JP7350480B2 - 成膜方法、成膜製品及び表面プラズモンセンサ、バイオ計測機器用部品の製造方法 - Google Patents

成膜方法、成膜製品及び表面プラズモンセンサ、バイオ計測機器用部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板表面に対する貴金属の薄膜を形成する成膜方法、成膜製品及び表面プラズモンセンサ、バイオ計測機器用部品の製造方法に関する。
半導体やディスプレイあるいは光ディスクなど各種の製品の製造工程において、例えばウエーハやガラス基板等の基板上に光学膜等の薄膜を成膜することがある。薄膜は、基板に対して金属等の膜を形成する成膜と、形成した膜に対してエッチング、酸化又は窒化等の加工処理を繰り返すことによって、作成することができる。
成膜及び加工処理は様々な方法で行うことができるが、その一つとして、プラズマ処理による方法がある。成膜では、ターゲットを配置した真空容器であるチャンバ内にスパッタガスを導入し、ターゲットに直流電圧を印加する。プラズマ化したスパッタガスのイオンをターゲットに衝突させ、ターゲットから叩き出された材料を基板に堆積させて成膜を行う。加工処理では、電極を配置したチャンバ内にプロセスガスを導入し、電極に高周波電圧を印加する。プラズマ化したプロセスガスのイオンを基板上の膜に衝突させることによって加工処理を行う。
非金属である基板に対して金属膜を成膜する場合、基板面と金属膜との密着性が低いという問題点がある。そこで、例えば、特許文献1に示すように、基板面と金属膜との間に酸化物層を形成することで、基板面と金属膜との密着力を高める方法が知られている。
例えば、基板がウエーハやガラス基板の場合、基板をセットしたチャンバ内を真空にした後、酸素を導入する。この状態で高周波電力を供給し、Oガスを電離させてプラズマを発生させる。このとき酸素イオンの影響により、基板の表面部分において、金属-窒素間結合、又は金属-炭素間結合が開裂し、この金属原子にプラズマ中の酸素イオンが結合して、酸化物層が形成される。ターゲットの金属が酸素と共有結合し易い金属の場合には、基板表面の酸化物層と金属-酸素間結合をすることとなり、基板と金属膜との密着力を高くすることができる。
特開2006-98264号公報
ところで、例えば、表面プラズモン共鳴センサとして知られるバイオ計測機器の分野では、貴金属の薄膜を基板に対して成膜した部品をセンサ部に用いるなど、プラズマ処理により貴金属の薄膜を基板に対して成膜する要望は近年高まっている。特に、表面プラズモン共鳴センサにおいては、単に薄膜を基板表面に平滑かつ均一に成膜するだけでなく、貴金属をナノ粒子化し、これら粒子を島状に成膜すると局在プラズモン共鳴で感度が向上する。このため、膜を形成する貴金属粒子の微細化と共に膜を島状に形成することが望まれている。しかしながら、前記のような従来技術では、密着力を向上させることはできるかもしれないが、このような特徴のある構成を有する貴金属の薄膜を成膜することは不可能であった。なお、一般的に、スパッタリング等の蒸着技術においては、数ナノメートル(nm)のレベルであれば、自然と島状の膜が形成されることが知られている。しかしながら、バイオ測定機器用のセンサ部に用いられる部品に要求される20nmを超えるレベルの島状の膜をスパッタリングで形成することは、やはり困難であった。
本発明の目的は、スパッタリングによって貴金属膜を島状に20nm以上の膜厚で形成することができる成膜方法、成膜製品及びこのような成膜製品を使用した表面プラズモンセンサ、バイオ計測機器用部品の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の成膜方法は、減圧装置に接続され、成膜対象である基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内に対するOガス供給手段と、前記チャンバ内に対するスパッタガス供給手段と、前記チャンバ内において前記基板に対して貴金属からなる成膜材料を堆積させるスパッタリング装置と、を用いた成膜方法であって、前記スパッタガス供給手段から導入されたスパッタガスの雰囲気中において、前記スパッタリング装置により、前記基板に対して前記成膜材料を堆積させて成膜を行う成膜工程と、前記成膜工程を行うときに、前記減圧装置により減圧した前記チャンバ内に前記スパッタガス供給手段よりスパッタガスを導入するスパッタガス導入工程と、前記チャンバ内に前記Oガス供給手段からOガスを導入するO ガス導入工程と、を含み、前記成膜工程の少なくとも開始時に、前記チャンバ内でスパッタガスとO ガスを混合させ、前記O ガス導入工程における、前記スパッタガスの導入量とO ガスの導入量とを合わせた導入量に対するO ガスの導入量の割合が50%以上であることを特徴とする。
本発明において、次のような構成を採用することができる。(1)前記成膜工程より前に、チャンバ内にOプラズマを発生させ、このOプラズマにより前記基板の表面に対して逆スパッタ処理を行う工程と、を含み、前記成膜工程において、逆スパッタ処理を行った前記基板に対して成膜を行う。
本発明のバイオ計測機器用部品の製造方法は、基板上に貴金属の薄膜が成膜されたバイオ計測機器用部品の製造方法であって、減圧装置に接続されたチャンバ内に前記基板を配置する配置工程と、前記基板が配置された前記チャンバ内を減圧する減圧工程と、前記減圧された前記チャンバ内にスパッタガスとOガスを導入するガス導入工程と、前記スパッタガスと前記Oガスが導入された前記チャンバ内で、前記基板に対して、貴金属からなる成膜材料をスパッタリングよって堆積させる堆積工程と、を含み、前記堆積工程の少なくとも開始時に、前記チャンバ内でスパッタガスとO ガスを混合させ、前記ガス導入工程における、前記スパッタガスの導入量とO ガスの導入量とを合わせた導入量に対するO ガスの導入量の割合が50%以上である。
本発明のバイオ計測機器用部品の製造方法において、以下の構成を採用できる。
(1)前記ガス導入工程において、前記スパッタガスの導入量に対するOガスの導入量の流量比は、50%以上90%以下である。
(2)前記貴金属は、Auである。
本発明によれば、様々な種類の基板に対して島状の密着力に優れた貴金属膜をスパッタリングによって成膜することができる成膜方法と成膜製品、及び局在プラズモン共鳴の感度が向上した表面プラズモンセンサ、バイオ計測機器用部品の製造方法を提供することができる。
第1実施形態における逆スパッタ装置の模式図である。 第1実施形態におけるスパッタリング装置の模式図である。 第1実施形態の効果を説明する成膜製品の模式断面図である。 (酸素)の流量比に対するN,Kの変化を示すグラフである。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。また、説明の便宜上、あえて厳密な断面図とせず、部分的に簡略な表現方法を用いる場合もある。
[1.第1実施形態]
第1実施形態は、基板表面エネルギー低下工程、及び成膜工程を含む。基板表面エネルギー低下工程では、スパッタリング処理の前段階として、基板の表面エネルギーを低下させる逆スパッタ処理を行う。また、成膜工程では、基板表面エネルギー低下工程の後、スパッタリングガスとOガスの混合雰囲気中でスパッタリングによって貴金属粒子を堆積させ成膜処理を行う。そのため、第1実施形態においては、公知のスパッタリング装置に加え、Oガス雰囲気中で基板表面に対してOガスプラズマを接触させて、基板の表面エネルギーを低下させる装置を設ける。なお、本明細書において、このような表面エネルギー低下装置を、逆スパッタ装置と呼ぶ。また、成膜処理とは、基板上に貴金属の粒子を堆積させる処理のことであり、所望の厚さの膜を形成すべくスパッタリングが開始されてから所望の厚さの膜の形成が完了するまでの処理のことである。なお、成膜処理の開始は、スパッタリング装置内のターゲットに対する電圧の供給の開始と同義であり、スパッタリングの停止はターゲットへの電圧の供給の停止と同義である。
この場合、スパッタリング装置と逆スパッタ装置は、以下に述べるように異なるチャンバ内にそれぞれ設けて、逆スパッタ処理後に逆スパッタ装置のチャンバから基板を取り出して、スパッタリング装置のチャンバ内にセットしても良いし、共通のチャンバ内に両装置を設けて逆スパッタ処理後の基板をスパッタリング装置側に手動またはロボットなどにより移動させても良い。更に、チャンバ内に回転テーブルを設けて基板を円周の軌跡で循環移動または間欠移動させるようにする構成するとともに、この円周の軌跡上にスパッタリング装置と逆スパッタ装置を配置するように構成し、循環移動または間欠移動させつつ、逆スパッタ処理とスパッタリング処理を連続して行わせるようにすることもできる。
[1-1.逆スパッタ処理とその装置]
第1実施形態の成膜方法に使用される逆スパッタ装置は、図1に示すように、チャンバ1と、チャンバ1内に設けられて基板Wを載置する保持電極2と、保持電極2の基板Wと対向するように配置される対向電極3と、保持電極2にマッチング回路4を介して接続された高周波電源5を有する。対向電極3はチャンバ1を介して接地されている。なお、この逆スパッタ装置としては、図示の対向電極方式の逆スパッタ(プラズマ処理)に限定されるものではなく、公知のプラズマ処理、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)や電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ等を適宜使用できる。
チャンバ1は、内部に逆スパッタ用のOガス及び不活性ガスが導入される容器である。チャンバ1の内部の空間は真空室を形成している。チャンバ1は、図示しない減圧装置に接続されており、減圧装置を作動させることで、基板などをセットした場合にチャンバ1内に存在する大気や、逆スパッタ処理時のOガスや不活性ガスを排気可能になっている。チャンバ1には、Oガス供給手段6及び不活性ガス供給手段7が接続される。なお、図示しないが、これらのガス供給手段6,7には、所定のタイミングで、所定流量のガスを供給するための制御装置が接続されている。
ガス供給手段6は、チャンバ1内に逆スパッタ処理用のOガスを供給するものであり、不活性ガス供給手段7は、逆スパッタ処理をOガスとArなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気で行う場合に、チャンバ1内に不活性ガスを供給するものである。逆スパッタ処理を純Oガス雰囲気中で行う場合には不活性ガス供給手段7は設けなくともよいが、後述する比較例のように、不活性ガス雰囲気中で逆スパッタ処理を行う場合には、必要である。また、1つのチャンバ1内に逆スパッタ装置とスパッタリング装置を設ける場合には、不活性ガス供給手段7はスパッタリング時においてArガスなどの不活性ガスを供給する手段として使用できる。
保持電極2は、対向電極3との対向面に基板Wを保持するものであり、基板Wの位置決め用または移動防止用の凸部やクランプを備える。保持電極2には高周波電源5から高周波電力が供給されるもので、その供給条件は、保持電極2と対向電極3の間で発生する放電により、Oプラズマを発生することができる周波数、出力、処理時間による。これらの条件は、保持電極2と対向電極3との距離、逆スパッタ処理の対象となる基板の材質、寸法、形状を考慮して決定される。
本実施形態の逆スパッタ処理は、前記のような逆スパッタ装置を使用して実行される。すなわち、チャンバ1内の保持電極2上に処理対象となる基板Wをセットして、チャンバ1を密閉した後、図示しない減圧手段によりチャンバ1内の大気を排気して、10-4Pa程度に減圧する。次いで、減圧したチャンバ1内にOガス供給手段6よりOガスを導入し(若しくはOガスに加えて不活性ガス供給手段7から不活性ガスを導入し)、チャンバ1内のOガス雰囲気が所定の圧力に達した時点で、高周波電源5より保持電極2に対して高周波電力を供給する。このときのチャンバ1内のOガス雰囲気の圧力は例えば10Pa程度とする。
この状態で、保持電極2に高周波電源5から高周波電力を供給することによって、保持電極2と対向電極3の間での高周波グロー放電による気体放電現象によりOガスを電離させてプラズマを生成させる。これにより、プラズマ中の酸素イオンが基板Wに衝突して基板表面に作用し、その表面エネルギーを低下させる逆スパッタ処理が実施される。この場合、Oガスを用いることにより、表面エネルギー低下の他、アッシングによる表面処理を行うことができる。
[1-2.スパッタリング処理とその装置]
本実施形態では、前記のように逆スパッタ処理を行った基板Wに対して、スパッタリング装置により、貴金属、例えば、金(Au)の薄膜を形成する。図2は、スパッタリング装置の模式図である。スパッタリング装置は、チャンバ1、基板Wを載置する保持電極2、保持電極2と対向して設けられたターゲット8、Oガス供給手段6、スパッタガス供給手段9を備える。ターゲット8は、成膜材料である貴金属からなる板状の部材であって、図示しないバッキングプレートに保持されていてもよい。保持電極2及びターゲット8にはDC電源10が接続される。なお、このスパッタリング装置としては、特に図示のDCスパッタリングに限定されるものではなく、従来公知のもの、例えばマグネトロンスパッタ、イオンビームスパッタなどを適宜使用できる。また、スパッタガスとして不活性ガス、例えばArガスを使用するが、他のガスの単独あるいは混合での使用も可能である。
なお、図示しないが、スパッタリング装置においても逆スパッタ装置と同様に、ガス供給手段6,9には、所定のタイミングで、かつ、所定の流量のガスを供給するための制御装置が接続されている。つまり、制御装置には、Oガスを供給するタイミングとOガスの導入量、不活性ガスを供給するタイミングと不活性ガスの導入量が個別に設定されて記憶されている。制御装置は、記憶されたタイミングと導入量でOガス供給手段6とスパッタガス供給手段9と制御する。制御装置へのタイミングと導入量の設定は、オペレータが、例えば、キーボードやタッチパネル等の入力手段を用いて行うことができる。
次に、DCプラズマスパッタリングによる金属膜の成膜工程を示す。成膜工程では、逆スパッタ処理を行った基板Wをチャンバ1内の保持電極2にセットする。そして、チャンバ1内を減圧装置にて真空引きしてチャンバ1内を例えば10-4Pa程度に減圧した後、スパッタガス供給手段9からチャンバ1内にプラズマ生成用の雰囲気ガスとして不活性ガス、例えばArガスとOガスを導入する。このときのチャンバ1内のArガスとOガスの混合雰囲気の圧力は例えば0.1Pa程度となるようにする。なお、同一のチャンバ1内において逆スパッタ処理を実施した場合には、チャンバ1内のOガスを排気した後不活性ガスとOガスを供給しても良いし、残存するOガスの圧力や濃度に応じてはOガスを排気することなく不活性ガスを添加するだけでも良い。なお、このときチャンバ1内に供給されるOガスの供給量は、Arガス(不活性ガス)の供給量とOガスの供給量を合算した供給量に対して、50%以上90%以下であることが望ましい。チャンバ1内のOガスを排気した後に改めてガスを供給する場合には、Oガスの導入量(流量)が、不活性ガスの導入量とOガスの導入量とを合算した導入量に対して、50%以上90%以下の流量比となるように供給することが望ましい。
チャンバ1内に所定圧力の不活性ガスとOガスとの混合ガスが充填された状態で、ターゲット8にDC電源10から直流の負電圧を印加することによって、保持電極2とターゲット8の間での放電によりプラズマを生成させる。このときの直流電圧の供給条件は基板の寸法、形状などに応じて適宜設定される。生成されたプラズマ中のイオンはターゲット8に衝突して、ターゲット8からは金粒子がはじき飛ばされ、逆スパッタ処理により表面エネルギーを低下させた基板Wの表面にこの金粒子が堆積して、Au膜が形成される。このようにして所望の厚み(例えば40nm)となるまでスパッタリング装置にてAu膜の形成を行った後、チャンバ1内を大気に開放して、基板Wを取り出す。
本実施形態においては、後述の実施例で説明するように、ArガスとOガスの混合ガスの雰囲気中でAuをスパッタリングすることで、基板Wに島状のAu膜を形成できるものであるが、スパッタリングに先立って逆スパッタ処理を行うことにより、更に次のような作用効果が得られる。すなわち、図3(a)は通常のスパッタリングによるAu成膜の状態を示す模式図であるが、この図から分かるように、Au膜との密着性を向上させるために粗面化された基板Wの表面にAu膜を形成した場合、Au材料の金属結合が強く、Auが基板Wの凹凸内部にまで入り込むことができず、Auと基板Wとの共有結合が困難になり、両者の密着力が低下することがある。一方、逆スパッタ処理を行った基板Wは、表面エネルギーが低下するため基板W上をAu粒子が移動しやすい。また、基板W表面にカーボン成分などの異物が付着していても逆スパッタ処理によってアッシングが可能となるため、Au粒子の付着を妨げる異物を除去できる。その結果、本実施形態によれば、図3(b)に示すように、基板Wの凹凸の内部にまでAu粒子が入り込み、基板WとAU粒子の密着性を向上させることができる。
[2.第2実施形態]
第2実施形態の成膜方法は、スパッタリング装置による成膜材料の堆積処理の初期段階、例えば、スパッタリングの開始時から一定の期間に、チャンバ1内でスパッタリング用の不活性ガスに対してOガスを混合させることを特徴とする。第2実施形態では、逆スパッタ処理を行っていない基板Wに対して、不活性ガスとOガスの混合雰囲気中でスパッタリングを行っているが、第1実施形態の逆スパッタ処理を行った基板Wに対しても混合雰囲気中でスパッタリングを行ってもよい。
本実施形態のスパッタリング処理は、例えば、図2に示す装置により実行することができるが、Oガス供給手段6とスパッタガス供給手段9を備えたスパッタリング装置であれば、公知のスパッタリング装置を適宜使用できる。本実施形態では、基板Wをチャンバ1内の保持電極2にセットし、チャンバ1内を真空引きしてチャンバ1内を例えば10-4Pa台程度に減圧した後、チャンバ1内にスパッタガス供給手段9からArガスを導入すると共に、Oガス供給手段6からOガスを導入する。このときのチャンバ1内の雰囲気中におけるArガスとOガスとの比率の変更は、Oガスの流量比を変化させることで行うことができる。本実施形態においては、Oガスの流量比は、50%以上90%以下であることが望ましい。また、チャンバ1内の雰囲気ガスの全圧等の条件は適宜設定されるが、チャンバ1内の雰囲気ガスの圧力が0.1Pa程度となるようにする。
図4は、O(酸素)の流量比に対するN,Kの変化を示すグラフである。なお、Nは屈折率であり、Kは光の吸収を表す光学定数、つまり、消光係数である。このグラフに示すように、流量比が増えるに従って、Nは上昇、Kは低下する傾向が見られる。すなわち、Auバルク文献値のN=0.166,K=3.16から、流量比を下記のように変化させた。
N:0.24(流量比0%)→1.38(流量比50%)→2.64(流量比80%)
K:3.47(流量比0%)→3.19(流量比50%)→1.48(流量比80%)
またこのとき、流量比が増えるに従って、膜の色も「金色」から「若干透けているこげ茶色or黒色」に変化が見られた。つまり、流量比が増えるに従って膜が島状化していると推測される。このような現象を考慮して、成膜材料の希望する用途、特性に応じて、適切な流量比を決定しても良い。
本実施形態において、Oガスを不活性ガスに混合する期間は、スパッタリングの開始前からAu膜厚が10nm以上となるまでが好ましい。すなわち、基板Wの表面の凹凸の全域にAu膜が形成された後は、Au粒子は基板表面の凹凸に沿って形成されたAu膜の表面に堆積されることになり、その場合は、Au膜とAu粒子の金属結合によりAu粒子がAu膜の表面形状、すなわち基板Wの表面の凹凸に倣った形状で堆積するからである。ただし、Oガスのプラズマが存在するとAu金属粒子の表面エネルギーが低下するので、成膜工程の後半であってもAu金属粒子のAu膜表面での移動が促進され、Au粒子がAu膜表面の凹凸に沿って移動しやすくなり蓄積されたAu膜表面の凹凸を埋めて平坦化することがないので、基板Wの凹凸に沿って島状化したAu膜を形成することが容易となる。そのため、スパッタリングの最終段階までOガスを不活性ガスに混合してもよい。また、Oガスの混合時期を調整することで、完成されたAu膜の凹凸の形状や度合いを制御することも可能である。
チャンバ1内に混合ガスが導入された状態で、ターゲット8に直流電圧を印加することによって、保持電極2とターゲット8の間での放電によりArガスとOガスとの混合カス雰囲気中でプラズマが生成する。プラズマ中のイオンはターゲット8に衝突して、ターゲット8からは金属粒子がはじき飛ばされ、基板Wの表面に衝突させられる。この場合、チャンバ1内には混合ガスが導入されていることからOガスのプラズマも存在し、このOガスのプラズマによって基板Wの表面エネルギーが低下して前記第1実施形態と同様な効果を発揮するとともに、Au粒子表面にもOガスのプラズマが作用してその表面エネルギーが低下し、Au粒子間の金属結合力が低下する。
その結果、本実施形態では、第1実施形態と同様にAu粒子が基板Wの表面に沿って移動してその凹凸内に深く入り込むと共に、図3(a)のようなAu粒子同士が結合した平坦面となることなく、Au膜表面が図3(c)に示すように多数の凹凸のある島状化する。
このような構成を有する本実施形態では、基板Wの凹凸の内部にまでAu粒子が入り込み、基板WとAu粒子の密着性が向上すると共に、Au膜をナノ粒子化する事が可能となり、このような成膜製品を表面プラズモンセンサとして使用すると、局在プラズモン共鳴で感度を向上させることが可能となる。
本発明の実施例を、表1~表3及び図1を参照して、以下に説明する。
[3.第1の特性比較(PC基板に対する表面処理条件による特性比較)]
(サンプルの作製方法)
本特性比較においては、PC基板の表面処理の条件を変えて実施例1、比較例1~3、及び参考例1~2のサンプルを作製した。各サンプルは、厚さ1.2mm、大きさ20mm×20mmのガラスエポキシ製のPC基板である基板Wを用意し、基板Wに対して表面処理を行うことで作製した。
(試験方法)
各サンプルにおけるAu膜の密着力の強弱の試験として、幅15mmのテープ(商品名セロテープ(商標:ニチバン))を用いたテープテストを行った。なお、テープテストは、JIS H 8504「めっきの密着性試験方法」で規定される、引きはがし試験方法のテープ試験方法に従って行なった。テープテストでは、テープをAu膜に貼り付け、そのテープを引き剥がす。その際のAu膜の状態を目視で観察することでAu膜と基材との密着力を検証した。テープテストは、各サンプルに格子状の切れ目を所定数形成し、Au膜の剥離が観察できなかった場合には密着力が強いとし、1カ所でもAu膜の剥離を観察した場合には、密着力が弱いと判定した。
(作製手順)
(参考例1)
参考例1では、基板Wに対してOガスによる逆スパッタ処理と、スパッタリング処理とを行った。成膜材料としてはAuを使用し、スパッタリング時における不活性ガスとしてはArガスを使用し、Oガスは添加しなかった。各処理の条件は、以下の通りである。
(1) 逆スパッタ処理
印加電圧 50W
高周波周波数 13.56MHz
処理時間 120秒
ガス圧力 50sccm
不活性ガスの有無 無
(2) スパッタリング処理
印加電圧 540V(DC300W)
処理時間 60秒
不活性ガスの供給量 5sccm(Arガス)
ガスの供給量 22sccm(80%流量比)
(参考例2)
参考例2は、基板Wに対して藤倉化成(株)製の蒸着ベースコート(ガラス用)をアンダーコートとして10μmの厚さで塗布したものを使用した。逆スパッタ処理を行わず、Arガスのみによるスパッタリング処理を行った。Arガスの供給量は、27sccmとした。
(実施例1)
実施例1では、逆スパッタ処理を行わず、基板Wに対してArガスとOガスによるスパッタリング処理を行った。スパッタリング処理のOガスの流量比は、参考例1と同様とした。
(比較例1)
比較例1は、基板ベーキング処理、アンダーコート処理、表面エネルギー低下処理及びArガスとOガスによるスパッタリング処理を行わず、Arガスのみによるスパッタリング処理を行った。
(比較例2)
比較例2は、アンダーコート処理、表面エネルギー低下処理及びArガスとOガスによるスパッタリング処理を行わず、基板ベーキング処理及びArガスのみによるスパッタリング処理を行った。
(比較例3)
比較例3は、基板Wに対してArガスによる逆スパッタ処理と、Arガスのみによるスパッタリング処理とを行った。
表1は、作製した実施例1、比較例1~3、及び参考例1~2のAu膜と基板Wとの密着力と、光学特性を示す表である。密着力の項目における〇は、テープテストの結果においてAu膜の剥離が観察されなかったことを示し、×はAu膜の剥離を1カ所でも観察されたことを示す。
[表1]
Figure 0007350480000001
表1に示すように、比較例1では、Au膜厚が40nmを超えると、Au膜と基板Wとの密着力が弱くなり、Au膜の剥離が観察される。また、比較例2では、Au膜厚が60nmを超えると、Au膜と基板Wとの密着力が弱くなる。これは、Au膜と基板Wとの密着力を高める処理を行わない場合や、Au膜と基板Wとの密着力を高める処理が基板ベーキングのみである場合には、十分な密着力を得ることができないことを示している。
一方、参考例1においては、Au膜厚が100nmを超えても十分な密着力が維持できており、基板WからAu膜の剥離は観察されなかった。同様に、基板WにOガス添加スパッタ処理を行った実施例1においても、Au膜厚を100nm超とした場合でも強い密着力のままであった。これは、Oガスによる逆スパッタ処理とArガスのみによるプラズマスパッタリング工程との組み合わせによるAu膜と基板Wとの密着力を高める処理や、ArガスとOガスによるプラズマスパッタリング工程により、Au膜と基板Wとの密着力が十分に高くなっていることを示す。
Au膜厚を100nm超とした場合でも強い密着力のままとする方法としては、従来、参考例2に示すように、基板Wに対してアンダーコートを塗布し、基板W表面の凹凸を埋める平坦な面とする処理が知られている。基板W表面に塗布されたアンダーコートの表面は平坦であるため、アンダーコートとAu膜との間に空隙が無く密着する。このため、Au膜はアンダーコートを介して基板W表面に密着する。しかしながら、アンダーコートを用いて強い密着力を得るためには、基板W表面に対してアンダーコートを塗布するという工程が必要であり、それ故の工程数の増加というデメリットがある。また、表面プラズモンセンサなどは、その特性上基板Wに対してアンダーコートを塗布することができない。
これに対して、実施例1及び参考例1の方法を用いることで、アンダーコートを用いることなく十分な密着力を発揮することが可能となる。ただし、参考例1では、Au膜を島状に形成することができない。これに対して、実施例1では、公知のスパッタリング装置を使用してArガスにOガスを添加することで、Au膜を島状に形成することができている。すなわち、実施例1は、比較例1~3、及び参考例1、2と比較し光学特性が変化している。光学特性の変化は、成膜中の酸素の添加に起因すると考えられる。Auは、酸化しないため、Auが酸化することによる光学特性の変化ではなく、Au膜が島状に変化したことによると推察される。また、逆スパッタ処理とスパッタリング処理のいずれにおいても、ヒータ等の加熱装置による加熱を行なっていない。つまり、常温状態の基板Wに対して処理を行なっている。したがって、積極的な加熱を行うことなく、島状のAu膜が得られることがわかる。
[4.第2の特性比較(ガラス基板に対する表面処理条件による特性比較)]
(サンプルの作製方法)
本特性比較においては、ガラス基板Wの表面処理の条件を変えて実施例2、比較例4~5、及び参考例3のサンプルを作製した。各サンプルは、厚さ1.2mm、大きさ20mm×20mmのガラス基板Wを用意し、ガラス基板Wに対して表面処理を行うことで作製した。逆スパッタ処理及びスパッタリング処理の条件は基板WがPC基板における(1) (2) と同様である。
(作製手順)
(参考例3)
参考例3では、ガラス基板Wに対してOガスによる逆スパッタ処理と、Arガスのみによるスパッタリング処理とを行った。
(実施例2)
実施例2では、ガラス基板Wに対してArガスとOガスによるスパッタリング処理とを行った。
(比較例4)
比較例4は、Arガスのみによるスパッタリング処理を行った。
(比較例5)
比較例5は、ガラス基板Wに対してArガスによる逆スパッタ処理と、Arガスのみによるスパッタリング処理とを行った。
表2は、作製した実施例2、比較例4~5、及び参考例3のAu膜と基板Wとの密着力と、光学特性を示す表である。
[表2]
Figure 0007350480000002
表2に示すように、比較例4では、Au膜と基板Wとの密着力が弱くなり、Au膜の剥離が観察される。これは、Au膜と基板Wとの密着力を高める処理を行わない場合には、十分な密着力を得ることができないことを示している。
一方、参考例3においては、Au膜厚が100nmを超えても密着力が強いままであり、ガラス基板WからAu膜の剥離は観察されなかった。同様に、ガラス基板WにOガス添加スパッタ処理を行った実施例2においても、Au膜厚を100nm超とした場合でも強い密着力のままであった。これは、ガラス基板Wの場合においても、Oガスによる逆スパッタ処理とArガスのみによるパッタリング処理との組み合わせによるAu膜と基板Wとの密着力を高める処理や、ArガスとOガスによるスパッタリング工程により、Au膜と基板Wとの密着力が十分に高くなっていること示す。しかも、実施例2においては、PC基板と同様に光学特性が変化している。つまり、ガラス基板Wにおいても、Oガスの添加によってAu膜の島状に変化したと推察される。
参考例3では、逆スパッタ処理のために、スパッタ源以外に逆スパッタ処理用のプラズマ源及びRF電源が必要となる。これにより、成膜装置が複雑化や大型化の一因となる。これに対して、実施例2では、ArガスにOガスを添加することで、基板WとAu膜との密着力を強くすることができる点は、PC基板の場合と同様である。
[5.第3の特性比較(Siウエーハに対する表面処理条件による特性比較)]
(サンプルの作製方法)
本特性比較においては、Siウエーハの表面処理の条件を変えて実施例3、参考例4及び比較例6、7のサンプルを作製した。各サンプルは、厚さ0.7mm、大きさ20mm×20mmのSiウエーハを用意し、Siウエーハに対して表面処理を行うことで作製した。逆スパッタ処理及びスパッタリング処理の条件は基板WがPC基板における(1) (2) と同様である。
(作製手順)
(参考例4)
参考例4では、Siウエーハに対してOガスによる逆スパッタ処理と、Arガスのみによるスパッタリング処理とを行った。
(実施例3)
実施例3では、Siウエーハに対してArガスとOガスによるスパッタリング処理を行った。
(比較例6)
比較例6は、Arガスのみによるスパッタリング処理を行った。
(比較例7)
比較例7は、Siウエーハに対してArガスによる逆スパッタ処理と、Arガスのみによるスパッタリング処理とを行った。
表3は、作製した実施例3、比較例6、7及び参考例4のAu膜と基板Wとの密着力と、光学特性を示す表である。
[表3]
Figure 0007350480000003
表3に示すように、比較例6では、Au膜と基板Wとの密着力が弱くなり、Au膜の剥離が観察される。これは、Au膜と基板Wとの密着力を高める処理を行わない場合には、十分な密着力を得ることができないことを示している。
一方、参考例4においては、Au膜厚が100nmを超えても密着力が強いままであり、SiウエーハからAu膜の剥離は観察されなかった。同様に、SiウエーハにOガス添加スパッタ処理を行った実施例3においても、Au膜厚を100nm超とした場合でも強い密着力のままであった。これは、Siウエーハの場合においても、Oガスによる逆スパッタ処理とArガスのみによるプラズマスパッタリング処理との組み合わせによるAu膜と基板Wとの密着力を高める処理や、ArガスとOガスによるプラズマスパッタリング処理により、Au膜と基板Wとの密着力が十分に高くなっていること示す。しかも、実施例3においては、PC基板と同様に光学特性が変化している。つまり、Siウエーハにおいても、Oガスの添加によってAu膜の島状に変化したと推察される。
参考例4では、Oガスによる逆スパッタ処理のために、スパッタ源以外に逆スパッタ処理用のプラズマ源及びRF電源が必要となる。これにより、成膜装置が複雑化や大型化の一因となる。これに対して、実施例4では、ArガスにOガスを添加することで、SIウエーハとAu膜との密着力を強くすることができる点は、PC基板の場合と同様である。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、この実施形態及び実施例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。例えば、上記実施形態では、Oガスとスパッタガスの混合ガスの雰囲気下で成膜工程が開始されるようにした。つまり、成膜工程の開始前にOガスとスパッタガスの供給を開始した。しかしながら、Oガスやスパッタガスを供給を開始するタイミングはこれに限られるものではなく、成膜工程の開始と同時等、他のタイミングであってもよい。要は、成膜工程が行われるときに、Oガスとスパッタリングガスの混合ガスの雰囲気が形成されていればよい。また、Oガスの供給は、成膜工程が完了するまで継続し成膜工程が完了した時点で停止させてもよいし、成膜工程の途中で停止させてもよい。さらに、成膜工程が完了した後も所定時間継続して供給してもよい。要は、成膜工程の間、必要量のOガスがスパッタガス中に混合されていればよい。上記実施形態では、貴金属として金(Au)を用いるものとしたが、プラチナ(Pt)を用いることもできる。
1 …チャンバ
2 …保持電極
3 …対向電極
5 …高周波電源
6 …ガス供給手段
7 …不活性ガス供給手段
8 …ターゲット
9 …スパッタガス供給手段
10…DC電源

Claims (4)

  1. 減圧装置に接続され、成膜対象である基板を収容するチャンバと、
    前記チャンバ内に対するOガス供給手段と、
    前記チャンバ内に対するスパッタガス供給手段と、
    前記チャンバ内において前記基板に対して貴金属からなる成膜材料を堆積させるスパッタリング装置と、
    を用いた成膜方法であって、
    前記スパッタガス供給手段から導入されたスパッタガスの雰囲気中において、前記スパッタリング装置により、前記基板に対して前記成膜材料を堆積させて成膜を行う成膜工程と、
    前記成膜工程を行うときに、
    前記減圧装置により減圧した前記チャンバ内に前記スパッタガス供給手段よりスパッタガスを導入するスパッタガス導入工程と、
    前記チャンバ内に前記Oガス供給手段よりOを供給するOガス導入工程と、
    を含み、
    前記成膜工程の少なくとも開始時に、前記チャンバ内でスパッタガスとOガスを混合させ、
    前記Oガス導入工程における、前記スパッタガスの導入量とOガスの導入量とを合わせた導入量に対するOガスの導入量の割合が50%以上であることを特徴とする成膜方法。
  2. 前記成膜工程より前に、チャンバ内にOプラズマ発生させ、このOプラズマにより前記基板の表面に対して逆スパッタ処理を行う工程と、
    を含み、
    前記成膜工程において、逆スパッタ処理を行った前記基板に対して成膜を行うことを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 基板上に貴金属の薄膜が成膜されたバイオ計測機器用部品の製造方法であって、
    減圧装置に接続されたチャンバ内に前記基板を配置する配置工程と、
    前記基板が配置された前記チャンバ内を減圧する減圧工程と、
    前記減圧された前記チャンバ内にスパッタガスとOガスを導入するガス導入工程と、
    前記スパッタガスと前記Oガスが導入された前記チャンバ内で、前記基板に対して、貴金属からなる成膜材料をスパッタリングよって堆積させる堆積工程と、
    を含み、
    前記堆積工程の少なくとも開始時に、前記チャンバ内でスパッタガスとOガスを混合させ、
    前記ガス導入工程における、前記スパッタガスの導入量とOガスの導入量とを合わせた導入量に対するOガスの導入量の割合が50%以上であることを特徴とするバイオ計測機器用部品の製造方法。
  4. 前記貴金属は、Auであることを特徴とする請求項記載のバイオ計測機器用部品の製造方法。
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