高密度プラズマ電極から前記対極とは反対側に離れた位置に、処理対象物を配置すること、
前記耐圧チャンバ内を減圧すること、
前記プラズマ発生源に反応ガスを供給してプラズマ状態を形成すること、
前記処理対象物を、前記プラズマ発生源において高反応性化された前記反応ガスに晒すこと、
前記反応ガスに晒した前記処理対象物を大気に晒すことなく、前記処理対象物の表面の少なくとも一部にシード層を成膜すること、
前記処理対象物に成膜された前記シード層の表面の少なくとも一部に、無電解めっき、電解めっき、またはドライ成膜プロセスにより金属膜を形成すること、
前記シード層および前記金属膜が形成された前記処理対象物を熱処理すること、とを含み、
前記シード層は、銅、ニッケル、クロム、チタン、クロム合金、ステンレス合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル合金、チタン合金、銅合金、タンタル、タンタル合金、錫、錫合金、シリコン、シリコン合金、ニオブ、ニオブ合金、インジウム、インジウム合金、タングステン、タングステン合金、の少なくとも1つを含む金属材料で成膜するとともに、
前記熱処理において、前記シード層と前記処理対象物との間に前記金属材料の酸化物層を形成する、導電膜形成方法。 - 基板を用意すること、
前記基板に、導電膜形成方法により、導電膜を形成すること、とを含む、配線基板の製造方法であって、
前記導電膜形成方法は、
耐圧チャンバ内に設置されている、高密度プラズマ電極および前記高密度プラズマ電極に対向して配置されている対極を含むプラズマ発生源に対し、前記高密度プラズマ電極から前記対極とは反対側に離れた位置に、処理対象物を配置すること、
前記耐圧チャンバ内を減圧すること、
前記プラズマ発生源に反応ガスを供給してプラズマ状態を形成すること、
前記処理対象物を、前記プラズマ発生源において高反応性化された前記反応ガスに晒すこと、
前記反応ガスに晒した前記処理対象物を大気に晒すことなく、前記処理対象物の表面の少なくとも一部にシード層を成膜すること、
前記処理対象物に成膜された前記シード層の表面の少なくとも一部に、無電解めっき、電解めっき、またはドライ成膜プロセスにより金属膜を形成すること、
前記シード層および前記金属膜が形成された前記処理対象物を熱処理すること、とを含み、
前記基板には貫通孔、非貫通孔、および溝の少なくとも1つが設けられているとともに、
前記導電膜の形成において、前記貫通孔、前記非貫通孔または前記溝の少なくとも一部の内部に導電材料を充填する、配線基板の製造方法。
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